JP2008273383A - 建機キャブ及びその製造方法並びにその床構造 - Google Patents

建機キャブ及びその製造方法並びにその床構造 Download PDF

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Abstract

【課題】製造の際の作業性に優れると共に安全性も確保される建機キャブの製造方法を提供する。
【解決手段】ユニットフレーム30の下面に各種部品32をボルト34、スペーサ36、溶接などで固定する際しては、ユニットフレーム30の下面(各種部品32が固定される面)を上にして(ユニットフレーム30を反転させて)、各種部品32をボルト34、スペーサ36、溶接などで固定する。従って、作業者は下向きの作業を行うことになるので、作業者は顔を上に向けて各種部品32を取り付ける作業をせずにすみ、例えば小さなボルト34などが作業者に落下することがない。また、ユニットフレーム30は床20よりも薄くて軽いので容易に反転できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、油圧ショベルなどの建設機械の運転室である建機キャブ及びその製造方法並びにその床構造に関する。
建設機械のキャビン(建機キャブ)には、キャブ本体を構成する床(フロア)をキャブと一体構造で備えたタイプのものがある。このタイプの建機キャブでは床もキャブ本体の一部であり、床は溶接やボルトによって本体の柱や壁などに固定されている。この床の表面(キャブ室内の側)には、運転席、操作レバー、空調機器などが配置されると共に、この床の裏面(下側)には、油圧機器、空調機器、各種配管などが組み付けられる。床の裏面に油圧機器、空調機器、各種配管などを組み付ける作業では、ボルトアップ(ボルトによる締結)の場合はフロアを反転させて組み付けることが比較的容易であり、その後、キャブとドッキングさせることができるが、上記の一体構造にされたキャブでは、作業者がこの床の下から上向きになって行う作業となる。下向きで作業を行うためには、キャブ本体を反転しなければならず大がかりな設備が必要となる。従って、一般には、上記のような上向きの作業が行われている(例えば、特許文献1,2参照。)。
特開2003−221839号公報 特開2004−137832号公報
このような上向きの作業では、作業姿勢も悪く、作業性も非常に良くない。また、上向きの組み付け作業中に部品が落下するおそれもある。また、床下には、ねじを切ったボスが数多く配置されてアーク溶接で組み付けられる。このため、各種構成部品の位置決めやアーク溶接の工数がかかり、スパッタがねじ部に付着してリタップが必要になるなど不具合が多くなるおそれがある。また、一般に床の材質は熱間圧延鋼板であり、その表面をスケール(酸化被膜)が覆っており(酸化被膜は脆くて剥がれ易い)、また、床の板厚は厚いので、この床に各種構成部品を溶接する際にはプロジェクション溶接ができない。そこで、取り付け強度の低い構成部品の取り付けに際しては、キャブ本体の床にタップ加工を施して組み付けているが、作業性も効率も良くない。
本発明は、上記事情に鑑み、製造の際の作業性に優れると共に安全性も確保される建機キャブ及びその製造方法並びにその床構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の床構造は、キャブ本体を構成する床を備えた建機キャブにおける、前記床の床構造において、
(1)前記建機キャブの構成部品が取り付けられると共に、前記床の下に配置されるユニットフレームを備えたことを特徴とするものである。
ここで、
(2)前記ユニットフレームは、前記床よりも薄い板状のものであってもよい。
また、
(3)前記ユニットフレームは、複数本のパイプ材からなるもの、又は、格子状に組まれた板材からなるものであってもよい。
さらに、
(4)前記床と前記ユニットフレームを固定する固定用部材を備えてもよい。
さらにまた、
(5)前記床と前記ユニットフレームとの間に配置された遮音部材又は断熱部材を備えてもよい。
また、上記目的を達成するための本願発明の建機キャブは、キャブ本体を構成する床を備えた建機キャブにおいて、
(6)上記したいずれかの床構造を備えたことを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本願発明の建機キャブの製造方法は、キャブ本体を構成する床を備えた建機キャブの製造方法において、
(7)上記したいずれかのユニットフレームを作製し、
(8)前記床の下面に該ユニットフレームを固定することを特徴とするものである。
本発明によれば、建機キャブの構成部品(例えば、油圧機器、空調機器、ハーネス、各種配管などであり、全構成部品の一部である)をユニットフレームに取り付けておき、このユニットフレームを建機キャブの床に固定することとなるので、建機キャブの床構造を容易に構成できる。従って、キャブ本体の床の下から上を向いて各種構成部品を一つひとつ床に直接に取り付ける作業は不要である。このため、製造の際の作業性に優れると共に安全性も確保される。
本発明は、油圧ショベル、ダンプトラック、ホイルローダ、ブルドーザなどの建機キャブに実現された。
図1を参照して、本願発明の建機キャブを説明する。
図1(a)は、本願発明の一例の建機キャブを前方から見た概略構成を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示す建機キャブをその左右方向中央部で切断して概略構造を示す断面図である。
建機キャブ10は、例えば油圧ショベルのキャビンとして使用されるものである。建機キャブ10は、ドア(図示せず)、フロントガラス14、天井16、天井16の保護板17、リアガラス18などを備えており、外観は、従来のものとほぼ同様である。建機キャブ10の特徴は、その床構造にある。建機キャブ10は、キャブ本体を構成する床20を備えている。床20の下には、床20よりも薄い板状のユニットフレーム30が固定されている。床20の下面とユニットフレーム30の上面とは接触するように両者は固定されている。なお、ユニットフレーム30の下面には、後述する図2に示すように、建機キャブ10の構成部品(例えば、油圧機器、空調機器、ハーネス、各種配管など)が取り付けられている。なお、ユニットフレーム30の下方のフレーム(図示せず)には保護板(図示せず)が配置されている。
図2と図3を参照して、床20とユニットフレーム30について説明する。
図2は、建機キャブの構成部品が取り付けられたユニットフレームを床に取り付ける状態を示す斜視図である。図3は、床の上面に組み付けられる各種部品を床と共に示す斜視図であり、ユニットフレームは省略している。
床20には、各種部品・部材を上から差し込んだり下から差し込んだりする複数の孔20a、20b、20c、20dが形成されている。これらの孔20a、20b、20c、20dは、必要に応じて適宜に形成される。ユニットフレーム30の下面には、建機キャブ10の構成部品である油圧機器、空調機器、ハーネス、各種配管などの各種部品(これらはまとめて符号32で示す)がボルト34、スペーサ36などで固定される。各種部品32のうち一部の部品は、ユニットフレーム30に形成された孔30a、30bからユニットフレーム30の上面に突出しており、さらに、床20の孔20a、20b、20c、20dに下から差し込まれて床20の上面に突出することとなる。
ユニットフレーム30の下面に各種部品32をボルト34、スペーサ36、溶接などで固定する際しては、ユニットフレーム30の下面(各種部品32が固定される面)を上にして(ユニットフレーム30を反転させて)、各種部品32をボルト34、スペーサ36、溶接などで固定する。従って、作業者は下向きの作業を行うことになるので、作業者は顔を上に向けて各種部品32を取り付ける作業をせずにすみ、例えば小さなボルト34などが作業者に落下することがない。また、ユニットフレーム30は床20よりも薄くて軽いので容易に反転できる。
上記のようにして、各種部品32が取り付けられたユニットフレーム30を作製し、このユニットフレーム30を床20に固定する。この固定の際は、ユニットフレーム30の下面を下に向けて、ほぼ長方形のユニットフレーム30の四隅に開けられた固定用孔30dにワッシャ52を介して固定用ボルト50(本願発明にいう固定用部材の一例である)を差し込む。従って、4つの固定用ボルト50を固定用孔30dに差し込むときだけが上向きの作業となる。この作業によって、床20の下面には、ユニットフレーム30を介して各種部品32が取り付けられることとなる。このため、床20への各種部品32の組付け作業性が大幅に改善されるだけでなく、工数低減、作業の安全性向上が図られる。また、ユニットフレーム30が床20に固定される前のキャブ本体を傾斜させなくても、床20の下面に各種部品32を容易に取り付けられることとなる。
上記のようにしてユニットフレーム30が固定された床20には、図3に示すように、床20の上面側から各種部品(これらはまとめて符号54で示す)がボルト56やスペーサ58などによって床20に固定される。なお、床20の下面とユニットフレーム30の上面は接触しているが、両者の間に空間が形成されるようにして、この空間に遮音材や断熱材(これらは図示せず)を配置しても良い。また、上記の例ではユニットフレーム30を板状のものとしたが、複数本のパイプ材又は板材を例えば格子状に組み合わせたものからユニットフレーム30を構成してもよい。
図4を参照して、上記の各種部品32を床20又はユニットフレーム30に固定するためのねじ孔などについて説明する。
図4(a)は、床の上面又は下面に部品を組み付ける場合の手段を示す断面図であり、(b)は、床の上面に部品を組み付ける場合の手段を示す断面図であり、(c)は、床の下面に部品を組み付ける場合の手段を示す断面図である。
構成部品32を床20に取り付ける場合、(a)に示すように床20にタップ加工(ねじ孔60を形成)を施す方法と、ボス(ナット)をアーク溶接する方法とが考えられる。タップ加工では小さい締付力が得られ、アーク溶接したボスでは大きい締付力が得られる。しかし、ボスのアーク溶接とタップ加工は作業性が悪く、コストがかかる。これに対し、構成部品32を比較的弱い強度で床20の上面(正確にはユニットフレーム30)に取り付けても良い場合は、(b)に示すように、ユニットフレーム30の下面にナット62を溶接で固定して、このナット62に構成部品32を固定させることができ、タップ加工が不要となる。従って、その分、コストダウンできる。同様に、床20の下面(正確にはユニットフレーム30)に取り付けても良い場合は、(c)に示すように、ユニットフレーム30の上面にナット64を溶接で固定して、このナット64に構成部品32を固定させることができ、タップ加工が不要となる。従って、その分、コストダウンできる。
上記のユニットフレーム30は、図5に示すように、キャブ本体の側壁112と床20などとが溶接などで一体成形された建機キャブ110に取り付けることもできる。また、一枚の板状部材からなるユニットフレーム30に代えて、図6に示すように、複数の板材132,134等を組み合わせて構成されたユニットフレーム130を用いてもよい。このユニットフレーム130を用いた場合は、一枚の板状のユニットフレーム30よりもさらに軽量化を図ることができる。
以上説明したように、ユニットフレーム30に各種部品32をその強度に応じて取り付けておき、このユニットフレーム30を床20に固定することにより、各種部品32を直接に下から床20に取り付けるよりも、低コストで簡易な作業で床構造を構成できる。
(a)は、本願発明の一例の建機キャブを前方から見た概略構成を示す斜視図であり、(b)は、(a)に示す建機キャブをその左右方向中央部で切断して概略構造を示す断面図である。 建機キャブの構成部品が取り付けられたユニットフレームを床に取り付ける状態を示す斜視図である。 床の上面に組み付けられる各種部品を床と共に示す斜視図であり、ユニットフレームは省略している。 (a)は、床の上面又は下面に部品を組み付ける場合の手段を示す断面図であり、(b)は、床の上面に部品を組み付ける場合の手段を示す断面図であり、(c)は、床の下面に部品を組み付ける場合の手段を示す断面図である。 キャブ本体と床とが一体成形された建機キャブにユニットフレームを取り付ける例を示す斜視図である。 複数の板材を組み合わせて構成されたユニットフレームを示す斜視図である。
符号の説明
10 建機キャブ
20 床
30、130 ユニットフレーム
34 ボルト
36 スペーサ

Claims (7)

  1. キャブ本体を構成する床を備えた建機キャブにおける、前記床の床構造において、
    前記建機キャブの構成部品が取り付けられると共に、前記床の下に配置されるユニットフレームを備えたことを特徴とする床構造。
  2. 前記ユニットフレームは、前記床よりも薄い板状のものであることを特徴とする請求項1に記載の床構造。
  3. 前記ユニットフレームは、複数本のパイプ材からなるもの、又は、格子状に組まれた板材からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の床構造。
  4. 前記床と前記ユニットフレームを固定する固定用部材を備えたことを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の床構造。
  5. 前記床と前記ユニットフレームとの間に配置された遮音部材又は断熱部材を備えたことを特徴とする請求項1から4までのうちのいずれか一項に記載の床構造。
  6. キャブ本体を構成する床を備えた建機キャブにおいて、
    請求項1から5までのうちのいずれか一項に記載の床構造を備えたことを特徴とする建機キャブ。
  7. キャブ本体を構成する床を備えた建機キャブの製造方法において、
    請求項1から5までのうちのいずれか一項に記載のユニットフレームを作製し、
    前記床の下面に該ユニットフレームを固定することを特徴とする建機キャブの製造方法。
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