JP2008272806A - レーザ加工装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ加工装置100は、レーザ光源50と、一定方向に整列された回動軸を中心としてそれぞれ回動可能に設けられた複数の微小ミラーが回動軸と交差する方向に延びる4つの辺で囲まれた矩形領域内で4つの辺の互いに直交する2辺が延びる方向に配列された微小ミラーアレイからなる空間変調素子6と、微小ミラーアレイと被加工面11aとが共役になるように配置された照射光学系8とを備え、レーザ光源50から微小ミラーアレイで反射し照射光学系8を経て被加工面11aに至る光軸P1、P2、P3、P4、P5が同一の平面上にあるようにした構成とする。
【選択図】図1
Description
このようなレーザ加工装置として、特許文献1には、ガラス基板上の欠陥部を撮像して取得された欠陥画像データから欠陥部の形状データを抽出し、この形状データに従ってDMD(Digital Micro mirror Device)ユニットの各微小ミラーを高速に角度制御し、これら微小ミラーで反射したレーザ光の断面形状を欠陥部の形状に略一致させて欠陥部に照射するリペア装置が記載されている。
特許文献1に記載の技術では、DMDユニットを用いることにより、欠陥部の形状に応じて空間変調されたレーザ光を照射するため、効率よくレーザ加工できるが、DMDでは、微小ミラーを高速に回動するために、微小ミラーの対角線方向に回動軸を設定したデバイスが一般的となっている。
この場合、反射光を被加工面に向けて反射するオン状態の微小ミラーの入射面、すなわち、DMDに入射するまでの光軸、DMDで反射されてから被加工面に向かう光軸、および微小ミラーの法線を含む平面は、微小ミラーの回動軸に直交しなければならないので、微小ミラーが配列されたDMDユニットの矩形領域の4つの辺、または長辺および短辺の方向に対して、それぞれの光軸が捩れの位置関係にあるレイアウトを採用しなければならない。
このようなレイアウトでは、被加工面に矩形状の加工可能領域を設定し、DMDユニットをこの加工可能領域の配置に合わせて配置すると従来の構成では、光源やミラーなどを配置するメカレイアウトがきわめて複雑となり、部品加工や組立が複雑になる。その結果、部品加工費や組立工数が増大し、コストのアップの要因となるという問題がある。
レーザ加工装置200は、図12に示すように、筐体201に、投影レンズ204、ミラー205、207、空間変調素子206、半透鏡209、対物レンズ208、および撮像ユニット210などが一体に設けられている。
これにより、投影レンズ204に入射したレーザ光は、光軸Q1、Q2、Q3、Q4、Q5のように屈曲された光路を経て、被加工物に照射され、一方、被加工物は、光軸Q5上に配置された撮像ユニット210によって撮像される。
空間変調素子206は、図12に示すように、長辺方向がB矢視方向、短辺方向がA矢視方向に配置され、それに合わせて、光軸Q3、Q4,Q5が同一平面上に配置されている。ところが、空間変調素子206は、DMDを用いるため、例えば、長辺方向に対して45°に延びる方向を回転軸としているので、このような光学レイアウトを実現するために、空間変調素子206に入射する光軸Q2を空間変調素子206の長辺および短辺に対して交差する斜入射方向に配置するようにしている。すなわち、図12のA視方向において、光軸Q3に対して角度a(図13(a)参照)、同じくB視方向において、光軸Q3に対して角度b(図13(b)参照)だけそれぞれ傾斜させて、光軸Q3、Q4、Q5を含む平面に対して、光軸Q1、Q2が捩れの位置となるように配置している。
このため、投影レンズ204、ミラー205などの、空間変調素子206に入射前の光学系の配置が、きわめて複雑となり、筐体201の形状も複雑となり、光軸Q1,Q2上に配置される部材が、斜めに傾斜するため、コンパクトなユニットを構成できないという問題がある。
この発明によれば、レーザ光源から微小ミラーアレイで反射し照射光学系を経て被加工面に至る第1の光軸が同一の平面上にあるようにした構成とするので、この光学系を構成する光学素子や光学デバイスなどの光学部品を一平面上に配列することができ、光路の折り曲げ、部品配置、取付が容易となり、一平面に交差する方向への部材の突出を抑えてコンパクトな構成とすることができる。
本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成を示す光軸を含む断面における模式説明図である。図2(a)は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の主要部の外観を示す模式的な正面図である。図2(b)は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の主要部の外観を示す模式的な側面図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の空間変調素子の光軸を含む断面における模式的な断面図である。図4は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の空間変調素子の模式的な平面図である。図5(a)は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の空間素子近傍の正面視の模式図である。図5(b)は、図5(a)のC視平面図である。図6は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の空間変調素子の基準面と入射面との位置関係を示す模式的な斜視図である。図7は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の制御ユニットの概略構成を示す機能ブロック図である。
なお、図中のXYZ座標系は、方向参照の便宜のために各図共通の位置関係に設けたもので、鉛直方向がZ軸、水平面がXY平面であり、Y軸負方向からY軸正方向に向かう方向が、正面視の方向に一致されている(以下、他の図でも同様)。
また、図中の光束を示す線は、試料のある1点にレーザ光を照射する場合を模式的に描いたものである。
レーザ加工装置100の概略構成は、図1、2に示すように、レーザ光源50、加工ヘッド20、加工ヘッド移動機構31、載置台21、制御ユニット22、表示部30、およびユーザインタフェース(図7参照)からなり、被加工物である基板11は、加工時には、加工ヘッド20の下方に設置された載置台21上に被加工面11aを上側に向けて水平に載置される。
レーザ発振器1は、基板11上の欠陥を除去できるように、波長、出力が設定されたレーザ光を発振するもので、例えば、パルス発振可能なYAGレーザなどを好適に採用することができる。発振波長は、リペア対象に応じて複数の発振波長を切り換えられるようになっている。
レーザ発振器1は、制御ユニット22に電気的に接続され、制御ユニット22からの制御信号に応じて発振が制御されるようになっている。
結合レンズ2は、レーザ発振器1から出射されるレーザ光をファイバ3に光結合するための光学素子である。
ファイバ3は、結合レンズ2により、ファイバ端面3aに光結合されたレーザ光を内部で伝搬させて加工ヘッド20内に導き、レーザ光60として、ファイバ端面3bから出射するものである。レーザ光60は、ファイバ3の内部を伝搬してから出射されるので、レーザ発振器1のレーザ光がガウシアン分布であっても、光量分布が均一化された拡散光となっている。
なお、図1は模式図のため、レーザ発振器1をZ方向に沿って配置しているが、レーザ発振器1の配置位置・姿勢は、これに限定されるものではなく、ファイバ3を適宜配回すことにより適宜の配置位置・姿勢に設定することができる。また、ファイバのモードを安定させるためのモードスクランブラを組み込んでもよい。
また、レーザ光の均一化手段は、このようにファイバ3を用いることなく、他の光学素子、例えば、フライアイレンズ、回折素子、非球面レンズや、カレイド型ロッドを用いたものなどの種々の構成のホモジナイザなどを用いた構成としてもよい。
本実施形態では、相対移動は、加工ヘッド移動機構31によって加工ヘッド20を被加工面11aに平行なX軸方向および被加工面11aに直交する方向(Z軸方向)に移動し、載置台21によって、基板11をY軸方向に移動する場合の例で説明するが、例えば、加工ヘッド20がZ軸方向に移動して載置台21がXY方向に移動したり、載置台21が固定され加工ヘッド20がXYZ軸方向に移動したり、というように適宜の組合せの相対移動を採用することができる。
本実施形態では、投影レンズ4の光軸P1は、ZX平面において、X軸正方向から負方向に向かうにつれて、Z軸正方向から負方向に向かう斜め方向に設定されている。
各微小ミラー6aの回動軸Rは、図4に示すように、基準面M内で、変調領域の長辺に対して角度θ1(ただし、θ1>0°)、短辺に対して角度θ2(ただし、θ2>0°、かつ、θ1+θ2=90°)だけ傾斜されている。
本実施形態では、一例として、α=12°、θ1=θ2=45°であるようなDMDを採用している。
なお、本実施形態では、空間変調素子6は長辺W×短辺Hの矩形状としたが、正方形でもよく、その場合は、4つの辺のうち、互いに直交する2辺の一方を長辺、他方を短辺と便宜上名付けることにすれば、下記の説明が同様に成り立つ。
各微小ミラー6aの位置は、長辺方向の列番号m、短辺方向の行番号n(m、nは、0以上の整数)として、(m,n)で表すことができる。
本実施形態では、レーザ光61の光路上にミラー5を配置して、レーザ光61の光軸P1を光軸P2の方向に反射し、レーザ光61が、空間変調素子6の基準面Mの法線に対して角度2αで入射する配置としている。このため、オン光62は、基準面Mの法線に沿う光軸P3に沿って反射される。
このように空間変調素子6を、回動軸Rの方向に応じて角度θだけ回転した配置とすることで、図6に示すように、光軸P1、P2を含む、ZX平面に平行な平面が、ミラー5で反射されて微小ミラー6aに入射するレーザ光61の軸上光の入射面Sと一致する。そのため、光軸P1、P2、および微小ミラー6aで反射されるオン光62の光軸P3とは、同一平面上に位置することになる。
本実施形態では、対物レンズ8Bは、倍率が異なる複数個がレボルバ機構によって切り替え可能に保持されている。そのため、レボルバ機構を回転させて対物レンズ8Bを切り替えることで、照射光学系8の倍率βを変更できるようになっている。以下では、特に断らない限り、対物レンズ8Bは、照射光学系8を構成するために選択されたレンズを指すものとする。
また本実施形態では、結像レンズ8Aの光軸P4は、X軸方向に平行に配置され、対物レンズ8Bの光軸P5は、Z軸方向に平行に配置されている。
このため、空間変調素子6と、結像レンズ8Aとの間には、オン光62を反射して、光軸P4に沿って入射させるミラー7が設けられている。そして、結像レンズ8Aと対物レンズ8Bとの間には、結像レンズ8Aを透過した光を反射して、光軸P5に沿って入射させる半透鏡9が設けられている。
このようにして、光軸P4、P5は、光軸P1、P2、P3と同一平面上に位置している。すなわち、レーザ光源1からオン状態の微小ミラー6aで反射し照射光学系8を経て被加工面11aに至る第1の光軸を構成する光軸P1〜P5は、すべて同一平面上に位置している。
また、ミラー7、半透鏡9は、いずれもY軸回りにのみ傾斜されている。
なお、結像レンズ8AのNAは、オフ光63として反射された光が、入射しない大きさとされる。
半透鏡9と対物レンズ8Bとの間の光路上において観察用光源16に対向する位置には、半透鏡9で反射されたオン光62を透過し、観察用光70を対物レンズ8Bに向けて反射する半透鏡14が設けられている。そして、観察用光源16と半透鏡14との間には、観察用光70を適宜径の照明光束に集光する集光レンズ15が設けられている。なお、集光レンズ15の光軸P6は、第1の光軸が位置する平面上にあってもよいし、交差する位置にあってもよい。
観察用光源16としては、例えば、可視光を発生するキセノンランプやLEDなど適宜の光源を採用することができる。
そして、撮像素子13の光軸P5回りの回転位置は、撮像面の長辺および短辺が、被加工面11a上の加工可能領域の長辺および短辺の方向と平行となるように調整されている。
ただし、本実施形態では、後述するように画像処理部44が、加工データを算出する際、撮像素子13と被加工面11a上の加工可能領域との位置関係を補正する画像処理を行えるようになっているため、撮像素子13の光軸P5回りの回転位置の調整精度は、撮像面の長辺および短辺が、被加工面11a上の加工可能領域の長辺および短辺と補正処理が可能な範囲で略平行になっていればよい。
なお、本実施形態では、撮像素子13は長辺w×短辺hの矩形状としたが、正方形でもよく、その場合は、4つの辺のうち、互いに直交する2辺の一方を長辺、他方を短辺と便宜上名付けることにすれば、下記の説明が同様に成り立つ。
撮像素子13で光電変換された画像信号は、撮像素子13に電気的に接続された制御ユニット22に送出される。
制御ユニット22の装置構成は、本実施形態では、CPU、メモリ、入出力部、外部記憶装置などで構成されたコンピュータと適宜のハードウェアとの組合せからなる。データ記憶部43、補正データ記憶部47は、このコンピュータのメモリや外部記憶装置を用いて実現している。また、他の構成は、それぞれの制御機能、処理機能に対応して作成されたプログラムをCPUで実行することにより実現している。
空間変調素子駆動部41は、画像処理部44で生成された加工データに基づいて、空間変調素子6の各微小ミラー6aのオン/オフ状態を制御するものである。
欠陥抽出部45は、画像データ150に対して欠陥抽出処理を行い、加工形状情報を欠陥画像データ151として、加工データ生成部46に送出するものである。
この欠陥抽出処理は、周知のいかなる欠陥抽出アルゴリズムを用いてもよい。例えば、取得された画像データと、あらかじめ記憶された正常な被加工面11aのパターン画像データとの輝度の差分をとり、その差分データをあるしきい値で2値化したデータから欠陥を抽出することができる。
加工データ生成部46は、欠陥抽出部45から送出された加工形状情報に対応して、被加工面11aにオン光62を照射できるように、空間変調素子6の各微小ミラー6aのオン/オフを制御する加工データ152(変調データ)を生成するものである。
載置台21に、位置設定用の基板11を載置し、加工データ152として、不図示のLEDなどの参照用光源に切り替えて、位置設定用のパターン、例えば、加工可能領域の外周を示す矩形や、加工可能領域の中心位置に対応する十字などの幾何学的なパターンを設定して、位置設定用の基板11の被加工面11aに位置設定用パターンを照射する。
次に、撮像素子13で被加工面11aを撮像し、位置設定用のパターンが照射された被加工面11aの画像を取得する。そして、画像処理部44によって、この画像の撮像面上の位置座標を解析し、撮像素子13の撮像面の加工可能領域に対する位置ずれを検出し、撮像素子13の回転量を算出する。
レーザ加工装置100で、レーザ加工を行うには、まず、載置台21上に被加工物として、基板11を載置する。
次に、加工ヘッド移動機構31によって、加工ヘッド20を移動して、最初の加工位置に設定し、被加工面11aの加工可能領域の画像を取得する。すなわち、観察用光源16を点灯し、観察用光70を発生させる。観察用光70は、半透鏡14で一部が反射され、この反射光が対物レンズ8Bで集光されて被加工面11a上の加工可能領域を照明する。
被加工面11aで反射された反射光は、対物レンズ8Bで集光され、一部が、半透鏡14を透過する。そして、半透鏡9により、さらに一部が透過されて、観察用結像レンズ12に導かれる。観察用結像レンズ12に入射した光は、撮像素子13の撮像面に結像される。
撮像素子13は、結像された被加工面11aの画像を光電変換し、画像取込部40に送出する。
画像取込部40では、送出された画像信号を、必要に応じて、ノイズ除去、輝度補正などの処理を施して表示部30に表示する。また、装置制御部42の制御信号に応じて、適宜のタイミングにおける画像信号を、画像データ150に変換し、データ記憶部43に記憶する。このようにして、被加工面11aの加工可能領域の画像が取得される。
加工データ生成部46では、欠陥画像データ151の回転位置の補正処理を行う必要がある場合には、まず補正データ記憶部47から補正データを読み出して、欠陥画像データ151の回転移動を行う。
この状態では、欠陥画像データ151における2次元の配列方向と、加工可能領域の長辺および短辺の方向とが一致している。
また、被加工面11aの加工可能領域と空間変調素子6の変調領域とは、照射光学系8によって、共役の関係とされており、照射光学系8の投影倍率がβであるため、加工可能領域上の位置座標を1/β倍することで、空間変調素子6の変調領域上の位置に対応させることができる。
このようにして、加工データ生成部46では、欠陥画像データ151から、欠陥画像データ151で表される被加工面11a上の各位置に、オン光62を照射するためオン状態に制御すべき微小ミラー6aを決定し、それらの微小ミラー6aをオン状態とし、他の微小ミラー6aをオフ状態とするように空間変調素子6を駆動する加工データ152を生成する。例えば、各微小ミラー6aの位置(m,n)に対応して、オン状態が1、オフ状態が0の数値が対応する表データとして、加工データ152が生成される。
生成された加工データ152は、空間変調素子駆動部41に送出する。
次に、装置制御部42は、レーザ発振器1に対して、レーザ光を発振させる制御信号を送出し、基板11に応じて予め選択された照射条件に基づいて、レーザ発振器1からレーザ光を発振させる。レーザ光の照射条件としては、例えば、波長、光出力、発振パルス幅などが挙げられる。
発振されたレーザ光は、結合レンズ2でファイバ3のファイバ端面3aに光結合され、ファイバ端面3bから、光強度分布が略均一化された発散光であるレーザ光60として出射される。
傾斜角がオフ状態とされた微小ミラー6aで反射されるオフ光63(図6参照)は、結像レンズ8AのNAの範囲外に反射される。
傾斜角がオン状態とされた微小ミラー6aで反射されたオン光62は、光軸P3に沿って進み、ミラー7で反射されて光軸P4に沿って進み、結像レンズ8Aに入射し、集光されて、半透鏡9に到達し、半透鏡9で反射される。
半透鏡9で反射されたオン光62は、光軸P5に沿って進み、対物レンズ8Bによって被加工面11a上に結像される。
このようにして、加工データ152に基づくオン光62よる変調領域の画像が、被加工面11a上に投影される。その結果、オン光62が、被加工面11aの欠陥に照射され、欠陥が除去される。
この加工後、撮像素子13により再度被加工面11aの画像を取得し、必要に応じて、上記を繰り返して、未除去部があれば再度レーザ加工したり、あるいは、加工可能領域を移動して他の部分のレーザ加工をしたりする。
例えば、各光学部品の光軸傾き調整は、すべて1軸回り(本実施形態では、Y軸回り)の調整のみとなり、調整が容易となる。また、光軸傾きの精度に影響する部品加工も、1軸回りの精度のみを高精度に加工すればよいので、加工が容易となる。
また、光軸P1〜P5が整列する平面に交差する方向に延ばして、構成部品を配置しなくてもよいので、光軸P1〜P5が整列する平面に交差する方向において、加工ヘッド20からの構成部材の突出を抑えることができ、光軸P1〜P5が整列する平面の法線方向における加工ヘッド20の厚さを低減することができる。そのため、装置構成をコンパクトなものとすることができる。
本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工装置について説明する。
図8は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成を示す光軸を含む断面における模式説明図である。図9(a)は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工装置の主要部の外観を示す模式的な正面図である。図9(b)は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工装置の主要部の外観を示す模式的な平面図である。図10は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工装置の制御ユニットの概略構成を示す機能ブロック図である。
回転機構26は、第1光学ブロック25をその下端側で光軸P5回りに回転可能に保持するものである。本実施形態では、回転角が制御可能なモータなどを備えることで、ユーザインタフェース32からの操作により回転できるようになっている。
第2光学ブロック27は、上記第1の実施形態の加工ヘッド20のうち、半透鏡14、対物レンズ8B、集光レンズ15、および観察用光源16を上記第1の実施形態と同様の位置関係に配置して第2光学ブロックと異なる筐体27aに固定したもので、筐体27aの上面側に回転機構26を保持してなる。そして、加工ヘッド移動機構31によって、載置台21に対して3軸方向に相対移動可能に保持されている。
回転量算出部48は、欠陥抽出部45からの欠陥画像データ151を解析して、欠陥の大きさや延在方向に応じて、最適となる撮像面の光軸P5回りの回転角を設定するためのものである。本実施形態では、欠陥画像データ151の欠陥部分を囲む矩形を求め、この矩形の長辺および短辺が、それぞれ撮像面の長辺および短辺に平行となる回転角を算出するようにしている。ただし、欠陥部分を囲む矩形は、任意方向を向いた矩形でもよいし、例えば、各辺がX軸、Y軸に平行な矩形に限定してもよい。
回転量算出部48で算出された回転角は、装置制御部42に送出され、回転する必要がある場合には、回転角に応じた制御信号が、装置制御部42から回転機構26に送出されるようになっている。
図11(a)、(b)は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工装置の動作について説明する動作説明図である。
レーザ加工装置110によれば、回転機構26によって、第2光学ブロック27に対して、第1光学ブロック25が光軸P5回りに回転されても、常に、光軸P1〜P5が、同一平面上に位置する。このため、レーザ加工は、上記第1の実施形態と全く同様に行うことができる。
本実施形態では、さらに、回転機構26を駆動することにより、基板11に対する撮像素子13を光軸P5回りに回転し、被加工面11a上の撮像領域、およびそれと対応した加工可能領域を回転させることができる。
図11(a)、(b)に示すように、例えば、基板11の長辺方向がY軸方向、短辺方向がX軸方向に配置されている場合を考える。
この場合に、図11(a)に示すように、第1光学ブロック25を、図示時計回りに、φ1=45°回転させることで、撮像素子13の長辺方向と、基板11の長辺方向とが平行となるように設定することができる。また、第1光学ブロック25を、図示反時計回りに、φ2=45°回転させることで、撮像素子13の短辺方向と、基板11の長辺方向とが平行となるように設定することができる。
また、もし、基板11の載置精度が悪く、所定位置に対して回転して載置された場合でも、ずれ量に合わせて、第1光学ブロック25を回転することで、基板11のずれ量を補正した状態で、レーザ加工を行うことができるため、高精度のレーザ加工を行うことができる。このずれ量は、例えば、画像処理部44Aによって、画像データ150に含まれる正常画像部分のパターンの方向性を検出することによって求めることができる。また、表示部30に表示される画像において、画像計測を行って求めてもよい。
リペア加工する基板11は、矩形状で、矩形の長辺、短辺に沿う方向に回路パターンなどが延ばされることが多いため、このような配置を選択することで、例えば、欠陥抽出に用いる正常画像パターンは、予め縦横を入れ替えた2種類を用意するか、1種類を必要に応じて90°回転して用いることができるため、任意の回転角に応じて正常画像パターンを回転変換してから、欠陥抽出演算を行う場合に比べて、演算処理を迅速に行うことができる。
図10に示すように、欠陥抽出部45から欠陥画像データ151が回転量算出部48に送出されると、回転量算出部48では、欠陥画像データ151を画像処理して、欠陥部分を含む矩形を算出する。そして、この矩形の長辺および短辺の方向から、その長辺および短辺が、撮像素子13の長辺および短辺とそれぞれ平行となる回転角を算出する。
例えば、図11(a)に示すように、欠陥300を囲む矩形T1から、回転角φ1を算出し、第1光学ブロック25をφ1回転する。また、図11(b)に示すように、欠陥301を囲む矩形T2から、回転角φ2を算出し、第1光学ブロック25をφ1回転する。
このように、欠陥の形状に応じて、撮像素子13の回転方向を調整することで、欠陥を撮像素子13の撮像範囲に効率的よく納めることができるので、高倍率で撮像することが可能となり、高精度のレーザ加工が可能となる。また、撮像面を有効に用いて、近接した複数の欠陥を効率的に撮像し、同時にレーザ加工することもできるため、レーザ加工の効率を向上することができる。
このように、加工対象が欠陥でない場合には、被加工面の欠陥を抽出する画像処理部を有しない構成としてもよい。
6 空間変調素子
6a 微小ミラー
8 照射光学系
8A 結像レンズ
8B 対物レンズ
11 基板
11a 被加工面
12 観察用結像レンズ(撮像光学系)
13 撮像素子(撮像部)
20、24 加工ヘッド
20a、27a 筐体
22、23 制御ユニット
25 第1光学ブロック
25a 筐体(保持部材)
26 回転機構(回転保持機構)
27 第2光学ブロック
31 加工ヘッド移動機構
40 画像取込部
44 画像処理部
45 欠陥抽出部
46 加工データ生成部(座標変換手段)
47 補正データ記憶部
48 回転量算出部
50 レーザ光源
62 オン光
100、110 レーザ加工装置
150 画像データ
152 加工データ(変調データ)
P1、P2、P3、P4、P5 光軸
Claims (6)
- レーザ光源と、
一定方向に整列された回動軸を中心としてそれぞれ回動可能に設けられた複数の微小ミラーが前記回動軸と交差する方向に延びる4つの辺で囲まれた矩形領域内で前記4つの辺の互いに直交する2辺が延びる方向に配列された微小ミラーアレイによって前記レーザ光源から照射されるレーザ光を空間変調する空間変調素子と、
前記微小ミラーアレイと前記被加工面とが共役になるように配置された照射光学系とを備え、
前記レーザ光源から前記微小ミラーアレイで反射し前記照射光学系を経て前記被加工面に至る第1の光軸が同一の平面上にあるようにしたことを特徴とするレーザ加工装置。 - 前記被加工面を撮像するため、前記照射光学系と一部同軸に構成された撮像光学系と、
該撮像光学系で投影される像を取得する撮像部とを備え、
前記第1の光軸と、前記被加工面から前記撮像光学系を経て前記撮像部に至る第2の光軸とが同一の平面上にあることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。 - 前記撮像部で取得された画像に画像処理を施して、前記被加工面の欠陥抽出を行い、抽出された欠陥の情報に基づいて、欠陥部分を除去するために前記空間変調素子を駆動する変調データを生成する画像処理部を備えることを特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
- 前記撮像部は、光電変換要素が、4つの辺で囲まれた矩形領域内で前記4つの辺の互いに直交する2辺が延びる方向にそれぞれ配列された撮像素子を有し、
該撮像素子の矩形領域の前記互いに直交する2辺の方向は、前記照射光学系によって前記被加工面に投影される前記空間変調素子の矩形領域の前記互いに直交する2辺の方向に合致する位置関係に配置されることを特徴とする請求項2または3に記載のレーザ加工装置。 - 前記画像処理部は、前記撮像部が取得した像を、前記第2の光軸を中心として回転変換する座標変換手段を備え、
該座標変換手段は、前記撮像部が取得した像を、前記照射光学系によって前記被加工面に投影される前記空間変調素子の矩形領域の前記互いに直交する2辺の方向の前記第2の光軸に対する回転量に合わせて回転させることを特徴とする請求項2または3に記載のレーザ加工装置。 - 前記レーザ光源、前記空間変調素子、および前記照射光学系を一体に保持する保持部材と、
該保持部材を、前記第1の光軸のうち、前記被加工面に入射する光軸部分を回転中心軸として回転可能に保持する回転保持機構とを備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレーザ加工装置。
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