JP2006227198A - レーザ加工装置 - Google Patents

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靖浩 宮崎
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Abstract

【課題】 レーザ加工装置において、被加工物の破壊や加工不良につながる微小ミラーアレイの偏向動作の劣化を精度よく容易に検出することができるようにする。
【解決手段】 レーザ光源1から出射されたレーザビーム2をDMD4に照射し、DMD4上の可動ミラー面の傾斜角に応じて試料9へ向かうレーザビーム2Aと試料9から離れる方向に向かうレーザビーム2Bとに分割する。そしてレーザビーム2Bをリレー光学系10、減衰フィルタ11を介して第2撮像素子12の撮像面上に投影し、画像データ103を取得し、第2画像処理部13で画像処理することによりオフ状態ミラーを特定する。そしてコントローラ14によりデータ102の情報と比較して偏向動作が不良となっている可動ミラー面の有無を検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微小ミラーアレイを用いたレーザ加工装置に関する。
従来、レーザ加工装置において、被加工物に照射するレーザビームを複数の微小ミラーによりスイッチングして、レーザビームが照射される範囲、パターンを可変して加工を行うようにした装置が知られている。
このようなレーザ加工装置では、微小面積を有する微小ミラー面に高出力のレーザビームが照射されるため、微小ミラーアレイ素子が経時劣化しやすく、ひとたび微小ミラーアレイ素子が劣化すると、例えば微小ミラー面の傾きが狂ってレーザビームの照射位置がずれ、加工領域での加工不良を起こしたり、加工が不要な領域や加工済の領域を破壊したりするという問題があった。
このような問題を解決するために、例えば特許文献1には、微小ミラーアレイ素子の1つであるデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)が劣化した場合に、DMDあるいはレーザ光の入射側に設けられたマスクを移動することにより、劣化していないDMD上に光ビーム照射領域を移動できるようにした露光装置が記載されている。
また、劣化状態測定手段の例として、光ビーム出射時間累積カウンタにより劣化状態を推定するもの、被描画媒体に相当する位置で光パワーを測定して光パワーの低下から劣化状態を検出するもの、描画領域ごとに設けた光検出器で散乱光を測定してその増大の変化により劣化状態を検出するものが記載されている。
特開2004−191660号公報(第4−8頁、図7、10、13)
しかしながら、上記のような従来の微小ミラーアレイを用いたレーザ加工装置には以下のような問題があった。
特許文献1に記載された技術では、微小ミラーアレイの移動により劣化領域の使用を回避することができるものの、いずれの劣化状態測定手段も、微小ミラーアレイの動作状態の劣化を検出できるものではなかった。
例えば、光ビーム出射時間累積カウンタの場合、光照射時間と寿命との関係などから寿命を統計的に推測するに過ぎないから、安全側で用いるためには実寿命よりかなり早く寿命に達したと判定する必要があり、過剰品質になりやすいという問題がある。
また、描画媒体に相当する位置での光パワーを測定する手段では、加工機能と直接関係する光パワーを測定するので、より直接的な劣化を検出しやすいものの、全体の光パワーを測定する場合、個々のレーザビームが所定位置に来ているかどうかまでは知ることができないという問題がある。また各レーザビームの光パワーを照射位置ごとに測定する場合、全照射位置にわたって微小領域の光パワーを計測しなければならず手間と時間とがかかるという問題がある。また、加工と並行して測定することができないため効率が悪いという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、被加工物の破壊や加工不良につながる微小ミラーアレイの偏向動作の劣化を精度よく容易に検出することができるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のレーザ加工装置は、光源部から出射されたレーザビームをビーム断面内で複数に分割して選択的に偏向することにより被加工物の加工を行うレーザ加工装置であって、傾斜角が複数に切り替え可能な複数の可動反射面を有し、該複数の可動反射面に入射する前記光源部から出射されたレーザビームを前記各可動反射面の傾斜角に応じてそれぞれ被加工物に向かう第1の方向または被加工物から離れる第2の方向に偏向できるようにした微小ミラーアレイと、前記第1の方向に偏向されたレーザビームを前記被加工物上に導く投射光学系と、前記微小ミラーアレイを撮像する撮像素子と、前記微小ミラーアレイにより前記第1および第2の方向に偏向されたレーザビームの少なくともいずれかを前記撮像素子に入射させる検出光学系と、前記検出光学系を通して前記撮像素子により撮像された画像から前記微小ミラーアレイの偏向動作状態を検出する偏向動作検出手段とを備えた構成とする。
このような構成によれば、光源から出射されたレーザビームが、微小ミラーアレイに入射され、微小ミラーアレイの各可動反射面の傾斜角を選択的に切り替えることにより、2つの傾斜角に応じて被加工物に向かう第1の方向または被加工物から離れる第2の方向にレーザビームが偏向される。
そして第1の方向へ偏向されたレーザビームが投射光学系により被加工物上に導かれ、選択的に偏向されたレーザビームの配列パターンに応じて被加工物が加工される。
一方、微小ミラーアレイにより偏向されたレーザビームは、第1および第2の方向に偏向されたレーザビームの少なくともいずれかが検出光学系により撮像素子に入射される。そして、入射光となったレーザビームが撮像素子により撮像され、画像データが取得される。
そして、その画像データに基づいて偏向動作検出手段により微小ミラーアレイの偏向動作状態が検出される。
例えば、画像データをレーザビームが到来すべき照射領域に区切って、それぞれ2値化処理するなどの画像処理を行う。そして、各照射領域におけるレーザビームの到来の有無を検出することにより、微小ミラーアレイの偏向動作状態として、偏向動作のオン、オフ状態を判定する。そして、それらの状態と微小ミラーアレイの駆動を制御する制御信号とを比較することにより、偏向動作が正常に行われたかどうかが検出される。
このように、撮像素子が取得するレーザビームの画像により、微小ミラーアレイの偏向動作を第1および第2の方向に偏向されたレーザビームの少なくともいずれかについて直接的に検出して、その劣化状態を判定することができる。
本発明のレーザ加工装置では、前記光源部から出射されたレーザビームの前記微小ミラーアレイに対する照射領域を移動するための移動手段を備え、前記偏向動作検出手段により検出された前記微小ミラーアレイの偏向動作状態の情報に応じて前記移動手段を駆動することにより前記照射領域を移動できるようにした構成とする。
この場合、偏向動作検出手段により検出された微小ミラーアレイの偏向動作状態の情報に応じて移動手段を駆動することにより、微小ミラーアレイに対するレーザビームの照射領域を移動することができる。そのため、偏向動作状態の異常または異常の可能性が検出された場合に、他の照射領域に移動することができる。したがって、微小ミラーアレイの一部が劣化しても、劣化していない他の部分を用いて加工を行うことができる。
また、本発明のレーザ加工装置では、前記検出光学系が、前記第2の方向へ偏向されるレーザビームを前記撮像素子に導く構成とすることが好ましい。
この場合、第2の方向へ偏向されるレーザビームを撮像素子に導くので、各レーザビームが被加工物上以外の所定位置に照射されているかどうかが検出され、被加工物上に到達してはならないレーザビームが被加工物上に到達している可能性の有無を判定することができる。そのため、レーザビームが被加工物上に誤照射される可能性のある偏向動作状態を検出することができる。
第2の方向へ偏向されるレーザビームは、加工に用いられないレーザビームなので、加工中であっても加工のためのレーザビームに影響を与えることなく偏向動作検出を行うことができるものである。
また、本発明のレーザ加工装置では、前記検出光学系が、前記第1の方向へ偏向されるレーザビームを前記撮像素子に導く構成とすることが好ましい。
この場合、第1の方向へ偏向されるレーザビームを撮像素子に導くので、レーザビームが被加工物上の所定位置に照射されているかどうかが検出され、加工領域において被加工物が正しく加工されるかどうかを直接的に判定することができる。そのため、レーザビームが加工領域に誤照射されるような偏向動作の劣化を検出することができる。
また、本発明のレーザ加工装置では、前記投射光学系が、前記投射光学系が、前記第1の方向へ偏向された反射ビーム群を被加工物上に投射するとともに前記被加工物により反射された光を集光する対物レンズを備え、前記検出光学系の一部が前記対物レンズからの光の光路を兼ねる構成とすることが好ましい。
この場合、検出光学系の一部が対物レンズからの光の光路を兼ねるので、投射光学系を通るレーザビームのうち対物レンズを透過して被加工物上に投射され、その反射光のうち対物レンズにより集光される光を撮像素子に導くことができる。そのため、撮像素子が共通化され、部品点数が低減できるとともに、光路の占有スペースを低減することができる。
また、このような検出光学系によれば、被加工物を適宜照明することにより、その反射光を対物レンズで集光して撮像素子に導くことができる。そのため、レーザビームの照射位置と被加工物の画像とを重ね合わせた画像データを取得することができるので、レーザビームの照射位置を高精度の検出することができる。また、一般にレーザ加工装置には対物レンズを通した反射光により被加工物を観察するための撮像素子が備えられている場合が多いので、そのような場合には撮像素子を兼用することができて好都合である。
また、本発明のレーザ加工装置では、前記レーザビームの光出力を加工時と非加工時とで切替制御する発光制御手段を備え、非加工時に、加工時の光出力より低出力で前記レーザビームを発光する予備発光を行い、前記偏向動作検出手段が、前記予備発光時に前記撮像素子により撮像された画像に基づいて前記微小ミラーアレイの偏向動作を検出するようにした構成とすることが好ましい。
この場合、発光制御手段により、加工時より低出力の予備発光を行って微小ミラーアレイの偏向動作を検出することができるので、被加工物にレーザビームが到達したとしても、そのレーザビームによって被加工物が加工されたり破壊されたりしない状態で、偏向動作の検出を行うことができる。そのため、被加工物に影響することなく偏向動作不良を検出できるから、加工不良や被加工物の破壊を確実に防止することができる。
また、本発明のレーザ加工装置では、前記光源部が、被加工物を加工するための加工用レーザビームを形成する加工ビーム光源部と、前記微小ミラーアレイの偏向動作を検出するための検出用レーザビームを形成する検出ビーム光源部とからなり、前記検出光学系が、前記加工用レーザビームと前記検出用レーザビームとの光路を分岐し、これらレーザビームのうち実質的に前記検出用レーザビームのみを前記撮像素子に導く光分岐素子を備える構成とすることが好ましい。
この場合、加工用レーザビームを形成する加工ビーム光源部と、偏向動作を検出するための検出用レーザビーム光源部とを設け、検出光学系の光分岐素子により、これらレーザビームのうち実質的に検出用レーザビームのみを撮像素子に導くので、検出用レーザビームの光学特性、例えば光出力、波長、偏光特性などを撮像素子に対して最適化することができ、S/N比を向上することができより高精度の偏向動作検出を行うことができる。
また、例えば高出力を要する加工用レーザビームにより検出用レーザビームを兼用する場合などに必要となる減衰フィルタのような部材を省略して簡素な構成とすることができる。
光分岐素子としては、加工用レーザビームと検出用レーザビームとの間の光学特性の相違に応じて、例えば、ダイクロイックハーフミラー、ダイクロイックミラー、偏光ビームスプリッタなどの光学素子を採用することができる。
ここで、実質的に検出用レーザビームのみを撮像素子に導くとは、加工用レーザビームが撮像素子に全く到達しない場合を含むことは言うまでもないが、加工用レーザビームが撮像素子に到達したとしても、例えば除去困難なノイズなどが発生することなくノイズが生じたとしても検出用レーザビームによる画像の誤検出が生じない程度であることを意味する。
また、本発明のうち、加工ビーム光源部、検出ビーム光源部および光分岐素子を含むレーザ加工装置では、前記加工用レーザビームが、前記微小ミラーアレイの前記傾斜角の1つに応じて前記第1の方向に偏向され、前記投射光学系の光軸上を進むように前記微小ミラーアレイに入射されるとともに、前記検出用レーザビームが、前記加工用レーザビームを前記第2の方向に偏向する前記傾斜角の他に応じて、前記投射光学系の光軸上を進むように前記微小ミラーアレイに入射される構成とすることが好ましい。
この場合、加工用レーザビームが第2の方向に偏向される傾斜角の他に切り替えられた可動反射面に入射した検出用レーザビームが投射光学系の光軸上、すなわち、加工用レーザビームのうち第1の方向に偏向されたレーザビームが進む方向に偏向される。そのため、投射光学系の光路に光分岐素子を配置することにより、加工用レーザビームが第2の方向に進む可動反射面の情報を含む検出用レーザビームを撮像素子に導くことができる。
また、加工用レーザビームと検出用レーザビームとを異なる方向から微小ミラーアレイに入射させる構成となるので、それらレーザビームを合波しなくてよいので、簡素な構成とすることができる。
本発明のレーザ加工装置によれば、微小ミラーアレイの偏向動作を、第1および第2の方向に偏向されたレーザビームの少なくともいずれかを直接的に検出して、その劣化状態を判定することができるので、被加工物の破壊や加工不良につながる微小ミラーアレイの偏向動作の劣化状態を精度よく容易に検出することができるという効果を奏する。
以下では、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成について説明するための模式的な構成説明図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の微小ミラーアレイの断面方向の構成および動作について説明するための断面説明図である。図3(a)は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の微小ミラーアレイを反射面側から見た様子を示す模式的な平面説明図である。図3(b)は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の動作を説明するために被加工物上の画像の一例を示す平面説明図である。図4(a)は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の撮像素子により得られる画像の一例について説明するための模式説明図である。
本実施形態のレーザ加工装置50は、図1に示すように、試料9(被加工物)上に所定パターンを形成した所定の光出力と波長とを有するレーザビーム2Aを投影し、その光エネルギーにより試料9の表面を加工するための装置である。光エネルギーによる加工は、例えば、加熱、溶融、気化、切断、露光記録などが挙げられる。
レーザ加工装置50の概略構成は、レーザ光源1(光源部)、照明光学系3、デジタルマイクロミラーデバイス4(微小ミラーアレイ)、集光レンズ5、対物レンズ7、リレー光学系10、減衰フィルタ11、第2撮像素子12(撮像素子)、第2画像処理部13(偏向動作検出手段)、コントローラ14(発光制御手段)および2軸変位アクチュエータ16(移動手段)からなる。
以下では、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)は、DMDと略称する。
レーザ光源1は、試料9を加工するためのレーザビーム2を発生するものである。レーザビーム2の光出力、波長は、試料9の加工部分の材質の光吸収の波長特性に応じて、加工効率が良好となる光出力、発振波長に設定される。レーザビーム2の点灯、消灯、変調などの発光制御は、後述するコントローラ14が生成する制御信号101により行われるようになっている。
例えば、液晶基板などガラス基板上にマスクされたフォトレジスト膜の加工の場合、レーザ光源1として、YAGレーザ(基本波長λ=1.064μm)を用い、第2、第3、第4高調波(それぞれ波長λ=532nm、λ=355nm、λ=266nm)をパルス幅が数nsec程度、ピーク出力が数MW程度のパルス発振させるものを好適に採用することができる。
照明光学系3は、レーザ光源1により形成されたレーザビーム2を断面強度分布が均一化された略平行光束とする光学系からなり、レーザビーム2の光路上に配置される。このような照明光学系3の構成としては、例えば、フライアイレンズ、回折素子、非球面レンズや、カレイド型ロッドを用いたものなどの種々の構成が知られているので、必要に応じてどの構成を採用してもよい。
DMD4は、可動ミラー配列面4b上に、それぞれの傾斜角が独立に切替可能とされた複数の可動ミラー面4a(図2参照)が略隙間なく2次元的に配列された微小ミラーアレイである。
各可動ミラー面4aの傾斜角の切り替えは、後述する第1画像処理部19により生成される制御信号106により行われる。制御信号106によりオン状態が選択されると、可動ミラー面4aは、可動ミラー配列面4bに対して傾斜角φだけ傾斜されたオン状態ミラー4Aとなる。また制御信号106によりオフ状態が選択されると、同じく傾斜角がφだけ傾斜されたオフ状態ミラー4Bとなる。
そして、オン状態ミラー4Aではレーザビーム2が被加工物に向かう第1の方向にレーザビーム2Aとして偏向され、オフ状態ミラー4Bではレーザビーム2が被加工物から離れる第2の方向にレーザビーム2Bとして偏向されるようになっている。
本実施形態では、図2に示すように、第1の方向が可動ミラー配列面4bの法線方向になっており、第2の方向が可動ミラー配列面4bの法線に対して角度θだけ傾斜した方向となっている場合の例で説明する。
ここで、レーザビーム2の入射方向は、第1の方向とは異なる方向であるとする。また傾斜角φ、φは、可動ミラー配列面4bを挟んでそれぞれ反対向きに傾斜する傾斜角である。よって次式が成立する。
θ=2・φ (1)
θ=θ+2・φ (2)
ここで、角度θは、可動ミラー配列面4bに対するレーザビーム2の入射角であり、0°以外の角度とする。
可動ミラー配列面4bの大きさは照明光学系3により断面強度分布が均一化されたレーザビーム2の光束径よりも十分大きく、また各可動ミラー面4aはレーザビーム2の光束径よりも十分小さく構成される。
DMD4は、例えばプロジェクタなどに用いられているのと同様の構成を採用できる。すなわち、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により、大きさが10μm角程度で表面に金属膜が蒸着されるなどして高効率の反射面とされた可動ミラー面4aが、例えば800×600個程度アレイ状に配列され、それぞれが可動ミラー配列面4bに対して±12°程度の傾斜角(φ=φ=12°)で傾斜可能とされたものなどが採用できる。
レーザビーム2の光束断面の大きさ、形状、および可動ミラー配列面4bの大きさは、加工種類や被加工物などに応じて適宜の形状、大きさとすることができるが、一例として、レーザビーム2が光束径φ3mmの円形断面を有し、可動ミラー配列面4bの大きさが8mm×6mm程度の構成を採用することができる。
集光レンズ5と対物レンズ7とは、DMD4に照射されたレーザビーム2のうち、レーザビーム2Aを、試料9上に投射するための投射光学系を構成するものであり、可動ミラー配列面4bと試料9の加工面とが共役の関係となるように設けられる。また、可動ミラー配列面4bと試料9の加工面とが光軸に対して略垂直としてもよい。加工面は光軸に対して傾いていても加工された部分が許容される範囲であればよく、可動ミラー配列面4bも1つのミラー面のサイズと投射光学系のNAで決まる焦点深度内となる傾きであれば許容される。
このような投射光学系を構成するには、例えば、対物レンズ7として像側が無限遠設計とされた光学系を採用して物体側焦点位置が試料9上となる位置に配置し、集光レンズ5として、対物レンズ7と同様に無限遠設計されたレンズを物体側焦点位置が可動ミラー面4a上となる位置に配置すればよい。
すなわち、この投射光学系により、オン状態ミラー4Aで反射されたレーザビーム2Aが試料9上に投射され、オン状態ミラー4Aの配置に対応する適宜倍率の画像パターンが試料9上に形成されるようになっている。
一方、試料9の近傍には、試料9上を可視光により照明するための可視光照明部8、8が設けられている。可視光照明部8としては、例えば、可視光の比較的長波長域から赤外域に波長が分布するハロゲンランプなどを採用することができる。
また、集光レンズ5と対物レンズ7との中間部の光路上には、レーザビーム2Aの波長光を略100%透過し、可視光照明部8の可視波長域の光を略100%反射する波長選択ミラー6が配置されている。
このため、可視光照明部8により照射された照明光が試料9で散乱反射されて照明反射光20が形成されると、照明反射光20が対物レンズ7により集光され、投射光学系の光路を逆進して波長選択ミラー6に達し、波長選択ミラー6により反射されて投射光学系から分岐されるようになっている。
波長選択ミラー6により分岐された照明反射光20の光路上には、光路に沿う順に、撮像光学系17、第1撮像素子18が配置されている。
撮像光学系17は、入射光の像を所定の結像面に結像するため光学系であり、例えば無限遠に物体面が設定された光学系が採用される。本実施形態の場合、照明反射光20が入射光となるので、試料9の画像が結像面に結像されるようになっている。
第1撮像素子18は、撮像光学系17の結像面に撮像面が配置された、例えばCCDなどからなる撮像素子である。そして、第1画像処理部19と電気的に接続され、撮像光学系17により投影された像を光電変換し、画像データ105として第1画像処理部19に送出できるようになっている。
第1画像処理部19は、第1撮像素子18から送出された画像データ105に基づいて、試料9上の加工が必要な部位の位置を算出し、その部位に対応する可動ミラー面4aをアレイ配列中から選択してオン状態ミラー4Aとし、それ以外の部位に対応する可動ミラー面4aをオフ状態ミラー4Bとするための制御信号106を生成するためのものである。
第1画像処理部19は、コントローラ14と電気的に接続され、制御信号106に対応して、DMD4の各可動ミラー面4aのオン・オフ状態を表すデータ102をコントローラ14に送出できるようになっている。
第1画像処理部19の画像処理は、試料9の画像から加工が必要な部位を算出できればどのような画像処理を用いてもよい。例えば、加工された部位と加工不良や未加工の部位との輝度差に対応する閾値を設定して、試料9上の画像を2値化し、予め設定された加工すべき部位の形状と比較することにより、加工が必要な加工不良や未加工の部位の位置を算出するといった画像処理を採用することができる。
例えば、2値化後の画像が、図3(b)に示すように斜線で示す範囲に分布し、パターン22a、22bが得られるとする。ここで、見やすさのためレーザビーム2の照射範囲を正方形として図示している。実際の照射範囲の形状は、例えば円形や矩形など他の形状であってもよい。
一方、この画像上の任意の領域は、可動ミラー面4a…のアレイ状の配列に対応して、オン状態ミラー4Aによりレーザビーム2Aがそれぞれ到達する碁盤目状の投影領域21…に分割されている。例えば、各領域の中心座標と、各投影領域21にレーザビーム2Aを導く可動ミラー面4aの面番号とがそれぞれ対応づけられた配列データとして記憶されている。
一方、加工すべき部位の情報もまた、投影領域21ごとに与えられており、例えば、画像のない領域23a、23bが、加工すべき領域であるかどうかが第1画像処理部19に記憶されている。
したがって、各投影領域21に対する画像分布と加工すべき部位かどうかの情報とを比較判定することにより、加工不良や未加工の部位が判定される。領域23a、23bが加工すべき部位であるにもかかわらず未加工の領域であると判定されれば、領域23a、23bに対応する可動ミラー面4a、4aの傾斜角を切り替えて、オン状態ミラー4A、4Aにするような制御信号106が生成される。
この例では、領域23a、23bに対応する可動ミラー面4aは、図3(a)においてそれぞれ可動ミラー面4C、4Dとなっている。
リレー光学系10は、レーザビーム2Bを、第2撮像素子12の感度に合わせて適宜の光量に減衰させる減衰フィルタ11を介して第2撮像素子12上に投影するための光学系であり、可動ミラー面4aと第2撮像素子12の撮像面とが共役の関係となるように設けられる。
減衰フィルタ11は、例えば、アルミなどの金属膜をガラスに蒸着した反射型減衰フィルタや、誘電体を積層蒸着した誘電体多層膜を用いた減衰フィルタなどを好適に採用できる。
リレー光学系10と減衰フィルタ11とは、本実施形態の検出光学系を構成している。
第2撮像素子12は、リレー光学系10の像面に撮像面が配置された、例えばCCDなどからなる撮像素子である。そして、第2画像処理部13と電気的に接続され、リレー光学系10により投影された像を光電変換し、画像データ103として第2画像処理部13に送出できるようになっている。
第2画像処理部13は、第2撮像素子12から送出された画像データ103に基づいて、各可動ミラー面4aのうちオフ状態ミラー4Bとなっているものを特定して、データ104を生成し、電気的に接続されたコントローラ14に送出するものである。
オフ状態ミラー4Bを特定するための画像処理は、例えば、オフ状態ミラー4Bにより反射されてリレー光学系10、減衰フィルタ11を透過したレーザビーム2Bの輝度よりわずかに低い閾値を設定して、第2撮像素子12により撮像された画像を2値化し、閾値以上の領域をDMD4上の可動ミラー面4aの配列位置と関係づけるといった画像処理を採用することができる。
例えば、図3(b)のパターン22a、22bに対応する加工が行われている場合には、正常な加工時には、それ以外の領域で可動ミラー面4aがオフ状態ミラー4Bとなっているから、第2撮像素子12ではパターン22a、22bを反転したパターン44(図4(a)参照)が得られる。逆にパターン44が得られると、パターン44に対応する位置の可動ミラー面4aがオフ状態ミラー4Bであると判定される。
コントローラ14は、レーザ加工装置50の全体制御を行うための制御部であり、第1画像処理部19、第2画像処理部13、レーザ光源1、アクチュエータドライバ15にそれぞれ電気的に接続されている。
コントローラ14の主要な制御は、発光制御、偏向動作検出制御、および照射領域移動制御からなる。
発光制御は、試料9を加工するために必要なレーザパワー(光出力)で点灯する加工モードと、試料9にレーザビーム2が到達しても試料9に変化を起こさない程度の低出力で発光する事前発光モードとが切り替えられるようになっている。
加工モードでは、例えばピーク出力がPで発振周期が数nsec程度のパルス発振を行うように発光制御される。
事前発光モードでは、例えばピーク出力がPで同様なパルス発振を行うように発光制御される。
偏向動作検出制御は、本実施形態では、データ102とデータ104とを比較して、DMD4の偏向動作状態を判定し、偏向動作不良を検出した場合に照射領域移動制御を行う制御である。このため本実施形態のコントローラ14は、偏向動作検出手段を兼ねている。
照射領域移動制御は、アクチュエータドライバ15を介して2軸変位アクチュエータ16を駆動し、DMD4を可動ミラー配列面4bの面内に沿って2次元移動する制御である。
2軸変位アクチュエータ16は、DMD4を可動ミラー配列面4bに沿う平面内で、可動ミラー面4aの傾斜角をレーザビーム2に対して変えないように移動するための移動手段であり、アクチュエータドライバ15から移動制御信号114を受信することにより2軸方向に駆動されるものである。移動方向の最小移動量は、少なくとも可動ミラー面4aの1個分の単位を正確に移動できるように設定される。
アクチュエータの種類は適宜のものを採用できる。例えば、ボールねじ送り機構やリニアモータなどにより1軸方向に駆動されるアクチュエータを組み合わせた機構を採用することができる。
アクチュエータドライバ15は、コントローラ14からの制御信号100に応じて、2軸変位アクチュエータ16を駆動するための移動制御信号114を生成するドライバである。
本実施形態のレーザ加工装置50の動作について説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置のレーザパワーの制御について説明するためのグラフである。横軸は時間を表し、縦軸はレーザパワーを表す。
レーザ加工装置50により加工を行うには、不図示の電源スイッチを投入して適宜の初期化を行い、試料9をセットする。
DMD4は、初期化されると、各可動ミラー面4aの傾斜角が図2に示すφにセットされ、オフ状態ミラー4Bに設定される。
可視光照明部8が点灯されると、図1に示すように、照明光が試料9により反射され、可視光からなる照明反射光20が対物レンズ7により集光される。そして、波長選択ミラー6で略100%反射されて、撮像光学系17に入射され、第1撮像素子18の撮像面に試料9の像が結像される。
第1撮像素子18から画像データ105が第1画像処理部19に送出され、試料9の画像から、加工すべき部位の情報が得られる。
図3(b)に示すパターン22a、22bの画像が得られ、第1画像処理部19に記憶されている情報から、領域23a、23bが加工不良部と判定されたとする。
例えば、試料9が電子回路を形成するためにガラス基板上にマスクされたフォトレジスト膜である場合には、加工不良部は、回路パターンのショート部やはみ出してしまった不要なパターンとなっている。そこで、加工不良部を加熱・昇華するなどの加工を行って、パターン22a、22bのショート部や不要なパターンを消滅させる必要がある。
そこで、第1画像処理部19は、領域23a、23bにレーザビーム2Aを照射するために、これらの領域に対応する可動ミラー面4aをオン状態ミラー4Aとするような制御信号106をDMD4に送出する。そして、オン状態ミラー4Aの設定情報をデータ102として、コントローラ14に送出する。
以下、オン状態ミラー4Aとされる可動ミラー面4aは、図3(a)における可動ミラー面4C、4Dであるとして説明する。
DMD4は、制御信号106を受けると可動ミラー面4C、4Dを傾斜角φにセットし、オン状態ミラー4Aとする。ここで可動ミラー面4Cが寿命に達しており、動作不良を起こし正しい傾斜角に制御されないものとする。
一方、レーザ光源1は、コントローラ14によりレーザビーム2を点灯するが、図5に曲線200で示すように、時刻T以前では、事前発光モードとされるのでピーク出力Pで点灯される。
レーザビーム2は、照明光学系3により断面強度が均一となるように整形されてDMD4に照射される。例えば、図3(a)に示す照射領域24Aに照射される。
そして、各可動ミラー面4aの傾斜角に応じてレーザビーム2A、2Bに分割される。本例では、可動ミラー面4Cは動作不良を起こし、オフ状態ミラー4Bとなっている。
可動ミラー面4Dは、正常に動作するので、オン状態ミラー4Aにセットされている。
したがって、可動ミラー面4Dにより偏向されたレーザビーム2Aは、集光レンズ5により集光され、波長選択ミラー6を略100%透過して、対物レンズ7により集光され、試料9上に到達し、図3(b)の領域23bに照射される。ただし、事前発光モードのレーザパワーは、試料9に変化を与えるピーク出力Pより低いピーク出力Pとされているので、試料9が加工されたりダメージを受けたりすることはない。
一方、オフ状態ミラー4Bにより反射されたレーザビーム2Bは、リレー光学系10、減衰フィルタ11を透過して第2撮像素子12上に投影され、例えば、図4(b)に示すパターン45のような像が撮像され、画像データ103として第2画像処理部13に送出される。
第2画像処理部13は、この画像を画像処理して、オフ状態ミラー4Bとなっている可動ミラー面4aを特定し、データ104としてコントローラ14に送出する。
コントローラ14では、データ102とデータ104とを比較することにより、オン状態ミラー4Aになっているべき領域46に相当する可動ミラー面4Cが動作不良を起こしていると判定される(偏向動作検出制御)。
このような判定の結果、コントローラ14は、照射領域移動制御を行う。すなわち、制御信号100をアクチュエータドライバ15に送出して、2軸変位アクチュエータ16を2次元移動させ、DMD4に対するレーザビーム2の照射領域24Aを移動する。
移動方向、移動量は、検出された動作不良部分が除かれればどのように設定してもよい。例えば、図3(a)のように、x方向に可動ミラー面4aの2個分だけ移動した照射領域24Bを採用してもよいし、同じくy方向に2個分だけ移動した照射領域24Cとしてもよいし、x、y方向にそれぞれ2個分ずつ移動した照射領域24Dとしてもよい。
そして、上記の工程を繰り返し、オフ状態ミラー4Bの状態が正常となると、事前発光動作を終了し、コントローラ14は、レーザ光源1に制御信号101を送出し、ピーク出力Pで発光させる加工モードの発光制御を行い、加工工程を開始する。
加工工程では、図3(b)の領域23a、23bが加熱・昇華され、パターン22a、22bが正常に修復される。
このように本実施形態のレーザ加工装置50によれば、事前発光モードにおいてレーザビーム2Bによる画像を撮像することにより、可動ミラー面4aの偏向動作状態を検出し、オフ状態ミラー4Bとなるべき可動ミラー面4aが劣化していないかどうか判定することができる。そして、劣化していると判定された場合、正常な偏向動作状態となるまで照射領域を移動させることができる。そして、その後に加工モードに入るので、被加工物の破壊につながるような加工上の不具合を防止することができる。
なお、本実施形態では、オフ状態ミラー4Bとなるべき可動ミラー面4aの偏向動作状態を直接的に検出しているので、オフ状態ミラー4Bとなるべき可動ミラー面4aが検出されなければ、その可動ミラー面4aにより加工すべきでない部位が誤って破壊されることはない。そして、偏向動作の劣化により傾斜角がオン状態ミラー4Aの角度に固定されてしまう場合には、オフ状態ミラー4B以外の可動ミラー面4aはオン状態ミラー4Aとなるので、加工が正常に行われるかどうかを検出しているのと同等となっている。したがって、可動ミラー面4aの偏向動作を直接的に検出しない場合に比べて、加工の信頼性が向上しているものである。
しかしながら、偏向動作の劣化により可動ミラー面4aが傾斜角φ、φ以外の角度を取る場合には、オン状態ミラー4Aとなるべき可動ミラー面4aが正確に加工すべき部位に照射されないため加工不良となる可能性がある。
そこで、加工後に試料9の画像を取得し、もし加工が正常に行われていないときは、オン状態ミラー4Aとなるべき可動ミラー面4aに不良が発生したと判定して、照射領域移動制御を行って再加工を試みるようにする。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工装置について説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成について説明するための模式的な構成説明図である。図7は、本発明の第2の実施形態の光分岐素子の分光特性について説明するための模式的なグラフである。横軸は波長を、縦軸は反射率を表す。
本実施形態のレーザ加工装置51は、照明反射光20を撮像する撮像素子と、レーザビーム2Bを撮像する撮像素子とを共通化できるように検出光学系を構成したものである。すなわち、図6に示すように、第1の実施形態のレーザ加工装置50の波長選択ミラー6に代えて波長選択ミラー31を備え、第1撮像素子18、第1画像処理部19に代えて撮像素子25、画像処理部26を備え、リレー光学系10、減衰フィルタ11に代えて結像レンズ28、ミラー29、減衰フィルタ30、バンドパスフィルタ32を備え、第2撮像素子12と第2画像処理部13とを削除したものである。
以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
波長選択ミラー31は、照明反射光20を撮像光学系17に導くための光分岐素子であり、図7に示す曲線202のように、レーザ光源1の波長域である比較的短波長域の光、すなわちYAGレーザの第2、3、4高調波(図示の波長λ,λ、λに対応)などの可視域から紫外域にかけての短波長域の光を透過し、可視光照明部8の比較的長波長の可視波長域の光を反射するような波長選択性を有する半透過膜を備える。
このような波長選択ミラー31は、例えば、誘電体多層膜をガラスなどの基板に蒸着したものを採用することができる。
ここで、図7(a)の曲線202ではいわゆるショートパスの特性となっている。また、曲線202a(二点鎖線)に示すようなマルチバンドパス特性としてもよい。また、YAGレーザの高調波のみを透過するようなバンドパス特性としてもよい(図7(b))。この場合、S/N比をより向上することができるという利点がある。
撮像素子25は、撮像光学系17の結像面に撮像面が配置された、例えばCCDなどからなる撮像素子である。そして画像処理部26と電気的に接続され、撮像光学系17により投影された像を光電変換し、画像データ108としてコントローラ14に送出できるようになっている。
本実施形態では、撮像光学系17にレーザビーム2Bと照明反射光20とが入射できるようになっているので、撮像素子25としては、レーザビーム2Bと照明反射光20とにそれぞれ感度を有する素子が採用される。
画像処理部26は、第1の実施形態の第1画像処理部19の画像処理と第2画像処理部13の画像処理とを行うことができ、画像データ107が照明反射光20の画像であるかレーザビーム2Bの画像であるかに応じてそれぞれの画像処理を切り替えられるようになっている。そして、DMD4とコントローラ27とに電気的に接続されている。
すなわち、画像データ107が照明反射光20の画像である場合、試料9上の加工が必要な部位の位置を算出し、制御信号106をDMD4に送出する。
また、画像データ107がレーザビーム2Bの画像である場合、各可動ミラー面4aのうちオフ状態ミラー4Bとなっているものを特定して、データ108を生成し、コントローラ14に送出する。
結像レンズ28は、可動ミラー面4aと撮像素子25の撮像面とを共役の関係とするための光学素子である。
ミラー29は、レーザビーム2Bの光路を折り曲げて波長選択ミラー31に入射させ撮像光学系17に導くためのものである。
ミラー29と波長選択ミラー31との間には、レーザビーム2Bの光量を撮像素子25の感度に対して最適化するための減衰フィルタ30が配置されている。減衰フィルタ30としては、第1の実施形態の減衰フィルタ11と同様の構成のフィルタを採用することができる。
バンドパスフィルタ32は、撮像光学系17に入射する光を波長により選別するための手段であり、レーザビーム2Bの波長光を透過させ、照明反射光20を略吸収または反射するような波長特性を有するフィルタから構成される。そして、撮像光学系17の入射口に進退可能に設けられている。
バンドパスフィルタ32の進退は、適宜のアクチュエータなどからなる進退手段(不図示)により行われ、その進退を制御する制御信号が画像処理部26に送出されるようになっている。そのため、画像処理部26では、この制御信号とレーザ光源1の点灯の有無とを検知することにより、画像データ107がレーザビーム2Bの画像であるか、照明反射光20の画像であるかが判別できるようになっている。
本実施形態では、結像レンズ28、ミラー29、波長選択ミラー31、バンドパスフィルタ32、撮像光学系17は、検出光学系を構成している。
本実施形態のレーザ加工装置51によれば、DMD4に入射されたレーザビーム2が、可動ミラー面4aにより反射され、レーザビーム2Aは、集光レンズ5により集光され、波長選択ミラー31を透過して、対物レンズ7により試料9上の適宜位置に投射されて試料9を加工できるようになっている。
また、レーザビーム2Bは、結像レンズ28により集光され、ミラー29で反射され、減衰フィルタ30により光量が減衰された状態で波長選択ミラー31を透過し、バンドパスフィルタ32を透過して撮像光学系17に入射する。そして、撮像素子25により撮像され、レーザビーム2Bの画像が画像データ107として画像処理部26に送出される。
画像処理部26は、画像データ107からオフ状態ミラー4Bの情報をデータ108として、コントローラ14に送出する。
一方、照明反射光20は、対物レンズ7により集光され、波長選択ミラー31により反射されて、撮像光学系17に向かう。
バンドパスフィルタ32が光路中に進出している場合、照明反射光20は、バンドパスフィルタ32で反射または吸収されるので、撮像素子25では、実質的にレーザビーム2Bによる像のみが撮像される。
レーザビーム2の発光が停止されるとともにバンドパスフィルタ32が光路中から退避している場合、照明反射光20は撮像光学系17に入射され、撮像素子25により照明反射光20の像が撮像される。したがって試料9の像が画像データ107として画像処理部26に送られる。そして、画像処理部26により、試料9上の加工が必要な部位の位置を算出し、その情報をデータ108としてコントローラ14に送出する。
コントローラ14は、偏向動作検出制御を行い、データ108によりオフ状態ミラー4Bの分布から正常な偏向動作がなされていると判断されれば、加工工程を開始する。また、オフ状態ミラー4Bの分布に異常が検出されれば、照射領域移動制御を行い、アクチュエータドライバ15を介して2軸変位アクチュエータ16を駆動し、DMD4を移動し、加工可能となるまで、これらの制御を繰り返す。
本実施形態のレーザ加工装置51によれば、試料9上の画像とレーザビーム2Bの画像とを取得する手段として撮像光学系17、撮像素子25を兼用する構成とするので、簡素かつ安価な装置とすることができるという利点がある。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係るレーザ加工装置について説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成について説明するための模式的な構成説明図である。
本実施形態のレーザ加工装置52は、光源部として、被加工物を加工するためのレーザビーム2(加工用レーザビーム)を形成するレーザ光源1(加工ビーム光源部)に加えて、微小ミラーアレイの偏向動作を検出するための検出用レーザビームを形成する検出ビーム光源部とを設けた構成を有するものである。すなわち、図8に示すように、第2の実施形態のレーザ加工装置51に参照レーザ光源34(検出ビーム光源部)、合波手段35を追加し、波長選択ミラー31、バンドパスフィルタ32、撮像素子25、コントローラ14に代えて、波長選択ミラー37(光分岐素子)、色フィルタ38、撮像素子39、コントローラ41(発光制御手段)を設け、結像レンズ28、ミラー29、減衰フィルタ30を削除したものである。
このような構成により、レーザビーム2に代えて、可視域の参照レーザビーム40(検出用レーザビーム)を用いてオン状態ミラー4Aの動作を検出することによりDMD4の偏向動作を検出できるようになっている。そして、検出光学系は、照明反射光20を撮像する撮像素子と参照レーザビーム40を撮像する撮像素子とが共通化できるように構成されている。
ただし、本実施形態では、試料9が参照レーザビーム40を反射する被加工物であるとする。通常のレーザ加工の用途では、このような条件は満たされているものである。
なお、図8では、波長選択ミラー37により反射される光路の方向が図6とは反対向きに描かれているが、これは模式図の作図上の都合によるものであり、反射光が撮像光学系に入射できれば本質的には図6と同じでもよいし異なっていてもよい。紙面垂直方向に90°異なるミラーが配置されていて試料観察時と動作判定時とで移動切り替えしたり、ミラー面を90°回転させたりしてもよい。
以下、第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
参照レーザ光源34は、DMD4の偏向動作を検出するために、試料9を加工したり損傷を与えたりしない程度の低出力で発光できるようにした可視波長域のレーザ光源である。例えば、波長650nmのレーザダイオード(LD)をコリメートしたレーザ光源などを採用することができる。このような構成とすることで、低出力発光が可能、かつ安価なレーザ光源とすることができる。
合波手段35は、参照レーザ光源34から出射された参照レーザビーム40をレーザビーム2の光路に合波して照明光学系3の光軸上に入射させるためのものである。例えば、参照レーザビーム40を反射し、レーザビーム2を透過させるダイクロイックハーフミラーやダイクロイックミラーを採用することができる。
レーザビーム2と合波された参照レーザビーム40は、レーザビーム2と同様の光路を進み、可動ミラー面4aに照射され、オン状態ミラー4Aで反射されたレーザビームが参照レーザビーム40Aとして、投射光学系に入射するようになっている。
波長選択ミラー37は、参照レーザビーム40Aおよび照明反射光20の波長域を含む可視波長域の光の一部を反射し、レーザビーム2の波長域の光を透過させるための光分岐素子である。例えば、前者を反射率50%、透過率50%で反射・透過させ、後者を略100%透過させるような分光特性を有するハーフミラーを採用することができる。
色フィルタ38は、波長選択ミラー37によりレーザビーム2Aが多少反射されたとしても、参照レーザビーム40Aとレーザビーム2Aとの分離を確実に行うことができるように、参照レーザビーム40Aの波長域の光のみを透過させるようにした光学的干渉フィルタである。そして、第2の実施形態のバンドパスフィルタ32と同様に光路への進退が可能とされている。
撮像素子39は、撮像素子25と同様の、例えばCCDなどからなる撮像素子であり、画像処理部26と電気的に接続され、撮像光学系17により投影された像を光電変換するためのものである。
ただし、本実施形態では、撮像光学系17に参照レーザビーム40Aと照明反射光20とが入射できるようになっているので、参照レーザビーム40Aと照明反射光20とにそれぞれ感度を有するものが採用される。つまり、可視波長域のみに感度を有する撮像素子を採用することができる。したがって、波長選択ミラー37、色フィルタ38、撮像光学系17、表示制御部39、画像処理部26から構成される撮像部36は、試料9を可視光照明して試料9の表面を観察するために用いられる構成をそのまま採用することができる。
そして、光電変換されたデータは画像データ110として、参照レーザビーム40Aの画像か照明反射光20の画像かを区別できる状態で画像処理部26に送出できるようになっている。
画像処理部26は、第2の実施形態と同様の構成を採用することができるが、画像処理部26から送出される画像データ110が参照レーザビーム40Aの画像であるとき、その画像がオン状態ミラー4Aの画像であるとして偏向動作を判定して、データ108を送出する点が異なっている。
コントローラ41は、コントローラ14と同様に動作するもので、発光制御、偏向動作検出制御、照射領域移動制御を行うことができる。ただし、発光制御としては、制御信号113を参照レーザ光源34に送出することにより、参照レーザ光源34の点灯・消灯・変調制御も行えるようになっている。
本実施形態のレーザ加工装置52によれば、レーザビーム2は、レーザビーム2Aとして、投射光学系に入射され、波長選択ミラー37を透過して試料9に導かれるので、試料9の加工を行うことができる。
一方、参照レーザ光源34から出射された参照レーザビーム40は、合波手段35によりレーザビーム2と同軸上に合波され、照明光学系3により可動ミラー面4a上に照射される。そして、オン状態ミラー4Aにより反射された参照レーザビーム40Aが、集光レンズ5に入射され、波長選択ミラー37で一部、例えば50%が透過して、対物レンズ7により試料9上に投射される。そして、試料9からの反射光が対物レンズ7により集光され光路を逆進し、波長選択ミラー37で一部、例えば50%が反射され、色フィルタ38を透過して撮像光学系17に入射され、撮像素子39の撮像面上に結像される。
また、可視光照明部8による照明反射光20は、対物レンズ7で集光され、参照レーザビーム40Aと同様に撮像素子39の撮像面上に結像される。
このような構成によれば、オン状態ミラー4Aで反射された参照レーザビーム40Aを撮像素子39により撮像して、画像データ110を画像処理部26に送出するので、画像処理部26では、参照レーザビーム40Aが加工すべき部位にあるかどうかを照明反射光20の画像と比較することにより、直接的に判定することができる。そのため、可動ミラー面4aの加工にかかわる偏向動作の状態を確実に判定することができる。
なお偏向動作が不良と判定されれば、第2の実施形態と同様に2軸変位アクチュエータ16を駆動して、DMD4を移動する。
このような偏向動作検出の際、参照レーザビーム40Aは、試料9を加工したり損傷を与えたりしない低出力とされるので、加工中に点灯しても加工に影響を与えない。また、参照レーザビーム40Aは、波長選択ミラー37により、実際の加工に用いられるレーザビーム2Aと分離されるので、レーザビーム2Aの点灯状態によらず参照レーザビーム40Aの画像を取得できる。
そのため、参照レーザ光源34を加工中に点灯し、参照レーザビーム40Aの画像を撮像素子39により取得することが可能となり、事前発光モードと加工モードとを分けなくてもよいので、迅速な加工が可能となる。
また、加工中も常に偏向動作を監視することが可能となる。そのため、加工の信頼性を向上することができる。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係るレーザ加工装置について説明する。
図9は、本発明の第4の実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成について説明するための模式的な構成説明図である。図10は、本発明の第4の実施形態に係るレーザ加工装置の動作について説明するための微小ミラーアレイの断面説明図である。
本実施形態のレーザ加工装置53は、第3の実施形態と同様に検出ビーム光源を備えるが、検出用レーザビームによりオフ状態ミラー4Bの偏向動作状態を検出する点が異なる。つまり、第2の実施形態のレーザビーム2に代えて、可視域の参照レーザビーム40を用いてオフ状態ミラー4Bの動作を検出することによりDMD4の偏向動作を検出する構成としたものである。そして、検出光学系は、照明反射光20を撮像する撮像素子と参照レーザビーム40を撮像する撮像素子とが共通化できるように構成されている。
すなわち、レーザ加工装置53は、図9に示すように、第2の実施形態のレーザ加工装置51に参照レーザ光源34を追加し、波長選択ミラー31、撮像素子25、コントローラ14に代えて、波長選択ミラー43(光分岐素子)、撮像素子39、コントローラ41を設け、結像レンズ28、ミラー29、減衰フィルタ30を削除したものである。
ただし、本実施形態では、試料9が参照レーザビーム40を反射する被加工物であるとする。通常のレーザ加工の用途では、このような条件は容易に満たされる。
以下、第2、第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。
参照レーザ光源34は、参照レーザビーム40をDMD4上のレーザビーム2が照射されるのと略同一領域に照射し、可動ミラー面4aのうち、オフ状態ミラー4Bにより反射された参照レーザビーム40Bがレーザビーム2Aと同軸上を進むように入射角を設定する。
例えば、図10に示すように、オン状態ミラー4Aが可動ミラー配列面4bに対して傾斜角φだけ傾斜され、可動ミラー配列面4bに対して入射角θで入射したレーザビーム2を可動ミラー配列面4bの法線方向に反射し、オフ状態ミラー4Bが可動ミラー配列面4bに対して傾斜角φ(0°を除く)だけ傾斜される場合、上記の式(1)とともに次式を満足させればよい。
θ=2・φ (3)
ここで、角度θは、参照レーザビーム40の可動ミラー配列面4bに対する入射角である。
このとき、入射角θが大きくなると、参照レーザビーム40が可動ミラー配列面4b上で楕円状に照射され、各可動ミラー面4aに対する参照レーザビーム40の強度分布の不均一度が高くなる。そのため、本実施形態では、参照レーザ光源34と可動ミラー配列面4bとの間に、参照レーザビーム40のビーム断面を楕円状として可動ミラー配列面4b上で円状に照射されるようなアナモフィックプリズム42を設けている。ここで、参照レーザビーム40の形状をDMDミラー面と同形状とする光学素子を含む構成としてもよい。
このようにすることにより、各オフ状態ミラー4Bで反射される参照レーザビーム40Bの光出力が一定となるので、オフ状態ミラー4Bの画像を高精度に得ることができるという利点がある。
ただし、入射角θが比較的小さく、参照レーザビーム40の強度分布の不均一度があまり高くない場合は、アナモフィックプリズム42を省略してもよい。
波長選択ミラー43は、参照レーザビーム40Aおよび照明反射光20の波長域を含む可視波長域の光の一部を反射し、レーザビーム2の波長域の光を透過させるための光分岐素子である。例えば、前者を反射率50%、透過率50%で反射・透過させ、後者を略100%透過させるような分光特性を有するダイクロイックミラーを採用することができる。
本実施形態のレーザ加工装置53によれば、レーザビーム2は、レーザビーム2Aとして、投射光学系に入射され、波長選択ミラー43を透過して試料9に導かれるので、試料9の加工を行うことができる。
一方、参照レーザ光源34から出射された参照レーザビーム40は、アナモフィックプリズム42により楕円断面のレーザビームに変換され、可動ミラー配列面4b状に略円状に照射される。そして、オフ状態ミラー4Bにより反射され、レーザビーム2Aと同軸上を進む。
オフ状態ミラー4Bは、集光レンズ5に入射され、波長選択ミラー43で一部、例えば50%が透過して、対物レンズ7により試料9上に投射される。そして、試料9からの反射光が対物レンズ7により集光され光路を逆進し、波長選択ミラー43で一部、例えば50%が反射され、バンドパスフィルタ32を透過して撮像光学系17に入射され、撮像素子39の撮像面上に結像される。
また、可視光照明部8による照明反射光20は、対物レンズ7で集光され、参照レーザビーム40Bと同様に撮像素子39の撮像面上に結像される。
このような構成によれば、オフ状態ミラー4Bで反射された参照レーザビーム40Bを撮像素子39により撮像して、画像データ107を画像処理部26に送出するので、画像処理部26では、オフ状態ミラー4Bとなるべき可動ミラー面4aが動作不良を起こすことにより、加工領域に到来してはならないレーザビームが到達する恐れがないかどうか、参照レーザビーム40Bの画像を照明反射光20の画像と比較することにより判定することができる。そのため、加工領域を破損する恐れのある可動ミラー面4aの偏向動作不良を判定することができる。
なお偏向動作が不良と判定されれば、第2の実施形態と同様に2軸変位アクチュエータ16を駆動して、DMD4を移動する。
このような偏向動作検出の際、参照レーザビーム40Bは、試料9を加工したり損傷を与えない低出力とされるので、参照レーザビーム40Bが試料9上で加工されてはならない領域に照射されても加工されたり破損される恐れはない。また、参照レーザビーム40Bは、波長選択ミラー43、バンドパスフィルタ32により、実際の加工に用いられるレーザビーム2Aと分離されるので、レーザビーム2Aの点灯状態によらず参照レーザビーム40Bの画像を取得できる。
そのため、参照レーザ光源34を加工中に点灯し、参照レーザビーム40Bの画像を撮像素子39により取得することが可能となり、事前発光モードと加工モードとを分けなくてもよいので、迅速な加工が可能となる。
また、加工中も常に偏向動作を監視することが可能となる。そのため、加工の信頼性を向上することができる。
なお、上記の説明では、可視光照明部8による試料9の画像を画像処理することにより、加工すべき部位を自動的に判別する例で説明したが、照明反射光20の画像をモニタなどに出力できるようにして、操作者がモニタ画面を確認しながら、コントローラに加工すべき部位を指示するような構成としてもよい。
また、上記の説明では、可視光照明部8を点灯制御することにより照明反射光20の照射を制御した例で説明したが、可視光照明部8と試料9との間に、シャッタ機構を設けて照明反射光20の照射を制御してもよい。
また、上記の説明では、可動ミラー配列面4bの法線方向が第1の方向である例で説明したが、第1の方向はこれに限定されないことはいうまでもない。
また、上記の説明では、微小ミラーアレイとして、オン状態ミラーとオフ状態ミラーとがいずれも初期状態に対して傾斜する場合の例で説明したが、いずれか一方の状態が初期状態の傾斜角と同じであってもよい。
また、上記の第2の実施形態の説明では、レーザビーム2Bの光路上に減衰フィルタ30を配置した例で説明したが、バンドパスフィルタ32のフィルタ特性により光出力を減衰できる場合には、減衰フィルタ30を省略してもよい。
また、上記の各実施形態の説明では、オフ状態ミラー4Bとなるべき可動ミラー面4aの偏向動作状態またはオン状態ミラー4Aとなるべき可動ミラー面4aの偏向動作状態を検出する例で説明したが、上記を組み合わせて両方の偏向動作状態を検出するようにしてもよい。そうすれば加工不良や被加工物の破壊をより確実に防止することができる。
また、上記の説明では、撮像素子に入射する光を波長特性により規制する場合、光学的フィルタを用いた例で説明したが、撮像素子がフルカラー画像を取得できる場合には、撮像データを波長成分に応じて画像処理により電子的にフィルタリングしてもよい。その場合、光学的フィルタを省略できるので、簡素な構成とすることができる。
また、上記の説明では、コントローラが偏向動作検出手段を兼ねる例で説明したが、第2〜4の実施形態の構成のように、画像処理部のみで偏向動作状態を検出できる場合には、画像処理部を偏向動作検出手段として用いてもよい。
また、上記の説明では、微小ミラーアレイの劣化を検出する場合の例で説明したが、本発明では、可動反射面により反射されたレーザビームの像を撮像しているので、レーザビームの像に影響する他の劣化、例えば、可動反射面の反射率や他の光学部品の部分的な透過率の低下として現われる劣化も検出することができる。例えば、ほこりが付着した面に高出力のレーザビームが照射される際に発生する光学部品表面の焼けなどが生じている場合、加工に先立ってそのような劣化を検出することが可能となり、加工不良などの発生を防止することができる。
また、上記の説明では、円形のレーザビームがDMD面に入射するとしたが、照明光学系3から射出しDMD4に入射する光の形状が、DMD面の使用する領域の形状と略同形状となるによう構成されていてもよい。さらに、その照射光の大きさがDMD面の一回のレーザ加工に使用する領域とほぼ同じ大きさであることが望ましい。
DMD面の使用する領域の形状と略同形状で、かつ、使用する領域とほぼ同じ大きさであることにより、不要な光の照射を減らすことができ、耐用回数を上げることができる。
そのために、特に図示しないが、例えば、照明光学系3が複数の光学素子で構成されている場合、その内部、射出端等にスリットを設ける構成を採用することができる。
また、射出端の形状がDMD面の使用する領域と同形状とする光学素子を設ける構成を採用してもよい。
特にDMD面の使用領域の形状が矩形の場合は、同じ矩形形状のカライド型ロットを含む構成を採用することにより、スリットを省略でき、表面反射を起こす面数を減らすことができるので、より低コストでよりロスを少なくDMD面の使用する領域へ照射できる。
本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成について説明するための模式的な構成説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の微小ミラーアレイの断面方向の構成および動作について説明するための断面説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の微小ミラーアレイを反射面側から見た様子を示す模式的な平面説明図およびその動作を説明するための被加工物上の画像の一例を示す平面説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置の撮像素子により得られる画像の一例について説明するための模式説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るレーザ加工装置のレーザパワーの制御について説明するためのグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成について説明するための模式的な構成説明図である。 本発明の第2の実施形態の光分岐素子の分光特性について説明するための模式的なグラフである。 本発明の第3の実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成について説明するための模式的な構成説明図である。 本発明の第4の実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成について説明するための模式的な構成説明図である。 本発明の第4の実施形態に係るレーザ加工装置の動作について説明するための微小ミラーアレイの断面説明図である。
符号の説明
1 レーザ光源(光源部)
2、2A、2B レーザビーム
4 DMD(微小ミラーアレイ)
4a 可動ミラー面(可動反射面)
4A オン状態ミラー
4B オフ状態ミラー
5 集光レンズ(投射光学系)
6、31 波長選択ミラー
7 対物レンズ(投射光学系)
9 試料
10 リレー光学系(検出光学系)
12 第2撮像素子(撮像素子)
13 第2画像処理部(偏向動作検出手段)
14、41 コントローラ(露光制御手段)
16 2軸変位アクチュエータ(移動手段)
17 撮像光学系(検出光学系)
20 照明反射光
24A、24B、24C、24D 照射領域
25 撮像素子
28 結像レンズ(検出光学系)
34 参照レーザ光源(検出ビーム光源)
37、43 波長選択ミラー(光分岐素子)
40、40A 参照レーザビーム(検出用ビーム光源)
50、51、52、53 レーザ加工装置

Claims (8)

  1. 光源部から出射されたレーザビームをビーム断面内で複数に分割して選択的に偏向することにより被加工物の加工を行うレーザ加工装置であって、
    傾斜角が複数に切り替え可能な複数の可動反射面を有し、該複数の可動反射面に入射する前記光源部から出射されたレーザビームを前記各可動反射面の傾斜角に応じてそれぞれ被加工物に向かう第1の方向または被加工物から離れる第2の方向に偏向できるようにした微小ミラーアレイと、
    前記第1の方向に偏向されたレーザビームを前記被加工物上に導く投射光学系と、
    前記微小ミラーアレイを撮像する撮像素子と、
    前記微小ミラーアレイにより前記第1および第2の方向に偏向されたレーザビームの少なくともいずれかを前記撮像素子に入射させる検出光学系と、
    前記検出光学系を通して前記撮像素子により撮像された画像から前記微小ミラーアレイの偏向動作状態を検出する偏向動作検出手段とを備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記光源部から出射されたレーザビームの前記微小ミラーアレイに対する照射領域を移動するための移動手段を備え、
    前記偏向動作検出手段により検出された前記微小ミラーアレイの偏向動作状態の情報に応じて前記移動手段を駆動することにより前記照射領域を移動できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記検出光学系が、前記第2の方向へ偏向されるレーザビームを前記撮像素子に導く構成とされたことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記検出光学系が、前記第1の方向へ偏向されるレーザビームを前記撮像素子に導く構成とされたことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記投射光学系が、
    前記第1の方向へ偏向された反射ビーム群を被加工物上に投射するとともに前記被加工物により反射された光を集光する対物レンズを備え、
    前記検出光学系の一部が前記対物レンズからの光の光路を兼ねる構成としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  6. 前記レーザビームの光出力を加工時と非加工時とで切替制御する発光制御手段を備え、
    非加工時に、加工時の光出力より低出力で前記レーザビームを発光する予備発光を行い、
    前記偏向動作検出手段が、前記予備発光時に前記撮像素子により撮像された画像に基づいて前記微小ミラーアレイの偏向動作を検出するようにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  7. 前記光源部が、
    被加工物を加工するための加工用レーザビームを形成する加工ビーム光源部と、
    前記微小ミラーアレイの偏向動作を検出するための検出用レーザビームを形成する検出ビーム光源部とからなり、
    前記検出光学系が、
    前記加工用レーザビームと前記検出用レーザビームとの光路を分岐し、これらレーザビームのうち実質的に前記検出用レーザビームのみを前記撮像素子に導く光分岐素子を備える構成としたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  8. 前記加工用レーザビームが、
    前記微小ミラーアレイの前記傾斜角の1つに応じて前記第1の方向に偏向され、前記投射光学系の光軸上を進むように前記微小ミラーアレイに入射されるとともに、
    前記検出用レーザビームが、
    前記加工用レーザビームを前記第2の方向に偏向する前記傾斜角の他に応じて、前記投射光学系の光軸上を進むように前記微小ミラーアレイに入射されることを特徴とする請求項7に記載のレーザ加工装置。
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