JP2002156578A - 焦点検出装置、及びそれを備えた対物レンズ、光学顕微鏡又は光学検査装置 - Google Patents

焦点検出装置、及びそれを備えた対物レンズ、光学顕微鏡又は光学検査装置

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JP2002156578A
JP2002156578A JP2000357627A JP2000357627A JP2002156578A JP 2002156578 A JP2002156578 A JP 2002156578A JP 2000357627 A JP2000357627 A JP 2000357627A JP 2000357627 A JP2000357627 A JP 2000357627A JP 2002156578 A JP2002156578 A JP 2002156578A
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objective lens
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Yasushi Fujimoto
靖 藤本
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型化、簡易化でき、生産性に優れ、かつ、異
なる倍率の対物レンズを用いても、精度よく信頼性の高
い焦点検出を行なうことができる焦点検出装置、及びそ
れを備えた対物レンズ、光学顕微鏡又は光学検査装置を
提供する。 【解決手段】対物レンズ11と接続するための第1の接
続部1と、観察装置と接続するための第2の接続部2を
備えた焦点検出装置であって、光源3と、光源3からの
照明光を標本S側に偏向させる第1の偏向部材4と、第
1の偏向部材4と同じ高さに配置されていて、標本Sで
反射した光束を光源3から第1の偏向部材4までの光路
とは異なる光路を通るように偏向させる第2の偏向部材
5と、第2の偏向部材5を介して偏向された光束を受光
する光検出器6とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焦点検出装置及び
それを備えた対物レンズ、光学顕微鏡又は光学検査装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】光学系を介して対象物の観察、測定、検
査を行う光学装置、例えば光学顕微鏡を用いる場合、観
察者は対象物の像を鮮明に観察するために、ステージ
(あるいは対物レンズ)を上下に移動させて、対物レン
ズと対象物の間隔を調整して焦点合わせをしなければな
らない。このとき、対物レンズの倍率が高い場合は焦点
深度が浅いため、ステージ(あるいは対物レンズ)を大
きく移動させると合焦位置を見つけることができない。
そこで観察者は、少しずつステージ(あるいは対物レン
ズ)を移動させなければならず、合焦位置を見つけるの
に時間がかかる。一方、対物レンズの倍率が低い場合は
焦点深度が深いため、観察者はどのステージ(あるいは
対物レンズ)位置で焦点が合っているのか判断すること
が困難になる場合がある。
【0003】このような問題を解決するために、近年、
これらの光学装置に焦点検出装置を組み合わせるように
なってきている。焦点検出装置にはさまざまな方式のも
のがあるが、その1つとして、対象物に向かって光を照
射し、対象物から反射した反射光を光検出器で検出し、
反射光の状態によって合焦状態か非合焦状態かを判断す
るアクティブ方式の焦点検出装置がある。
【0004】アクティブ方式の焦点検出装置の一構成例
を図12に示す。図12中、3は光源、8はコリメート
レンズ、7は遮光板、15は偏光ビームスプリッタ、1
6は1/4波長板、17はダイクロイックミラー、11
Aは対物レンズ光学系、Sは対象物である標本、9は結
像レンズ、6は光検出器である。
【0005】光源3は、半導体レーザであって、赤外波
長域のレーザ光を射出する。また、偏光状態は直線偏光
である。レーザ光は、コリメートレンズ8で平行光束と
なり、偏光ビームスプリッタ15に入射する。このと
き、コリメートレンズ8と偏光ビームスプリッタ15の
間に配置された遮光板7によって、光束の半分が遮光さ
れる。偏光ビームスプリッタ15は、P偏光の直線偏光
を反射し、S偏光の直線偏光を透過する特性を備えてい
る。そこで、射出されるレーザ光の偏光方向がP偏光方
向と一致するようにあらかじめ半導体レーザを配置して
おけば、偏光ビームスプリッタ15に入射したレーザ光
の全てが偏光ビームスプリッタ15の反射面で反射され
るので光強度(光量)の損失が生じない。
【0006】偏光ビームスプリッタ15の反射面で反射
されたレーザ光は、1/4波長板16に入射し、1/4
波長板16を介してP偏光の直線偏光を円偏光にして射
出されダイクロイックミラー17で反射され、対物レン
ズ光学系11Aを介して標本S上に集光される。
【0007】標本Sで反射したレーザ光は、光軸を挟ん
で入射した光路とは反対側の光路を戻り、再び対物レン
ズ光学系11Aを通過し、ダイクロイックミラー17で
反射され、1/4波長板16に入射する。1/4波長板
16に入射した円偏光のレーザ光は、直線偏光となって
射出されるが、今度は直線偏光の方向がS偏光方向とな
るので、次いで偏光ビームスプリッタ15に入射したレ
ーザ光は、全て偏光ビームスプリッタ15を通過して結
像レンズ9に入射し、結像レンズ9を介して集光され
る。集光位置には光検出器6が配置され、レーザ光の光
強度に応じた電気信号を発生するようになっている。光
検出器6は、独立した2つの受光部A、Bが近接して配
置された構造を有しており、受光素子として例えば2分
割フォトダイオード20が用いられている。
【0008】このような焦点検出装置において、合焦・
非合焦状態がどのようにして判断(検出)されるかを図
13を用いて説明する。光検出器6は2つの同じ形状の
受光部A、受光部Bで構成されている。受光部Aと受光
部Bの間にはわずかな空隙部(ここでは単純に実線で示
している)があり、この空隙部が光軸と一致している。
なお、図13(a),(b),(c)夫々において、下側の図は
上側の図の矢印方向から見た図、右側の図は光検出器6
に集光した光束の光強度分布を示す参考図である。
【0009】まず、合焦状態では、図12の標本Sから
の反射光が、図13(b)に示すように、光検出器6の空
隙部の位置に集光するため、光検出器6上に形成される
スポット光は、光軸に対して左右対称な光強度分布とな
る。すなわち、スポット光の半分は受光部Aに形成さ
れ、残りの半分は受光部Bに形成されることになり、受
光部Aと受光部Bの夫々に形成されたスポット光の面積
(光強度)は等しくなる。よって、合焦状態では2つの
受光部A、受光部Bから発生する電気信号も等しくな
る。
【0010】次に、非合焦状態であるが、これには図1
2の標本Sが焦点位置よりも対物レンズ光学系11Aか
ら離れた位置にある状態と、標本Sが焦点位置よりも対
物レンズ光学系11Aに近い位置にある状態の2つがあ
る。ここでは、前者の場合を後ピン状態、後者の場合を
前ピン状態と呼ぶことにする。後ピン状態では、図12
の標本Sからの反射光が、図13(a)に示すように、光
検出器6の手前で集光するため、光検出器6上には図1
3(b)と比べて大きな径の光束が形成される。しかも、
2つの受光部A、Bに形成される光束は左右対称ではな
く、一方の受光部、例えば図13(a)においては、受光
部Bに大きな光束が形成される。したがって、後ピン状
態では、受光部Bで発生する電気信号に比べて受光部A
で発生する電気信号が小さくなる。逆に、前ピン状態で
は、図13(c)に示すように、受光部Aに大きな光束が
形成されるので、受光部Bで発生する電気信号に比べて
受光部Aで発生する電気信号が大きくなる。
【0011】このように、対物レンズ光学系11Aと標
本Sとの間隔によって受光部Aと受光部Bで発生する電
気信号の大小関係が変化するので、その差をとった信号
(以後、フォーカスエラー信号)の値によって合焦状態
か非合焦状態かの判断、更には前ピン状態か後ピン状態
かを判断することができる。したがって、このような焦
点検出装置を光学顕微鏡や光学検査装置などの光学装置
に組み合わせて、フォーカスエラー信号がゼロになるよ
うにステージ(あるいは対物レンズ)を上下に移動させ
れば、自動的に標本に合焦することができる。
【0012】なお、本発明においては、焦点検出装置か
らのフォーカスエラー信号に基づいて、ステージ(ある
いは対物レンズ)を上下に移動し、自動合焦を行う機構
のことを自動合焦手段と呼ぶことにする。
【0013】アクティブ方式の焦点検出装置の他の構成
例を図14に示す。図14中、3は光源、8はコリメー
トレンズ、15は偏光ビームスプリッタ、16は1/4
波長板、17はダイクロイックミラー、11Aは対物レ
ンズ光学系、Sは対象物である標本、9は結像レンズ、
18はハーフミラー、19A、19Bはピンホール、2
1A、21Bは光検出器である。
【0014】光源3は、半導体レーザであって、赤外波
長域のレーザ光を射出する。また、偏光状態は直線偏光
である。レーザ光は、コリメートレンズ8で平行光束と
なり、偏光ビームスプリッタ15に入射する。偏光ビー
ムスプリッタ15は、P偏光の直線偏光を反射し、S偏
光の直線偏光を透過する特性を備えている。そこで、射
出されるレーザ光の偏光方向がP偏光方向と一致するよ
うにあらかじめ半導体レーザを配置しておけば、偏光ビ
ームスプリッタ15に入射したレーザ光の全てが偏光ビ
ームスプリッタ15の反射面で反射されるので光強度
(光量)の損失が生じない。
【0015】偏光ビームスプリッタ15の反射面で反射
されたレーザ光は、1/4波長板16に入射し、1/4
波長板16を介してP偏光の直線偏光を円偏光にして射
出されダイクロイックミラー17で反射され、対物レン
ズ光学系11Aを介して標本S上に集光される。
【0016】標本Sで反射したレーザ光は、再び対物レ
ンズ光学系11Aを通過し、ダイクロイックミラー17
で反射され1/4波長板16に入射する。1/4波長板
16に入射した円偏光のレーザ光は、直線偏光となって
射出されるが、今度は直線偏光の方向がS偏光方向とな
るので、次いで偏光ビームスプリッタ15に入射したレ
ーザ光は、全て偏光ビームスプリッタ15を通過して結
像レンズ9に入射し、結像レンズ9を介して集光され
る。この途中の光路において、光束はハーフミラー18
を介して2方向に分割される。分割された一方の光束の
光路上には、レーザ光の集光位置よりも後側の位置にピ
ンホール19Aと光検出器21Aを配置し、分割された
もう一方の光束の光路上には、レーザ光の集光位置の前
側にピンホール19Bと光検出器21Bが配置されてい
る。光検出器21Aと光検出器21Bには、フォトダイ
オードが用いられており、光検出器21Aと21Bは、
それぞれレーザ光の光強度に応じた電気信号を発生する
ようになっている。
【0017】このような焦点検出装置においては、合焦
状態では、光検出器21Aと光検出器21Bの夫々で発
生する電気信号はほぼ同程度であるが、後ピン状態で
は、光検出器21Bで発生する電気信号のほうが光検出
器21Aの電気信号より大きくなり、前ピン状態では光
検出器21Aで発生する電気信号のほうが光検出器21
Bの電気信号より大きくなる。
【0018】このように、対物レンズ光学系11Aと標
本Sの間隔によって光検出器21Aと光検出器21Bで
発生する電気信号の大小関係が変化するので、その差を
とった信号(フォーカスエラー信号)の値によって、合
焦状態か非合焦状態か、更には、前ピン状態か後ピン状
態か、を判断することができる。したがって、このよう
な焦点検出装置を光学顕微鏡や光学検査装置などの光学
装置に組み合わせて、フォーカスエラー信号がゼロにな
るようにステージ(あるいは対物レンズ)を上下に移動
させれば、自動的に標本に合焦することができる。
【0019】従来、このようなアクティブ焦点検出装置
29は、図15に示すように、顕微鏡本体26と観察鏡
筒(ここでは観察用結像レンズ24と観察ユニット27
との組合せ)との間に、着脱可能な中間鏡筒のような構
成、あるいは、図示はしていないが、落射投光管ととも
に顕微鏡本体に一体形成された構成、あるいは特公平2
−59963号公報の第1図のように顕微鏡落射投光管
に内蔵された構成、あるいは特開平1−55513号公
報の第5図のように観察鏡筒の上部に取付ける構成とな
っていた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題(発明の目的)】しか
し、これらの構成の焦点検出装置では、いずれもダイク
ロイックミラーと対物レンズとの間の距離が離れている
ため、ダイクロイックミラーが大型化し、焦点検出装置
全体が大型化してしまうという問題があった。即ち、例
えば、図15に示すダイクロイックミラー17は、焦点
検出用の光束を十分にカバーするだけの大きさを備えて
いることが必要であるが、非合焦時には標本Sからの戻
り光の光束径が大きくなる場合があるので、更にその光
束をカバーするだけの大きさを備えていることが必要で
ある。また、ダイクロイックミラー17は、観察光路中
に置かれており、ダイクロイックミラー17を保持する
保持枠が観察光路を妨げないためには、ダイクロイック
ミラー17そのものを大きくする必要がある。
【0021】さらに、これらの構成の焦点検出装置で
は、対物レンズの倍率の違いによって、必要とされる照
明光束の光束径や強度が異なり、あるいは受光素子から
出力されるフォーカスエラー信号の強度や信号カーブが
異なるため、倍率の異なる対物レンズ夫々に適応させる
ための機構や電気回路が必要となり、装置の大型化、複
雑化を招いていた。
【0022】また、近年では、顕微鏡対物レンズのライ
ンナップが増加して、例えば1倍から250倍までの対
物レンズがラインナップされる状況となったため、これ
らの構成の焦点検出装置を全ての対物レンズに適応させ
ることが困難となってきている。例えば、レーザ光の光
束径や強度を低倍対物レンズに最適化して焦点検出装置
を構成すると、超高倍対物レンズ使用時にレーザ光の強
度が不足ぎみになる。一方、超高倍対物レンズに最適化
して焦点検出装置を構成すると、低倍対物レンズ使用時
にレーザ光の光束径が不足する。また、図14に示すピ
ンホール19A、19Bと光検出器21A、21Bで構
成されるような焦点検出装置では、最適なピンホール径
や最適なピンホール位置が対物レンズの倍率によって異
なるため、全ての倍率に適応させるのは非常に困難であ
る。
【0023】このように、従来の焦点検出装置には、装
置の大型化、複雑化という問題や、さらには、対物レン
ズの全てのラインナップに適応させることが困難である
という問題があった。
【0024】装置の大型化という問題に対しては、特開
平5−88072号公報(出願人エヌテイエヌ株式会
社)に記載の発明において、対物レンズに焦点検出装置
を直接取付けることで装置の小型化が試みられている。
この発明では、対物レンズから射出される観察光束の光
束径が大きく広がる前の位置に焦点検出装置を配置して
いるため、ある程度まで装置を小型化することが可能で
ある。
【0025】しかし、この公報に記載の発明の構成で
は、上記従来の焦点検出装置と同様に、焦点検出装置側
と観察光路側の光路を分割する1枚のミラーでもって、
それぞれ異なる光路を辿る光源から標本へ向かう光束と
標本から光検出器へ向かう光束とをカバーするように構
成されていたために大きくなり易く、焦点検出装置の観
察方向に沿う厚みをある程度以上には薄くできなかっ
た。
【0026】また、このような構成では、光源からミラ
ーへ向かう光束とミラーから光検出器へ向かう光束の光
路が、一部で共通になっていて、光源からミラーへ向か
う光束を標本で反射し、ミラーを経た後に光検出器へ向
かわせるために、焦点検出装置内には、偏光ビームスプ
リッタや1/4波長板が内蔵されているため、焦点検出
装置をある程度以上には小型化できなかった。そのた
め、この公報に記載の発明では、小型化が不十分であ
り、複数個の穴が空いているレボルバに焦点検出装置を
それぞれ取付けることは、隣合う焦点検出装置同士が物
理的干渉を起こすためできなかった。
【0027】また、この発明の焦点検出装置自体の基本
的な構成そのものが上述のように従来の焦点検出装置と
同じであるため、倍率の異なる対物レンズの夫々に最適
化させることは困難であり、仮に対物レンズごとに焦点
検出装置の内部構造を変更し、それぞれの対物レンズに
最適化させることができたとしても、大幅な内部構造の
変更が必要となり、それぞれの対物レンズに装置を揃え
ることは生産性が悪く実用的ではなかった。
【0028】そこで、本発明は、小型化、簡易化でき、
生産性に優れ、かつ、異なる倍率の対物レンズを用いて
も、精度よく信頼性の高い焦点検出を行なうことができ
る焦点検出装置、及びそれを備えた対物レンズ、光学顕
微鏡又は光学検査装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の焦点
検出装置は、対物レンズと接続するための第1の接続部
と、観察装置と接続するための第2の接続部を備えた焦
点検出装置であって、光源と、該光源からの照明光を標
本側に偏向させる第1の偏向部材と、第1の偏向部材と
同じ高さに配置されていて、標本で反射した光束を光源
から第1の偏向部材までの光路とは異なる光路を通るよ
うに偏向させる第2の偏向部材と、第2の偏向部材を介
して偏向された光束を受光する光検出器とを備えたこと
を特徴とする。
【0030】本発明の対物レンズは、観察装置と接続す
るための接続部を備えた対物レンズであって、光源と、
該光源からの照明光を標本側に偏向させる第1の偏向部
材と、第1の偏向部材と同じ高さに配置されていて、標
本で反射した光束を光源から第1の偏向部材までの光路
とは異なる光路を通るように偏向させる第2の偏向部材
と、第2の偏向部材を介して偏向された光束を受光する
光検出器を備えた焦点検出装置を像側に内蔵したことを
特徴とする。
【0031】本発明の光学顕微鏡または光学検査装置
は、上記の焦点検出装置を備え、光検出器から出力され
るフォーカスエラー信号に基づいて、自動合焦を行う自
動合焦手段を備えたことを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。第1実施例 本発明の第1実施例を図1と図2に示す。図1は第1実
施例の焦点検出装置の概略構成図であり、(a)は上方か
ら見た図、(b)は側方から見た図、図2は図1の焦点検
出装置における光束の進行方向を示す説明図である。
【0033】本実施例の焦点検出装置10は、対物レン
ズ11と接続するための第1の接続部1と、ここでは図
示していない観察装置に接続するための第2の接続部2
を備えている。接続部1,2は、夫々、ネジあるいはバ
ヨネットによって対物レンズ11および観察装置に焦点
検出装置10を接続固定することができるようになって
いる。なお、本実施例での観察装置とは、光学顕微鏡や
光学検査装置を指している。また、第2の接続部2が接
続する観察装置の接続部は、複数の対物レンズが取付け
られるレボルバ構造のものでもよく、あるいは、1個の
対物レンズが取付けられる構造のものでもよい。対物レ
ンズ11には、無限遠補正対物レンズを使用している。
なお、第2の接続部2の近傍には、ここでは図示しない
顕微鏡本体から光源3に電流を供給する電気端子と、光
検出器6からここでは図示しない制御回路に信号を伝達
する電気端子とが備えられている。
【0034】また、焦点検出装置10は、その内部に、
光源3と、第1の偏向部材4と、第2の偏向部材5と、
光検出器6を備えている。光源3は、例えば半導体レー
ザであって、赤外波長域(例えば780nm)のレーザ
光を射出するようになっている。第1の偏向部材4は、
光源3からの照明光を図2の標本S側に偏向させるよう
に配置されている。第2の偏向部材5は、第1の偏光部
材4と同じ高さにおいて、標本で反射した光束を光源3
から第1の偏光部材4までの光路とは観察光軸を挟んで
対称な光路の方向(図1、2においては左側)に偏向さ
せるように配置されている。光検出器6としては、独立
した2つの受光部A、Bが近接して配置された構造を有
している2分割フォトダイオード20が用いられてい
る。
【0035】本実施例の焦点検出装置の光線の流れにつ
いて、図2を用いて説明する。光源3より射出されたレ
ーザ光は、遮蔽板7によって、光束の半分が遮光され、
残りの半分がコリメートレンズ8を介して平行光束とな
る。なお、図においては遮蔽板7を光源3とコリメート
レンズ8との間の光路上に配置したが、コリメートレン
ズ8を介して平行光束となった後の光路上に配置しても
同様に光束の半分を遮光することが可能であり、いずれ
の位置に配置しても構わない。コリメートレンズ8を射
出した平行光束は、第1の偏向部材4で反射され、対物
レンズ11の方向へ偏向させられ、対物レンズ11内の
光学系11Aを介して標本S上に集光される。
【0036】標本Sで反射したレーザ光は、観察光軸を
挟んで入射した光路とは反対側の光路を戻り、再び対物
レンズ光学系11Aを透過する。対物レンズ光学系11
Aを透過した光は、第2の偏向部材5で反射されること
によって、光源3から第1の偏向部材4までの光路とは
観察光軸を挟んで対称な光路の方向(図1、2において
は左側)に偏向され、結像レンズ9によって集光され
る。集光位置には光検出器6が配置され、レーザ光の光
強度に応じた電気信号を発生するようになっており、光
検出器から出力される電気信号からフォーカスエラー信
号が得られるようになっている。
【0037】なお、図1と図2では、コリメータレンズ
8と結像レンズ9として、下半分がカットされた形状の
ものを用いたが、実際の装置ではカットしない形状のレ
ンズを用いても十分に小型な装置を構成することが可能
である。ただし、その場合は光束の細いレーザ光束を使
用することが望ましい。
【0038】なお、第1の偏向部材4及び第2の偏向部
材5としては、赤外波長域を反射し、可視波長域を透過
する特性を持つダイクロイックミラーが用いられてい
る。780nmの半導体レーザを光源3として使用する
場合、400nmから700nmで透過し780nmで
反射する特性のダイクロイックミラーを用いればよい。
これにより、対物レンズを透過する観察光束に影響を及
ぼさない。
【0039】また、光源3として、赤外域ではない赤色
の半導体レーザを用いることも可能である。670nm
の半導体レーザを光源3として使用する場合は、400
nmから600nmで透過し670nmで反射する特性
のダイクロイックミラーを用いる。ただし、この場合、
観察光に赤色の情報が不足するため、観察像は青味がか
ることに注意する必要がある。
【0040】本実施例の構成によれば、それぞれ異なる
光路を辿る光源から標本へ向かう光束と標本から光検出
器へ向かう光束とを、夫々別々の偏光部材でカバーする
ようにしたので、従来のものに比べて偏光部材の大きさ
を小型化することができる。このため、焦点検出装置の
観察方向に沿う厚みを従来のものに比べて格段に薄くす
ることができる。
【0041】また、光源から第1の偏光部材へ向かう光
束の光路と第2の偏向部材から光検出器へ向かう光束の
光路とが全く異なり、光源からの光束を標本で反射され
た後に光検出器へ向かわせるようにしたために、焦点検
出装置内に偏光ビームスプリッターや1/4波長板を使
用しなくて済み、焦点検出装置をより一層小型化でき
る。しかも、光源3の照明光は偏光を持たなくて済むた
め、光源3として、十分な強度を持つ赤色LEDあるい
は赤外LEDで代用することも可能である。
【0042】第2実施例 本発明の第2実施例を図3に示す。図3は第2実施例の
焦点検出装置の概略構成図である。
【0043】本実施例の焦点検出装置は、第1実施例の
構成に加えて、ミラー12が、コリメートレンズ8と第
1の偏向部材14との間に、ミラー13が、第2の偏向
部材5と結像レンズ9との間に夫々配置されており、光
源3から第1の偏向部材までの光路と、第2の偏向部材
から光検出器6までの光路がそれぞれ折り曲げられてい
る。本実施例によれば、焦点検出装置の幅を短くするこ
とができる。その他の構成及び作用効果は第1実施例と
同様であるので説明は省略する。
【0044】第3実施例 本発明の第3実施例を図4に示す。図4は第3実施例の
焦点検出装置の概略構成図である。本実施例の焦点検出
装置10は、対物レンズ11と接続するための第1の接
続部1と、ここでは図示していない観察装置に接続する
ための第2の接続部2を備えている。接続部1,2は、
夫々、ネジあるいはバヨネットによって対物レンズ11
および観察装置に焦点検出装置10を接続固定すること
ができるようになっている。なお、本実施例での観察装
置とは、光学顕微鏡や光学検査装置を指している。ま
た、第2の接続部2が接続する観察装置の接続部は、複
数の対物レンズが取付けられるレボルバ構造のものでも
よく、あるいは、1個の対物レンズが取付けられる構造
のものでもよい。対物レンズ11には、無限遠補正対物
レンズを使用している。なお、第2の接続部2の近傍に
は、ここでは図示しない顕微鏡本体から光源3に電流を
供給する電気端子と、光検出器6からここでは図示しな
い制御回路に信号を伝達する電気端子とが備えられてい
る。
【0045】また、焦点検出装置10は、その内部に、
光源3と、第1の偏向部材4と、第2の偏向部材5と、
光検出器を備えている。光源3は、例えば半導体レーザ
であって、赤外波長城(例えば780nm)のレーザ光
を射出するようになっている。第1の偏向部材4は、光
源3からの照明光を図4の標本S側に偏向させるように
配置されている。第2の偏向部材5は、第1の偏光部材
4と同じ高さにおいて、標本で反射した光束を光源3か
ら第1の偏光部材4までの光路とは観察光軸を挟んで対
称な光路の方向(図4においては左側)に偏向させるよ
うに配置されている。
【0046】光源3より射出されたレーザ光は、コリメ
ートレンズ8を介して平行光束となる。コリメートレン
ズ8を射出した平行光束は、第1の偏向部材4で反射さ
れ、対物レンズ11へ偏向させられ、対物レンズ11内
の光学系11Aを介して標本S上に集光される。
【0047】標本Sで反射したレーザ光は、観察光軸を
挟んで入射した光路とは反対側の光路を戻り、再び対物
レンズ光学系11Aを透過する。対物レンズ光学系11
Aを透過した光は、第2の偏向部材5で反射されること
によって、光源3から第1の偏向部材4までの光路とは
観察光軸を挟んで対称な光路の方向(図4においては左
側)に偏向され、結像レンズ9によって集光される。
【0048】集光位置と結像レンズ9の間にはハーフミ
ラー18が設けられており、結像レンズ9を射出した光
束は、ハーフミラー18を介してほぼ等しい光量に2分
割される。分割された一方の光束側には、レーザ光の集
光位置の後側に第1のピンホール19Aと第1の光検出
器21Aが配置され、分割されたもう一方の光束側に
は、レーザ光の集光位置の前側に第2のピンホール19
Bと第2の光検出器21Bが配置され、レーザ光の光強
度に応じた電気信号を発生するようになっている。本実
施例では、光検出器6は第1の光検出器21Aと第2の
光検出器21Bとで構成され、夫々の光検出器にはフォ
トダイオードが用いられており、2つのフォトダイオー
ド21A、21Bから出力される電気信号からフォーカ
スエラー信号が得られるようになっている。
【0049】なお、第1の偏向部材4及び第2の偏向部
材5としては、赤外波長域を反射し、可視波長域を透過
する特性を持つダイクロイックミラーが用いられてい
る。780nmの半導体レーザを光源3として使用する
場合、400nmから700nmで透過し780nmで
反射する特性のダイクロイックミラーを用いればよい。
これにより、対物レンズを透過する観察光束に影響を及
ぼさない。
【0050】また、光源3として、赤外域ではない赤色
の半導体レーザを用いることも可能である。670nm
の半導体レーザを光源3として使用する場合は、400
nmから600nmで透過し670nmで反射する特性
のダイクロイックミラーを用いる。ただし、この場合、
観察光に赤色の情報が不足するため、観察像は青味がか
ることに注意する必要がある。
【0051】本実施例の構成によれば、それぞれ異なる
光路を辿る光源から標本へ向かう光束と標本から光検出
器へ向かう光束とを、夫々別々の偏光部材でカバーする
ようにしたので、従来のものに比べて偏光部材の大きさ
を小型化することができる。このため、焦点検出装置の
観察方向に沿う厚みを従来のものに比べて格段に薄くす
ることができる。
【0052】また、光源から第1の偏光部材へ向かう光
束の光路と第2の偏向部材から光検出器へ向かう光束の
光路とが全く異なり、光源からの光束を標本で反射され
た後に光検出器へ向かわせるようにしたために、焦点検
出装置内に偏光ビームスプリッターや1/4波長板を使
用しなくて済み、焦点検出装置をより一層小型化でき
る。しかも、光源3の照明光は偏光を持たなくて済むた
め、光源3として、十分な強度を持つ赤色LEDあるい
は赤外LEDで代用することも可能である。
【0053】第4実施例 本発明の第4実施例を図5に示す。図5は第4実施例の
焦点検出装置の概略構成図であり、(a)は高倍対物レン
ズに最適化した焦点検出装置を構成するモジュール、
(b)は低倍対物レンズに最適化した焦点検出装置を構成
するモジュール、(c)は2つのピンホールと2つの光検
出器とで構成されるような焦点検出装置を構成するモジ
ュール、(d)はそれらに接続する対物レンズを夫々示し
ている。本実施例の焦点検出装置は、実施例1〜3のよ
うな焦点検出装置10を、光源3を備えた光源モジュー
ル100と、対物レンズ11と接続するための第1の接
続部1と観察装置と接続するための第2の接続部2と第
1の偏向部材4と第2の偏向部材5とを備えた偏向モジ
ュール101と、光検出器を備えた受光モジュール10
2とに分割された夫々のモジュールを選択して組み合わ
せ可能に構成されている。
【0054】光源モジュール100は、偏向モジュール
101との接続部100aを備えている。受光モジュー
ル102は、偏向モジュール101との接続部102a
を備えている。偏向モジュール101は、光源モジュー
ル100との接続部101aと、受光モジュール102
との接続部101bとを備えている。モジュール100
の接続部100aとモジュール101の接続部101
a、モジュール101の接続部101bとモジュール1
02の接続部102aは、夫々ネジあるいはバヨネット
によって互いに接続されるようになっている。
【0055】図5(a)について説明する。図5(a)は高倍
対物レンズに最適化したモジュールの例である。図5
(a)の光源モジュール100のコリメータレンズ8は、
比較的短い焦点距離を持つことを特徴とする。コリメー
タレンズ8の焦点距離を短くすることにより、光源3の
照明光を幅の狭い平行光にし、高倍対物レンズのような
瞳径の小さい対物レンズに効率よく入射させることがで
きる。また、図5(a)の受光モジュール102の結像レ
ンズ9は、比較的短い焦点距離を持つことを特徴とす
る。結像レンズ9の焦点距離を短くすることは、標本面
Sから光検出器6までの倍率(対物レンズ11と結像レ
ンズ9による結像倍率)を小さくすることに相当する。
これにより、標本面のデフォーカス追従性能を向上させ
ることが可能となる。
【0056】図5(b)について説明する。図5(b)は低倍
対物レンズに最適化したモジュールの例である。図5
(b)の光源モジュール100のコリメートレンズ8は、
比較的長い焦点距離を持つことを特徴とする。コリメー
トレンズ8の焦点距離を長くすることにより、光源3の
照明光を幅の広い平行光にし、低倍対物レンズのような
瞳径の大きい対物レンズに効率よく入射させることがで
きる。仮に、幅の狭い平行光のまま入射させると、フォ
ーカスエラー信号の形がくずれることになり好ましくな
い。また、図5(b)の受光モジュール102の結像レン
ズ9は、比較的長い焦点距離を持つことを特徴とする。
結像レンズ9の焦点距離を長くすることにより、標本面
Sから光検出器6までの倍率を大きくし、標本面Sのデ
フォーカスに対するフォーカスエラー信号の動きを敏感
にし、低倍対物レンズの焦点検出精度を向上させること
が可能となる。
【0057】なお、図5(c)のように、ピンホール19
A、19Bと光検出器21A、21Bで構成されるよう
な焦点検出装置においても、光源モジュール100と受
光モジュール102に分割することができる。この場合
も、図5(a)や図5(b)と同様に、対物レンズの倍率ごと
に、ピンホール径やピンホール位置を最適化した受光モ
ジュール102、照明光束の強度や光束径を最適化した
光源モジュール100を選択して取付けることにより、
各倍率の対物レンズ全てにおいて焦点検出精度を向上さ
せることができる。図5(c)のようなピンホールを使用
した焦点検出装置は、図5(a)や図5(b)のような構成の
焦点検出装置よりも焦点検出の精度が高く、さらに、標
本面がある程度の傾いても、焦点検出精度があまり劣化
しないという特性を持つので、標本の段差を測定するよ
うな用途に適している。
【0058】このように、本実施例によれば、少ない部
品点数の交換だけで、倍率の異なる対物レンズに最適化
でき、さらに使用用途ごとに使い分けることが可能であ
るため、生産性に優れている。
【0059】第5実施例 本発明の第5実施例を図6に示す。図6は本発明の焦点
検出装置を内蔵した第5実施例の対物レンズの概略構成
図である。本実施例の焦点検出装置内蔵対物レンズ14
は、その鏡体の一部に、ここでは図示しない観察装置に
接続するための接続部2を備えている。接続部2は、ネ
ジあるいはバヨネットによって観察装置に焦点検出装置
内蔵対物レンズ14を接続固定することができるように
なっている。なお、本実施例での観察装置とは、光学顕
微鏡や光学検査装置を指している。また、接続部2が接
続する観察装置の接続部は、複数の対物レンズが取付け
られるレボルバ構造のものでもよく、あるいは、1個の
対物レンズが取付けられる構造のものでもよい。なお、
接続部2の近傍には、ここでは図示しない顕微鏡本体か
ら光源3に電流を供給する電気端子と、光検出器6から
ここでは図示しない制御回路に信号を伝達する電気端子
とが備えられている。
【0060】対物レンズ14は、その鏡体に、光源3
と、コリメートレンズ8と、遮蕨板7と、第1の偏向部
材4と、無限遠補正の対物レンズ光学系11Aと、第2
の偏向部材5と、結像レンズ9と、光検出器6の受光素
子として2分割フォトダイオード20を内蔵している。
即ち、本実施例の対物レンズは、図2に示す第1実施例
において夫々別体の焦点検出装置10と対物レンズ11
とを対物レンズとして一体化したものであり、その鏡体
内を構成する光学要素は第1実施例の光学要素と同じで
ある。図2と同じ構成要素には同じ番号を付し、機能や
作用についての詳細な説明は省略する。
【0061】第6実施例 本発明の第6実施例を図7に示す。図7は本発明の焦点
検出装置を内蔵した第6実施例の対物レンズの概略構成
図である。本実施例の焦点検出装置内蔵対物レンズ14
は、その鏡体の一部に、ここでは図示しない観察装置に
接続するための接続部2を備えている。接続部2は、ネ
ジあるいはバヨネットによって観察装置に焦点検出装置
内蔵対物レンズ14を接続固定することができるように
なっている。なお、本実施例での観察装置とは、光学顕
微鏡や光学検査装置を指している。また、接続部2が接
続する観察装置の接続部は、複数の対物レンズが取付け
られるレボルバ構造のものでもよく、あるいは、1個の
対物レンズが取付けられる構造のものでもよい。なお、
接続部2の近傍には、ここでは図示しない顕微鏡本体か
ら光源3である半導体レーザに電流を供給する電気端子
と、2つの光検出器21A,21Bからここでは図示し
ない制御回路に信号を伝達する電気端子とが備えられて
いる。
【0062】対物レンズ14は、その鏡体に、光源3
と、コリメートレンズ8と、第1の偏向部材4と、無限
遠補正の対物レンズ光学系11Aと、第2の偏向部材5
と、結像レンズ9と、ハーフミラー18と、第1のピン
ホール19Aと、第2のピンホール21Bと、光検出器
である第1のフォトダイオード21Aと、第2のフォト
ダイオード21Bを内蔵している。即ち、本実施例の対
物レンズは、図4に示す第3実施例において夫々別体の
焦点検出装置10と対物レンズ11とを対物レンズとし
て一体化したものであり、その鏡体内を構成する光学要
素は第3実施例の光学要素と同じである。図4と同じ構
成要素には同じ番号を付し、機能や作用についての詳細
な説明は省略する。
【0063】第7実施例 本発明の第7実施例を図8に示す。図8は第7実施例の
光学顕微鏡を示す概略構成図である。図8に示す本実施
例の光学顕微鏡は、図15に示す従来の光学顕微鏡とは
異なり、顕微鏡本体26と観察鏡筒(ここでは観察用結
像レンズ24と観察ユニット27との組み合わせ)との
間にアクティブ検出装置29(図15参照)を設ける代
わりに、レボルバ23に、対物レンズ11と実施例1〜
4までの焦点検出装置10とを組合せた物、あるいは実
施例5,6の焦点検出装置内蔵対物レンズ14のいずれ
かを接続部2を介して接続して構成されている。接続部
2の近傍には、顕微鏡本体から光源3に電流を供給する
ための電気端子と、光検出器からの信号を制御回路33
に伝達するための電気端子とが備えられている。
【0064】本実施例の顕微鏡では、これらの焦点検出
装置内の光検出器からのフォーカスエラー信号によっ
て、自動合焦手段を用いて自動合焦を行う。自動合焦手
段は、ステージ22を顕微鏡本体26に対して上下させ
るモータのようなステージ移動手段32と制御回路33
との組合せや、あるいは、レボルバ23を顕微鏡本体2
6に対して上下させる、ここでは図示していないレボル
バ移動手段とここでは図示していない制御回路との組合
せや、あるいは、接続部2とレボルバ23との間に配置
され、レボルバ23に対して対物レンズを上下させる、
ここでは図示していない対物レンズ移動手段とここでは
図示していない制御回路との組合せで構成されている。
【0065】なお、本実施例の光学顕微鏡において、対
物レンズ11、あるいは焦点検出装置内蔵対物レンズ1
4は、いずれも無限遠補正光学系の対物レンズであるた
め、観察用結像レンズ24と組合せて使用される。合焦
時には、これらの対物レンズから射出される光束は平行
光束であり、観察用結像レンズ24により、観察ユニッ
ト27に結像され、モニタ28を介して観察者により観
察される。観察ユニット27の内部には、TVカメラと
して、CCD、電子撮像管などが使用されている。
【0066】なお、観察ユニット27は、目視用観察鏡
筒と目視用接眼レンズで構成されていてもよく、その場
合は観察者自身の眼によって観察を行う。
【0067】第8実施例 本発明の第8実施例を図9に示す。図9は第8実施例の
焦点検出装置の概略構成図であり、(a)はシングルスポ
ット投光の場合、(b)はマルチスポット投光の場合、(c)
はスリット投光の場合を夫々示し、(d)はそれらに接続
される対物レンズを示している。本実施例の焦点検出装
置は、実施例4と同様に、光源3を備えた光源モジュー
ル100と、対物レンズ11と接続するための第1の接
続部1と、観察装置と接続するための第2の接続部2
と、第1の偏向部材4と、第2の偏向部材5とを備えた
偏向モジュール101と、光検出器20を備えた受光モ
ジュール102とに分割された夫々のモジュールを選択
して組み合わせ可能に構成されている。
【0068】光源モジュール100は、偏向モジュール
101との接続部100aを備えている。受光モジュー
ル102は、偏向モジュール101との接続部102a
を備えている。偏向モジュール101は、光源モジュー
ル100との接続部101aと、受光モジュール102
との接続部101bとを備えている。モジュール100
の接続部100aとモジュール101の接続部101
a、モジュール101の接続部101bとモジュール1
02の接続部102aは、夫々ネジあるいはバヨネット
によって互いに接続されるようになっている。
【0069】図9(a)は図5(a)と同様のモジュール構成
になっている。図9(a)のような光源モジュール100
を使用すると、標本S上には図10(a)の右側の図(X
方向矢視図)に示すような1個のスポット状の光束が集
光される。図10(a)の右側の図のような投光形状をシ
ングルスポット投光と呼ぶ。このようなシングルスポッ
ト投光は、比較的段差の少ないなだらかな面に合焦する
ような用途や、標本中心の高さを測定するような用途に
適している。
【0070】ところで、シングルスポット投光では、図
11(b)に示すような凹凸部のエッジ(境界部)や段差
のエッジ部にスポット光が照射されると、エッジ部で光
が散乱されてしまい、その結果、光検出器6に戻る光の
強度が大幅に減少して焦点検出の精度が劣化してしまう
という問題や、光検出器6上に形成されるスポット光の
形状が変形してしまい、例えば、標本S位置と対物レン
ズ11の合焦位置が一致しているにもかかわらず、フォ
ーカスエラー信号がゼロにならずに非合焦状態と誤って
判断してしまうという間題が生じる。
【0071】また、図11(c)に示すように、標本が複
数の高さの異なる凹凸形状を有している場合、スポット
光が照射している特定の高さの部分にのみ焦点が合って
しまう。そのため、例えば最も高い面に合焦してしまう
と他の凹凸部が極端にぼけてしまい、高さの異なる複数
の段差を一度に観察したり、複数の段差の幅を一度に測
定することができない。
【0072】このようなシングルスポット投光の問題を
解決するために、図9(b)に示す実施例では、光源モジ
ュール100に回折格子29を内蔵し、回折格子29を
回折透過した光が図10(b)の右側の図に示すように標
本S上に複数のスポット光が投光されるようにしてい
る。なお、光源3からの照明光は遮光板7によって半分
の光束が遮蔽されるようになっている。図9(b)の構成
によれば、光束は、コリメートレンズ8を透過し平行光
束になった後、光路上に配置された回折格子29を透過
することにより、角度が異なる多数の回折光(光束)と
なる。その後、それぞれの光束は、第1偏向部材4で反
射され、対物レンズ11の方向へ偏向させられ、対物レ
ンズ11内の光学系11Aを介して標本S上に集光され
る。このとき図10(b)の右側の図に示すように、標本
S上には複数のスポット光が照射されることになる。こ
のように標本S上に複数のスポット光が投光される状態
をマルチスポット投光と呼ぶ。標本Sで反射された複数
のスポット光は、再び対物レンズ11内の光学系11A
を透過し、第2の偏向部材5で反射されることによっ
て、光源3から第1の偏向部材4までの光路とは観察光
軸を挟んで対称な光路の方向(図9においては左側)に
偏向され、結像レンズ9によって光検出器6上に集光さ
れる。図10(b)の左側の図(Y方向矢視図)は、光検
出器6上での集光状態を示している。回折格子29は、
図10(b)の左側の図に示すように、光検出器6の受光
部Aと受光部Bとの間のわずかな空隙部にマルチスポッ
ト光が並ぶように、その向きが調整されている。また、
標本Sに投光されるスポット光の間隔やスポット光の数
は、回折格子29の形状や格子構造のピッチを最適化す
ることによって変更することが可能である。
【0073】このようにマルチスポット投光とすること
で、標本に段差があったとしても、複数のスポット光の
うちいずれかのスポット光が光検出器6に戻るため、安
定した焦点検出を行うことができる。
【0074】シングルスポット投光の問題点を解決する
もう1つの方法として、図9(c)のように、光源モジュ
ール100に第2のコリメートレンズ31と長方形形状
のスリット30を内蔵し、図10(c)の右側の図に示す
ように標本S上にスリット光を投光する方法もある。こ
のように標本S上にスリット光が投光される状態をスリ
ット投光と呼ぶ。スリット30と標本Sは、共役な結像
位置に配置されている。光検出器20上での集光状態を
図10(c)の左側の図(Y方向矢視図)に示す。スリッ
ト30は、図10(c)の左側の図に示すように、光検出
器6の受光部Aと受光部Bとの間のわずかな空隙部とス
リット光の長辺が一致するように、その向きが調整され
ている。
【0075】このようにスリット投光とすることで、標
本に段差があったとしても、スリット光のいずれかの部
分が光検出器6に戻るため、安定した焦点検出を行うこ
とができる。以上述べたような、図9(a),(b),(c)の投
光法にはそれぞれ一長一短があり、用途によって使い分
けることが望ましい。
【0076】本実施例8によれば、光源モジュール10
0の交換だけで、用途にあった最適な投光法(シングル
スポット投光、マルチスポット投光、スリット投光)を
選択することができ、汎用性に優れている。
【0077】
【発明の効果】本発明の構成によれば、本発明の焦点検
出装置および焦点検出装置内蔵対物レンズは、第1の偏
向部材4と第2の偏向部材5を用いることにより装置の
厚みを薄くすることができる。また、従来のような偏光
ビームスプリッタや1/4波長板が必要ないので、装置
そのものを小型化、簡易化することができる。これによ
り、複数の穴の空いたレボルバに、本発明の焦点検出装
置を取付けた対物レンズあるいは焦点検出装置内蔵対物
レンズを並べて取付けることが可能となる。
【0078】更に、レーザ光の光束径や強度、ピンホー
ル径やピンホール位置、あるいは結像レンズ9の倍率を
各対物レンズごとに最適な構成とすることで、各対物レ
ンズで精度が良く信頼性の高い焦点検出を行うことがで
きる。このとき、従来の装置のように装置の構造のほと
んどを変更するのではなく、装置の一部のみの変更によ
って、各対物レンズに適応させることが可能であるた
め、生産性に優れている。
【0079】さらに、これらの焦点検出装置、あるいは
焦点検出装置内蔵対物レンズを使用することで、精度が
良く信頼性の高い自動合焦の可能な顕微鏡を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の焦点検出装置の概略構成
図であり、(a)は上方から見た図、(b)は側方から見た図
である。
【図2】図1の焦点検出装置における光束の進行方向を
示す説明図である。
【図3】本発明の第2実施例の焦点検出装置の概略構成
図である。
【図4】本発明の第3実施例の焦点検出装置の概略構成
図である。
【図5】第4実施例の焦点検出装置の概略構成図であ
り、(a)は高倍対物レンズに最適化した焦点検出装置を
構成するモジュール、(b)は低倍対物レンズに最適化し
た焦点検出装置を構成するモジュール、(c)は2つのピ
ンホールと2つの光検出器とで構成されるような焦点検
出装置を構成するモジュール、(d)はそれらに接続する
対物レンズを夫々示している。
【図6】本発明の焦点検出装置を内蔵した第5実施例の
対物レンズの概略構成図である。
【図7】本発明の焦点検出装置を内蔵した第6実施例の
対物レンズの概略構成図である。
【図8】本発明の第7実施例であり、第1実施例から第
6実施例の焦点検出装置、内蔵対物レンズを使用した顕
微鏡の構成を示す図である。
【図9】本発明の第8実施例の焦点検出装置の概略構成
図であり、(a)はシングルスポット投光の場合、(b)はマ
ルチスポット投光の場合、(c)はスリット投光の場合、
(d)はそれらに接続する対物レンズを夫々示している。
【図10】第8実施例における標本S上での投光の様
子、および光検出器20上での集光の様子を示す図であ
り、(a)はシングルスポット投光の場合、(b)はマルチス
ポット投光の場合、(c)はスリット投光の場合を夫々示
している。
【図11】シングルスポット投光において、凹凸がある
標本上に照射されるスポット光の様子を示す図であり、
(a)は凸部の平面に光スポットが照射されている場合、
(b)は凸部のエッジ部に光スポットが照射されている場
合、(c)は高さの異なる凹凸がある標本上に照射されて
いる場合を夫々示している。
【図12】アクティブ焦点検出方法の一例を示す説明図
である。
【図13】アクティブ焦点検出方法における光検出器上
の様子を示す図であり、(a)は非合焦状態(後ピン状
態)、(b)は合焦状態、(c)は非合焦状態(前ピン状態)
を夫々示している。
【図14】アクティブ焦点検出方法の他の例を示す説明
図である。
【図15】従来の焦点検出装置を搭載した顕微鏡の一例
を示す図である。
【符号の説明】
1 第1の接続部 2 第2の接続部 3 光源 4 第1の偏向部材 5 第2の偏向部材 6 光検出器 7 遮光板 8 コリメートレンズ 9 結像レンズ 10 焦点検出装置 11 対物レンズ 11A 対物レンズ光学系 12、13 ミラー 14 焦点検出装置内蔵対物レンズ 15 偏光ビームスプリッタ 16 1/4波長板 17 ダイクロイックミラー 18 ハーフミラー 19A、19B ピンホール 20 2分割フォトダイオード 20A,20B 受光部 21A、21B フォトダイオード 22 ステージ 23 レボルバ 24 観察用結像レンズ 25 落射投光管 26 顕微鏡鏡体 27 観察ユニット(TVカメラ等) 28 モニタ 29 回折格子 30 スリット 31 第2のコリメートレンズ 32 ステージ移動手段 33 制御回路 100 光源3を含む光源モジュール 100a,101a,101b,102a 接続部 101 第1の偏向部材4と第2の偏向部材5を含む偏
向モジュール 102 光検出器6を含む受光モジュール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対物レンズと接続するための第1の接続部
    と、観察装置と接続するための第2の接続部を備えた焦
    点検出装置であって、光源と、該光源からの照明光を標
    本側に偏向させる第1の偏向部材と、第1の偏向部材と
    同じ高さに配置されていて、標本で反射した光束を光源
    から第1の偏向部材までの光路とは異なる光路を通るよ
    うに偏向させる第2の偏向部材と、偏向された光束を受
    光する光検出器を備えたことを特徴とする焦点検出装
    置。
  2. 【請求項2】観察装置と接続するための接続部を備えた
    対物レンズであって、光源と、該光源からの照明光を標
    本側に偏向させる第1の偏向部材と、第1の偏向部材と
    同じ高さに配置されていて、標本で反射した光束を光源
    から第1の偏向部材までの光路とは異なる光路を通るよ
    うに偏向させる第2の偏向部材と、偏向された光束を受
    光する光検出器を備えた焦点検出装置を像側に内蔵した
    ことを特徴とする対物レンズ。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の焦点検出装
    置を備え、光検出器から出力されるフォーカスエラー信
    号に基づいて、自動合焦を行う自動合焦手段を備えた光
    学顕微鏡又は光学検査装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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