JP2008266864A - ポリアミド系長繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来より優れた染色性および染色堅牢度を有する軽量なポリアミド系長繊維を、大幅なコスト増大なく、かつ安定に提供する。
【解決手段】ポリアミドおよびポリオレフィンを配合し、溶融紡糸してなる密度1.1g/cm以下の長繊維であって、ポリアミドが50〜80重量%、ポリオレフィンが20〜50重量%であり、ポリオレフィンの繊維横断面における最大分散径が1〜3μmであることを特徴とする、ポリアミド系長繊維によって達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、従来より染色堅牢度に優れ、かつ容易なプロセスで製造可能なポリアミド系長繊維に関するものである。
ポリアミド長繊維は、その化学的安定性、しなやかさ、良好な染色性を特徴とし、現在一般的に衣料用途において広く使用されている。また近年ではこれを各種の添加剤、ポリマーとのブレンドにより変性し、各種機能を付与することによる機能性繊維も多く用いられるようになってきている。とりわけ、ポリアミド系軽量長繊維は、衣料用途のポリアミド長繊維が特に好適に用いられるスポーツ衣料用途において需要が高まっている。
しかしながら、ポリアミド系軽量長繊維は、その製造工程の難しさから、生産性、品質上の課題が残されているのも事実である。
ポリアミド長繊維を軽量化するための方法の一つとして軽量ポリマーを混合する方法が主に採用されてきたが、依然多様な課題を抱えている。その課題のうち重要なものとして、得られるポリアミド繊維の染色性および染色堅牢度が損なわれることなどが挙げられる。
かかる課題を解決するために、ポリアミドと不混和性のポリマーを少量混合する繊維が提案されている(例えば、特許文献1参照)が、この場合は操業性を考慮して不混和性ポリマーの添加比率が10重量%以下に限定されたもので、軽量ポリマーを混合してもその軽量化の効果は小さい。
また、ポリオレフィンを繊維表面に出さず、ブレンド成分を芯成分とする複合紡糸により製造する繊維についても提案されている(例えば、特許文献2参照)が、この場合は複合紡糸の形態となるが、ポリオレフィンを主体とすることで軽量性は発現するが、鞘成分にポリアミドを配しても染色性および染色堅牢度が著しく悪化するため、衣料用途には好適でないなど、種々の課題が残されている。
このように従来の技術では、大幅なコスト増大なく、染色性および染色堅牢度に優れ、かつ軽量なポリアミド系長繊維を得ることは依然困難である。
特開昭58−98414号公報(第1頁) 特開平4−333671号公報(第2頁)
本発明者らは、大幅なコストの増大なく得られる、染色性および染色堅牢度に優れた軽量なポリアミド系長繊維について鋭意検討し、本発明のポリアミド系長繊維に到達したものである。すなわち、本発明の課題は、従来より優れた染色性および染色堅牢度を有する
軽量なポリアミド系長繊維を、大幅なコスト増大なく、かつ安定に提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、本発明のポリアミド系長繊維は、ポリアミドおよびポリオレフィンを配合し、溶融紡糸してなる密度1.1g/cm以下の長繊維であって、ポリアミドが50〜80重量%、ポリオレフィンが20〜50重量%であり、ポリオレフィンの繊維横断面における分散径が1〜3μmであることを特徴とする。
本発明のポリアミド系長繊維によって、従来より染色性および染色堅牢度に優れたポリアミド系長繊維を、大幅なコスト増大なく安定に得ることが可能となる。
本発明のポリアミド系長繊維は、ポリアミドおよびポリオレフィンを配合し、溶融紡糸してなる密度1.1g/cm以下の長繊維であって、ポリアミドが50〜80重量%、ポリオレフィンが20〜50重量%(ただしポリアミドとポリオレフィンの合計を100重量%とする)であり、ポリオレフィンの繊維横断面における最大分散径が1〜3μmである。
密度が1.1g/cmより大きい場合は、ポリオレフィンを混合することによる軽量化の効果が小さく軽量な長繊維とは言い難い。好ましい密度としては1.1〜0.95g/cmである。なお、上記密度はJIS L1013(1999)8.17.2「密度(密度こうばい管法)」に従い測定される密度とする。
また、ポリアミドの混合比率が50%未満の場合はポリオレフィンの混合比率が50%を越え染色性が低下し、ナイロンとしての衣料用途での実用に適さない。またポリアミドの混合比率が80%を越える場合は、ポリオレフィンの混合比率が20%未満となり、軽量化の効果が小さく軽量な長繊維とは言い難い。
またポリオレフィンの繊維横断面における最大分散径が3μmを越える場合は、繊維中に染色されない部分が大きな塊として存在し、染色むらとして顕在化するため、衣料用途での実用は困難となる場合があり、また1μm未満の場合は細かく分散し過ぎているため、ポリアミドとポリオレフィンの界面が多くなるために、得られる繊維の強度等の機械特性が劣性となる。好ましい最大分散径は、1.2〜2.7μmである。なお、本発明におけるポリオレフィンの密度はJIS K0061(2001)8.2.1「ルシャテリエ比重瓶法」に従い20℃にて測定される値である。
本発明のポリアミド系長繊維において、混合するポリオレフィンの種類についてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。また近年は特にポリエチレンに関する開発が進んでおり、特に密度について、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等が開発されているが、目的とする軽量な長繊維を得るためには、密度0.92g/cm以下のポリオレフィンを用いることが好ましく、0.91〜0.88g/cmであることがより好ましい。コストを考慮し一般的な方法で製造される密度0.92g/cm以下のポリプロピレンであることが好ましく、0.91〜0.88g/cmであることがより好ましい。
本発明のポリアミド系長繊維において、混合するポリオレフィンは極性基を有する有機化合物で変性されたポリオレフィンであることが好ましく、その有機化合物としてはマレイン酸、フマル酸、アクリル酸エステル等の不飽和脂肪酸あるいはそれらの誘導体等が挙げられ、その導入方法はポリマーを得る重合工程で導入することが好ましいが、この方法に限定されるものではない。極性基を有さないポリオレフィンを用いた場合、ポリアミドとの相溶性が小さくなるため、ポリアミド、ポリオレフィンそれぞれをペレット状態で混合したものを溶融紡糸した場合に十分混合されない場合があり、操業性の悪化あるいは染
色むらの悪化を招く場合がある。また、それら有機化合物の添加量は特に限定されないが、ポリアミドの単位モノマーとのモル比率で1/1000〜1/10であることが好ましい。また、極性基を有する化合物として他の熱可塑性ポリマーを添加することも可能である。
本発明のポリアミド系長繊維において、混合するポリオレフィンは、メルトフローレート5〜50であることが好ましい。衣料用途のポリアミドは一般的にメルトフローレート10〜50程度であるため、流動性が大きく異なるポリマーを混合した場合、異物除去を目的とするフィルターあるいは計量性を与えるための口金において、圧力上昇によるフィルター破損、あるいは計量性の低下に起因する繊維のウースターむらの悪化が発生する場
合がある。
本発明のポリアミド系長繊維において、ポリアミドのメルトフローレートXとポリオレフィンのメルトフローレートYは下記式(1)を満足することが好ましい。
式(1)0.5≦X/Y≦4.0
X/Yが0.5より小さい場合は、ポリオレフィンの流動性がポリアミドの流動性に対して相対的に高すぎるため、溶融紡糸の際にポリオレフィンが海成分となる海島構造を形成しやすくなることがあり、その場合は繊維の表面の大半がポリオレフィンとなるため染色性および染色堅牢度に劣る場合がある。またX/Yが4.0より大きい場合は、ポリアミドおよびポリオレフィンの粘度差が大きすぎるために溶融紡糸の際適度な混合状態を形成することができず、安定な製糸が不可能となる場合がある。なかでも最大分散径を制御しやすくする点から、X/Yが0.8〜3.0であることが好ましい。なお、本発明におけるメルトフローレートは、JIS K7210(1999)3項に準じた装置を用い、後述する条件を選択し、6項記載の方法で測定したメルトマスフローレートの値をMFRの値とする。
本発明のポリアミド系長繊維の製造に使用するポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン6,6等やこれらの共重合体等が挙げられる。
また、これらのポリアミドには、本発明の目的、効果を損なわない範囲で、二酸化チタン等の艶消し剤、酸化ケイ素、カオリン等の各種機能性粒子のほか、相溶化剤、着色防止剤、安定剤、抗酸化剤等の添加剤を含有してもよい。
次に、本発明のポリアミド系長繊維の製造方法を説明する。具体例として、ポリアミドとしてナイロン6、ポリオレフィンとしてポリプロピレンを用いたポリアミド系長繊維の例を記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。
ポリアミド系長繊維は通常、(1)ポリアミドを溶融し、計量し、濾過した後に吐出するプロセス、(2)吐出されたポリアミド系長繊維を冷却風により冷却した後引き取るプロセス、(3)引き取られたポリアミド系長繊維を巻き取るプロセス、(4)場合によって得られたポリアミド系長繊維を延伸または延伸仮撚するプロセスにより得られる。
本発明のポリアミド系長繊維を得る際は、最大分散径を1〜3μmに制御する必要がある。この制御のためには、ポリアミドとポリオレフィンの混合比の選択(ポリオレフィンの比率を下げると最大分散径が小さくなり、上げると最大分散径が大きくなる)あるいは上記両樹脂のメルトフローレートの関係X/Yの選択(X/Yを小さくすると最大分散径が小さくなり、大きくすると、最大分散径が大きくなる)等によりある程度制御可能であるが、ポリアミドとポリオレフィンの混合の程度にも若干影響される。例えば、上記プロセスのうち(1)については、ポリアミドおよびポリプロピレンをペレット状態で混合したポリマーを用いて溶融紡糸を行う方法が最大分散径の制御ならびにコスト面からも好ましい。またポリアミドおよびポリプロピレンの各ペレットを混合した混合ペレットを押出機を用いて混練後、一旦再ペレット化したものを用いてもよいが、その場合は最大分散径は比較的小さくなることが多い。また押出機は1軸混練タイプ、2軸混練タイプ等のいずれを用いてもよいが、押出機での混練が強すぎると最大分散径が1μm未満となる場合があるため、1軸混練タイプを用いることが好ましい。以下(2)および(3)については常法によって行う。(4)については本発明では適用してもよく、また適用せず1工程で目的とするポリアミド系長繊維としてもよい。
また、得られるポリアミド系長繊維と硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)されたステンレス製金属摩擦体との動摩擦係数が2.5〜2.8であることが好ましい。ポリアミドとポリオレフィンが不均一に混合されるとポリオレフィンの重量比率によって得られるポリアミド系長繊維の動摩擦係数が大きく変動し、高次通過性を悪くする場合がある。2種類のペレットを均一に混合するためには、バッチ式の混合機にて混合した後、溶融紡糸を行うことが好ましい。動摩擦係数はポリオレフィンの混合比の選択(ポリオレフィンの比率を下げると動摩擦係数が高くなり、上げると動摩擦係数が低くなる)によりある程度制御可能である。動摩擦係数が2.5より小さい場合は織物にしたときの経糸と緯糸との目ずれが起こり品位低下を起こす場合がある。また、動摩擦係数が2.8より大きい場合は製織時の筬やガイド類との擦過によって高次工程通過性が悪くなる場合がある。なお、上記金属摩擦体の表面粗さRzは、JIS B0601(2001)4.1.3項に準じたパラメーターを用いて、JIS B0633(2001)7項の測定方法にて測定する。
また、得られるポリアミド系長繊維のフィラメントL値測定(FYL)のCV%は10%以下であることが好ましい。フィラメントL値測定(FYL)とはフィラメントを一定速度で染色装置の中を走行させて染色し、染色したフィラメントのL値を断続的に測定し糸の長手方向での染めバラツキを測定するものである(以下FYLと表記)。染めバラツキを一定以下に規定することにより染色布帛にしたときの目視検査にて染め差を生じないようにしている。FYLにて測定したL値のCV%が10%を越えると染色布帛にしたときの濃淡色差が大きくなり衣料用途での実用は困難となる場合がある。これを満たすためには、2種類のペレットをバッチ式の混合機にて混合した後、溶融紡糸を行うことが好ましい。
かくして得られる本発明のポリアミド系長繊維は、その用途を限定されるものではないが、軽量化されているとともに染色堅牢度が良好であることから、衣料用途、特に軽量化、染色堅牢度の需要が高まっているスポーツ衣料用途が好適である。
また、本発明のポリアミド系長繊維は、染色堅牢度および軽量性の双方を両立する繊維であるために、透湿防水織物用途に極めて適している。 本発明の透湿防水織物は、本発明のポリアミド系長繊維からなる織物に透湿防水加工を施すことにより得られる。本発明のポリアミド系長繊維以外の長繊維からなる織物を用いた場合、軽量性および染色堅牢度
の双方を両立することは困難な場合がある。そして、本発明の透湿防水織物はその軽量性と透湿防水性から、スキーウェア、テントなどのアウトドア用製品に特に好適である。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の物性値は以下に述べる方法で測定した。
(1)繊維の密度
JIS L1013(1999)8.17.2「密度(密度こうばい管法)」に従い測定した。
(2)ポリオレフィンの密度
JIS K0061(2001)8.2.1「ルシャテリエ比重瓶法」に従い20℃にて測定した。
(3)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210(1999)3項に準じた装置を用い、6項記載の方法で測定したメルトマスフローレートの値をMFRの値とした。その際の測定条件はJIS K7210の附属書A、Bの記載に従い、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリスチレンの場合は条件M、ポリエチレンの場合は条件Dで測定した。
(4)ポリオレフィンの最大分散径
繊維を長手方向に垂直な横断面で切断した後、観察を容易にするため。130℃で熱処理を加えてポリオレフィンを収縮させてへこませ、走査型電子顕微鏡にて拡大観察した際に見られる前記収縮させた凹部の、断面方向の径(非円形の場合は長軸の長さ)の最大となるものの測定をそれぞれ異なる断面で計10回繰り返した中で最大のものを最大分散径とした。
(5)糸と金属の動摩擦係数
本発明における摩擦係数μは、糸と硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)されたステンレス製の金属摩擦体との動摩擦係数であり、図1の測定装置を用いて測定するものである。引き取りローラー1により、300m/分で糸条を走行させ、金属摩擦体2への入側張力T1をテンションメーター3,出側張力T2をテンションメーター4で測定する。さらに、図2に示すように糸条と金属摩擦体2との倦角θ(ラジアン)を測定し、Amontonの法則を用いた下記式より算出する。なお、上記金属摩擦体の表面粗さRzは、JIS B0601(2001)4.1.3項に準じたパラメーターを用いて、JIS B0633(2001)7項の測定方法にてテーラーホブソン(株)製のSURTRONIC 3Pによって測定したものである。
Amontonの法則 T2=T1μθ
μ=(InT2/T1)/θ
(6)フィラメントL値測定(FYL)のCV%
フィラメントL値測定アナライザ(FYL)による染着度変動値(VAR)は東レエンジニアリング(株)製のFYL−500SRによって測定したものであり、式1で表させられるように、連続的に染色したフィラメントの長手方向のFYL値(染着度として明度L値をとっており、この値が小さいほど濃染)の変動値(VAR)である。ここでxは長さα方向に変化するL値であり、Xはその平均値を示す。
Figure 2008266864
式1で得られた変動値(VAR)のCV%は次の式2で表す。
Figure 2008266864
なお染色条件は次の標準条件である。染料:“Kayanol Milling Blue BW”濃度:50g/l染色温度:70℃染色時間:30秒測定長:50m×5回糸速度:60m/分糸張力(入口):0.013〜0.017g/dの条件にて測定した。
(7)染色(洗濯)堅牢度
得られたポリアミド系長繊維を用い、JIS L0801(2004)6.1.2項記
載に従い試験片を作製し、濃度1%owfの染料Nylosan Blue N−GFL
167%(クラリアントジャパン株式会社製)を布帛に完全に吸尽させ、乾燥したものを試料とした。これを用い、JIS L0844(2005)7.2項B法に従い、表9中のB−3条件にて測定した。判定はJIS L0801(2004)10項(a)の視感法に従って変退色および汚染について級判定にて実施した。3級以上は合格であり、2級以下は不合格である。
実施例1
常法により得たMFR=40のナイロン6のホモポリマーペレットを常法に従って乾燥し水分率を0.1%とする。また密度=0.91g/cm、MFR=35のポリプロピレンポリマーペレット(三井化学社製“アドマー”QE070)を常法に従って乾燥し水分率を0.02%とする。前記のとおり得られたナイロン6およびポリプロピレンの乾燥ペレットを、ナイロン6/ポリプロピレンの重量比率にして50/50となるよう混合し、1軸押出機(日本製鋼社製φ90エクストルーダ)にて255℃、回転数80rpmで溶融し、溶融ポリマーを260℃の紡糸機に導き口金を経て糸条を吐出させる。以下常法にしたがって、糸条を3500m/分で引き取り、引き続いて4550m/分で引き取りながら160℃で熱セットし、引き続き4500m/分で巻き取ることにより78dtex、24フィラメントのポリアミド系長繊維を得た。得られたポリアミド系長繊維の密度は1.04g/cm、ポリプロピレンの最大分散径は2.2μm、硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)された金属摩擦体とのの動摩擦係数は2.6、FYLのCV%が4%であった。また得られたポリアミド系長繊維を用い、1インチ(2.54cm)あたりの経糸および緯糸を100本ずつとして平織組織にてポリアミド系織物を作製した。得られた織物を用い染色(洗濯)堅牢度を測定した結果、表1のとおり変退色5級、汚染4級といずれも合格レベルであった。
実施例2
ナイロン6/ポリプロピレンの重量比率を75/25とした以外は実施例1と同様の方法でポリアミド系長繊維を得た。得られたポリアミド系長繊維の密度は1.10g/cm、ポリプロピレンの最大分散径は1.3μm、硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)された金属摩擦体との動摩擦係数は2.8、FYLのCV%は6%であった。また得られたポリアミド系長繊維を用い実施例1と同様にポリアミド系織物を作製し染色(洗濯)堅牢度を測定した結果、表1のとおり変退色、汚染のいずれについても4級と合格レベルであった。
比較例1
ナイロン6/ポリプロピレンの重量比率を25/75とした以外は実施例1と同様の方法でポリアミド系長繊維を得た。得られたポリアミド系長繊維の密度は0.98g/cm、ポリプロピレンの最大分散径は2.9μm、硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)された金属摩擦体との動摩擦係数は2.3、FYLのCV%は14%であった。また得られたポリアミド系長繊維を用い実施例1と同様にポリアミド系織物を作製し染色(洗濯)堅牢度を測定した結果、表1のとおり変退色、汚染のいずれについても2級と不合格レベルであった。
比較例2
ナイロン6/ポリプロピレンの重量比率を90/10とした以外は実施例1と同様の方法でポリアミド系長繊維を得た。得られたポリアミド系長繊維の密度は1.14g/cmと大きく軽量化の効果は小さかった。またポリプロピレンの最大分散径は0.8μm、硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)された金属摩擦体との動摩擦係数は3.1、FYLのCV%は9%であった。
比較例3
ナイロン6/ポリプロピレンの重量比率を10/90とした以外は実施例1と同様の方法でポリアミド系長繊維を得た。得られたポリアミド系長繊維の密度は0.94g/cmであったが、ポリプロピレンが多すぎるため分散媒成分となり、最大分散径は測定不可能であった。また硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)された金属摩擦体との動摩擦係数は2.3、FYLのCV%は20%であった。また得られたポリアミド系長繊維を用い実施例1と同様にポリアミド系織物を作製し染色(洗濯)堅牢度を測定した結果、表1のとおり変退色2級、汚染1級といずれも不合格レベルであった。
比較例4
押出機での溶融温度を240℃とした以外は実施例1と同様の方法でポリアミド系長繊維を得た。得られたポリアミド系長繊維の密度は1.04g/cmであったが、ポリプロピレンの最大分散径は4.0μmとなった。また硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)された金属摩擦体との動摩擦係数は3.0、FYLのCV%は14%であった。また得られたポリアミド系長繊維を用い実施例1と同様にポリアミド系織物を作製し染色(洗濯)堅牢度を測定した結果、表1のとおり変退色、汚染のいずれについても2級と不合格レベルであった。
実施例3〜5
用いるポリプロピレンを、三菱化学社製“モディック”AP−P908(密度=0.91g/cm、MFR50)(実施例3)、三井化学社製“アドマー”のQE070およびQF500の40/60重量%混合品(密度=0.92g/cm、MFR15)(実施例4)、三井化学社製“アドマー”QF500(密度=0.92g/cm、MFR5)(実施例5)とした以外は実施例1と同様の方法でポリアミド系長繊維を得た。得られたポリアミド系長繊維の密度は1.04g/cm、ポリプロピレンの最大分散径はそれぞれ1.7μm(実施例3)、2.6μm(実施例4)、2.9μm(実施例5)硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)された金属摩擦体との動摩擦係数はいずれも2.6であった。FYLのCV%は5%(実施例3)、7%(実施例4)、13%(実施例5)であった。また得られたポリアミド系長繊維を用い実施例1と同様にポリアミド系織物を作製し染色(洗濯)堅牢度を測定した結果、表2のとおり変退色、汚染のいずれについても合格レベルであった。
実施例6および7
用いるポリプロピレンを、前記三井化学社製“アドマー”QF500を無水マレイン酸で変性したもの(密度=0.92g/cm、MFR30)(実施例6)、アクリル酸−2−エチルヘキシル3mol%で変性したもの(密度=0.92g/cm、MFR20)(実施例7)とした以外は実施例1と同様の方法でポリアミド系長繊維を得た。変性の方法は上記ポリマーペレット100重量部および有機化合物を0.87重量部混合したものを1軸押出機(日本製鋼社製φ90エクストルーダ)にて240℃、60rpmで混練し再度ペレット化する方法を採用した。得られたポリアミド系長繊維の密度は1.04g/cm、ポリプロピレンの最大分散径はそれぞれ1.0μm(実施例6)、1.6μm(実施例7)硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)された金属摩擦体との動摩擦係数はいずれも2.6であった。FYLのCV%は7%(実施例6)、8%(実施例7)であった。また得られたポリアミド系長繊維を用い実施例1と同様にポリアミド系織物を作製し染色(洗濯)堅牢度を測定した結果、表2のとおり変退色、汚染のいずれについても4級と合格レベルであった。
実施例8および9
用いるポリオレフィンを、日本ポリエチレン社製ノバテックHD−HJ590N(密度=0.91g/cm、MFR40)のポリエチレン(実施例8)、PSジャパン社製タイプ679(密度=0.91g/cm、MFR18)のポリスチレン(実施例9)とした以外は実施例1と同様の方法でポリアミド系長繊維を得た。得られたポリアミド系長繊維の密度は1.05g/cm(実施例8)、1.10g/cm(実施例9)、ポリオレフィンの最大分散径はそれぞれ2.3μm(実施例8)、2.8μm(実施例9)硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)された金属摩擦体との動摩擦係数はいずれも2.6であった。FYLのCV%は4%(実施例8)、9%(実施例9)であった。また得られたポリアミド系長繊維を用い実施例1と同様にポリアミド系織物を作製し染色(洗濯)堅牢度を測定した結果、表3のとおり変退色、汚染のいずれについても合格レベルであった。
実施例10および11
用いるポリプロピレンを、三菱化学社製“モディックAP−P908”を無水マレイン酸で変性したもの(密度=0.91g/cm、MFR=60)(実施例10)、三井化学社製“アドマーQB550” (密度=0.91g/cm、MFR=3)(実施例11)とした以外は実施例7と同様の方法でポリアミド系長繊維を得た。得られたポリアミド系長繊維の密度は1.04g/cm、ポリプロピレンの最大分散径はそれぞれ1.0μm(実施例10)、2.9μm(実施例11)硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)された金属摩擦体との動摩擦係数は2.8(実施例10)、2.6(実施例11)であった。FYLのCV%は7%(実施例10)、9%(実施例11)であった。また得られたポリアミド系長繊維を用い実施例7と同様にポリアミド系織物を作製し染色(洗濯)堅牢度を測定した結果、表3のとおり変退色、汚染のいずれについても3級と合格レベルであった。
Figure 2008266864
Figure 2008266864
Figure 2008266864
本発明のポリアミド系長繊維における摩擦係数を測定する装置の概略説明図である。 図1における金属摩擦体2の一部拡大図である。
符号の説明
1 引き取りローラ
2 金属摩擦体
3 入側テンションメーター
4 出側テンションメーター

Claims (8)

  1. ポリアミドおよびポリオレフィンを配合し、溶融紡糸してなる密度1.1g/cm以下の長繊維であって、ポリアミドが50〜80重量%、ポリオレフィンが20〜50重量%であり、ポリオレフィンの繊維横断面における最大分散径が1〜3μmであることを特徴とする、ポリアミド系長繊維。
  2. ポリオレフィンが密度0.92g/cm以下のポリプロピレンであることを特徴とする、請求項1記載のポリアミド系長繊維。
  3. ポリオレフィンが、極性基を有する有機化合物で変性されたポリオレフィンであることを特徴とする、請求項1または2記載のポリアミド系長繊維。
  4. ポリオレフィンが、メルトフローレート5〜50であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載のポリアミド系長繊維。
  5. ポリアミドのメルトフローレートXとポリオレフィンのメルトフローレートYが下記式(1)を満足するポリアミドおよびポリオレフィンであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載のポリアミド系長繊維。
    式(1)0.5≦X/Y≦4.0
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のポリアミド系長繊維と硬質クロムメッキ加工(表面粗さRz=0.67μm)された金属摩擦体との動摩擦係数が2.5〜2.8であることを特徴とする、ポリアミド系長繊維。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のポリアミド系長繊維のフィラメントL値測定アナライザ(FYL)にて測定したL値のCV%が10%以下であることを特徴とする、ポリアミド系長繊維。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載のポリアミド系長繊維からなる織物に透湿防水加工を施してなる透湿防水織物。
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