JP2008266536A - 樹脂組成物、接着層および積層体 - Google Patents

樹脂組成物、接着層および積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】2つのフィルムを接着して積層フィルムとした場合、2つのフィルムの剥離強度を高めることができる樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】下記共重合体(A)20〜80重量%と下記共重合体(B)80〜20重量%とを含有する樹脂組成物であって、共重合体(A)が、α−オレフィンと、下記一般式(I)で表されるビニル化合物とを共重合させて得られる共重合体であり、
CH2=CH−(CH2n−R1 (I)
(nは0以上の整数であり、R1は炭素数3以上の脂環式炭化水素基を示す)
共重合体(B)が、エチレンと、不飽和カルボン酸グリシジルエステル、不飽和グリシジルエーテル、および、ビニルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とを共重合して得られる共重合体またはそのケン化物である、樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、接着層、および、積層体に関するものである。さらに詳しくは、2つのフィルムを接着して積層フィルムとした場合、2つのフィルムの剥離強度を高めることができる樹脂組成物、該樹脂組成物を含有する接着層、および、該接着層の両面に、2つの基材層が隣接してなる積層体に関するものである。
従来から、塗膜密着性を有する塗料に用いられる樹脂組成物として、例えば、エポキシ樹脂などと、特定のビニル化合物又はビニル化合物から誘導される単量体単位を含有する重合体との樹脂組成物(例えば、特許文献1参照。)が記載されている。
特開2004−238427号公報
しかしながら、上記公報の樹脂組成物においても、剥離強度については、さらなる改良が求められていた。かかる状況の下、本発明の目的は、2つのフィルムを接着して積層フィルムとした場合、2つのフィルムの剥離強度を高めることができる樹脂組成物、該樹脂組成物を含有する接着層、および、該接着層の両面に、2つの基材層が隣接してなる積層体を提供することにある。
本発明者らは、かかる状況に鑑み、鋭意検討の結果、本発明が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明の第一は、下記共重合体(A)20〜80重量%と下記共重合体(B)80〜20重量%とを含有する樹脂組成物であって(ただし、共重合体(A)と共重合体(B)との合計量を100重量%とする。)、
共重合体(A)が、炭素数2〜12のα−オレフィンと、下記一般式(I)で表されるビニル化合物とを共重合させて得られる共重合体であり、
CH2=CH−(CH2n−R1 (I)
(nは0以上の整数であり、R1は炭素数3以上の脂環式炭化水素基を示す)
共重合体(B)が、
エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルとを共重合させて得られる共重合体(B−1)と、
エチレンと不飽和グリシジルエーテルとを共重合させて得られる共重合体(B−2)と、
エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルと不飽和グリシジルエーテルとを共重合させて得られる共重合体(B−3)と、
エチレンとビニルアセテートとを共重合させて得られる共重合体(B−4)と、
エチレンとビニルアセテートとを共重合させて得られる共重合体のケン化物(B−5)とからなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体であり、
共重合体(B)のエチレンに由来する構造単位の含有量が99.9〜49.9重量%であり、他の単量体に由来する構造単位の含有量が0.1〜50.1重量%である、樹脂組成物に係るものである。
本発明の第二は、上記樹脂組成物を含有する接着層に係るものである。
本発明の第三は、上記接着層の両面に、2つの基材層が隣接してなる積層体に係るものである。
本発明で用いられる共重合体(A)は、炭素数2〜12のα−オレフィンと、下記一般式(I)で表されるビニル化合物とを共重合させて得られる共重合体である。
CH2=CH−(CH2n−R1 (I)
(nは0以上の整数であり、R1は炭素数3以上の脂環式炭化水素基を示す)
共重合体(A)の炭素数2〜12のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等があげられ、より好ましくはエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンであり、特に好ましくはエチレンである。
ビニル化合物(I)のR1は、炭素数3以上の脂環式炭化水素基であり、好ましくは炭素数3〜20の脂環式炭化水素基であり、より好ましくは3〜16員環のシクロアルキル基であり、さらに好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基であり、特に好ましくはシクロペンチル基、シクロへキシル基、ノルボルニル基である。
ビニル化合物(I)のnは0以上の整数である。通常0〜5であり、熱安定性の観点から、好ましくは、nは0である。
ビニル化合物(I)としては、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタン、ビニルノルボルナン、ビニルアダマンタン、3−シクロヘキシル−1−プロペン、4−シクロヘキシル−1−ブテン、5−シクロヘキシル−1−ペンテン、6−シクロヘキシル−1−ヘキセン、3−ノルボルニル−1−プロペン、4−ノルボルニル−1−ブテン、5−ノルボルニル−1−ペンテン、6−ノルボルニル−1−ヘキセン、3−アダマンチル−1−プロペン、4−アダマンチル−1−ブテン、5−アダマンチル−1−ペンテン、6−アダマンチル−1−ヘキセン等があげられる。より好ましいビニル化合物(I)は、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタン、ビニルノルボルナンであり、特に好ましいビニル化合物(I)は、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナンである。
共重合体(A)としては、エチレン−ビニルシクロプロパン共重合体、エチレン−ビニルシクロブタン共重合体、エチレン−ビニルシクロペンタン共重合体、エチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体、エチレン−ビニルシクロヘプタン共重合体、エチレン−ビニルシクロオクタン共重合体、エチレン−ビニルノルボルナン共重合体、エチレン−ビニルアダマンタン共重合体、エチレン−3−シクロヘキシル−1−プロペン共重合体、エチレン−4−シクロヘキシル−1−ブテン共重合体、エチレン−5−シクロヘキシル−1−ペンテン共重合体、エチレン−6−シクロヘキシル−1−ヘキセン共重合体、エチレン−3−ノルボルニル−1−プロペン共重合体、エチレン−4−ノルボルニル−1−ブテン共重合体、エチレン−5−ノルボルニル−1−ペンテン共重合体、エチレン−6−ノルボルニル−1−ヘキセン共重合体、エチレン−3−アダマンチル−1−プロペン共重合体、エチレン−4−アダマンチル−1−ブテン共重合体、エチレン−5−アダマンチル−1−ペンテン、エチレン−6−アダマンチル−1−ヘキセン共重合体などがあげられ、好ましくはエチレン−ビニルシクロペンタン共重合体、エチレン−ビニルシクロヘキサン共重合体である。
共重合体(A)に含有されるビニル化合物(I)に由来する繰り返し単位の含有量は0.1〜99.9mol%である(ただし、共重合体(A)の重量を100mol%とする。)。ビニル化合物(I)の含有量は接着性能の観点から、好ましくは1〜80mol%、より好ましくは5〜50mol%である。さらに好ましくは10〜40mol%である。かかるビニル化合物(I)に由来する繰り返し単位の含有量は、1 H−NMRスペクトルや13C−NMRスペクトルを用いる定法により求められる。また、α−オレフィンに由来する繰り返し単位の含有量は99.9〜0.1mol%である。好ましくは、99〜20mol%であり、より好ましくは95〜50mol%であり、さらに好ましくは90〜60mol%である。
共重合体(A)は、炭素数2〜12のα−オレフィンとビニル化合物(I)と、必要に応じて、少なくとも1種の付加重合性モノマーとの共重合体であってもよい。
該付加重合性モノマーの具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート等があげられ、これらは単独で用いてもよく、少なくとも2種を併用してもよい。
共重合体(A)の製造方法としては、例えば、イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドおよびメチルアルモキサンを接触させて得られる触媒の存在下、炭素数2〜12のα−オレフィンとビニル化合物(I)とを共重合する製造方法があげられる。炭素数2〜12のα−オレフィンやビニル化合物(I)の投入量、重合温度や重合時間などの重合条件は、製造する共重合体に含有される炭素数2〜12のα−オレフィンや、ビニル化合物(I)に由来する繰り返し単位の含有量、分子量等に応じて、適宜調整すればよい。
本発明で用いられる共重合体(B)は、エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルとを共重合させて得られる共重合体(B−1)と、エチレンと不飽和グリシジルエーテルとを共重合させて得られる共重合体(B−2)と、エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルと不飽和グリシジルエーテルとを共重合させて得られる共重合体(B−3)と、エチレンとビニルアセテートとを共重合させて得られる共重合体(B−4)と、エチレンとビニルアセテートとを共重合させて得られる共重合体のケン化物(B−5)とからなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体である。
共重合体(B−1)に用いられる不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−グリシジルシクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート、マレイン酸のモノおよびジグリシジルエステル、イタコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよびジグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸のグリシジルエステルなどがあげられ、好ましくはグリシジル(メタ)アクリレートである。
共重合体(B−1)としては、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−3,4−グリシジルシクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−マレイン酸モノグリシジルエステル共重合体、エチレン−マレイン酸ジグリシジルエステル共重合体、エチレン−イタコン酸モノグリシジルエステル共重合体、エチレン−イタコン酸ジグリシジルエステル共重合体、エチレン−アリルコハク酸モノグリシジルエステル共重合体、エチレン−アリルコハク酸ジグリシジルエステル共重合体、エチレン−p−スチレンカルボン酸モノグリシジルエステル共重合体、エチレン−p−スチレンカルボン酸ジグリシジルエステル共重合体などがあげられ、好ましくはエチレン−メチルアクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体である。
共重合体(B−1)は、エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルと、必要に応じて、少なくとも1種の付加重合性モノマーとの共重合体であってもよい。該付加重合性モノマーとしては、エチレン系不飽和エステル化合物、スチレン系化合物、ビニルアセテートなどがあげられる。エチレン系不飽和エステル化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどがあげられ、好ましくはメチルアクリレートである。スチレン系化合物としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ジメチルスチレンなどがあげられ、好ましくはスチレンである。他のモノマーを共重合させて得られる共重合体(B−1)としては、エチレン−メチルアクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ビニルアセテート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体などがあげられ、好ましくはエチレン−メチルアクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体である。
共重合体(B−1)に含有されるエチレンに由来する構造単位の含有量は、99.9〜49.9重量%であり、不飽和カルボン酸グリシジルエステルに由来する構造単位の含有量が0.1〜50.1重量%である。好ましくは、エチレンに由来する構造単位の含有量は、99.5〜80重量%であり、不飽和カルボン酸グリシジルエステルに由来する構造単位の含有量が0.5〜20重量%である。共重合体(B−1)が、エチレンと、不飽和カルボン酸グリシジルエステルと、エチレン系不飽和エステル化合物またはビニルアセテートとの共重合体である場合、エチレンに由来する構造単位の含有量が94.9〜49.9重量%であり、不飽和カルボン酸グリシジルエステルに由来する構造単位の含有量が0.1〜30重量%であり、エチレン系不飽和エステル化合物またはビニルアセテートに由来する構造単位の含有量が5〜50重量%である。好ましくは、エチレンに由来する構造単位の含有量が94〜59.5重量%であり、不飽和カルボン酸グリシジルエステルに由来する構造単位の含有量が0.5〜20重量%であり、エチレン系不飽和エステル化合物またはビニルアセテートに由来する構造単位の含有量が5.5〜40重量%である。
共重合体(B−1)の製造方法としては、エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルと必要に応じて加える付加重合性モノマーとを共重合する方法があげられる。
共重合体(B−2)に用いられる不飽和グリシジルエーテルとしては、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル等のグリシジルエーテルなどがあげられ、好ましくはアリルグリシジルエーテルである。
共重合体(B−2)としては、エチレン−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン−2−メチルアリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン−スチレン−p−グリシジルエーテル共重合体などがあげられ、好ましくはエチレン−アリルグリシジルエーテル共重合体である。
共重合体(B−2)は、エチレンと不飽和グリシジルエーテルと、必要に応じて、少なくとも1種の付加重合性モノマーとの共重合体であってもよい。該付加重合性モノマーとしては、エチレン系不飽和エステル化合物、スチレン系化合物、ビニルアセテートなどがあげられる。エチレン系不飽和エステル化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどがあげられ、好ましくはメチルアクリレートである。スチレン系化合物としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ジメチルスチレンなどがあげられ、好ましくはスチレンである。他のモノマーを共重合させて得られる共重合体(B−2)としては、エチレン−メチルアクリレート−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン−ビニルアセテート−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン−スチレン−アリルグリシジルエーテル共重合体などがあげられ、好ましくはエチレン−メチルアクリレート−アリルグリシジルエーテル共重合体である。
共重合体(B−2)に含有されるエチレンに由来する構造単位の含有量は、99.9〜49.9重量%であり、不飽和グリシジルエーテルに由来する構造単位の含有量が0.1〜50.1重量%である。好ましくは、エチレンに由来する構造単位の含有量は、80〜99.5重量%であり、不飽和グリシジルエーテルに由来する構造単位の含有量が0.5〜20重量%である。共重合体(B−2)が、エチレンと、不飽和グリシジルエーテルと、エチレン系不飽和エステル化合物またはビニルアセテートとの共重合体である場合、エチレンに由来する構造単位の含有量が94.9〜49.9重量%であり、不飽和グリシジルエーテルに由来する構造単位の含有量が0.1〜30重量%であり、エチレン系不飽和エステル化合物またはビニルアセテートに由来する構造単位の含有量が5〜50重量%である。好ましくは、エチレンに由来する構造単位の含有量が94.0〜59.5重量%であり、不飽和グリシジルエーテルに由来する構造単位の含有量が0.5〜20重量%であり、エチレン系不飽和エステル化合物またはビニルアセテートに由来する構造単位の含有量が5.5〜40重量%である。
共重合体(B−2)の製造方法としては、エチレンと不飽和グリシジルエーテルと必要に応じて加える付加重合性モノマーとを共重合する方法があげられる。
共重合体(B−3)に用いられる不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび不飽和グリシジルエーテルとしては、上述の不飽和カルボン酸グリシジルエステルと、上述の不飽和グリシジルエーテルとの組み合わせがあげられ、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートおよびアリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートおよび2−メチルアリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートおよびスチレン−p−グリシジルエーテル、3,4−グリシジルシクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレートおよびアリルグリシジルエーテル、3,4−グリシジルシクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレートおよび2−メチルアリルグリシジルエーテル、3,4−グリシジルシクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレートおよびスチレン−p−グリシジルエーテルなどがあげられる。
共重合体(B−3)としては、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−2−メチルアリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−スチレン−p−グリシジルエーテル共重合体、エチレン−3,4−グリシジルシクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン−3,4−グリシジルシクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート−2−メチルアリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン−3,4−グリシジルシクロヘキセニルメチル(メタ)アクリレート−スチレン−p−グリシジルエーテル共重合体などがあげられ、好ましくは、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−アリルグリシジルエーテル共重合体である。
共重合体(B−3)は、エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルと不飽和グリシジルエーテルと、必要に応じて、少なくとも1種の付加重合性モノマーとの共重合体であってもよい。該付加重合性モノマーとしては、エチレン系不飽和エステル化合物、スチレン系化合物、ビニルアセテートなどがあげられる。エチレン系不飽和エステル化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどがあげられ、好ましくはメチルアクリレートである。スチレン系化合物としては、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ジメチルスチレンなどがあげられ、好ましくはスチレンである。他のモノマーを共重合させて得られる共重合体(B−3)としては、エチレン−メチルアクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート−−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン−ビニルアセテート−グリシジル(メタ)アクリレート−アリルグリシジルエーテル共重合体、エチレン−スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート−アリルグリシジルエーテル共重合体などがあげられ、好ましくは、エチレン−メチルアクリレート−グリシジル(メタ)アクリレート−アリルグリシジルエーテル共重合体である。
共重合体(B−3)に含有されるエチレンに由来する構造単位の含有量は、99.9〜49.9重量%であり、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび不飽和グリシジルエーテルに由来する構造単位の含有量が0.1〜50.1重量%である。好ましくは、エチレンに由来する構造単位の含有量は、99.5〜80重量%であり、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび不飽和グリシジルエーテルに由来する構造単位の含有量が0.5〜20重量%である。共重合体(B−3)が、エチレンと、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび不飽和グリシジルエーテルと、エチレン系不飽和エステル化合物またはビニルアセテートとの共重合体である場合、エチレンに由来する構造単位の含有量が94.9〜49.9重量%であり、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび不飽和グリシジルエーテルに由来する構造単位の含有量が0.1〜30重量%であり、エチレン系不飽和エステル化合物またはビニルアセテートに由来する構造単位の含有量が5〜50重量%である。好ましくは、エチレンに由来する構造単位の含有量が94〜59.5重量%であり、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび不飽和グリシジルエーテルに由来する構造単位の含有量が0.5〜20重量%であり、エチレン系不飽和エステル化合物またはビニルアセテートに由来する構造単位の含有量が5.5〜40重量%である。
共重合体(B−3)の製造方法としては、エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルと不飽和グリシジルエーテルと必要に応じて加える付加重合性モノマーとを共重合する方法があげられる。
共重合体(B−4)はエチレン−ビニルアセテート共重合体である。共重合体(B−4)は、エチレンとビニルアセテートと、必要に応じて、少なくとも1種の付加重合性モノマーとの共重合体であってもよい。該付加重合性モノマーとしては、エチレン系不飽和エステル化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、スチレン系化合物などがあげられる。エチレン系不飽和エステル化合物としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどがあげられ、好ましくは2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートである。不飽和ジカルボン酸化合物としては、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸などがあげられ、好ましくは無水マレイン酸である。スチレン系化合物としてはスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、ジメチルスチレンなどがあげられ、好ましくはスチレンである。他のモノマーを共重合させて得られる共重合体(B−4)としては、エチレン−ビニルアセテート−(無水)マレイン酸共重合体、エチレン−ビニルアセテート−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレン−ビニルアセテート−ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−ビニルアセテート−スチレン共重合体などがあげられ、好ましくはエチレン−ビニルアセテート−(無水)マレイン酸共重合体である。
共重合体(B−4)に含有されるエチレンに由来する構造単位の含有量は、99.9〜49.9重量%であり、ビニルアセテートに由来する構造単位の含有量が0.1〜50.1重量%である。好ましくは、エチレンに由来する構造単位の含有量は、99〜55重量%であり、ビニルアセテートに由来する構造単位の含有量が1〜45重量%である。
共重合体(B−4)の製造方法としては、エチレンとビニルアセテートと必要に応じて加える付加重合性モノマーとを共重合する方法があげられる。
共重合体(B−5)は前記共重合体(B−4)をケン化した共重合体である。該共重合体(B−5)としては、エチレン−ビニルアセテート共重合体のケン化物、エチレン−ビニルアセテート−(無水)マレイン酸共重合体のケン化物、エチレン−ビニルアセテート−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのケン化物、エチレン−ビニルアセテート−ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート共重合体のケン化物などがあげられ、好ましくは、エチレン−ビニルアセテートのケン化物である。
前記ケン化物のケン化度としては、100モル%〜20モル%が好ましい。ここで言うケン化度とはエチレン−ビニルアセテート共重合体中に含まれるアセチル基が水酸基に変化した比率を表している。すなわちケン化度とは以下の式で表される。
ケン化度(モル%)=(水酸基の数)÷(水酸基+アセチル基の数)×100
共重合体(B−5)の製造方法としては、エチレンとビニルアセテートと必要に応じて加える付加重合性モノマーとを共重合させて得られた共重合体をケン化する方法があげられる。
本発明の樹脂組成物に含有される共重合体(A)の含有量は20〜80重量%、共重合体(B)の含有量は80〜20重量%である(ただし、共重合体(A)と共重合体(B)との合計量を100重量%とする。)。好ましくは共重合体(A)の含有量は40〜80重量%、共重合体(B)の含有量は60〜20重量%である。共重合体(A)が多すぎると、極性樹脂との親和性が低下し、接着力の低下や剥離が生じることがあり、また共重合体(A)が少なすぎると非極性樹脂との親和性が低下することがある。
樹脂組成物の極性粘度[η]は、高い剥離強度を得るために、通常0.1〜5dl/gであり、好ましくは0.3〜2dl/gである。該極限粘度は、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を0.5g/Lの濃度で溶解したテトラリン溶液(以下、ブランク溶液と称する。)と、樹脂を濃度が1mg/mlとなるようにブランク溶液に溶解した溶液(以下、サンプル溶液と称する。)とを調整し、ウベローデ型粘度計により、ブランク溶液とサンプル溶液の135℃での降下時間を測定し、該降下時間から135℃での相対粘度(ηrel)を求めた後、下記式から算出される。
[η]=23.3×log(ηrel)
樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)は、剥離強度を高く維持する観点から、通常10,000〜1,000,000であり、好ましくは20,000〜500,000である。該重量平均分子量は、上述のゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法によって測定される。
樹脂組成物の数平均分子量(Mn)は、剥離強度を高く維持する観点から、通常5,000〜100,000であり、好ましくは8,000〜50,000である。該数平均分子量は、上述のゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法によって測定される。
樹脂組成物の分子量分布(Mw/Mn)は、剥離強度を高く維持する観点から、通常1.5〜5であり、好ましくは1.5〜4である。該分子量分布は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、MwをMnで除した値(Mw/Mn)として求められる。
樹脂組成物のガラス転移温度(Tg)は、柔軟性の観点から、通常−80〜30℃であり、好ましくは−70〜0℃である。該ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される。DSCの測定条件としては、例えば、次の条件をあげることができる。
機種 セイコー電子工業社製 SSC−5200
昇温 20℃〜200℃(10℃/分)10分間保持
冷却 200℃〜−90℃(10℃/分)10分間保持
測定 −90℃〜200℃(10℃/分)
樹脂組成物の融点(Tm)は、接着の観点から、通常20〜100℃であり、好ましくは30〜90℃である。該融点は、上述の示差走査熱量測定(DSC)によって測定される。
樹脂組成物には、必要に応じて、充填剤、着色剤、各種安定剤、導電剤などの添加剤や、他の樹脂を配合してもよい。
樹脂組成物の製造方法としては、共重合体(A)と共重合体(B)とを、加熱溶融した状態で混合する溶融混練法、共重合体(A)と共重合体(B)とが溶解する共通の溶媒に溶解させて、混合した後に、溶媒を除去する溶液混合法などがあげられる。
溶融混練法としては、押出機や射出成形機を用い、溶融混練する方法があげられる。好ましくは、共重合体の相溶性を高めるために、共重合体(A)と共重合体(B)とを、あらかじめ混合し、これをストランド状に押し出し、ペレット化して用いる方法である。混合する方法は、所定量の共重合体(A)と共重合体(B)とを、Vブレンダー、リボンブレンダー、スーパーミキサー等の混合装置を用いて混合し、次に得られた混合物を、通常の混練機、例えば、一軸又は多軸混練押出機、ロール、バンバリーミキサーを用いて溶融混練し、ストランド状に押し出し、カッティングする方法、または、溶融混練物を冷却し粉砕する方法があげられる。
溶融混練時の樹脂の温度は100〜280℃、好ましくは140〜260℃であり、混練機のスクリュー回転数は通常、60〜350rpm程度である。
溶液混合法としては、あらかじめ共重合体(A)と共重合体(B)とを混合し、共重合体(A)と共重合体(B)とに共通の良溶媒に完全に溶解せしめた後、共重合体(A)と共重合体(B)とを溶解しない貧溶媒中に滴下し、本発明の樹脂組成物を析出させ、溶媒を除去する方法があげられる。また共重合体(A)と共重合体(B)とを、各々良溶媒に溶解させ、溶液を混合し、貧溶媒中に滴下し、本発明の樹脂組成物を析出させ、溶媒を除去する方法があげられる。また、溶媒除去の方法としては、析出物をろ過する方法や、溶媒を蒸発させる方法があげられる。
各溶液中の共重合体(A)と共重合体(B)との合計量の濃度は0.1〜50重量%、生産性を高める観点や、各溶液を均一に混合するという観点から、好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%である。
本発明の接着層は、本発明の樹脂組成物を含有する接着層である。接着層の厚みは通常5〜100μmであり、好ましくは10〜80μmである。
本発明の積層体は、本発明の接着層の両面に、2つの基材層が隣接してなる積層体である。基材層としては、ポリプロピレンからなる基材層、ポリビニルアルコールからなる基材層、ポリエステルからなる基材層などがあげられ、2つの基材は同じでも、異なっていてもよい。該基材層の厚みとしては、通常5〜1000μmであり、好ましくは20〜800μmである。
本発明の接着層、または、積層体の製造方法としては、公知の成形方法があげられる。公知の成形方法としては、押出成形法、共押出成形法、カレンダー成形法などがあげられる。また、予め製造した接着層を2つの基材層で挟み、熱プレスする方法があげられる。積層体全体の厚みとしては、通常15〜3000μmであり、好ましくは30〜2000μmである。
以下実施例により、本発明を説明するが、これらは単なる例示であり、本発明を逸脱しない限りこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例での物性は、下記の方法によって測定した。
(1)極限粘度([η]、単位:dl/g)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を0.5g/Lの濃度で溶解したテトラリン溶液(以下、ブランク溶液と称する。)と、樹脂を濃度が1mg/mlとなるようにブランク溶液に溶解した溶液(以下、サンプル溶液と称する。)とを調整し、ウベローデ型粘度計により、135℃で測定した。
(2)分子量(Mw、Mn)および分子量分布(Mw/Mn)
共重合体組成物の分子量は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)を用い、ポリスチレン(分子量688〜400,000)標準物質で校正した上で、下記条件にて、重量平均分子量(以下、Mwという)と数平均分子量(以下、Mnという)とを求めた。なお、分子量分布はMwとMnとの比(Mw/Mn)で評価した。
機種 Waters製 150−C
カラム shodex packed column A−80M
測定温度 140℃
測定溶媒 オルトジクロロベンゼン
測定濃度 1mg/ml
(3)ガラス転移点(Tg、単位:℃)および融点(Tm、単位:℃)
示差走査熱量測定(DSC)を用いて、以下の条件で測定し、測定時に得られる曲線の変曲点より求めた。また融点(Tm)は測定時に得られる曲線の最大吸熱ピークの頂点を示す温度とした。
機種 セイコー電子工業社製 SSC−5200
昇温 20℃〜200℃(10℃/分)10分間保持
冷却 200℃〜−90℃(10℃/分)10分間保持
測定 −90℃〜200℃(10℃/分)
(4)ビニルシクロヘキサン単位共重合組成(VCH単位含有量、単位:mol%)
重合体中のビニルシクロヘキサン単位共重合組成を、以下の条件で13C−NMR解析により求めた。
機種 13C−NMR装置 BRUKER社製 DRX600
測定溶媒 オルトジクロロベンゼンとオルトジクロロベンゼン−d4との4:1(容積比)混合液
測定温度 135℃
<算出式>
38〜50ppmの積分値をA、20〜38ppmの積分値をBとし、38〜50ppmの積分値Aを1とした場合の積分値Bを下式に代入してVCH単位含有量を算出した。
VCH単位含有量(mol%)={1/(B−2)}×100
(5)剥離強度(単位:N/10mm)
剥離試験はJIS K6854に準じて実施した。温度23℃、湿度50%で24時間状態調整を行った積層体から、10mm巾×100mm長さの試験片を切り出し、温度23℃、湿度50%の雰囲気で、剥離速度50mm/秒、剥離角度180°の条件で、長手方向に剥離を行った。同一樹脂に関して同様の試験を5回繰り返し、最大荷重値の平均をとり、剥離強度とした。
実施例および比較例で用いた共重合体(A)、共重合体(B)、および、基材を以下に示す。
(I)共重合体A
(A−1):エチレン−ビニルシクロへキサン共重合体
(1)製造方法
アルゴンで置換した400mlのオートクレーブ中にビニルシクロヘキサンの量を22ml、脱水トルエンの量を174mlを投入した。50℃に昇温後、エチレンを0.8MPa仕込んだ。メチルアルモキサンのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製MMAO、Al原子換算濃度6wt%]2.4mlを仕込み、つづいてイソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド0.9mg脱水トルエン1.7mlに溶解したもの(実際にはけん濁状態であった)を仕込んだ。反応液を1時間攪拌した後、反応液をメタノール500ml中に投じ、沈殿した白色固体をロ取した。該固体をメタノールで洗浄後、減圧乾燥した結果、エチレン−ビニルシクロへキサン共重合体(以下、A−1と称する。)29.5gを得た。
(2)構造
A−1に含有されるビニルシクロヘキサンに由来する構造単位の含有量は16mol%であった。
(3)エチレン−ビニルシクロへキサン共重合体溶解キシレン溶液の製造
A−1 4.5gをキシレン145.5gに室温で溶解した溶液を調整した。本溶液をA−1Sと称する。
(II)共重合体B
(B−1):エチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体
ボンドファースト7M(住友化学(株)製;以下、B−1と称する。エチレンに由来する構造単位の含有量=64重量、メチルアクリレートに由来する構造単位の含有量=30重量%、グリシジルメタクリレートに由来する構造単位の含有量=6重量%)を用いた。
(1)エチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体溶解キシレン溶液の製造
B−1 4.5gをキシレン145.5gに添加し70℃に加熱し、溶液を得た。本溶液をB−1Sと称する。
(B−2)ケン化エチレン−ビニルアセテート共重合体
テクノリンクR400(田岡化学工業(株)製;以下、B−2と称する。エチレンに由来する構造単位の含有量=59重量%、ビニルアセテートに由来する構造単位の含有量=18重量%、ビニルアルコールに由来する構造単位の含有量=23重量%)を用いた。
(1)ケン化エチレン−ビニルアセテート共重合体溶解キシレン溶液の製造
B−2 4.5gをキシレン145.5g中に添加し97℃に加熱し、溶液を得た。本溶液をB−2Sと称する。
(III)基材層
(F−1):ポリプロピレンフィルム
ポリプロピレン(住友化学社製、ノーブレンAY564)をTダイ成形機(東洋精機(株)社製 Tダイス付ラボプラストミルφ20mm押出機)により、厚み100μmのフィルムに成形し、該シートの片面にアルミ箔をラミネートしたポリプロピレンフィルム(以下、F−1と称する。)を得た。ただしF−1を積層体の基材層として用いる場合にはポリプロピレン側に接着層が接するよう積層した。
(F−2):ポリビニルアルコール系フィルム
ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂を含有する単層フィルムとトリアセチルセルロースフィルムとが積層されたポリビニルアルコール系フィルム(厚み110μm;以下、F−2と称する。)を得た。ただしF−2を積層体の基材層として用いる場合にはPVA側に接着層が接するよう積層した。
(F−3):ポリエステルフィルム
基材層として二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ社製、ルミラーT60、厚み50μm;以下、F−3と称する。)を用いた。
実施例1
(1)樹脂組成物の製造方法
A−1S 50gとB−1S 50gとを混合し、70℃で攪拌した。次いで、該混合溶液を室温でメタノール1000g中に攪拌しながら滴下し、沈殿した白色の析出物をろ過した後、減圧乾燥し、樹脂組成物(以下、C−1と称する。)を得た。C−1の物性を表1に示す。
(2)接着層の製造方法
C−1 0.5gを、120℃に設定した熱プレスで厚み100μmの金枠内にてプレスし、70mm四方の接着層を得た。
(3)積層体の製造方法
上記接着層を、F−1とF−2との間、あるいはF−1とF−3との間に挟み、下部基材層と上部基材層との間に接着層が配置されていない部分を設けた。厚み50μm、100mm四方の型枠を用いて、120℃に設定したプレス機で圧着し、積層体を得た。圧着の条件は以下の通りとした。
予備加熱3分 圧力5MPa
加圧加熱5分 圧力10MPa
冷プレス2分 圧力5MPa
(4)剥離強度評価
積層体を温度23℃、湿度50%の条件下で、24時間、状態調整を行い、その後、剥離強度を測定した。試験後の基材層を目視にて観察し、接着層と基材層との界面で剥離した場合は剥離した基材層の名称を記載し、接着層自体が破壊された場合は材料破壊とした。剥離強度評価結果を表1に示す。
実施例2
A−1S 75gとB−1S 25gとを混合したものとした以外は実施例1の方法と同様に行い、樹脂組成物(以下、C−2と称する。)を得て、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表1に示す。
実施例3
A−1S 25gとB−1S 75gとを混合したものとした以外は実施例1の方法と同様に行い、樹脂組成物(以下、C−3と称する。)を得て、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4
A−1Sの50gとB−2Sの50gを混合し、97℃で攪拌した。次いで該混合溶液を1000gのメタノール中に攪拌しながら滴下し、沈殿した白色の析出物をろ過した後、減圧乾燥し、樹脂組成物(以下、C−4と称する。)を得て、実施例1と同様に、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表1に示す。
実施例5
A−1S 25gとB−2S 75gとを混合したものとした以外は実施例4の方法と同様に行い、樹脂組成物(以下、C−5と称する。)を得て、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表2に示す。
比較例1
A−1S 50gを室温でメタノール1000g中に攪拌しながら滴下し、沈殿した白色の析出物をろ過した後、減圧乾燥し、樹脂組成物(以下、D−1と称する。)を得て、実施例1と同様に、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表2に示す。
比較例2
B−1S 50gのみとした以外は比較例1の方法と同様に行い、樹脂組成物(以下、D−2と称する。)を得て、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表2に示す。
比較例3
B−2S 50gのみとした以外は比較例1の方法と同様に行い、樹脂組成物(以下、D−3と称する。)を得て、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2008266536
Figure 2008266536

Claims (5)

  1. 下記共重合体(A)20〜80重量%と下記共重合体(B)80〜20重量%とを含有する樹脂組成物であって(ただし、共重合体(A)と共重合体(B)との合計量を100重量%とする。)、
    共重合体(A)が、炭素数2〜12のα−オレフィンと、下記一般式(I)で表されるビニル化合物とを共重合させて得られる共重合体であり、
    CH2=CH−(CH2n−R1 (I)
    (nは0以上の整数であり、R1は炭素数3以上の脂環式炭化水素基を示す)
    共重合体(B)が、
    エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルとを共重合させて得られる共重合体(B−1)と、
    エチレンと不飽和グリシジルエーテルとを共重合させて得られる共重合体(B−2)と、
    エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルと不飽和グリシジルエーテルとを共重合させて得られる共重合体(B−3)と、
    エチレンとビニルアセテートとを共重合させて得られる共重合体(B−4)と、
    エチレンとビニルアセテートとを共重合させて得られる共重合体のケン化物(B−5)とからなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体であり、
    共重合体(B)のエチレンに由来する構造単位の含有量が99.9〜49.9重量%であり、他の単量体に由来する構造単位の含有量が0.1〜50.1重量%である、樹脂組成物。
  2. 一般式(I)で示されるビニル化合物が、ビニルシクロヘキサンである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 共重合体(B)が、全量を100重量%として(a)エチレン94.9〜49.9重量%と、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステルまたは不飽和グリシジルエーテル0.1〜30重量%と、(c)エチレン系不飽和エステル化合物または(d)ビニルアセテート5〜50重量%とを共重合させて得られるグリシジル基含有エチレン共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物を含有する接着層。
  5. 請求項4に記載の接着層の両面に、2つの基材層が隣接してなる積層体。
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