JP2008266536A - 樹脂組成物、接着層および積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記共重合体(A)20〜80重量%と下記共重合体(B)80〜20重量%とを含有する樹脂組成物であって、共重合体(A)が、α−オレフィンと、下記一般式(I)で表されるビニル化合物とを共重合させて得られる共重合体であり、
CH2=CH−(CH2)n−R1 (I)
(nは0以上の整数であり、R1は炭素数3以上の脂環式炭化水素基を示す)
共重合体(B)が、エチレンと、不飽和カルボン酸グリシジルエステル、不飽和グリシジルエーテル、および、ビニルアセテートからなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とを共重合して得られる共重合体またはそのケン化物である、樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
共重合体(A)が、炭素数2〜12のα−オレフィンと、下記一般式(I)で表されるビニル化合物とを共重合させて得られる共重合体であり、
CH2=CH−(CH2)n−R1 (I)
(nは0以上の整数であり、R1は炭素数3以上の脂環式炭化水素基を示す)
共重合体(B)が、
エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルとを共重合させて得られる共重合体(B−1)と、
エチレンと不飽和グリシジルエーテルとを共重合させて得られる共重合体(B−2)と、
エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルと不飽和グリシジルエーテルとを共重合させて得られる共重合体(B−3)と、
エチレンとビニルアセテートとを共重合させて得られる共重合体(B−4)と、
エチレンとビニルアセテートとを共重合させて得られる共重合体のケン化物(B−5)とからなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体であり、
共重合体(B)のエチレンに由来する構造単位の含有量が99.9〜49.9重量%であり、他の単量体に由来する構造単位の含有量が0.1〜50.1重量%である、樹脂組成物に係るものである。
CH2=CH−(CH2)n−R1 (I)
(nは0以上の整数であり、R1は炭素数3以上の脂環式炭化水素基を示す)
ケン化度(モル%)=(水酸基の数)÷(水酸基+アセチル基の数)×100
[η]=23.3×log(ηrel)
機種 セイコー電子工業社製 SSC−5200
昇温 20℃〜200℃(10℃/分)10分間保持
冷却 200℃〜−90℃(10℃/分)10分間保持
測定 −90℃〜200℃(10℃/分)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)を0.5g/Lの濃度で溶解したテトラリン溶液(以下、ブランク溶液と称する。)と、樹脂を濃度が1mg/mlとなるようにブランク溶液に溶解した溶液(以下、サンプル溶液と称する。)とを調整し、ウベローデ型粘度計により、135℃で測定した。
共重合体組成物の分子量は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)を用い、ポリスチレン(分子量688〜400,000)標準物質で校正した上で、下記条件にて、重量平均分子量(以下、Mwという)と数平均分子量(以下、Mnという)とを求めた。なお、分子量分布はMwとMnとの比(Mw/Mn)で評価した。
機種 Waters製 150−C
カラム shodex packed column A−80M
測定温度 140℃
測定溶媒 オルトジクロロベンゼン
測定濃度 1mg/ml
示差走査熱量測定(DSC)を用いて、以下の条件で測定し、測定時に得られる曲線の変曲点より求めた。また融点(Tm)は測定時に得られる曲線の最大吸熱ピークの頂点を示す温度とした。
機種 セイコー電子工業社製 SSC−5200
昇温 20℃〜200℃(10℃/分)10分間保持
冷却 200℃〜−90℃(10℃/分)10分間保持
測定 −90℃〜200℃(10℃/分)
重合体中のビニルシクロヘキサン単位共重合組成を、以下の条件で13C−NMR解析により求めた。
機種 13C−NMR装置 BRUKER社製 DRX600
測定溶媒 オルトジクロロベンゼンとオルトジクロロベンゼン−d4との4:1(容積比)混合液
測定温度 135℃
<算出式>
38〜50ppmの積分値をA、20〜38ppmの積分値をBとし、38〜50ppmの積分値Aを1とした場合の積分値Bを下式に代入してVCH単位含有量を算出した。
VCH単位含有量(mol%)={1/(B−2)}×100
剥離試験はJIS K6854に準じて実施した。温度23℃、湿度50%で24時間状態調整を行った積層体から、10mm巾×100mm長さの試験片を切り出し、温度23℃、湿度50%の雰囲気で、剥離速度50mm/秒、剥離角度180°の条件で、長手方向に剥離を行った。同一樹脂に関して同様の試験を5回繰り返し、最大荷重値の平均をとり、剥離強度とした。
(I)共重合体A
(A−1):エチレン−ビニルシクロへキサン共重合体
(1)製造方法
アルゴンで置換した400mlのオートクレーブ中にビニルシクロヘキサンの量を22ml、脱水トルエンの量を174mlを投入した。50℃に昇温後、エチレンを0.8MPa仕込んだ。メチルアルモキサンのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製MMAO、Al原子換算濃度6wt%]2.4mlを仕込み、つづいてイソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド0.9mg脱水トルエン1.7mlに溶解したもの(実際にはけん濁状態であった)を仕込んだ。反応液を1時間攪拌した後、反応液をメタノール500ml中に投じ、沈殿した白色固体をロ取した。該固体をメタノールで洗浄後、減圧乾燥した結果、エチレン−ビニルシクロへキサン共重合体(以下、A−1と称する。)29.5gを得た。
(2)構造
A−1に含有されるビニルシクロヘキサンに由来する構造単位の含有量は16mol%であった。
(3)エチレン−ビニルシクロへキサン共重合体溶解キシレン溶液の製造
A−1 4.5gをキシレン145.5gに室温で溶解した溶液を調整した。本溶液をA−1Sと称する。
(B−1):エチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体
ボンドファースト7M(住友化学(株)製;以下、B−1と称する。エチレンに由来する構造単位の含有量=64重量、メチルアクリレートに由来する構造単位の含有量=30重量%、グリシジルメタクリレートに由来する構造単位の含有量=6重量%)を用いた。
(1)エチレン−メチルアクリレート−グリシジルメタクリレート共重合体溶解キシレン溶液の製造
B−1 4.5gをキシレン145.5gに添加し70℃に加熱し、溶液を得た。本溶液をB−1Sと称する。
テクノリンクR400(田岡化学工業(株)製;以下、B−2と称する。エチレンに由来する構造単位の含有量=59重量%、ビニルアセテートに由来する構造単位の含有量=18重量%、ビニルアルコールに由来する構造単位の含有量=23重量%)を用いた。
(1)ケン化エチレン−ビニルアセテート共重合体溶解キシレン溶液の製造
B−2 4.5gをキシレン145.5g中に添加し97℃に加熱し、溶液を得た。本溶液をB−2Sと称する。
(F−1):ポリプロピレンフィルム
ポリプロピレン(住友化学社製、ノーブレンAY564)をTダイ成形機(東洋精機(株)社製 Tダイス付ラボプラストミルφ20mm押出機)により、厚み100μmのフィルムに成形し、該シートの片面にアルミ箔をラミネートしたポリプロピレンフィルム(以下、F−1と称する。)を得た。ただしF−1を積層体の基材層として用いる場合にはポリプロピレン側に接着層が接するよう積層した。
ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂を含有する単層フィルムとトリアセチルセルロースフィルムとが積層されたポリビニルアルコール系フィルム(厚み110μm;以下、F−2と称する。)を得た。ただしF−2を積層体の基材層として用いる場合にはPVA側に接着層が接するよう積層した。
基材層として二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ社製、ルミラーT60、厚み50μm;以下、F−3と称する。)を用いた。
(1)樹脂組成物の製造方法
A−1S 50gとB−1S 50gとを混合し、70℃で攪拌した。次いで、該混合溶液を室温でメタノール1000g中に攪拌しながら滴下し、沈殿した白色の析出物をろ過した後、減圧乾燥し、樹脂組成物(以下、C−1と称する。)を得た。C−1の物性を表1に示す。
C−1 0.5gを、120℃に設定した熱プレスで厚み100μmの金枠内にてプレスし、70mm四方の接着層を得た。
上記接着層を、F−1とF−2との間、あるいはF−1とF−3との間に挟み、下部基材層と上部基材層との間に接着層が配置されていない部分を設けた。厚み50μm、100mm四方の型枠を用いて、120℃に設定したプレス機で圧着し、積層体を得た。圧着の条件は以下の通りとした。
予備加熱3分 圧力5MPa
加圧加熱5分 圧力10MPa
冷プレス2分 圧力5MPa
積層体を温度23℃、湿度50%の条件下で、24時間、状態調整を行い、その後、剥離強度を測定した。試験後の基材層を目視にて観察し、接着層と基材層との界面で剥離した場合は剥離した基材層の名称を記載し、接着層自体が破壊された場合は材料破壊とした。剥離強度評価結果を表1に示す。
A−1S 75gとB−1S 25gとを混合したものとした以外は実施例1の方法と同様に行い、樹脂組成物(以下、C−2と称する。)を得て、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表1に示す。
A−1S 25gとB−1S 75gとを混合したものとした以外は実施例1の方法と同様に行い、樹脂組成物(以下、C−3と称する。)を得て、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表1に示す。
A−1Sの50gとB−2Sの50gを混合し、97℃で攪拌した。次いで該混合溶液を1000gのメタノール中に攪拌しながら滴下し、沈殿した白色の析出物をろ過した後、減圧乾燥し、樹脂組成物(以下、C−4と称する。)を得て、実施例1と同様に、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表1に示す。
A−1S 25gとB−2S 75gとを混合したものとした以外は実施例4の方法と同様に行い、樹脂組成物(以下、C−5と称する。)を得て、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表2に示す。
A−1S 50gを室温でメタノール1000g中に攪拌しながら滴下し、沈殿した白色の析出物をろ過した後、減圧乾燥し、樹脂組成物(以下、D−1と称する。)を得て、実施例1と同様に、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表2に示す。
B−1S 50gのみとした以外は比較例1の方法と同様に行い、樹脂組成物(以下、D−2と称する。)を得て、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表2に示す。
B−2S 50gのみとした以外は比較例1の方法と同様に行い、樹脂組成物(以下、D−3と称する。)を得て、積層体の製造、剥離強度評価を行った。結果を表2に示す。
Claims (5)
- 下記共重合体(A)20〜80重量%と下記共重合体(B)80〜20重量%とを含有する樹脂組成物であって(ただし、共重合体(A)と共重合体(B)との合計量を100重量%とする。)、
共重合体(A)が、炭素数2〜12のα−オレフィンと、下記一般式(I)で表されるビニル化合物とを共重合させて得られる共重合体であり、
CH2=CH−(CH2)n−R1 (I)
(nは0以上の整数であり、R1は炭素数3以上の脂環式炭化水素基を示す)
共重合体(B)が、
エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルとを共重合させて得られる共重合体(B−1)と、
エチレンと不飽和グリシジルエーテルとを共重合させて得られる共重合体(B−2)と、
エチレンと不飽和カルボン酸グリシジルエステルと不飽和グリシジルエーテルとを共重合させて得られる共重合体(B−3)と、
エチレンとビニルアセテートとを共重合させて得られる共重合体(B−4)と、
エチレンとビニルアセテートとを共重合させて得られる共重合体のケン化物(B−5)とからなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体であり、
共重合体(B)のエチレンに由来する構造単位の含有量が99.9〜49.9重量%であり、他の単量体に由来する構造単位の含有量が0.1〜50.1重量%である、樹脂組成物。 - 一般式(I)で示されるビニル化合物が、ビニルシクロヘキサンである請求項1に記載の樹脂組成物。
- 共重合体(B)が、全量を100重量%として(a)エチレン94.9〜49.9重量%と、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステルまたは不飽和グリシジルエーテル0.1〜30重量%と、(c)エチレン系不飽和エステル化合物または(d)ビニルアセテート5〜50重量%とを共重合させて得られるグリシジル基含有エチレン共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物を含有する接着層。
- 請求項4に記載の接着層の両面に、2つの基材層が隣接してなる積層体。
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