JP2003082027A - 共重合体およびその用途 - Google Patents
共重合体およびその用途Info
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Abstract
を含有しない構成をとり得る共重合体であって、透明性
に優れ、また粘弾特性と耐熱性とのバランスに優れた共
重合体を提供すること。上記共重合体を有効成分として
含み、オレフィン系樹脂(中でもポリプロピレン)に対
する接着性に優れる接着剤を提供すること。層間の接着
性に優れた積層体を提供すること。 【解決手段】 直鎖状α−オレフィンと下記ビニル化合
物(I)との共重合体、該共重合体を有効成分とする接
着剤、および該接着剤からなる層が被着体に積層してな
る積層体。 ビニル化合物(I):飽和炭化水素基Rを含む構造式C
H2=CH−Rで表され、置換基Rの立体パラメータE
sが−1.64以下であり、かつ置換基Rの立体パラメ
ータB1が1.53以上であるビニル化合物。
Description
ンと特定のビニル化合物との共重合体およびその用途に
関する。さらに詳しくは、本発明はポリ塩化ビニルに似
たフィルム、シートまたはパイプの製造に適した直鎖状
α−オレフィンと特定のビニル化合物との共重合体、オ
レフィン系樹脂用の接着剤および層間の接着性に優れた
積層体に関する。
ルム、パイプとして用いられる共重合体には、ポリ塩化
ビニルにみられるような粘弾特性(弾性回復性や遅延回
復性)と耐熱性とのバランスおよび透明性が要求され
る。しかし、ポリ塩化ビニルは、燃焼時に有害物質が発
生する可能性がある等環境汚染に関して問題視されてい
る。現在、エチレン共重合体等のポリマーによるポリ塩
化ビニルの代替が検討されているが、十分満足のいくも
のが得られていないのが実状である。
のオレフィン系樹脂に対する接着性に優れる接着剤は、
家電製品のハウジング、自動車の外装用品等に幅広く使
用されているが、最近、ポリプロピレンに対して、さら
に接着性を向上せしめた接着剤が求められるようになっ
てきた。
汚染の観点で問題視されているハロゲンを含有しない構
成をとり得る共重合体であって、透明性に優れ、また粘
弾特性と耐熱性とのバランスに優れた共重合体を提供す
ることにある。また、本発明の他の目的は、上記共重合
体を有効成分として含み、オレフィン系樹脂(中でもポ
リプロピレン)に対する接着性に優れる接着剤を提供す
ることにあり、そして、層間の接着性に優れた積層体を
提供することにある。
レフィンと下記ビニル化合物(I)との共重合体、該共
重合体を有効成分とする接着剤、および該接着剤からな
る層が被着体に積層してなる積層体にかかるものであ
る。 ビニル化合物(I):飽和炭化水素基Rを含む構造式C
H2=CH−Rで表され、置換基Rの立体パラメータE
sが−1.64以下であり、かつ置換基Rの立体パラメ
ータB1が1.53以上であるビニル化合物。
ィンとしては、炭素原子数3〜20の直鎖状α−オレフ
ィンが好ましい。かかる直鎖状α−オレフィンの具体例
としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネ
ン、1−デセン等が挙げられ、より好ましくはプロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンであ
り、特に好ましくはプロピレンである。
定の範囲の立体パラメータEs及びB1の炭化水素基R
を有するCH2=CH−Rで表されるビニル化合物であ
る。ここでいう立体パラメータEs及びB1は、置換基
の立体的嵩高さを表すパラメータ(Esは三次元的な広
がりを、B1は二次元的な広がりを表す)であり、文献
(C.Hansch and A.Leo:“Expl
oring QSAR Fundamentals a
nd Applications in Chemis
try and Biology”Chapter3
(ACS Professional Referen
ce Book,Wasington,DC(199
5))に記載されている方法で求める。Esの値が小さ
いほど三次元的な広がりが大きく、B1の値が大きいほ
ど二次元的な広がりが大きいことを表す。
ータEsは−1.64以下であり、好ましくは−3.1
0〜−1.70、より好ましくは−2.80〜−1.7
0であり、特に好ましくは−2.35〜−1.75であ
る。最も好ましいEsは、−2.10〜−1.75であ
る。また置換基Rの立体パラメータB1は1.53以上
であり、好ましくは1.53〜2.90であり、より好
ましくは1.70〜2.70である。特に好ましいEs
は1.91〜2.60である。該立体パラメータEsが
大きすぎると、また、該立体パラメータB1が小さすぎ
ると、得られる共重合体は弾性回復性や遅延回復性に劣
り好ましくない。
(I)の3位の炭素原子は、3級または4級であること
が好ましい。ビニル化合物(I)の3位の炭素原子が、
3級または4級であると、得られる共重合体は弾性回復
性や遅延回復性に優れる。
は、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、ビニ
ルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシク
ロヘプタン、ビニルシクロオクタン、ビニルノルボルナ
ン、ビニルアダマンタン、3−メチル−1−ブテン、3
−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、
3−メチル−1−ヘプテン、3−メチル−1−オクテ
ン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル
−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、
3,3−ジメチル−1−ヘプテン、3,3−ジメチル−
1−オクテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,
4−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−
ヘプテン、3,4−ジメチル−1−オクテン、3,5−
ジメチル−1−ヘキセン、3,5−ジメチル−1−ヘプ
テン、3,5−ジメチル−1−オクテン、3,6−ジメ
チル−1−ヘプテン、3,6−ジメチル−1−オクテ
ン、3,7−ジメチル−1−オクテン、3,3,4−ト
リメチル−1−ペンテン、3,3,4−トリメチル−1
−ヘキセン、3,3,4−トリメチル−1−ヘプテン、
3,3,4−トリメチル−1−オクテン、3,4,4−
トリメチル−1−ペンテン、3,4,4−トリメチル−
1−ヘキセン、3,4,4−トリメチル−1−ヘプテ
ン、3,4,4−トリメチル−1−オクテン等が挙げら
れる。より好ましいビニル化合物(I)は、ビニルシク
ロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプ
タン、ビニルシクロオクタン、ビニルノルボルナン、3
−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3
−メチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ブテ
ン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,4−ジメチ
ル−1−ペンテン、3,5−ジメチル−1−ヘキセン、
3,3,4−トリメチル−1−ペンテン、または3,
4,4−トリメチル−1−ペンテンであり、特に好まし
いビニル化合物(I)は、ビニルシクロペンタン、ビニ
ルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン、3−メチル−
1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメ
チル−1−ブテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、
または3,3,4−トリメチル−1−ペンテンである。
する。
ないいくつかのビニル化合物の立体パラメータを以下に
示す。これらの化合物のビニル基に結合した置換基は、
あまり嵩高くない。
3位の炭素原子以外に枝分かれ構造を有しないことが好
ましい。ここでいう枝分かれ構造とは、分子骨格が直鎖
状ではなく、3級ないし4級の炭素原子を介して分岐し
た骨格を有する構造のことを言う。かかるビニル化合物
(I)の具体例としては、ビニルシクロヘキサン、3−
メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3,
3−ジメチル−1−ブテンが挙げられる。
炭化水素基Rが環状構造を有するものも好ましい。かか
るビニル化合物(I)の具体例としては、ビニルシクロ
プロパン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタ
ン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビ
ニルシクロオクタン、ビニルノルボルナン、ビニルアダ
マンタン等が挙げられる。
ては、3位の炭素原子以外に枝分かれ構造を有さず、か
つ炭化水素基Rが環状構造を有するものがより好まし
い。本発明で使用するビニル化合物(I)として最も好
ましくは、ビニルシクロヘキサンである。
のビニル化合物(I)に由来する繰り返し単位(以下単
位と略称する。)の含有量は0.1〜99.9mol%
等の広い範囲をとり得る。かかるビニル化合物(I)単
位の含有量は、1 H−NMRスペクトルや13C−NMR
スペクトルを用いる定法により容易に求められる。
有量が低いと、透明性および粘弾特性に優れ、また柔軟
性に優れたフィルムまたはシート(中でもストレッチフ
ィルムまたはラップフィルム)として好適な軟質ポリ塩
化ビニルのような共重合体が得られる。その場合のビニ
ル化合物(I)の含有量は好ましくは10〜50mol
%であり、さらに好ましくは15〜45mol%であ
り、特に好ましくは20〜40mol%であり、最も好
ましくは25〜35mol%である。一方、ビニル化合
物(I)単位の含有量が高いと、耐熱性に優れたパイプ
等として好適な硬質ポリ塩化ビニルのような共重合体が
得られる。その場合、共重合体中のビニル化合物(I)
単位の含有量はより好ましくは40〜90mol%であ
り、さらに好ましくは50〜90mol%であり、特に
好ましくは60〜85mol%であり、最も好ましくは
65〜85mol%である。このようにビニル化合物
(I)単位の含有量がより高いと、制振性能にもより優
れる。
(I)の共重合組成としてより好ましくは1〜80mo
l%、さらに好ましくは2〜50mol%である。
(ポリマーの分子鎖中に分岐したポリマー鎖がある場合
はそれも含む。)中の直鎖状α−オレフィンとビニル化
合物(I)のシーケンスは、13C−NMRスペクトルに
より決定される。かかるポリマー骨格中には、1つのビ
ニル化合物(I)に由来する単位が2つの直鎖状α−オ
レフィンに由来する単位に挟まれた構造や、2つのビニ
ル化合物(I)に由来する単位が連結した構造や、2つ
の直鎖状α−オレフィンに由来する単位が連結した構造
が存在することがある。このように多種の結合を有する
共重合体は粘弾特性や柔軟性に優れ、好ましい。
観点から共重合体の末端を除くポリマーの全ての分子構
造(置換基Rも含む)中に2重結合を含まないことが好
ましい。ポリマーの分子構造中に二重結合を含む共重合
体は熱安定性にも劣って成形加工中のゲル化によるフィ
シュアイ発生などの問題が生じる場合もある。
といった観点から重量平均分子量(Mw)と数平均分子
量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)
が好ましくは1.5〜4.0であり、さらに好ましくは
1.5〜3.5であり、特に好ましくは1.5〜3.0
である。
ら、重量平均分子量(Mw)が好ましくは5,000〜
1,000,000であり、より好ましくは10,00
0から500,000、さらに好ましくは20,000
〜400,000であり、最も好ましくは50,000
〜400,000である。また、本発明の共重合体は接
着性能の観点から、重量平均分子量(Mw)が好ましく
は1,000〜1,000,000であり、さらに好ま
しくは5,000〜1,000,000であり、特に好
ましくは5,000〜200,000である。
ら極限粘度[η]の値が好ましくは0.1〜10dl/
g、0.15〜6.0dl/gであり、さらに好ましく
は0.3〜6.0dl/gであり、特に好ましくは0.
35〜5.0dl/gである。
的、効果を損なわない限り、直鎖状α−オレフィンとビ
ニル化合物(I)に加え、さらに1種またはそれ以上の
付加重合性モノマーとの共重合体であっても良い。
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、アクリ
ル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチ
ルメタクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル等が
挙げられ、それらの1種または2種以上が好ましく用い
られる。
プロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ドおよびメチルアルモキサンを接触させて得られる触媒
の存在下、直鎖状α−オレフィンとビニル化合物(I)
とを共重合することにより製造される。その際、直鎖状
α−オレフィンやビニル化合物(I)の投入量、重合温
度や重合時間などの重合条件を適宜変更することで、共
重合組成や分子量等の異なる共重合体を得ることができ
る。
種類や重合条件によっては、本発明の共重合体以外にビ
ニル化合物(I)の単独重合体が副生することがある。
そのような場合は、ソックスレー抽出器等を用いた溶媒
抽出を行うことにより、容易に本発明の共重合体を分取
することができる。かかる抽出に用いる溶媒はビニル化
合物(I)の種類に応じて適宜選ぶことができる。例え
ば、ポリビニルシクロヘキサン等ビニル化合物(I)の
単独重合体はトルエンを用いた抽出の不溶成分として除
去することができ、共重合体は該溶媒の可溶成分として
分取することができる。もちろん本発明の共重合体は、
用途により問題なければ、そのような副生物が存在した
まま使用してもよい。
熱性のバランスに優れる共重合体は、ポリ塩化ビニルか
ら得られるようなフィルム、シートまたはパイプとし
て、或いは容器等として使用され、またコンパクトディ
スク等の記憶媒体の基盤やレンズとして用いられる。
えば、円形ダイから溶融させた樹脂を押出し、筒状に膨
らませたフィルムを巻き取るインフレーション成形加工
や、直線状ダイから溶融させた樹脂を押出し、フィルム
またはシートを巻き取るTダイ成形加工やカレンダー成
形加工、ブロー成形加工、射出成形加工、異形押出し成
形加工などにより得ることができる。
性に優れる。かかる柔軟性や粘弾特性は引張り試験を行
い、ヒステリシスカーブを取得することにより調べるこ
とができる。
上の多層フィルム、シートまたはパイプといった形態で
使用することも可能である。その際フィルム、シートま
たはパイプは、共押出法、ドライラミネーション法、サ
ンドイッチラミネーション法、押出ラミネーション法等
公知の各種貼り合わせ方法等により製造できる。他の素
材としては、紙、板紙、アルミニウム薄膜、セロハン、
ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニル
アルコール共重合体(EVOH)、各種接着性樹脂等公
知の素材を用いることができる。
止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、
防曇剤、無滴剤、顔料、フィラー等公知の添加剤を含有
させることができる。また、ラジカル重合法低密度ポリ
エチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、エチレン−直鎖状α−オレフィン共重合エラストマ
ー、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエ
ーテル、ポリエチレンテレフタレート等の公知の高分子
物質が配合されていてもよい。本発明のフィルム、シー
トまたはパイプは、コロナ放電処理、プラズマ処理、オ
ゾン処理、紫外線照射、電子線照射等の公知の後処理を
施すことができる。
対する接着性に優れる接着剤の有効成分としても用いら
れる。本発明の接着剤は該共重合体を有効成分とする接
着剤である。本発明の接着剤には、接着性を損なわない
範囲でフェノール系安定剤、フォスファイト系安定剤、
アミン系安定剤、アミド系安定剤、老化防止剤、耐候安
定剤、沈降防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤な
どの安定剤;揺変剤、増粘剤、消泡剤、表面調整剤、耐
候剤、顔料分散剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、
油剤、染料などの添加剤;酸化チタン(ルチル型)、酸
化亜鉛などの遷移金属化合物、カーボンブラック等の顔
料;ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ウ
オラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タ
ルク、ガラスフレーク、硫酸バリウム、クレー、カオリ
ン、微粉末シリカ、マイカ、珪酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、
酸化マグネシウム、アルミナ、セライトなどの無機、有
機の充填剤等を含有していてもよい。
ンなどの芳香族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水
素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン
類、メタノ−ル、イソプロピルアルコール、エチレング
リコール、プロピレングリコールなどのアルコール類等
の溶剤を含有していても良い。接着剤における溶媒の含
有量は、共重合体100重量部に対して、通常、150
〜3000重量部程度、好ましくは200〜2000重
量部程度である。接着剤が溶媒を含有する場合には、共
重合体、安定剤、添加剤、顔料、充填剤等が溶媒に溶解
していても分散していてもよい。
着体に積層してなるものである。被着体としては、例え
ば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン・プロピ
レン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合
体、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体などのオ
レフィン系樹脂;ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ
アミド樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、エチレン・
(メタ)アクリレート共重合体、エチレン・酢酸ビニル
共重合体等の極性基含有熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、ユリア樹脂などの極性基含有熱硬化性樹
脂;金属、ガラス、セメントなどの無機材料;紙、木材
などのセルロース系高分子材料などが挙げられる。ま
た、積層体には、2種類以上の異なった種類の被着体を
使用しても良い。被着体の中でも極性基含有熱可塑性樹
脂またはオレフィン系樹脂が好ましく、とりわけ、ポリ
プロピレンが好適である。被着体は、例えば、前記の安
定剤、添加剤、顔料、充填剤、溶剤等を含有していても
良い。
ば、被着体、接着剤、被着体の順に順次積層したのち熱
プレスする方法;被着体の上に溶液状の接着剤を塗布し
たのち溶媒を乾燥し他の被着体を積層する方法;被着体
の上に溶液状の接着剤を塗布し、次いで被着体を形成す
る材料を溶解した溶液を塗布したのち加熱することによ
り接着、積層する方法;被着体、共重合体および被着体
を共押出し成形により積層する方法などが挙げられる。
としては、例えば、極性基含有熱可塑性樹脂または極性
基含有熱硬化性樹脂と、顔料、溶剤などを含有してなる
溶液が挙げられる。極性基含有熱可塑性樹脂または極性
基含有熱硬化性樹脂と、顔料、溶剤などを含有してなる
溶液は、塗料として取扱うことができる。即ち本発明の
接着剤は、基材と塗料との接着性を高めるための接着剤
としても用いられ、その場合、本発明で得られる積層体
における被着体は本発明の接着剤からなる層の両側にあ
り、被着体の一方は基材、他方は塗膜である。塗料とし
ては、2種類以上の極性基含有熱可塑性樹脂または極性
基含有熱硬化性樹脂を混合して使用しても良く、さら
に、少なくとも1種類の塗料を複数回塗装してもよい。
ては、自動車のコンソールボックスやバンパーのような
形状の基材と、木目調などに加飾した加飾フィルムを熱
成形により該基材の表面形状に腑形したものとを接着さ
せる接着剤としての使用形態が挙げられる。
さらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例により
その範囲を限定されるものではない。なお、実施例中に
おける重合体の性質は、下記の方法によって測定した。
度計を用い、テトラリンを溶媒として135℃で測定し
た。
エーション・クロマトグラフ(GPC)を用い、ポリス
チレン(分子量688〜400,000)標準物質で校
正した上で、下記条件にて求めた。なお、分子量分布は
重量平均分子量(以下、Mwという)と数平均分子量
(以下、Mnという)との比(Mw/Mn)で評価し
た。 機種 Waters製 150−C カラム shodex packed column A−80M 測定温度 140℃ 測定溶媒 オルトジクロロベンゼン 測定濃度 1mg/ml
電子工業社製 SSC−5200)を用いて、以下の条
件で測定し、その変曲点より求めた。 昇温 20℃〜200℃(20℃/分)10分間保持 冷却 200℃〜−50℃(20℃/分)10分間保持 測定 −50℃〜300℃(20℃/分)
位共重合組成および重合体の構造は、 13C−NMR解析
により求めた。13 C−NMR装置 BRUKER社製 DRX600 測定溶媒 オルトジクロロベンゼンとオルトジクロロベ
ンゼン−d4の4:1(容積比)混合液 測定温度 135℃
lのオートクレーブ中にビニルシクロヘキサン137m
l、脱水トルエン 49mlを投入した。30℃に昇温
後、プロピレンを0.4MPa仕込んだ。メチルアルモ
キサンのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製MMA
O、Al原子換算濃度 6wt%]5.6mlを仕込
み、つづいてイソプロピリデンビス(インデニル)ジル
コニウムジクロリド 4.3mgを脱水トルエン 8.
7mlに溶解させたものを仕込んだ。反応液を1時間攪
拌した後、反応液をエタノール 500ml中に投じ、
沈殿した白色固体をロ取した。該固体をエタノールで洗
浄後、減圧乾燥した結果、重合体 44.7gを得た。
該重合体の[η]は0.16dl/gで、Mnは9,0
00、分子量分布(Mw/Mn)は2.0、融点は93
℃、ガラス転移点は−8℃、ビニルシクロヘキサンの共
重合組成は7.6mol%であった。該重合体のプレス
シートは非常に透明性が高く、また柔軟性および弾性回
復性に優れていた。得られた重合体の13C−NMRスペ
クトルを図1に示す。
lのガラス製リアクター中にビニルシクロヘキサン 6
8ml、脱水トルエン 17mlを投入した。30℃に
昇温後、プロピレンを15分間バブリングしてアルゴン
をプロピレンで置換した。メチルアルモキサンのトルエ
ン溶液[東ソー・アクゾ(株)製MMAO、Al原子換
算濃度 6wt%]5.6mlを仕込み、つづいてイソ
プロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド 4.3mgを脱水トルエン 8.7mlに溶解させ
たものを仕込んだ。反応液を1時間攪拌した後、反応液
をエタノール 500ml中に投じ、沈殿した白色固体
をロ取した。該固体をエタノールで洗浄後、減圧乾燥し
た結果、重合体 29.0gを得た。該重合体の[η]
は0.18dl/gで、ガラス転移点は62℃、ビニル
シクロヘキサンの共重合組成は55mol%であった。
該重合体のプレスシートは非常に透明性が高かった。得
られた重合体の13C−NMRスペクトルを図2に示す。
ロヘキサンの仕込み量を68mlから192mlに変
え、脱水トルエンの仕込み量を17mlから0mlに変
えた(即ち、使用しなかった)以外は実施例2と同様に
操作したところ、重合体 28.1gを得た。該重合体
の[η]は0.19dl/gで、ガラス転移点は77
℃、ビニルシクロヘキサンの共重合組成は67mol%
であった。該重合体のプレスシートは非常に透明性が高
かった。得られた重合体の13C−NMRスペクトルを図
3に示す。
mlのオートクレーブ中にビニルシクロヘキサン441
g、脱水トルエン1242gを投入した。30℃に昇温
後、プロピレンを0.4MPa仕込んだ。メチルアルモ
キサンのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製MMA
O、Al原子換算濃度 6wt%]15.6mlを仕込
み、つづいてイソプロピリデンビス(インデニル)ジル
コニウムジクロリド 8.7mgを脱水トルエン 8.
7mlに溶解したものと上記のメチルアルモキサンのト
ルエン溶液 1.1mlとを予め混合したものを投入し
た。反応液を2時間攪拌した後、反応液をメタノール
6000ml中に投じ、沈殿した白色固体をロ取した。
該固体をメタノールで洗浄後、減圧乾燥した結果、重合
体 243gを得た。該重合体の[η]は0.18dl
/gで、Mnは10,000、分子量分布(Mw/M
n)は2.1、融点は116℃、ガラス転移点は−5
℃、ビニルシクロヘキサンの共重合組成は3mol%で
あった。該重合体のプレスシートは非常に透明性が高
く、また柔軟性および弾性回復性に優れていた。得られ
た重合体の13C−NMRスペクトルを図4に示す。
lのオートクレーブ中にビニルシクロヘキサン137m
l、脱水トルエン 43mlを投入した。30℃に昇温
後、プロピレンを0.4MPa仕込んだ。メチルアルモ
キサンのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製MMA
O、Al原子換算濃度 6wt%]7.1mlを仕込
み、つづいてイソプロピリデンビス(インデニル)ジル
コニウムジクロリド 6.5mgを脱水トルエン 1
3.0mlに溶解させたものを仕込んだ。反応液を2時
間攪拌した後、反応液をエタノール 500ml中に投
じ、沈殿した白色固体をロ取した。該固体をエタノール
で洗浄後、減圧乾燥した結果、重合体 105.7gを
得た。該重合体の[η]は0.15dl/gで、Mnは
8,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.3、ガラ
ス転移点は10℃、ビニルシクロヘキサンの共重合組成
は27mol%であった。該重合体のプレスシートは非
常に透明性が高く、また柔軟性および弾性回復性に優れ
ていた。得られた重合体の13C−NMRスペクトルを図
5に示す。
学工業社製、ノーブレンAY564)を使用し、東洋精
機(株)社製ラボプラストミルΦ20mm押出し機T−
ダイス付にて100μm厚みの成形フィルムを得、被着
体とした。また、同じポリプロピレンを使用し、東芝社
製5.5オンス射出成形機(IS100E)にて2mm
厚みの成形シートを得、被着体とした。熱プレス成形機
にて、温度180℃、圧力5MPaの条件で、鋼板(4
mm厚み)/アルミ板(200μm)/ポリテトラフル
オロエチレンシート(200μm)/実施例4または実
施例5で得られた共重合体+50μmPET(ポリエチ
レンテレフタレート)型枠/ポリテトラフルオロエチレ
ンシート(200μm)/アルミ板(200μm)/鋼
板(4mm厚み)の構成でプレス加工を実施し、シート
状の接着剤を得た。次に、上からアルミ箔、被着材(1
00μm厚みのポリプロピレンフィルム)、シート状の
接着剤、被着材(2mm厚みのポリプロピレンシート)
およびアルミ箔を順次積層し、ヒートシールテスター
(テスター産業社製)にて、上部より180℃、0.3
MPaの圧力で3秒間保持し積層体の一部(25mm
幅)を接着した。得られた積層体のアルミ箔を剥がし、
温度23℃、湿度50%にて1時間静置した。その後、
積層体を10mm幅×100mm長さ(接着長さ25m
m)に切り出し、温度23℃、湿度50%にて接着して
いない部分をつかみ、剥離速度100mm/秒、剥離角
度180°でピール剥離試験を実施したところ、実施例
4で得られた共重合体のポリプロピレンに対する剥離強
度は5.9(N/10mm)、実施例5で得られた共重
合体のポリプロピレンに対する剥離強度は4.0(N/
10mm)であった。
環境汚染の観点で問題視されているハロゲンを含有しな
い構成をとり得る共重合体であって、透明性および粘弾
特性に優れ、柔軟性と耐熱性とのバランスに優れた共重
合体および成形品が提供される。また、本発明の共重合
体は接着性にも優れている。
NMRスペクトルである。
NMRスペクトルである。
NMRスペクトルである。
NMRスペクトルである。
NMRスペクトルである。
Claims (6)
- 【請求項1】直鎖状α−オレフィンと下記ビニル化合物
(I)との共重合体。 ビニル化合物(I):炭化水素基Rを含む構造式CH2
=CH−Rで表され、置換基Rの立体パラメータEsが
−1.64以下であり、かつ置換基Rの立体パラメータ
B1が1.53以上であるビニル化合物。 - 【請求項2】ビニル化合物(I)の3位の炭素原子が、
3級または4級であることを特徴とする請求項1記載の
共重合体。 - 【請求項3】ビニル化合物(I)が、3位の炭素原子以
外に枝分かれ構造を有しないことを特徴とする請求項1
または2記載の共重合体。 - 【請求項4】炭化水素基Rが、環状構造を有することを
特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の共重合体。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の共重合体
を有効成分とする接着剤。 - 【請求項6】請求項5記載の接着剤からなる層が被着体
に積層してなる積層体。
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