JP2006076305A - 積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 層間の接着性に優れた積層体の製造方法を提供すること。
【解決手段】 炭素原子数3〜20の直鎖状α−オレフィンと下記ビニル化合物(I)との共重合体を有効成分とする接着剤と被着体とを下記(1)〜(4)のいずれかの方法で積層することを特徴とする積層体の製造方法。
ビニル化合物(I):炭化水素基Rを含む構造式CH2=CH−Rで表され、置換基Rの立体パラメータEsが−1.64以下であり、かつ置換基Rの立体パラメータB1が1.53以上であるビニル化合物。
(1)被着体、接着剤、被着体の順に順次積層したのち熱プレスする方法
(2)被着体の上に溶液状の接着剤を塗布したのち溶媒を乾燥し他の被着体を積層する方法
(3)被着体の上に溶液状の接着剤を塗布し、次いで被着体を形成する材料を溶解した溶液を塗布したのち加熱することにより接着、積層する方法
(4)被着体、共重合体および被着体を共押出し成形により積層する方法
【選択図】 なし

Description

本発明は直鎖状α−オレフィンと特定のビニル化合物との共重合体およびその用途に関する。さらに詳しくは、本発明はポリ塩化ビニルに似たフィルム、シートまたはパイプの製造に適した直鎖状α−オレフィンと特定のビニル化合物との共重合体、オレフィン系樹脂用の接着剤、層間の接着性に優れた積層体および該積層体の製造方法に関する。
一般にストレッチフィルムやラップフィルム、パイプとして用いられる共重合体には、ポリ塩化ビニルにみられるような粘弾特性(弾性回復性や遅延回復性)と耐熱性とのバランスおよび透明性が要求される。しかし、ポリ塩化ビニルは、燃焼時に有害物質が発生する可能性がある等環境汚染に関して問題視されている。現在、エチレン共重合体等のポリマーによるポリ塩化ビニルの代替が検討されているが、十分満足のいくものが得られていないのが実状である。
また、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂に対する接着性に優れる接着剤は、家電製品のハウジング、自動車の外装用品等に幅広く使用されているが、最近、ポリプロピレンに対して、さらに接着性を向上せしめた接着剤が求められるようになってきた。
本発明の目的は、環境汚染の観点で問題視されているハロゲンを含有しない構成をとり得る共重合体であって、透明性に優れ、また粘弾特性と耐熱性とのバランスに優れた共重合体を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記共重合体を有効成分として含み、オレフィン系樹脂(中でもポリプロピレン)に対する接着性に優れる接着剤を提供することにあり、そして、層間の接着性に優れた積層体を提供することにある。更には、該積層体の製造方法を提供することにある。
本発明は、炭素原子数3〜20の直鎖状α−オレフィンと下記ビニル化合物(I)との共重合体を有効成分とする接着剤と被着体とを下記(1)〜(4)のいずれかの方法で積層することを特徴とする積層体の製造方法にかかるものである。
ビニル化合物(I):炭化水素基Rを含む構造式CH2=CH−Rで表され、置換基Rの立体パラメータEsが−1.64以下であり、かつ置換基Rの立体パラメータB1が1.53以上であるビニル化合物。
(1)被着体、接着剤、被着体の順に順次積層したのち熱プレスする方法
(2)被着体の上に溶液状の接着剤を塗布したのち溶媒を乾燥し他の被着体を積層する方法
(3)被着体の上に溶液状の接着剤を塗布し、次いで被着体を形成する材料を溶解した溶液を塗布したのち加熱することにより接着、積層する方法
(4)被着体、共重合体および被着体を共押出し成形により積層する方法
本発明によれば、環境汚染の観点で問題視されているハロゲンを含有しない構成をとり得る共重合体であって、透明性および粘弾特性に優れ、柔軟性と耐熱性とのバランスに優れた共重合体および成形品が提供される。また、本発明の共重合体は接着性にも優れている。
本発明において直鎖状α−オレフィンとしては、炭素原子数3〜20の直鎖状α−オレフィンが好ましい。かかる直鎖状α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられ、より好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテンであり、特に好ましくはプロピレンである。
本発明におけるビニル化合物(I)は、特定の範囲の立体パラメータEs及びB1の炭化水素基Rを有するCH2=CH−Rで表されるビニル化合物である。
ここでいう立体パラメータEs及びB1は、置換基の立体的嵩高さを表すパラメータ(Esは三次元的な広がりを、B1は二次元的な広がりを表す)であり、文献(C.Hansch and A.Leo:“Exploring QSAR Fundamentals and Applications in Chemistry and Biology”Chapter3(ACS Professional Reference Book,Wasington,DC(1995))に記載されている方法で求める。Esの値が小さいほど三次元的な広がりが大きく、B1の値が大きいほど二次元的な広がりが大きいことを表す。
本発明において、該置換基Rの立体パラメータEsは−1.64以下であり、好ましくは−3.10〜−1.70、より好ましくは−2.80〜−1.70であり、特に好ましくは−2.35〜−1.75である。最も好ましいEsは、−2.10〜−1.75である。また置換基Rの立体パラメータB1は1.53以上であり、好ましくは1.53〜2.90であり、より好ましくは1.70〜2.70である。特に好ましいEsは1.91〜2.60である。
該立体パラメータEsが大きすぎると、また、該立体パラメータB1が小さすぎると、得られる共重合体は弾性回復性や遅延回復性に劣り好ましくない。
本発明において使用するビニル化合物(I)の3位の炭素原子は、3級または4級であることが好ましい。ビニル化合物(I)の3位の炭素原子が、3級または4級であると、得られる共重合体は弾性回復性や遅延回復性に優れる。
かかるビニル化合物(I)の具体例としては、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタン、ビニルノルボルナン、ビニルアダマンタン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、3−メチル−1−ヘプテン、3−メチル−1−オクテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ヘプテン、3,3−ジメチル−1−オクテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ヘプテン、3,4−ジメチル−1−オクテン、3,5−ジメチル−1−ヘキセン、3,5−ジメチル−1−ヘプテン、3,5−ジメチル−1−オクテン、3,6−ジメチル−1−ヘプテン、3,6−ジメチル−1−オクテン、3,7−ジメチル−1−オクテン、3,3,4−トリメチル−1−ペンテン、3,3,4−トリメチル−1−ヘキセン、3,3,4−トリメチル−1−ヘプテン、3,3,4−トリメチル−1−オクテン、3,4,4−トリメチル−1−ペンテン、3,4,4−トリメチル−1−ヘキセン、3,4,4−トリメチル−1−ヘプテン、3,4,4−トリメチル−1−オクテン等が挙げられる。より好ましいビニル化合物(I)は、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタン、ビニルノルボルナン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,5−ジメチル−1−ヘキセン、3,3,4−トリメチル−1−ペンテン、または3,4,4−トリメチル−1−ペンテンであり、特に好ましいビニル化合物(I)は、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルナン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、または3,3,4−トリメチル−1−ペンテンである。
以下に、ビニル化合物(I)の一部を例示する。
Figure 2006076305
参考のため、ビニル化合物(I)に該当しないいくつかのビニル化合物の立体パラメータを以下に示す。これらの化合物のビニル基に結合した置換基は、あまり嵩高くない。
Figure 2006076305
本発明で使用するビニル化合物(I)は、3位の炭素原子以外に枝分かれ構造を有しないことが好ましい。ここでいう枝分かれ構造とは、分子骨格が直鎖状ではなく、3級ないし4級の炭素原子を介して分岐した骨格を有する構造のことを言う。かかるビニル化合物(I)の具体例としては、ビニルシクロヘキサン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテンが挙げられる。
本発明で使用するビニル化合物(I)は、炭化水素基Rが環状構造を有するものも好ましい。かかるビニル化合物(I)の具体例としては、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタン、ビニルノルボルナン、ビニルアダマンタン等が挙げられる。
本発明で使用するビニル化合物(I)としては、3位の炭素原子以外に枝分かれ構造を有さず、かつ炭化水素基Rが環状構造を有するものがより好ましい。本発明で使用するビニル化合物(I)として最も好ましくは、ビニルシクロヘキサンである。
本発明の共重合体においては、共重合体中のビニル化合物(I)に由来する繰り返し単位(以下単位と略称する。)の含有量は0.1〜99.9mol%等の広い範囲をとり得る。かかるビニル化合物(I)単位の含有量は、1H−NMRスペクトルや13C−NMRスペクトルを用いる定法により容易に求められる。
共重合体中のビニル化合物(I)単位の含有量が低いと、透明性および粘弾特性に優れ、また柔軟性に優れたフィルムまたはシート(中でもストレッチフィルムまたはラップフィルム)として好適な軟質ポリ塩化ビニルのような共重合体が得られる。その場合のビニル化合物(I)の含有量は好ましくは10〜50mol%であり、さらに好ましくは15〜45mol%であり、特に好ましくは20〜40mol%であり、最も好ましくは25〜35mol%である。一方、ビニル化合物(I)単位の含有量が高いと、耐熱性に優れたパイプ等として好適な硬質ポリ塩化ビニルのような共重合体が得られる。その場合、共重合体中のビニル化合物(I)単位の含有量はより好ましくは40〜90mol%であり、さらに好ましくは50〜90mol%であり、特に好ましくは60〜85mol%であり、最も好ましくは65〜85mol%である。このようにビニル化合物(I)単位の含有量がより高いと、制振性能にもより優れる。
また、接着性能の観点から、ビニル化合物(I)の共重合組成としてより好ましくは1〜80mol%、さらに好ましくは2〜50mol%である。
本発明の共重合体におけるポリマー骨格(ポリマーの分子鎖中に分岐したポリマー鎖がある場合はそれも含む。)中の直鎖状α−オレフィンとビニル化合物(I)のシーケンスは、13C−NMRスペクトルにより決定される。かかるポリマー骨格中には、1つのビニル化合物(I)に由来する単位が2つの直鎖状α−オレフィンに由来する単位に挟まれた構造や、2つのビニル化合物(I)に由来する単位が連結した構造や、2つの直鎖状α−オレフィンに由来する単位が連結した構造が存在することがある。このように多種の結合を有する共重合体は粘弾特性や柔軟性に優れ、好ましい。
本発明における共重合体は、耐候性という観点から共重合体の末端を除くポリマーの全ての分子構造(置換基Rも含む)中に2重結合を含まないことが好ましい。ポリマーの分子構造中に二重結合を含む共重合体は熱安定性にも劣って成形加工中のゲル化によるフィシュアイ発生などの問題が生じる場合もある。
本発明の共重合体は、機械的強度、透明性といった観点から重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が好ましくは1.5〜4.0であり、さらに好ましくは1.5〜3.5であり、特に好ましくは1.5〜3.0である。
本発明の共重合体は機械的強度の観点から、重量平均分子量(Mw)が好ましくは5,000〜1,000,000であり、より好ましくは10,000から500,000、さらに好ましくは20,000〜400,000であり、最も好ましくは50,000〜400,000である。また、本発明の共重合体は接着性能の観点から、重量平均分子量(Mw)が好ましくは1,000〜1,000,000であり、さらに好ましくは5,000〜1,000,000であり、特に好ましくは5,000〜200,000である。
本発明の共重合体は、機械的強度の観点から極限粘度[η]の値が好ましくは0.1〜10dl/g、0.15〜6.0dl/gであり、さらに好ましくは0.3〜6.0dl/gであり、特に好ましくは0.35〜5.0dl/gである。
本発明における共重合体は、本発明の目的、効果を損なわない限り、直鎖状α−オレフィンとビニル化合物(I)に加え、さらに1種またはそれ以上の付加重合性モノマーとの共重合体であっても良い。
該付加重合性モノマーの具体例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられ、それらの1種または2種以上が好ましく用いられる。
かかる本発明の共重合体は、例えば、イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドおよびメチルアルモキサンを接触させて得られる触媒の存在下、直鎖状α−オレフィンとビニル化合物(I)とを共重合することにより製造される。その際、直鎖状α−オレフィンやビニル化合物(I)の投入量、重合温度や重合時間などの重合条件を適宜変更することで、共重合組成や分子量等の異なる共重合体を得ることができる。
かかる製造方法においては、用いる触媒の種類や重合条件によっては、本発明の共重合体以外にビニル化合物(I)の単独重合体が副生することがある。そのような場合は、ソックスレー抽出器等を用いた溶媒抽出を行うことにより、容易に本発明の共重合体を分取することができる。かかる抽出に用いる溶媒はビニル化合物(I)の種類に応じて適宜選ぶことができる。例えば、ポリビニルシクロヘキサン等ビニル化合物(I)の単独重合体はトルエンを用いた抽出の不溶成分として除去することができ、共重合体は該溶媒の可溶成分として分取することができる。
もちろん本発明の共重合体は、用途により問題なければ、そのような副生物が存在したまま使用してもよい。
かかる本発明の透明性に優れ粘弾特性と耐熱性のバランスに優れる共重合体は、ポリ塩化ビニルから得られるようなフィルム、シートまたはパイプとして、或いは容器等として使用され、またコンパクトディスク等の記憶媒体の基盤やレンズとして用いられる。
フィルム、シート、パイプ或いは容器は例えば、円形ダイから溶融させた樹脂を押出し、筒状に膨らませたフィルムを巻き取るインフレーション成形加工や、直線状ダイから溶融させた樹脂を押出し、フィルムまたはシートを巻き取るTダイ成形加工やカレンダー成形加工、ブロー成形加工、射出成形加工、異形押出し成形加工などにより得ることができる。
かかる本発明の成形品は、柔軟性や粘弾特性に優れる。かかる柔軟性や粘弾特性は引張り試験を行い、ヒステリシスカーブを取得することにより調べることができる。
本発明の共重合体は、他の素材との2層以上の多層フィルム、シートまたはパイプといった形態で使用することも可能である。その際フィルム、シートまたはパイプは、共押出法、ドライラミネーション法、サンドイッチラミネーション法、押出ラミネーション法等公知の各種貼り合わせ方法等により製造できる。他の素材としては、紙、板紙、アルミニウム薄膜、セロハン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、各種接着性樹脂等公知の素材を用いることができる。
本発明の成形品には必要に応じて、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、フィラー等公知の添加剤を含有させることができる。また、ラジカル重合法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−直鎖状α−オレフィン共重合エラストマー、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート等の公知の高分子物質が配合されていてもよい。
本発明のフィルム、シートまたはパイプは、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、紫外線照射、電子線照射等の公知の後処理を施すことができる。
本発明の共重合体は、オレフィン系樹脂に対する接着性に優れる接着剤の有効成分としても用いられる。本発明の接着剤は該共重合体を有効成分とする接着剤である。本発明の接着剤には、接着性を損なわない範囲でフェノール系安定剤、フォスファイト系安定剤、アミン系安定剤、アミド系安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、沈降防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤などの安定剤;揺変剤、増粘剤、消泡剤、表面調整剤、耐候剤、顔料分散剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、油剤、染料などの添加剤;酸化チタン(ルチル型)、酸化亜鉛などの遷移金属化合物、カーボンブラック等の顔料;ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ウオラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、ガラスフレーク、硫酸バリウム、クレー、カオリン、微粉末シリカ、マイカ、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、セライトなどの無機、有機の充填剤等を含有していてもよい。
さらに、接着剤は、水、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、メタノ−ル、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類等の溶剤を含有していても良い。接着剤における溶媒の含有量は、共重合体100重量部に対して、通常、150〜3000重量部程度、好ましくは200〜2000重量部程度である。
接着剤が溶媒を含有する場合には、共重合体、安定剤、添加剤、顔料、充填剤等が溶媒に溶解していても分散していてもよい。
本発明の積層体は該接着剤からなる層が被着体に積層してなるものである。
被着体としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体などのオレフィン系樹脂;ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリアミド樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、エチレン・(メタ)アクリレート共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の極性基含有熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ユリア樹脂などの極性基含有熱硬化性樹脂;金属、ガラス、セメントなどの無機材料;紙、木材などのセルロース系高分子材料などが挙げられる。
また、積層体には、2種類以上の異なった種類の被着体を使用しても良い。
被着体の中でも極性基含有熱可塑性樹脂またはオレフィン系樹脂が好ましく、とりわけ、ポリプロピレンが好適である。
被着体は、例えば、前記の安定剤、添加剤、顔料、充填剤、溶剤等を含有していても良い。
本発明の積層体の製造方法としては、例えば、被着体、接着剤、被着体の順に順次積層したのち熱プレスする方法;被着体の上に溶液状の接着剤を塗布したのち溶媒を乾燥し他の被着体を積層する方法;被着体の上に溶液状の接着剤を塗布し、次いで被着体を形成する材料を溶解した溶液を塗布したのち加熱することにより接着、積層する方法;被着体、共重合体および被着体を共押出し成形により積層する方法などが挙げられる。
前記被着体を形成する材料を溶解した溶液としては、例えば、極性基含有熱可塑性樹脂または極性基含有熱硬化性樹脂と、顔料、溶剤などを含有してなる溶液が挙げられる。極性基含有熱可塑性樹脂または極性基含有熱硬化性樹脂と、顔料、溶剤などを含有してなる溶液は、塗料として取扱うことができる。即ち本発明の接着剤は、基材と塗料との接着性を高めるための接着剤としても用いられ、その場合、本発明で得られる積層体における被着体は本発明の接着剤からなる層の両側にあり、被着体の一方は基材、他方は塗膜である。
塗料としては、2種類以上の極性基含有熱可塑性樹脂または極性基含有熱硬化性樹脂を混合して使用しても良く、さらに、少なくとも1種類の塗料を複数回塗装してもよい。
本発明の接着剤の使用形態のほかの例としては、自動車のコンソールボックスやバンパーのような形状の基材と、木目調などに加飾した加飾フィルムを熱成形により該基材の表面形状に腑形したものとを接着させる接着剤としての使用形態が挙げられる。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によりその範囲を限定されるものではない。なお、実施例中における重合体の性質は、下記の方法によって測定した。
(1)極限粘度[η]は、ウベローデ型粘度計を用い、テトラリンを溶媒として135℃で測定した。
(2)共重合体の分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)を用い、ポリスチレン(分子量688〜400,000)標準物質で校正した上で、下記条件にて求めた。なお、分子量分布は重量平均分子量(以下、Mwという)と数平均分子量(以下、Mnという)との比(Mw/Mn)で評価した。
機種 Waters製 150−C
カラム shodex packed column A−80M
測定温度 140℃
測定溶媒 オルトジクロロベンゼン
測定濃度 1mg/ml
(3)ガラス転移点は、DSC(セイコー電子工業社製 SSC−5200)を用いて、以下の条件で測定し、その変曲点より求めた。
昇温 20℃〜200℃(20℃/分)10分間保持
冷却 200℃〜−50℃(20℃/分)10分間保持
測定 −50℃〜300℃(20℃/分)
(4)重合体中のビニルシクロヘキサン単位共重合組成および重合体の構造は、13C−NMR解析により求めた。
13C−NMR装置 BRUKER社製 DRX600
測定溶媒 オルトジクロロベンゼンとオルトジクロロベンゼン−d4の4:1(容積比)混合液
測定温度 135℃
[実施例1]
アルゴンで置換した400mlのオートクレーブ中にビニルシクロヘキサン 137ml、脱水トルエン 49mlを投入した。30℃に昇温後、プロピレンを0.4MPa仕込んだ。メチルアルモキサンのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製MMAO、Al原子換算濃度 6wt%]5.6mlを仕込み、つづいてイソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド 4.3mgを脱水トルエン 8.7mlに溶解させたものを仕込んだ。反応液を1時間攪拌した後、反応液をエタノール 500ml中に投じ、沈殿した白色固体をロ取した。該固体をエタノールで洗浄後、減圧乾燥した結果、重合体 44.7gを得た。
該重合体の[η]は0.16dl/gで、Mnは9,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.0、融点は93℃、ガラス転移点は−8℃、ビニルシクロヘキサンの共重合組成は7.6mol%であった。該重合体のプレスシートは非常に透明性が高く、また柔軟性および弾性回復性に優れていた。
得られた重合体の13C−NMRスペクトルを図1に示す。
[実施例2]
アルゴンで置換した300mlのガラス製リアクター中にビニルシクロヘキサン 68ml、脱水トルエン 17mlを投入した。30℃に昇温後、プロピレンを15分間バブリングしてアルゴンをプロピレンで置換した。メチルアルモキサンのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製MMAO、Al原子換算濃度 6wt%]5.6mlを仕込み、つづいてイソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド 4.3mgを脱水トルエン 8.7mlに溶解させたものを仕込んだ。反応液を1時間攪拌した後、反応液をエタノール 500ml中に投じ、沈殿した白色固体をロ取した。該固体をエタノールで洗浄後、減圧乾燥した結果、重合体 29.0gを得た。
該重合体の[η]は0.18dl/gで、ガラス転移点は62℃、ビニルシクロヘキサンの共重合組成は55mol%であった。該重合体のプレスシートは非常に透明性が高かった。
得られた重合体の13C−NMRスペクトルを図2に示す。
[実施例3]
実施例2におけるビニルシクロヘキサンの仕込み量を68mlから192mlに変え、脱水トルエンの仕込み量を17mlから0mlに変えた(即ち、使用しなかった)以外は実施例2と同様に操作したところ、重合体 28.1gを得た。
該重合体の[η]は0.19dl/gで、ガラス転移点は77℃、ビニルシクロヘキサンの共重合組成は67mol%であった。該重合体のプレスシートは非常に透明性が高かった。
得られた重合体の13C−NMRスペクトルを図3に示す。
[実施例4]
アルゴンで置換した5000mlのオートクレーブ中にビニルシクロヘキサン441g、脱水トルエン1242gを投入した。30℃に昇温後、プロピレンを0.4MPa仕込んだ。メチルアルモキサンのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製MMAO、Al原子換算濃度 6wt%]15.6mlを仕込み、つづいてイソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド 8.7mgを脱水トルエン 8.7mlに溶解したものと上記のメチルアルモキサンのトルエン溶液 1.1mlとを予め混合したものを投入した。反応液を2時間攪拌した後、反応液をメタノール 6000ml中に投じ、沈殿した白色固体をロ取した。該固体をメタノールで洗浄後、減圧乾燥した結果、重合体 243gを得た。
該重合体の[η]は0.18dl/gで、Mnは10,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.1、融点は116℃、ガラス転移点は−5℃、ビニルシクロヘキサンの共重合組成は3mol%であった。該重合体のプレスシートは非常に透明性が高く、また柔軟性および弾性回復性に優れていた。
得られた重合体の13C−NMRスペクトルを図4に示す。
[実施例5]
アルゴンで置換した400mlのオートクレーブ中にビニルシクロヘキサン 137ml、脱水トルエン 43mlを投入した。30℃に昇温後、プロピレンを0.4MPa仕込んだ。メチルアルモキサンのトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製MMAO、Al原子換算濃度 6wt%]7.1mlを仕込み、つづいてイソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド 6.5mgを脱水トルエン 13.0mlに溶解させたものを仕込んだ。反応液を2時間攪拌した後、反応液をエタノール 500ml中に投じ、沈殿した白色固体をロ取した。該固体をエタノールで洗浄後、減圧乾燥した結果、重合体 105.7gを得た。
該重合体の[η]は0.15dl/gで、Mnは8,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.3、ガラス転移点は10℃、ビニルシクロヘキサンの共重合組成は27mol%であった。該重合体のプレスシートは非常に透明性が高く、また柔軟性および弾性回復性に優れていた。
得られた重合体の13C−NMRスペクトルを図5に示す。
<接着性の評価>
ポリプロピレン(住友化学工業社製、ノーブレンAY564)を使用し、東洋精機(株)社製ラボプラストミルφ20mm押出し機T−ダイス付にて100μm厚みの成形フィルムを得、被着体とした。
また、同じポリプロピレンを使用し、東芝社製5.5オンス射出成形機(IS100E)にて2mm厚みの成形シートを得、被着体とした。
熱プレス成形機にて、温度180℃、圧力5MPaの条件で、鋼板(4mm厚み)/アルミ板(200μm)/ポリテトラフルオロエチレンシート(200μm)/実施例4または実施例5で得られた共重合体+50μmPET(ポリエチレンテレフタレート)型枠/ポリテトラフルオロエチレンシート(200μm)/アルミ板(200μm)/鋼板(4mm厚み)の構成でプレス加工を実施し、シート状の接着剤を得た。
次に、上からアルミ箔、被着材(100μm厚みのポリプロピレンフィルム)、シート状の接着剤、被着材(2mm厚みのポリプロピレンシート)およびアルミ箔を順次積層し、ヒートシールテスター(テスター産業社製)にて、上部より180℃、0.3MPaの圧力で3秒間保持し積層体の一部(25mm幅)を接着した。得られた積層体のアルミ箔を剥がし、温度23℃、湿度50%にて1時間静置した。その後、積層体を10mm幅×100mm長さ(接着長さ25mm)に切り出し、温度23℃、湿度50%にて接着していない部分をつかみ、剥離速度100mm/秒、剥離角度180゜でピール剥離試験を実施したところ、実施例4で得られた共重合体のポリプロピレンに対する剥離強度は5.9(N/10mm)、実施例5で得られた共重合体のポリプロピレンに対する剥離強度は4.0(N/10mm)であった。
図1は、実施例1で得られた共重合体の13C−NMRスペクトルである。 図2は、実施例2で得られた共重合体の13C−NMRスペクトルである。 図3は、実施例3で得られた共重合体の13C−NMRスペクトルである。 図4は、実施例4で得られた共重合体の13C−NMRスペクトルである。 図5は、実施例5で得られた共重合体の13C−NMRスペクトルである。

Claims (3)

  1. 炭素原子数3〜20の直鎖状α−オレフィンと下記ビニル化合物(I)との共重合体を有効成分とする接着剤と被着体とを下記(1)〜(4)のいずれかの方法で積層することを特徴とする積層体の製造方法。
    ビニル化合物(I):炭化水素基Rを含む構造式CH2=CH−Rで表され、置換基Rの立体パラメータEsが−1.64以下であり、かつ置換基Rの立体パラメータB1が1.53以上であるビニル化合物。
    (1)被着体、接着剤、被着体の順に順次積層したのち熱プレスする方法
    (2)被着体の上に溶液状の接着剤を塗布したのち溶媒を乾燥し他の被着体を積層する方法
    (3)被着体の上に溶液状の接着剤を塗布し、次いで被着体を形成する材料を溶解した溶液を塗布したのち加熱することにより接着、積層する方法
    (4)被着体、共重合体および被着体を共押出し成形により積層する方法
  2. ビニル化合物(I)がビニルシクロヘキサンであることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 炭素原子数3〜20の直鎖状α−オレフィンとビニル化合物(I)との共重合体が、下記(a)および(b)を充足する共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体の製造方法。
    (a)ビニル化合物(I)の共重合組成が1〜80mol%である。
    (b)重量平均分子量(Mw)が1,000〜1,000,000である。

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