JP2008265411A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】操縦安定性を維持しつつ耐フラットスポット性を向上させることができる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】カーカス層10とビードフィラー15とは、タイヤを正規リムに組込んで正規荷重に対応した正規内圧を充填した状態でタイヤ子午線方向の断面視にて、フィラー先端位置からタイヤ幅方向内方へタイヤ幅方向と平行に仮想される仮想線とカーカスラインとの交点である中心基準点COと、カーカスラインにて該中心基準点COからタイヤ径方向外周側及び内周側に対して予め設定される所定範囲内に位置する外周側基準点CA及び内周側基準点CBとを通るカーカスライン設定曲線Cの半径R2がタイヤ径方向高さSHの0.4倍より大きく0.7倍よりも小さい範囲に設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特に、扁平率が低いタイヤに適用して好適な空気入りタイヤに関するものである。
従来の空気入りタイヤは、トレッド部とショルダー部とサイドウォール部とビード部からなり、トレッド部にタイヤの骨格を形成するカーカス層が配置され、このカーカスの外側にベルト層が配置されると共にその外側にベルト補強層が配置されている。また、ビード部にて、ビードワイヤが巻き付けられてリング形状をなすビードコアが形成され、このビードコアの外周側にビードフィラーが配設されると共に、ビードコアの周囲にカーカスの端部がタイヤ内側から外側に折り返して装架されている。
ところで、このような空気入りタイヤでは、例えば、この空気入りタイヤを装着した車両が高速走行することで当該空気入りタイヤが発熱した状態でこの車両が停車し、空気入りタイヤの特定の領域が長期間にわたって路面に接しているような場合などに、いわゆるフラットスポットが発生することがある。すなわち、タイヤが高速走行等により高温となった状態で所定時間停止すると、このタイヤの温度が低下する際に、タイヤが路面に接地する領域(接地面)は、車両の重量などの垂直荷重の影響によって変形し、このタイヤを構成するゴムや有機繊維が変形してタイヤに残留歪が発生する。フラットスポットは、この残留歪によって形成される平坦部である。このフラットスポットが発生すると、走行が開始されてもしばらくの間この変形が維持されるため、タイヤの周方向に対して形状の不均一が生ずることになるので、走行時に振動が発生して操縦安定性が低下してしまうおそれがある。
そこで、例えば、特許文献1に記載の空気入りラジアルタイヤは、カーカスの折返し部の外端位置をタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外周側に設定すると共にビードエーペックス(ビードフィラーに相当)の外端位置をタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内周側に設定している。これにより、大きく屈曲して歪が集中し易いタイヤ最大幅位置から離間した位置に、カーカスの折返し部及びビードエーペックスの外端位置を設けることで、当該部分における永続的な歪の蓄積を抑制し、フラットスポットの発生を抑制している。
特開2006−321448号公報
しかしながら、特許文献1に記載の空気入りラジアルタイヤでは、例えば、ビードエーペックス(ビードフィラーに相当)のタイヤ径方向外端位置をより外側に設けたり、スチール補強層等をビードコア周りに設けたりすることで、ビード部近傍の剛性を高めることで操縦安定性の向上を図る場合、ビードコア周りの剛性を高くしたがために、このビードコアからタイヤ径方向外周側に離れて位置するビードエーペックスの外端部にて局所的な変形が生じやすくなる。このため、このビードエーペックスの外端部の局所的な変形によりこのタイヤを構成するゴムや有機繊維が変形して耐フラットスポット性に影響を及ぼし、この結果、耐フラットスポット性が悪化することがあった。
そこで本発明は、操縦安定性を維持しつつ耐フラットスポット性を向上させることができる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による空気入りタイヤは、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、高弾性繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの繊維コードからなり、一対のビードコアのタイヤ径方向外周側にビードフィラーを介して該ビードコア周りにタイヤ幅方向内方から外方に巻き返されて架け渡されるカーカス層と、高弾性繊維コード又はスチールコードからなり前記カーカス層のタイヤ径方向外周に設けられるベルト層と、有機繊維コードからなり前記ベルト層のタイヤ径方向外周に設けられるベルト補強層とを有する空気入りタイヤにおいて、前記カーカス層と前記ビードフィラーとは、タイヤを正規リムに組込んで正規荷重に対応した正規内圧を充填した状態でタイヤ子午線方向の断面視にて、該ビードフィラーのタイヤ径方向外周側におけるフィラー先端位置と、該カーカス層のカーカスラインのタイヤ幅方向外方側におけるカーカス最外方位置とのタイヤ径方向に沿った間隔が10mm以上40mm以下の範囲に設定され、かつ、前記フィラー先端位置からタイヤ幅方向内方へタイヤ幅方向と平行に仮想される仮想線と前記カーカスラインとの交点である中心基準点と、前記カーカスラインにて該中心基準点からタイヤ径方向外周側及び内周側に対して予め設定される所定範囲内に位置する外周側基準点及び内周側基準点とを通るカーカスライン設定曲線の半径が前記タイヤ径方向高さの0.4倍より大きく0.7倍よりも小さい範囲に設定されることを特徴とする。
請求項2に係る発明による空気入りタイヤは、前記所定範囲は、中心が前記中心基準点、半径がタイヤ径方向高さの30分の1以上5分の1以下に仮想される仮想円により設定され、前記外周側基準点及び前記内周側基準点は、前記仮想円と前記カーカスラインとの交点により設定されることを特徴とする。
請求項3に係る発明による空気入りタイヤは、前記ビードフィラーは、温度20度で測定した貯蔵弾性率に対する温度100度で測定した貯蔵弾性率の保持率が60パーセント以上であるゴム組成物からなることを特徴とする。
請求項4に係る発明による空気入りタイヤは、前記ベルト補強層の前記有機繊維コードは、75重量パーセント以上90重量パーセント以下を、ガラス転移温度が100度以上の有機繊維により構成されることを特徴とする。
請求項5に係る発明による空気入りタイヤは、前記カーカス層の前記繊維コードに対して所定角度をもって設けられるポリエステル繊維、レーヨン繊維、高弾性繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの繊維コードからなると共に、一端部が前記ビードフィラーとタイヤ幅方向内方の前記カーカス層との間に設けられ他端部が前記カーカス最外方位置よりタイヤ径方向内周側に設けられる第1サイド補強ベルトと、一端部が前記カーカス層と前記ベルト層との間に設けられ他端部が前記カーカス最外方位置よりタイヤ径方向外周側に設けられる第2サイド補強ベルトとを有する補強層を備えることを特徴とする。
請求項6に係る発明による空気入りタイヤは、前記補強層は、前記所定角度が2度以上40度以下の範囲に設定されることを特徴とする。
請求項7に係る発明による空気入りタイヤは、前記補強層は、前記第1サイド補強ベルトにおける前記他端部の先端位置と前記第2サイド補強ベルトにおける前記他端部の先端位置とのタイヤ径方向の間隔が10mm以上40mm以下の範囲に設定されることを特徴とする。
請求項8に係る発明による空気入りタイヤは、前記第1サイド補強ベルトは、前記一端部の先端位置が前記ビードフィラーのタイヤ径方向内周側におけるフィラー基端位置からタイヤ径方向外周側に5mm以上10mm以下の範囲に設定されることを特徴とする。
請求項9に係る発明による空気入りタイヤは、前記第1サイド補強ベルトは、前記他端部の先端位置が前記フィラー先端位置からタイヤ径方向外周側に3mm以上30mm以下の範囲に設定されることを特徴とする。
請求項10に係る発明による空気入りタイヤは、前記第2サイド補強ベルトは、前記一端部の先端位置の前記カーカス層と前記ベルト層との間へのタイヤ幅方向の入り込み量が5mm以上の範囲に設定されることを特徴とする。
請求項11に係る発明による空気入りタイヤは、扁平率が50%以下であることを特徴とする。
請求項1に係る発明による空気入りタイヤによれば、荷重が作用した際に大きく屈曲して歪が集中し易いカーカス最外方位置から離間した位置にフィラー先端位置を設けることで、ビードフィラーのフィラー先端位置近傍における永続的な残留歪(永久歪)の蓄積が抑制される。さらに、カーカスラインとビードフィラーとを、フィラー先端位置近傍にて、カーカスラインの曲率を小さくし直線に近くなるように設定することで、カーカス層とビードフィラーの先端部とが直線的に接するようになる。このため、荷重が作用した際に耐フラットスポット性に対して影響が大きいビードフィラーの先端部を含む局所的な変形がさらに抑制される。これにより、空気入りタイヤの熱冷却の間にセットされる永久歪を低減することができ、フラットスポットの発生を確実に抑制することができる。また、ビードフィラーの先端部がカーカス層の変形の影響を受けにくいことから、荷重依存性の少ない形状となり、操縦安定性が向上すると共に、ビードフィラーのタイヤ径方向外周側への長さを長くしビードコア周りの剛性を高くしても、このビードコアからタイヤ径方向外周側に離れて位置するフィラー先端位置近傍の局所的な変形が抑制されていることから、耐フラットスポット性の向上と共に十分な操縦安定性をも確保することができる。この結果、操縦安定性を維持しつつ耐フラットスポット性を向上させることができる。
請求項2に係る発明による空気入りタイヤによれば、前記所定範囲を設定する仮想円を、中心が中心基準点、半径が[タイヤ径方向高さ/30]≦半径≦[タイヤ径方向高さ/5]となるように設定することで、フィラー先端位置近傍にてカーカスラインの曲率を小さくする範囲が小さすぎてビードフィラーの先端部を含む局所的な変形の抑制効果が発揮できないことを防止することができると共に、曲率を小さくする範囲が広すぎて、空気入りタイヤとしての適正な形状が崩れてしまうことを防止することができる。
請求項3に係る発明による空気入りタイヤによれば、ビードフィラーを貯蔵弾性率の温度依存性が低いゴム組成物により構成することで、ビードフィラーにおける温度変化に伴った変形量が小さくなるので、永続的な残留歪(永久歪)の蓄積が抑制され、熱冷却の間にセットされる永久歪も結果的に低減することができ、よって、フラットスポットの発生率をさらに低くすることができる。
請求項4に係る発明による空気入りタイヤによれば、ガラス転移温度が100度未満の有機繊維の量が多すぎて、ベルト補強層に永続的な残留歪(永久歪)が蓄積されやすくなることを抑制することができ、耐フラットスポット性が悪化することを防止することができると共に、ガラス転移温度が100度以上の高剛性の有機繊維の量が多すぎて引張力に対して延びにくくなることが防止され、タイヤ成形時に空気入りタイヤが所定の形状にならないことを防止することができ、また荷重変形に対する耐久性が悪化することを防止することができる。
請求項5に係る発明による空気入りタイヤによれば、カーカス最外方位置を挟んでタイヤ径方向内周側にて第1サイド補強ベルトを設け、タイヤ径方向外周側にて第2サイド補強ベルトを設けたことで、第1サイド補強ベルトによりビードフィラーの変形を抑制し、ビードフィラーのフィラー先端位置近傍における永続的な残留歪(永久歪)の蓄積を抑制することができると共に、第2サイド補強ベルトによりタイヤ周方向剛性を高くすることができ、よって、操縦安定性を向上することができる。そして、荷重が作用した際に大きく屈曲して歪が集中し易いカーカス最外方位置近傍に補強層を設けない構成としたことで、このカーカス最外方位置M近傍を積極的に変形させて荷重を吸収することができるので、カーカス最外方位置近傍以外のタイヤ径方向内周側及びタイヤ径方向外周側におけるタイヤ変形量をさらに低減することができる。また、カーカス最外方位置でのカーカス層の変形に伴って第1サイド補強ベルト、第2サイド補強ベルトが一緒に変形してしまうことが防止され、この結果、ビードフィラーが一緒に変形してしまうことも防止される。このため、ビードフィラーのフィラー先端部がカーカス最外方位置におけるカーカス層の変形の影響を受けにくいことから、荷重依存性の少ない構成となり、よって、操縦安定性が向上すると共に耐フラットスポット性を向上することができる。
請求項6に係る発明による空気入りタイヤによれば、第1サイド補強ベルト、第2サイド補強ベルトの繊維コードが、2°≦[補強層の繊維コードとカーカス層の繊維コードとがなす角度]≦40°となるように設けられることから、前記角度が小さすぎて適正な補強効果が発揮できないことを防止することができると共に、前記角度が大きすぎてタイヤ周方向の剛性が低下し、変形歪を抑える効果が低下することを防止することができる。
請求項7に係る発明による空気入りタイヤによれば、第1サイド補強ベルトと第2サイド補強ベルトとは、10[mm]≦[各他端部の先端位置同士のタイヤ径方向の間隔]≦40[mm]となるように設けられることから、前記間隔が狭すぎて第1サイド補強ベルト、第2サイド補強ベルトがカーカス最外方位置におけるカーカス層の変形の影響を受けてしまうことを防止することができる。このため、ビードフィラーのフィラー先端部がカーカス最外方位置におけるカーカス層の変形の影響を受けてしまうことを防止することができると共に、前記間隔が広すぎて第1サイド補強ベルト、第2サイド補強ベルトによる補強面積が小さくなって補強効果が低下してしまうことを防止することができる。
請求項8に係る発明による空気入りタイヤによれば、第1サイド補強ベルトは、一端部の先端位置とフィラー基端位置との間隔が、5[mm]≦[一端部の先端位置とフィラー基端位置との間隔]≦10[mm]となるように設けられることから、前記間隔が狭すぎて、例えば、ビードコアを形成するビードワイヤと補強層端部間のゴム部材の局所ひずみが増加することを防止することができると共に、前記間隔が広すぎて一端部が剛性の高いビードコアから離間してしまい、この第1サイド補強ベルト全体が荷重に伴って変形してしまうことを防止することができ、補強層の効果を十分に発揮することができる。
請求項9に係る発明による空気入りタイヤによれば、第1サイド補強ベルトは、他端部の先端位置とフィラー先端位置との間隔が、3[mm]≦[他端部の先端位置とフィラー先端位置との間隔]≦30[mm]となるように設けられることから、前記間隔が狭すぎてビードフィラーのフィラー先端部の変形を抑制することができないことを防止しフィラー端部へのひずみの集中を防止することができると共に、前記間隔が広すぎて他端部の先端位置がカーカス最外方位置に近接してしまうことが防止され、カーカス最外方位置におけるカーカス層の変形の影響を受けてしまうことを防止することができる。
請求項10に係る発明による空気入りタイヤによれば、第2サイド補強ベルトの一端部の先端位置は、カーカス層とベルト層との間への入り込み量が、5[mm]≦[カーカス層とベルト層との間への入り込み量]≦50[mm]となるように設けられることから、前記入り込み量が小さすぎてタイヤ周方向剛性を高くすることができずに操縦安定性を向上することができないことを防止することができると共に、前記入り込み量が大きすぎて第2サイド補強ベルトの重量が増加しすぎてしまうことを防止することができる。
請求項11に係る発明による空気入りタイヤによれば、本発明をタイヤ幅方向の長さが比較的長い扁平率50%以下の空気入りタイヤに適用することで、より顕著に操縦安定性を維持した耐フラットスポット性の向上効果を奏することができるという利点がある。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る空気入りタイヤの赤道面を含む子午部分断面図、図2は、本発明の実施形態1に係る空気入りタイヤの要部を示す子午部分断面図である。
この空気入りタイヤ1は、図1に示すように、赤道面50を中心としてほぼ対称になるように構成される。ここで、赤道面50とは、回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1の幅の中心を通る平面である。以下の説明では、この空気入りタイヤ1は、赤道面50を中心としてほぼ対称になるように構成されることから、図1には赤道面50を中心として一方側のみを図示し、特に断りのない限り、当該一方側のみを説明し、他方側の説明はできるだけ省略する。
なお、以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、前記回転軸と直交する方向をいい、タイヤ周方向(図1参照)とは、前記回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。また、タイヤ幅方向内方とはタイヤ幅方向において赤道面50に向かう方向、タイヤ幅方向外方とは、タイヤ幅方向において赤道面50から離間する方向をいう。
この空気入りタイヤ1は、図1に示すように、トレッド面5を有するトレッド部6と、その両側に連続する左右のショルダー部7と、サイドウォール部8と、ビード部9から構成されている。さらに、この空気入りタイヤ1は、カーカス層10と、ベルト層11と、ベルト補強層12と、インナーライナ13と、ビードコア14とを備える。
トレッド面5は、トレッド溝5aと、このトレッド溝5aによって区画される陸部5bが設けられている。トレッド溝5aは、タイヤ周方向に連続して形成される主溝とタイヤ幅方向に延在する複数のラグ溝(不図示)を有する。トレッド面5は、トレッド溝5aと陸部5bとによりトレッドパターンが形成される。
カーカス層10は、ゴムで被覆されたカーカスコードにより形成されたカーカスプライ10aからなり、タイヤの骨格を形成するものである。このカーカスプライ10aは、赤道面50を中心としてトレッド部6の両側から左右のショルダー部7及びサイドウォール部8を介してビード部9まで延設されている。また、カーカスプライ10aのカーカスコードは、タイヤ周方向に対して略90度の角度をもって配列されている。そして、このカーカスプライ10aは、この空気入りタイヤ1に空気を充填した際に圧力容器としての役目を果たす強度メンバーであり、その内圧によって荷重を支え、走行中の動的荷重に耐える構造を持っている。
ここで、このカーカス層10にて、カーカスプライ10aのカーカスコードは、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、高弾性繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの繊維コードからなる。ポリエステル繊維は、単量体相互の結合部分が主としてエステル結合(−CO・O−)による長鎖状合成高分子からなる繊維であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、PEN(ポリエチレンナフタレート繊維)を用いればよい。レーヨン繊維は、例えば、強力ビスコースレーヨンが好ましいが、これに限定されるものではない。高弾性繊維は、例えば、ナイロンよりも高弾性率を有する繊維であり、アラミド、芳香族ポリアミド等の繊維を用いればよい。
ベルト層11は、タイヤ周方向に貼り付けられ、カーカス層10を補強するための層である。このベルト層11は、カーカス層10のタイヤ径方向外周側に配置される。このベルト層11は、タイヤ径方向内方から順に、ゴムで被覆されたベルトコードにより形成された1番ベルト11a、2番ベルト11bを有する。また、1番ベルト11aと2番ベルト11bとは、各々のベルトコードが互いに交差するように形成され、いわゆるクロスプライベルトとなって形成されている。そして、このベルト層11は、カーカス層10を締め付けてトレッド剛性を高めると共に、衝撃を緩和してトレッドに生じた外傷がカーカス層10に及ぶのを防止する。
ここで、このベルト層11にて、1番ベルト11a、2番ベルト11bのベルトコードは、高弾性繊維コード又はスチールコードからなる。高弾性繊維は、例えば、ナイロンよりも高弾性率を有する繊維であり、アラミド、芳香族ポリアミド等の繊維を用いればよい。スチールコードは、例えば、素線径0.1mmから0.4mmのスチールフィラメントを1本乃至複数本を撚り合わせたものを用いればよい。
ベルト補強層12は、ベルト層11をさらに補強するための層である。ベルト補強層12は、トレッド部6の表面であるトレッド面5とベルト層11との間に設けられる。すなわち、このベルト補強層12は、トレッド面5のタイヤ径方向内周側で、かつ、ベルト層11のタイヤ径方向外周側に配置される。このベルト補強層12は、タイヤ径方向内方から順に、ゴムで被覆された補強ベルトコードにより形成された1番補強ベルト12a、2番補強ベルト12bを有する。このベルト補強層12のタイヤ径方向外周側に、上述のトレッド部6のトレッド面5が形成されている。また、1番補強ベルト12aと2番補強ベルト12bは、各々の補強ベルトコードがタイヤ周方向に配されている。そして、このベルト補強層12は、ベルト層11を補強することで、タイヤ転動時における振動の発生を抑制して中域周波数のロードノイズを低減すると共に、ベルト層11の端部のせり上がり等を抑制してタイヤの高速耐久性、高速安定性を向上させる。なお、1番補強ベルト12a、2番補強ベルト12bの補強ベルトコードについては、後述で詳細に説明する。
ビードコア14は、ビード部9にて、空気入りタイヤ1の内圧によって発生するカーカス層10のコード張力を支えるものである。左右一対のビードコア14は、複数のビードワイヤを有し、このビードワイヤは、高剛性材としてのスチールワイヤにより構成される。一対のビードコア14は、このビードワイヤを連続して巻き付けてリング形状をなすことで形成されている。このビードコア14は、空気入りタイヤ1をホイールのリム(不図示)に固定させる役割を果たし、また、カーカス層10、ベルト層11、ベルト補強層12などと共に空気入りタイヤ1の強度部材として機能する。
そして、上述のカーカス層10は、カーカスプライ10aがビードコア14の周囲に空気入りタイヤ1の赤道面50側から外方に折り返され、このカーカス層10とビードコア14との空間にビードフィラー15が充填されることで、ビード部9が構成される。さらに具体的には、カーカスプライ10aは、カーカス本体部10bと、折返し部10cとを有する。カーカス本体部10bは、左右一対のビードコア14間に延設される。折返し部10cは、左右一対のビードコア14に対応して左右一対設けられ、カーカス本体部10bの両端部から各ビードコア14周りに巻き返されてタイヤ径方向外方に延設される。
つまり、カーカスプライ10aは、赤道面50に対して対称的に一対のビードコア14間に架け渡され、トレッド部6からサイドウォール部8を介してビード部9まで延設され、さらにビードフィラー15を介してビードコア14を赤道面50側から外方へ包み込むように巻き上げられる。ビードフィラー15は、ビードコア14のタイヤ径方向外周側にて、ビードコア14、カーカス本体部10b、折返し部10cにより区画される空間に充填されることで、カーカス層10のカーカスプライ10aをビードコア14に固定すると共に、この部分の形状を整え、ビード部9全体の剛性を高める。また、このカーカス層10の内側には、インナーライナ13がカーカス層10に沿って形成されている。
上記のように構成される空気入りタイヤ1を車両に装着して走行すると、トレッド面5が路面(図示省略)に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。このとき、空気入りタイヤ1では、トレッド面5には大きな荷重が作用する。ここで、本実施形態の空気入りタイヤ1は、扁平率が50%以下の空気入りタイヤ1として構成されている。この扁平率とは、図1に示すように、タイヤ幅Wに対するタイヤ高さSHを比率で表したものである。空気入りタイヤ1は、扁平率が低くなると、空気入りタイヤ1を横から見たときの厚さが薄くなり、トレッド面5の幅が広くなり、これに応じてベルト層11、ベルト補強層12の幅も広くなる。これにより、トレッド曲げ剛性が大きくなるので、コーナリングフォースが向上し、操縦安定性を向上することができる。
ところで、このような空気入りタイヤ1では、例えば、この空気入りタイヤ1を装着した車両が高速走行することで当該空気入りタイヤ1が発熱した状態でこの車両が停車し、空気入りタイヤ1の特定の領域が長期間にわたって路面に接しているような場合などに、いわゆるフラットスポットが発生するおそれがある。すなわち、空気入りタイヤ1が高速走行等により高温となった状態で所定時間停止すると、このタイヤの温度が低下する際に、空気入りタイヤ1が路面に接地する領域(接地面)は、車両の重量などの垂直荷重の影響によって変形し、この空気入りタイヤ1を構成するゴムや繊維コードが変形してタイヤに残留歪が発生するおそれがある。フラットスポットは、この残留歪によって形成される平坦部であり、このフラットスポットが発生すると、走行が開始されてもしばらくの間この変形が維持されるため、空気入りタイヤ1の周方向に対して形状の不均一が生ずることになるので、走行時に振動が発生して操縦安定性が低下してしまうおそれがある。
また、一方で操縦安定性の向上を図るために、例えば、ビードフィラーのタイヤ径方向外周側におけるフィラー先端位置をより外側に設けたり、スチール補強層等をビードコア周りに設けたりすることで、ビード部近傍の剛性を高めた場合、フィラー先端位置をより外側に設けたり、ビードコア周りの剛性を高くしたりしたがために、このビードコアからタイヤ径方向外周側に離れて位置するビードフィラーの先端部にて局所的な変形が生じやすくなる。このため、このビードフィラーの先端部の局所的な変形によりこのタイヤを構成するゴムや有機繊維が変形して耐フラットスポット性に影響を及ぼし、この結果、耐フラットスポット性が悪化するおそれがある。
そこで、本実施形態の空気入りタイヤ1では、図1、図2に示すように、ビードフィラー15の先端位置と、その近傍におけるカーカスプライ10aのカーカスライン曲率を適正に設定することで、操縦安定性を維持しつつ耐フラットスポット性の向上を図っている。
なお、以下の説明では、特に断りのない限り、各部の位置関係は、タイヤ子午線方向の断面視にて、空気入りタイヤ1を正規リムに組込んで正規荷重に対応した正規内圧を充填した状態で定義されるものとして説明する。なお、ここでいう正規リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、正規内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、正規荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
カーカス層10のカーカスプライ10aとビードフィラー15とは、図2に示すように、ビードフィラー15のタイヤ径方向外周側におけるフィラー先端位置15aと、カーカスプライ10aのカーカスライン10dのタイヤ幅方向外方側におけるカーカス最外方位置Mとのタイヤ径方向に沿った間隔L1が予め設定される所定範囲内に設定される。ここで、カーカスライン10dは、カーカス層10にて、最内方のカーカスプライ10aの断面厚さの中心を通る線である。したがって、荷重が作用した際に大きく屈曲して歪が集中し易いカーカス最外方位置Mから離間した位置にフィラー先端位置15aを設けることで、ビードフィラー15のフィラー先端位置15a近傍における永続的な残留歪(永久歪)の蓄積が抑制される。そして、空気入りタイヤ1の停止時における熱冷却の間にセットされる永久歪も結果的に低減することができ、よって、フラットスポットの発生が抑制される。また、ビードフィラー15のフィラー先端部がカーカス最外方位置Mにおけるカーカスプライ10aの変形の影響を受けにくいことから、荷重依存性の少ない形状となり、この結果、操縦安定性が向上する。
具体的には、カーカスプライ10aとビードフィラー15とは、間隔L1が10mm以上40mm以下の範囲に設定される。すなわち、カーカスプライ10aとビードフィラー15とは、10[mm]≦L1≦40[mm]となるように設けられる。これにより、フィラー先端位置15aとカーカス最外方位置Mとのタイヤ径方向に沿った間隔L1が10[mm]よりも広いので、間隔L1が狭すぎて、ビードフィラー15のフィラー先端部がカーカス最外方位置M近傍の変形の影響を受けることを防止することができる。一方、間隔L1が40[mm]よりも狭いので、間隔L1が広すぎて、言い換えれば、ビードフィラー15のタイヤ径方向外周側への長さが短すぎてビードコア14周りの剛性を十分に確保できずに操縦安定性が低下することを防止することができる。
さらに、カーカスプライ10aとビードフィラー15とは、フィラー先端位置15a近傍にて、カーカスライン10dの曲率を小さくし直線に近くなるように設定することで、カーカスプライ10aとビードフィラー15の先端部とが直線的に接するようになり、これにより、カーカスプライ10aとビードフィラー15との接触部分の変形を小さくし、ビードフィラー15の先端部を含む局所的な変形を抑制している。
具体的には、カーカスプライ10aとビードフィラー15の位置関係は、以下のようにして設定される。すなわち、図2に示すように、フィラー先端位置15aからタイヤ幅方向内方へタイヤ幅方向と平行に仮想される仮想線Aを設定し、この仮想線Aとカーカスライン10dとの交点を中心基準点COとする。
次に、カーカスライン10dにて、この中心基準点COからタイヤ径方向外周側及び内周側に対して予め設定される所定範囲内に位置する外周側基準点CA及び内周側基準点CBを設定する。具体的には、この所定範囲は仮想円Bにより設定される。仮想円Bは、中心が中心基準点CO、半径R1がタイヤ径方向のタイヤ高さSH(図1参照)の30分の1以上5分の1以下に設定される円である。すなわち、仮想円Bは、中心基準点COを中心とし、SH/30≦R1≦SH/5となるように設定され、外周側基準点CA及び内周側基準点CBは、この仮想円Bとカーカスライン10dとの交点として設定される。ここで、タイヤ高さSHは、ビード部9のタイヤ径方向内周側端部(すなわち、リムベース位置)から赤道面50とトレッド面5との交点であるセンタークラウンまでのタイヤ径方向に沿ったタイヤ断面高さである。
なお、ここで仮想円Bが設定する所定範囲は、フィラー先端位置15a近傍にて、カーカスライン10dの曲率を小さくする範囲に相当する。すなわち、仮想円Bを中心が中心基準点CO、半径R1がSH/30≦R1≦SH/5となるように設定することで、フィラー先端位置15a近傍にてカーカスライン10dの曲率を小さくする範囲がフィラー先端位置15aからSH/30までの範囲より広いので、当該範囲が小さすぎてビードフィラー15の先端部を含む局所的な変形の抑制効果が発揮できないことを防止することができる。一方、曲率を小さくする範囲がフィラー先端位置15aからSH/5までの範囲より狭いので、当該範囲が広すぎて、空気入りタイヤ1としての適正な形状が崩れてしまうことを防止することができる。
次に、カーカスライン10d上に特定された中心基準点CO、外周側基準点CA及び内周側基準点CBの3点を通るカーカスライン設定曲線Cを設定する。そして、このカーカスライン設定曲線Cにて、その半径R2がタイヤ高さSHの0.4倍より大きく0.7倍よりも小さい範囲に設定される。すなわち、カーカスプライ10aとビードフィラー15とは、SH×0.4<R2<SH×0.7となるように、カーカスライン10dとフィラー先端位置15aとの位置関係が設定される。カーカスライン設定曲線Cの半径R2がSH×0.4より大きいので、当該半径R2が小さすぎてフィラー先端位置15a近傍におけるカーカスライン10dの曲率が大きくなってしまうことを防止することができ、カーカスプライ10aとビードフィラー15の先端部との接触状態を直線的な接触として適正に保持することができる。一方、カーカスライン設定曲線Cの半径R2がSH×0.7より小さいので、当該半径R2が大きすぎて、空気入りタイヤ1としての適正な形状が崩れてしまうことを防止することができる。
上記のように構成される空気入りタイヤ1は、カーカスプライ10aとビードフィラー15とを、フィラー先端位置15a近傍にて、カーカスライン10dの曲率を小さくし直線に近くなるように設定することで、カーカスプライ10aとビードフィラー15の先端部とが直線的に接するようになる。このため、荷重が作用した際にカーカスプライ10aとビードフィラー15の先端部との接触部分の変形を小さくすることができ、耐フラットスポット性に対して影響が大きいビードフィラー15の先端部を含む局所的な変形が抑制される。そして、このビードフィラー15の先端部の局所的な変形が抑制されることから、ビードフィラー15のフィラー先端位置15a近傍における永続的な残留歪(永久歪)の蓄積が抑制される。この結果、空気入りタイヤ1の停止時における熱冷却の間にセットされる永久歪もさらに低減することができ、よって、フラットスポットの発生が確実に抑制される。また、例えば、ビードフィラー15のタイヤ径方向外周側への長さを長くしビードコア14周りの剛性を高くしても、このビードコア14からタイヤ径方向外周側に離れて位置するフィラー先端位置15a近傍の局所的な変形が抑制されていることから、耐フラットスポット性の向上と共に十分な操縦安定性をも確保することができる。
ここで、本実施例の空気入りタイヤ1では、ビードフィラー15は、温度20度で測定した貯蔵弾性率E20に対する温度100度で測定した貯蔵弾性率E100の保持率が60パーセント以上であるゴム組成物からなる。ここで、貯蔵弾性率は、ゴムの特性を示すパラメータであり、歪によって蓄えられたエネルギーの尺度である。ここでは、貯蔵弾性率E20及び貯蔵弾性率E100は、(株)東洋精機製作所製、粘弾性スペクトロメーターを用いて、静的歪1%、動的歪0.5%、周波数20Hzで測定した値にて、E100/E20×100≧60%を満たすゴム組成物をビードフィラー15として用いる。ビードフィラー15は、例えば、高シスブタジエンゴム(BR)と高結晶性シンジオタクチックポリブタジエンの重合体ゴム(VCR;ビニル・シスブタジエンゴム)などを用い、樹脂分や可塑剤の配合を低減することで得られる。
例えば、走行時に空気入りタイヤ1の温度上昇に伴って、ビードフィラー15の温度も上昇する(例えば、100℃)ことから、このビードフィラー15がやわらかくなって変形する。その後、空気入りタイヤ1が停止し冷却されビードフィラー15が固まったとき(例えば、20℃)に、この高温時と低温時との貯蔵弾性率の差が大きいと、ビードフィラー15の歪量が大きくなって変形量が大きくなってしまうおそれがあるが、本実施例のように、ビードフィラー15として、E100/E20×100≧60%を満たすゴム組成物、言い換えれば、貯蔵弾性率の温度依存性が低いゴム組成物を用いることで、高温から低温への温度変化(例えば、100→20℃)に伴った変形量が小さくなるので、ビードフィラー15における永続的な残留歪(永久歪)の蓄積が抑制される。そして、空気入りタイヤ1の停止時における熱冷却の間にセットされる永久歪も結果的に低減することができ、よって、フラットスポットの発生率をさらに低くすることができる。
また、ベルト補強層12にて、1番補強ベルト12a、2番補強ベルト12bの補強ベルトコードは、75重量パーセント以上90重量パーセント以下を、ガラス転移温度Tgが100度以上の有機繊維コードにより構成される。つまり、1番補強ベルト12a、2番補強ベルト12bの補強ベルトコードは、75重量パーセント以上90重量パーセント以下が、100度以上のガラス転移温度Tgを有する有機繊維コードからなる。ここで、ガラス転移温度Tgは、例えば、高分子物質を加熱した場合にガラス状の硬い状態からゴム状に変わる現象、すなわち、ガラス転移がおこる温度であり、通常、高分子はこのガラス転移温度Tg以下の温度で適正な性能を発揮しうる。ガラス転移温度Tgが100度以上の有機繊維としては、例えば、ポリエチレンナフタレート繊維、レーヨン繊維、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール繊維などを用いることができる。ここでは、例えば、アラミド繊維1670[dtex(繊度;1000m当りの糸の重量を表す単位)] の2本撚りのコードと、ナイロン繊維940[dtex] の1本撚りのコードとで1本の撚りコード(1670/2Aramid 940Nylon)をつくり、この撚りコードにより1番補強ベルト12a、2番補強ベルト12bの補強ベルトコードを構成する。
すなわち、1番補強ベルト12a、2番補強ベルト12bの補強ベルトコードの75重量パーセント以上を、ガラス転移温度Tgが100度以上の有機繊維コードにより構成するので、例えば、ガラス転移温度Tgが100度未満の有機繊維(例えば、通常のナイロン繊維)の量が多すぎて、ベルト補強層12に永続的な残留歪(永久歪)が蓄積されやすくなることを抑制することができ、耐フラットスポット性が悪化することを防止することができる。一方、補強ベルトコードの90重量パーセント以下を、ガラス転移温度Tgが100度以上の有機繊維コードにより構成するので、例えば、ガラス転移温度Tgが100度未満の有機繊維の量が少なすぎて、言い換えれば、ガラス転移温度Tgが100度以上の高剛性の有機繊維の量が多すぎて引張力に対して延びにくくなることが防止され、タイヤ成形時に空気入りタイヤが所定の形状にならないことを防止することができ、また荷重変形に対する耐久性が悪化することを防止することができる。
以上で説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、高弾性繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの繊維コードからなり、一対のビードコア14のタイヤ径方向外周側にビードフィラー15を介してこのビードコア14周りにタイヤ幅方向内方から外方に巻き返されて架け渡されるカーカス層10と、高弾性繊維コード又はスチールコードからなりカーカス層10のタイヤ径方向外周に設けられるベルト層11と、有機繊維コードからなりベルト層11のタイヤ径方向外周に設けられるベルト補強層12とを有する空気入りタイヤ1において、カーカス層10とビードフィラー15とは、タイヤを正規リムに組込んで正規荷重に対応した正規内圧を充填した状態でタイヤ子午線方向の断面視にて、このビードフィラーのタイヤ径方向外周側におけるフィラー先端位置15aと、このカーカス層10のカーカスライン10dのタイヤ幅方向外方側におけるカーカス最外方位置Mとのタイヤ径方向に沿った間隔L1が10mm以上40mm以下の範囲に設定され、かつ、フィラー先端位置15aからタイヤ幅方向内方へタイヤ幅方向と平行に仮想される仮想線Aとカーカスライン10dとの交点である中心基準点COと、カーカスライン10dにてこの中心基準点COからタイヤ径方向外周側及び内周側に対して予め設定される所定範囲内に位置する外周側基準点CA及び内周側基準点CBとを通るカーカスライン設定曲線Cの半径R2がタイヤ径方向高さの0.4倍より大きく0.7倍よりも小さい範囲に設定される。
したがって、荷重が作用した際に大きく屈曲して歪が集中し易いカーカス最外方位置Mから離間した位置にフィラー先端位置15aを設けることで、ビードフィラー15のフィラー先端位置15a近傍における永続的な残留歪(永久歪)の蓄積が抑制される。さらに、カーカスプライ10aとビードフィラー15とを、フィラー先端位置15a近傍にて、カーカスライン10dの曲率を小さくし直線に近くなるように設定することで、カーカスプライ10aとビードフィラー15の先端部とが直線的に接するようになる。このため、荷重が作用した際にカーカスプライ10aとビードフィラー15の先端部との接触部分の変形を小さくすることができ、耐フラットスポット性に対して影響が大きいビードフィラー15の先端部を含む局所的な変形が抑制される。このため、空気入りタイヤ1の熱冷却の間にセットされる永久歪を低減することができ、フラットスポットの発生を確実に抑制することができる。また、ビードフィラー15のフィラー先端部がカーカス最外方位置Mにおけるカーカスプライ10aの変形の影響を受けにくいことから、荷重依存性の少ない形状となり、操縦安定性が向上すると共にビードフィラー15のタイヤ径方向外周側への長さを長くしビードコア14周りの剛性を高くしても、このビードコア14からタイヤ径方向外周側に離れて位置するフィラー先端位置15a近傍の局所的な変形が抑制されていることから、耐フラットスポット性の向上と共に十分な操縦安定性をも確保することができる。この結果、操縦安定性を維持しつつ耐フラットスポット性を向上させることができる。
さらに、以上で説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、前記所定範囲は、中心が中心基準点CO、半径R2がタイヤ径方向高さSHの30分の1以上5分の1以下に仮想される仮想円Bにより設定され、外周側基準点CA及び内周側基準点CBは、仮想円Bとカーカスライン10dとの交点により設定される。したがって、前記所定範囲を設定する仮想円Bを、中心が中心基準点CO、半径R1がSH/30≦R1≦SH/5となるように設定することで、フィラー先端位置15a近傍にてカーカスライン10dの曲率を小さくする範囲が小さすぎてビードフィラー15の先端部を含む局所的な変形の抑制効果が発揮できないことを防止することができると共に、曲率を小さくする範囲が広すぎて、空気入りタイヤ1としての適正な形状が崩れてしまうことを防止することができる。
さらに、以上で説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、ビードフィラー15は、温度20度で測定した貯蔵弾性率E20に対する温度100度で測定した貯蔵弾性率E100の保持率が60パーセント以上であるゴム組成物からなる。したがって、ビードフィラー15をE100/E20×100≧60%を満たす貯蔵弾性率の温度依存性が低いゴム組成物により構成することで、ビードフィラー15における温度変化に伴った変形量が小さくなるので、永続的な残留歪(永久歪)の蓄積が抑制され、空気入りタイヤ1の停止時における熱冷却の間にセットされる永久歪も結果的に低減することができ、よって、フラットスポットの発生率をさらに低くすることができる。
さらに、以上で説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、ベルト補強層12の補強ベルトコード(有機繊維コード)は、75重量パーセント以上90重量パーセント以下を、ガラス転移温度が100度以上の有機繊維により構成される。したがって、例えば、ガラス転移温度Tgが100度未満の有機繊維の量が多すぎて、ベルト補強層12に永続的な残留歪(永久歪)が蓄積されやすくなることを抑制することができ、耐フラットスポット性が悪化することを防止することができると共に、ガラス転移温度Tgが100度以上の高剛性の有機繊維の量が多すぎて引張力に対して延びにくくなることが防止され、タイヤ成形時に空気入りタイヤが所定の形状にならないことを防止することができ、また荷重変形に対する耐久性が悪化することを防止することができる。
さらに、以上で説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ1によれば、扁平率が50%以下である。したがって、上記で説明した構成をタイヤ幅方向の長さが比較的長い扁平率50%以下の空気入りタイヤに適用することで、より顕著に操縦安定性を維持した耐フラットスポット性の向上効果を奏することができるという利点がある。
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2に係る空気入りタイヤの赤道面を含む子午部分断面図、図4は、本発明の実施形態2に係る空気入りタイヤのカーカス層と分割サイド補強層との積層構造を示す平面図である。実施形態2に係る空気入りタイヤは、実施形態1に係る空気入りタイヤと略同様の構成であるが、さらに、補強層としての分割サイド補強層を備える点で実施形態1に係る空気入りタイヤとは異なる。その他、上述した実施形態と共通する構成、作用、効果については、重複した説明はできるだけ省略するとともに、同一の符号を付す。
実施形態2に係る空気入りタイヤ201は、図3に示すように、さらに、補強層としての分割サイド補強層220を備える。この分割サイド補強層220は、第1サイド補強ベルト221と第2サイド補強ベルト222とにより構成される。
第1サイド補強ベルト221は、一端部221aがビードフィラー15とタイヤ幅方向内方のカーカス層10、すなわち、カーカスプライ10aのカーカス本体部10bとの間に設けられ、他端部221bがカーカス最外方位置Mよりタイヤ径方向内周側に設けられる。一方、第2サイド補強ベルト222は、一端部222aがカーカス層10とベルト層11との間、すなわち、カーカスプライ10aのカーカス本体部10bとベルト層11の1番ベルト11aとの間に設けられ、他端部222bがカーカス最外方位置Mよりタイヤ径方向外周側に設けられる。したがって、分割サイド補強層220は、カーカス最外方位置Mを挟んでタイヤ径方向内周側にて第1サイド補強ベルト221が設けられる一方、タイヤ径方向外周側にて第2サイド補強ベルト222が設けられ、荷重が作用した際に大きく屈曲して歪が集中し易いカーカス最外方位置M近傍にて、第1サイド補強ベルト221と第2サイド補強ベルト222とがタイヤ径方向に間隔L2をあけて設けられる。
また、この分割サイド補強層220の第1サイド補強ベルト221、第2サイド補強ベルト222は、ゴムで被覆されたサイド補強ベルトコードにより形成される。第1サイド補強ベルト221、第2サイド補強ベルト222のサイド補強ベルトコードは、カーカスプライ10aのカーカスコードと同様に、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、高弾性繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの繊維コードからなる。さらに、ここでは、第1サイド補強ベルト221、第2サイド補強ベルト222のサイド補強ベルトコードは、カーカスプライ10aのカーカスコードに対して所定角度をもって設けられる。
具体的には、図4に示すように、カーカスプライ10aは、複数のカーカスコード10Aを母材10B(コーティングゴム等)により被覆することで形成されている。そして、カーカスプライ10aのカーカスコード10Aは、上述したように、タイヤ周方向に対して略90度の角度をもって配列されている。
一方、第1サイド補強ベルト221、第2サイド補強ベルト222は、各々、複数のサイド補強ベルトコード221A、222Aを母材221B、222B(コーティングゴム等)により被覆することで形成されている。そして、第1サイド補強ベルト221、第2サイド補強ベルト222のサイド補強ベルトコード221A、222Aは、カーカスプライ10aのカーカスコード10Aに対して所定角度θをもって設けられる。ここで、この所定角度θは、好ましくは、2度以上40度以下の範囲に設定される。なおここで、所定角度θは、カーカスコード10Aに対する鋭角側の角度である。
上記のように構成される空気入りタイヤ201は、カーカス最外方位置Mを挟んでタイヤ径方向内周側にて第1サイド補強ベルト221を設け、タイヤ径方向外周側にて第2サイド補強ベルト222を設けたことで、第1サイド補強ベルト221によりビードフィラー15の変形を抑制しビードフィラー15のフィラー先端位置15a近傍における永続的な残留歪(永久歪)の蓄積を抑制することができると共に、第2サイド補強ベルト222によりタイヤ周方向剛性を高くすることができ、よって、操縦安定性を向上することができる。
そして、カーカス最外方位置M近傍にて、第1サイド補強ベルト221と第2サイド補強ベルト222とがタイヤ径方向に間隔L2をあけて設け、荷重が作用した際に大きく屈曲して歪が集中し易いカーカス最外方位置M近傍に分割サイド補強層220を設けない構成としたことで、このカーカス最外方位置M近傍を積極的に変形させて荷重を吸収することができるので、カーカス最外方位置M近傍以外のタイヤ径方向内周側及びタイヤ径方向外周側におけるカーカスプライ10aなどの変形量をさらに低減することができる。つまり、分割サイド補強層220にて、第1サイド補強ベルト221と第2サイド補強ベルト222とが分割されていることで、カーカス最外方位置Mでのカーカスプライ10aの変形に伴って第1サイド補強ベルト221、第2サイド補強ベルト222が一緒に変形してしまうことが防止され、この結果、ビードフィラー15が一緒に変形してしまうことも防止される。
このとき、第1サイド補強ベルト221、第2サイド補強ベルト222のサイド補強ベルトコード221A、222Aが、2°≦θ≦40°となるように設けられることから、サイド補強ベルトコード221A、222Aとカーカスコード10Aとがなす角度θが2°よりも大きいので、この角度θが小さすぎて第1サイド補強ベルト221、第2サイド補強ベルト222とカーカスコード10Aとがほぼ平行になってしまい、適正な補強効果が発揮できないことを防止することができる。一方、角度θが40°よりも小さいので、この角度θが大きすぎてタイヤ周方向の剛性が低下し、変形歪を抑える効果が低下することを防止することができる。
ここで、第1サイド補強ベルト221は、一端部221aの先端位置がビードフィラー15のタイヤ径方向内周側におけるフィラー基端位置15bからタイヤ径方向外周側に5mm以上10mm以下の範囲に設定される。すなわち、第1サイド補強ベルト221は、一端部221aの先端位置とフィラー基端位置15bとの間隔L3が、5[mm]≦L3≦10[mm]となるように設けられる。これにより、第1サイド補強ベルト221の一端部221aの先端位置とフィラー基端位置15bとの間隔L3が5[mm]よりも広いので、間隔L3が狭すぎてビードコア14を形成するビードワイヤと補強層端部間のゴム部材の局所ひずみが増加することを防止することができる。一方、間隔L3が10[mm]よりも狭いので、間隔L3が広すぎて第1サイド補強ベルト221の一端部221aが剛性の高いビードコア14から離間してしまい、この第1サイド補強ベルト221全体が荷重に伴って変形してしまうことを防止することができ、分割サイド補強層220の効果を十分に発揮することができる。
また、第1サイド補強ベルト221は、他端部221bの先端位置がフィラー先端位置15aからタイヤ径方向外周側に3mm以上30mm以下の範囲に設定される。すなわち、第1サイド補強ベルト221は、他端部221bの先端位置とフィラー先端位置15aとの間隔L4が、3[mm]≦L4≦30[mm]となるように設けられる。これにより、第1サイド補強ベルト221の他端部221bの先端位置とフィラー先端位置15aとの間隔L4が3[mm]よりも広いので、間隔L4が狭すぎてビードフィラー15のフィラー先端部の変形を抑制することができないことを防止しフィラー先端へのひずみの集中を防止することができる。一方、間隔L4が30[mm]よりも狭いので、間隔L4が広すぎて他端部221bの先端位置がカーカス最外方位置Mに近接してしまうことが防止され、カーカス最外方位置Mにおけるカーカスプライ10aの変形の影響を受けてしまうことを防止することができる。
一方、第2サイド補強ベルト222は、一端部222aの先端位置のカーカス層10とベルト層11との間へのタイヤ幅方向の入り込み量L5が5mm以上50mm以下の範囲に設定される。すなわち、第2サイド補強ベルト222の一端部222aの先端位置は、カーカス層10とベルト層11との間への入り込み量L5が、5[mm]≦L5≦50[mm]となるように設けられる。これにより、第2サイド補強ベルト222は、一端部222aの先端位置の入り込み量L5が5[mm]よりも大きいので、入り込み量L5が小さすぎてタイヤ周方向剛性を高くすることができずに操縦安定性を向上することができないことを防止することができる。一方、入り込み量L5が50[mm]よりも小さいので、入り込み量L5が大きすぎて第2サイド補強ベルト222の重量が増加しすぎてしまうことを防止することができる。
そして、分割サイド補強層220は、全体として、第1サイド補強ベルト221における他端部221bの先端位置と第2サイド補強ベルト222における他端部222bの先端位置とのタイヤ径方向の間隔L2が10mm以上40mm以下の範囲に設定される。すなわち、第1サイド補強ベルト221と第2サイド補強ベルト222とは、10[mm]≦L2≦40[mm]となるように設けられる。これにより、第1サイド補強ベルト221と第2サイド補強ベルト222とのタイヤ径方向に沿った間隔L2が10[mm]よりも広いので、間隔L2が狭すぎてビードフィラー15のフィラー先端部が第1サイド補強ベルト221を介してカーカス最外方位置Mにおけるカーカスプライ10aの変形の影響を受けてしまうことを防止することができる。一方、間隔L2が40[mm]よりも狭いので、間隔L2が広すぎて第1サイド補強ベルト221、第2サイド補強ベルト222による補強面積が小さくなって補強効果が低下してしまうことを防止することができる。
以上で説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ201によれば、カーカス最外方位置Mから離間した位置にフィラー先端位置15aを設けることで、ビードフィラー15のフィラー先端位置15a近傍における永続的な残留歪(永久歪)の蓄積が抑制される。さらに、カーカスプライ10aとビードフィラー15とを、フィラー先端位置15a近傍にて、カーカスライン10dの曲率を小さくし直線に近くなるように設定することで、荷重が作用した際にカーカスプライ10aとビードフィラー15の先端部との接触部分の変形を小さくすることができ、耐フラットスポット性に対して影響が大きいビードフィラー15の先端部を含む局所的な変形が抑制される。また、ビードフィラー15のフィラー先端部が荷重依存性の少ない形状となり、操縦安定性が向上すると共に、ビードフィラー15のタイヤ径方向外周側への長さを長くしビードコア14周りの剛性を高くしてもフィラー先端位置15a近傍の局所的な変形が抑制されていることから、耐フラットスポット性の向上と共に十分な操縦安定性をも確保することができる。この結果、操縦安定性を維持しつつ耐フラットスポット性を向上させることができる。
さらに、以上で説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ201によれば、カーカス層10のカーカスコード10Aに対して所定角度θをもって設けられるポリエステル繊維、レーヨン繊維、高弾性繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの繊維コードとしてのサイド補強ベルトコード221A、222Aからなると共に、一端部221aがビードフィラー15とタイヤ幅方向内方のカーカス層10との間に設けられ他端部221bがカーカス最外方位置Mよりタイヤ径方向内周側に設けられる第1サイド補強ベルト221と、一端部222aがカーカス層10とベルト層11との間に設けられ他端部222bがカーカス最外方位置Mよりタイヤ径方向外周側に設けられる第2サイド補強ベルト222とを有する分割サイド補強層220を備える。
したがって、カーカス最外方位置Mを挟んでタイヤ径方向内周側にて第1サイド補強ベルト221を設け、タイヤ径方向外周側にて第2サイド補強ベルト222を設けたことで、第1サイド補強ベルト221によりビードフィラー15の変形を抑制し、ビードフィラー15のフィラー先端位置15a近傍における永続的な残留歪(永久歪)の蓄積を抑制することができると共に、第2サイド補強ベルト222によりタイヤ周方向剛性を高くすることができ、よって、操縦安定性を向上することができる。そして、荷重が作用した際に大きく屈曲して歪が集中し易いカーカス最外方位置M近傍に分割サイド補強層220を設けない構成としたことで、このカーカス最外方位置M近傍を積極的に変形させて荷重を吸収することができるので、カーカス最外方位置M近傍以外のタイヤ径方向内周側及びタイヤ径方向外周側におけるカーカスプライ10aなどの変形量をさらに低減することができる。また、カーカス最外方位置Mでのカーカスプライ10aの変形に伴って第1サイド補強ベルト221、第2サイド補強ベルト222が一緒に変形してしまうことが防止され、この結果、ビードフィラー15が一緒に変形してしまうことも防止される。このため、ビードフィラー15のフィラー先端部がカーカス最外方位置Mにおけるカーカスプライ10aの変形の影響を受けにくいことから、荷重依存性の少ない構成となり、よって、操縦安定性が向上すると共に耐フラットスポット性を向上することができる。
さらに、以上で説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ201によれば、分割サイド補強層220は、前記所定角度θが2度以上40度以下の範囲に設定される。したがって、第1サイド補強ベルト221、第2サイド補強ベルト222のサイド補強ベルトコード221A、222Aが、2°≦θ≦40°となるように設けられることから、角度θが小さすぎて適正な補強効果が発揮できないことを防止することができると共に、角度θが大きすぎてタイヤ周方向の剛性が低下し、変形歪を抑える効果が低下することを防止することができる。
さらに、以上で説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ201によれば、分割サイド補強層220は、第1サイド補強ベルト221における他端部221bの先端位置と第2サイド補強ベルト222における他端部222bの先端位置とのタイヤ径方向の間隔L2が10mm以上40mm以下の範囲に設定される。したがって、第1サイド補強ベルト221と第2サイド補強ベルト222とは、10[mm]≦L2≦40[mm]となるように設けられることから、間隔L2が狭すぎてビードフィラー15のフィラー先端部がカーカス最外方位置Mにおけるカーカスプライ10aの変形の影響を受けてしまうことを防止することができると共に、間隔L2が広すぎて第1サイド補強ベルト221、第2サイド補強ベルト222による補強面積が小さくなって補強効果が低下してしまうことを防止することができる。
さらに、以上で説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ201によれば、第1サイド補強ベルト221は、一端部221aの先端位置がビードフィラー15のタイヤ径方向内周側におけるフィラー基端位置15bからタイヤ径方向外周側に5mm以上10mm以下の範囲に設定される。したがって、第1サイド補強ベルト221は、一端部221aの先端位置とフィラー基端位置15bとの間隔L3が、5[mm]≦L3≦10[mm]となるように設けられることから、間隔L3が狭すぎてビードコア14を形成するビードワイヤと補強層端部間のゴム部材の局所ひずみが増加することを防止することができると共に、間隔L3が広すぎて一端部221aが剛性の高いビードコア14から離間してしまい、この第1サイド補強ベルト221全体が荷重に伴って変形してしまうことを防止することができ、分割サイド補強層220の効果を十分に発揮することができる。
さらに、以上で説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ201によれば、第1サイド補強ベルト221は、他端部221bの先端位置がフィラー先端位置15aからタイヤ径方向外周側に3mm以上30mm以下の範囲に設定される。したがって、第1サイド補強ベルト221は、他端部221bの先端位置とフィラー先端位置15aとの間隔L4が、3[mm]≦L4≦30[mm]となるように設けられることから、間隔L4が狭すぎてビードフィラー15のフィラー先端部の変形を抑制することができないことを防止することができると共に、間隔L4が広すぎて他端部221bの先端位置がカーカス最外方位置Mに近接してしまうことが防止され、カーカス最外方位置Mにおけるカーカスプライ10aの変形の影響を受けてしまうことを防止することができる。
さらに、以上で説明した本実施形態に係る空気入りタイヤ201によれば、第2サイド補強ベルト222は、一端部222aの先端位置のカーカス層10とベルト層11との間へのタイヤ幅方向の入り込み量L5が5mm以上50mm以下の範囲に設定される。したがって、第2サイド補強ベルト222の一端部222aの先端位置は、カーカス層10とベルト層11との間への入り込み量L5が、5[mm]≦L5≦50[mm]となるように設けられることから、入り込み量L5が小さすぎてタイヤ周方向剛性を高くすることができずに操縦安定性を向上することができないことを防止することができると共に、入り込み量L5が大きすぎて第2サイド補強ベルト222の重量が増加しすぎてしまうことを防止することができる。
図5は、本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図である。本図を参照して本発明の実施例を説明する。以上で説明した実施形態に係る空気入りタイヤ1、201を試作し、該空気入りタイヤ1、201と従来の空気入りタイヤとの性能の評価試験を実施した。性能評価試験は、耐フラットスポット性と操縦安定性の2項目について行なった。この性能試験では、タイヤサイズ295/35ZR18の空気入りタイヤをJATMA規定の正規リムに装着し、この空気入りタイヤに正規内圧および正規荷重を負荷して実施した。
各試験項目の評価方法は、耐フラットスポット性については、最初に、タイヤユニフォーミティを、JASO C607「自動車用タイヤのユニフォーミティ試験方法」に準拠して測定し、時速150km/hで30分予備走行後に、荷重を負荷した状態で1時間ドラム停止する。その後、再び、タイヤユニフォーミティを測定し、ラジアルフォースバリエーションの予備走行前後の差ΔRFVを評価指標とする。このsg、差ΔRFVが小さいほど、耐フラットスポット性に優れる。ここでは、評価結果は、後述する比較例1の評価結果を100とする指数で示し、指数が大きいほど、耐フラットスポット性が優れていることを示している。
操縦安定性については、試験を行なう空気入りタイヤ1を国産2.5リットルクラスの車両に装着し、この車両でテストコースを走行することによって行なった。試験の評価は、ドライバーによる官能評価によって行なった。評価結果は、後述する比較例1の評価結果を100とする指数で示し、指数が大きいほど、操縦安定性が優れていることを示している。
本実施例では、図5に示すように、本発明と比較する比較例として1種類、本発明の実施例として10種類を、上記の方法で試験する。「実施例1」から「実施例10」に示す空気入りタイヤは、上述のように、カーカス最外方位置Mとフィラー先端位置15aと間隔L1を適正に確保すると共に、フィラー先端位置15aの近傍におけるカーカスプライ10aのカーカスライン曲率(1/R2)を直線に近づけることで、ビードフィラー15とカーカスプライ10aとの位置関係を適正に設定している。これに対し、「比較例1」に示す空気入りタイヤは、ビードフィラー15とカーカスプライ10aとの位置関係が適正な位置関係からずらされている。
また、「実施例3」から「実施例10」に示す空気入りタイヤは、E100/E20×100≧60%を満たすゴム組成物(VCR)をビードフィラー15として用いる。さらに、「実施例4」から「実施例10」に示す空気入りタイヤは、ベルト補強層12の補強ベルトコードを1670dtexのアラミド繊維2本と940dtexのナイロン繊維1本とを撚り合わせた複合コードにより構成し、この補強ベルトコードの78重量パーセントを、ガラス転移温度Tg≧100℃の有機繊維により構成している。
加えて、「実施例5」から「実施例10」に示す空気入りタイヤは、さらに、分割サイド補強層220を備えると共に、この「実施例5」から「実施例10」にて、サイド補強ベルトコード221A、222Aとカーカスコード10Aとの角度θ、第1サイド補強ベルト221と第2サイド補強ベルト222との間隔L2、第1サイド補強ベルト221の先端位置とフィラー基端位置15bとの間隔L3、第1サイド補強ベルト221の先端位置とフィラー先端位置15aとの間隔L4、第2サイド補強ベルト222の先端位置の入り込み量L5などを異ならせている。
この図5から明らかなように、「実施例1」から「実施例10」に示す空気入りタイヤは、ビードフィラー15とカーカスプライ10aとが、10[mm]≦L1≦50[mm]、SH×0.4<R2<SH×0.7を満たすように設けられていることから、「比較例1」と比べて、いずれも操縦安定性を維持しつつ、耐フラットスポット性を向上させることができている。
また、「実施例3」から「実施例10」に示す空気入りタイヤは、E100/E20×100≧60%を満たすゴム組成物(VCR)をビードフィラー15として用いていることから、このビードフィラー15における温度依存性が少なくなり、これに伴った剛性変化が少なくなっているため、操縦安定性と耐フラットスポット性とを共に向上させることができている。
さらに、「実施例4」から「実施例10」に示す空気入りタイヤは、ベルト補強層12の補強ベルトコードを1670dtexのアラミド繊維2本と940dtexのナイロン繊維1本とを撚り合わせた複合コードにより構成し、この補強ベルトコードの78重量パーセントを、ガラス転移温度Tg≧100℃の有機繊維により構成していることから、補強ベルトコードの重量分布が適正に設定されているため、耐フラットスポット性をさらに向上させることができている。
また、「実施例5」から「実施例10」に示す空気入りタイヤは、分割サイド補強層220を備えることから、タイヤ周方向剛性が上がると共にビードフィラー15のフィラー先端位置15a近傍の変形も抑制されているため、操縦安定性と耐フラットスポット性とを共に向上させることができている。また、サイド補強ベルトコード221A、222Aとカーカスコード10Aとの角度θ、第1サイド補強ベルト221と第2サイド補強ベルト222との間隔L2、第1サイド補強ベルト221の先端位置とフィラー基端位置15bとの間隔L3、第1サイド補強ベルト221の先端位置とフィラー先端位置15aとの間隔L4、第2サイド補強ベルト222の先端位置の入り込み量L5などが適正化されることにより、空気入りタイヤの操縦安定性と耐フラットスポット性とを維持、あるいは向上することができていることを示している。
以上のように、本発明に係る空気入りタイヤは、操縦安定性を維持しつつ耐フラットスポット性を向上させるものであり、扁平率が50%以下の空気入りタイヤに適用して有用である。
本発明の実施形態1に係る空気入りタイヤの赤道面を含む子午部分断面図である。 本発明の実施形態1に係る空気入りタイヤの要部を示す子午部分断面図である。 本発明の実施形態2に係る空気入りタイヤの赤道面を含む子午部分断面図である。 本発明の実施形態2に係る空気入りタイヤのカーカス層と分割サイド補強層との積層構造を示す平面図である。 本発明の実施例に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図である。
符号の説明
1、201 空気入りタイヤ
5 トレッド面
6 トレッド部
7 ショルダー部
8 サイドウォール部
9 ビード部
10 カーカス層
10A カーカスコード
10a カーカスプライ
10b カーカス本体部
10c 折返し部
10d カーカスライン
11 ベルト層
12 ベルト補強層
13 インナーライナ
14 ビードコア
15 ビードフィラー
15a フィラー先端位置
15b フィラー基端位置
50 赤道面
220 分割サイド補強層(補強層)
221 第1サイド補強ベルト
222 第2サイド補強ベルト
221A、222A サイド補強ベルトコード
A 仮想線
B 仮想円
C カーカスライン設定曲線
CA 外周側基準点
CB 内周側基準点
CO 中心基準点

Claims (11)

  1. ポリエステル繊維、レーヨン繊維、高弾性繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの繊維コードからなり、一対のビードコアのタイヤ径方向外周側にビードフィラーを介して該ビードコア周りにタイヤ幅方向内方から外方に巻き返されて架け渡されるカーカス層と、高弾性繊維コード又はスチールコードからなり前記カーカス層のタイヤ径方向外周に設けられるベルト層と、有機繊維コードからなり前記ベルト層のタイヤ径方向外周に設けられるベルト補強層とを有する空気入りタイヤにおいて、
    前記カーカス層と前記ビードフィラーとは、タイヤを正規リムに組込んで正規荷重に対応した正規内圧を充填した状態でタイヤ子午線方向の断面視にて、
    該ビードフィラーのタイヤ径方向外周側におけるフィラー先端位置と、該カーカス層のカーカスラインのタイヤ幅方向外方側におけるカーカス最外方位置とのタイヤ径方向に沿った間隔が10mm以上40mm以下の範囲に設定され、かつ、
    前記フィラー先端位置からタイヤ幅方向内方へタイヤ幅方向と平行に仮想される仮想線と前記カーカスラインとの交点である中心基準点と、前記カーカスラインにて該中心基準点からタイヤ径方向外周側及び内周側に対して予め設定される所定範囲内に位置する外周側基準点及び内周側基準点とを通るカーカスライン設定曲線の半径が前記タイヤ径方向高さの0.4倍より大きく0.7倍よりも小さい範囲に設定されることを特徴とする、
    空気入りタイヤ。
  2. 前記所定範囲は、中心が前記中心基準点、半径がタイヤ径方向高さの30分の1以上5分の1以下に仮想される仮想円により設定され、
    前記外周側基準点及び前記内周側基準点は、前記仮想円と前記カーカスラインとの交点により設定されることを特徴とする、
    請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ビードフィラーは、温度20度で測定した貯蔵弾性率に対する温度100度で測定した貯蔵弾性率の保持率が60パーセント以上であるゴム組成物からなることを特徴とする、
    請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ベルト補強層の前記有機繊維コードは、75重量パーセント以上90重量パーセント以下を、ガラス転移温度が100度以上の有機繊維により構成されることを特徴とする、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記カーカス層の前記繊維コードに対して所定角度をもって設けられるポリエステル繊維、レーヨン繊維、高弾性繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの繊維コードからなると共に、一端部が前記ビードフィラーとタイヤ幅方向内方の前記カーカス層との間に設けられ他端部が前記カーカス最外方位置よりタイヤ径方向内周側に設けられる第1サイド補強ベルトと、一端部が前記カーカス層と前記ベルト層との間に設けられ他端部が前記カーカス最外方位置よりタイヤ径方向外周側に設けられる第2サイド補強ベルトとを有する補強層を備えることを特徴とする、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記補強層は、前記所定角度が2度以上40度以下の範囲に設定されることを特徴とする、
    請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記補強層は、前記第1サイド補強ベルトにおける前記他端部の先端位置と前記第2サイド補強ベルトにおける前記他端部の先端位置とのタイヤ径方向の間隔が10mm以上40mm以下の範囲に設定されることを特徴とする、
    請求項5又は請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記第1サイド補強ベルトは、前記一端部の先端位置が前記ビードフィラーのタイヤ径方向内周側におけるフィラー基端位置からタイヤ径方向外周側に5mm以上10mm以下の範囲に設定されることを特徴とする、
    請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記第1サイド補強ベルトは、前記他端部の先端位置が前記フィラー先端位置からタイヤ径方向外周側に3mm以上30mm以下の範囲に設定されることを特徴とする、
    請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記第2サイド補強ベルトは、前記一端部の先端位置の前記カーカス層と前記ベルト層との間へのタイヤ幅方向の入り込み量が5mm以上の範囲に設定されることを特徴とする、
    請求項5乃至請求項9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 扁平率が50%以下であることを特徴とする、
    請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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