JP2008262076A - ベルト装置、定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベルト部材21は、内周側に突出する突出部21aを幅方向両端に備える。中空構造のローラ部材23のジャーナル部23bには、周状に溝部23b1が形成される。ジャーナル部23bの溝部23b1に回動自在に係合するとともに、ベルト部材21が幅方向に所定量変位したときに突出部21aに当接するリング部材24を備える。リング部材24は、外力により弾性変形されてローラ部材23のジャーナル部23bから着脱できるように構成される。
【選択図】図4
Description
第1の問題は、ローラ主部(ベルト部材が直接的に接する位置である。)とジャーナル部との外径差が小さなローラ部材に対して、回転部材を設置するスペースを確保するのが難しいということである。このような問題は、中空構造のローラ部材の内部に複数のヒータ(例えば、3つ以上のヒータである。)を挿入・設置する必要がある場合に、ローラ主部及びジャーナル部の内径を大きく設定しなければならず、ローラ主部とジャーナル部との外径差が小さくなってしまうために、無視できないものになる。
第2の問題は、回転部材がジャーナル部から脱落するのを防止するために止輪を設置する必要があって、部品点数が多くコストが高くなるとともに組み立て作業が複雑化してしまっていたことである。
第3の問題は、回転部材はドーナッツ状に形成されるために、回転部材を樹脂材料で形成する場合に、射出成形によるウェルドラインが生じてしまい部品強度が低下してしまうということである。これを解決するために、圧縮成形にて回転部材を形成すると、部品コストが高くなってしまうことになる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機の装置本体、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、7は転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部、9は記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14が設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK表面は、不図示の除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、定着工程後の記録媒体Pは、排紙ローラによって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2は、定着装置20を示す概略断面図である。図3は、定着装置20を示す正面図であって、主として加圧機構の構成を示す図である。図4は、定着ベルト21が張架された加熱ローラ23を示す部分拡大断面図である。また、図5は加熱ローラ23に着脱自在に設置されるリング部材24を示す斜視図であって、図6はリング部材24の切欠き24aの近傍を示す部分拡大図である。
図2に示すように、定着装置20は、ベルト装置21〜25、加圧部材としての加圧ローラ31、温度センサ40、ガイド板35、等で構成される。ベルト装置は、ベルト部材としての定着ベルト21、定着補助ローラ22(ローラ部材)、加熱ローラ23(ローラ部材)、等で構成される。
定着部材として熱容量の低い定着ベルト21を用いることで、装置の昇温特性が向上する。
なお、図3を参照して、定着ベルト21の幅方向両端には、内周側に突出する突出部21a(寄り止め部材)が形成されている。これについては、後で詳しく説明する。
加熱ローラ23のヒータ25は、ハロゲンヒータであって、その両端部が定着装置20の側板(不図示である。)に固定されている。そして、装置本体1の電源部(交流電源)により出力制御されたヒータ25からの輻射熱によって加熱ローラ23が加熱されて、さらに加熱ローラ23によって加熱された定着ベルト21の表面から記録媒体P上のトナー像Tに熱が加えられる。ヒータ25の出力制御は、定着ベルト21表面に非接触で対向する温度センサ40(サーモパイル)によるベルト表面温度の検知結果に基いておこなわれる。詳しくは、温度センサ40の検知結果に基づいて定められる通電時間だけ、ヒータ25に交流電圧が印加される。このようなヒータ25の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度(目標制御温度)に調整制御することができる。
ここで、ヒータ25は、定着補助ローラ22、定着ベルト21、加熱ローラ23等を交換する際に、定着装置20から一旦着脱される。特に、定着補助ローラ22は他の部品に比べて寿命が短いために、ヒータ25の着脱作業は所定のサイクルでおこなわれることになる。なお、ヒータ25の着脱は、図3を参照して、加熱ローラ23のジャーナル部23bの開口から挿入・取出することでおこなわれる。ヒータ25を3つ設置することで、定着装置20の昇温効率が向上することになる。
そして、加圧ローラ31は、図3に示す加圧機構50〜52によって定着ベルト21を介して定着補助ローラ22に圧接する。こうして、加圧ローラ31と定着ベルト21との間に、所望のニップ部が形成される。
なお、本実施の形態において、加圧ローラ31を直接的に加熱するヒータ等の加熱手段を設置することもできる。これにより、定着装置20の昇温特性がさらに向上することになる。
また、図示は省略するが、定着ベルト21の外周面に対向する位置であって、ニップ部の出口側近傍には、分離板が配設されている。分離板は、定着工程後の記録媒体Pが定着ベルト21の走行に沿って定着ベルト21に巻き付いてしまう不具合を抑止する。
装置本体1の電源スイッチが投入されると、交流電源からヒータ25に交流電圧が印加(給電)されるとともに、定着ベルト21(定着補助ローラ22、加熱ローラ23)及び加圧ローラ31の図2中の矢印方向の回転駆動が開始される。
その後、給紙部7から記録媒体Pが給送されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが記録媒体P上に未定着画像として担持される。未定着画像T(トナー像)が担持された記録媒体Pは、図2の矢印Y10方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、定着ベルト21による加熱と、定着ベルト21(定着補助ローラ22)及び加圧ローラ31の押圧力とによって、記録媒体Pの表面にトナー像Tが定着される。その後、回転する定着ベルト21及び加圧ローラ31によってそのニップ部から送出された記録媒体Pは、矢印Y11方向に搬送される。
図4に示すように、中空構造のローラ部材としての加熱ローラ23には、定着ベルト21の内周面が当接するローラ主部23aと、ローラ主部23aの外径よりも小さな外径を有するジャーナル部23bと、が設けられている。ジャーナル部23bは軸方向両端に設けられていて、ジャーナル部23bは軸受(不図示である。)を介して装置20の側板に回転自在に支持されている。そして、加熱ローラ23は、当接する定着ベルト21との摩擦抵抗によって、定着ベルト21の走行に従動して所定方向に回転することになる。
なお、図示は省略するが、加熱ローラ23及び定着ベルト21の他方の幅方向端部も、図4と同様に(線対称形に)構成されている。
このように、ローラ主部23aとジャーナル部23bとの外径差を小さくして、ローラ主部23a及びジャーナル部23bの内径を大きく設定することで、比較的小径であって中空構造の加熱ローラ23の内部に複数のヒータ25(例えば、3つ以上のヒータである。)を挿入・設置することができて、定着装置20が小型化されるとともに、定着装置20の昇温特性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、突出部21aの高さ(定着ベルト21の内周面から内側に突出する距離である。)が2mmに設定されている。したがって、突出部21aとジャーナル部23bとの隙間は、0.5mm程度となる。
そして、定着ベルト21が幅方向に所定量移動(ベルト寄り)したときに、加熱ローラ23の溝部23b1に設置されたリング部材24に、定着ベルト21の突出部21aが当接することになる。これにより、定着ベルト21が一方の幅方向端部側に位置ずれ(図4の右側への移動である。)しそうになっても、他方の幅方向端部(図4に示す幅方向端部である。)に設けられた突出部21aが、ストッパとして機能するリング部材24に当接することで、定着ベルト21の幅方向の移動が制限される。
また、突出部21aは、突出方向に対して傾斜する傾斜面が形成されている。そして、リング部材24は、突出部21aの傾斜面に面接触するように形成されている。すなわち、リング部材24は、突出部21aの傾斜面の傾斜角度とほぼ等しい角度で傾斜する傾斜面が形成されている。これにより、突出部21aとリング部材24との接触面積が大きくなり、突出部21aが加熱ローラ23の外周面に乗り上がろうとする移動エネルギーをリング部材24の回転エネルギーに変換しやすくなって、突出部21aの乗り上げが防止される。
具体的に、溝部23b1に対してリング部材24を装着するときには、リング部材24の内径が押し広がるように(切欠き24aが広がるように)、外力(人力)によりリング部材24を周方向に弾性変形させた状態で、ジャーナル部23bの外径部上をスライドさせることになる。そして、リング部材24が溝部23b1の位置に達したときに外力を取り除くことで、リング部材24が元の形状に戻って溝部23b1にフィットすることになる。また、溝部23b1からリング部材24を取出するときには、上述した装着時の工程と逆の工程をおこなうことになる。
また、リング部材24は弾性変形されてジャーナル部23b(溝部23b1)から着脱されるために、リング部材24がジャーナル部23bから脱落するのを防止するために止輪を設置する必要がない。したがって、従来の装置に比べて、部品点数が少なく低廉化されるとともに、組み立て作業も簡易になる。
さらに、リング部材24は切欠き24aが形成された有端形状であるために、無端形状(ドーナッツ状)に形成した従来のものに比べて、樹脂材料を用いて射出成形にて形成してもウェルドラインが生じにくくなる。したがって、材料の選択肢が広がるとともに、比較的安価に部品強度を低下させることなく、リング部材24を形成することができる。
さらに、本実施の形態では、リング部材24の切欠き24aの稜線の一部又は全部を面取りしている。具体的に、図6を参照して、リング部材24の外周面に接する切欠き24aの稜線に、C0.5mm程度の面取り部24bを形成している。これにより、リング部材24の切欠き24aに、定着ベルト21や突出部21aが引っ掛かる不具合を抑止することができる。
また、定着ベルト21(ベルト部材)が200mm/秒以上で走行する高速の定着装置20(ベルト装置)では、定着ベルト21の蛇行や不安定な走行が生じやすくなるとともに、定着装置20の昇温特性を向上させるためにヒータ25を3本以上設置する場合が多いために、本実施の形態における構成が有用になる。
また、本実施の形態では、定着装置20に設置されるベルト装置に対して本発明を適用したが、画像形成装置に設置される他のベルト装置(例えば、感光体ベルト、転写ベルト、中間転写ベルトをベルト部材とするベルト装置である。)や、画像形成装置以外に用いられるベルト装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。その場合にも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
20 定着装置、
21 定着ベルト(ベルト部材)、
21a 突出部、
22 定着補助ローラ(ローラ部材)、
22b 弾性層、
23 加熱ローラ(中空構造のローラ部材)、
23a ローラ主部、
23b ジャーナル部、 23b1 溝部、
24 リング部材、
24a 切欠き、 24b 面取り部、
25 ヒータ、
31 加圧ローラ(加圧部材)。
Claims (13)
- 複数のローラ部材に張架された無端状のベルト部材を走行させるベルト装置であって、
前記ベルト部材は、内周側に突出する突出部を幅方向両端に備え、
前記複数のローラ部材のうち少なくとも1つのローラ部材は、前記ベルト部材の内周面が当接するローラ主部の外径よりも小さな外径を有するジャーナル部を幅方向両端に具備する中空構造のローラ部材であって、
前記ジャーナル部は、周状に溝部が形成され、
前記ジャーナル部の前記溝部に回動自在に係合するとともに、前記ベルト部材が幅方向に所定量変位したときに前記突出部に当接するリング部材を備え、
前記リング部材は、外力により弾性変形されて前記ローラ部材の前記ジャーナル部から着脱できるように構成されたことを特徴とするベルト装置。 - 前記リング部材は、周方向の一部に切欠きを備えたC字状のリング部材であることを特徴とする請求項1に記載のベルト装置。
- 前記リング部材は、前記切欠きの切欠き幅が1mm以下になるように形成されたことを特徴とする請求項2に記載のベルト装置。
- 前記リング部材は、前記切欠きの稜線の一部又は全部が面取りされたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のベルト装置。
- 前記リング部材は、射出成形により形成されたことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載のベルト装置。
- 前記中空構造のローラ部材は、前記ローラ主部と前記ジャーナル部との外径差が5mm以下になるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のベルト装置。
- 前記ベルト部材は、200mm/秒以上で走行することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のベルト装置。
- 記録媒体上にトナー像を定着する定着装置であって、
請求項1〜請求項7のいずれかに記載のベルト装置を備えたことを特徴とする定着装置。 - 定着補助ローラと、ヒータが内設された加熱ローラと、に張架された定着ベルトと、
前記定着ベルトを介して前記定着補助ローラに圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、
を備え、
前記ベルト部材は、前記定着ベルトであって、
前記中空構造のローラ部材は、前記加熱ローラであることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。 - 前記加熱ローラは、3つ以上のヒータが内設されたことを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
- 前記定着補助ローラは、発泡材料からなる弾性層を備えたことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の定着装置。
- 請求項1〜請求項7のいずれかに記載のベルト装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項8〜請求項11のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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