JP2008258791A - 放送局装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】周波数変換に用いる所定周波数の信号を発振する局部発振器12に異常が発生した場合、PLL回路12bがこれを検出して異常検出信号をCPU18に出力する。CPU18は、この信号を受けて、スケルチ17を制御し、そこからの出力信号が外部へ出力されないように遮断する。
【選択図】図1
Description
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る放送局装置は、TV放送の放送システムにおいて、放送電波を入力信号として受信し、これに周波数変換を含む処理を施して出力信号を生成する機能を備えるものである。この種の放送局装置において、入力信号は、発振器からの所定周波数の信号と混合され、その処理のために一旦中間信号に変換される。この状態でフィルタ回路によって信号ノイズの除去が施され、必要な信号増幅などが行われる。これらの処理を経た中間信号は、入力信号と同じかあるいは任意の周波数に、再度変換され出力される。本発明の特徴に関連して、前記周波数変換に用いられる発振器からの異常信号が利用される。
〔実施の形態1〕
次に、本発明に係る各実施の形態の具体的内容について説明する。まず、実施の形態1について説明する。ここでは、本発明を、冗長構成を有し、かつ受信部と送信部が物理的に分離された分離型の中継放送局装置に適用した例を示す。図1は、本実施の形態1に係る中継放送局装置における信号変換に係るユニット構成を示したブロック図である。この中継放送局装置1は、概略的に、受信変換ユニット10a、送信変換ユニット20aを備える現用系ユニットA、およびこれと同一構成の、受信変換ユニット10b、送信変換ユニット20bを備える予備系ユニットBを備えた冗長構成を有しており、これによって、現用系ユニットAに障害が発生した場合には、信号線路を予備系ユニットBに切り替えるようにして運用される。
各系の受信変換ユニット10は、基本的には、特定チャンネルの入力信号を所定の中間周波数信号に変換するためのもので、これによって信号の取り扱いを容易にし、ノイズの除去や信号の増幅を効果的に行えるようにする。受信変換ユニット10は、AGCアンプ11、オシレータ12aおよびPLL回路12bで構成される局部発振器12、ミキサ13、フィルタ14、アンプ15、ディテクタ16、スケルチ17、CPU18、周波数設定用のスイッチ19などを備えている。
送信変換ユニット20は、前記受信変換ユニット10から出力され、光ファイバケーブルなどの信号伝送路を介して送られて来た中間信号をその入力信号とし、これを所定の出力信号に再変換するためのものである。送信変換ユニット20は、受信変換ユニット10と同様に、AGCアンプ21、オシレータ22aおよびPLL回路22bで構成される局部発振器22、ミキサ23、フィルタ24、アンプ25、ディテクタ26、スケルチ27、CPU28、周波数設定用のスイッチ29などを備えている。
次に、本実施形態に係る中継放送局装置1の動作について説明する。受信変換ユニット10に入力されたTV信号は、AGCアンプ11で利得調整された後、ミキサ13において、局部発振器12からの基準信号と混合され中間周波数の信号に変換される。この状態でフィルタ14およびアンプ15によってノイズの除去や信号の増幅が行われる。この出力信号は、ディテクタ16を介して、AGCアンプ11に帰還され、これによってAGCアンプ11による利得調整が繰り返される。出力信号の利得が所定の閾値内に収まった場合、ディテクタ16はこれを検知し、スケルチ17を制御してこの出力信号を送信変換ユニット20へ通過させる。スケルチ17は、対象の受信変換ユニット10に対する入力信号が確認できない場合、すなわち無信号の場合は、AGCアンプ11で増大されたノイズ信号が、送信変換ユニット20側へ出力されないように、これを遮断する。
このように実施の形態1によれば、受信変換ユニット10における局部発振器12において異常が発生した場合、あるいは送信変換ユニット20における局部発振器22において異常が発生した場合には、各CPU18、28が、スケルチ17、27からの信号出力を直ちに遮断することとなり、これによって、ユニット外へ異常信号が送出されてしまう事態を防止することができる。そのため、従来において異常信号が送出された場合の電波妨害などの問題が解消する。また、本装置においては、CPUの制御信号を、中継放送局装置の基本構成回路として備えられたスケルチへ与えてこれを制御するようにしたので、異常発生時の信号遮断のための追加構成部品が不要となり、装置の設計上およびコスト上有利である。
次に、本発明に係る実施の形態2の具体的内容について説明する。この実施の形態2は、本発明を共聴用レベルコントローラに適用した実施形態である。図2は、実施の形態2に係る共聴用レベルコントローラにおける信号変換に係るユニット構成を示したブロック図である。共聴用レベルコントローラは、共同住宅における受信側装置として備えられ、各受信チャンネル毎の利得ばらつきを調整して安定した出力信号を、同軸ケーブルなどを介して各住戸に出力する。すなわち、アンテナ40で受信された放送電波は、ここでは図示しないフロントエンド部において各チャンネルごとの信号に分波され、各チャンネルに対応した共聴用レベルコントローラ2に入力される。ここで入力信号は、利得調整、周波数変換、ノイズ除去などの処理を受けた後に、元の周波数信号に戻され、出力される。この出力信号は、ここでは図示しないバックエンド部において各チャンネルごとの信号と重畳され、アンプ31で増幅されて、同軸ケーブルなどを介して各戸に配信される。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
図に示す実施形態において、共聴用レベルコントローラ2は、AGCアンプ41、オシレータ42aおよびPLL回路42bで構成される局部発振器42、ミキサ43、SAWフィルタ44、ミキサ45、アンプ46、ディテクタ47、スケルチ48、CPU49、周波数設定用のスイッチ50などを備えている。
次に、本実施形態に係る共聴用レベルコントローラ2の動作について説明する。共聴用レベルコントローラ2に入力されたTV信号は、AGCアンプ41で利得調整された後、ミキサ43において、局部発振器42からの基準信号と混合され中間周波数の信号に変換される。この中間信号は、SAWフィルタ44に入力され、ここでノイズの除去が行われる。ノイズ除去後の中間信号は、ミキサ45において局部発振器22からの基準信号と混合され、目的の出力チャンネルの信号に変換される。この信号は、アンプ46で増幅された後、ディテクタ47を介して、AGCアンプ41に帰還され、これによってAGCアンプ41による利得調整が繰り返される。出力信号の利得が所定の閾値内に収まった場合、ディテクタ47はこれを検知し、スケルチ48を制御してこの出力信号を通過させる。出力信号は、ここでは図示しない次段の出力混合器に送られ、並列設置された他の出力信号と重畳され、アンプ51で増幅されたのち、同軸ケーブルなどの信号伝送路を介して、各戸に配信される。スケルチ48は、共聴用レベルコントローラ2に対する入力信号が確認できない場合、すなわち無信号の場合は、AGCアンプ41で増大されたノイズ信号が出力されないように、これを遮断する。
このように実施の形態2によれば、局部発振器42において異常が発生した場合には、CPU49が、スケルチ48からの信号出力を直ちに遮断することとなり、これによって、装置外へ異常信号が送出されてしまう事態を防止することができる。そのため、従来において異常信号が送出された場合の電波妨害などの問題が解消する。また、本装置においては、CPUの制御信号を、共聴用レベルコントローラの基本構成回路として備えられたスケルチへ与えてこれを制御するようにしたので、異常発生時の信号遮断のための追加構成部品が不要となり、装置の設計上およびコスト上有利である。また、特に、この例の共聴用レベルコントローラは、先の例の中継放送局装置と異なり、冗長構成を有していないので、前述のような不具合が発生した場合における影響を大きく、本発明が有益である。
次に、本発明に係る実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、実施の形態1において示した中継放送局装置における信号出力を遮断する構成の変形例である。なお、実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
このように実施の形態3によれば、受信変換ユニット10における局部発振器12において異常が発生した場合、あるいは送信変換ユニット20における局部発振器22において異常が発生した場合には、各CPU18、28が、アンプ15、25からの信号出力を直ちに遮断することとなり、これによって、ユニット外へ異常信号が送出されてしまう事態を防止することができる。そのため、従来において異常信号が送出された場合の電波妨害などの問題が解消する。また、本装置においては、CPUの制御信号を、中継放送局装置の基本構成回路として備えられたアンプへ与えてこれを制御するようにしたので、異常発生時の信号遮断のための追加構成部品が不要となり、装置の設計上およびコスト上有利である。
次に、本発明に係る実施の形態4について説明する。この実施の形態4は、実施の形態1において示した中継放送局装置における信号出力を遮断する構成の変形例である。なお、実施の形態4の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
このように実施の形態4によれば、受信変換ユニット10における局部発振器12において異常が発生した場合、あるいは送信変換ユニット20における局部発振器22において異常が発生した場合には、各CPU18、28が、AGCアンプ11、21からの信号出力を直ちに遮断することとなり、これによって、ユニット外へ異常信号が送出されてしまう事態を防止することができる。そのため、従来において異常信号が送出された場合の電波妨害などの問題が解消する。また、本装置においては、CPUの制御信号を、中継放送局装置の基本構成回路として備えられたAGCアンプへ与えてこれを制御するようにしたので、異常発生時の信号遮断のための追加構成部品が不要となり、装置の設計上およびコスト上有利である。
次に、本発明に係る実施の形態5について説明する。この実施の形態5は、実施の形態1において示した中継放送局装置における信号出力を遮断する構成の変形例である。なお、実施の形態5の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
このように実施の形態5によれば、受信変換ユニット10における局部発振器12において異常が発生した場合、あるいは送信変換ユニット20における局部発振器22において異常が発生した場合には、各CPU18、28が、スイッチ60、61をオフに制御して、信号出力を直ちに遮断することとなり、これによって、ユニット外へ異常信号が送出されてしまう事態を防止することができる。そのため、従来において異常信号が送出された場合の電波妨害などの問題が解消する。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明の実施により装置構成の部品点数が増えても、異常発生時における信号出力の遮断が行われる限り、本願の課題が解決されているといえる。
各実施の形態に示した構成は相互に適用可能である。例えば、実施の形態1で示した受信変換ユニット100aの構成を、実施の形態3の受信変換ユニット100aに適用して、受信変換ユニット100aをアンプ15を遮断制御すると共に、送信変換ユニット200aではスケルチ27を遮断制御してもよい。
また、本実施の形態においては、冗長構成を有し、かつ受信変換ユニットと送信変換ユニットとが分離された中継放送局装置を示した。しかしながら、本発明が適用される中継放送局装置は、そのような冗長構成を有していないもの、あるいは、受信変換ユニットと送信変換ユニットとが一体となったものにおいても適用できる。また、その内部構成においても、ここに示した構成のものに限定されない。例えば、実施の形態においては、受信変換ユニットと送信変換ユニットで、それぞれ局部発振器を備え、これを入力信号に混合して変換信号を生成しているが、一つの共通の発振器をユニット外に備え、そこから発振される共通基準信号を各送受信変換ユニットに導入して、入力信号の変換を行うようにしてもよい。この場合は、この共通の発振器における異常を検出して、それぞれの信号出力を共通のCPUの制御により遮断することができる。また、実施の形態ではPLL回路12bにより発振器の異常を検出するようにしたが、発振器外にそのような異常検出機構を設けてもよい。また、実施の形態では受信変換ユニットと送信変換ユニットの双方において本発明に係る信号遮断の構成を採用しているが、何れか一方のユニットにおいてのみこれを採用することもできる。
また、本実施の形態においては、信号周波数の変換および逆変換を、オシレータ42aおよびPLL回路42bからなる共通の局部発振器42で実現する構成の共聴用レベルコントローラを示した。しかしながら、本発明が適用される共聴用レベルコントローラは、信号周波数の変換および逆変換を行うミキサ43、45のそれぞれに対応して、別々の局部発振器を設けたものであってもよいし、オシレータをそれぞれ用意しPLL回路を共通にした局部発振器を設けたものであってもよい。
実施の形態3〜5において、実施の形態1において示した中継放送局装置における信号出力を遮断する構成の変形例を示した。これらの変形例は、当然に、実施の形態2に示した共聴用レベルコントローラにおいても適用可能である。また、異常信号発生時の出力信号を遮断するために、CPUが制御しうる構成回路部品は、ここに挙げたものに限定されることはない。また、実施の形態5におけるスイッチの設置位置についても、図に示したスケルチの下流位置に限らず、その設計おいて支障のない位置を選択的に採用することができる。
CPUが局部発振器の異常検出信号を受けた場合には、スケルチよりも後段のアンプ31、51の電源をオフあるいは微小出力レベルに制御し、そこから信号が出力されないようにしてもよい。
2 共聴用レベルコントローラ
10 受信変換ユニット
11、21、41 AGCアンプ
12、22、42 局部発振器
12a、22a、42a オシレータ
12b、22b、42b PLL回路
13、23、43、45 ミキサ
14、24 フィルタ
15、25、31、46、51 アンプ
16、26、47 ディテクタ
17、27、48 スケルチ
18、28、49 CPU
19、29、50 設定用スイッチ
20 送信変換ユニット
30、33、40 アンテナ
32、60、61 スイッチ
44 SAWフィルタ
Claims (6)
- 入力信号に対して周波数変換を含む処理を施して生成された出力信号を出力する放送局装置において、
前記周波数変換に用いる所定周波数の信号を発振する発振手段と、
前記発振手段の異常を検出する異常検出手段と、
前記異常検出手段により前記発振手段の異常が検出されたときに、前記出力信号の出力を遮断する出力制御手段と、
を備えることを特徴とする放送局装置。 - 前記入力信号又は当該入力信号に基づいて生成される中間信号が所定レベル以下の場合におけるノイズ出力を遮断するスケルチ手段を備え、
前記出力制御手段は、前記異常検出手段により前記発振手段の異常が検出されたときに、前記スケルチ手段を制御して、前記出力信号の出力を遮断すること、
を特徴とする請求項1に記載の放送局装置。 - 前記入力信号に基づいて生成される中間信号又は前記出力信号を増幅する増幅手段を備え、
前記出力制御手段は、前記異常検出手段により前記発振手段の異常が検出されたときに、前記増幅手段を制御して、前記出力信号の出力を遮断すること、
を特徴とする請求項1に記載の放送局装置。 - 前記入力信号又は当該入力信号に基づいて生成される中間信号の利得を調整する自動利得制御手段を備え、
前記出力制御手段は、前記異常検出手段により前記発振手段の異常が検出されたときに、前記自動利得制御手段を制御して、前記出力信号の出力を遮断すること、
を特徴とする請求項1に記載の放送局装置。 - 前記入力信号に基づいて生成される中間信号又は前記出力信号の出力のオン/オフを切り換えるスイッチ手段を備え、
前記出力制御手段は、前記異常検出手段により前記発振手段の異常が検出されたときに、前記スイッチ手段を制御して、前記出力信号の出力を遮断すること、
を特徴とする請求項1に記載の放送局装置。 - 前記発振手段が、PLL回路を備え、
前記異常検出手段が、前記PLL回路内に備えられていること、
を特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の放送局装置。
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