JP2008254735A - 板状体搬送具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パネル等の板状体をより安定して搬送する。
【解決手段】 長方形状の板状体を略鉛直面に沿って保持する板状体搬送具は、板状体の第1の側端部に接触することにより板状体を鉛直面内における第1の方向に関して支持する第1の支持部と、第1の側端部に直交する第2の側端部において板状体に接触することにより、鉛直面内において第1の方向に交差する第2の方向に関して板状体を支持する第2の支持部と、を含むパネル支持部材16と、張力が作用した状態で板状体の第1の側端部および第2の側端部が直交する角部の対角側に接触することにより、パネル支持部材16に向かって押し付ける力を板状体に作用させる拘束体24と、拘束体24の一端に接続され、拘束体24の一端に作用する引張力を変化させることにより拘束体24に作用する張力を調整する張力可変機構26と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 長方形状の板状体を略鉛直面に沿って保持する板状体搬送具は、板状体の第1の側端部に接触することにより板状体を鉛直面内における第1の方向に関して支持する第1の支持部と、第1の側端部に直交する第2の側端部において板状体に接触することにより、鉛直面内において第1の方向に交差する第2の方向に関して板状体を支持する第2の支持部と、を含むパネル支持部材16と、張力が作用した状態で板状体の第1の側端部および第2の側端部が直交する角部の対角側に接触することにより、パネル支持部材16に向かって押し付ける力を板状体に作用させる拘束体24と、拘束体24の一端に接続され、拘束体24の一端に作用する引張力を変化させることにより拘束体24に作用する張力を調整する張力可変機構26と、を備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、長方形状の板状体を略鉛直面に沿って保持する板状体搬送具に関する。
従来から、ガラスユニット等のパネルを搬送するためのコンテナとして、床部とほぼ直立した後壁とによってパネルを支持するとともに、そのパネルを床部と後壁との交線に向かって弾性的に付勢するゴムひも等の弾性拘束手段を備えるパネル用輸送コンテナが知られている(例えば、特許文献1参照)。このパネル用輸送コンテナにおいては、ゴムひも等の細長い弾性拘束体を伸張させて複数のパネルの各々の角部に当接させてパネルを押し付けている。このため、例えばトラック等による搬送中の振動で各パネルが破損しないように保持することができる。
特表2000−501052号公報
上述のパネル用輸送コンテナは、さまざまな寸法のパネルを所望の順序で積載して搬送し、搬送後の作業現場で再度所望の順序で取り出すことができるという点で好ましい。ところが、搬送中に各パネルを保持するために弾性拘束体から作用する押付力は、それぞれのパネルの寸法に応じた弾性拘束体の伸び量によって決まってしまう。
そこで、本発明は、パネル等の板状体をより安定して搬送することができる板状体搬送具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の板状体搬送具は、長方形状の板状体を略鉛直面に沿って保持する板状体搬送具であって、板状体の第1の側端部に接触することにより板状体を鉛直面内における第1の方向に関して支持する第1の支持部と、第1の側端部に直交する第2の側端部において板状体に接触することにより、鉛直面内において第1の方向に交差する第2の方向に関して板状体を支持する第2の支持部と、を含む板状体支持部材と、張力が作用した状態で板状体の第1の側端部および第2の側端部が直交する角部の対角側に接触することにより、板状体支持部材に向かって押し付ける力を板状体に作用させる拘束体と、拘束体の一端に接続され、拘束体の一端に作用する引張力を変化させることにより拘束体に作用する張力を調整する張力可変機構と、を備える。
この態様によれば、張力可変機構は、拘束体の一端に作用する引張力を変化させることにより拘束体に作用する張力を調整する。この調整に伴って、拘束体が板状体を板状体支持部材へと押し付ける力も調整される。よって、拘束体の一端に作用する引張力を変化させることにより、板状体に作用する押付力を板状体の寸法とは独立に調整することができる。したがって、板状体を適切な力で保持することができるので、安定して搬送することが可能となる。
この場合に、張力可変機構は、板状体支持部材に関して板状体とは反対側に配設されてもよい。この態様によれば、板状体と張力可変機構とは板状体支持部材に関して互いに反対側に配設される。よって、作業者は、張力可変機構に妨げられずに板状体を板状体搬送具に積載することができるので、作業性が向上するという点で好ましい。
また、張力可変機構は、拘束体を巻き取ることにより拘束体に作用する引張力を変化させる巻取機構を含んでもよい。この態様によれば、作業者は、板状体の積載時に一旦ゆるく拘束体を取りつけた後に巻取機構により搬送に適切な張力に調整することができる。また、取出時にも巻取機構から拘束体を引き出して張力を緩めてから作業者は拘束体を取り外すことができる。よって、拘束体の取りつけ・取り外しの際の作業者の作業性が向上するため好ましい。
また、張力可変機構は、拘束体の一端に接続されたバネ機構を含んでもよい。この態様によっても、例えば、バネの伸び量を調整したり、あるいはバネを適宜選択したりすることにより、拘束体の張力を適切に調整することが可能となる。
さらに、第1の支持部および第2の支持部における板状体との接触位置に緩衝材を設けてもよい。この態様によれば、例えば弾性体等の緩衝材が板状体との接触位置に設けられる。よって、搬送中に生じうる衝撃や振動が板状体支持部材から板状体に伝わることが緩衝材により抑制されるので好ましい。
本発明によれば、板状体を安定して搬送することが可能となる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る搬送ラック10を示す斜視図である。搬送ラック10は、複数のガラスユニット等の板状体をトラック等により搬送する際に、輸送中の衝撃や振動によってガラスユニット等が破損しないように安定して搬送するために用いられる。図1においては、一枚の大型ガラスユニット12と一枚の小型ガラスユニット14とが搬送ラック10に積載されている様子が示されている。なお、以下では、説明をわかりやすくするために、図1に示されるように、鉛直方向をz軸方向、ガラスユニットの配列方向をy軸方向、ガラスユニットの収納方向をx軸方向とするxyz直交座標系を適宜用いる。また、図2は、図1のA−A線についての概略断面図である。
搬送ラック10は、板状体支持部材としてのパネル支持部材16と、拘束体24と、張力可変機構26(図2参照)とを含んで構成される。パネル支持部材16は、搬送ラック10に積載されるガラスユニットを略鉛直面に沿って支持する。拘束体24は、ガラスユニットの角部に接触し、ガラスユニットをパネル支持部材16に向かって押し付ける。張力可変機構26は、拘束体24の一端に接続されており、拘束体24に作用する張力を調整することができる。
パネル支持部材16は、第1の支持部としてのパネル前方支持部18およびパネル後方支持部19と、第2の支持部としてのパネル上方支持部20およびパネル下方支持部21とを含んで構成される。パネル前方支持部18およびパネル後方支持部19は、例えば大型ガラスユニット12の下方の側端部に接触して大型ガラスユニット12を第1の方向としての略鉛直方向に関して支持する。そして、パネル上方支持部20およびパネル下方支持部21は、大型ガラスユニット12の側端部に接触して、第1の方向に交差する第2の方向としての略水平方向に関して大型ガラスユニット12を支持する。パネル支持部材16は、大型ガラスユニット12の下端部とそれに直交する側端部とにいわばL字状に接触して、大型ガラスユニット12を略鉛直面内に沿って支持している。小型ガラスユニット14も同様に、パネル後方支持部19とパネル下方支持部21とにL字状に接触して略鉛直面内に支持されている。ここで「略鉛直面」としているのは、厳密に鉛直面に沿う状態のみならず、ガラスユニットが鉛直面に関して例えば10°程度傾いた状態で支持されることを許容する趣旨である。
パネル前方支持部18およびパネル後方支持部19は、右側フレーム22および左側フレーム23に挟まれて固定されている。パネル後方支持部19は、パネル前方支持部18よりもパネル下方支持部21に近接して配設されている。パネル前方支持部18およびパネル後方支持部19は、ともに略水平な同一面に沿って固定されている。本実施形態においては、パネル前方支持部18よりもパネル後方支持部19のほうがやや下方に位置するように、パネル前方支持部18およびパネル後方支持部19は、例えば水平面から約5度傾いた平面に沿って固定される(図2参照)。
パネル前方支持部18およびパネル後方支持部19の上面には、複数の凸部28がy軸方向に並べて設けられている。各凸部28の間隔は、搬送ラック10に積載されるガラスユニットの厚みよりも大きく設定されており、各凸部28の間にはx軸方向に沿ってガラスユニットの下端部を収容可能とする水平溝部30が形成される。水平溝部30は、搬送ラック10に積載されるガラスユニットの数に合わせて適宜形成される。また、水平溝部30の底部には例えばポリウレタンやポリエチレン等の弾性材からなる緩衝材36が設けられている(図2参照)。そうすると、搬送中に生じうる衝撃や振動が板状体支持部材から板状体に伝わることが緩衝材により抑制されるので好ましい。
また、右側フレーム22および左側フレーム23のx軸方向の先端部に挟まれて、拘束体用フック固定部32が固定されている。拘束体用フック固定部32には、水平溝部30と同数の拘束体用フック34が各水平溝部30の位置に対応して固定されている。また、拘束体用フック34は、パネル後方支持部19の、パネル前方支持部18に近接するほうの側面にも同様に各水平溝部30の位置に対応して設けられている。拘束体用フック34は、拘束体24の端部を連結して固定することができるような形状とされている。例えば、リング状に形成された拘束体の端部を引っかけることができるように、拘束体用フック34を鍵状の形状としてもよい。あるいは、拘束体の端部を結びつけることができるように、拘束体用フック34を棒状の形状としてもよい。
一方、パネル上方支持部20およびパネル下方支持部21も、パネル前方支持部18等と同様に右側フレーム22および左側フレーム23に挟まれて固定されている。パネル下方支持部21は、パネル上方支持部20よりもパネル後方支持部19に近接して配設されている。パネル上方支持部20およびパネル下方支持部21は、ともに略鉛直な同一面に沿って固定されている。本実施形態においては、パネル上方支持部20およびパネル下方支持部21は、パネル下方支持部21よりもパネル上方支持部20のほうがx軸方向に関してやや後方に位置するように、例えば鉛直面から約5度傾いた平面に沿って固定される。なお、この平面は、パネル前方支持部18およびパネル後方支持部19が配置される平面とはほぼ垂直とされている(図2参照)。このようにすれば、ガラスユニットが拘束体24により押し付けられていない状態においても、パネル支持部材16は、ガラスユニットを鉛直方向から例えば5°程度傾けて支持することができる。そうすると、ガラスユニット自身の重力によりパネル支持部材16にガラスユニットが押し付けられてガラスユニットの位置を安定させることができるので好ましい。
パネル上方支持部20およびパネル下方支持部21の前面には、パネル前方支持部18等と同様に複数の凸部28がy軸方向に並べて設けられ、各凸部28の間にはz軸方向に沿って鉛直溝部31が形成される。鉛直溝部31は、水平溝部30と同数とされ、鉛直溝部31は各ガラスユニットの側端部を収容可能である。また、鉛直溝部31の底部には、水平溝部30と同様に例えばポリウレタンフォームやポリエチレン等の弾性材からなる緩衝材36が設けられている。
また、本実施形態においては、上部フレーム40の上面には第1滑車38が設けられている。第1滑車38は、xz面内において回転可能に上部フレーム40に配設されている。上部フレーム40は、右側フレーム22および左側フレーム23の上端に挟まれて、パネル上方支持部20の上方に固定されている。第1滑車38に拘束体24を架け渡すことにより、パネル上方支持部20およびパネル下方支持部21の背面側に延びる拘束体24を、例えば大型ガラスユニット12等の搬送ラック10に積載されるガラスユニットに向けることができる。
また、パネル下方支持部21の上部側面にも、xz面内において回転可能に第2滑車42が設けられている。第2滑車42に拘束体24を架け渡すことにより、パネル下方支持部21の背面側に延びる拘束体24を、例えば小型ガラスユニット14に向けることができる。例えば、高さが低いために水平方向に関してはパネル下方支持部21のみにより支持される小型ガラスユニット14を拘束体24で押し付ける場合には、拘束体24からの押付力を充分に作用させるために第2滑車42を用いることが好ましい。なお、図1においては、第1滑車38は1つの滑車として示されており、第2滑車42は2つの滑車として示されているが、これは張力の大きさや拘束体の形状に応じて適宜設計することができる。
拘束体24は、ブロック44と紐体46とを含んで構成される。ブロック44は紐体46の途中に設けられ、紐体46に沿って移動可能に構成されている。紐体46の一端は張力可変機構26に接続されている。一方、紐体46の他端は拘束体用フック34に連結可能に構成されている。例えば、拘束体用フック34に引っかけて連結することができるように、紐体46の他端をリング状あるいはフック状としてもよい。あるいは、拘束体用フック34に紐体46の他端を結びつけることにより、拘束体用フック34と紐体46の他端とを連結することができるようにしてもよい。本実施形態においては、紐体46は例えば非伸縮性のひもやコード、ワイヤー等により形成される。
ブロック44は、パネル支持部材16に支持されたガラスユニットのL字状部の対角となる角部に接触して、紐体46に張力が作用したときにガラスユニットをパネル支持部材16に押し付ける。このため、ブロック44はガラスユニットの角部に整合する形状とされることが好ましい。なお、本実施形態においては、ブロック44は例えばポリウレタンフォームのような弾性体により形成される。
なお、図1においては簡単のため、拘束体24、第1滑車38および第2滑車42は、大型ガラスユニット12および小型ガラスユニット14が積載された位置に対応するものだけを図示している。しかし実際には、各鉛直溝部31に対応してy軸方向に複数並べて設けられている。
図2に示されるように、本実施形態において張力可変機構26は、紐体46の一端に接続された巻取機構48を含んで構成される。第1滑車38を介して下方へと延びる紐体46の一端が巻取機構48へと接続されている。巻取機構48は、パネル下方支持部21の背面側の下方に配設される。すなわち、張力可変機構26は、パネル支持部材16に関してガラスユニットとは反対側となる背面側に配設されることとなる。本実施形態では、巻取機構48は例えば図示されないモータや張力センサを備えた電動のウインチ機構とされる。この巻取機構48で紐体46を巻き取ることにより、巻き取られた紐体46を所定の張力で引っ張ることができる。紐体46の他端が拘束体用フック34に連結された状態で巻取機構48により紐体46を巻き取ると、拘束体24に所望の張力を作用させることができる。
なお、図2において点線で示されるように、隣接する巻取機構48をz軸方向に関して異なる位置に配設するようにしてもよい。本実施形態においては、隣接する巻取機構48は、図2において実線で示される位置と点線で示される位置とのように、z軸方向に位置を互い違いに異ならせて配設している。このようにすれば、ガラスユニットの厚みと比較して巻取機構48の幅が大きい場合であっても、複数の拘束体24のそれぞれに対応する巻取機構48をパネル支持部材16の背面側に配設することができる。
上述の構成により、搬送ラック10はガラスユニット等の板状体を次のように積載することができる。一例として大型ガラスユニット12を搬送ラック10に積載する場合を説明する。なお、他のガラスユニットも以下の説明と同様に搬送ラック10に積載することができる。
まず、大型ガラスユニット12の下方を、パネル前方支持部18およびパネル後方支持部19上に形成されている水平溝部30に挿入する。そして、水平溝部30に沿ってパネル上方支持部20およびパネル下方支持部21へと向けて大型ガラスユニット12を移動させ、大型ガラスユニット12の側端部を鉛直溝部31に接触させる。このようにして、大型ガラスユニット12がL字状にパネル支持部材16に接触したら、大型ガラスユニット12のL字状部の対角となる角部にブロック44を接触させ、紐体46を拘束体用フック34に引っかけて拘束体24を大型ガラスユニット12に緩めに架け渡す。次いで巻取機構48により紐体46を巻き取ることにより所定の張力を与えて大型ガラスユニット12をパネル支持部材16に向けて押し付ける。そうすると大型ガラスユニット12は略鉛直面に沿って固定される。なお、ガラスユニットを取り出す場合には、上述の説明とは逆に、巻取機構48により拘束体24を緩めてから拘束体24をガラスユニットから外した上で、パネル支持部材16からガラスユニットを取り出せばよい。
本実施形態においては、張力可変機構26により拘束体24に作用する張力を変化させ、ガラスユニットをパネル支持部材16へと押し付ける力を調整することができる。よって、ガラスユニットに作用する押付力をガラスユニットの寸法とは独立に調整することができる。したがって、ガラスユニットを適切な力で保持することができるので、安定して搬送することが可能となる。
また、本実施形態においては、張力可変機構26はパネル支持部材16の背面側に配設される。よって、搬送ラック10にガラスユニットを積載した状態でも、作業者はガラスユニットに妨げられることなく張力可変機構26により背面側から拘束体24の張力の調整を行うことができるので好ましい。
また、本実施形態における張力可変機構26は巻取機構48を含んで構成されている。よって、作業者は、ガラスユニットの梱包時に一旦ゆるく拘束体24を取りつけた後に巻取機構48により搬送時に適切な張力に調整することができる。また、取出時にも巻取機構48から紐体46を引き出して張力を緩めてから作業者は拘束体24を取り外すことができる。したがって、拘束体24の取りつけ・取り外しの際の作業者の作業性が向上するため好ましい。なお、使用されていない拘束体24を巻取機構48により巻き取っておくことも可能であるので、不使用の拘束体24が作業のじゃまとならないという点でも好ましい。なお、本実施形態においては、巻取機構48として電動のウインチ機構を用いているが、手動のウインチ機構を採用することもできる。
引き続き本発明の第2の実施形態を図1および図3を参照して説明する。図3は、図1のA−A線についての概略断面図である。第1の実施形態では、張力可変機構26は巻取機構48を含んで構成されていたが、第2の実施形態においては、張力可変機構26はバネ機構50を含んで構成される。なお、第1の実施形態と同一の内容については、説明を適宜省略する。
バネ機構50は、バネ部56、第1連結部52、および第2連結部54を含んで構成される。バネ部56の一端に第1連結部52が形成されており、バネ部56の他端に第2連結部54が形成されている。第1連結部52は、パネル支持部材16のパネル下方支持部21の背面側の下方に設けられたバネ機構固定部58に連結可能に構成されている。第1連結部52とバネ機構固定部58とは、ともに例えばフック状の形状とされ、互いに引っかけて連結することができるように構成される。第1連結部52とバネ機構固定部58とが連結されることによりバネ機構50はパネル支持部材16に固定される。一方、第2連結部54は、拘束体24の紐体46の一端に連結することができるように構成されている。第2連結部54と紐体46の一端とは、ともに例えばフック状の形状とされ、互いに引っかけて接続することができるように構成される。拘束体24は第2連結部54を介して張力可変機構26に接続される。
本実施形態において大型ガラスユニット12を搬送ラック10に積載するには、作業者は、まず第1の実施形態と同様に水平溝部30と鉛直溝部31とに大型ガラスユニット12を挿入し、略鉛直面に沿って大型ガラスユニット12をパネル支持部材16に立てかける。そして、パネル支持部材16に接触している大型ガラスユニット12のL字状部の対角となる角部に拘束体24のブロック44を接触させて紐体46の一端を拘束体用フック34に結びつける。このとき、張力可変機構26に接続された紐体46を引っ張ることにより張力可変機構26のバネ機構50を伸張させて、拘束体24から大型ガラスユニット12に必要な押付力が作用するように紐体46に作用する張力を調整する。そして、搬送に適切な張力が拘束体24に作用した状態で紐体46の他端を拘束体用フック34に結びつける。このようにして、作業者は、ガラスユニットに作用する押付力をその寸法とは独立に調整することができるので、ガラスユニットを適切な力で搬送ラック10に保持することが可能となる。
なお、本実施形態においては必要な張力を与えるために、バネ機構50に加えて更なるバネ機構をバネ機構固定部58と紐体46の一端とにバネ機構50に並列に連結してもよい。あるいは、バネ係数の異なる他のバネ機構に取り替えることができるようにしてもよい。このようにすれば、より広い範囲で拘束体24に作用する張力を調整することができる。この場合、ガラスユニットの大きさに応じて複数の種類のバネ機構50を準備しておいてもよい。例えば大型のガラスユニットを積載する場合には比較的強い張力を与えることができるバネ機構を用い、小型のガラスユニットを積載する場合にはそれよりも弱い張力を与えることができるバネ機構を用いるようにしてもよい。
図4は、第2の実施形態の変形例を示す図である。図3と同様に、図4は図1のA−A線についての概略断面図である。この変形例においては、バネ機構50の第1連結部52を鉛直方向に移動可能に構成した点が第2の実施形態とは異なる。
第1連結部52が連結されるバネ機構固定部58は、レール60に沿って鉛直方向に移動可能とされている。レール60は、パネル支持部材16のパネル下方支持部21の背面側に鉛直方向に沿って延在する。レール60の両端は、パネル下方支持部21に固定される。バネ機構固定部58における図示されないネジ部のネジを緩めると、バネ機構固定部58はレール60に沿って移動可能となる。また、ネジを締めることによってバネ機構固定部58はレール60上の所望の位置に位置決めをすることができる。
このように構成することにより、作業者はバネ機構固定部58を上下に適宜移動させてバネ部56の伸び量を変化させることにより、拘束体24に作用する張力を調整することができる。この変形例においては、紐体46を拘束体用フック34に連結した後であってもバネ機構固定部58を移動させて拘束体24に作用する張力を調整することができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
本実施形態においては、張力可変機構26に巻取機構48またはバネ機構50が含まれているとされていたが、これに限られず、拘束体24に作用する張力を調整することができるものであればよい。この場合、拘束体を板状体に架け渡して板状体支持部材に連結した状態で、拘束体に作用する張力を変化させることができるようにしてもよい。例えば、パネル支持部材16の背面側において紐体46の一端に錘をつり下げることにより拘束体24に作用する張力を調整するものであってもよい。例えば必要とされる張力に応じてつり下げる錘の個数や重さを変えることにより拘束体24に作用する張力を調整することができる。
また、本実施形態においては張力可変機構26はパネル支持部材16のパネル下方支持部21の背面側に設けられているが、これに限られない。板状体支持部材に関して板状体と反対側に設ける場合として、例えば、パネル上方支持部20の背面側に設けてもよいし、パネル前方支持部18またはパネル後方支持部19の下方に張力可変機構を設けてもよい。
拘束体24としては、ガラスユニット等の板状体を板状体支持部材に向かって押し付けるものであればよく、必ずしも板状体の対角線に沿う方向に押し付けるものに限定されない。板状体の第1の側端部および第2の側端部が直交する角部の対角側から、例えば鉛直方向や水平方向に沿って板状体支持部材に向かって押し付けるものであってもよい。また、拘束体24の紐体46としては、非伸縮性のロープやワイヤー等には限られず、バンジーコード等の伸縮性のあるものを用いてもよい。さらに、拘束体用フック34へと接続される紐体46の一端側は、例えば棒状に剛に形成され、その棒状部の先端を拘束体用フック34と接続するような構成としてもよい。このようにすると、拘束体用フック34に紐体46の末端を引っかけるときに紐体46が不必要に曲がらずに扱いやすくなるので好ましい。また、ガラスユニットの寸法に応じて異なる長さの紐体46を用いるようにしてもよい。
本実施形態では、拘束体24のブロック44は、1本の紐体によりガラスユニットに押し付けられているが、2本以上の紐体46により押し付けるようにしてもよい。例えば、ブロック44を両側から2本の紐体46でガラスユニットに押し付けるようにしてもよい。また、拘束体24にはブロック44が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。拘束体24にブロック44が含まれない場合には、ロープやワイヤー、バンジーコード等を直接にガラスユニットに接触させればよい。ガラスユニットが例えば複層ガラスである場合には、複層ガラスの中間層の厚みよりも幅広の拘束体を用いることが好ましい。そうすると、中間層とともにその外側のガラス層にも押付力が作用するので、通常はガラス層よりも強度が低い中間層に過度に押付力が作用するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、板状体支持部材としてのパネル支持部材16の第1の支持部は、パネル前方支持部18およびパネル後方支持部19を含んで構成されているが、これに限られず、さらに多数の支持部により板状体を第1の方向に関して支持してもよい。これは第2の支持部に関しても同様である。多数の支持部を設ければ、それらに対応して多数の拘束体用フックや滑車を設けることができるので、ガラスユニットの寸法に応じてより適切に拘束体を架け渡すことができる。さらに、本実施形態では、パネル支持部材16は、ガラスユニットを略鉛直方向と略水平方向の互いに直交する2つの方向から支持するようにしているが、これに限られない。板状体支持部材は、略鉛直面内において互いに交差する2つの方向から板状体を支持するものであればよい。なお、パネル支持部材16は本実施形態のようにフレームを組み合わせて形成されるフレーム構造としてもよいし、あるいは、プレス成形や射出成形により一体構造として製作してもよい。
10 搬送ラック、 16 パネル支持部材、 18 パネル前方支持部、 19 パネル後方支持部、 20 パネル上方支持部、 21 パネル下方支持部、 24 拘束体、 26 張力可変機構、 36 緩衝材、 48 巻取機構、 50 バネ機構。
Claims (5)
- 長方形状の板状体を略鉛直面に沿って保持する板状体搬送具であって、
前記板状体の第1の側端部に接触することにより前記板状体を前記鉛直面内における第1の方向に関して支持する第1の支持部と、
前記第1の側端部に直交する第2の側端部において前記板状体に接触することにより、前記鉛直面内において前記第1の方向に交差する第2の方向に関して前記板状体を支持する第2の支持部と、を含む板状体支持部材と、
張力が作用した状態で前記板状体の前記第1の側端部および前記第2の側端部が直交する角部の対角側に接触することにより、前記板状体支持部材に向かって押し付ける力を前記板状体に作用させる拘束体と、
前記拘束体の一端に接続され、前記拘束体の一端に作用する引張力を変化させることにより前記拘束体に作用する前記張力を調整する張力可変機構と、
を備えることを特徴とする板状体搬送具。 - 前記張力可変機構は、前記板状体支持部材に関して前記板状体とは反対側に配設されることを特徴とする請求項1に記載の板状体搬送具。
- 前記張力可変機構は、前記拘束体を巻き取ることにより前記拘束体に作用する引張力を変化させる巻取機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の板状体搬送具。
- 前記張力可変機構は、前記拘束体の前記一端に接続されたバネ機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の板状体搬送具。
- 前記第1の支持部および前記第2の支持部における前記板状体との接触位置に緩衝材を設けることを特徴とする請求項1に記載の板状体搬送具。
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