JP2008254720A - ウエザストリップ - Google Patents

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則正 岩佐
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Abstract

【課題】シール部に凹みが形成されることによる外観品質の低下を抑制することのできるウエザストリップを提供する。
【解決手段】ウエザストリップ4は、ドア2に対応するドア開口周縁に沿って設けられたフランジ部23に取着されるトリム部5と、トリム部5から車外側に突出し、中空部6aを有するシール部6とを備えている。シール部6は、ドア2の閉時にドア2の周縁部と当接する部位において厚肉部41を備えている。さらに、シール部6のうち厚肉部41に隣接するドア開口内周側及びドア開口外周側の部位がそれぞれ厚肉部41よりも肉薄の薄肉部42として構成されている。また、シール部6の内側には、シール部6のうちドア開口外周側の薄肉部42よりもドア開口外周側の部位と車外側側壁部12とを連結するブリッジ34が設けられている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両のドア開口周縁に取着されるウエザストリップに関するものである。
一般に、自動車等の車両のドア開口周縁にはウエザストリップが設けられる。図4に示すように、ウエザストリップ70は、車両のドア開口周縁に沿って設けられたフランジ部71に取付けられる断面略U字状のトリム部72と、トリム部72から車外側に突出して設けられ、中空部74を有するシール部73とを備えている。そして、ドア75の閉時には、シール部73がドア75の周縁部に圧接されることによって、ドア75と自動車ボディとの間がシールされる(例えば、特許文献1参照)。尚、ウエザストリップを構成する素材としては、エチレン−α−オレフィン非共役ジエン共重合体(EPDM)や、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)等が知られている。
特開2004−237900号公報
上記の通り、ウエザストリップ70のシール部73は、ドア75の周縁部に圧接されることによって潰れるようにして変形する。ところが、ドア75の建付ばらつき等に起因して、図4の二点鎖線で示すように、ドア75の閉状態においてシール部73のうちドア75の周縁部に圧接された部位が、ドア75周縁部から離間するようにして中空部74の内側に屈曲し、中空部74の内側に凹んでしまう場合がある。特に、このように変形した状態が長時間維持されてしまうと、上記凹みが形成されたまま元の形状に戻らなくなってしまうおそれがあり、これに起因して外観品質の低下を招くことが懸念される。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、シール部に凹みが形成されることによる外観品質の低下を抑制することのできるウエザストリップを提供することにある。
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.車両のドア開口周縁に沿って設けられたフランジ部に取着され、車外側側壁部、車内側側壁部、及び両側壁部を連結する連結部を具備する断面略U字状のトリム部と、中空部を有するシール部とを備え、ドア閉時に前記シール部がドアの周縁部に圧接されるウエザストリップにおいて、
前記シール部は、前記車外側側壁部の前記連結部との境界部付近から車外側に延出する第1延出部と、前記車外側側壁部の先端部付近から車外側に延出する第2延出部と、前記第1延出部及び前記第2延出部の両先端部間を連結し、車外側に凸となる断面略円弧状の膨出部とを備え、
前記第1及び第2延出部はソリッド材により構成され、前記膨出部はスポンジ材により構成される構成であって、
前記中空部内において、前記車外側側壁部の前記第1延出部との境界部付近の部位と前記膨出部とを連結し、前記中空部を前記ドア開口内周側の第1中空部と、前記ドア開口外周側の第2中空部とに分けるブリッジを備えることを特徴とするウエザストリップ。
手段1によれば、中空部内にブリッジが設けられることにより、シール部の反発力(張力)が大きくなっている。このため、ドア閉時にドアの周縁部に押されて車内側に変位した部位は、ドアの周縁部に対して密着した状態とされる。従って、ドア周縁部に圧接された部位がドア周縁部から離間するようにして中空部の内側に屈曲し、中空部内側に凹むようにして変形してしまうといった事態を抑制することができるとともに、ドアがシール部から離間したのにもかかわらず、シール部が潰れ変形したまま元の形状に戻らないといった事態を抑制することができる。結果として、凹みが形成されたシール部が視認されてしまうことに起因して、外観品質の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
また、本手段1によれば、ブリッジの車外側側壁部との連接部(以下、基端側連接部と称する)の位置が、車外側側壁部の第1延出部との境界部付近に設定されている。これにより、ドア閉時においてブリッジが突っ張ってしまい、ドアを閉じきる際に比較的大きな力を要してしまうといったおそれを抑制することができる上、ブリッジによってシール部の凹むような変形を抑制するといった作用効果が確実に奏される。
尚、基端側連接部が第2延出部に近付きすぎてしまうと、ブリッジと第2延出部(シール部)とがくっついてしまう(ブリッジと第2延出部との間に中空部が形成されなくなってしまう)おそれがある。一方、ブリッジの基端側連接部が第2延出部から離れすぎてしまう(例えば第1延出部に基端側連接部が位置する)と、ドアの周縁部にシール部を圧接させてシール部の凹むような変形を抑制するといった作用効果が十分に奏されなくなってしまうおそれがある。
手段2.車両のドア開口周縁に沿って設けられたフランジ部に取着され、車外側側壁部、車内側側壁部、及び両側壁部を連結する連結部を具備する断面略U字状のトリム部と、中空部を有するシール部とを備え、ドア閉時に前記シール部がドアの周縁部に圧接されるウエザストリップにおいて、
前記シール部は、ドア閉時にドアの周縁部と当接する所定部位において厚肉部を備えるとともに、前記厚肉部に隣接する前記ドア開口内周側及び前記ドア開口外周側の部位がそれぞれ前記厚肉部よりも肉薄の薄肉部として構成され、
前記中空部内において、前記シール部のうち前記ドア開口外周側の薄肉部よりも前記ドア開口外周側の部位と前記車外側側壁部とを連結するブリッジを備えたことを特徴とするウエザストリップ。
手段2によれば、基本的に上記手段1と同様の作用効果が奏される。また、本手段2によれば、シール部のうちドア閉時にドアの周縁部と当接する部位(以下、当接部位と称する)において厚肉部が設けられており、当接部位の剛性が高められている。従って、ドア周縁部に圧接された当接部位がドア周縁部から離間するようにして中空部の内側に屈曲し、中空部内側に凹むようにして変形してしまうといった事態をより確実に抑制することができる。結果として、シール部の凹みに起因する外観品質の低下をより確実に防止することができる。
さらに、厚肉部に隣接する部位は薄肉部となっている。つまり、厚肉部に隣接する部位がドア閉時に積極的に変形することとなるため、上記のように、ブリッジや厚肉部が設けられ、シール部の剛性が高められる場合であっても、ドア閉時にシール部が突っ張ってドアを閉じきる際に比較的大きな力を要してしまうといったおそれを抑制することができる。結果として、シール部の外観品質の低下を抑制するといった上記作用効果を奏しつつ、ドアを比較的スムースに閉じることができる。
手段3.車両のドア開口周縁に沿って設けられたフランジ部に取着され、車外側側壁部、車内側側壁部、及び両側壁部を連結する連結部を具備する断面略U字状のトリム部と、中空部を有するシール部とを備え、ドア閉時に前記シール部がドアの周縁部に圧接されるウエザストリップにおいて、
前記シール部は、前記車外側側壁部の前記連結部との境界部付近から車外側に延出する第1延出部と、前記車外側側壁部の先端部付近から車外側に延出する第2延出部と、前記第1延出部及び前記第2延出部の両先端部間を連結し、車外側に凸となる断面略円弧状の膨出部とを備え、
前記第1及び第2延出部はソリッド材により構成され、前記膨出部はスポンジ材により構成される構成であって、
前記膨出部は、ドア閉時にドアの周縁部と当接する所定部位において厚肉部を備えるとともに、前記厚肉部に隣接する前記ドア開口内周側及び前記ドア開口外周側の部位がそれぞれ前記厚肉部よりも肉薄の薄肉部として構成され、
前記中空部内において、前記膨出部のうち前記ドア開口外周側の薄肉部よりも前記第2延出部側に位置する部位と、前記車外側側壁部の前記第1延出部との境界部付近の部位とを連結するブリッジを備えたことを特徴とするウエザストリップ。
手段3によれば、基本的に上記手段1及び手段2と同様の作用効果が奏される。
手段4.車両のドア開口周縁に沿って設けられたフランジ部に取着され、車外側側壁部、車内側側壁部、及び両側壁部を連結する連結部を具備する断面略U字状のトリム部と、中空部を有するシール部とを備え、ドア閉時に前記シール部がドアの周縁部に圧接されるウエザストリップにおいて、
前記シール部は、前記車外側側壁部の前記連結部との境界部付近から車外側に延出する第1延出部と、前記車外側側壁部の先端部付近から車外側に延出する第2延出部と、前記第1延出部及び前記第2延出部の両先端部間を連結し、車外側に凸となる断面略円弧状の膨出部とを備え、
前記第1及び第2延出部はソリッド材により構成され、前記膨出部はスポンジ材により構成される構成であって、
前記中空部内において、前記車外側側壁部の前記第1延出部との境界部付近の部位と前記膨出部とを連結し、前記中空部を前記ドア開口内周側の第1中空部と、前記ドア開口外周側の第2中空部とに分けるブリッジを備え、
ドア閉時には、前記膨出部のうち前記第1中空部を形成する部位がドアの周縁部と当接して車内側に押圧される構成であって、
前記膨出部は、ドア閉時にドアの周縁部と最初に当接することとなる部位を含む所定部位において厚肉部を備えるとともに、前記厚肉部から前記ブリッジとの連接部までの間、及び前記厚肉部から前記第1延出部の先端部までの間の部位においてそれぞれ前記厚肉部よりも肉薄の薄肉部を備えることを特徴とするウエザストリップ。
手段4によれば、基本的に上記手段2及び手段3と同様の作用効果が奏される。また、本手段4では、膨出部のうちブリッジとの連接部よりもドア開口内周側の部位に対してドアの周縁部が圧接される。このため、ブリッジは、ドア周縁部に押されて車内側に変位させられた部位(当接部位)を中空部の内側から直接支えるのではなく、当接部位の側部において突っ張るようにして支持することとなる。従って、当接部位をより広い範囲でより確実にドアの周縁部に圧接させることができる。
手段5.前記ブリッジの前記膨出部との連接部の位置は、
前記第2延出部の先端部から前記連接部にかけての前記膨出部の周長を、
前記第2延出部の先端部から前記第1延出部の先端部にかけての前記膨出部の周長で除算したときの値が0.20以上かつ0.35以下となる範囲内で設定されることを特徴とする手段1、3、4のいずれかに記載のウエザストリップ。
手段5のようにブリッジの膨出部との連接部(以下、先端側連接部と称する)の位置が設定されることにより、ドアの周縁部にシール部を圧接させるといった作用効果が確実に奏されるとともに、ドア閉時にブリッジが突っ張ってドアが閉まりにくくなってしまうといった事態を抑制することができる。
尚、第2延出部の先端部から連接部にかけての膨出部の周長(L1)を、第2延出部の先端部から第1延出部の先端部にかけての膨出部の周長(L2)で除算したときの値(L1/L2)は、「0.22」以上かつ「0.30」以下とするのがより好ましく、「0.23」以上かつ「0.27」以下とするのがさらに好ましい。尚、「L1/L2」が「0.20」未満の場合、つまり、ブリッジの先端側連接部が第2延出部の先端部に近付いた場合には、ドアの周縁部にシール部を圧接させるといった効果が十分に奏されなくなってしまうおそれがある。一方、「L1/L2」が「0.35」よりも大きい場合、つまり、ブリッジの先端側連接部が第1延出部の先端部に近付いた場合には、ドア閉時においてブリッジが突っ張ってドアを閉じきる際に比較的大きな力を要してしまうおそれがある。
手段6.前記厚肉部の肉厚は前記薄肉部の肉厚の1.1倍以上かつ1.4倍以下であることを特徴とする手段2乃至4のいずれかに記載のウエザストリップ。
手段6によれば、厚肉部は薄肉部に比べ1割〜4割程度厚肉となっている。このような肉厚バランスとすることにより、厚肉部においては変形を抑制し、薄肉部においては積極的に変形させることができる。尚、厚肉部の肉厚を薄肉部の肉厚の1.2倍以上かつ1.3倍以下とするのがより好ましい。
手段7.前記ブリッジの前記膨出部との連接部の位置は、
前記第2延出部の先端部から前記連接部にかけての前記膨出部の周長を、
前記第2延出部の先端部から前記第1延出部の先端部にかけての前記膨出部の周長で除算したときの値が0.20以上かつ0.35以下となる範囲内で設定され、
前記厚肉部の肉厚は前記薄肉部の肉厚の1.1倍以上かつ1.4倍以下であることを特徴とする手段3又は4に記載のウエザストリップ。
手段7によれば、上記手段5及び手段6と同様の作用効果が奏される。
手段8.前記ブリッジはスポンジ材により構成されることを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載のウエザストリップ。
手段8によれば、ブリッジがスポンジ材により構成されるため、ドア閉時においてブリッジが突っ張ってしまうといった事態をより抑制することができるとともに、シール部をドア周縁部に圧接させるといった作用効果がより確実に奏されることとなる。
手段9.前記膨出部のうち前記ブリッジとの連接部よりもドア開口外周側の部位である外周側形成部位において曲率が最大となる大曲率部を設け、前記外周側形成部位を前記中空部の外周側に膨出させたことを特徴とする手段1乃至8のいずれかに記載のウエザストリップ。
ドア開口のコーナー部等の屈曲部位に対し、所定の押出成形機によってほぼ直線状に形成されるウエザストリップ(押出成形体)を屈曲させて取付ける場合には、当該屈曲部位において、中空部を有するシール部が中空部内側に凹むようにして潰れ変形してしまうことが懸念される。
また、上記手段1乃至4に記載のようにブリッジを設けることで、ウエザストリップを屈曲させることに起因するシール部の潰れ変形を抑制することはできるが、膨出部のうちブリッジとの連接部よりもドア開口外周側の部位(外周側形成部位)については、依然として、中空部の内側に凹むようにして潰れ変形してしまうおそれがある。
これに対し、手段9によれば、ウエザストリップを屈曲させることに起因して潰れ変形するおそれのある外周側形成部位に対して大曲率部を設け、当該外周側形成部位を中空部の外周側に膨出させている。これにより、外周側形成部位がドア開口内周側へと向かう応力を受けた際に、当該外周側形成部位を突っ張らせることができ、外周側形成部位が中空部内側に凹むようにして潰れ変形してしまうといった事態を抑制することができる。従って、ドア開口の屈曲部位に対応する外周側形成部位と、その他の直線部位に対応する外周側形成部位との間で形状(膨らみ具合)に大きな差異が生じてしまうといったおそれを抑制することができる。結果として、外観品質の低下を抑制することができる。また、中空部の潰れ変形を防止するべく、中空部にパッド等を挿入する場合に比べ、作業性の向上やコストの抑制等を図ることができる。
手段10.前記シール部は、前記車外側側壁部の前記連結部との境界部付近から車外側に延出する第1延出部と、前記車外側側壁部の先端部付近から車外側に延出する第2延出部と、前記第1延出部及び前記第2延出部の両先端部間を連結し、車外側に凸となる断面略円弧状の膨出部とを備え、
前記大曲率部の位置は、
前記第2延出部の先端部から前記大曲率部にかけての前記膨出部の周長を、
前記第2延出部の先端部から前記ブリッジとの連接部にかけての前記膨出部の周長で除算したときの値が0.60以上かつ0.85以下となる範囲内で設定されることを特徴とする手段9に記載のウエザストリップ。
手段10のように、大曲率部が外周側形成部位においてブリッジとの連接部寄りに形成されることで、ブリッジとの連接部からドア開口外周側に向けて延出する外周側形成部位の延出角度を、ウエザストリップを屈曲変形させる方向でもあるドア開口外周方向に極力近付けることができる。これにより、外周側形成部位がドア開口内周側へと向かう応力を受けた際に、当該外周側形成部位(特にブリッジとの連接部側の部位)をより確実に突っ張らせることができ、外周側形成部位の潰れ変形をより確実に抑制することができる。
手段11.前記シール部は、前記車外側側壁部の前記連結部との境界部付近から車外側に延出する第1延出部と、前記車外側側壁部の先端部付近から車外側に延出する第2延出部と、前記第1延出部及び前記第2延出部の両先端部間を連結し、車外側に凸となる断面略円弧状の膨出部とを備え、
前記外周側形成部位の内側面の一部が、前記外周側形成部位のうち前記ブリッジとの連接部における厚み方向中心位置と、前記第2延出部の先端部との境界部における厚み方向中心位置とを結ぶ線分よりも前記中空部の外周側に位置することを特徴とする手段9又は10に記載のウエザストリップ。
手段11の構成を採用することによって、外周側形成部位がより確実に中空部の外周側に膨出することとなり、上記手段9、10の作用効果がより確実に奏されることとなる。また、外周側形成部位を厚肉とすることなく外周側形成部位を膨出させることで、外周側形成部位が厚肉となりすぎることに起因してドアと自動車ボディとの間をシールするといったウエザストリップとしての機能が低下してしまうといったおそれを防止することができる。
手段12.前記大曲率部は、前記膨出部のうち最もドア開口外周側に位置する端部よりもドア開口内周側に位置するとともに、前記膨出部のうち最も車外側に位置する端部よりも車内側に位置することを特徴とする手段9乃至11のいずれかに記載のウエザストリップ。
手段12によれば、車外側形成部位を膨出させすぎることに起因してドアと自動車ボディとの間をシールするといったウエザストリップとしての機能が低下してしまうといったおそれを防止することができる。
手段13.前記ブリッジは、前記膨出部との連接部が前記車外側側壁部との連接部よりもドア開口外周側に位置していることを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載のウエザストリップ。
手段13によれば、ドア閉時においてブリッジが突っ張ってしまい、ドアを閉じきる際に比較的大きな力を要してしまうといったおそれをより確実に抑制することができる。また、シール部(外周側形成部位)がドア開口内周側へと向かう応力を受けた際にブリッジを突っ張らせることができ、例えば、ブリッジが車幅方向に平行して延びている場合に比べ、シール部が全体的にドア開口内周側に潰れ変形してしまうといった事態を抑制することができる。
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、車両としての自動車1には、自動車ドア(図ではフロントドア:以下、単に「ドア2」という)が開閉可能に設けられており、ドア2に対応する自動車ボディ(車両本体)のドア開口3の周縁部には、ウエザストリップ4が取着されている。本実施形態のウエザストリップ4は、押出成形法によって成形され、全体として略環状をなす。
図2に示すように、ウエザストリップ4はトリム部5及びシール部6を備えている。トリム部5は、車内側側壁部11、車外側側壁部12及び両側壁11,12を連結する連結部13を備えており、全体として断面略U字状をなす。トリム部5はソリッドEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)により構成されている。また、トリム部5の内部には金属製のインサート14が埋設されている。
車外側側壁部12の内面にはトリム部5の内側(車内側)に延出する複数の保持リップ部15が一体形成され、車内側側壁部11の内面にはトリム部5の内側(車外側)に延出する保持リップ部16が一体形成されている。
また、ドア開口3周縁部には、自動車ボディのインナパネル21及びアウタパネル22が接合されることによりフランジ部23が形成されている。そして、トリム部5の内側にフランジ部23を嵌め込むようにして、ウエザストリップ4がドア開口3周縁部に取付けられている。尚、基本的には保持リップ部15、16による弾性力等に基づいてウエザストリップ4の取付状態が保持されるようになっている。
シール部6は中空状をなし、車外側側壁部12から車外側に突出して設けられている。そして、ドア2が閉じられたときに、シール部6がドア2の周縁部に圧接して潰れ変形し、これによりドア2と自動車ボディとの間がシールされる。
ここでシール部6の構成についてより詳しく説明する。シール部6は、車外側側壁部12の連結部13との境界部近傍からドア開口3の内周側(図2では下側)に傾斜しつつ車外側(図2では左側)に延出する第1延出部31と、車外側側壁部12の先端部から車外側側壁部12とほぼ直交して車外側に延出する第2延出部32と、第1延出部31及び第2延出部32の両先端部間を連結する膨出部33とを備えている。膨出部33は車外側に凸となるように湾曲形成されており、シール部6は全体として断面略D字状をなしている。また、第1延出部31及び第2延出部32はソリッドEPDMにより構成され、膨出部33はスポンジEPDMにより構成されている。
尚、シール部6には、膨出部33をドア開口3の内周側(車内側)に延長させるようにして形成されたリップ部18が設けられており、当該リップ部18によってガーニッシュ等の内装品25の端部が覆われる。また、第2延出部32の外表面側には、膨出部33より延出したスポンジ層が形成されており、これにより第2延出部32と膨出部33との境界部が外観に表れないようなっている。さらに、リップ部18が、膨出部33から連続的に延出形成されているとともに、膨出部33と同じスポンジEPDMで構成されていることにより、第1延出部31と膨出部33との境界部が外観に表れないようなっている。これらの構成により、第1及び第2延出部31、32と膨出部33との境界部が外観に表れることに起因して、外観品質の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
さて、シール部6の内側には、車外側側壁部12から膨出部33へと架け渡されるブリッジ34が設けられており、該ブリッジ34により、シール部6の内側に形成される中空部が、ドア開口3内周側の第1中空部6aと、外周側の第2中空部6bとに分けられている。ブリッジ34は、スポンジEPDMにより構成され、押出成形に際してトリム部5及びシール部6と同時形成される。
また、ブリッジ34はドア2の開閉方向(図2では左右方向)に対して斜めに交わる方向にほぼ直線状に延びている。より詳しくは、ブリッジ34の車外側側壁部12との連接部(基端側連接部34a)の位置は、車外側側壁部12の第1延出部31との境界部付近に設定されている。一方、ブリッジ34の膨出部33との連接部(先端側連接部34b)の位置は、第2延出部32の先端部から先端側連接部34bにかけての膨出部33の周長「L1」を、第2延出部32の先端部から第1延出部31の先端部にかけての膨出部33の周長「L2」で除算したときの値「L1/L2」が「0.20」以上かつ「0.35」以下となる範囲内(例えば「0.25」程度)で設定されている。また、本実施形態では、車外側側壁部12とブリッジ34とのなす角度は50度以上かつ70度以下となっている。
本実施形態では、ドア2の閉時には、膨出部33のうち第1中空部6aを形成する部位(以下、当接部位40と称する)がドア2の周縁部と当接して車内側に押圧される構成となっており、膨出部33のうち第2中空部6bを形成する部位は基本的にドア2と当接しない(ドア2に直接押されて変形するのではなく、車内側に変位する当接部位40に引っ張られるようにして変形する)ようになっている。
また、膨出部33は、当接部位40のうち最も車外側に位置する部位、すなわちドア2を閉じる際にドア2の周縁部に対して最初に当接する部位を含む所定範囲の部位が厚肉部41となっている。さらに、厚肉部41からブリッジ34の先端部(先端側連接部34b)までの間の部位、及び厚肉部41から第1延出部31の先端部までの間の部位が厚肉部41よりも肉厚の薄い薄肉部42となっている。つまり、主としてドア2の周縁部に圧接されて車内側に変位させられる当接部位40の中間部位は厚肉部41とされて変形し難くなっており、シール部6の周方向において厚肉部41の両隣は薄肉部42とされて変形し易くなっている。
さらに、厚肉部41の肉厚T1は薄肉部42の肉厚T2の「1.1倍」以上、かつ「1.4倍」以下となるように設定されている。また、ブリッジ34の肉厚T3は薄肉部42の肉厚T2の「0.9倍」以上かつ「1.3倍」以下となるように設定されている。尚、本実施形態では、厚肉部41の肉厚T1は約1.8mm、薄肉部42の肉厚T2は約1.4mm、ブリッジ34の肉厚T3は約1.6mmとなっている。加えて、膨出部33のうち第2中空部6bを形成する部位の肉厚は、薄肉部42よりも厚肉となっている。
次に、ドア2を閉じる際の、シール部6の変形動作及びそれによる作用効果について説明する。
ドア2を閉じていくと、まず当接部位40のうち最も車外側に位置する部位、すなわち厚肉部41がドア2の周縁部に当接する。そして、ドア2を完全に閉めると、図3に示すように、当接部位40がドア2の周縁部に押されて車内側に寄せられる。このとき、ドア2の周縁部と当接して押圧される当接部位40に対しては、ドア2から離間させられるような、すなわち中空部6a内側に凹まされるような力が作用する。
これに対し、本実施形態では、シール部6は、当接部位40において厚肉部41が設けられており、当接部位40の剛性が高められている。さらに、シール部6の内側にブリッジ34が設けられることにより、シール部6の反発力(張力)が大きくなっている。このため、ドア2の閉時にドア2の周縁部に押されて車内側に変位した当接部位40は、ドア2の周縁部に対してより密着した状態(厚肉部41がドア2の周縁部に面で当接した状態)とされる。従って、ドア2の周縁部に圧接された当接部位40がドア2周縁部から離間するようにして第1中空部6aの内側に屈曲し、第1中空部6aの内側に凹むようにして変形してしまうといった事態を抑制することができるとともに、ドア2がシール部6から離間したのにもかかわらず、シール部6が潰れ変形したまま元の形状に戻らないといった事態を抑制することができる。結果として、凹みが形成されたシール部6が視認されてしまうことに起因して、外観品質の低下を招いてしまうといった事態を防止することができる。
特に、本実施形態では、ドア2の周縁部に直接押圧されて車内側に変位させられる部位を外れた箇所に先端側連接部34bが位置している(先端側連接部34bよりもドア開口3内周側に当接部位40が設定されている)。このため、ブリッジ34は、ドア2の周縁部に押されて車内側に変位させられた当接部位40を中空部の内側から直接支えるのではなく、当接部位40の側部において突っ張るようにして支持することとなる。従って、当接部位40をより広い範囲でより確実にドア2の周縁部に圧接させることができる。
さらに、シール部6の周方向において厚肉部41の両隣は薄肉部42となっている。つまり、厚肉部41の周縁部がドア2の閉時に積極的に変形することとなる。従って、上記のように、ブリッジ34や厚肉部41が設けられ、シール部6の剛性が高められる場合であっても、ドア2の閉時にシール部6が突っ張ってドア2を閉じきる際に比較的大きな力を要してしまうといったおそれを抑制することができる。結果として、シール部6の外観品質の低下を抑制するといった上記作用効果を奏しつつ、ドア2を比較的スムースに閉じることができる。
加えて、シール部6の凹みを抑制するべく、シール部の内側(中空部)にパッド等を挿入するような場合に比べ、コストの低減及び製造作業性の向上が図られる。
また、ブリッジの基端側連接部34aの位置が、車外側側壁部の第1延出部との境界部付近に設定されるとともに、先端側連接部34bの位置が、「L1/L2」の値が「0.25」程度となるように設定されている。これにより、ドア2の閉時においてブリッジ34が突っ張ってしまい、ドア2を閉じきる際に比較的大きな力を要してしまうといったおそれを抑制することができる上、ドア2の周縁部にシール部6を圧接させてシール部6の凹むような変形を抑制するといった作用効果がより確実に奏されることとなる。
さらに、厚肉部41は薄肉部42に比べ1割〜4割程度厚肉となっている。このように肉厚バランスを設定することにより、厚肉部41においては変形を抑制し、薄肉部42においては積極的に変形させることができる。加えて、ブリッジ34がスポンジ材により構成されるため、ドア2の閉時においてブリッジ34が突っ張ってしまうといった事態をより抑制することができるとともに、シール部6をドア2の周縁部に圧接させるといった作用効果がより確実に奏されることとなる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記実施形態では、フロント側のドア2に対応する自動車ボディ側のドア開口3周縁部に設けられるウエザストリップ4について具体化したが、リヤドア、バックドア、ラッゲージドア(トランクリッド)、ルーフドア(スライディングルーフパネル)等の他のドアに対応するドア開口周縁部に設けられるウエザストリップについて適用することもできる。
(b)上記実施形態では、トリム部5及びシール部6をEPDMにより構成しているが、その他の素材により構成してもよい。但し、トリム部5、第1及び第2延出部31、32はソリッド材により構成され、膨出部33はスポンジ材により構成されることとする。
(c)ウエザストリップ4は、ドア開口3周縁部の全周にわたって設けられることとしてもよいし、部分的に設けられてもよい。また、型接続されることで構成されるウエザストリップの押出成形部にも適用可能である。加えて、インサート14を省略したウエザストリップにも適用可能である。
(d)上記実施形態においてリップ部18を省略してもよいし、連結部13から車内側に延出するようにして設けてもよい。
(e)上記実施形態では、厚肉部41からブリッジ34の先端部(先端側連接部34b)までの間の部位、及び厚肉部41から第1延出部31の先端部までの間の部位が全て薄肉部42となっているが、当接部位40のうち先端側連接部34b付近や第1延出部31の先端部付近の部位を薄肉部42よりも厚肉にしてもよい。また、上記実施形態では、膨出部33のうち第2中空部6bを形成する部位が薄肉部42よりも厚肉に構成されているが、膨出部33のうち第2中空部6bを形成する部位の肉厚を薄肉部42とほぼ同じ肉厚とすることとしてもよい。但し、膨出部33のうち薄肉部42が最も肉薄となるのが好ましい。
また、例えば、当接部位40の肉厚をほぼ均一にすることとしてもよいし、当接部位40のうち、先端側連接部34b付近や第1延出部31の先端部付近の部位を、ドア2の周縁部と最初に当接することとなる部位よりも厚肉にすることとしてもよい。
(f)上記実施形態では特に言及しなかったが、ドア開口3のコーナー部等の屈曲部位に対し、所定の押出成形機によってほぼ直線状に形成されるウエザストリップ(押出成形体)を屈曲させて取付ける場合には、当該屈曲部位において、中空部を有するシール部が中空部内側に凹むようにして潰れ変形してしまうおそれがある。この場合、ウエザストリップの長手方向に沿って延設されるシール部が屈曲部位において陥没しているように見えてしまい、これに起因して、外観品質の低下を招くことが懸念される。前記潰れ変形を抑止するべく、中空部内にパッドを挿入するといった従来技術も存在するが、この場合、手間やコストの増加を招くおそれがある。
また、上記実施形態のようにブリッジ34を設けることで、ウエザストリップ4を屈曲させることに起因するシール部6の潰れ変形を抑制することはできるが、膨出部33のうちブリッジ34との連接部(先端側連接部34b)よりもドア開口3外周側の部位については、依然として、第2中空部6bの内側に凹むようにして潰れ変形してしまうおそれがある。
このような不具合を解消するべく、図5の実線で示すようなウエザストリップ51を採用してもよい。以下、図5のウエザストリップ51について、図2のウエザストリップ4と対比させつつ詳細に説明する。尚、図5の点線は、図2のウエザストリップ4とほぼ同様のシール部形状をなすウエザストリップ(ウエザストリップ4)を示したものである。また、ウエザストリップ51は上記実施形態のウエザストリップ4と同様の基本構成を具備するため、便宜上、ウエザストリップ51に関しても上記実施形態と同じ部材名称及び部材番号を用いて説明する。
さて、図5の実線で示すように、ウエザストリップ51は、膨出部33のうち先端側連接部34bよりもドア開口3外周側の部位、すなわち、第2中空部6bを形成する部位(以下、外周側形成部位52と称する)において曲率が大きく変化する大曲率部としての屈曲部53を備えており、上記実施形態のウエザストリップ4(図5の点線参照)よりも外周側形成部位52が第2中空部6bの外周側に膨出している。尚、ここで言う曲率とは基本的に膨出部33の外周面の曲率を意図している。
つまり、図5の点線(図2)で示すウエザストリップ4の膨出部33は、先端側連接部34bよりも若干ドア開口3内周側の部位(以下、変曲部Kと称する)を境に、ドア開口3外周側の部位の曲率が、ドア開口3内周側の部位の曲率よりも若干大きくなっている。但し、第1延出部31から変曲部Kまでの区間はいずれの部位においても曲率がほぼ同じであり、変曲部Kから第2延出部32までの区間はいずれの部位においても曲率がほぼ同じである。このため、膨出部33全体で見ても、曲率が大きく変化する屈曲部が形成されることはなく、膨出部33は滑らかに湾曲しつつ第1延出部31の先端部と第2延出部32の先端部との間を連結している。
これに対し、図5の実線で示すウエザストリップ51の膨出部33は、先端側連接部34bよりも若干ドア開口3内周側の部位(図5点線の変曲部Kと同じ位置なので同様に変曲部Kと称する)を境に、ドア開口3外周側の部位の曲率が、ドア開口3内周側の部位の曲率よりも若干小さくなっている。また、第1延出部31から変曲部Kまでの区間に関してはいずれの部位においても曲率がほぼ同じであるが、変曲部Kから第2延出部32までの区間においては曲率が変化している。
より詳しく説明すると、図5実線のウエザストリップ51は、変曲部Kから屈曲部53に向けて次第に曲率が大きくなるとともに、第2延出部32の先端部から屈曲部53に向けても曲率が次第に大きくなっている。つまり、少なくとも車外側形成部位52においては、屈曲部53において最も曲率が大きくなっている。また、屈曲部53の形成位置は、第2延出部32から屈曲部53にかけての膨出部33の周長L3を、第2延出部32から先端側連接部34bにかけての膨出部33の周長L1(つまり外周側形成部位52の長さ)で除算したときの値が0.60以上、かつ、0.85以下となる範囲内に設定されている。
さらに、外周側形成部位52の内側面の一部が、外周側形成部位52のうちブリッジ34との連接部における厚み方向中心位置52aと、第2延出部32との境界部における厚み方向中心位置52bとを結ぶ線分Xよりも第2中空部6bの外周側に位置する構成となっている。つまり、図5実線のウエザストリップ51は、図5点線のウエザストリップ4に比べ、外周側形成部位52を膨出させるのではあるが、外周側形成部位52の肉厚を厚くするのではないため、外周側形成部位52が厚肉となりすぎることに起因してドア2と自動車ボディとの間をシールするといったウエザストリップとしての機能が低下してしまうといったおそれを防止することができる。
尚、ブリッジ34の先端側連接部34bは、基端側連接部34aよりもドア開口3の外周側に位置しているため、シール部6(外周側形成部位52)がドア開口3内周側(図5では下側)へと向かう応力を受けた際にブリッジ34を突っ張らせることができ、例えば、ブリッジ34が車幅方向に平行して延びている場合に比べ、シール部6が全体的にドア開口3内周側に潰れ変形してしまうといった事態を抑制することができる。
また、屈曲部53のなす角は鈍角であることが望ましい。さらには、屈曲部53は膨出部33のうち最もドア開口3の外周側に位置する端部よりもドア開口3の内周側に位置するとともに、膨出部33のうち最も車外側に位置する端部よりも車内側に位置することが望ましい。これらの構成により、車外側形成部位52を膨出させすぎることに起因してドア2と自動車ボディとの間をシールするといったウエザストリップとしての機能が低下してしまうといったおそれを防止することができる。
以上のように、ドア開口3のコーナー部等の屈曲部位に対しウエザストリップ51を屈曲させて取付ける際に潰れ変形するおそれのある外周側形成部位52に対して屈曲部53を設け、当該外周側形成部位52を第2中空部6bの外周側に膨出させている。これにより、外周側形成部位52がドア開口3内周側へと向かう応力を受けた際に、当該外周側形成部位52を突っ張らせることができ、外周側形成部位52が第2中空部6b内側に凹むようにして潰れ変形してしまうといった事態を抑制することができる。従って、ドア開口3の屈曲部位に対応する外周側形成部位52と、その他の直線部位に対応する外周側形成部位52との間で形状(膨らみ具合)に大きな差異が生じてしまうといったおそれを抑制することができる。結果として、外観品質の低下を抑制することができる。また、中空部(第2中空部6b)の潰れ変形を防止するべく、中空部(第2中空部6b)にパッド等を挿入する場合に比べ、作業性の向上やコストの抑制等を図ることができる。
さらに、屈曲部53の形成位置は、第2延出部32から屈曲部53にかけての膨出部33の周長L3を、第2延出部32から先端側連接部34bにかけての膨出部33の周長L1で除算したときの値が0.60以上、かつ、0.85以下となる範囲内で設定されている。このように、屈曲部53が外周側形成部位52において先端側連接部34b寄りに形成されることで、先端側連接部34bからドア開口3外周側に向けて延出する外周側形成部位52の延出角度を、ウエザストリップ51を屈曲変形させる方向でもあるドア開口3外周方向に極力近付けることができる。これにより、外周側形成部位52がドア開口3内周側へと向かう応力を受けた際に、当該外周側形成部位52(特に先端側連接部34b側の部位)をより確実に突っ張らせることができ、外周側形成部位52の潰れ変形をより確実に抑制することができる。
(g)図5では、屈曲部53として所定の点を指し示しているが、膨出部33の周方向においてある程度の範囲を指して屈曲部53としてもよい。さらに、上記(f)では、外周側形成部位52の両端部から屈曲部53に向けて次第に曲率が大きくなる構成であったが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、外周側形成部位52のうち膨出部33の周方向においてある程度の長さを有する屈曲部と、屈曲部よりも先端側連接部34b側の部位と、屈曲部よりも第2延出部32の先端部側の部位とで曲率が3つに分かれる構成であってもよい。
また、屈曲部53は膨出部33の周方向における両隣の部位よりも曲率が大きくなっていればよく、必ずしも、膨出部33において最も屈曲している部位が屈曲部53である必要はない。加えて、ウエザストリップ51の膨出部33は、変曲部Kを境に曲率が変化しているが変化しなくてもよい。
尚、ドア2の閉時において外周側形成部位52に対してもドア2の周縁部が当接するように構成する場合には、上記(f)の構成を採用し、外周側形成部位52の潰れ変形を抑制することで、シール性の低下を防止するといった作用効果が奏される。尚、屈曲部53は、車幅方向(又はドア開口3外周方向)に対する外周側形成部位52の外面の角度が45度となる部位、或いは当該部位を含む部位であることとしてもよい。
フロントドアが開状態にある自動車の斜視図である。 ウエザストリップを示す断面図である。 ドア閉時におけるウエザストリップを示す断面図である。 従来のウエザストリップを示す断面図である。 別の実施形態におけるウエザストリップを示す断面図である。
符号の説明
1…自動車、2…ドア、3…ドア開口、4…ウエザストリップ、5…トリム部、6…シール部、6a…第1中空部、6b…第2中空部、12…車外側側壁部、23…フランジ部、31…第1延出部、32…第2延出部、33…膨出部、34…ブリッジ、41…厚肉部、42…薄肉部。

Claims (13)

  1. 車両のドア開口周縁に沿って設けられたフランジ部に取着され、車外側側壁部、車内側側壁部、及び両側壁部を連結する連結部を具備する断面略U字状のトリム部と、中空部を有するシール部とを備え、ドア閉時に前記シール部がドアの周縁部に圧接されるウエザストリップにおいて、
    前記シール部は、前記車外側側壁部の前記連結部との境界部付近から車外側に延出する第1延出部と、前記車外側側壁部の先端部付近から車外側に延出する第2延出部と、前記第1延出部及び前記第2延出部の両先端部間を連結し、車外側に凸となる断面略円弧状の膨出部とを備え、
    前記第1及び第2延出部はソリッド材により構成され、前記膨出部はスポンジ材により構成される構成であって、
    前記中空部内において、前記車外側側壁部の前記第1延出部との境界部付近の部位と前記膨出部とを連結し、前記中空部を前記ドア開口内周側の第1中空部と、前記ドア開口外周側の第2中空部とに分けるブリッジを備えることを特徴とするウエザストリップ。
  2. 車両のドア開口周縁に沿って設けられたフランジ部に取着され、車外側側壁部、車内側側壁部、及び両側壁部を連結する連結部を具備する断面略U字状のトリム部と、中空部を有するシール部とを備え、ドア閉時に前記シール部がドアの周縁部に圧接されるウエザストリップにおいて、
    前記シール部は、ドア閉時にドアの周縁部と当接する所定部位において厚肉部を備えるとともに、前記厚肉部に隣接する前記ドア開口内周側及び前記ドア開口外周側の部位がそれぞれ前記厚肉部よりも肉薄の薄肉部として構成され、
    前記中空部内において、前記シール部のうち前記ドア開口外周側の薄肉部よりも前記ドア開口外周側の部位と前記車外側側壁部とを連結するブリッジを備えたことを特徴とするウエザストリップ。
  3. 車両のドア開口周縁に沿って設けられたフランジ部に取着され、車外側側壁部、車内側側壁部、及び両側壁部を連結する連結部を具備する断面略U字状のトリム部と、中空部を有するシール部とを備え、ドア閉時に前記シール部がドアの周縁部に圧接されるウエザストリップにおいて、
    前記シール部は、前記車外側側壁部の前記連結部との境界部付近から車外側に延出する第1延出部と、前記車外側側壁部の先端部付近から車外側に延出する第2延出部と、前記第1延出部及び前記第2延出部の両先端部間を連結し、車外側に凸となる断面略円弧状の膨出部とを備え、
    前記第1及び第2延出部はソリッド材により構成され、前記膨出部はスポンジ材により構成される構成であって、
    前記膨出部は、ドア閉時にドアの周縁部と当接する所定部位において厚肉部を備えるとともに、前記厚肉部に隣接する前記ドア開口内周側及び前記ドア開口外周側の部位がそれぞれ前記厚肉部よりも肉薄の薄肉部として構成され、
    前記中空部内において、前記膨出部のうち前記ドア開口外周側の薄肉部よりも前記第2延出部側に位置する部位と、前記車外側側壁部の前記第1延出部との境界部付近の部位とを連結するブリッジを備えたことを特徴とするウエザストリップ。
  4. 車両のドア開口周縁に沿って設けられたフランジ部に取着され、車外側側壁部、車内側側壁部、及び両側壁部を連結する連結部を具備する断面略U字状のトリム部と、中空部を有するシール部とを備え、ドア閉時に前記シール部がドアの周縁部に圧接されるウエザストリップにおいて、
    前記シール部は、前記車外側側壁部の前記連結部との境界部付近から車外側に延出する第1延出部と、前記車外側側壁部の先端部付近から車外側に延出する第2延出部と、前記第1延出部及び前記第2延出部の両先端部間を連結し、車外側に凸となる断面略円弧状の膨出部とを備え、
    前記第1及び第2延出部はソリッド材により構成され、前記膨出部はスポンジ材により構成される構成であって、
    前記中空部内において、前記車外側側壁部の前記第1延出部との境界部付近の部位と前記膨出部とを連結し、前記中空部を前記ドア開口内周側の第1中空部と、前記ドア開口外周側の第2中空部とに分けるブリッジを備え、
    ドア閉時には、前記膨出部のうち前記第1中空部を形成する部位がドアの周縁部と当接して車内側に押圧される構成であって、
    前記膨出部は、ドア閉時にドアの周縁部と最初に当接することとなる部位を含む所定部位において厚肉部を備えるとともに、前記厚肉部から前記ブリッジとの連接部までの間、及び前記厚肉部から前記第1延出部の先端部までの間の部位においてそれぞれ前記厚肉部よりも肉薄の薄肉部を備えることを特徴とするウエザストリップ。
  5. 前記ブリッジの前記膨出部との連接部の位置は、
    前記第2延出部の先端部から前記連接部にかけての前記膨出部の周長を、
    前記第2延出部の先端部から前記第1延出部の先端部にかけての前記膨出部の周長で除算したときの値が0.20以上かつ0.35以下となる範囲内で設定されることを特徴とする請求項1、3、4のいずれか1項に記載のウエザストリップ。
  6. 前記厚肉部の肉厚は前記薄肉部の肉厚の1.1倍以上かつ1.4倍以下であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のウエザストリップ。
  7. 前記ブリッジの前記膨出部との連接部の位置は、
    前記第2延出部の先端部から前記連接部にかけての前記膨出部の周長を、
    前記第2延出部の先端部から前記第1延出部の先端部にかけての前記膨出部の周長で除算したときの値が0.20以上かつ0.35以下となる範囲内で設定され、
    前記厚肉部の肉厚は前記薄肉部の肉厚の1.1倍以上かつ1.4倍以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載のウエザストリップ。
  8. 前記ブリッジはスポンジ材により構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のウエザストリップ。
  9. 前記膨出部のうち前記ブリッジとの連接部よりもドア開口外周側の部位である外周側形成部位において曲率が最大となる大曲率部を設け、前記外周側形成部位を前記中空部の外周側に膨出させたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のウエザストリップ。
  10. 前記シール部は、前記車外側側壁部の前記連結部との境界部付近から車外側に延出する第1延出部と、前記車外側側壁部の先端部付近から車外側に延出する第2延出部と、前記第1延出部及び前記第2延出部の両先端部間を連結し、車外側に凸となる断面略円弧状の膨出部とを備え、
    前記大曲率部の位置は、
    前記第2延出部の先端部から前記大曲率部にかけての前記膨出部の周長を、
    前記第2延出部の先端部から前記ブリッジとの連接部にかけての前記膨出部の周長で除算したときの値が0.60以上かつ0.85以下となる範囲内で設定されることを特徴とする請求項9に記載のウエザストリップ。
  11. 前記シール部は、前記車外側側壁部の前記連結部との境界部付近から車外側に延出する第1延出部と、前記車外側側壁部の先端部付近から車外側に延出する第2延出部と、前記第1延出部及び前記第2延出部の両先端部間を連結し、車外側に凸となる断面略円弧状の膨出部とを備え、
    前記外周側形成部位の内側面の一部が、前記外周側形成部位のうち前記ブリッジとの連接部における厚み方向中心位置と、前記第2延出部の先端部との境界部における厚み方向中心位置とを結ぶ線分よりも前記中空部の外周側に位置することを特徴とする請求項9又は10に記載のウエザストリップ。
  12. 前記大曲率部は、前記膨出部のうち最もドア開口外周側に位置する端部よりもドア開口内周側に位置するとともに、前記膨出部のうち最も車外側に位置する端部よりも車内側に位置することを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載のウエザストリップ。
  13. 前記ブリッジは、前記膨出部との連接部が前記車外側側壁部との連接部よりもドア開口外周側に位置していることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載のウエザストリップ。
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