JP2008253064A - 電源回路の制御装置および制御方法 - Google Patents

電源回路の制御装置および制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両に複数搭載された走行用バッテリに関する異常を的確に検出する。
【解決手段】ECUは、第1の電源回路を用いてプリチャージするステップ(S1010、S1020)と、第1の電源回路のコンデンサ電圧値VL(1)がバッテリ電圧VB近傍値未満またはバッテリ電流値IB(1)がしきい値より大きいと(S1040にてNO)、第1の電源回路が異常であると判断するステップ(S1050)と、平滑用コンデンサ電圧値VHがVB(1)近傍値未満であると(S1060にてNO)、第1の電源回路のコンデンサと平滑用コンデンサとの間で断線していると判断するステップ(S1070)と、第2の電源回路についても同様の処理を実行するステップ(S1080−S1150)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド車などの走行用モータを搭載した車両の電源回路に関し、特に、複数の蓄電機構(蓄電池(バッテリ、二次電池)、キャパシタ等)と負荷とを接続および遮断する電源回路の異常を検出する技術に関する。
従来から、車両走行の推進力として、燃焼エネルギーで作動するエンジンの他に電気エネルギーで作動するモータを備えたハイブリッド車両が知られている。このハイブリッド車両の種類としては、大きく、(1)車輪の駆動をモータで行ないエンジンはモータへの電力供給源として作動するシリーズ(直列)ハイブリッドシステムと、(2)エンジンとモータとの双方で車輪を駆動するパラレル(並列)ハイブリッドシステムとがある。さらに、これらの両方の機能を併せ持つパラレルシリーズハイブリッドシステムと呼ばれるものもある。
シリーズハイブリッドシステム以外においては、モータをエンジンの出力を補助する補助駆動源として使用される。このようなハイブリッド車は、たとえば、加速時においてはモータによってエンジンの出力を補助し、減速時においては減速回生によってバッテリ等への充電を行なう等、様々な制御を行ない、バッテリの残容量を確保しつつ運転者の要求を満足できるようになっている。このようなハイブリッド車両は、モータの駆動あるいは回生を行なうために、パワードライブユニット(PCU(Power Control Unit)とも呼ばれる)を備える。このパワードライブユニットは、複数のスイッチング素子を備え、このスイッチング素子を用いた電流制御によりモータを駆動あるいは回生する。また、ハイブリッド車両は、これらスイッチング素子にスイッチングを行なわせる制御信号を出力するモータ制御装置を備えている。
上述したハイブリッド車両には、モータに供給する電力を蓄えるバッテリが搭載され、モータはインバータに接続され、インバータはバッテリに接続されている。インバータとバッテリとの間には、インバータとバッテリとの電気的接続を断接するSMR(System Main Relay)が設けられている。このSMRには、バッテリの正極に設けられた正極SMRと、バッテリの負極に設けられた負極SMRと、正極SMRに並列接続され、抵抗が直列接続されたプリチャージ用SMRが存在する。このインバータの入力側の端子間には、電圧の変動を平滑化してインバータの作動を安定させるべく大容量の電解コンデンサが設けられる。ハイブリッド車両を走行させる際に、イグニッションスイッチの操作によりメインSMRを閉じて(正極SMRと負極SMRとを閉じて)コンデンサを充電するが、コンデンサをバッテリで直接充電すると大電流が流れてSMRの接点が損傷する可能性がある。そこで、先ずプリチャージ用SMRを閉じて制限抵抗等で電流を制限しながら一定の時間が経過するまでコンデンサをプリチャージし、プリチャージが終了した後にメインSMRを閉じることによりSMRの接点の損傷を防止している。
さらに、上述したハイブリッド車両に限らず、複数のバッテリで電気負荷に電力を供給したり、複数のバッテリを充電したりする場合もある。このような場合であっても、上述したプリチャージ処理が必要になる。特開2003−209969号公報(特許文献1)は、複数の蓄電池(電源ステージ)を備えた車両の電動牽引モータの電源制御システムを開示する。この電源制御システムは、電動牽引モータに調整済みの電力を提供する少なくとも1つのインバータと、それぞれが電池とブースト/バック直流・直流コンバータを有し、並列に配線され、少なくとも1つのインバータに直流電力を提供する複数の電源ステージとを備え、電源ステージは少なくとも1つのインバータへの出力電圧を維持するよう制御されることを特徴とする。
特開2003−209969号公報(特許第3655277号公報)
しかしながら、上述した特許文献1に開示された蓄電池用充放電装置においては、複数の蓄電池を備えるとともに複数の開閉手段(リレー)を備え、過大電流の発生を抑制しているが、開閉手段の異常(開閉動作しない不動、閉状態のままで開状態にならない固着(溶着))を検出することについての言及はない。
複数の蓄電機構を有し、それらの蓄電機構を切換えてあるいは同時に使用(充電および放電)する場合には、複数のリレーが必要となる。複数のリレーの中で、どのリレーが異常であるのか、かつ、その異常はどのようなものであるのかを検出することは、ハイブリッド車両等において非常に重要なことである。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の蓄電機構を有する電源回路におけるリレー等の電気機器および電気配線の異常を的確に検出することができる電源回路の制御装置および制御方法を提供することである。
第1の発明に係る制御装置は、蓄電機構と複数のリレーとから構成される複数の電源回路の制御装置である。各電源回路は、負荷と蓄電機構の一方の極との電気的な通電/非通電を制御する第1のリレーおよび第1のリレーに直列に接続された抵抗を有する回路と、回路に並列に接続された第2のリレーと、負荷と蓄電機構の他方の極との電気的な通電/非通電を制御する第3のリレーと、昇圧コンバータと、リレーと昇圧コンバータとの間に設けられた第1のコンデンサと、昇圧コンバータと負荷との間に設けられた第2のコンデンサとを含む。この制御装置は、電源起動時に、各電源回路における第2のリレーおよび第3のリレーを通電状態にする前に、第1のリレーおよび第3のリレーを通電状態にすることにより、プリチャージ処理の対象である第2のコンデンサを充電するように、プリチャージ処理を実行するためのプリチャージ手段と、各第1のコンデンサの電圧値、第2のコンデンサの電圧値、蓄電機構の電流値および各昇圧コンバータの温度の少なくとも1つを検出するための手段と、検出された物理量に基づいて、各電源回路の異常を検出するための検出手段とを含む。第17の発明に係る制御方法は、第1の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第1の発明または第17の発明によると、1つの電源回路は、蓄電機構(バッテリやキャパシタ等)と複数(3つ)のリレーと昇圧コンバータと第1のコンデンサとで構成される。また、電源回路は、1つの第2のコンデンサをプリチャージ処理してから、メインSMRを通電状態にして負荷に電力を供給する。この制御装置においては、各電源回路に含まれる第1のコンデンサの電圧値(以下、VLと記載する場合がある)、1つの第2のコンデンサの電圧値(以下、VHと記載する場合がある)、各電源回路に含まれる蓄電機構の電流値(以下、IBと記載する場合がある)および各昇圧コンバータの温度(以下、TCと記載する場合がある)の少なくとも1つが検出される。たとえば、(昇圧コンバータを作動させないで)プリチャージ処理が完了しても(プリチャージ時間が経過しても)、VLとVBとの間に電圧センサの公差以上の電圧差が生じていたり、VHとVBとの間に電圧センサの公差以上の電圧差が生じていたり、IBが収束していなかったりすると、電源回路自体が異常であったり、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間の配線が異常であったりすることを検出できる。その結果、複数の蓄電機構を有する電源回路におけるリレー等の電気機器および電気配線の異常を的確に検出することができる電源回路の制御装置および制御方法を提供することができる。
第2の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、検出手段は、プリチャージ処理を実行した後に、複数の電源回路の中の1つの電源回路の昇圧コンバータを用いて昇圧して第2のコンデンサに電力を供給して、第2のコンデンサの電圧値が昇圧目標値に対して正常でないと、昇圧に用いた昇圧コンバータを含む電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む。第18の発明に係る制御方法は、第2の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第2の発明または第18の発明によると、プリチャージ処理を実行した後に、複数の電源回路の中の1つの電源回路のメインSMRを通電状態にして昇圧コンバータを用いて昇圧する。これにより、昇圧された電力が第2のコンデンサに供給される。この用いられた昇圧コンバータを含む電源回路が正常であると、第2のコンデンサの電圧値(VH)が昇圧目標値の近傍値に到達する。しかしながら、VHが昇圧目標値に対して正常でないと(異常に低い等)、昇圧に用いた昇圧コンバータを含む電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に断線等の異常が発生していることを検出できる。
第3の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、検出手段は、第1の電源回路を用いてプリチャージ処理を実行したときに、第1の電源回路の第1のコンデンサの電圧値は正常であって第2のコンデンサの電圧値が正常でないと、第1の電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段と、第1の電源回路とは異なる第2の電源回路を用いてプリチャージ処理を実行した後に、第2の電源回路の昇圧コンバータを用いて昇圧して、第2のコンデンサの電圧値が正常でないと、第2の電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段とを含む。第19の発明に係る制御方法は、第3の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第3の発明または第19の発明によると、先に異常検出する電源回路においては第1のコンデンサの電圧値VL(蓄電機構電圧値)は正常であって第2のコンデンサの電圧値VHがVLよりも低いと異常であると判断できる。さらに、後で異常検出する電源回路においては昇圧コンバータを作動させて、第2のコンデンサの電圧値VHが昇圧目標値よりも低いと異常であると判断できる。
第4の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、プリチャージ手段は、各電源回路を用いて同じタイミングでプリチャージ処理を開始するための手段を含む。検出手段は、プリチャージ処理の後において、第1の電源回路の昇圧コンバータを用いて第1の目標電圧値まで昇圧して、第2のコンデンサの電圧値が、第1の目標電圧値に対して正常でないと、第1の電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段と、第2の電源回路の昇圧コンバータを用いて第1の目標電圧値よりも高い第2の目標電圧値まで昇圧して、第2のコンデンサの電圧値が、第2の目標電圧値に対して正常でないと、第2の電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段とを含む。第20の発明に係る制御方法は、第4の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第4の発明または第20の発明によると、プリチャージ処理の後において、先に異常検出する電源回路の昇圧コンバータの目標電圧値は、後で異常検出する電源回路の昇圧コンバータの目標電圧値よりも低い。すなわち、先に異常検出する電源回路の昇圧目標値を低く、後で異常検出する電源回路の昇圧目標値を高くする。このため、先に異常検出する電源回路も、後で異常検出する電源回路も、VHが目標電圧値よりも低いことにより、異常を検出することができる。
第5の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、電源回路に含まれる蓄電機構の定格電圧値は少なくとも2つの値が存在する。プリチャージ手段は、蓄電機構の定格電圧値の低い順に、複数の電源回路の1の電源回路を用いてプリチャージ処理を実行するための手段を含む。検出手段は、プリチャージ処理を実行して第2のコンデンサに電力を供給して、第2のコンデンサの電圧値が、1の電源回路の蓄電機構の定格電圧値に対して正常でないと、1の電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む。第21の発明に係る制御方法は、第5の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第5の発明または第21の発明によると、たとえば、2つの電源回路を備えた場合、各蓄電機構に含まれる蓄電機構の定格電圧が異なる。プリチャージ処理は、蓄電機構の定格電圧値の低い順に実行される。すなわち、先に異常検出する電源回路の蓄電機構の定格電圧値は、後で異常検出する蓄電機構の定格電圧値よりも低い。このため、先に異常検出する電源回路も、後で異常検出する電源回路も、VHが各蓄電機構の定格電圧値よりも低いことにより、異常を検出することができる。
第6の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、複数の電源回路は、第1の定格電圧値の蓄電機構と含む第1の電源回路と、第1の定格電圧値よりも高い第2の定格電圧値の蓄電機構と含む第2の電源回路とを含む。プリチャージ手段は、第1の蓄電機構を用いてプリチャージした後に第2の蓄電機構を用いてプリチャージするための手段を含む。検出手段は、第1の電源回路を用いたプリチャージ処理において、第2のコンデンサの電圧値が、第1の定格電圧値に対して正常でないと、第1の電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段と、第2の電源回路を用いたプリチャージ処理において、第2のコンデンサの電圧値が、第2の定格電圧値に対して正常でないと、第2の電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段とを含む。第22の発明に係る制御方法は、第6の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第6の発明または第22の発明によると、第1の電源回路と第2の電源回路とを備えた場合、各蓄電機構に含まれる蓄電機構の定格電圧が異なる。ここでは、第1の電源回路に含まれる第1の定格電圧値よりも高い第2の定格電圧値の蓄電機構を第2の電源回路が含む。プリチャージ処理は、蓄電機構の定格電圧値の低い順に、先に第1の電源回路、後で第2の電源回路を用いて実行される。すなわち、先に異常検出する第1の電源回路の蓄電機構の定格電圧値は、後で異常検出する第2の蓄電機構の定格電圧値よりも低い。このため、先に異常検出する第1の電源回路も、後で異常検出する第2の電源回路も、VHが各蓄電機構の定格電圧値よりも低いことにより、異常を検出することができる。
第7の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、検出手段は、プリチャージ処理を実行した後に、複数の電源回路の昇圧コンバータを用いて昇圧して第2のコンデンサに電力を供給して、電源回路の蓄電機構を流れる電流値が正常でないと、電流値が正常でない蓄電機構を含む電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む。第23の発明に係る制御方法は、第7の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第7の発明または第23の発明によると、正常であると蓄電機構から負荷に電力が供給され、電源回路の蓄電機構を流れる電流値が正常(所定値以上)になる。しかしながら、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間の配線が断線している等の異常が発生していると、電源回路の蓄電機構を流れる電流値が正常(所定値以上)にならず、たとえば、電流値が0になる。これにより、異常を検出することができる。
第8の発明に係る制御装置においては、第7の発明の構成に加えて、検出手段は、電源回路の蓄電機構を流れる電流値が略0であると、電流値が略0である蓄電機構を含む電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む。第24の発明に係る制御方法は、第8の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第8の発明または第24の発明によると、電源回路の蓄電機構を流れる電流値が略0(センサの公差を考慮して略0とするものであって不明確とするものではない)であることに基づいて、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間の配線が断線している等の異常を検出することができる。
第9の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、プリチャージ手段は、プリチャージ処理を実行するときに、複数の電源回路の昇圧コンバータを用いて昇圧して第2のコンデンサに電力を供給してプリチャージ処理を実行するための手段を含む。検出手段は、第2のコンデンサが昇圧目標値まで充電された後に、各昇圧コンバータの作動を停止させて昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにして、第1のコンデンサの電圧が蓄電機構の定格電圧値まで上がらない電源回路に発生している異常を検出するための手段を含む。第25の発明に係る制御方法は、第9の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第9の発明または第25の発明によると、プリチャージ処理の後において、蓄電機構の定格電圧値よりも高く昇圧して、第2のコンデンサを充電する。このため、蓄電機構の電圧値(=第1のコンデンサの電圧値VL)よりも第2のコンデンサの電圧値VHとの間に電位差が発生する。昇圧コンバータは双方向に電力が流れるようにして昇圧動作を停止しているので、正常であれば、電位差をなくするように、第2のコンデンサから第1のコンデンサに電流が流れ、第1のコンデンサの電圧値VLが蓄電機構の電圧値まで上昇する(昇圧コンバータの昇圧動作を停止するときに第1のコンデンサの電圧値VLは蓄電機構電圧値よりも低いとする)。しかしながら、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間の配線が断線している等の異常が発生していると、第1のコンデンサの電圧値VLが蓄電機構の電圧値まで上昇しない。これにより、異常を検出することができる。
第10の発明に係る制御装置においては、第9の発明の構成に加えて、昇圧目標値は抵抗に過度に負荷がかからない程度の値であって、昇圧コンバータは、上アームをオン状態にすることにより、昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにする。第26の発明に係る制御方法は、第10の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第10の発明または第26の発明によると、(制限)抵抗に過度の負荷がかり抵抗内部で短絡することを回避できる。また、昇圧コンバータの上アームをオン状態にするので、昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにできる。
第11の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、検出手段は、プリチャージ処理を実行した後の負荷駆動時おいて、電源回路の蓄電機構を流れる電流値が正常でないと、電流値が正常でない蓄電機構を含む電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む。第27の発明に係る制御方法は、第11の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第11の発明または第27の発明によると、負荷駆動時おいて、正常であれば、電源回路の蓄電機構を流れる電流値が放電状態を表わす正値や充電状態を表わす負値になる。しかしながら、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間の配線が断線している等の異常が発生していると、電源回路の蓄電機構を流れる電流値が正常でなく、たとえば0になる。これにより、異常を検出することができる。
第12の発明に係る制御装置においては、第11の発明の構成に加えて、検出手段は、電源回路の蓄電機構を流れる電流値が0であると、電流値が略0である蓄電機構を含む電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む。第28の発明に係る制御方法は、第12の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第12の発明または第28の発明によると、負荷駆動時において、蓄電機構を流れる電流値が略0(センサの公差を考慮して略0とするものであって不明確とするものではない)であることに基づいて、その蓄電機構を含む電源回路が異常であることを検出できる。
第13の発明に係る制御装置は、第1の発明の構成に加えて、プリチャージ処理の後において、異常であることが検出された第1の電源回路以外の第2の電源回路の昇圧コンバータを用いて負荷に電力を供給するための手段をさらに含む。検出手段は、第2の電源回路の昇圧コンバータの作動を停止させて昇圧コンバータにおいて負荷から蓄電機構への方向に電力が流れないように、かつ、第1の電源回路の昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにして、第2のコンデンサに充電された電力により蓄電機構が充電されたか否かにより、異常であることが検出された第1の電源回路の異常内容を検出するための手段を含む。第29の発明に係る制御方法は、第13の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第13の発明または第29の発明によると、異常でない第2の電源回路を用いて昇圧した電力を負荷に供給する。この状態から、第2の電源回路の昇圧コンバータの作動を停止させる。このとき、第2の昇圧コンバータにおいて負荷から蓄電機構への方向に電力が流れないように、かつ、第1の電源回路の昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにする。このようにして、蓄電機構が充電されると第1の電源回路を介して電力が流れたことを示すので断線していないことを検出できる。一方、蓄電機構が充電されないと第1の電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間で断線していることを検出できる。このように、異常であることが検出された第1の電源回路の異常を切り分けることができる。
第14の発明に係る制御装置においては、第13の発明の構成に加えて、第1の昇圧コンバータは、上アームをオン状態にすることにより、昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにして、第2の昇圧コンバータは、昇圧ゲートを遮断することにより、昇圧コンバータにおいて負荷から蓄電機構への方向に電力が流れないようにする。検出手段は、蓄電機構が充電されると、第1の電源回路の昇圧コンバータの昇圧動作不良であることを検出するための手段と、蓄電機構が充電されないと、第1の電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段とを含む。第30の発明に係る制御方法は、第14の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第14の発明または第30の発明によると、第1の昇圧コンバータの上アームをオン状態にするので、昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにでき、第2の昇圧コンバータの昇圧ゲートを遮断するので負荷(第2のコンデンサ)から蓄電機構に電流が流れないようにできる。このため、正常な第2の電源回路を異常内容検出対象から切り離して、第1の電源回路の異常を切り分けることができる。
第15の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、検出手段は、プリチャージ処理を実行した後の負荷駆動時おいて、昇圧コンバータの温度が上昇していないと、温度が上昇していない昇圧コンバータを含む電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む。第31の発明に係る制御方法は、第15の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第15の発明または第31の発明によると、負荷駆動時おいて、昇圧コンバータの温度が上昇していないということは、昇圧回路が正常に作動していないことを示す。これにより、各電源回路における昇圧動作している昇圧コンバータの温度を監視して、電源回路の異常を検出することができる。
第16の発明に係る制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、プリチャージ手段は、第1の電源回路を用いてプリチャージ途中電圧値までプリチャージ処理を実行するための手段と、プリチャージ途中電圧値までプリチャージ処理が実行された後、第1の電源回路とは異なる第2の電源回路を用いてプリチャージ処理を実行するための手段とを含む。検出手段は、プリチャージ途中電圧値までプリチャージ処理を実行されたときに、第2のコンデンサの電圧値が、プリチャージ途中電圧値に対して正常でないと、第1の電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段と、プリチャージ処理が完了されたときに、第2のコンデンサの電圧値が、蓄電機構の定格電圧値に対して正常でないと、第2の電源回路の第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段とを含む。第32の発明に係る制御方法は、第16の発明に係る制御装置と同様の要件を備える。
第16の発明または第32の発明によると、第1の電源回路を用いて処理していたプリチャージを途中で第2の電源回路を用いたプリチャージ処理に切換える。第1の電源回路を用いたプリチャージ処理においては第2のコンデンサの電圧値VHが、プリチャージ途中電圧値に対して正常でないことにより、第1の電源回路の異常を検出できる。プリチャージ切換後の第2の電源回路を用いたプリチャージ処理においては第2のコンデンサの電圧値VHが、プリチャージ電圧値に対して正常でないことにより、第2の電源回路の異常を検出できる。このように、プリチャージ処理を複数の電源回路で分担して実行して、電源回路の異常を検出することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を含む、ハイブリッド車両全体の制御ブロック図を説明する。なお、本発明は図1に示すハイブリッド車両に限定されない。本発明は、動力源としての、たとえばガソリンエンジン等の内燃機関(以下、エンジンとして説明する)が、車両を走行させる駆動源(走行源)であって、かつ、ジェネレータの駆動源であればよい。さらに、駆動源がエンジンおよびモータジェネレータであって、モータジェネレータの動力により走行可能な車両であればよく(エンジンを停止させても停止させなくても)、走行用のバッテリを搭載した他の態様を有するハイブリッド車両であってもよい(いわゆるシリーズ型やパラレル型等のハイブリッド車両に限定されない)。さらに、エンジンを有さない電気自動車や燃料電池車への適用も可能である。なお、このバッテリは、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などであって、その種類は特に限定されるものではない。また、蓄電機構としては、バッテリの代わりにキャパシタでも構わない。さらに、バッテリを含む電源回路(以下、電源系統と記載する場合がある)のユニットは2つ以上であればよい。
ハイブリッド車両は、エンジン120と、モータジェネレータ(MG)140とを含む。なお、以下においては、説明の便宜上、モータジェネレータ140を、モータジェネレータ140A(またはMG(2)140A)と、モータジェネレータ140B(またはMG(1)140B)と表現するが、ハイブリッド車両の走行状態に応じて、モータジェネレータ140Aがジェネレータとして機能したり、モータジェネレータ140Bがモータとして機能したりする。このモータジェネレータがジェネレータとして機能する場合に回生制動が行なわれる。モータジェネレータがジェネレータとして機能するときには、車両の運動エネルギーが電気エネルギーに変換されて、車両が減速される。
ハイブリッド車両は、この他に、エンジン120やモータジェネレータ140で発生した動力を駆動輪160に伝達したり、駆動輪160の駆動をエンジン120やモータジェネレータ140に伝達したりする減速機180と、エンジン120の発生する動力を駆動輪160とモータジェネレータ140B(MG(1)140B)との2経路に分配する動力分割機構(たとえば、後述する遊星歯車機構)200と、モータジェネレータ140を駆動するための電力を充電する走行用バッテリ220(以下、第1の走行用バッテリ220)と記載する場合があり、この走行用バッテリ220を含む電源系統を第1の電源系統と記載する場合がある)および走行用バッテリ220A(以下、第2の走行用バッテリ220A)と記載する場合があり、この走行用バッテリ220Aを含む電源系統を第2の電源系統と記載する場合がある)と、走行用バッテリ220および走行用バッテリ220Aの直流とモータジェネレータ140A(MG(2)140A)およびモータジェネレータ140B(MG(1)140B)の交流とを変換しながら電流制御を行なう2系統のインバータ240と、走行用バッテリ220の充放電状態(たとえば、SOC(State Of Charge))を管理制御するバッテリ制御ユニット(以下、バッテリECU(Electronic Control Unit)という)260と、エンジン120の動作状態を制御するエンジンECU280と、ハイブリッド車両の状態に応じてモータジェネレータ140およびバッテリECU260、インバータ240等を制御するMG_ECU300と、バッテリECU260、エンジンECU280およびMG_ECU300等を相互に管理制御して、ハイブリッド車両が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステム全体を制御するHV_ECU320等を含む。
本実施の形態において、走行用バッテリ220および走行用バッテリ220Aとインバータ240との間には昇圧コンバータ242および昇圧コンバータ242Aが設けられている。これは、走行用バッテリ220および走行用バッテリ220Aの定格電圧が、モータ140A(MG(2)140A)やモータジェネレータ140B(MG(1)140B)の定格電圧よりも低いので、走行用バッテリ220および走行用バッテリ220Aからモータジェネレータ140A(MG(2)140A)やモータジェネレータ140B(MG(1)140B)に電力を供給するときには、昇圧コンバータ242および昇圧コンバータ242Aで電力を昇圧する。なお、充電する場合にはこれらの昇圧コンバータで降圧して走行用バッテリ220および走行用バッテリ220Aに充電電力が供給される。本実施の形態においては、2つの電源系統を有する電源回路に適用される制御装置について説明するが、本発明は3つ以上の電源系統を有する電源回路であっても構わない。
なお、図1においては、各ECUを別構成としているが、2個以上のECUを統合したECUとして構成してもよい(たとえば、図1に、点線で示すように、MG_ECU300とHV_ECU320とバッテリECU260とを統合したECU(たとえば、図3のECU400)とすることがその一例である)。
動力分割機構200は、エンジン120の動力を、駆動輪160とモータジェネレータ140B(MG(1)140B)との両方に振り分けるために、遊星歯車機構(プラネタリーギヤ)が使用される。モータジェネレータ140B(MG(1)140B)の回転数を制御することにより、動力分割機構200は無段変速機としても機能する。エンジン120の回転力はキャリア(C)に入力され、それがサンギヤ(S)によってモータジェネレータ140B(MG(1)140B)に、リングギヤ(R)によってモータジェネレータ140A(MG(2)140A)および出力軸(駆動輪160側)に伝えられる。回転中のエンジン120を停止させる時には、エンジン120が回転しているので、この回転の運動エネルギーをモータジェネレータ140B(MG(1)140B)で電気エネルギーに変換して、エンジン120の回転数を低下させる。
図1に示すようなハイブリッドシステムを搭載するハイブリッド車両においては、車両の状態について予め定められた条件が成立すると、HV_ECU320は、モータジェネレータ140のモータジェネレータ140A(MG(2)140A)のみによりハイブリッド車両の走行を行なうようにモータジェネレータ140A(MG(2)140A)およびエンジンECU280を介してエンジン120を制御する。たとえば、予め定められた条件とは、走行用バッテリ220のSOCが予め定められた値以上であるという条件等である。このようにすると、発進時や低速走行時等であってエンジン120の効率が悪い場合に、モータジェネレータ140A(MG(2)140A)のみによりハイブリッド車両の走行を行なうことができる。この結果、走行用バッテリ220のSOCを低下させることができる(その後の車両停止時に走行用バッテリ220を充電することができる)。
また、通常走行時には、たとえば動力分割機構200によりエンジン120の動力を2経路に分け、一方で駆動輪160の直接駆動を行ない、他方でモータジェネレータ140B(MG(1)140B)を駆動して発電を行なう。この時、発生する電力でモータジェネレータ140A(MG(2)140A)を駆動して駆動輪160の駆動補助を行なう。また、高速走行時には、さらに走行用バッテリ220および/または走行用バッテリ220Aからの電力をモータジェネレータ140A(MG(2)140A)に供給してモータジェネレータ140A(MG(2)140A)の出力を増大させて駆動輪160に対して駆動力の追加を行なう。一方、減速時には、駆動輪160により従動するモータジェネレータ140A(MG(2)140A)がジェネレータとして機能して回生発電を行ない、回収した電力を走行用バッテリ220および/または走行用バッテリ220Aに蓄える。なお、走行用バッテリ220および/または走行用バッテリ220Aの充電量が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン120の出力を増加してモータジェネレータ140B(MG(1)140B)による発電量を増やして走行用バッテリ220および/または走行用バッテリ220Aに対する充電量を増加する。
また、走行用バッテリ220および走行用バッテリ220Aの目標SOCはいつ回生が行なわれてもエネルギーが回収できるように、通常は60%程度に設定される。また、SOCの上限値と下限値とは、走行用バッテリ220および走行用バッテリ220Aのバッテリの劣化を抑制するために、たとえば、制御上限値を80%とし、制御下限値を30%として設定され、HV_ECU320は、MG_ECU300を介してSOCが上限値および下限値を越えないようにモータジェネレータ140による発電や回生、モータ出力を制御している。なお、ここで挙げた値は、一例であって特に限定される値ではない。
図2を参照して、動力分割機構200についてさらに説明する。動力分割機構200は、サンギヤ(S)202と(以下、単にサンギヤ202と記載する)、ピニオンギヤ204と、キャリア(C)206(以下、単にキャリア206と記載する)と、リングギヤ(R)208(以下、単にリングギヤ208と記載する)とを含む遊星歯車から構成される。
ピニオンギヤ204は、サンギヤ202およびリングギヤ208と係合する。キャリア206は、ピニオンギヤ204が自転可能であるように支持する。サンギヤ202はMG(1)140Bの回転軸に連結される。キャリア206はエンジン120のクランクシャフトに連結される。リングギヤ208はMG(2)140Aの回転軸および減速機180に連結される。
エンジン120、MG(1)140BおよびMG(2)140Aが、遊星歯車からなる動力分割機構200を介して連結されることで、エンジン120、MG(1)140BおよびMG(2)140Aの回転数は、共線図において直線で結ばれる関係になる。
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る制御装置で制御される電源回路について説明する。この電源回路は、走行用バッテリ220および走行用バッテリ220Aと、昇圧コンバータ242および昇圧コンバータ242Aと、インバータ240およびインバータ240Aと、コンデンサC(1)510およびコンデンサC(1)510Aと、コンデンサC(2)520と、SMRP500と、制限抵抗502と、SMRG504と、SMRB506と、A−SMRP500Aと、制限抵抗502Aと、A−SMRG504Aと、A−SMRB506Aと、ECU400とを含む。本実施の形態に係る制御装置は、ECU400が実行するプログラムにより実現される。
インバータ240およびインバータ240Aは、6つのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)と、IGBTのエミッタ側からコレクタ側に電流を流すように、各IGBTにそれぞれ並列に接続された6つのダイオードとを含む。インバータ240およびインバータ240Aは、ECU400からの制御信号に基づいて各IGBTのゲートをオン/オフ(通電/遮断)することにより、走行用バッテリ220および走行用バッテリ220Aから供給された電流を、直流電流から交流電流に変換し、モータジェネレータ140に供給する。なお、インバータ240およびインバータ240AならびにIGBTには、周知の技術を利用すればよいため、ここではさらなる詳細な説明は繰り返さない。なお、図3において、モータジェネレータ140A(140B)が駆動用である場合には上側のインバータ240が駆動用インバータであって、モータジェネレータ140B(140A)が発電用である場合には下側のインバータ240が発電用インバータである。
昇圧コンバータ242(この段落においては、昇圧コンバータ242Aの構成を括弧書きで示す)は、リアクトル311(リアクトル311A)と、NPNトランジスタ312,313(NPNトランジスタ312A,313A)と、ダイオード314,315(ダイオード314A,315A)とを含む。リアクトル311(リアクトル311A)の一方端は走行用バッテリ220(走行用バッテリ220A)の電源ラインに接続され、他方端はNPNトランジスタ312(NPNトランジスタ312A)とNPNトランジスタ313(NPNトランジスタ313A)との中間点、すなわち、NPNトランジスタ312(NPNトランジスタ312A)のエミッタとNPNトランジスタ313(NPNトランジスタ313A)のコレクタとの間に接続される。NPNトランジスタ312,313(NPNトランジスタ312A,313A)は、インバータ240(インバータ240A)の電源ラインとアースラインとの間に直列に接続される。そして、NPNトランジスタ312(NPNトランジスタ312A)のコレクタは電源ラインに接続され、NPNトランジスタ313(NPNトランジスタ313A)のエミッタはアースラインに接続される。また、各NPNトランジスタ312,313(NPNトランジスタ312A,313A)のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオード314,315(ダイオード314A,315A)が接続されている。
昇圧コンバータ242および昇圧コンバータ242Aは、ECU400によってNPNトランジスタ312,313およびNPNトランジスタ312A,313Aがオン/オフされ、コンデンサC(1)510およびコンデンサC(1)510Aから供給された直流電圧を昇圧して出力電圧をコンデンサC(2)520に供給する。また、昇圧コンバータ242および昇圧コンバータ242Aは、モータ駆動回路が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、モータジェネレータ140によって発電され、インバータ240および/またはインバータ240Aによって変換された直流電圧を降圧してコンデンサC(1)510およびコンデンサC(1)510Aへ供給する。コンデンサC(2)520は、昇圧コンバータ242および/または昇圧コンバータ242Aから供給された直流電力の電圧を平滑化し、その平滑化された直流電力をインバータ240および/またはインバータ240Aへ供給する。
モータジェネレータ140は、三相交流モータである。モータジェネレータ140の回転軸は、図2に示すように車両のドライブシャフト(図示せず)に接続され、駆動輪に駆動力を伝達する。車両は、モータジェネレータ140からの駆動力により走行する。
コンデンサC(1)510およびコンデンサC(1)510Aは、インバータ240およびインバータ240Aとそれぞれ並列に接続されている。コンデンサC(1)510およびコンデンサC(1)510Aは、走行用バッテリ220および走行用バッテリ220Aからそれぞれ供給された電力、またはインバータ240およびインバータ240Aから供給された電力をそれぞれ平滑化するため、電荷を一旦蓄積する。平滑化された電力は、インバータ240およびインバータ240A(モータ走行時)または走行用バッテリ220および走行用バッテリ220A(回生制動時)にそれぞれ供給される。
SMRP500およびSMRG504は、走行用バッテリ220の負極に設けられている。SMRP500とSMRG504とは、並列に接続されている。SMRP500には、制限抵抗502が直列に接続されている。SMRP500は、SMRG504が接続されるよりも時間的に先に接続され、インバータ240に突入電流が流れることを防止するプリチャージ用SMRである。SMRG504は、SMRP500および制限抵抗502に並列に接続され、プリチャージが終了した後に接続される負極SMRである。SMRB506は、走行用バッテリ220の正極に設けられている正極SMRである。各SMRは、ECU400により制御される。
同様に、A−SMRP500AおよびA−SMRG504Aは、走行用バッテリ220Aの負極に設けられている。A−SMRP500AとA−SMRG504Aとは、並列に接続されている。A−SMRP500Aには、制限抵抗502Aが直列に接続されている。A−SMRP500Aは、A−SMRG504Aが接続されるよりも時間的に先に接続され、インバータ240Aに突入電流が流れることを防止するプリチャージ用SMRである。A−SMRG504Aは、A−SMRP500Aおよび制限抵抗502Aに並列に接続され、プリチャージが終了した後に接続される負極SMRである。A−SMRB506Aは、走行用バッテリ220の正極に設けられている正極SMRである。各SMRは、ECU400により制御される。
ECU400は、イグニッションスイッチおよびスタートスイッチ(いずれも図示せず)、アクセルペダル(図示せず)の踏込み量、ブレーキペダル(図示せず)の踏込み量などに基づいて、ROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムを実行し、インバータ240および各SMRを制御して、車両を所望の状態で走行させる。ECU400には、走行用バッテリ220の電流値IB(1)を検出する電流計222および走行用バッテリ220の電圧値VB(1)を検出する電圧計221ならびに走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)を検出する電流計222Aおよび走行用バッテリ220Aの電圧値VB(2)を検出する電圧計221Aが接続されている。さらに、ECU400には、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する電圧計522が接続されている。さらに、ECU400には、コンデンサC(1)510の両端電圧値VL(1)を検出する電圧計511およびコンデンサC(1)510Aの両端電圧値VL(2)を検出する電圧計511Aが接続されている。さらに、コンデンサC(2)520に並列に放電抵抗521が設けられている。なお、後述する第3の実施の形態以外は、走行用バッテリ220の定格電圧である電圧値VB(1)および走行用バッテリ220Aの定格電圧である電圧値VB(2)は、同じである。
SMRP500、A−SMRP500A、SMRG504、A−SMRG504A、SMRB506、A−SMRB506Aは、コイルに対して励磁電流を通電したときに接点が閉じるリレーである。SMRP500、A−SMRP500A、SMRG504、A−SMRG504A、SMRB506、A−SMRB506Aの作動状態とイグニッションスイッチおよびスタートスイッチの位置との関係について説明する。なお、SMRがオンとは通電状態を示し、SMRがオフとは非通電状態を示す。
イグニッションスイッチには、OFF(オフ)位置と、ACC位置およびON(オン)位置とがあり、ECU400は、電源遮断時、すなわちイグニッションスイッチのポジションがOFF位置にあるときには、全てのSMRP500、A−SMRP500A、SMRG504、A−SMRG504A、SMRB506、A−SMRB506Aをオフする。すなわち、SMRP500、A−SMRP500A、SMRG504、A−SMRG504A、SMRB506、A−SMRB506Aのコイルに対する励磁電流をオフする。なお、イグニッションスイッチのポジションは、OFF位置→ACC位置→ON位置の順に切り換えられる。なお、このようなスイッチに、本発明の適用が限定されるものではない。
ハイブリッドシステム起動時(メイン電源接続時)、すなわち、たとえば運転者がブレーキペダルを踏み込んでプッシュ式のスタートスイッチを押すと、ECU400は、先ず、SMRB506およびA−SMRB506Aをオンし、次にSMRP500およびA−SMRP500Aをオンしてプリチャージを実行する。SMRP500には制限抵抗502が接続され、A−SMRP500Aには制限抵抗502Aが接続されているので、SMRP500およびA−SMRP500Aをオンしてもインバータ240およびインバータ240Aへの入力電圧値VHは緩やかに上昇し、突入電流の発生を防止することができる。
なお、イグニッションスイッチのポジションがこのような3つの位置を有しない場合かつスタートスイッチがイグニッションスイッチを兼ねる場合を含めて、本実施の形態に係る制御装置の適用が可能である。
ECU400は、インバータ240および/またはインバータ240Aの電圧値VHが、たとえば、バッテリ電圧値VBの約80%〜100%程度(SMRGを通電状態にしたときにSMRGが溶着する突入電流が流れない程度)に達したときに、または、インバータ240および/またはインバータ240Aの電圧値VHがほぼバッテリ電圧値VBに等しくなったときに、プリチャージを完了し、SMRP500をオフしてSMRG504をオンして、A−SMRP500AをオフしてA−SMRG504Aをオンする。なお、このプリチャージに必要な時間を予め設定しておく。設定された時間をプリチャージ時間と記載する。
一方、イグニッションスイッチのポジションがON位置からOFF位置に切り換えられると、ECU400は、先ずSMRG504およびA−SMRG504Aをオフし、続いてSMRB506およびA−SMRB506Aをオフする。この結果、走行用バッテリ220とインバータ240との間の電気的な接続および走行用バッテリ220Aとインバータ240Aとの間の電気的な接続が遮断され、電源遮断状態となる。このとき、駆動回路側の残存電圧はディスチャージされ、インバータ240およびインバータ240Aの電圧値VHは徐々に約0V(遮断時電圧)に収束する。なお、遮断時電圧値は必ずしも0Vである必要はなく、たとえば、2〜3V程度の微弱電圧値であっても良い。
なお、後述する第8の実施の形態において用いられる、昇圧コンバータ242の温度TC(1)、昇圧コンバータ242Aの温度TC(2)が、それぞれECU400に入力されている。
本実施の形態に係る制御装置は、このような電源回路における異常を、的確に検出できることが特徴である。
本実施の形態に係る制御装置は、デジタル回路やアナログ回路の構成を主体としたハードウェアでも、ECU400に含まれるCPU(Central Processing Unit)およびメモリとメモリから読み出されてCPUで実行されるプログラムとを主体としたソフトウェアでも実現することが可能である。一般的に、ハードウェアで実現した場合には動作速度の点で有利で、ソフトウェアで実現した場合には設計変更の点で有利であると言われている。以下においては、ソフトウェアとして制御装置を実現した場合を説明する。
図4を参照して、本実施の形態に係る電源回路の制御装置を実現するために、ECU400が実行する、プログラムの制御構造について説明する。なお、このプログラムは、サブルーチンであって、予め定められたサイクルタイムで繰り返し実行される。
さらに、以降で説明するフローチャートにおける電圧値、電流値および温度に対するしきい値は一例であって、本発明はこのしきい値に限定されるものではない。
後述する第6の実施の形態におけるフローチャート以外は、すべてのSMRに対してオフ指令信号(非通電指令信号)がECU400から出力されている状態をフローチャートの初期状態であるとする。なお、この初期状態においては、昇圧コンバータ242および昇圧コンバータ242Aには、作動指令(昇圧指令)信号は出力されていないものとする。
ステップ(以下、ステップをSと略す)1000にて、ECU400は、運転者により操作されたイグニッションスイッチがオン位置にあるか否かを判別する。イグニッションスイッチがオフ位置からACC位置を経由してオン位置にされた場合(S1000にてYES)、処理はS1010に移される。もしそうでないと(S1000にてNO)、処理はS1000へ戻され、イグニッションスイッチがオン位置にされるまで待つ。なお、このプログラムはサブルーチンプログラムとして記載したものであるので、S1000にてNOの場合には、リターンしても構わない。
S1010にて、ECU400は、SMRB506およびSMRP500をオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換える。S1020にて、ECU400は、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。この時間は、ディレータイマにより管理され、プリチャージ時間がセットされる。予め定められた時間が経過すると(S1020にてYES)、処理はS1030へ移される。もしそうでないと(S1020にてNO)、処理はS1020へ戻されて、予め定められた時間が経過するまで次の処理を待つ。
S1030にて、ECU400は、コンデンサC(1)510の両端電圧値VL(1)、走行用バッテリ220の電流値IB(1)およびコンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する。
S1040にて、ECU400は、コンデンサC(1)510の両端電圧値VL(1)が走行用バッテリ220の電圧値VB(1)近傍値(本実施の形態においては走行用バッテリ220の電圧値VB(1)=走行用バッテリ220Aの電圧値VB(2)であるので、単にVB近傍値と記載する)以上である否か、および、走行用バッテリ220の電流値IB(1)がしきい値以下であるか否かを判断する。なお、走行用バッテリ220の電圧値に対して設定されるVB近傍値は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する電圧計522の公差を考慮して決定される。たとえば、VBが288Vであって、公差が±10Vであると、VB近傍値は、278Vになる。VL(1)≧VB近傍値およびIB(1)≦しきい値であると(S1040にてYES)、処理はS1060へ移される、もしそうでないと(S1040にてNO)、処理はS1050へ移される。
S1050にて、ECU400は、第1の走行用バッテリ220が異常であると判断する。すなわち、SMRB506およびSMRP500を通電状態としてプリチャージ時間を経過しても、VL(1)がVB近傍値まで上昇しない、または、IB(1)がしきい値以下にならないということから、第1の走行用バッテリ220が異常であると判断される。その後、この処理は終了する。なお、この第1の走行用バッテリ220が異常であるということには、第1の電源系統が異常であることが含められる。
S1060にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)がVB近傍値以上である否かを判断する。なお、このとき昇圧コンバータ242は、たとえば上アームONの状態であって昇圧動作を行なっておらず、昇圧コンバータ242を通じて走行用バッテリ220からコンデンサC(2)520へ電流が流れる。コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)がVB近傍値以上であると(S1060にてYES)、処理はS1080へ移される。もしそうでないと(S1080にてNO)、処理はS1070へ移される。
S1070にて、ECU400は、第1の走行用バッテリ220側のコンデンサC(1)510とコンデンサC(2)との間で断線していると判断する。すなわち、SMRB506およびSMRP500を通電状態としてプリチャージ時間を経過すると走行用バッテリ220が正常であるのでVL(1)がVB近傍値まで上昇しており、昇圧コンバータ242が上アームONであることからVHがVB近傍値まで上昇するはずであるにもかかわらず、上昇しないということから、断線していると判断される。その後、この処理は終了する。
S1080にて、ECU400は、SMRG504をオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換え、A−SMRB506AおよびA−SMRP500Aをオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換える。S1090にて、ECU400は、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。この時間も、ディレータイマにより管理され、プリチャージ時間がセットされる。予め定められた時間が経過すると(S1090にてYES)、処理はS1100へ移される。もしそうでないと(S1090にてNO)、処理はS1090へ戻されて、予め定められた時間が経過するまで次の処理を待つ。
S1100にて、ECU400は、コンデンサC(1)510Aの両端電圧値VL(2)、走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)およびコンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する。
S1110にて、ECU400は、コンデンサC(1)510Aの両端電圧値VL(2)がVB近傍値以上である否か、および、走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)がしきい値以下であるか否かを判断する。VL(2)≧VB近傍値およびIB(2)≦しきい値であると(S1110にてYES)、処理はS1130へ移される、もしそうでないと(S1110にてNO)、処理はS1120へ移される。
S1120にて、ECU400は、第2の走行用バッテリ220Aが異常であると判断する。すなわち、A−SMRB506AおよびA−SMRP500Aを通電状態としてプリチャージ時間を経過しても、VL(2)がVB近傍値まで上昇しない、または、IB(2)がしきい値以下にならないということから、第2の走行用バッテリ220Aが異常であると判断される。その後、この処理は終了する。なお、この第2の走行用バッテリ220Aが異常であるということには、第2の電源系統が異常であることが含められる。
S1130にて、ECU400は、A−SMRG504Aをオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換え、第2の昇圧コンバータ242Aの作動を開始する。このときの昇圧目標値は、VBよりも(電圧計522の公差を加算してさらに)高い値である。たとえば、VBが288Vであって、公差が±10Vであると、昇圧目標値は、298Vよりも高い値(たとえば650V等)に設定される。
S1140にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が昇圧目標値以上である否かを判断する。なお、このとき昇圧コンバータ242は、昇圧作動状態であって、昇圧コンバータ242を通じて走行用バッテリ220Aの電圧が昇圧目標値まで昇圧されてコンデンサC(2)520へ電流が流れる。コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が昇圧目標値以上であると(S1140にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S1140にてNO)、処理はS1150へ移される。
S1150にて、ECU400は、第2の走行用バッテリ220A側のコンデンサC(1)510AとコンデンサC(2)との間で断線していると判断する。すなわち、A−SMRB506AおよびA−SMRP500Aを通電状態としてプリチャージ時間を経過すると走行用バッテリ220Aが正常であるのでVL(2)がVB近傍値まで上昇しており、昇圧コンバータ242Aが昇圧目標値まで昇圧していることからVHが昇圧目標値まで上昇するはずであるにもかかわらず、上昇しないということから、断線していると判断される。その後、この処理は終了する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態にかかる電源回路の制御装置であるECU400の動作について説明する。なお、以下においては、場合分けして動作を説明するが、同じ動作についての説明は繰り返さない。
[第1の走行用バッテリが異常な場合]
イグニッションスイッチがオンされると(S1000にてYES)、SMRB506およびSMRP500をオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換えて、第1の電源系統を用いてプリチャージが開始される(S1010)。プリチャージ時間が経過すると(S1020にてYES)、VL(1)、IB(1)およびVHが検出される(S1030)。
第1の走行用バッテリ220が異常である場合には、SMRB506およびSMRP500を通電状態として第1の走行用バッテリ220の電力を用いてプリチャージ処理を実行しても、VL(1)がVB近傍値まで上昇しない、または、IB(1)がしきい値以下にならない(S1040にてNO)。これは、第1の電源系統(第1の走行用バッテリ220自体、SMRB506オフ溶着、SMRP500オフ溶着、ECU400からSMRへの信号線の断線または短絡等を含む電源系統の故障)が異常であることを示している。なお、オフ溶着とは、ECU400からSMRにON指令信号を出力しても、そのSMRが通電状態に切換わらない故障をいう。なお、本発明はこれらの故障に限定されない。
[第1の走行用バッテリのコンデンサC(1)とC(2)との間が異常な場合]
第1の走行用バッテリ220が異常でない場合には、SMRB506およびSMRP500を通電状態として第1の走行用バッテリ220の電力を用いてプリチャージ処理を実行すると、VL(1)がVB近傍値まで上昇して、かつ、IB(1)がしきい値以下になる(S1040にてYES)。これは、第1の電源系統(第1の走行用バッテリ220自体、SMRB506、SMRP500、ECU400からSMRへの信号線等)が正常であることを示す。
それにもかかわらず、VHがVB近傍値まで上昇しない(S1060にてNO)。これは、第1の電源系統が正常であって昇圧コンバータ242が上アームONであることからVHがVB近傍値まで上昇するはずであるにもかかわらず、上昇しないということから、第1の走行用バッテリ220側のコンデンサC(1)510とコンデンサC(2)520との間で断線していることを示す。
[第2の走行用バッテリが異常な場合]
イグニッションスイッチがオンされて(S1000にてYES)、第1の電源系統が異常でないことが検出されると(S1040にてNOかつS1060にてNO)、A−SMRB506AおよびA−SMRP500Aをオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換えて、第2の電源系統を用いてプリチャージが開始される(S1080)。プリチャージ時間が経過すると(S1090にてYES)、VL(2)、IB(2)およびVHが検出される(S1100)。
第2の走行用バッテリ220Aが異常である場合には、A−SMRB506AおよびA−SMRP500Aを通電状態として第2の走行用バッテリ220の電力を用いてプリチャージ処理を実行しても、VL(2)がVB近傍値まで上昇しない、または、IB(2)がしきい値以下にならない(S1110にてNO)。これは、第2の電源系統(第2の走行用バッテリ220A自体、A−SMRB506Aオフ溶着、A−SMRP500Aオフ溶着、ECU400からSMRへの信号線の断線または短絡等を含む電源系統の故障)が異常であることを示している。
[第2の走行用バッテリのコンデンサC(1)とC(2)との間が異常な場合]
第2の走行用バッテリ220Aが異常でない場合には、A−SMRB506AおよびA−SMRP500Aを通電状態として第2の走行用バッテリ220Aの電力を用いてプリチャージ処理を実行すると、VL(2)がVB近傍値まで上昇して、かつ、IB(2)がしきい値以下になる(S1110にてYES)。これは、第2の電源系統(第2の走行用バッテリ220A自体、A−SMRB506A、A−SMRP500A、ECU400からSMRへの信号線等)が正常であることを示す。
昇圧コンバータ242Aを作動させているにもかかわらず、VHが昇圧目標値まで上昇しない(S1140にてNO)。これは、第2の電源系統が正常であって昇圧コンバータ242が昇圧作動していることからVHが昇圧目標値まで上昇するはずであるにもかかわらず、上昇しないということから、第2の走行用バッテリ220A側のコンデンサC(1)510AとコンデンサC(2)520との間で断線していることを示す。
[正常な場合]
図5に示すように、第1の電源系統も第2の電源系統もコンデンサ間の配線も正常であると、時刻0で第1の電源系統を用いてプリチャージが開始されて(S1010)、第1の電源系統を用いてプリチャージが完了した時刻T(1)において(S1020にてYES)、VL(1)はVB近傍値以上まで上昇し、IB(1)はしきい値以下まで低下している(S1040にてYES)。また、VHはVB近傍値まで上昇している(S1060にてYES)。
時刻T(1)で第2の電源系統を用いてプリチャージが開始されて(S1080)、第2の電源系統を用いてプリチャージが完了した時刻T(2)において(S1090にてYES)、VL(2)はVB近傍値以上まで上昇し、IB(2)はしきい値以下まで低下している(S1110にてYES)。また、昇圧コンバータ242Aが昇圧目標値まで第2の走行用バッテリ220Aの電力を昇圧しているので、VHは昇圧目標値まで上昇している(S1140にてYES)。
以上のようにして、本実施の形態に係る電源回路の制御装置によると、プリチャージ用のSMR(抵抗が直列接続されたSMR)、このプリチャージ用のSMRに並列に設けられた負極SMR、および正極SMRの組を備えた、複数の走行用バッテリを有する電源回路において、走行用バッテリを含む電源系統およびコンデンサ間の接続線の異常を的確に検出することができる。
なお、S1040およびS1110における2つの条件は、上述したようなAND条件ではなく、OR条件であっても構わない。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る電源回路の制御装置は、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路における異常を、異なるプログラムを用いて検出する。
本実施の形態においては、第1の電源系統の走行用バッテリ220を用いてプリチャージを開始するタイミングと第2の電源系統の走行用バッテリ220Aを用いてプリチャージを開始するタイミングとは同じである。先に異常検出を行なう対象である第1の電源系統の昇圧コンバータ240の昇圧目標値を、後で異常検出を行なう対象である第2の電源系統の昇圧コンバータ240Aの昇圧目標値よりも低くして、異常を検出する(すなわち、後で異常検出する電源系統の昇圧目標値の方が高い)。
なお、本実施の形態において、上述の図1に示したハイブリッド車両全体の制御ブロック図、図2に示した動力分割機構200、図3に示した電源回路については、同じであるためここでの詳細な説明は繰り返さない。
図6および図7を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU400で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図6および図7に示すフローチャートの中で前述の図4に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理は同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さないことがある。
S2000にて、ECU400は、SMRB506およびSMRP500をオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に、A−SMRB506AおよびA−SMRP500Aをオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に、それぞれ切換える。その後、S1020の処理が行なわれ、S1020にてYESになると処理はS2010へ移される。
S2010にて、ECU400は、コンデンサC(1)510の両端電圧値VL(1)、走行用バッテリ220の電流値IB(1)、コンデンサC(1)510Aの両端電圧値VL(2)、走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)およびコンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する。
S2020にて、ECU400は、コンデンサC(1)510の両端電圧値VL(1)が走行用バッテリ220の電圧値VB(1)近傍値(本実施の形態においても走行用バッテリ220の電圧値VB(1)=走行用バッテリ220Aの電圧値VB(2)であるので、単にVB近傍値と記載する)以上である否か、および、走行用バッテリ220の電流値IB(1)がしきい値以下であるか否かを判断する。VL(1)≧VB近傍値およびIB(1)≦しきい値であると(S2020にてYES)、処理はS2030へ移される、もしそうでないと(S2020にてNO)、処理はS1050へ移される。
S2030にて、ECU400は、コンデンサC(1)510Aの両端電圧値VL(2)がVB近傍値以上である否か、および、走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)がしきい値以下であるか否かを判断する。VL(2)≧VB近傍値およびIB(2)≦しきい値であると(S2030にてYES)、処理はS2040へ移される、もしそうでないと(S2030にてNO)、処理はS1120へ移される。
S2040にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)がVB近傍値以上である否かを判断する。なお、このとき、昇圧コンバータ242および/または昇圧コンバータ242Aは、たとえば上アームONの状態であって昇圧動作を行なっておらず、昇圧コンバータ242および/または昇圧コンバータ242Aを通じて走行用バッテリ220および/または走行用バッテリ242AからコンデンサC(2)520へ電流が流れる。コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)がVB近傍値以上であると(S2040にてYES)、処理は図7のS2060へ移される。もしそうでないと(S2040にてNO)、処理はS2050へ移される。
S2050にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の内部で断線しているか、または/および、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する電圧計522が異常であると判断する。すなわち、第1の電源系統も第2の電源系統も正常であって、昇圧コンバータが上アームONの状態であるにも関わらず(電力がコンデンサC(2)520に供給されているにも関わらず)、コンデンサC(2)が充電されないことを示しているので、上述したような異常が発生していると判断する。その後、この処理は終了する。
S2060にて、ECU400は、SMRG504およびA−SMRG504Aをオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換え、第1の昇圧コンバータ242の作動を開始する。このときの昇圧目標値V(1)は、後述する第2の昇圧コンバータ242Aの昇圧目標値V(2)よりも低い値であってVBよりも(電圧計522の公差を加算してさらに)高い値である。たとえば、VBが288Vであって、公差が±10Vであると、昇圧目標値V(1)は、VBよりも公差分高い298Vよりもさらに高い値(300V等)、昇圧目標値V(2)は、昇圧目標値V(1)よりも公差分高い310Vよりもさらに高い値(400V等)に設定される。
S2070にて、ECU400は、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。この時間は、ディレータイマにより管理され、第1の走行用バッテリ220によりコンデンサC(2)520が充電されるに十分な時間がセットされる。予め定められた時間が経過すると(S2070にてYES)、処理はS2080へ移される。もしそうでないと(S2070にてNO)、処理はS2070へ戻されて、予め定められた時間が経過するまで次の処理を待つ。
S2080にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する。
S2090にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が昇圧目標値V(1)以上である否かを判断する。なお、このとき昇圧コンバータ242は、昇圧作動状態であって、昇圧コンバータ242を通じて走行用バッテリ220の電圧が昇圧目標値V(1)まで昇圧されてコンデンサC(2)520へ電流が流れる。コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が昇圧目標値V(1)以上であると(S2090にてYES)、処理はS2100へ移される。もしそうでないと(S2090にてNO)、処理はS1070へ移される。
S2100にて、ECU400は、第2の昇圧コンバータ242Aの作動を開始する。このときの昇圧目標値V(2)は、上述したように第1の昇圧コンバータ242の昇圧目標値V(1)よりも高い値である。
S2110にて、ECU400は、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。この時間は、ディレータイマにより管理され、第2の走行用バッテリ220AによりコンデンサC(2)520が充電されるに十分な時間がセットされる。予め定められた時間が経過すると(S2110にてYES)、処理はS2120へ移される。もしそうでないと(S2110にてNO)、処理はS2110へ戻されて、予め定められた時間が経過するまで次の処理を待つ。
S2120にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する。
S2130にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が昇圧目標値V(2)以上である否かを判断する。なお、このとき昇圧コンバータ242Aは、昇圧作動状態であって、昇圧コンバータ242Aを通じて走行用バッテリ220Aの電圧が昇圧目標値V(2)まで昇圧されてコンデンサC(2)520へ電流が流れる。コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が昇圧目標値V(2)以上であると(S2130にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S2130にてNO)、処理はS1150へ移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態にかかる電源回路の制御装置であるECU400の動作について説明する。なお、以下においては、場合分けして動作を説明するが、同じ動作についての説明は繰り返さない。さらに、上述した第1の実施の形態と同じ動作については繰り返さないことがある。
[コンデンサC(2)断線異常または電圧計異常]
走行用バッテリ220を含む第1の電源系統および走行用バッテリ220Aを含む第2の電源系統を用いて、同じタイミングでプリチャージが開始される。
VL(1)がVB近傍値まで上昇して、かつ、IB(1)がしきい値以下になる(S2020にてYES)。これは、第1の電源系統(第1の走行用バッテリ220自体、SMRB506、SMRP500、ECU400からSMRへの信号線等)が正常であることを示す。VL(2)がVB近傍値まで上昇して、かつ、IB(2)がしきい値以下になる(S2030にてYES)。これは、第2の電源系統(第2の走行用バッテリ220A自体、A−SMRB506A、A−SMRP500A、ECU400からSMRへの信号線等)が正常であることを示す。
しかしながら、このような状態であっても(S2020にてYESかつS2030にてYES)、VHがVB近傍値まで上昇しない(S2040にてNO)。これは、第1の電源系統および第2の電源系統が正常であって(昇圧コンバータ242および昇圧コンバータ242Aが上アームONであることから)VHがVB近傍値まで上昇するはずであるにもかかわらず、上昇しないということから、コンデンサC(2)520の内部断線または/および、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する電圧計522が異常であると判断される(S2050)
[正常な場合]
図8に示すように、第1の電源系統も第2の電源系統もコンデンサ間の配線もコンデンサC(2)520も電圧計522も正常であると、時刻0で第1の電源系統および第2の電源系統を用いてプリチャージを開始されて(S2000)、プリチャージが完了した時刻T(3)において(S1020にてYES)、VL(1)はVB近傍値以上まで上昇し、IB(1)はしきい値以下まで低下し(S2020にてYES)、VL(2)はVB近傍値以上まで上昇し、IB(2)はしきい値以下まで低下している(S2030にてYES)。また、VHはVB近傍値まで上昇している(S2040にてYES)。
時刻T(3)から時刻T(4)までの間において、第1の電源系統の昇圧コンバータ242を用いて、昇圧目標値V(1)(<V(2))まで昇圧された電力がコンデンサC(2)520へ供給されて、コンデンサC(2)520が充電される。時刻T(4)で検出されたコンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)は昇圧目標値V(1)以上である(S2090にてYES)。
時刻T(4)から時刻T(5)までの間において、第2の電源系統の昇圧コンバータ242Aを用いて、昇圧目標値V(2)(>V(1))まで昇圧された電力がコンデンサC(2)520へ供給されて、コンデンサC(2)520が充電される。時刻T(5)で検出されたコンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)は昇圧目標値V(2)以上である(S2130にてYES)。
以上のようにして、本実施の形態に係る電源回路の制御装置によると、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路において、走行用バッテリを含む電源系統およびコンデンサ間の接続線ならびにメインコンデンサ自体の異常や高圧側電圧計の異常を的確に検出することができる。
なお、S2020およびS2030における2つの条件は、上述したようなAND条件ではなく、OR条件であっても構わない。
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る電源回路の制御装置は、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路における異常を、異なるプログラムを用いて検出する。
本実施の形態においては、第1の電源系統の走行用バッテリ220を用いてプリチャージを開始するタイミングと第2の電源系統の走行用バッテリ220Aを用いてプリチャージを開始するタイミングとは同じである。先に異常検出を行なう対象である第1の電源系統の走行用バッテリ220の定格電圧値を、後で異常検出を行なう対象である第2の電源系統の走行用バッテリ220Aの定格電圧値よりも低くして、異常を検出する(すなわち、後で異常検出する電源系統の走行用バッテリの定格電圧値の方が高い)。
なお、本実施の形態において、上述の図1に示したハイブリッド車両全体の制御ブロック図、図2に示した動力分割機構200、図3に示した電源回路については、同じであるためここでの詳細な説明は繰り返さない。
図9を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU400で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図9に示すフローチャートの中で前述の図4に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理は同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さないことがある。
S3000にて、ECU400は、コンデンサC(1)510の両端電圧値VL(1)が走行用バッテリ220の定格電圧値VB(1)近傍値(本実施の形態においては走行用バッテリ220の電圧値VB(1)<走行用バッテリ220Aの電圧値VB(2)であるので、VB(1)近傍値とVB(2)近傍値とを区別して記載する)以上である否か、および、走行用バッテリ220の電流値IB(1)がしきい値以下であるか否かを判断する。なお、走行用バッテリ220の定格電圧値に対して設定されるVB(1)近傍値は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する電圧計522の公差を考慮して決定される。たとえば、VB(1)が288Vであって、公差が±10Vであると、VB(1)近傍値は、278Vになる。VL(1)≧VB(1)近傍値およびIB(1)≦しきい値であると(S3000にてYES)、処理はS3010へ移される、もしそうでないと(S3000にてNO)、処理はS1050へ移される。
S3010にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)がVB(1)近傍値以上である否かを判断する。なお、このとき昇圧コンバータ242は、上アームONの状態であって、昇圧コンバータ242を通じて走行用バッテリ220からコンデンサC(2)520へ電流が流れる。コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)がVB(1)近傍値以上であると(S3010にてYES)、処理はS1080へ移される。もしそうでないと(S3010にてNO)、処理はS1070へ移される。
S3010にてYESの場合には、S1080−S1100の処理が行なわれる。その後、処理はS3020へ移される。
S3020にて、ECU400は、コンデンサC(1)510Aの両端電圧値VL(2)が走行用バッテリ220Aの定格電圧値VB(2)近傍値以上である否か、および、走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)がしきい値以下であるか否かを判断する。なお、走行用バッテリ220Aの定格電圧値に対して設定されるVB(2)近傍値は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する電圧計522の公差を考慮して決定される。たとえば、VB(2)が360Vであって、公差が±10Vであると、VB(2)近傍値は、350Vになる。VL(2)≧VB(2)近傍値およびIB(2)≦しきい値であると(S3020にてYES)、処理はS3030へ移される、もしそうでないと(S3020にてNO)、処理はS1120へ移される。
S3030にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が(VB(2)−VHセンサ(電圧計522)の公差)以上である否かを判断する。たとえば、VB(2)が360Vであって、公差が±10Vであると、(VB(2)−VHセンサ(電圧計522)の公差)は、350Vになる。ただし、公差が−10V(公差がマイナス側のみに存在する)であると、(VB(2)−VHセンサ(電圧計522)の公差)は370Vになる。なお、このとき昇圧コンバータ242は、上アームONの状態であって、昇圧コンバータ242Aを通じて走行用バッテリ220AからコンデンサC(2)520へ電流が流れる。コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が(VB(2)−VHセンサ(電圧計522)の公差)以上であると(S3030にてYES)、この処理は終了する。もしそうでないと(S3030にてNO)、処理はS1150へ移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態にかかる電源回路の制御装置であるECU400の動作について説明する。なお、上述した実施の形態と同じ動作については繰り返さないことがある。
[正常な場合]
図10に示すように、第1の電源系統も第2の電源系統もコンデンサ間の配線も正常であると、時刻0で第1の電源系統を用いてプリチャージを開始されて(S1010)、プリチャージが完了した時刻T(6)において(S1020にてYES)、VL(1)はVB(1)近傍値以上まで上昇し、IB(1)はしきい値以下まで低下し(S3000にてYES)、VHはVB(1)近傍値まで上昇している(S3010)。
時刻T(6)から時刻T(7)までの間において、第2の電源系統を用いてプリチャージを開始されて(S1080)、プリチャージが完了した時刻T(7)において(S1090にてYES)、VL(2)はVB(2)近傍値以上まで上昇し、IB(1)はしきい値以下まで低下し(S3020にてYES)、VHは(VB(2)−VHセンサ(電圧計522)の公差)まで上昇している(S3030にてYES)。
以上のようにして、本実施の形態に係る電源回路の制御装置によると、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路において、定格電圧値が異なる2以上の走行用バッテリを含む電源系統およびコンデンサ間の接続線ならびにメインコンデンサ自体の異常や高圧側電圧計の異常を的確に検出することができる。
なお、S3000およびS3020における2つの条件は、上述したようなAND条件ではなく、OR条件であっても構わない。
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る電源回路の制御装置は、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路における異常を、異なるプログラムを用いて検出する。
本実施の形態においては、第1の電源系統の走行用バッテリ220を用いてプリチャージを開始するタイミングと第2の電源系統の走行用バッテリ220Aを用いてプリチャージを開始するタイミングとは同じである。昇圧コンバータによる昇圧動作時のコンデンサC(2)520の両端電圧VHの上昇の度合いおよびその時の走行用バッテリに流れる電流値IBに基づいて、異常を検出する。
なお、本実施の形態において、上述の図1に示したハイブリッド車両全体の制御ブロック図、図2に示した動力分割機構200、図3に示した電源回路については、同じであるためここでの詳細な説明は繰り返さない。
図11を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU400で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図11に示すフローチャートの中で前述の図4に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理は同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さないことがある。また、図11は図6の処理に続く部分のみを記載している。
S4000にて、ECU400は、SMRG504およびA−SMRG504Aをオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換え、第1の昇圧コンバータ242および第2の昇圧コンバータ242Aの作動を、昇圧目標値V(1)で開始する。
S4010にて、ECU400は、走行用バッテリ220の電流値IB(1)および走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)を検出する。
S4020にて、ECU400は、走行用バッテリ220の電流値IB(1)が0でないか否かを判断する。IB(1)が0でない(IB(1)が0でない値で検出されている)と(S4020にてYES)、処理はS4030へ移される。もしそうでない(IB(1)が0)と(S4020にてNO)、処理はS1070へ移される。
S4030にて、ECU400は、走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)が0でないか否かを判断する。IB(2)が0でない(IB(2)が0でない値で検出されている)と(S4030にてYES)、この処理は終了する。もしそうでない(IB(2)が0)と(S4020にてNO)、処理はS1150へ移される。
なお、S4020および/またはS4030における判断では、電流センサの公差を考慮して、0には略0を含む。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態にかかる電源回路の制御装置であるECU400の動作について説明する。なお、上述した実施の形態と同じ動作については繰り返さないことがある。
[正常な場合]
図12に示すように、第1の電源系統も第2の電源系統もコンデンサ間の配線もコンデンサC(2)520も電圧計522も正常であると、時刻0で第1の電源系統および第2の電源系統を用いてプリチャージを開始されて、時刻T(8)においてプリチャージが完了する
時刻T(8)から時刻T(9)までの間において、第1の電源系統の昇圧コンバータ242および第2の電源系統の昇圧コンバータ242Aを用いて、昇圧目標値V(1)まで昇圧された電力がコンデンサC(2)520へ供給されて、コンデンサC(2)520が充電される。時刻T(8)から時刻T(9)で、走行用バッテリ220の電流値IB(1)が0でなく(S4020にてYES)、かつ、走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)が0でないと判断される(S4030にてYES)。
すなわち、VHがV(1)近傍値まで上昇するために、走行用バッテリからコンデンサC(2)に電流が流れるので、第1の走行用バッテリ220側のコンデンサC(1)510とコンデンサC(2)との間および/または第2の走行用バッテリ220A側のコンデンサC(1)510AとコンデンサC(2)との間が断線していないと判断される。
以上のようにして、本実施の形態に係る電源回路の制御装置によると、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路において、プリチャージ後のバッテリ電流を監視して、走行用バッテリを含む電源系統およびコンデンサ間の接続線ならびにメインコンデンサ自体の異常や高圧側電圧計の異常を的確に検出することができる。
<第5の実施の形態>
以下、本発明の第5の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る電源回路の制御装置は、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路における異常を、異なるプログラムを用いて検出する。
本実施の形態においては、第1の電源系統の走行用バッテリ220を用いてプリチャージを開始するタイミングと第2の電源系統の走行用バッテリ220Aを用いてプリチャージを開始するタイミングとは同じである。プリチャージによるVHがVB近傍値まで上昇する前から昇圧コンバータによる昇圧動作を行なう。これにより、コンデンサC(2)520は、昇圧目標値まで充電されるがコンデンサC(1)は昇圧に持ち出される電流値(制限抵抗分)は充電が不足してしまい、その結果として、第1の走行用バッテリの電流値IB(1)も第2の走行用バッテリの電流値IB(2)も、収束しない。これにより、コンデンサ間の接続が正常であると判断して、その後、昇圧動作を停止してプリチャージを完了させることで電気回路全体が異常でないことを検出できる。ただし、昇圧比(昇圧目標値)は、制限抵抗に過度の負荷にならないように、電流値IBが収束していないことが判定できさえすればよい値(収束判定値+電流センサ誤差分)になるように設定される。
なお、本実施の形態において、上述の図1に示したハイブリッド車両全体の制御ブロック図、図2に示した動力分割機構200、図3に示した電源回路については、同じであるためここでの詳細な説明は繰り返さない。
図13および図14を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU400で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図13および図14に示すフローチャートの中で前述のフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理は同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さないことがある。
S5000にて、ECU400は、SMRB506およびSMRP500をオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に、A−SMRB506AおよびA−SMRP500Aをオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に、それぞれ切換え、第1の昇圧コンバータ242および第2の昇圧コンバータ242Aの作動を、昇圧目標値V(1)で開始する。この昇圧目標値V(1)は、電流値IBが収束していないことが判定できさえすればよい値(収束判定値+電流センサ誤差分)である。
S5010にて、ECU400は、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。この時間は、ディレータイマにより管理され、プリチャージ時間(あるいはこれに近い時間、図15の時刻T(10)参照)がセットされる。予め定められた時間が経過すると(S5010にてYES)、処理はS5020へ移される。もしそうでないと(S5010にてNO)、処理はS5010へ戻されて、予め定められた時間が経過するまで次の処理を待つ。
S5020にて、ECU400は、走行用バッテリ220の電流値IB(1)、走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)およびコンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する。
S5030にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が(昇圧目標値−VHセンサ公差)以上である否かを判断する。VH(インバータ電圧)が(昇圧目標値−VHセンサ公差)以上であると(S5030にてYES)、処理はS5040へ移される。もしそうでないと(S5030にてNO)、処理はS2050へ移される。
S5040にて、ECU400は、走行用バッテリ220の収束後の電流値IB(1)がしきい値以下であるか否かを判断する。収束後のIB(1)がしきい値以下であると(S5040にてYES)、処理はS5050へ移される。もしそうでないと(S5040にてNO)、処理はS1070へ移される。
S5050にて、ECU400は、走行用バッテリ220Aの収束後の電流値IB(2)がしきい値以下であるか否かを判断する。収束後のIB(2)がしきい値以下であると(S5050にてYES)、処理は図14のS5060へ移される。もしそうでないと(S5050にてNO)、処理はS1150へ移される。
S5060にて、ECU400は、第1の昇圧コンバータ242および第2の昇圧コンバータ242Aについて、上アームをONにする。これにより、第1の昇圧コンバータ242および第2の昇圧コンバータ242Aは昇圧動作をしないだけでなく、走行用バッテリ側からコンデンサC(2)520側へも、コンデンサC(2)520側から走行用バッテリ側へも電流が流れることになる。
S5070にて、ECU400は、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。この時間は、ディレータイマにより管理され、たとえば、図15の時刻T(10)〜T(11)の間の時間がセットされる(高電位のコンデンサC(2)520から低電位の走行用バッテリ220または/および走行用バッテリ220Aに電流が流れてVHがVBまで低下するに十分な時間)。予め定められた時間が経過すると(S5070にてYES)、処理はS5080へ移される。もしそうでないと(S5070にてNO)、処理はS5070へ戻されて、予め定められた時間が経過するまで次の処理を待つ。
S5080にて、ECU400は、コンデンサC(1)510の両端電圧値VL(1)、走行用バッテリ220の電流値IB(1)、コンデンサC(1)510Aの両端電圧値VL(2)および走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)を検出する。その後、S2030、S2040の処理が行なわれ、それらの判断結果は否定的な場合には、それぞれS1050、S1120の処理が行なわれる。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態にかかる電源回路の制御装置であるECU400の動作について説明する。なお、上述した実施の形態と同じ動作については繰り返さないことがある。
[正常な場合]
図15に示すように、第1の電源系統も第2の電源系統もコンデンサ間の配線もコンデンサC(2)520も電圧計522も正常であると、時刻0で第1の電源系統および第2の電源系統を用いてプリチャージSMRを通電させて、かつ、昇圧動作が開始されて、時刻T(10)において昇圧動作を停止させる(上アームON)。
時刻0から時刻T(10)までの間において、第1の電源系統の昇圧コンバータ242および第2の電源系統の昇圧コンバータ242Aを用いて、昇圧目標値V(1)まで昇圧された電力がコンデンサC(2)520へ供給されて、コンデンサC(2)520が充電される。収束後において(時刻T(9))、コンデンサC(2)520がV(1)以上まで充電され(S5030にてYES)、走行用バッテリ220の電流値IB(1)がしきい値以上で(S5040にてYES)、かつ、走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)がしきい値以上であると判断される(S5050にてYES)。
すなわち、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)は(昇圧目標値V(1)−VHセンサ公差)以上であって(S5030にてYES)、コンデンサC(2)520の内部断線または/および、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する電圧計522が正常であると判断される
VHがV(1)近傍値(=(昇圧目標値V(1)−VHセンサ公差))まで上昇するために、走行用バッテリからコンデンサC(2)に収束後であっても電流が流れるので、第1の走行用バッテリ220側のコンデンサC(1)510とコンデンサC(2)との間および/または第2の走行用バッテリ220A側のコンデンサC(1)510AとコンデンサC(2)との間が断線していないと判断される。
時刻T(10)で第1の昇圧コンバータ242および第2の昇圧コンバータ242Aが上アームONになるので、時刻T(10)〜時刻T(11)において、高電位のコンデンサC(2)520から低電位の走行用バッテリ220または/および走行用バッテリ220Aに電流が流れる。
時刻T(11)においては、VHとVBとがほぼ等電位となる。このとき、VL(1)はVB近傍値以上であってIB(1)はしきい値以下になっており(S2030にてYES)、VL(2)はVB近傍値以上であってIB(2)はしきい値以下になっている(S2040にてYES)。
以上のようにして、本実施の形態に係る電源回路の制御装置によると、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路において、VBよりも高く昇圧してプリチャージした後に昇圧コンバータの上アームをONして、VHとVL(=VB)との電位差により発生する電流を監視して、走行用バッテリを含む電源系統およびコンデンサ間の接続線ならびにメインコンデンサ自体の異常や高圧側電圧計の異常を的確に検出することができる。
<第6の実施の形態>
以下、本発明の第6の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る電源回路の制御装置は、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路における異常を、異なるプログラムを用いて検出する。
本実施の形態においては、車両の走行中であって一定以上の負荷を使用している状態において、第1の電源系統の走行用バッテリ220が通電状態でない場合には第1の電源系統のコンデンサC(1)510とコンデンサC(2)520との間で断線、第2の電源系統の走行用バッテリ220Aが通電状態でない場合には第2の電源系統のコンデンサC(1)510AとコンデンサC(2)520との間で断線していると判断する。
なお、本実施の形態において、上述の図1に示したハイブリッド車両全体の制御ブロック図、図2に示した動力分割機構200、図3に示した電源回路については、同じであるためここでの詳細な説明は繰り返さない。
図16を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU400で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図16に示すフローチャートの中で前述のフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理は同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さないことがある。また、図16のフローチャートにおいては、SMRB506、SMRG504、A−SMRB506AおよびA−SMRG504Aに対してオン指令信号(通電指令信号)がECU400から出力されている状態をフローチャートの初期状態であるとする。
S6000にて、ECU400は、負荷が駆動されている状態であるか否かが判断される。この判断は、昇圧コンバータへの昇圧指令信号、実行トルク値、走行状態に基づいて行なわれる。負荷が駆動されている状態であると(S6000にてYES)、処理はS4010へ移される。もしそうでないと(S6000にてNO)、処理はS6000へ戻され、負荷が駆動される状態になるまで待つ。
S6000にてYESの場合、その後、S4010〜S4030の処理が行なわれる。S4020、S4030の処理において、それらの判断結果は否定的な場合には、それぞれS1070、S1150の処理が行なわれる。
なお、第4の実施の形態と同じように、S4020および/またはS4030における判断では、電流センサの公差を考慮して、0には略0を含む。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態にかかる電源回路の制御装置であるECU400の動作について説明する。なお、以下においては、場合分けして動作を説明するが、同じ動作についての説明は繰り返さない。さらに、上述した実施の形態と同じ動作については繰り返さないことがある。
[第1の走行用バッテリのコンデンサC(1)とC(2)との間が異常な場合]
車両走行中であって負荷が使用されているときに(S6000にてYES)、走行用バッテリ220の電流値IB(1)が0になると(S4020にてNO)、第1の走行用バッテリのコンデンサC(1)510とコンデンサC(2)520との間において断線が発生していることを示す(S1070)。
[第2の走行用バッテリのコンデンサC(1)とC(2)との間が異常な場合]
車両走行中であって負荷が使用されているときに(S6000にてYES)、走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)が0になると(S4020にてNO)、第2の走行用バッテリのコンデンサC(1)510AとコンデンサC(2)520との間において断線が発生していることを示す(S1150)。
[コンデンサC(1)とC(2)との間が正常な場合]
車両走行中であって負荷が使用されているときに(S6000にてYES)、走行用バッテリ220の電流値IB(1)が0でなく(S4020にてYES)、かつ、走行用バッテリ220Aの電流値IB(2)が0にないと(S4030にてYES)、第1の走行用バッテリのコンデンサC(1)510とコンデンサC(2)520との間および第2の走行用バッテリのコンデンサC(1)510AとコンデンサC(2)520との間が正常であることを示す。
以上のようにして、本実施の形態に係る電源回路の制御装置によると、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路において、負荷走行時においてバッテリ電流値を監視して、2以上の走行用バッテリを含む電源系統とコンデンサと間の接続線の異常を的確に検出することができる。
<第7の実施の形態>
以下、本発明の第7の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る電源回路の制御装置は、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路における異常を、異なるプログラムを用いて検出する。
本実施の形態においては、第2の実施の形態の変形例であって(第4の実施の形態や第5の実施の形態の変形例であっても構わない)、正常な電源系統により昇圧動作を実行した後、正常な電源系統の昇圧コンバータの昇圧ゲートを遮断して他方の電源系統の昇圧コンバータの上アームをONにする。これにより、異常内容を、コンデンサ間の断線と昇圧機能異常(昇圧コンバータへの制御線の断線やダイオード破損等)とに切り分ける。
なお、本実施の形態において、上述の図1に示したハイブリッド車両全体の制御ブロック図、図2に示した動力分割機構200、図3に示した電源回路については、同じであるためここでの詳細な説明は繰り返さない。
図17−図19を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU400で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図17−図19に示すフローチャートの中で前述のフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理は同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さないことがある。また、図17−図19は図6の処理に続く部分のみを記載している。
S7000にて、ECU400は、第1の走行用バッテリ220が異常であると判断する。その後、処理は、第2の走行用バッテリが正常であるとして、図18のS7010へ移される。
S7100にて、ECU400は、第2の走行用バッテリ220Aが異常であると判断する。その後、処理は、第1の走行用バッテリが正常であるとして、図19のS7110へ移される。
図18のS7010にて、ECU400は、異常であると判断されていない第2の昇圧コンバータ242Aの作動を、昇圧目標値V(2)で開始する。
S7020にて、ECU400は、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。この時間は、ディレータイマにより管理され、第2の走行用バッテリ220AによりコンデンサC(2)520が充電されるに十分な時間がセットされる。予め定められた時間が経過すると(S7020にてYES)、処理はS7030へ移される。もしそうでないと(S7020にてNO)、処理はS7020へ戻されて、予め定められた時間が経過するまで次の処理を待つ。
S7030にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する。
S7040にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が昇圧目標値V(2)以上である否かを判断する。なお、このとき昇圧コンバータ242Aは、昇圧作動状態であって、昇圧コンバータ242Aを通じて走行用バッテリ220Aの電圧が昇圧目標値V(2)まで昇圧されてコンデンサC(2)520へ電流が流れる。コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が昇圧目標値V(2)以上であると(S7040にてYES)、処理はS7060へ移される。もしそうでないと(S7040にてNO)、処理はS7050へ移される。
S7050にて、ECU400は、第2の走行用バッテリ220Aが異常であると判断する。すなわち、VHが昇圧コンバータ242Aの昇圧目標値V(2)まで上昇しないということから、第2の走行用バッテリ220Aが異常であると判断される。その後、この処理は終了する。なお、この第2の走行用バッテリ220Aが異常であるということには、第2の電源系統が異常であることが含められる。
S7060にて、ECU400は、第2の昇圧コンバータ242Aについて昇圧ゲートを遮断して、第1の昇圧コンバータ242について上アームをONにする。これにより、第1の昇圧コンバータ242および第2の昇圧コンバータ242Aは昇圧動作をしないだけでなく、以下のように動作する。昇圧ゲートを遮断した第2の昇圧コンバータ242Aについては、コンデンサC(2)520側(VH)から走行用バッテリ側へ電流が流れないが、走行用バッテリ側からコンデンサC(2)520側へ電流は流れる。上アームをONした第1の昇圧コンバータ242については、走行用バッテリ側からコンデンサC(2)520側へも、コンデンサC(2)520側から走行用バッテリ側へも電流が流れる。
S7070にて、ECU400は、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。この時間は、放電抵抗521によりVHがVB近傍値に低下するよりも十分に早い時間がセットされる。予め定められた時間が経過すると(S7070にてYES)、処理はS7080へ移される。もしそうでないと(S7070にてNO)、処理はS7070へ戻されて、予め定められた時間が経過するまで次の処理を待つ。
S7080にて、ECU400は、走行用バッテリがコンデンサC(2)520で充電されたか否かを判断する。このとき、走行用バッテリが充電されたことは、一定時間経過後のVHが(V(2)−放電抵抗による電圧降下)以下であることで判断されたり、バッテリ電流値IBに基づいて判断されたりする。走行用バッテリがコンデンサC(2)520で充電されると(S7080にてYES)、処理はS7090へ移される。もしそうでないと(S7080にてNO)、処理はS1070へ移される。
S7090にて、ECU400は、第1の昇圧コンバータ242が異常(昇圧コンバータへの制御線の断線やダイオード破損等)であると判断する。
図19のS7110にて、ECU400は、異常であると判断されていない第1の昇圧コンバータ242の作動を、昇圧目標値V(2)で開始する。
S7120にて、ECU400は、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。この時間は、ディレータイマにより管理され、第1の走行用バッテリ220によりコンデンサC(2)520が充電されるに十分な時間がセットされる。予め定められた時間が経過すると(S7120にてYES)、処理はS7130へ移される。もしそうでないと(S7120にてNO)、処理はS7120へ戻されて、予め定められた時間が経過するまで次の処理を待つ。
S7130にて、ECU400は、第1の昇圧コンバータ242について昇圧ゲートを遮断して、第2の昇圧コンバータ242Aについて上アームをONにする。これにより、第1の昇圧コンバータ242および第2の昇圧コンバータ242Aは昇圧動作をしないだけでなく、以下のように動作する。昇圧ゲートを遮断した第1の昇圧コンバータ242については、コンデンサC(2)520側(VH)から走行用バッテリ側へ電流が流れないが、走行用バッテリ側からコンデンサC(2)520側へ電流は流れる。上アームをONした第2の昇圧コンバータ242Aについては、走行用バッテリ側からコンデンサC(2)520側へも、コンデンサC(2)520側から走行用バッテリ側へも電流が流れる。
S7140にて、ECU400は、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。この時間は、放電抵抗521によりVHがVB近傍値に低下するよりも十分に早い時間がセットされる。予め定められた時間が経過すると(S7140にてYES)、処理はS7150へ移される。もしそうでないと(S7140にてNO)、処理はS7140へ戻されて、予め定められた時間が経過するまで次の処理を待つ。
S7150にて、ECU400は、走行用バッテリがコンデンサC(2)520で充電されたか否かを判断する。このとき、走行用バッテリが充電されたことは、一定時間経過後のVHが(V(2)−放電抵抗による電圧降下)以下であることで判断されたり、バッテリ電流値IBに基づいて判断されたりする。走行用バッテリがコンデンサC(2)520で充電されると(S7150にてYES)、処理はS7160へ移される。もしそうでないと(S7150にてNO)、処理はS1150へ移される。
S7160にて、ECU400は、第2の昇圧コンバータ242Aが異常(昇圧コンバータへの制御線の断線やダイオード破損等)であると判断する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態にかかる電源回路の制御装置であるECU400の動作について説明する。なお、上述した実施の形態と同じ動作については繰り返さないことがある。
[第1の走行用バッテリ側の昇圧コンバータが異常な場合]
図17のS7000にて異常と判断された第1の電源系統ではない側の第2の電源系統の昇圧コンバータ(第2の昇圧コンバータ242A)が昇圧目標値がV(2)で昇圧動作を開始する(図18のS7010)。このタイミングが図20のT(14)である。
予め定められた時間が経過した時(S7020にてYESであって、このタイミングがT(15)である)、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が検出される(S7030)。図20に示すように、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)が昇圧目標値V(2)以上であるので(S7040にてYES)、第2の昇圧コンバータ242Aについて昇圧ゲートを遮断して、第1の昇圧コンバータ242について上アームをONにする(S7060)。これ以降(時刻T(15)以降)、昇圧ゲートを遮断した第2の昇圧コンバータ242Aについては、コンデンサC(2)520側(VH)から走行用バッテリ側へ電流が流れないが、走行用バッテリ側からコンデンサC(2)520側へ電流は流れ、上アームをONした第1の昇圧コンバータ242については、走行用バッテリ側からコンデンサC(2)520側へも、コンデンサC(2)520側から走行用バッテリ側へも電流が流れる。したがって、第1の昇圧コンバータ242が正常であれば、上アームがONの状態であるので、コンデンサC(2)520から走行用バッテリを充電することになる。
ところが、図20に示すように、走行用バッテリ220の電流値IB(1)が走行用バッテリを充電している(IB(1)が0ではない負の値になっている)。このため、第1の電源系統におけるコンデンサC(1)510とコンデンサC(2)520との間で断線していないことが判断できる。さらに、異常であると判断された第1の電源系統においては、第1の昇圧コンバータ242は昇圧動作のできない異常(昇圧コンバータへの制御線の断線やダイオード破損等)であると判断できる(S7090)。
以上のようにして、本実施の形態に係る電源回路の制御装置によると、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路において、各電源系統におけるコンデンサ間の断線と昇圧コンバータの昇圧機能の動作異常とを切り分けて、電源系統の異常を的確に検出することができる。
<第8の実施の形態>
以下、本発明の第8の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る電源回路の制御装置は、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路における異常を、異なるプログラムを用いて検出する。
本実施の形態においては、第2の実施の形態の変形例であって、昇圧動作時のコンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を監視するのではなく、昇圧コンバータの温度を監視して、温度上昇が検出されないと異常であると判断する。
なお、本実施の形態において、上述の図1に示したハイブリッド車両全体の制御ブロック図、図2に示した動力分割機構200、図3に示した電源回路については、同じであるためここでの詳細な説明は繰り返さない。
図21を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU400で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図21に示すフローチャートの中で前述のフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理は同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さないことがある。また、図21は図6の処理に続く部分のみを記載している。
S2060にて、ECU400は、第1の昇圧コンバータ242の作動を、昇圧目標値V(1)で開始する。
S8000にて、ECU400は、予め定められた時間の経過後に、第1の昇圧コンバータ242の温度TC(1)を検出する。S8010にて、ECU400は、第1の昇圧コンバータ242の温度TC(1)がしきい値TCTH(1)以上であるか否かを判断する。このしきい値TCTH(1)は、昇圧コンバータ242が正常に動作していると電子素子のスイッチング動作により発熱する程度の温度が設定される(昇圧目標値によって異なるようにしても構わない)。第1の昇圧コンバータ242の温度TC(1)がしきい値TCTH(1)以上であると(S8010にてYES)、処理はS2100へ移される。もしそうでないと(S8010にてNO)、処理はS8020へ移される。
S8020にて、ECU400は、第1の走行用バッテリ220側のコンデンサC(1)510とコンデンサC(2)との間で断線していると判断する。第1の昇圧コンバータが昇圧動作しているときには、コンバータ温度TB(1)はしきい温度TCTH(1)程度以上まで上昇するはずである。それにも関わらず、コンバータ温度TB(1)が上昇しないということは、走行用バッテリ220から昇圧コンバータ242を介してコンデンサC(2)520へ電流が流れていないことを示す。このため、コンデンサ間で断線していると判断される。その後、この処理は終了する。
S2100にて、ECU400は、第2の昇圧コンバータ242Aの作動を、昇圧目標値V(2)で開始する。
S8030にて、ECU400は、予め定められた時間の経過後に、第2の昇圧コンバータ242Aの温度TC(2)を検出する。S8040にて、ECU400は、第2の昇圧コンバータ242Aの温度TC(2)がしきい値TCTH(2)以上であるか否かを判断する。このしきい値TCTH(2)も、昇圧コンバータ242Aが正常に動作していると電子素子のスイッチング動作により発熱する程度の温度が設定される(昇圧目標値によって異なるようにしても構わない)。第2の昇圧コンバータ242Aの温度TC(2)がしきい値TCTH(2)以上であると(S8040にてYES)、処理はS1150へ移される。もしそうでないと(S8040にてNO)、この処理は終了する。
S1150にて、ECU400は、第2の走行用バッテリ220A側のコンデンサC(1)510AとコンデンサC(2)との間で断線していると判断する。第2の昇圧コンバータが昇圧動作しているときには、コンバータ温度TB(2)はしきい温度TCTH(2)程度以上まで上昇するはずである。それにも関わらず、コンバータ温度TB(2)が上昇しないということは、走行用バッテリ220Aから昇圧コンバータ242Aを介してコンデンサC(2)520へ電流が流れていないことを示す。このため、コンデンサ間で断線していると判断される。その後、この処理は終了する。
以上のようにして、本実施の形態に係る電源回路の制御装置によると、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路において、各電源系統における昇圧動作している昇圧コンバータの温度を監視して、電源系統の異常を的確に検出することができる。
<第9の実施の形態>
以下、本発明の第9の実施の形態について説明する。
本実施の形態に係る電源回路の制御装置は、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路における異常を、異なるプログラムを用いて検出する。
本実施の形態においては、第1の実施の形態の変形例であって、先にプリチャージする電源系統においてプリチャージを途中で停止して(たとえば、プリチャージを途中で停止させる電圧VLLはVHセンサの公差以上である低い値である)、残りのプリチャージをもう一方の電源系統を用いてプリチャージを行ない、異常を検出する。
なお、本実施の形態において、上述の図1に示したハイブリッド車両全体の制御ブロック図、図2に示した動力分割機構200、図3に示した電源回路については、同じであるためここでの詳細な説明は繰り返さない。
図22を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU400で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図22に示すフローチャートの中で前述のフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理は同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さないことがある。
S9000にて、ECU400は、コンデンサC(1)510の両端電圧値VL(1)がプリチャージ途中停止の電圧値VLL近傍値以上、および、走行用バッテリ220の電流値IB(1)がしきい値以下であるか否かを判断する。なお、VLL近傍値は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VH(インバータ電圧)を検出する電圧計522の公差を考慮して決定される。たとえば、VBが288Vであって、公差が±10Vであると、VLL近傍値は、VBよりも最大公差10V以上低い値に設定される。VL(1)≧VLL近傍値およびIB(1)≦しきい値であると(S9000にてYES)、処理はS9010へ移される、もしそうでないと(S9000にてNO)、処理はS9010へ移される。
S9010にて、ECU400は、コンデンサC(2)520の両端電圧値VHがプリチャージ途中停止の電圧値VLL近傍値以上であるか否かを判断する。VH≧VLL近傍値であると(S9010にてYES)、処理はS9020へ移される、もしそうでないと(S9010にてNO)、処理はS1070へ移される。
S9020にて、ECU400は、SMRG504およびSMRP500をオン(通電)状態からオフ(非通電)状態に切換え、A−SMRB506AおよびA−SMRP500Aをオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換える。
S9030にて、ECU400は、A−SMRG504Aをオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換え、SMRB506およびSMRP500をオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換える。これにより、2つの電源系統のうちの、第1の電源系統はプリチャージSMRがオン(通電)状態に、第2の電源系統はメインSMRがオン(通電)状態になっている。
S9040にて、ECU400は、予め定められた時間が経過したか否かを判断する。この時間も、ディレータイマにより管理され、残りのプリチャージ時間がセットされる。予め定められた時間が経過すると(S9040にてYES)、処理はS9050へ移される。もしそうでないと(S9040にてNO)、処理はS9040へ戻されて、予め定められた時間が経過するまで次の処理を待つ。
S9050にて、ECU400は、SMRG504をオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換える。これにより、SMRG504の溶着を防止できる。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態にかかる電源回路の制御装置であるECU400の動作について説明する。なお、以下においては、場合分けして動作を説明するが、同じ動作についての説明は繰り返さない。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態にかかる電源回路の制御装置であるECU400の動作について説明する。なお、上述した実施の形態と同じ動作については繰り返さないことがある。
[正常な場合]
図23に示すように、第1の電源系統も第2の電源系統もコンデンサ間の配線も正常である場合について説明する。
時刻0で第1の電源系統を用いてプリチャージが開始されて(S1010)、時刻T(16)になると(S1020にてYES)、VL(1)がVLL近傍値に到達して(S9000にてYES)、かつ、VHがVLL近傍値に到達する(S9010にてYES)。
第1の電源系統のプリチャージ回路が遮断され(SMRG504およびSMRP500をオン(通電)状態からオフ(非通電)状態に切換えられ)、第2の電源系統のプリチャージ回路が作動される(A−SMRB506AおよびA−SMRP500Aをオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換えられる)(S9020)。
時刻T(16)で第2の電源系統を用いてプリチャージが開始されて(S9020)、時刻T(17)になると(S1090にてYES)、VL(2)がVB近傍値に到達して(S1110にてYES)、かつ、VHがVB近傍値に到達する(S1060にてYES)。
時刻T(17)で、A−SMRG504Aをオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換えられ、SMRB506およびSMRP500をオフ(非通電)状態からオン(通電)状態に切換えられる(S9030)。これにより、2つの電源系統のうちの、第1の電源系統はプリチャージSMRがオン(通電)状態に、第2の電源系統はメインSMRがオン(通電)状態になっている。時刻T(18)で第1の電源系統のプリチャージ電流はほぼ0となり、時刻T(19)第1の電源系統のコンデンサC(1)510の両端電圧VL(1)はVB近傍値になっている。このため、途中までしかプリチャージしていない第1の電源系統のSMRG504の突入電流を小さくできるので、SMRG504が溶着することを回避できる。
以上のようにして、本実施の形態に係る電源回路の制御装置によると、第1の実施の形態と同じ構成の電源回路において、プリチャージを分担して実行して、電源系統の異常を的確に検出することができる。
なお、第9の実施の形態においては、上述したように、時刻T(16)で一旦VLLでプリチャージを停止させているが、以下のようにしても構わない。すなわち、時刻T(16)で第1の電源系統のプリチャージを完了させて(VL≧VB−VHセンサ公差)、SMRPをオン(通電)状態からオン(通電)状態に切換えて、コンデンサC(2)520を(放電抵抗521を用いて)ディスチャージする。その後、第2の電源系統を用いてプリチャージする。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る制御装置を含む、ハイブリッド車両の制御ブロック図である。 図1の動力分割機構を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置で制御される電源回路の構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図4のプログラムが実行された場合のタイミングチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 図6、図7のプログラムが実行された場合のタイミングチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図9のプログラムが実行された場合のタイミングチャートである。 本発明の第4の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図11のプログラムが実行された場合のタイミングチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の第5の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 図13−図14のプログラムが実行された場合のタイミングチャートである。 本発明の第6の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第7の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の第7の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 本発明の第7の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その3)である。 図17−図19のプログラムが実行された場合のタイミングチャートである。 本発明の第8の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第9の実施の形態に係る制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図22のプログラムが実行された場合のタイミングチャートである。
符号の説明
120 エンジン、140 モータジェネレータ、160 駆動輪、180 減速機、200 動力分割機構、220,220A 走行用バッテリ、222,222A 電流計、240 インバータ、242,242A 昇圧コンバータ、260 バッテリECU、280 エンジンECU、300 MG_ECU、320 HV_ECU、400 ECU、500 SMRP、500A A−SMRP、504 SMRG、504A A−SMRG、506 SMRB、506A A−SMRB、502,502A 制限抵抗、510,510A コンデンサC(1)、520 コンデンサC(2)、521 放電抵抗。

Claims (32)

  1. 蓄電機構と複数のリレーとから構成される複数の電源回路の制御装置であって、各前記電源回路は、負荷と蓄電機構の一方の極との電気的な通電/非通電を制御する第1のリレーおよび前記第1のリレーに直列に接続された抵抗を有する回路と、前記回路に並列に接続された第2のリレーと、負荷と蓄電機構の他方の極との電気的な通電/非通電を制御する第3のリレーと、昇圧コンバータと、前記リレーと前記昇圧コンバータとの間に設けられた第1のコンデンサと、前記昇圧コンバータと前記負荷との間に設けられた第2のコンデンサとを含み、
    前記制御装置は、
    電源起動時に、各前記電源回路における前記第2のリレーおよび前記第3のリレーを通電状態にする前に、前記第1のリレーおよび前記第3のリレーを通電状態にすることにより、プリチャージ処理の対象である前記第2のコンデンサを充電するように、プリチャージ処理を実行するためのプリチャージ手段と、
    各前記第1のコンデンサの電圧値、前記第2のコンデンサの電圧値、前記蓄電機構の電流値および各前記昇圧コンバータの温度の少なくとも1つを検出するための手段と、
    前記検出された物理量に基づいて、各前記電源回路の異常を検出するための検出手段とを含む、制御装置。
  2. 前記検出手段は、前記プリチャージ処理を実行した後に、複数の前記電源回路の中の1つの電源回路の昇圧コンバータを用いて昇圧して前記第2のコンデンサに電力を供給して、前記第2のコンデンサの電圧値が昇圧目標値に対して正常でないと、前記昇圧に用いた昇圧コンバータを含む電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記検出手段は、
    第1の電源回路を用いてプリチャージ処理を実行したときに、前記第1の電源回路の第1のコンデンサの電圧値は正常であって前記第2のコンデンサの電圧値が正常でないと、前記第1の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段と、
    前記第1の電源回路とは異なる第2の電源回路を用いてプリチャージ処理を実行した後に、前記第2の電源回路の昇圧コンバータを用いて昇圧して、前記第2のコンデンサの電圧値が正常でないと、前記第2の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段とを含む、請求項1に記載の制御装置。
  4. 前記プリチャージ手段は、各前記電源回路を用いて同じタイミングでプリチャージ処理を開始するための手段を含み、
    前記検出手段は、
    前記プリチャージ処理の後において、前記第1の電源回路の昇圧コンバータを用いて第1の目標電圧値まで昇圧して、前記第2のコンデンサの電圧値が、前記第1の目標電圧値に対して正常でないと、前記第1の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段と、
    前記第2の電源回路の昇圧コンバータを用いて前記第1の目標電圧値よりも高い第2の目標電圧値まで昇圧して、前記第2のコンデンサの電圧値が、前記第2の目標電圧値に対して正常でないと、前記第2の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段とを含む、請求項1に記載の制御装置。
  5. 前記電源回路に含まれる蓄電機構の定格電圧値は少なくとも2つの値が存在し、
    前記プリチャージ手段は、蓄電機構の定格電圧値の低い順に、複数の電源回路の1の電源回路を用いてプリチャージ処理を実行するための手段を含み、
    前記検出手段は、プリチャージ処理を実行して前記第2のコンデンサに電力を供給して、第2のコンデンサの電圧値が、前記1の電源回路の蓄電機構の定格電圧値に対して正常でないと、前記1の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む、請求項1に記載の制御装置。
  6. 前記複数の電源回路は、第1の定格電圧値の蓄電機構と含む第1の電源回路と、第1の定格電圧値よりも高い第2の定格電圧値の蓄電機構と含む第2の電源回路とを含み、
    前記プリチャージ手段は、前記第1の蓄電機構を用いてプリチャージした後に前記第2の蓄電機構を用いてプリチャージするための手段を含み、
    前記検出手段は、
    前記第1の電源回路を用いたプリチャージ処理において、前記第2のコンデンサの電圧値が、前記第1の定格電圧値に対して正常でないと、前記第1の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段と、
    前記第2の電源回路を用いたプリチャージ処理において、前記第2のコンデンサの電圧値が、前記第2の定格電圧値に対して正常でないと、前記第2の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段とを含む、請求項1に記載の制御装置。
  7. 前記検出手段は、前記プリチャージ処理を実行した後に、複数の前記電源回路の昇圧コンバータを用いて昇圧して前記第2のコンデンサに電力を供給して、前記電源回路の蓄電機構を流れる電流値が正常でないと、前記電流値が正常でない蓄電機構を含む電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む、請求項1に記載の制御装置。
  8. 前記検出手段は、前記電源回路の蓄電機構を流れる電流値が略0であると、前記電流値が略0である蓄電機構を含む電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む、請求項7に記載の制御装置。
  9. 前記プリチャージ手段は、前記プリチャージ処理を実行するときに、複数の前記電源回路の昇圧コンバータを用いて昇圧して前記第2のコンデンサに電力を供給してプリチャージ処理を実行するための手段を含み、
    前記検出手段は、前記第2のコンデンサが昇圧目標値まで充電された後に、各前記昇圧コンバータの作動を停止させて前記昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにして、前記第1のコンデンサの電圧が蓄電機構の定格電圧値まで上がらない電源回路に発生している異常を検出するための手段を含む、請求項1に記載の制御装置。
  10. 前記昇圧目標値は前記抵抗に過度に負荷がかからない程度の値であって、
    前記昇圧コンバータは、上アームをオン状態にすることにより、前記昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにする、請求項9に記載の制御装置。
  11. 前記検出手段は、前記プリチャージ処理を実行した後の負荷駆動時おいて、前記電源回路の蓄電機構を流れる電流値が正常でないと、前記電流値が正常でない蓄電機構を含む電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む、請求項1に記載の制御装置。
  12. 前記検出手段は、前記電源回路の蓄電機構を流れる電流値が略0であると、前記電流値が略0である蓄電機構を含む電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む、請求項11に記載の制御装置。
  13. 前記制御装置は、前記プリチャージ処理の後において、異常であることが検出された第1の電源回路以外の第2の電源回路の昇圧コンバータを用いて前記負荷に電力を供給するための手段をさらに含み、
    前記検出手段は、前記第2の電源回路の昇圧コンバータの作動を停止させて前記昇圧コンバータにおいて前記負荷から前記蓄電機構への方向に電力が流れないように、かつ、前記第1の電源回路の昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにして、前記第2のコンデンサに充電された電力により蓄電機構が充電されたか否かにより、前記異常であることが検出された第1の電源回路の異常内容を検出するための手段を含む、請求項1に記載の制御装置。
  14. 前記第1の昇圧コンバータは、上アームをオン状態にすることにより、前記昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにして、
    前記第2の昇圧コンバータは、昇圧ゲートを遮断することにより、前記昇圧コンバータにおいて前記負荷から前記蓄電機構への方向に電力が流れないようにして、
    前記検出手段は、
    前記蓄電機構が充電されると、前記第1の電源回路の昇圧コンバータの昇圧動作不良であることを検出するための手段と、
    前記蓄電機構が充電されないと、前記第1の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段とを含む、請求項13に記載の制御装置。
  15. 前記検出手段は、前記プリチャージ処理を実行した後の負荷駆動時おいて、前記昇圧コンバータの温度が上昇していないと、前記温度が上昇していない昇圧コンバータを含む電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段を含む、請求項1に記載の制御装置。
  16. 前記プリチャージ手段は、
    第1の電源回路を用いてプリチャージ途中電圧値までプリチャージ処理を実行するための手段と、
    前記プリチャージ途中電圧値までプリチャージ処理が実行された後、前記第1の電源回路とは異なる第2の電源回路を用いてプリチャージ処理を実行するための手段とを含み、
    前記検出手段は、
    前記プリチャージ途中電圧値までプリチャージ処理を実行されたときに、前記第2のコンデンサの電圧値が、前記プリチャージ途中電圧値に対して正常でないと、前記第1の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段と、
    前記プリチャージ処理が完了されたときに、前記第2のコンデンサの電圧値が、前記蓄電機構の定格電圧値に対して正常でないと、前記第2の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するための手段とを含む、請求項1に記載の制御装置。
  17. 蓄電機構と複数のリレーとから構成される複数の電源回路の制御方法であって、各前記電源回路は、負荷と蓄電機構の一方の極との電気的な通電/非通電を制御する第1のリレーおよび前記第1のリレーに直列に接続された抵抗を有する回路と、前記回路に並列に接続された第2のリレーと、負荷と蓄電機構の他方の極との電気的な通電/非通電を制御する第3のリレーと、昇圧コンバータと、前記リレーと前記昇圧コンバータとの間に設けられた第1のコンデンサと、前記昇圧コンバータと前記負荷との間に設けられた第2のコンデンサとを含み、
    前記制御方法は、
    電源起動時に、各前記電源回路における前記第2のリレーおよび前記第3のリレーを通電状態にする前に、前記第1のリレーおよび前記第3のリレーを通電状態にすることにより、プリチャージ処理の対象である前記第2のコンデンサを充電するように、プリチャージ処理を実行するプリチャージステップと、
    各前記第1のコンデンサの電圧値、前記第2のコンデンサの電圧値、前記蓄電機構の電流値および各前記昇圧コンバータの温度の少なくとも1つを検出するステップと、
    前記検出された物理量に基づいて、各前記電源回路の異常を検出する検出ステップとを含む、制御方法。
  18. 前記検出ステップは、前記プリチャージ処理を実行した後に、複数の前記電源回路の中の1つの電源回路の昇圧コンバータを用いて昇圧して前記第2のコンデンサに電力を供給して、前記第2のコンデンサの電圧値が昇圧目標値に対して正常でないと、前記昇圧に用いた昇圧コンバータを含む電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップを含む、請求項17に記載の制御方法。
  19. 前記検出ステップは、
    第1の電源回路を用いてプリチャージ処理を実行したときに、前記第1の電源回路の第1のコンデンサの電圧値は正常であって前記第2のコンデンサの電圧値が正常でないと、前記第1の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップと、
    前記第1の電源回路とは異なる第2の電源回路を用いてプリチャージ処理を実行した後に、前記第2の電源回路の昇圧コンバータを用いて昇圧して、前記第2のコンデンサの電圧値が正常でないと、前記第2の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップとを含む、請求項17に記載の制御方法。
  20. 前記プリチャージステップは、各前記電源回路を用いて同じタイミングでプリチャージ処理を開始するステップを含み、
    前記検出ステップは、
    前記プリチャージ処理の後において、前記第1の電源回路の昇圧コンバータを用いて第1の目標電圧値まで昇圧して、前記第2のコンデンサの電圧値が、前記第1の目標電圧値に対して正常でないと、前記第1の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップと、
    前記第2の電源回路の昇圧コンバータを用いて前記第1の目標電圧値よりも高い第2の目標電圧値まで昇圧して、前記第2のコンデンサの電圧値が、前記第2の目標電圧値に対して正常でないと、前記第2の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップとを含む、請求項17に記載の制御方法。
  21. 前記電源回路に含まれる蓄電機構の定格電圧値は少なくとも2つの値が存在し、
    前記プリチャージステップは、蓄電機構の定格電圧値の低い順に、複数の電源回路の1の電源回路を用いてプリチャージ処理を実行するステップを含み、
    前記検出ステップは、プリチャージ処理を実行して前記第2のコンデンサに電力を供給して、第2のコンデンサの電圧値が、前記1の電源回路の蓄電機構の定格電圧値に対して正常でないと、前記1の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップを含む、請求項17に記載の制御方法。
  22. 前記複数の電源回路は、第1の定格電圧値の蓄電機構と含む第1の電源回路と、第1の定格電圧値よりも高い第2の定格電圧値の蓄電機構と含む第2の電源回路とを含み、
    前記プリチャージステップは、前記第1の蓄電機構を用いてプリチャージした後に前記第2の蓄電機構を用いてプリチャージするステップを含み、
    前記検出ステップは、
    前記第1の電源回路を用いたプリチャージ処理において、前記第2のコンデンサの電圧値が、前記第1の定格電圧値に対して正常でないと、前記第1の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップと、
    前記第2の電源回路を用いたプリチャージ処理において、前記第2のコンデンサの電圧値が、前記第2の定格電圧値に対して正常でないと、前記第2の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップとを含む、請求項17に記載の制御方法。
  23. 前記検出ステップは、前記プリチャージ処理を実行した後に、複数の前記電源回路の昇圧コンバータを用いて昇圧して前記第2のコンデンサに電力を供給して、前記電源回路の蓄電機構を流れる電流値が正常でないと、前記電流値が正常でない蓄電機構を含む電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップを含む、請求項17に記載の制御方法。
  24. 前記検出ステップは、前記電源回路の蓄電機構を流れる電流値が略0であると、前記電流値が略0である蓄電機構を含む電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップを含む、請求項23に記載の制御方法。
  25. 前記プリチャージステップは、前記プリチャージ処理を実行するときに、複数の前記電源回路の昇圧コンバータを用いて昇圧して前記第2のコンデンサに電力を供給してプリチャージ処理を実行するステップを含み、
    前記検出ステップは、前記第2のコンデンサが昇圧目標値まで充電された後に、各前記昇圧コンバータの作動を停止させて前記昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにして、前記第1のコンデンサの電圧が蓄電機構の定格電圧値まで上がらない電源回路に発生している異常を検出するステップを含む、請求項17に記載の制御方法。
  26. 前記昇圧目標値は前記抵抗に過度に負荷がかからない程度の値であって、
    前記昇圧コンバータは、上アームをオン状態にすることにより、前記昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにする、請求項25に記載の制御方法。
  27. 前記検出ステップは、前記プリチャージ処理を実行した後の負荷駆動時おいて、前記電源回路の蓄電機構を流れる電流値が正常でないと、前記電流値が正常でない蓄電機構を含む電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップを含む、請求項17に記載の制御方法。
  28. 前記検出ステップは、前記電源回路の蓄電機構を流れる電流値が略0であると、前記電流値が略0である蓄電機構を含む電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップを含む、請求項27に記載の制御方法。
  29. 前記制御方法は、前記プリチャージ処理の後において、異常であることが検出された第1の電源回路以外の第2の電源回路の昇圧コンバータを用いて前記負荷に電力を供給するステップをさらに含み、
    前記検出ステップは、前記第2の電源回路の昇圧コンバータの作動を停止させて前記昇圧コンバータにおいて前記負荷から前記蓄電機構への方向に電力が流れないように、かつ、前記第1の電源回路の昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにして、前記第2のコンデンサに充電された電力により蓄電機構が充電されたか否かにより、前記異常であることが検出された第1の電源回路の異常内容を検出するステップを含む、請求項17に記載の制御方法。
  30. 前記第1の昇圧コンバータは、上アームをオン状態にすることにより、前記昇圧コンバータにおいて双方向に電力が流れるようにして、
    前記第2の昇圧コンバータは、昇圧ゲートを遮断することにより、前記昇圧コンバータにおいて前記負荷から前記蓄電機構への方向に電力が流れないようにして、
    前記検出ステップは、
    前記蓄電機構が充電されると、前記第1の電源回路の昇圧コンバータの昇圧動作不良であることを検出するステップと、
    前記蓄電機構が充電されないと、前記第1の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップとを含む、請求項29に記載の制御方法。
  31. 前記検出ステップは、前記プリチャージ処理を実行した後の負荷駆動時おいて、前記昇圧コンバータの温度が上昇していないと、前記温度が上昇していない昇圧コンバータを含む電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップを含む、請求項17に記載の制御方法。
  32. 前記プリチャージステップは、
    第1の電源回路を用いてプリチャージ途中電圧値までプリチャージ処理を実行するステップと、
    前記プリチャージ途中電圧値までプリチャージ処理が実行された後、前記第1の電源回路とは異なる第2の電源回路を用いてプリチャージ処理を実行するステップとを含み、
    前記検出ステップは、
    前記プリチャージ途中電圧値までプリチャージ処理を実行されたときに、前記第2のコンデンサの電圧値が、前記プリチャージ途中電圧値に対して正常でないと、前記第1の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップと、
    前記プリチャージ処理が完了されたときに、前記第2のコンデンサの電圧値が、前記蓄電機構の定格電圧値に対して正常でないと、前記第2の電源回路の第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に発生している異常を検出するステップとを含む、請求項17に記載の制御方法。
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