JP2008250232A - 屈折率差増強剤及び該屈折率差増強剤を用いるホログラム記録方法 - Google Patents

屈折率差増強剤及び該屈折率差増強剤を用いるホログラム記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】3次元ディスプレイ、高密度光記録媒体、ホログラフィック光学素子等への応用可能な高感度かつ高解像度、高回折効率、高保存性を有するホログラム記録方法を提供する。
【解決手段】屈折率変調剤と屈折率差増強剤の吸着により、回折効率が上がることを特徴とするホログラム記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、屈折率差増強剤及び該屈折率差増強剤を用いるホログラム記録方法に関するものである。
ホログラム作製に関する一般的原理は、いくつかの文献や専門書、たとえば「ホログラフィックディスプレイ」(辻内順平編、産業図書[非特許文献1])2章に記載されている。これらによれば、2光束のコヒーレントなレーザー光の一方を記録対象物に照射し、それからの全反射光を受け取れる位置に感光性のホログラム記録材料が置かれる。ホログラム記録材料には、対象物からの反射光の他に、もう一方のコヒーレントな光が、対象物に当たらずに直接照射される。対象物からの反射光を物体光、また直接記録材料に照射される光を参照光といい、参照光と物体光との干渉縞が画像情報として記録される。次に、処理された記録材料に参照光と同じ光(再生照明光)を照射すると、記録の際に対象物から記録材料に最初に到達した反射光の波面を再現するようにホログラムによって回折され、その結果、対象物の実像とほぼ同じ物体像を3次元的に観測することができる。
参照光と物体光を同じ方向からホログラム記録材料に入射させて形成されるホログラムを透過型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に垂直または垂直に近い形で1mmに1000〜3000本程度の間隔で形成される。
一方、互いにホログラム記録材料の反対側から入射させて形成したホログラムを、一般に反射型ホログラムと呼ぶ。干渉縞は記録材料膜面方向に平行または平行に近い形で1mmに3000〜7000本程度の間隔で形成される。
透過型ホログラムは、例えば特開平6−43634号[特許文献1]などで開示されているような公知の方法によって作成できる。また、反射型ホログラムは、例えば特開平2−3082号[特許文献2]、特開平3−50588号[特許文献3]などに開示された公知の方法によって作成できる。
一方、干渉縞間隔に対して膜厚が十分に厚い(通常は干渉縞間隔の5倍以上程度、または1μm以上程度の膜厚を言う)ホログラムを体積型ホログラムという。
それに対し膜厚が干渉縞間隔の5倍以下程度または1μm以下程度のホログラムを平面型または表面型という。
さらに、色素や銀などの吸収により干渉縞を記録するホログラムを振幅型ホログラムと呼び、表面レリーフまたは屈折率変調により記録するホログラムを位相型ホログラムと呼ぶ。振幅型ホログラムは光の吸収により、光の回折効率または反射効率が著しく低下するため光の利用効率の点で好ましくなく、通常は位相型ホログラムが好ましく用いられる。
体積位相型ホログラムでは、ホログラム記録材料中に光学的吸収ではなく屈折率の異なる干渉縞を多数形成することによって、光を吸収することなく光の位相を変調することができる。
特に反射型の体積位相型ホログラムはリップマン型ホログラムとも呼ばれ、ブラック回折による波長選択的反射により、高回折効率にてフルカラー化、白色再生、高解像度化が可能となり、高解像フルカラー3次元ディスプレイ(イメージング)ホログラムの提供が可能となる。
また最近ではその波長選択的反射を生かして、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板等に代表されるホログラフィック光学素子(HOE)に広く実用化されてきている。
他にも例えば、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス等に実用または応用が検討されている。
ところで、最近の高度情報化社会の流れの中で、インターネット等のネットワークやハイビジョンTVが急速に普及している。また、HDTV(High Definition Television)の放映も間近にひかえて、民生用途においても100GB以上の画像情報を安価簡便に記録するための高密度記録媒体の要求が高まっている。
さらにコンピューター高容量化等の流れの中で、コンピューターバックアップ用途や放送バックアップ用途等の業務用途においても、1TB程度あるいはそれ以上の大容量の情報を高速かつ安価に記録できる超高密度記録媒体が求められている。
そのような中、ランダムアクセスが不可能な磁気テープ媒体や可換不可能で故障しやすいハードディスクに対し、可換かつランダムアクセス可能で小型、安価な光記録媒体がより注目されてきている。しかしながら、DVD−Rのような既存の2次元光記録媒体は物理原理上、たとえ記録再生波長を短波長化したとしてもせいぜい片面25GB程度で、将来の要求に対応できる程の充分大きな記録容量が期待できるとは言えない状況である。
そこで、究極の超高密度記録媒体として、膜厚方向に記録を行う3次元光記録媒体が注目されてきている。その有力な方法として2光子吸収材料を用いる方法とホログラフィ(干渉)を用いる方法とがあり、そのため体積位相型ホログラム記録材料は、3次元光記録媒体(ホログラフィックメモリ)として、最近俄然注目を集めるようになった。
体積位相型ホログラム記録材料を用いたホログラフィックメモリでは、3次元物体から反射する物体光の代わりに、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いた2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していく。記録の際、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行うため1TBにも達する高容量化が可能となる。また、読み出しには通常CCDやCMOS等を用い、それらの並列書き込み、読み出しにより、1Gbpsにも達する高転送速度化も可能となる。
ここで、前述したような3Dディスプレイ(イメージング)用途、ホログラフィック光学素子用途、ホログラフィックメモリ用途等に用いる公知の体積位相型ホログラム記録材料には、ライトワンス方式として重クロム酸ゼラチン方式、漂白ハロゲン化銀塩方式及びフォトポリマー方式などが知られ、リライタブル方式として、フォトリフラクティブ方式及びフォトクロミック高分子方式などが知られている。
しかし、これらの公知の体積位相型ホログラム記録材料において求められる要件となる、高感度と高解像度、高回折効率、高保存性等をすべて両立しうる材料は未だなく、改良が望まれている。
具体的には例えば、重クロム酸ゼラチン方式は高い回折効率と低ノイズ特性という長所を有するが、保存性が極めて悪く、低感度という問題を有し、3Dディスプレイ用途やホログラフィックメモリ用途等には適さない。
例えば、特開平10−149083号[特許文献4]、特開平10−149084号[特許文献5]、特開平10−123643号[特許文献6]号に開示されている漂白ハロゲン化銀方式は、ハロゲン化銀感光材料にホログラム露光後いったん白黒現像を行った後、現像銀を漂白してハロゲン化銀に戻す方法であるが、高感度という長所を有するものの、漂白処理が煩雑でまた強い酸化剤を必要とし、また、ハロゲン化銀粒子を屈折率変調用に残すために散乱が大きく、感光による保存性悪化という問題点を有し、やはり3Dディスプレイ用途、ホログラフィック光学素子用途、ホログラフィックメモリ用途等に用いるには課題が多い。
一方、前述の特許文献1〜3に開示された乾式処理フォトポリマー方式は、バインダー、ラジカル重合可能なモノマーおよび光重合開始剤を基本組成とし、屈折率変調を向上させるためにバインダーまたはラジカル重合可能なモノマーのどちらか一方に芳香環または塩素、臭素を有する化合物を用いて屈折率差を持たせる工夫をしており、その結果、ホログラム露光の際形成される干渉縞の明部にモノマーが、暗部にバインダーが集まりつつ重合が進行することにより屈折率差を形成することができる。高回折効率と乾式処理を両立できうる比較的実用的な方式といえる。
しかしながら、漂白ハロゲン化銀方式に比べると感度が1000分の1程度であること、回折効率を高めるためには2時間近い加熱定着処理を必要とすること、ラジカル重合であるため、酸素による重合阻害の影響を受け、また露光、定着後記録材料の収縮を伴い、再生時の回折波長及び角度が変化してしまう問題点があること、膜が柔らかいため保存性の点でも不足していること等の問題があった。
また、特許文献7に開示された方式は、ホログラム露光により干渉縞に応じてハロゲン化銀を感光させて潜像を形成した後、現像処理を行い、感光したハロゲン化銀を現像することにより有機屈折率変調剤を反応させて、屈折率変調による干渉縞を記録する高回折効率な方式である。該記録方式は処理工程でハロゲン化銀を脱銀することで、ハロゲン化銀粒子に由来する光散乱が抑制されて回折効率が向上するものの、未だ不充分なレベルであり更なる改善が望まれていた。
なお、3Dディスプレイ(イメージング)用途やホログラフィック光学素子用途においては必ずしも乾式処理は必須ではない。また、ホログラフィックメモリ用途においても、特にROM(Read Only Memory)用途においては乾式処理は必ずしも必須ではなく、たとえ湿式処理であっても高感度で生産性が高くかつ高解像度、高回折効率、高保存性であるホログラム記録材料の開発が望まれている。
以上より、ホログラム記録材料を3Dディスプレイ(イメージング)用途、ホログラフィック光学素子用途、ホログラフィックメモリ用途等へ応用するためには、そのような課題を抜本的に解決した、とりわけ高感度と高解像度、高回折効率、高保存性を両立できる全く新しい記録方式の開発が強く望まれていた。
特開平6−43634号公報 特開平2−3082号公報 特開平3−50588号公報 特開平10−149083号公報 特開平10−149084号公報 特開平10−123643号公報 特開2006−227259号 「ホログラフィックディスプレイ」、辻内順平編、産業図書
そこで本発明の目的は、屈折率差増強剤及び該屈折率差増強剤を用いるホログラム記録方法(ホログラム記録材料処理方法を含む)を提供することである。
発明者らの鋭意検討の結果、本発明の目的は、下記の手段により達成された。
(1)イオン性基を有する有機色素を含むことを特徴とする屈折率差増強剤。
(2)前記記載の有機色素の少なくとも1つが、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、フタロシアニン色素、またはアゾ色素より選ばれることを特徴とする(1)に記載の屈折率差増強剤。
(3)前記記載の有機色素の少なくとも1つが、下記一般式(1−1)から(1−7)の中から選ばれる化合物であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の屈折率差増強剤。
Figure 2008250232
一般式(1−1)〜(1−7)中、Za、Za及びZaはそれぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成する原子群を表し、Za、Za、Za及びZaはそれぞれ独立に、5員または6員環を形成する原子群を表す。Ra、Ra及びRaはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Ma〜Ma14はそれぞれ独立にメチン基を表し、置換基を有していても良く、他のメチン基と環を形成しても良い。na、na及びnaはそれぞれ0または1であり、ka及びkaはそれぞれ0〜3の整数を表す。kaが2以上の時、複数のMa、Maは同じでも異なってもよく、kaが2以上の時、複数のMa12、Ma13は同じでも異なってもよい。kaは0〜8の整数を表し、kaが2以上の時、複数のMa10、Ma11は同じでも異なってもよい。CIは電荷を中和するイオンを表し、yは電荷の中和に必要な数を表す。
Rb、Rb〜Rbはそれぞれ置換基を表す。Rb、Rbは水素原子または置換基を表す。但し、両方とも水素原子になることはない。Rc〜Rcはアルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−O−、−S−、−N(R51)−、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−のいずれかの組合せからなる2価の連結基を表し、R51は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキニル基を表す。A10〜A17はイオン性基を表し、ma2は0〜3の整数を表し、nb0、nb1、nb2、nb6、nb7はそれぞれ0〜2の整数を表す。但し、nb0とnb1、nb1とnb2、nb6とnb7はそれぞれ、同時に0にならない。nb3、nb4はそれぞれ1、または2の整数を表す。
(4)下記一般式(2−1)の化学構造式で表される屈折率変調剤と吸着することを特徴とする(1)から(3)のいずれか1に記載の屈折率差増強剤。
Figure 2008250232
一般式(2−1)中、Xは水素原子またはアルキル基、Yはアルキレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−N(R61)−またはヘテロ環基を含む2価の連結基を表し、R61は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキニル基を表す。Lはアルキレン基またはアリーレン基、−O−、−S−、−N(R62)−、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−のいずれかの組合せからなる2価の連結基を表し、R62は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキニル基を表す。Zは吸着できる置換基を表し、nc1は0または1の整数を表す。
(5)露光後の現像処理により、(4)に記載の屈折率変調剤が重合することで重合像を形成することが可能なハロゲン化銀ホログラム記録材料を使用するホログラム作成方法であって、該重合像に吸着する、(1)から(3)のいずれか1に記載の屈折率差増強剤を使用することを特徴とするホログラム記録方法。
(6)前記記載の屈折率差増強剤が処理液中に含まれていることを特徴とする(5)に記載のホログラム記録方法。
(7)前記記載の屈折率差増強剤が処理液中の還元剤と併用されることを特徴とする(6)に記載のホログラム記録方法。
(8)、(1)〜(4)に記載の屈折率差増強剤を含有することを特徴とする吸着液。
本発明により、3次元ディスプレイ(イメージング)、ROM用途を中心とした高密度光記録媒体、ホログラフィック光学素子等への応用可能な高感度かつ高解像度、高回折効率、高保存性を具備することができるホログラム記録材料に有用な屈折率差増強剤および該屈折率差増強剤を用いたホログラム記録方法(ホログラム記録材料の処理方法を含む)を提供することが出来る。
以下に本発明の屈折率差増強剤、ホログラム記録材料、ホログラム記録方法及びホログラム記録材料の処理方法について詳しく説明する。
本発明の屈折率差増強剤について説明する。本発明の屈折率差増強剤は、高屈折率の有機色素であり、屈折率変調剤と静電気的、van der Waals力または水素結合用により相互作用することで屈折率変調剤と選択的に吸着することができる。屈折率差増強剤の屈折率は、1.56以上であることが好ましい。屈折率差増強剤により、屈折率変調剤の高屈折率化が可能である。
本発明中の屈折率差増強剤は有機色素からなる。ここでいう有機色素とは、色を有している化合物である。即ち、色を有するということは可視光の領域に吸収スペクトルを持つということである。そのためにはある程度広がったπ電子共役系を持っている必要があり、この共役構造により光を屈折することができる。そのため、主に芳香族系、ヘテロ環系化合物から構成される。好ましくは、シアニン色素、ヘミシアニン色素、ストレプトシアニン色素、スチリル色素、ピリリウム色素、メロシアニン色素、アリーリデン色素、オキソノール色素、スクアリウム色素、ケトクマリン色素、スチリルクマリン色素、ピラン色素、チオキサンテン色素、フェノチアジン色素、フェノキサジン色素、フェナジン色素、アゾ色素、ポリエン色素、アザポルフィリン色素、クロロフィル色素、フタロシアニン色素、金属錯体色素であり、より好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、アゾ色素、フタロシアニン色素であり、さらに好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素である。
該屈折率差増強剤は、下記一般式(1−1)〜(1−7)で表される化合物である。
Figure 2008250232
一般式(1−1)〜(1−7)中、中、Za、Za及びZaはそれぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成する原子群を表し、形成される5員または6員の含窒素複素環として好ましくは炭素原子数(以下C数という)3〜25のオキサゾール核(例えば、2−3−エチルオキサゾリル、2−3−スルホプロピルオキサゾリル、2−3−スルホプロピルベンゾオキサゾリル、2−3−エチルベンゾオキサゾリル、2−3−スルホプロピル−γ−ナフトオキサゾリル、2−3−エチル−α−ナフトオキサゾリル、2−3−メチル−β−ナフトオキサゾリル、2−3−スルホプロピル−β−ナフトオキサゾリル、2−5−クロロ−3−エチル−α−ナフトオキサゾリル、2−5−クロロ−3−エチルベンゾオキサゾリル、2−5−クロロ−3−スルホプロピルベンゾオキサゾリル、2−5、6−ジクロロ−3−スルホプロピルベンゾオキサゾリル、2−5−ブロモ−3−スルホプロピルベンゾオキサゾリル、2−3−エチル−5−フェニルベンゾオキサゾリル、2−5−フェニル−3−スルホプロピルベンゾオキサゾリル、2−5−(4−ブロモフェニル)−3−スルホブチルベンゾオキサゾリル、2−5−(1−ピロリル)−3−スルホプロピルベンゾオキサゾリル、2−5,6−ジメチル−3−スルホプロピルベンゾオキサゾリル、2−3−エチル−5−メトキシベンゾオキサゾリル、2−3−エチル−5−スルホベンゾオキサゾリルなどが挙げられる)、C数3〜25のチアゾール核(例えば、2−3−エチルチアゾリル、2−3−スルホプロピルチアゾリル、2−3−エチルベンゾチアゾリル、2−3−スルホプロピルベンゾチアゾリル、2−3−メチル−β−ナフトチアゾリル、2−3−スルホプロピル−γ−ナフトチアゾリル、2−3,5−ジメチルベンゾチアゾリル、2−5−クロロ−3−エチルベンゾチアゾリル、2−5−クロロ−3−スルホプロピルベンゾチアゾリル、2−3−エチル−5−ヨードベンゾチアゾリル、2−5−ブロモ−3−メチルベンゾチアゾリル、2−3−エチル−5−メトキシベンゾチアゾリル、2−5−フェニル−3−スルホプロピルベンゾチアゾリルなどが挙げられる)、C数3〜25のイミダゾール核(例えば、2−1,3−ジエチルイミダゾリル、2−5,6−ジクロロ−1,3−ジエチルベンゾイミダゾリル、2−5、6−ジクロロ−3−エチル−1−スルホプロピルベンゾイミダゾリル、2−5−クロロ−6−シアノ−1,3−ジエチルベンゾイミダゾリル、2−5−クロロ−1,3−ジエチル−6−トリフルオロメチルベンゾイミダゾリルなどが挙げられる)、C数10〜30のインドレニン核(例えば、3,3−ジメチル−1−ペンチルインドレニン、3,3、−ジメチル−1−スルホプロピルインドレニン、5−カルボキシ−1、3,3−トリメチルインドレニン、5−カルバモイル−1、3,3−トリメチルインドレニン、1,3,3,−トリメチル−4,5−ベンゾインドレニンなどが挙げられる)、C数9〜25のキノリン核(例えば、2−1−エチルキノリル、2−1−スルホブチルキノリル、4−1−ペンチルキノリル、4−1−スルホエチルキノリル、4−1−メチル−7−クロロキノリル、などが挙げられる)、C数3〜25のセレナゾール核(例えば、2−3−メチルベンゾセレナゾリルなどが挙げられる)、C数5〜25のピリジン核(例えば、2−ピリジルなどが挙げられる)などが挙げられ、さらに他にチアゾリン核、オキサゾリン核、セレナゾリン核、テルラゾリン核、テルラゾール核、ベンゾテルラゾール核、イミダゾリン核、イミダゾ[4,5−キノキザリン]核、オキサジアゾール核、チアジアゾール核、テトラゾール核、ピリミジン核を挙げることができる。
これらは置換されても良く、置換基として好ましくは例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキニル基、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホン酸基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、イミノ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイルアミノ基であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。
これらの複素環はさらに縮環されていてもよい。縮環する環として好ましくはベンゼン環、ベンゾフラン環、ピリジン環、ピロール環、インドール環、チオフェン環等が挙げられる。Za〜Zaにより形成される5員または6員の含窒素複素環としてより好ましくは、オキサゾール核、イミダゾール核、チアゾール核、インドレニン核であり、さらに好ましくはオキサゾール核、イミダゾール核、インドレニン核であり、最も好ましくはオキサゾール核であり、特にベンゾオキサゾール核が好ましい。
Za、Za、Za及びZaはそれぞれ独立に、5員または6員環を形成する原子群を表す。
Zaから形成される環は一般に酸性核と呼ばれる部分であり、James 編、The Theory of the Photographic Process、第4版、マクミラン社、1977年、第198頁により定義される。Zaとして好ましくは、2−ピラゾリン−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、イミダゾリン−5−オン、ヒダントイン、2または4−チオヒダントイン、2−イミノオキサゾリジン−4−オン、2−オキサゾリン−5−オン、2−チオオキサゾリン−2,4−ジオン、イソローダニン、ローダニン、インダン−1,3−ジオン、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、インドリン−2−オン、インドリン−3−オン、2−オキソインダゾリウム、5,7−ジオキソ−6,7−ジヒドロチアゾロ〔3,2-a 〕ピリミジン、3,4−ジヒドロイソキノリン−4−オン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クマリンー2,4−ジオン、インダゾリン−2−オン、ピリド[1,2-a]ピリミジン−1,3−ジオン、ピラゾロ〔1,5-b〕キナゾロン、ピラゾロピリドンなどの核が挙げられる。
Zaから形成される環としてより好ましくは、2−ピラゾロン−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、ローダニン、インダン−1,3−ジオン、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クマリンー2,4−ジオンであり、さらに好ましくは、ピラゾリジン−3,5−ジオン、インダン−1,3−ジオン、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸であり、最も好ましくはピラゾリジン−3,5−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸である。
Zaから形成される環は置換されても良く、(好ましい置換基の例はZa上の置換基の例と同じ)置換基としてより好ましくは、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシル基、スルホ基、アルコキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基である。これらの複素環はさらに縮環されていてもよい。縮環する環として好ましくはベンゼン環、ベンゾフラン環、ピリジン環、ピロール環、インドール環、チオフェン環等が挙げられる。
ZaおよびZa各々5員または6員環を形成する原子群を表し(好ましい例はZaと同じ)、これらは置換されても良く(好ましい置換基の例はZa上の置換基の例と同じ)、これらの複素環はさらに縮環されていてもよい。
Za及びZaから形成される環としてより好ましくは、2−ピラゾロン−5−オン、ピラゾリジン−3,5−ジオン、ローダニン、インダン−1,3−ジオン、チオフェン−3−オン、チオフェン−3−オン−1,1−ジオキシド、1,3−ジオキサン−4,6−ジオン、バルビツール酸、2−チオバルビツール酸、クマリンー2,4−ジオンであり、さらに好ましくはバルビツール酸、2−チオバルビツール酸であり、最も好ましくはバルビツール酸である。
Zaから形成される環としては5員または6員の複素環及び6員の芳香族環が挙げられる。好ましくは、前記のZaと同じ酸性核(好ましい例も同じ)、アリール基が挙げられる。アリール基としては後記のRbで記載のアリール基と同じ例が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
Ra、Ra及びRaはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基(好ましくはC数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、3−メチル−3−スルホプロピル、2’−スルホベンジル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ)であり、より好ましくはアルキル基(好ましくはC数1〜6のアルキル基)またはスルホアルキル基(好ましくは3−スルホプロピル、4−スルホブチル、3−メチル−3−スルホプロピル、2’−スルホベンジル)である。
Ma〜Ma14はそれぞれメチン基を表し、置換基を有していても良く(好ましい置換基の例はZa及びZa上の置換基の例と同じ)、置換基として好ましくはアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、アリール基、ニトロ基、ヘテロ環基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、カルバモイル基、スルホ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルキルチオ基、シアノ基などが挙げられ、置換基としてより好ましくはアルキル基である。
Ma〜Ma14は無置換メチン基またはアルキル基(好ましくはC数1〜6)置換メチン基であることが好ましく、より好ましくは無置換、エチル基置換、メチル基置換のメチン基である。
Ma〜Ma14は互いに連結して環を形成しても良く、形成する環として好ましくはシクロヘキセン環、シクロペンテン環、ベンゼン環、チオフェン環等が挙げられる。
na、na及びnaは0または1であり、好ましくは0である。kaは0〜3の整数を表し、より好ましくはkaは1〜3を表し、さらに好ましくはkaは1または2を表す。kaは0〜8の整数を表し、好ましくは0〜4の整数を表し、より好ましくは2〜4の整数を表す。kaは0から3までの整数を表し、好ましくは0から2までの整数を表し、より好ましくは1または2を表す。kaが2以上の時、複数のMa、Maは同じでも異なってもよく、kaが2以上の時、複数のMa12、Ma13は同じでも異なってもよい。kaは0〜8の整数を表し、kaが2以上の時、複数のMa10、Ma11は同じでも異なってもよい。CIは電荷を中和するイオンを表し、yは電荷の中和に必要な数を表す。
Rb、Rb〜Rbはそれぞれ置換基を表す。Rb、Rbは水素原子または置換基を表す。但し、両方とも水素原子になることはない。Rb〜Rbの置換基としては、アルキル基(好ましくはC数1〜20のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、ベンジル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、カルボキシメチル基)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)、アリール基(好ましくはC数6〜20のアリール基、例えば、フェニル基、2−クロロフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−メチルフェニル基、1−ナフチル基、2−ニトロフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20のヘテロ環基、例えば、ピリジル環基、チエニル環基、フリル環基、チアゾリル環基、イミダゾリル環基、ピラゾリル環基、ピロリジノ環基、ピペリジノ環基、モルホリノ環基)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル基、2−プロピニル基、1,3−ブタジイニル基、2−フェニルエチニル基)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)、アミノ基(好ましくはC数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、アニリノ基)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アシル基(好ましくはC数1〜20のアシル基、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、サリチロイル基、ピバロイル基、3,5−ジメトキシベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基)、アルコキシ基(好ましくはC数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基)、アリールオキシ基(好ましくはC数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ基、1−ナフトキシ基)、アルキルチオ基(好ましくはC数1〜20のアルキルチオ基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基)、アリールチオ基(好ましくはC数6〜20のアリールチオ基、例えば、フェニルチオ基、4−クロロフェニルチオ基)、アルキルスルホニル基(好ましくはC数1〜20のアルキルスルホニル基、例えば、メタンスルホニル基、ブタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(好ましくはC数6〜20のアリールスルホニル基、例えば、ベンゼンスルホニル基、パラトルエンンスルホニル基)、スルファモイル基(好ましくはC数0〜20のスルファモイル基、例えばスルファモイル基、N−メチルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基)、カルバモイル基(好ましくはC数1〜20のカルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基)、アシルアミノ基(好ましくはC数1〜20のアシルアミノ基、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基)、イミノ基(好ましくはC数2〜20のイミノ基、例えばフタルイミノ基)、アシルオキシ基(好ましくはC数の1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(好ましくはC数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基)、カルバモイルアミノ基(好ましくはC数1〜20のカルバモイルアミノ基、例えばカルバモイルアミノ基、N−メチルカルバモイルアミノ基、N−フェニルカルバモイルアミノ基)が挙げられ、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、カルバモイル基、アシルアミノ基、イミノ基、シリル基、アルキルシリル基である。さらに好ましくはアルケニル基、アリール基、ハロゲン基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、アルキルチオ基、チオ基、アシル基、アルコキシ基、シリル基、アルキルシリル)、アルキル基またはニトロ基である。これらの置換基は更に置換基を有していてもよい。
Rc〜Rcはアルキレン基、アリーレン基、ヘテロ原子またはヘテロ環基を含む2価の連結基を表し、少なくともアルキレン基を含む2価の連結基がより好ましい。アルキレン基としては、直鎖または分岐鎖のアルキレン基(例えば、炭素数1〜12のもの)が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、イソブチレン基、n−デシレン基、ベンジレン基等が挙げられる。アリーレン基としては、炭素数6〜20の置換または無置換のフェニレン基、クロロフェニレン基、メトキシフェニレン基、炭素数12〜28の置換または無置換のナフタレン基が挙げられる。ヘテロ原子としては、エーテル、チオエーテル、アミノ基等が挙げられ、ヘテロ環基としては、置換または無置換のへテロ6員環(ピリジル基、モルホリノ基、ピペロジノ基等)、置換または無置換のヘテロ5員環(フリル基、チエニル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピロリジノ基等)、キノリル基等が挙げられる。2価の連結基としては、−O−、−S−、−N(R51)−、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−のいずれかの組合せからなる2価の連結基を表し、R51は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキニル基を表す。
10〜A17はイオン性基であることが好ましく、酸性基または酸残基(酸残基としてはpKaが5以下の重金属塩、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩からなる酸残基が好ましく、pkaが2以下であるものがさらに好ましい)、アンモニウム塩、スルホニウム塩またはホスホニウム塩が挙げられる。アンモニウム塩としては、N(R5221 が挙げられ、R23はアルキル基を表し、好ましい例としては、直鎖または分岐アルキル基(炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基)が挙げられ、1種類のみ用いてもよいが2種あるいは3種以上を組み合せて用いてもよい。X21 はハロゲン基、パラトルエンスルホネート、ベンゼンスルホネートが挙げられる。さらに、スルホン酸残基、ホスホン酸残基、カルボン酸残基が挙げられ、酸残基の塩としてはアルカリ金属原子、アルキルアンモニウムが挙げられ、Li、Na、K、Csが好ましい。
maは0〜3の整数を表し、nb〜nbは0〜2の整数を表す。但し、nbとnb、nbとnb、nbとnbはそれぞれ同時に0にならない。
以下に、本発明の一般式(1−1)〜(1−7)で表される化合物の具体的な例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2008250232
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本発明のホログラム記録材料は、少なくとも感光性ハロゲン化銀及びバインダーを有するホログラム記録材料である。
本発明のホログラム記録方法は、少なくとも感光性ハロゲン化銀及びバインダーを有するホログラム記録材料において、ホログラム露光により干渉縞に応じてハロゲン化銀を感光させて潜像を形成した後、現像処理を行い、感光したハロゲン化銀を現像することにより屈折率変調剤を反応させ、屈折率変調による干渉縞を記録することを特徴とするホログラム記録方法である。
本発明は、吸着工程で屈折率差増強剤を用いることで高屈折化することが可能な処理方法であることが特徴である。即ち、吸着工程で屈折率差増強剤が現像処理後の屈折率変調剤に選択的に吸着し、干渉縞明部と干渉縞暗部との屈折差が大きくなることで回折効率を増加することができる。この時、屈折率差増強剤は記録材料中に存在しても、処理液中に存在してもよいが、本発明では処理液中に存在するのが好ましい。さらに、位相ホログラムであって、記録光に対して透明である。
本発明のホログラム記録材料の処理方法として好ましくは、現像処理時もしくは現像処理後にホログラム記録材料に存在する現像された銀を漂白処理し、さらに残存するハロゲン化銀と共にホログラム記録材料から脱銀して処理液に回収する方法である。
次に、本発明のホログラム記録材料における感光性ハロゲン化銀について説明する。
本発明の感光性ハロゲン化銀含有ホログラム記録材料はハロゲン化銀を含有するが、該ハロゲン化銀はいわゆる、ハロゲン化銀乳剤の形で用いることが好ましく、少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を支持体上に有する材料として用いることが好ましい。
支持体はハロゲン化銀感光材料に通常用いられる支持体を用いることができ、ガラス、TAC、PET、PEN等を代表例として挙げる事ができる。好ましくは、光学的異方性を持たないガラス、TACが用いられる。支持体の厚みの選択は、その用途、使用法に応じて適宜選択することができる。これら支持体に上述した乳剤層を塗布する。さらに乳剤層に追加して、保護層、YF層、中間層、ハレ−ション防止層、下塗り層、バック層等、目的に応じて適宜選択して塗布することができる。TAC等のフレキシブルな支持体に対しては、そのカ−ル特性を良好に保つためにバック層の塗布は極めて有効である。さらに保護層がない場合には、このバック層にマット剤等を導入し、試料間の接着性を改良することができる。また、静電気起因の各種障害、たとえばほこりの付着などを帯電性の調整により積極的に排除することが可能である。
ハロゲン化銀乳剤層ならびに各種層の塗布銀量、塗布バインダー(好ましくはゼラチン)量は特に制限はない。塗布銀量は1g/mから10g/mの範囲が好ましい。塗布バインダー(好ましくはゼラチン)量は0.1g/mから10g/mの範囲が好ましい。銀/ゼラチン塗布量比率についても任意の範囲で選択することができる。好ましくは0.3〜2.0の範囲である。塗布膜厚は通常3μm〜12μmの範囲が好ましく用いられる。薄いと干渉波の記録が十分に行えないし、厚すぎても光散乱等の増加により解像力が低下してしまう。処理工程での膨潤膜厚については、硬膜剤の使用量の調整により任意に選ぶことができる。好ましくは硬膜の程度は処理後の膜厚変化、すなわちゼラチン等の抜けがない様に、強くしておくことが好ましい。
本発明のハロゲン化銀乳剤層に含まれるハロゲン化銀粒子は、正常晶であることが好ましく、8面体、立方体,十四面体、ならびにそれらが丸みを帯びた形状を持つことが出来る。好ましくは丸みを帯びた立方体または角が明確な立方体である。双晶は混入していないことが好ましい。特に好ましくは、双晶粒子の混入比率は個数で3%以下であり、さらに好ましくは、1%以下である。ここで双晶とは1重双晶、2重双晶、多重双晶、ならびに平行双晶、非平行双晶を含む。
本発明のハロゲン化銀粒子は単分散性であることが好ましい。全ハロゲン化銀粒子の投影面積換算した円相当径の変動係数は25%以下であることが好ましく、さらに好ましくは20%以下であり、特に好ましくは15%以下である。ここで円相当径の変動係数とは個々のハロゲン化銀粒子における円相当径の分布の標準偏差を平均円相当径で割った値である。
円相当径は、例えば直接法による透過電子顕微鏡写真を撮影して個々の粒子の投影面積と等しい面積を有する円の直径(円相当径)を求めることができる。本発明においてはハロゲン化銀粒子が超微粒子であるため、低温にて高電圧の電子顕微鏡を用いて撮影することにより明確な粒子像を求めることが可能である。
本発明においてハロゲン化銀粒子は好ましくは、臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀、塩臭化銀である。沃化銀含有率は特に好ましくは1モル%以上5モル%以下である。塩化銀含有率は特に好ましくは5モル%以下である。また各々の粒子の塩化銀ならびに沃化銀含有率は分布がないことが好ましい。塩化銀ならびに沃化銀含有率の粒子間分布の変動係数は20%以下が好ましく、10%以下がとくに好ましい。個々の粒子の塩化銀および沃化銀含有率の測定には通常、EPMA法(Electron Probe Micro Analyzer法)が有効である。乳剤粒子を互いに接触しないように分散させた試料を作成し、電子線を照射することにより放射されるX線を分析することにより、電子線を照射した極微小領域の元素分析を行うことができる。この時、測定は電子線による試料損傷を防ぐため低温に冷却して行うことが好ましい。
本発明のハロゲン化銀粒子は超微粒子であるため、ハロゲン組成の構造付与は容易ではないが、内部高沃化銀含量の構造、外部高沃化銀含量の構造等が可能である。塩化銀についての構造についても同様である。さらには3重構造以上の多層構造も可能である。
本発明のハロゲン化銀粒子は数平均円相当径が10nm以上80nm以下である。より好ましくは10nm以上50nm以下である。一般的に粒子サイズが大きすぎると波面再生の画質が劣ることになり,粒子サイズが小さすぎると粒子サイズの変動等の不安定化を完全に抑制することが出来なくなる。
本発明のハロゲン化銀粒子は、従来公知の方法にて調製できる。好ましくはゼラチン水溶液中に硝酸銀水溶液とハロゲン水溶液をダブルジェット法にて添加することである。この時、流量を加速して添加することは好ましい。また添加時の系のpHとpAgは制御することが好ましい。pHは5〜8の範囲が好ましく用いられる。pAgは5〜9の範囲が好ましく用いられる。超微粒子の調製のためには温度は低温が好ましく、特に好ましくは20℃〜40℃の範囲が用いられる。後述する種々の添加剤を粒子サイズ調整、粒子サイズ分布調整、感度/かぶり調整、階調/現像進行調整等のために添加することが可能である。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は化学増感が施されている。特に化学増感時に金−カルコゲン増感と還元増感が施されている。ここで化学増感とはハロゲン化銀乳剤の製造工程を時間に従って粒子形成過程、水洗過程、化学増感過程の3段階に分けた場合の化学増感過程に相当する工程を意味する。化学増感とは各種化学増感剤を添加して温度を上昇させ熟成する工程である。
化学増感時の金−カルコゲン増感と還元増感の併用は従来困難とされていたが、前記の範囲にある粒子サイズ域においては可能である。この併用により極めて高い感度が達成でき、またその保存性も実用上何ら問題ないレベルにすることが可能である。カルコゲン増感と貴金属増感については、ジェームス(T.H.James)著、ザ・フォトグラフィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1977年、(T.H.James、The Theory of the Photographic Process,4thed,Macmillan,1977)67〜76頁に詳細が記述されている。またリサーチ・ディスクロージャー、120巻、1974年4月、12008;リサーチ・ディスクロージャー、34巻、1975年6月、13452、米国特許第2,642,361号、同第3,297,446号、同第3,772,031号、同第3,857,711、同第3,901,714号、同第4,266,018号、および同第3,904,415号、並びに英国特許第1,315,755号に記載されるようにpAg5〜10、pH5〜8および温度30〜80℃において硫黄、セレン、テルルのカルコゲン増感剤と金増感剤、それに加えて白金、パラジウム、イリジウムまたはこれら増感剤の複数の組合せとすることができる。金増感の場合には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイドのような公知の化合物を用いることができる。パラジウム化合物はパラジウム2価塩または4価の塩を意味する。好ましいパラジウム化合物は、RPdXまたはRPdXで表される。ここでRは水素原子、アルカリ金属原子またはアンモニウム基を表す。Xはハロゲン原子を表し塩素、臭素または沃素原子を表す。
具体的には、KPdCl、(NHPdCl、NaPdCl、(NHPdCl、LiPdCl、NaPdClまたはKPdBrが好ましい。金化合物およびパラジウム化合物はチオシアン酸塩あるいはセレノシアン酸塩と併用することが好ましい。
硫黄増感剤として、ハイポ、チオ尿素系化合物、ローダニン系化合物および米国特許第3,857,711号、同第4,266,018号および同第4,054,457号に記載されている硫黄含有化合物を用いることができる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学増感することもできる。有用な化学増感助剤には、アザインデン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、化学増感の過程でカブリを抑制し、且つ感度を増大するものとして知られた化合物が用いられる。化学増感助剤の例は、米国特許第2,131,038号、同第3,411,914号、同第3,554,757号、特開昭58−126526号および前述ダフィン著「写真乳剤化学」、138〜143頁に記載されている。
金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀1モル当り1×10−6〜1×10−2モルであり、さらに好ましいのは1×10−5〜5×10−3モルである。パラジウム化合物の好ましい範囲はハロゲン化銀1モル当たり1×10−3から5×10−7モルである。チオシアン化合物あるいはセレノシアン化合物の好ましい範囲はハロゲン化銀1モル当たり1×10−4から1×10−2モルである。
本発明において用いるハロゲン化銀粒子に対して使用する好ましい硫黄増感剤量はハロゲン化銀1モル当り1×10−6〜1×10−2モルであり、さらに好ましいのは1×10−5〜5×10−3モルである。
本発明の乳剤に対して好ましいカルコゲン増感法としてセレン増感がある。セレン増感においては、公知の不安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状金属セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素)、セレノケトン類、セレノアミド類のようなセレン化合物を用いることができる。カルコゲン増感(好ましくはセレン増感)は硫黄増感と組み合せてカルコゲン増感として用いた方が好ましい。
テルル増感においては、不安定テルル化合物を用い、特開平4−224595号、同4−271341号、同4−333043号、同5−303157号、同6−27573号、同6−175258号、同6−180478号、同6−208184号、同6−208186号、同6−317867号、同7−140579号、同7−301879号、同7−301880号などに記載されている不安定テルル化合物を用いることができる。
具体的には、ホスフィンテルリド類(例えば、ノルマルブチル−ジイソプロピルホスフィンテルリド、トリイソブチルホスフィンテルリド、トリノルマルブトキシホスフィンテルリド、トリイソプロピルホスフィンテルリド)、ジアシル(ジ)テルリド類(例えば、ビス(ジフェニルカルバモイル)ジテルリド、ビス(N−フェニル−N−メチルカルバモイル)ジテルリド、ビス(N−フェニル−N−メチルカルバモイル)テルリド、ビス(N−フェニル−N−ベンジルカルバモイル)テルリド、ビス(エトキシカルボニル)テルリド)、テルロ尿素類(例えば、N,N’−ジメチルエチレンテルロ尿素)、テルロアミド類、テルロエステル類などを用いればよい。好ましくはホスフィンテルリド類、ジアシル(ジ)テルリド類である。
本発明のハロゲン化銀乳剤は化学増感時に金−カルコゲン増感に加えて還元増感することも好ましい。ここで、還元増感とは、ハロゲン化銀乳剤に還元増感剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg1〜7の低pAgの雰囲気で熟成させる方法、高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの雰囲気で熟成させる方法のいずれを選ぶこともできる。また2つ以上の方法を併用することもできる。
還元増感剤を添加する方法は還元増感のレベルを微妙に調節できる点で好ましい方法である。
還元増感剤としては、例えば、第一錫塩、アスコルビン酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化合物、ボラン化合物が公知である。用いる還元増感にはこれら公知の還元増感剤を選んで用いることができ、また2種以上の化合物を併用することもできる。還元増感剤としては塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジメチルアミンボラン、アスコルビン酸およびその誘導体が好ましい化合物である。還元増感剤の添加量は乳剤製造条件に依存するので添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化銀1モル当り10−7〜10−3モルの範囲が適当である。
還元増感剤は、例えば、水あるいはアルコール類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類のような有機溶媒に溶かし化学増感中に添加される。添加する時期は金増感剤、カルコゲン増感剤の添加前でも添加後でもいずれでも良い。好ましくは還元増感剤を添加して熟成した後カルコゲン増感剤、金増感剤を添加しさらに熟成して化学増感を終了するのが良い。また還元増感剤の溶液を何回かに分けて添加しても連続して長時間添加するのも好ましい方法である。
本発明においては、ハロゲン化銀粒子の銀1モル当たりテトラザインデン化合物が3×10−3モル以上3×10−2モル以下含有されていることが好ましい。本発明で用いられるテトラザインデン化合物は、写真乳剤の安定剤、かぶり防止剤として知られており、リサーチ・ディスクロージャー誌307巻866頁に記載されている。本発明に用いるテトラザインデン化合物としては置換基としてヒドロキシ基を有するテトラザインデン化合物、とくにヒドロキシテトラザインデン化合物が好ましい。テトラザインデンの複素環にはヒドロキシ基以外の置換基を有していてもいい。置換基としては、例えば、アルキル基、アミノ基、ヒドロキシアミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、アシルアミノ基、シアノ基などを有していてもよい。ただし、硫黄を含む置換基(例えば、メルカプト基)を有するものは好ましくない。
以下に本発明のテトラザインデン化合物の具体例を列記するが、これらのみに限定されるものではない。
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
4−ヒドロキシ−6−t−ブチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
4−ヒドロキシ−6−フェニル−1,3,3a,7−テトラザインデン
4−ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラザインデン
4−メチル−6−ヒドロキシ−1,3,3a,7−テトラザインデン
2−メチルチオ−4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
4−ヒドロキシ−5−ブロム−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,2,3a,7−テトラザインデン
4−ヒドロキシ−6−エチル−1,2,3a,7−テトラザインデン
2,4−ジヒドロキシ−6−フェニル−1,3,3a,7−トリアザインデン
4−ヒドロキシ−6−フェニル−1,2,3,3a,7−ペンタザインデン
これらテトラザインデン化合物の添加量は、好ましくはハロゲン化銀1モル当り3×10−3モル〜3×10−2モル、好ましくは4×10−3モル〜3×10−2モル、より好ましくは6×10−3モル〜2×10−2モルであり、化学増感開始前、化学増感中、化学増感後、塗布時のいずれかの時期に添加することが好ましい。添加量が少なすぎるとテトラザインデン化合物の添加による粒子サイズの経時での安定化の効果が認められない。ここで経時とはハロゲン化銀乳剤粒子調製時もしくは調製してから塗布するまでの間における時間経過を意味する。この経時変化を抑えることにより安定した製造、品質の達成が可能となる。テトラザインデン化合物の添加量が多すぎると逆に経時での粒子サイズ変化が添加していない場合と比較して大きくなる。
本発明においては、ハロゲン化銀粒子の銀1モル当たりチオシアン酸塩が1×10−4以上1×10−2モル以下含有されることが好ましい。より好ましくは、ハロゲン化銀粒子の銀1モル当たりチオシアン酸塩が5×10−4以上5×10−3モル以下含有される。少なすぎると高感度化の効果が小さく、多すぎるとチオシアン酸塩のハロゲン化銀溶剤としての粒子サイズ変動等の不安定化による悪化作用が大きくなりすぎる。本発明においてはチオシアン酸塩以外のハロゲン化銀溶剤も好ましく用いられる。ハロゲン化銀溶剤としては、米国特許第3,271,157号、同第3,531,286号、同第3,574,628号、特開昭54−1019号、同54−158917号等に記載された(a)有機チオエーテル類、特開昭53−82408号、同55−77737号、同55−2982号等に記載された(b)チオ尿素誘導体、特開昭53−144319号に記載された(c)酸素または硫黄原子と窒素原子とにはさまれたチオカルボニル基を有するハロゲン化銀溶剤、特開昭54−100717号に記載された(d)イミダゾール類、(e)亜硫酸塩、(f)アンモニア等があげられる。
本発明において好ましく用いられるチオシアン酸塩の添加時期はハロゲン化銀乳剤粒子の調製のいかなる段階であっても良いが、好ましくはハロゲン化銀粒子形成工程終了後、より好ましくは脱塩工程終了後塗布工程前である。特に好ましくは化学増感工程時である。添加方法としては水溶液として添加することが好ましい。チオシアン酸塩としては、好ましくはKSCN、NaSCN、またはNHSCNである。
ハロゲン化銀が増感色素の吸着により可視光域が分光増感されていることが好ましい。
本発明においては増感色素としてハロゲン化銀粒子の銀1モル当たりJ会合性シアニン色素が1×10−4モル以上5×10−2モル以下含有されていることが好ましい。J会合性シアニン色素が該添加量含有されることにより、前述したハロゲン化銀溶剤の使用によるハロゲン化銀超微粒子に対する不安定化効果を顕著に抑制することができる。ここでJ会合性とは色素の溶液中での吸収極大に対してハロゲン化銀粒子に吸着した状態での吸収極大が10nm以上、より好ましくは20nm以上、長波長にシフトすることを意味する。特に好ましくはハロゲン化銀粒子の銀1モル当たりJ会合性シアニン色素が5×10−4モル以上5×10−2モル以下含有されている。
一般に本発明において用いられる増感色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオキソノール色素が包含される。特に有用な色素は、前述したシアニン色素またはメロシアニン色素である。さらに増感色素がJ会合状態でハロゲン化銀に吸着していることが好ましい。
これらの色素類には、塩基性複素環核としてシアニン色素類に通常利用される核のいずれをも適用できる。すなわち、例えば、ピロリン核、オキサゾリン核、チオゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核;これらの核に脂環式炭化水素環が融合した核;及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、即ち、例えば、インドレニン核、ベンゾインドレニン核、インドール核、ベンゾオキサドール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベンゾイミダゾール核、キノリン核が適用できる。これらの核は炭素原子上に置換基を有していてもよい。
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。その代表例は米国特許第2,688,545号、同第2,977,229号、同第3,397,060号、同第3,522,052号、同第3,527,641号、同第3,617,293号、同第3,628,964号、同第3,666,480号、同第3,672,898号、同第3,679,428号、同第3,703,377号、同第3,769,301号、同第3,814,609号、同第3,837,862号、同第4,026,707号、英国特許第1,344,281号、同第1,507,803号、特公昭43−4936号、同53−12375号、特開昭52−110618号、同52−109925号に記載されている。
増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を示す物質を同時または別個に添加してもよい。本発明においては、スチルベン系の強色増感剤を用いることは、特に好ましい。
本発明において増感色素の添加時期はハロゲン化銀乳剤粒子の調製のいかなる段階であっても良いが、好ましくは化学増感工程以前、より好ましくはハロゲン化銀粒子形成工程終了後脱塩工程以前である。添加方法としては従来公知の方法を用いることが可能である。好ましくは水溶液もしくは水系分散液として添加する。
また、ホログラム記録材料の記録波長光の透過率は10〜99%であることが好ましく、20〜95%であることがより好ましく、30〜90%であることがさらに好ましく、40〜85%であることが、回折効率、感度、記録密度(多重度)の点で最も好ましい。したがって、そのようになるようにホログラム記録材料の膜厚に合わせてハロゲン化銀添加量と、それに吸着させる増感色素の記録波長におけるモル吸光係数と吸着量を調整することが好ましい。
本発明においてはハロゲン化銀粒子の銀1モル当たりイリジウム塩が1×10−4モル以上1×10−2モル以下含有されていることが好ましい。イリジウム塩が該添加量含有されることにより、ハロゲン化銀溶剤の使用によるハロゲン化銀超微粒子に対する不安定化効果を顕著に抑制することができる。特に好ましくはハロゲン化銀粒子の銀1モル当たりイリジウム塩が2×10−4モル以上1×10−3モル以下含有されている。
本発明においてイリジウム塩の添加時期はハロゲン化銀乳剤粒子の調製のいかなる段階であっても良いが、好ましくはハロゲン化銀粒子形成工程中である。添加方法としては好ましくは水溶液として添加する。
イリジウム塩としては3価もしくは4価のイリジウム錯体が好ましく用いられる。代表的なイリジウム塩としては、KIrCl、KIrCl、KIrCl(HO)、KIrCl(HO)等を挙げることができる。K塩以外にナトリウム塩、アンモニウム塩も好ましく用いられる。Irの配位子としてはCl、HO以外に従来公知であるものが用いられる。好ましくは特開平7−072569号に記載の有機配位子を含むイリジウム錯体が用いられる。さらに好ましくは特開平2−761027号に記載のシアノ基を含むイリジウム錯体が用いられる。
本発明においてはイリジウム塩以外にハロゲン化銀粒子中に6シアノ金属錯体がドープされているのが好ましい。6シアノ金属錯体のうち、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム又はクロムを含有するものが好ましい。金属錯体の添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり10−6乃至10−2モルの範囲であることが好ましく、ハロゲン化銀1モル当たり10−5乃至10−3モルの範囲であることがさらに好ましい。金属錯体は、水または有機溶媒に溶かして添加することができる。有機溶媒は水と混和性を有することが好ましい。有機溶媒の例には、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、及びアミド類が含まれる。
金属錯体としては、下記式(I)で表される6シアノ金属錯体が特に好ましい。
(I)[M(CN)n−
(式中、Mは鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウムまたはクロムであり、nは3または4である。)。
6シアノ金属錯体の具体例を以下に示す。
(I−1) [Fe(CN)4−
(I−2) [Fe(CN)3−
(I−3) [Ru(CN)4−
(I−4) [Os(CN)4−
(I−5) [Co(CN)3−
(I−6) [Rh(CN)3−
(I−7) [Ir(CN)3−
(I−8) [Cr(CN)4−
6シアノ錯体の対カチオンは、水と混和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈殿操作に適合しているイオンを用いることが好ましい。対イオンの例には、アルカリ金属イオン(例、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、リチウムイオン)、アンモニウムイオンおよびアルキルアンモニウムイオンが含まれる。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は通常、水洗を行う。水洗の温度は目的に応じて選べるが、5℃〜50℃の範囲で選ぶことが好ましい。水洗時のpHも目的に応じて選べるが2〜10の間で選ぶことが好ましい。さらに好ましくは3〜8の範囲である。水洗時のpAgも目的に応じて選べるが5〜10の間で選ぶことが好ましい。水洗の方法としてヌードル水洗法、半透膜を用いた透析法、遠心分離法、凝析沈降法、イオン交換法の中から選んで用いることができる。凝析沈降法の場合には硫酸塩を用いる方法、有機溶剤を用いる方法、水溶性ポリマーを用いる方法、ゼラチン誘導体を用いる方法などから選ぶことができる。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、ホログラム材料の製造工程、保存中あるいは処理中のかぶりを防止し、あるいは乳剤性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させることができる。すなわちチアゾール類、例えば、ベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール);メルカプトピリミジン類;メルカプトトリアジン類;例えば、オキサドリンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類、例えば、トリアザインデン類、ペンタアザインデン類のようなかぶり防止剤または安定剤として知られた、多くの化合物を加えることができる。例えば、米国特許第3,954,474号、同第3,982,947号、特公昭52−28660号に記載されたものを用いることができる。好ましい化合物の一つに特開昭63−212932号に記載された化合物がある。かぶり防止剤および安定剤は粒子形成前、粒子形成中、粒子形成後、水洗工程、水洗後の分散時、化学増感前、化学増感中、化学増感後、塗布前のいろいろな時期に目的に応じて添加することができる。乳剤調製中に添加して本来のかぶり防止および安定化効果を発現する以外に、粒子の晶壁を制御する、粒子サイズを小さくする、粒子の溶解性を減少させる、化学増感を制御する、色素の配列を制御するなど多目的に用いることができる。
本発明の乳剤調製時、例えば粒子形成時、脱塩工程、化学増感時、塗布前に金属イオンの塩を存在させることは目的に応じて好ましい。粒子にドープする場合には粒子形成時、粒子表面の修飾あるいは化学増感剤として用いる時は粒子形成後、化学増感終了前に添加することが好ましい。粒子全体にドープする場合と粒子のコアー部のみ、あるいはシェル部のみにドープする方法も選べる。例えば、Mg、Ca、Sr、Ba、Al、Sc、Y、La、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Au、Cd、Hg、Tl、In、Sn、Pb、Biを用いることができる。これらの金属はアンモニウム塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、水酸塩あるいは6配位錯塩、4配位錯塩など粒子形成時に溶解させることができる塩の形であれば添加できる。例えば、CdBr、CdCl、Cd(NO、Pb(NO、Pb(CHCOO)、K[Fe(CN)]、(NH[Fe(CN)]、KIrCl、(NHRhCl、KRu(CN)があげられる。配位化合物のリガンドとしてハロ、アコ、シアノ、シアネート、チオシアネート、ニトロシル、チオニトロシル、オキソ、カルボニルのなかから選ぶことができる。これらは金属化合物を1種類のみ用いてもよいが2種あるいは3種以上を組み合せて用いてもよい。
金属化合物は水またはメタノール、アセトンのような適当な有機溶媒に溶かして添加するのが好ましい。溶液を安定化するためにハロゲン化水素水溶液(例えば、HCl、HBr)あるいはハロゲン化アルカリ(例えば、KCl、NaCl、KBr、NaBr)を添加する方法を用いることができる。また必要に応じて酸・アルカリなどを加えてもよい。金属化合物は粒子形成前の反応容器に添加しても粒子形成の途中で加えることもできる。また水溶性銀塩(例えば、AgNO)あるいはハロゲン化アルカリ水溶液(例えば、NaCl、KBr、KI)に添加しハロゲン化銀粒子形成中連続して添加することもできる。さらに水溶性銀塩、ハロゲン化アルカリとは独立の溶液を用意し粒子形成中の適切な時期に連続して添加してもよい。さらに種々の添加方法を組み合せるのも好ましい。
本発明の乳剤においては銀に対する酸化剤を用いることが好ましい。銀に対する酸化剤とは、金属銀に作用して銀イオンに変換せしめる作用を有する化合物をいう。特にハロゲン化銀粒子の形成過程および化学増感過程において副生するきわめて微小な銀粒子を、銀イオンに変換せしめる化合物が有効である。ここで生成する銀イオンは、例えば、ハロゲン化銀、硫化銀、セレン化銀のような水に難溶の銀塩を形成してもよく、又、硝酸銀のような水に易溶の銀塩を形成してもよい。銀に対する酸化剤は、無機物であっても、有機物であってもよい。無機の酸化剤としては、例えば、オゾン、過酸化水素およびその付加物(例えば、NaBO・H・3HO、2NaCO・3H、Na・2H、2NaSO・H・2HO)、ペルオキシ酸塩(例えば、K、K、K)、ペルオキシ錯体化合物(例えば、K[Ti(O)C]・3HO、4KSO・Ti(O)OH・SO・2HO、Na[VO(O)(C]・6HO)、過マンガン酸塩(例えば、KMnO)、クロム酸塩(例えば、KCr)のような酸素酸塩、沃素や臭素のようなハロゲン元素、過ハロゲン酸塩(例えば、過沃素酸カリウム)、高原子価の金属の塩(例えば、ヘキサシアノ第二鉄酸カリウム)およびチオスルフォン酸塩がある。
また、有機の酸化剤としては、p−キノンのようなキノン類、過酢酸や過安息香酸のような有機過酸化物、活性ハロゲンを放出する化合物(例えば、N−ブロムサクシンイミド、クロラミンT、クロラミンB)が例として挙げられる。
本発明において用いる好ましい酸化剤は、オゾン、過酸化水素およびその付加物、ハロゲン元素、チオスルフォン酸塩の無機酸化剤及びキノン類の有機酸化剤である。前述の還元増感と銀に対する酸化剤を併用するのは好ましい態様である。酸化剤を用いたのち還元増感を施こす方法、その逆方法あるいは両者を同時に共存させる方法の中から選んで用いることができる。これらの方法は粒子形成工程でも化学増感工程でも選んで用いることができる。
本発明のホログラム用材料には特開平07−134351号に記載のハロゲン化銀への吸着基を有するヒドラジン化合物、特開平08−114884号、同08−314051号記載のヒドロキサム酸系化合物、特開平10−090819号記載のヒドロキシセミカルバジド系化合物、特開2002−323729号記載のハロゲン化銀への吸着基を有するヒドロキシルアミン系化合物、を含有することが特に好ましい。これら化合物の添加は乳剤粒子形成から塗布するまでの間から選ぶことができるが、好ましくは化学増感時またはそれ以降の塗布するまでの間から選択することができる。添加量についても任意であるが、超微粒子乳剤の特徴として、これらの特許文献に記載された量よりも10倍以上の大過剰量用いた方が好ましい場合がある。具体的な添加量は実験的に容易に決定することができる。
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物は本発明のホログラム材料に好ましく用いられる。これらの化合物は以下のタイプ1、2から選ばれる化合物である。
(タイプ1)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
(タイプ2)
1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を経た後に、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物。
タイプ1の化合物について説明する。
タイプ1の化合物で、1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合開裂反応を伴って、さらに1電子を放出し得る化合物としては、特開平9−211769号(具体例:28〜32頁の表Eおよび表Fに記載の化合物PMT−1〜S−37)、特開平9−211774号、特開平11−95355号(具体例:化合物INV1〜36)、特表2001−500996号(具体例:化合物1〜74、80〜87、92〜122)、米国特許5,747,235号、米国特許5,747,236号、欧州特許786692A1号(具体例:化合物INV1〜35)、欧州特許893732A1号、米国特許6,054,260号、米国特許5,994,051号などに記載の「1光子2電子増感剤」または「脱プロトン化電子供与増感剤」と称される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
タイプ2の化合物について説明する。
タイプ2の化合物で1電子酸化されて生成する1電子酸化体が、引き続く結合形成反応を伴って、さらに1電子もしくはそれ以上の電子を放出し得る化合物としては、特開平2003−140287号に記載の一般式(1)の化合物、特開2004−245929(特願平2003−33446)号に記載の化学反応式(1)で表される反応を起こしうる化合物であって特開2004−245929(特願平2003−33446)号に記載の一般式(2)で表される化合物が挙げられる。これらの化合物の好ましい範囲は、引用されている特許明細書に記載の好ましい範囲と同じである。
次に本発明のホログラム記録材料におけるバインダーについて説明する。
本発明のホログラフイ−用ハロゲン化銀ホログラム材料には低分子量ゼラチンが含有されることが好ましい。より好ましくはハロゲン化銀乳剤中に低分子量ゼラチンが含まれる。本発明における低分子量ゼラチンとは数平均分子量が3000から50000のものを意味する。より好ましくは数平均分子量が10000以上30000以下である。本発明で使用するゼラチンは、下記の各種修飾処理を施されていても良い。例えば、アミノ基を修飾したフタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、トリメリットゼラチン、ピロメリットゼラチン、カルボキシル基を修飾したエステル化ゼラチン、アミド化ゼラチン、イミダゾール基を修飾したホルミル化ゼラチン、メチオニン基を減少させた酸化処理ゼラチンや増加させた還元処理ゼラチンなどが挙げられる。
一方、それ以外の親水性コロイドも用いることができる。例えば、ゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼインのような蛋白質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類のようなセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体のような糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾールのような単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用いることができる。ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンやBull.Soc.Sci.Photo.Japan.No.16.P30(1966)に記載されたような酵素処理ゼラチンを用いてもよく、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いることができる。
本発明のホログラム記録材料は、屈折率変調剤によりホログラム記録を行う。屈折率変調剤とは、現像処理時での反応により、高(低)屈折率化する化合物である。本発明の屈折率変調剤は、現像処理液中に存在することが好ましく、現像処理時に、1)現像主薬酸化体とのカップリング反応により屈折率を変調できる屈折率変調カプラー、2)高屈折率化合物または低屈折率化合物を放出できる高屈折率化合物放出剤または低屈折率化合物放出剤、3)重合を起こし、それにより屈折率を変調することができる重合性化合物、4)気泡を発生することができる発泡剤、等の化合物が挙げられるが、好ましくは3)重合を起こし、それにより屈折率を変調することができる重合性化合物、である。
該重合性化合物はバインダーとの屈折率が異なることにより、屈折率変調による干渉縞記録が可能である。つまり、ホログラム露光により干渉縞明部においてハロゲン化銀を感光させて潜像を形成した後、現像処理を行った際、干渉縞明部にて感光したハロゲン化銀の周辺にて主に重合性化合物の重合が起こる一方、干渉縞暗部にて感光していないハロゲン化銀の周辺では何も変化が無く、バインダーが主に存在するため、その結果屈折率変調による干渉縞が形成されることでホログラム記録が実現される。
本発明において、屈折率変調剤は下記一般式(2−1)で表されることが好ましい。
Figure 2008250232
一般式(2−1)中、Xは水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基の好ましい例としては、直鎖、分岐鎖または環状アルキル基(炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、ベンジル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、カルボキシメチル基、5−カルボキシペンチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロドデシル基等)が挙げられる。Yはアルキレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−N(R61)−またはヘテロ環基を表し、R61は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキニル基を表す。アルキレン基としては、直鎖または分岐鎖のアルキレン基(例えば、炭素数1〜12のもの)が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、イソブチレン基、n−デシレン基、ベンジレン基等が挙げられる。アリーレン基としては、炭素数6〜20の置換または無置換のフェニレン基、クロロフェニレン基、メトキシフェニレン基、炭素数12〜28の置換または無置換のナフタレン基が挙げられる。さらに、2価の連結基として、−O−、−S−、−N(R62)−等が挙げられる。ここでR62は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキニル基を表す。例えば、アルキル基(好ましくは炭素数(C)数1〜20、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、n−ペンチル、ベンジル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、カルボキシメチル、5−カルボキシペンチル)、アルケニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル)、シクロアルキル基(好ましくはC数3〜20、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、アリール基(好ましくはC数6〜20、例えば、フェニル、2−クロロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、1−ナフチル)、ヘテロ環基(好ましくはC数1〜20、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、キノリル、キナリジル)、アルキニル基(好ましくはC数2〜20、例えば、エチニル、2−プロピニル、1,3−ブタジイニル、2−フェニルエチニル)である。ヘテロ環基としては、置換または無置換のへテロ6員環(ピリジル基、モルホリノ基、ピペロジノ基等)、置換または無置換のヘテロ5員環(フリル基、チエニル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピロリジノ基等)、キノリル基等が挙げられる。Lはアルキレン基またはアリーレン基、−O−、−S−、−N(R63)−、ヘテロ環基、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−のいずれかの組合せからなる2価の連結基を表し、R63は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキニル基を表す。アルキレン基およびアリーレン基の好ましい例は、R61のアルキレン基およびアリーレン基の好ましい例で挙げた基と同じである。Zは屈折率差増強剤に吸着できる置換基を表す。吸着できる置換基の好ましい例としては、イオン性基,酸残基(酸残基としてはpKaが5以下の重金属塩、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩からなる酸残基が好ましく、pkaが2以下であるものがさらに好ましい)、アンモニウム塩、スルホニウム塩またはホスホニウム塩、メルカプト基、有機セレン分子、有機テルル分子、イソチオシアネート基、ニトリル基、シリル基、末端不飽和炭化水素、水酸基、アルデヒド、ジアゾ基、ハロゲンが挙げられる。具体的には、メルカプト基、ニトリル基、有機シリル基(例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリクロロシラン等)、スルホン酸残基、ホスホン酸残基、カルボン酸残基が挙げられ、酸残基の塩としてはアルカリ金属イオン、アルキルアンモニウムが挙げられ、Li、Na、K、Cs、NR64が好ましい。R64はアルキル基を表し、好ましい例としては、直鎖または分岐アルキル基(炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基)が挙げられ、1種類のみ用いてもよいが2種あるいは3種以上を組み合せて用いてもよい。nc1は0または1の整数を表す。
以下に、本発明の一般式(2−1)で表される化合物の具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
Figure 2008250232
Figure 2008250232
Figure 2008250232
Figure 2008250232
Figure 2008250232
屈折率変調を大きくするためには重合性化合物とバインダーのバルクでの屈折率差は大きいことが好ましく、屈折率差は0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.1以上であることがさらに好ましい。
したがって、重合性化合物またはバインダーのいずれか一方が、少なくとも1個のアリール基、芳香族ヘテロ環基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、硫黄原子を含み、残りの一方はそれらを含まないことが好ましい。
本発明における屈折率変調剤が重合性化合物であるため、本発明においては還元剤を併用することが好ましく、好ましい還元剤としてはフェノール誘導体やヒドラジン誘導体、アミン系化合物、活性メチレン系化合物等が挙げられる。この時、これら還元剤単独では、現像処理により生成する銀像以外でホログラム露光により生成した干渉縞に対応する屈折率変調を行うことができない。また、これら還元剤はホログラム記録材料或いは現像処理液のどちらに存在していてもよいが、好ましくは現像処理液中に存在する。
その際の還元剤として好ましい例を以下に挙げるが、本発明はこれに限定されるわけではない。
Figure 2008250232
本発明の重合性化合物は、現像処理時、現像されるハロゲン化銀と電子移動を起こすことにより直接付加重合を起こしてオリゴマーまたはポリマーとなっても良く、その場合、重合性化合物はラジカル重合性化合物であることが好ましい。
一方で、重合性化合物に加えさらに重合開始剤が共存し、現像時ハロゲン化銀と重合開始剤が電子移動を起こすことにより重合開始剤が活性化され重合性化合物の重合を開始することも好ましい。この場合、重合開始剤はラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤のいずれでも良く、重合性化合物もラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、アニオン重合性化合物のいずれでも良い。なお、これら重合開始剤は、現像処理により生成する銀像以外でホログラム露光により生成した干渉縞に対応する屈折率変調を行うことができない化合物である。
本発明のホログラム記録材料の処理工程は、ハロゲン化銀写真感光材料の分野で通常用いられる白黒処理及びカラー処理の工程が適用できる。さらに、ホログラム記録材料の処理工程中に屈折率差増強剤を導入する場合、屈折率差増強剤溶液からなる染色液が存在することが好ましく、染色液は染色工程にて使用される。この場合本発明のホログラム記録材料処理工程の好ましい具体例を挙げるがこれらに限定されるものではない。
現像−漂白−定着−染色−水洗−乾燥
現像−漂白−定着−染色−水洗−安定−乾燥
現像−漂白−定着−染色−安定−乾燥
現像−水洗−漂白−定着−染色−安定−乾燥
現像−水洗−漂白−定着−染色−水洗−乾燥
現像−水洗−漂白−定着−染色−水洗−安定−乾燥
現像−水洗−漂白−水洗−定着−染色−安定−乾燥
現像−水洗−漂白−水洗−定着−水洗−染色−水洗−乾燥
現像−水洗−漂白−水洗−定着−水洗−安定−染色−乾燥
また漂白と定着からなる脱銀工程は、漂白定着、漂白−漂白定着、漂白定着−定着のいずれでもよい。また現像の前工程として黒白現像、反転が行われても良い。
前記吸着工程で使用される屈折率差増強剤溶液(吸着液)の濃度は特に制限されないが、好ましくは0.01質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上15質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以上10質量%以下であり、吸着液は水溶液が好ましいが有機溶媒を含んでいてもよい。また、吸着工程での吸着液の温度は通常の処理温度ならいずれでもよいが、10℃以上80℃以下が好ましく、20℃以上50℃以下がより好ましく、20℃以上40℃以下が更に好ましい。また、吸着工程での処理時間は特に限定されないが、1分以上100分以下が好ましく、2分以上40分以下がより好ましく、3分以上20分以下が更に好ましい。
本発明のホログラム記録材料およびホログラム記録材料の処理方法は、体積位相型ホログラム記録に用いることが好ましい。
本発明のホログラム記録材料は、書き換えできない方式であることが好ましい。
なおここで、書き換えできない方式とは、不可逆反応により記録される方式であり、一度記録されたデータは、さらに上書き記録して書き換えしようとしても書き換えされることなく保存できる方式を示す。したがって重要でかつ長期保存が必要なデータの保存に適する。ただし無論、まだ記録されていない領域に新たに追記して記録していくことは可能である。そのような意味で、一般には「追記型」または「ライトワンス型」と呼ばれる。
本発明のホログラム記録に用いる光は好ましくは波長200〜2000nmの紫外光、可視光、赤外光のいずれかであり、より好ましくは波長300〜700nmの紫外光または可視光であり、さらに好ましくは400〜700nmの可視光である。
さらに、本発明の化学作用放射線としては、コヒーレントな(位相及び波長のそろった)レーザー光が好ましい。用いられるレーザーとしては、固体レーザー、半導体レーザー、気体レーザー、液体レーザーのいずれでも良いが、好ましいレーザー光としては例えば、532nmのYAGレーザー2倍波、355nmのYAGレーザー3倍波、400〜415nm付近のGaN等の半導体レーザー、650〜660nm付近の半導体レーザー、488または515nmのArイオンレーザー、633nmのHe−Neレーザー、647nmのKrイオンレーザー、694nmのルビーレーザーや636、634、538、534、442nmのHe−Cdレーザーなどが挙げられる。
また、ナノ秒やピコ秒オーダーのパルスレーザーを用いることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に使用する場合は、532nmのYAGレーザー2倍波、400〜415nm付近のGaN等半導体レーザー、650〜660nm付近の半導体レーザー等を用いることが好ましい。
ホログラム露光(記録)に用いる光の波長に対し、ホログラム再生に用いる光の波長は同じであるか、長波長であることが好ましく、同じであることがより好ましい。
なお、干渉縞記録の際の屈折率変調量は0.00001〜0.5であることが好ましく、0.0001〜0.3であることがより好ましい。なお、ホログラム記録材料の膜厚が厚い程屈折率変調量は少ない方が好ましく、ホログラム記録材料の膜厚が薄い程屈折率変調量は多い方が好ましい。
ホログラム記録材料の(相対)回折効率ηは以下の式で与えられる。
η=Idiff/Io (式1)
ここでIoは回折されない透過光の強度であり、Idiffは回折(透過型)または反射(反射型)された光強度である。回折効率は0〜100%のいずれかの値を取るが、30%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、80%以上であることが最も好ましい。
ホログラム記録材料の感度は、一般に単位面積当たりの露光量(mJ/cm)で表され、この値が小さい程感度が高いと言える。しかし、どの時点の露光量をもって感度とするかは、文献(特許文献を含む)によってまちまちであり、記録(屈折率変調)のはじまる露光量とする場合、最大回折効率(屈折率変調)を与える露光量とする場合、最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量とする場合、露光量Eに対し、回折効率の傾きが最大となる露光量とする場合などある。
また、クーゲルニックの理論式より、ある回折効率を与えるための屈折率変調量Δnは膜厚dに反比例する。つまり、ある回折効率を与えるための感度は膜厚によっても異なり、膜厚dが厚くなる程少ない屈折率変調量Δnで済む。したがって、膜厚等の条件を揃えない限り、感度は一概には比較することはできない。
本発明においては、感度は「最大回折効率の半分の回折効率を与える露光量(mJ/cm)」と定義する。
本発明のホログラム記録材料の感度は50mJ/cm以下であることが好ましく、20mJ/cm以下であることがより好ましく、10mJ/cm以下であることがさらに好ましく、1mJ/cm以下であることが最も好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体としてホログラフィックメモリに用いる際は、DMDやLCDといった空間光変調素子(SLM)を用いて2次元デジタル情報(信号光と呼ぶ)を数多く記録していくことが好ましい。記録には記録密度を上げるために多重記録を用いることが好ましく、多重記録の方法には、角度多重、位相多重、波長多重、シフト多重などの多重記録を行う方法があるが、角度多重記録またはシフト多重記録を用いることが好ましい。また、再生される2次元データの読み出しにはCCDやCMOSが好ましく用いられる。
本発明のホログラム記録材料は、光記録媒体としてホログラフィックメモリに用いる際は、容量(記録密度)を向上させるために多重記録を行うことが必須である。その際、10回以上の多重記録を行うことがより好ましく、50回以上の多重記録を行うことがさらに好ましく、100回以上の多重記録を行うことが最も好ましい。さらに、多重記録の際の露光量がいずれの多重記録の際も終始一定のまま多重記録できることが記録システム簡略化、S/N比向上等の点でより好ましい。
なお、本発明のホログラム記録材料は、保存時ホログラム記録材料は遮光カートリッジ内に保存されていることが好ましい。
また、本発明のホログラム記録材料が、記録光及び再生光以外の紫外光、可視光、赤外光の波長域の一部をカットすることができる遮光フィルターをホログラム記録材料の表面、裏面またはその両面に備え付けていることも好ましい。
本発明のホログラム記録材料を光記録媒体に用いる際は、光記録媒体はディスク状でもカード状でもテープ状であっても良く、その他いかなる形状であっても良い。
本発明のホログラム記録材料は、3次元ディスプレイ(イメージング)ホログラム、光記録媒体(ホログラフィックメモリ)、特にROM用光記録媒体、ホログラフィック光学素子(HOE、例えば、自動車搭載用のヘッドアップディスプレイ(HUD)、光ディスク用ピックアップレンズ、ヘッドマウントディスプレイ、液晶用カラーフィルター、反射型液晶反射板、レンズ、回折格子、干渉フィルター、光ファイバー用結合器、ファクシミリ用光偏光器、建築用窓ガラス)、書籍、雑誌等の表紙、POPなどのディスプレイ、ギフト、偽造防止用のセキュリティ目的としてクレジットカード、紙幣、包装などに好ましく用いることができる。
[実施例]
以下に実施例をもって本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
KBr0.28g、平均分子量100000のフタル化ゼラチン33.3gを含む水溶液1660mLを30℃に保ち撹拌した。二酸化チオ尿素0.04gを添加した後、pHを6.0に合わせた。AgNO(96.0g)水溶液800mlとKIを3モル%含むKBr水溶液をダブルジェット法で10分間に渡り添加した。この時、銀電位を飽和カロメル電極に対して+20mVに保った。温度を28℃に降温した後、通常の水洗を行った。平均分子量100000の脱イオン骨ゼラチン21gを添加した後、40℃でPHを6.0に調整した。その後、増感色素I、IIを40:60のモル比率でハロゲン化銀0.01モルに対して1×10−4モル添加した。本実験において増感色素は、特開平11−52507号に記載の方法で作成した固体微分散物として使用した。すなわち、硝酸ナトリウム0.8質量部および硫酸ナトリウム3.2質量部をイオン交換水43質量部に溶解し、増感色素13質量部を添加し、60℃の条件下でディゾルバー翼を用い2000rpmで20分間分散することにより、増感色素の固体分散物を得た。
60℃に昇温し、ハロゲン化銀0.01モルに対して、塩化金酸(5.5×10−4モル)、チオシアン酸カリウム(5×10−4モル)、チオ硫酸ナトリウム(7.2×10−4モル)およびN,N−ジメチルセレノ尿素(4.8×10−4モル)を添加し最適に化学増感を施した。下記かぶり防止剤I(1.0×10−3モル)を添加して化学増感を終了した。
本乳剤は数平均円相当径30nm、円相当径の変動係数16%の丸みを帯びた立方体粒子であった。本粒子は3モル%の沃化銀を含有する臭化銀粒子であり、沃化銀含有率の粒子間分布の変動係数は12%の粒子である。
Figure 2008250232
下塗り層を設けてある厚み200μmの三酢酸セルロースフィルム支持体に、下記表−1に示すような塗布条件で上記の化学増感を施した乳剤を塗布し、塗布試料を作成した。
Figure 2008250232
バック層は以下の内容にて、上記塗布試料に塗布した。
<導電層塗布液の調製とその塗布>
ゼラチン水溶液に下記化合物を添加し、ゼラチン塗布量が0.06g/m
なるように塗布した。
SnO/Sb(9/1質量比、平均粒径0.25μ) 186mg/m
ゼラチン(Ca++含有量3000ppm) 60mg/m
p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 13mg/m
ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 12mg/m
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 10mg/m
化合物−A 1mg/m
<バック層塗布液の調製とその塗布>
ゼラチン水溶液に下記化合物を添加し、ゼラチン塗布量が1.94g/mとなるように塗布した。
ゼラチン(Ca++含有量30ppm) 1.94mg/m
ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3.4μ) 15mg/m
p−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 7mg/m
ジヘキシル−α−スルホサクシナートナトリウム 29mg/m
N−パーフルオロオクタンスルホニル−N−プロピル
グリシンポタジウム 5mg/m
硫酸ナトリウム 150mg/m
酢酸ナトリウム 40mg/m
化合物−E(硬膜剤) 105mg/m
化合物−C 15mg/m
Figure 2008250232
このように作成したホログラム記録材料について、図1に示す透過型ホログラム記録用の2光束光学系により、光源としてYAGレーザー2倍波(532nm)を用いて露光した。物体光と参照光のなす角は30度である。ビームは0.6cmの直径と1μW/cmの強度とを有しており、露光時間を5〜100秒の範囲で5秒おきに(照射エネルギーにして5〜100μJ/cmの範囲)変化させて露光した。露光したホログラム記録材料を下記処理工程に従って処理したホログラムを試料S−1とし、YAG532nmのうち参照光のみを照射して回折効率(相対回折効率、回折光/透過光)を測定した。
〔処理工程〕
処理工程 温度 時間
現像 38.5℃ 45秒
漂白定着 38.0℃ 45秒
水洗 38.0℃ 10秒
吸着 25.0℃ 3分
水洗 25.0℃ 60秒
乾燥 80℃
各処理液の組成は以下の通りである。
[現像処理液]
水 800mL
亜硫酸ナトリウム 7.00g
臭化ナトリウム 1.6g
ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.0g
4−メトキシフェノール 11.2g
水酸化ナトリウム 1.5g
B−43 265g
水を加えて全量 1000mL
pH(25℃で硫酸とNaOHで調整) 11.2
[漂白定着液]
水 400mL
チオ硫酸アンモニウム(750g/mL) 110mL
エチレンジアミン4酢酸鉄(III)アンモニウム 42g
エチレンジアミン4酢酸 5g
硫酸アンモニウム 12g
イミダゾール 10g
エチレンジアミン4酢酸 9.0g
亜硫酸アンモニウム 45g
m−カルボキシベンゼンスルフィン酸 8g
水を加えて全量 1000mL
pH(25℃で硝酸とアンモニア水で調整) 6.50
[吸着液](吸着工程で用いる)
屈折率差増強剤A−7 1%水溶液 (pH10.0) 100ml
実施例1の屈折率差増強剤A−7の代わりにA−20を用いて、他は実施例1と同じように、露光したホログラム記録材料を処理工程に従って処理したホログラムを試料S−2とした。
実施例1の屈折率差増強剤A−7の代わりにA−23を用いて、他は実施例1と同じように、露光したホログラム記録材料を処理工程に従って処理したホログラムを試料S−3とした。
[比較例1]
実施例1において、吸着工程のみを省略した処理をしたホログラムを比較例T−1とした。
[比較例2]
実施例1において、屈折率差増強剤A−7の代わりにベンゼンスルホン酸を用い、他は実施例1と同じように、露光したホログラム記録材料を処理工程に従って処理したホログラムを比較例T−2とした。
Figure 2008250232
[評価]
ホログラム試料S−1及び比較例における最大回折効率ηの評価結果を表1に記す。
Figure 2008250232
表2から、本発明のホログラムS−1〜S−3は、屈折率差増強剤のない比較例に比べて最大回折効率ηが大幅に向上したことが分かる。本発明のS−1〜S−3および比較例T−1、T−2のホログラム記録材料は、屈折率変調剤が重合して重合像を作成した。続く染色工程では、比較例T−2は、屈折率の増大がないため回折効率の向上は見られなかったが、屈折率差増強剤として有機色素を用いたS−1〜S−3は、干渉縞明部に形成した重合像に選択的に吸着することで、干渉縞明部と干渉縞暗部の屈折差が大きくなり、最大回折効率が大幅に向上した。
ホログラム露光用の2光束光学系を説明する概略図である。
符号の説明
10 YAGレーザー
12 レーザービーム
14 鏡
20 ビームスプリッター
22 ビームセグメント
24 鏡
26 空間フィルター
28 試料
30 ホログラム記録材料
38 回転ステージ
40 ビームエキスパンダー
42 物体光
44 参照光
46 検出器

Claims (6)

  1. イオン性基を有する有機色素を含むことを特徴とする屈折率差増強剤。
  2. 前記有機色素の少なくとも1つが、シアニン色素、メロシアニン色素、オキソノール色素、フタロシアニン色素、またはアゾ色素より選ばれることを特徴とする請求項1に記載の屈折率差増強剤。
  3. 前記有機色素の少なくとも1つが、下記一般式(1−1)から(1−7)の中から選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の屈折率差増強剤。
    Figure 2008250232
    一般式(1−1)〜(1−7)中、Za、Za及びZaはそれぞれ独立に、5員または6員の含窒素複素環を形成する原子群を表し、Za、Za、Za及びZaはそれぞれ独立に、5員または6員環を形成する原子群を表す。Ra、Ra及びRaはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基を表す。Ma〜Ma14はそれぞれ独立にメチン基を表し、置換基を有していても良く、他のメチン基と環を形成しても良い。na、na及びnaはそれぞれ0または1であり、ka及びkaはそれぞれ0〜3の整数を表す。kaが2以上の時、複数のMa、Maは同じでも異なってもよく、kaが2以上の時、複数のMa12、Ma13は同じでも異なってもよい。kaは0〜8の整数を表し、kaが2以上の時、複数のMa10、Ma11は同じでも異なってもよい。CIは電荷を中和するイオンを表し、yは電荷の中和に必要な数を表す。
    Rb、Rb〜Rbはそれぞれ置換基を表す。Rb、Rbは水素原子または置換基を表す。但し、両方とも水素原子になることはない。Rc〜Rcはアルキレン基、アリーレン基、ヘテロ環基、−O−、−S−、−N(R51)−、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−のいずれかの組合せからなる2価の連結基を表し、R51は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキニル基を表す。A10〜A17はイオン性基を表し、ma2は0〜3の整数を表し、nb0、nb1、nb2、nb6、nb7はそれぞれ0〜2の整数を表す。但し、nb0とnb1、nb1とnb2、nb6とnb7はそれぞれ、同時に0にならない。nb3、nb4はそれぞれ1、または2の整数を表す。
  4. 下記一般式(2−1)の化学構造式で表される屈折率変調剤と吸着することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の屈折率差増強剤。
    Figure 2008250232
    一般式(2−1)中、Xは水素原子またはアルキル基、Yはアルキレン基、アリーレン基、−O−、−S−、−N(R61)−またはヘテロ環基を含む2価の連結基を表し、R61は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキニル基を表す。Lはアルキレン基またはアリーレン基、−O−、−S−、−N(R62)−、−C(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)−のいずれかの組合せからなる2価の連結基を表し、R62は水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルキニル基を表す。Zは吸着できる置換基を表し、nc1は0または1の整数を表す。
  5. 露光後の現像処理により、請求項4に記載の屈折率変調剤が重合することで重合像を形成することが可能なハロゲン化銀ホログラム記録材料を使用するホログラム作成方法であって、該重合像に吸着する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の屈折率差増強剤を使用することを特徴とするホログラム記録方法。
  6. 前記記載の屈折率差増強剤が処理液中に含まれていることを特徴とする請求項5に記載のホログラム記録方法。
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