JP2008250124A - 画像形成装置および回転位置調整方法 - Google Patents

画像形成装置および回転位置調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】全ての像担持体をそれぞれ個別の駆動源で駆動することによるコストアップを回避するとともに、可視像の色ズレを先願よりも目立ちにくくすることのできる画像形成装置および位相調整方法を提供する。
【解決手段】制御部は、K用感光体の速度変動の位相を変化させて、各位相のK−M間、K−C間、K−Y間の最大振幅差をそれぞれ演算する。次に、制御部は、同じ位相におけるK−M間、K−C間、K−Y間の最大振幅差から最大値と、平均値とを求める処理を、すべての位相に対して行う。求めた位相毎の最大値の中から、その最大値が最小となる位相を特定し、特定した位相が一つとなる場合は、その位相を制御位相に設定し、特定した位相が複数になる場合は、それらの位相の中で前記平均値が最小となる位相を制御位相に設定する。次に、制御部は、制御位相に基づいて、K用感光体モータやカラー感光体モータの駆動を制御する。
【選択図】図25

Description

本発明は、複数の像担持体にそれぞれ形成した可視像を転写体に重ね合わせて転写して重ね合わせ像を得る方式の複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関するものである。
黒、イエロー、マゼンタ、シアン色に対応する像担持体たる感光体と、各感光体上に形成される静電潜像をそれぞれ現像して得た各色トナー像を被転写材上に順次重ね合わせてカラー画像を得る所謂タンデム型の画像形成装置が知られている。
この種の画像形成装置は、黒色のトナー像を形成する感光体をその他の感光体とは別の駆動源によって回転駆動される。黒色用の感光体だけ駆動源が別になっているのは、モノクロプリントの需要がカラープリントに比べて高いことに起因する。需要の高いモノクロプリント時においては、黒用の感光体だけを駆動させるようにすることで、他の感光体やモータの消耗を抑えたり、省エネルギー化を図ったりするためである。
また、このタンデム型の画像形成装置では、複数の像担持体上の各トナー像を被転写材上に順次重ね合わせてカラー画像を形成するため、各トナー像の重なりがズレてしまうと、いわゆる色ズレが生じる。この色ズレが生じるのは、感光体に設けられる駆動ギヤの取り付け偏心、ギヤ成型精度、駆動ギヤと感光体とを結合するジョイント部による速度変動などが主な原因である。感光体の駆動ギヤに取り付け偏心が発生している場合、感光体の表面移動速度が周期的に変動し、この変動により被転写材表面上に転写されたトナー像は、周期的に伸び縮みする。よって、各感光体によるトナー像の伸び縮みの周期が被転写材表面上において一致していない場合、色ズレが生じる。
従来、例えば、特許文献1に記載のように、色ずれが抑制されるように各感光体の速度変動の位相が合うように駆動ギヤや感光体を装置本体に組み付けている。しかし、感光体については、メンテナンス性を向上させる目的で、画像形成装置本体に対して容易に着脱できるようにするのが一般的である。その結果、感光体の交換作業によって、感光体の偏心、ジョイント部での係合状態の変化などによって、感光体交換後に色ずれを生じる場合があった。
黒用の感光体は、他の感光体と別の駆動源であるので、黒用感光体が交換されて、黒用感光体の速度変動の位相が、その他の感光体の速度変動の位相と異なっても、黒用感光体のみを回転させて、黒用感光体の速度変動の位相をその他の感光体の速度変動の位相に合わせることができる。しかし、イエロー、マゼンタ、シアンの感光体のうちいずれかが交換がされた場合、交換された感光体の速度変動の位相を他の感光体の速度変動の位相に合わせることができない。
そこで、各感光体をそれぞれ個別の駆動モータで駆動する構成を採用して、イエロー、マゼンタ、シアンの感光体のうちいずれかが交換がされた場合、交換された感光体を回転させて、速度変動の位相を合わせることも考えられる。しかし、駆動モータを複数設けることによるコストアップを引き起こしてしまう。
特開2004−264525号公報
交換された色(例えば、マゼンタ)のみが他の色(黒、イエロー、シアン)に対して例えば、50μm色ずれしているよりは、ある一色(例えば、黒)が、交換された色(マゼンタ)に対して25μm、その他の色(イエロー、シアン)に対して25μmそれぞれずれている方が、色ずれが目立ちにくい。特に、人目につきやすい黒色と交換された色との色ずれを低減することで、交換された色(マゼンタ)とその他の色(イエロー、シアン)との色ずれが大きくても、色ずれを人目に気付きにくくすることができる。
本出願人は、特願2006−131184号(以下、先願)において次のような画像形成装置を提案した。まず、感光体の速度変動を検出するための一定の間隔を開けて形成された複数のトナー像からなる速度変動検知用画像を各感光体で形成した後、センサを用いてトナー像間の間隔を検知して各感光体の速度変動を検知する。次に、得られた黒感光体の速度変動の位相を変化させて、各位相における黒−マゼンタ間、黒−イエロー間、黒−シアン間それぞれの最大振幅差MMAX、YMAX、CMAXを演算し、最大振幅差MMAX、YMAX、CMAXの最大値を位相毎に求める。そして、求めた各位相の最大振幅差の最大値から、最大値が最小となる位相を特定し、黒用感光体の回転停止位置がカラー感光体(Y、M、C)の回転停止位置と特定した位相分ずれるように各感光体の駆動を制御する。これにより、黒用感光体の速度変動の位相を、最大振幅差の最大値が最小となる位相にすることができる。
これにより、カラー色(イエロー、マゼンタ、シアン)のうちいずれかと黒色とが大きく色ずれするのを抑制することができ、色ずれを人目に気付きにくくすることができる。よって、イエロー、マゼンタ、シアンのカラー感光体のうちいずれかが交換されて、交換されたカラー感光体の速度変動の位相が交換されてないその他のカラー感光体の速度変動の位相と異なってしまっても、黒色の感光体の位相が調整されることで、交換された色と黒色とが大きく色ずれすることがない。よって、感光体交換後の色ずれを人目に気付きにくくすることができる。
そして、本出願人は、上記先願の画像形成装置についてさらに検討を重ね、イエロー、マゼンタ、シアンのいずれかのカラー感光体が交換された後の色ずれをさらに目立ちにくくするようにできる位相調整処理を見出した。
本発明は、上記背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、全ての像担持体をそれぞれ個別の駆動源で駆動することによるコストアップを回避するとともに、可視像の色ズレを先願よりも目立ちにくくすることのできる画像形成装置および回転位置調整方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、可視像を表面に担持して表面移動する3つ以上の像担持体と、それら像担持体のうち、一つの像担持体を回転駆動させるための駆動力を発生する第1駆動源と、残りの像担持体を回転駆動させるための駆動力を発生する第2駆動源と、画像情報に基づいて、それぞれの像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、それぞれの像担持体に担持された可視像を転写体の表面に重ね合わせて転写する転写手段と、前記転写体の表面上の可視像を検知する像検知手段とを備える画像形成装置において、予め定められた前記像担持体の表面移動方向に並んだ複数の速度変動検知用可視像かをそれぞれの像担持体に形成して前記転写体の表面に転写し、前記像検知手段による各速度変動検知用可視像の検知時間間隔に基づいて各像担持体表面移動速度変動データを検出し、検出した前記一つの像担持体の表面移動速度変動データの位相を変化させるか、前記残りの像担持体の表面移動速度変動データの位相を一緒に変化させるかして、各位相における前記一つの像担持体の表面移動速度変動データに対する前記残りの像担持体のそれぞれの表面移動速度変動データの最大振幅差を前記残りの像担持体毎にそれぞれ演算し、演算した同じ位相における前記残りの像担持体の各最大振幅差間での最大値と、平均値とを求める処理を、すべての位相に対して行い、求めた位相毎の最大値の中から、その最大値が最小となる位相を特定し、特定した位相が一つとなる場合は、その位相を制御位相に設定し、特定した位相が複数になる場合は、それらの位相の中で前記平均値が最小となる位相を制御位相に設定する制御位相設定処理を実施する制御位相設定手段と、前記制御位相に基づいて前記第1駆動源および/または第2駆動源の駆動を制御することで、前記一つの像担持体と残りの像担持体との回転位置を変更する駆動制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記制御位相設定手段は、検出された各像担持体表面移動速度変動データに直交検波処理を施して、各像担持体表面移動速度変動の振幅と位相とを演算し、前記直交検波処理によって得られた各像担持体表面移動速度変動の振幅と位相とに基づいて前記最大振幅差を演算することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記一つの像担持体と、前記残りの像担持体の一つにそれぞれ固定され、前記像担持体の回転に伴って周回軌道上を移動する被検知部材と、前記周回軌道上の一部で前記被検知部材を検知する被検知部材検知手段とを備え、制御位相設定手段は、前記被検知部材検知手段が前記被検知部材を検知したタイミングに基づいて、速度変動検知用画像の形成を開始することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の画像形成装置において、前記被検知部材検知手段の検知結果に基づいて、第1駆動源および第2駆動源を停止させてから、位相調整処理を実施することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかひとつに記載の画像形成装置において、前記1つの像担持体に形成される可視像の色が黒色であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかひとつに記載の画像形成装置において、予め定められた位置ズレ検知用可視像をそれぞれの像担持体に形成して前記転写体の表面に転写して、前記像検知手段による各位置ズレ検知用可視像の検知タイミングに基づいてそれぞれの像担持体上の可視像が前記転写体に転写されるタイミングを補正して、それぞれの可視像の位置ズレを低減するタイミング補正処理を実施する制御手段を備え、前記制御位相設定手段は、前記タイミン補正処理実施後に、前記制御位相設定処理を実施することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかひとつに記載の画像形成装置において、予め定められた位置ズレ検知用可視像をそれぞれの像担持体に形成して前記転写体の表面に転写して、前記像検知手段による各位置ズレ検知用可視像の検知タイミングに基づいてそれぞれの像担持体上の可視像が前記転写体に転写されるタイミングを補正して、それぞれの可視像の位置ズレを低減するタイミング補正処理を実施する制御手段を備え、前記制御手段は、前記制御位相設定処理に、前記タイミング補正処理を実施することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6または7の画像形成装置において、前記駆動制御手段は、前記像検知手段による位置ズレ検知用画像内の各可視像の検知タイミングに基づいて前記第1駆動源の駆動速度と前記第2駆動源の駆動速度とをそれぞれ個別に決定し、前記第1駆動源及び第2駆動源をそれぞれ決定した駆動速度で駆動するように制御することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、前記駆動制御手段は、前記制御位相設定処理実施時、前記第1駆動源の駆動速度と前記第2駆動源の駆動速度とを同じ速度で駆動するように制御することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの画像形成装置において、前記像担持体、または前記第1駆動源の駆動力を前記一つの像担持体に伝達するための第1駆動伝達部材若しくは前記第2駆動源の駆動力を前記残りの像担持体に伝達するための第2駆動伝達部材が、装置本体から着脱されたことを検知する着脱検知手段を備え、前記制御位相設定手段は、前記着脱検知手段が着脱を検知したときに、前記制御位相設定処理を実施することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、前記着脱検知手段は、前記像担持体、または前記第1駆動伝達部材若しくは前記第2駆動伝達部材の交換を検知する交換検知手段であることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項10または11の画像形成装置において、前記着脱検知手段は、前記像担持体、または前記第1駆動伝達部材若しくは前記第2駆動伝達部材を装置本体から着脱するときに開閉されるカバー部材の開閉を検知する開閉検知手段であることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1乃至12いずれかひとつに記載画像形成装置において、前記制御位相設定処理の実施をユーザーが指示することができる手動指示手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項1乃至13いずれかひとつに記載画像形成装置において、前記像担持体と、帯電装置、現像装置、クリーニング装置のうち少なくとも一つとを一体的に装置本体から着脱可能に構成されたプロセスカートリッジを備えることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、可視像を表面に担持して表面移動する3つ以上の像担持体と、それら像担持体のうち、一つの像担持体を回転駆動させるための駆動力を発生する第1駆動源と、残りの像担持体を回転駆動させるための駆動力を発生する第2駆動源と、画像情報に基づいて、それぞれの像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、それぞれの像担持体に担持された可視像を転写体の表面に重ね合わせて転写する転写手段と、前記転写体の表面上の可視像を検知する像検知手段とを備える画像形成装置における前記一つの像担持体と残りの像担持体との回転位置を調整する回転位置調整方法において、予め定められた前記像担持体の表面移動方向に並んだ複数の速度変動検知用可視像かをそれぞれの像担持体に形成して前記転写体の表面に転写する工程と、前記像検知手段による各速度変動検知用可視像の検知時間間隔に基づいて各像担持体表面移動速度変動データを検出する工程と、検出した前記一つの像担持体の表面移動速度変動データの位相を変化させるか、前記残りの像担持体の表面移動速度変動データの位相を一緒に変化させるかして、各位相における前記一つの像担持体の表面移動速度変動データに対する前記残りの像担持体のそれぞれの表面移動速度変動データの最大振幅差を前記残りの像担持体毎にそれぞれ演算する工程と、演算した同じ位相における前記残りの像担持体の各最大振幅差間での最大値と、平均値とを求める処理を、すべての位相に対して行う工程と、求めた位相毎の最大値の中から、その最大値が最小となる位相を特定し、特定した位相が一つとなる場合は、その位相を制御位相に設定し、特定した位相が複数になる場合は、それらの位相の中で前記平均値が最小となる位相を制御位相に設定する工程と、前記制御位相に基づいて前記第1駆動源および/または第2駆動源の駆動を制御することで、前記一つの像担持体と残りの像担持体との回転位置を調整する工程とを有することを特徴とするものである。
請求項1乃至15の発明によれば、一つの像担持体以外の像担持体を共通の第2駆動源で駆動することで、すべての像担持体をそれぞれ個別の駆動源で駆動することによるコストアップを回避することができる。
また、本発明では、制御位相に基づいて第1駆動源および/または第2駆動源の駆動を制御して、一つの像担持体と残りの像担持体との回転位置を変更するので、一つの像担持体の回転位置が残りの回転位置と制御位相分ずらすことができる。これにより、一つ像担持体の表面移動速度変動の位相を、最大振幅差の最大値が最小となる位相にすることができる。よって、一つの像担持体に形成される可視像と、第2駆動源によって駆動される残りの像担持体にそれぞれ形成される可視像のひとつとが大きく色ずれするのを抑制することができる。さらに、制御位相は、最大振幅差の最大値が最小となる位相のうちで、最大振幅差の平均値が最小となる位相でもある。よって、一つの像担持体に形成される可視像と、残りの像担持体にそれぞれ形成される可視像との色ずれを最小限に抑えることができる。すなわち、先願では、一つの像担持体の表面移動速度変動の位相が最大振幅差の最大値が最小となる位相に設定されるだけであるので、一つの像担持体に形成される可視像と、残りの像担持体にそれぞれ形成される可視像のひとつとが大きく色ずれするのを抑制することができるだけであった。しかし、本発明では、最大振幅差の最大値が最小となる位相差のうち、最大振幅差の平均値が最小となる位相差にするので、一つの像担持体に形成される可視像と、残りの像担持体にそれぞれ形成される可視像のひとつとが大きく色ずれするのを抑制するのに加えて、一つの像担持体に形成される可視像と、残りの像担持体にそれぞれ形成される可視像との色ずれを最小限に抑えることができる。その結果、先願よりも、一つの像担持体に形成される可視像と、残りの像担持体にそれぞれ形成される可視像との色ずれを抑えることができる。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図のプリンタは、トナー像形成手段たるプロセスユニットとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つのプロセスユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット1Yを例にすると、これは図2に示すように、感光体ユニット2Yと現像ユニット7Yとを有している。これら感光体ユニット2Y及び現像ユニット7Yは、図3に示すようにプロセスユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱される。但し、プリンタ本体から取り外した状態では、図4に示すように現像ユニット7Yを図示しない感光体ユニットに対して着脱することができる。
先に示した図2において、感光体ユニット2Yは、ドラム状の感光体3Y、ドラムクリーニング装置4Y、図示しない除電装置、帯電装置5Yなどを有している。
帯電装置5Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる感光体3Yの表面を一様帯電せしめる。同図においては、図示しない電源によって帯電バイアスが印加されながら、図中反時計回りに回転駆動される帯電ローラ6Yを感光体3Yに近接させることで、感光体3Yを一様帯電せしめる方式の帯電装置5Yを示した。帯電ローラ6Yの代わりに、帯電ブラシを当接させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャーのように、チャージャー方式によって感光体3Yを一様帯電せしめるものを用いてもよい。帯電装置5Yによって一様帯電せしめられた感光体3Yの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザー光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
現像手段たる現像ユニット7Yは、第1搬送スクリュウ8Yが配設された第1剤収容部9Yを有している。また、透磁率センサからなるトナー濃度センサ(以下、トナー濃度センサという)10Y、第2搬送スクリュウ11Y、現像ロール12Y、ドクターブレード13Yなどが配設された第2剤収容部14Yも有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとからなる図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュウ8Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、第1剤収容部9Y内のY現像剤を図紙面に直交する方向における手前側から奥側へと搬送する。そして、第1剤収容部9Yと第2剤収容部14Yとの間の仕切壁に設けられた図示しない連通口を経て、第2剤収容部14Y内に進入する。
第2剤収容部14Y内の第2搬送スクリュウ11Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、Y現像剤を図中奥側から手前側へと搬送する。搬送途中のY現像剤は、第1剤収容部14Yの底部に固定されたトナー濃度センサ10Yによってそのトナー濃度が検知される。このようにしてY現像剤を搬送する第2搬送スクリュウ11Yの図中上方には、現像ロール11Yが第2搬送スクリュウ11Yと平行な姿勢で配設されている。この現像ロール11Yは、図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる非磁性パイプからなる現像スリーブ15Y内にマグネットローラ16Yを内包している。第2搬送スクリュウ11Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラ16Yの発する磁力によって現像スリーブ15Y表面に汲み上げられる。そして、現像部材たる現像スリーブ15Yと所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード13Yによってその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体3Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体3Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール12Yの現像スリーブ15Yの回転に伴って第2搬送スクリュウ11Y上に戻される。そして、図中手前端まで搬送されると、図示しない連通口を経て第1剤収容部9Y内に戻る。
トナー濃度センサ10YによるY現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として後述する制御部に送られる。この制御部は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)、データ記憶手段であるRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成され、各種の演算処理や、制御プログラムの実行を行うことができる。Y現像剤の透磁率は、Y現像剤のYトナー濃度と相関を示すため、トナー濃度センサ10YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。上記制御部はRAMを備えており、この中にトナー濃度センサ10Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefや、他の現像ユニットに搭載されたC,M,K用のトナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるC用Vtref、M用Vtref、K用Vtrefのデータを格納している。Y用の現像ユニット7Yについては、トナー濃度センサ10Yからの出力電圧の値とY用Vtrefを比較し、図示しないY用のトナー供給装置を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。この駆動により、現像に伴うYトナー消費によってYトナー濃度を低下させたY現像剤に対し、第1剤収容部9Yで適量のYトナーが供給される。このため、第2剤収容部14Y内のY現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他色用のプロセスユニット(1C,M,K)内における現像剤についても、同様のトナー供給制御が実施される。
像担持体であり且つ潜像担持体である感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述する中間転写ベルトに中間転写される。感光体ユニット2Yのドラムクリーニング装置4Yは、中間転写工程を経た後の感光体3Y表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Y表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。先に示した図1において、他色用のプロセスユニット1C,M,Kにおいても、同様にして感光体3C,M,K上にC,M,Kトナー像が形成されて、無端移動体たる中間転写ベルト上に中間転写される。
プロセスユニット1Y,C,M,Kの図中下方には、光書込ユニット20が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lを、各プロセスユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザー光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット20の下方には、第1給紙カセット31、第2給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録部材たる記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、第1給紙ローラ31a、第2給紙ローラ32aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ31aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第1給紙カセット31内の一番上の記録紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第2給紙カセット32内の一番上の記録紙Pが、給紙路33に向けて排出される。給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路33に送り込まれた記録紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を図中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、記録紙Pを搬送ローラ対34から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
各プロセスユニット1Y,C,M,Kの図中上方には、無端移動体たる中間転写ベルト41を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット40が配設されている。転写手段たる転写ユニット40は、中間転写ベルト41の他、ベルトクリーニングユニット42、第1ブラケット43、第2ブラケット44などを備えている。また、4つの1次転写ローラ45Y,C,M,K、2次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。中間転写ベルト41は、これら8つのローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの1次転写ローラ45Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト41を感光体3Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
2次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された2次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト41上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ50と2次転写バックアップローラ46との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で記録紙Pに一括2次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを中間転写ベルト41のおもて面に当接させており、これによってベルト上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
なお、転写ユニット40の第1ブラケット43は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ48の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。本画像形成システムのプリンタは、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第1ブラケット43を図中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ48の回転軸線を中心にしてY,C,M用の1次転写ローラ45Y,C,Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト41をY,C,M用の感光体3Y,C,Mから離間させる。そして、4つのプロセスユニット1Y,C,M,Kのうち、K用のプロセスユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY,C,M用のプロセスユニットを無駄に駆動させることによるそれらプロセスユニットの消耗を回避することができる。
2次転写ニップの図中上方には、定着ユニット60が配設されている。この定着ユニット60は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ61と、定着ベルトユニット62とを備えている。定着ベルトユニット62は、定着部材たる定着ベルト64、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト64を加熱ローラ63、テンションローラ65及び駆動ローラ66によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト64は加熱ローラ63によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト64のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト64のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト64の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ63に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ61に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト64の表面温度が約140[°]に維持される。
先に示した図1において、2次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ユニット60内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が定着せしめられる。
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された記録紙Pは、このスタック部68に順次スタックされる。
転写ユニット40の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y,C,M,Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、プロセスユニット1Y,C,M,Kの現像ユニット7Y,C,M,Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,C,M,Kは、プロセスユニット1Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
図5は、装置本体の感光体駆動部200を示す概略構成図である。同図において、感光体駆動部200は、感光体3Y〜3Kよりも遙かに大きな径の個別ギヤたる感光体ギヤ202Y,C,M,Kを有している。K用の感光体ギヤ202Kには、K用の感光体モータ190Kのモータ軸に固定されたK用原動ギヤ195が噛み合っている。K用の感光体1Kは、このかみ合いにより、K用の感光体モータ190Kの回転駆動力が伝達されて回転駆動せしめられる。一方、M用の感光体ギヤ202MとC用の感光体ギヤ202Cとの間には、カラー原動ギヤ196がこれら感光体ギヤに噛み合うように配設されている。このカラー原動ギヤ196は、カラー感光体モータ190YMCのモータ軸に固定されており、カラー感光体モータ190YMCの駆動力をM用の感光体ギヤ202Mと、C用の感光体ギヤ202Cとに伝達する。これにより、M用の感光体3Mと、C用の感光体3Cとがそれぞれ回転駆動せしめられる。また、Y用の感光体ギヤ202Yと、M用の感光体ギヤ202Mとの間には、アイドラギヤ197がこれら感光体ギヤに噛み合うように配設されている。これにより、カラー感光体モータ190YMCの駆動力が、カラー原動ギヤ196、M用の感光体ギヤ202M、アイドラギヤ197、Y用の感光体ギヤ202Yを順次介して、Y用の感光体3Yに伝達される。
かかる構成により、K以外の3つの感光体は、1つのカラー感光体モータ190YMCによって回転駆動せしめられる。本実施形態では、感光体モータ190K、190YMCはDCブラシレスモータであるDCサーボモータを用いている。
K用の感光体3Kは、他の感光体とは別の駆動源であるK用の感光体モータ190Kによって回転駆動される。K用の感光体だけ駆動源が別になっているのは、モノクロプリントの需要がカラープリントに比べて高いことに起因する。需要の高いモノクロプリント時においては、K用の感光体3Kだけを駆動させるようにすることで、他の感光体やモータの消耗を抑えたり、省エネルギー化を図ったりするためである。なお、モノクロプリント時には、このようにしてK用感光体3Kだけが駆動されるが、このとき、図1に示した中間転写ベルト41は、4つの感光体3Y,C,M,Kのうち、K用の感光体3Kだけ接触するような姿勢をとる。
また、図6に示すように、駆動部材たる感光体ギヤ202に被検知部材たる突状のフィラー205を取り付けている。図6に示す例では、全ての感光体ギヤ202Y、C、M、Kにフィラーを取り付けており、M色とK色のみ、被検知部材検知手段である回転位置センサ(フォトセンサ)191K、191YMCを設けている。回転位置センサ191はこのフィラー205が読み取り範囲内に存在する場合に信号がHIGHとなり、フィラー205が読み取り範囲内に存在しない場合に信号がLOWとなる構成となっている。この信号がHIGHからLOW、または、LOWからHIGHに切り替わるところを回転基準位置として設定する。
装置本体の感光体駆動部200には、図7に示すように、各感光体の回転軸に設けられたオス型カップリング222Y,C,M.Kを受け入れる凹型のメス型カップリング221Y,C,M,Kが設けられている。メス型カップリング221Y,C,M,Kの円柱状の凹部の内周面に複数の歯を有する内歯車が形成されている。各感光体の回転軸に設けられたオス型カップリング222Y,C,M.Kは、メス型カップリング221Y,C,M,Kの内歯車と噛み合うギヤを有している。なお、各感光体の回転軸に取り付けられるカップリングをメス型として、装置本体の駆動部200のカップリングをオス型としてもよい。
図7(a)に示すように、K色の感光体1Kから延びる回転軸に設けられたオス型カップリング222Kをメス型カップリング221Kの円柱状の凹部に挿入して、オス型カップリング222Kのギヤとメス型カップリング221Kのギヤとを噛み合わすことで、K用の感光体モータ190Kの回転駆動力が感光体1Kに伝達される。同様に、図7(b)に示すように、感光体3Y,M,Cから延びる回転軸に設けられたオス型カップリング222Y,M,Cをそれぞれメス型カップリング221Y,M,Cの凹部に挿入して、ギヤを噛み合わすことで、カラー感光体モータ190YMCの回転駆動力が感光体3Y、3M、3Cに伝達される。
図8は、プロセスユニットの装着検出及び新品との交換があったことの検出する検出機構について説明する図である。なお、ここでは、各プロセスユニット1Y、1M、1C、1Kとも同じ検出機構であるため、Y、M、C,Kの符号を省略して説明する。
図8に示すように、装置本体の面板81には、プロセスユニット1の有無検出用の常閉マイクロスイッチ169が嵌りこんだ大径穴がある。このマイクロスイッチ169は、プリント基板82で支持されている。面板81の内面は内カバー84で覆われ、プリント基板82側の外面は外面カバー83で覆われている。
帯電ローラ6には、ユニットカバー167から突出する、マイクロスイッチ169操作用のねじ付きピン164がある。
感光体3を均一に荷電するための帯電ローラ6は感光体3に接触し、感光体3と実質上同一の周速度で回転する。帯電ローラ6の回転軸6aは、ベアリングを介してプロセスユニット1Yの支持板168で回転自在に支持されている。連結スリーブ165が回転軸6aの先端に固着されており、回転軸6aと一体で回転する。連結スリーブ165の中心には、横断面が正方形の穴があり、そこにねじ付きビン164の大略で正方形角柱状の脚164bが嵌りこんでいる。この脚164bの雄ねじ164s側の2/3程度の長さの領城が、連結スリーブ165の正方形の穴に係合する正方形角柱であるが、脚164bの先端側の残り1/3程度の長さの領城は、連結スリーブ165に対して空転できる丸棒状である。
図8の(a)に示すように、ねじ付きピン164の先頭ピン164pと脚164bの間には、大径の雄ねじ164sがある。新品(未使用)のプロセスユニット1では、ユニットカバー167の雌ねじ穴にねじ結合し、戻しばね166が圧縮されている。この状態では、ピン164の、ユニット前面からの突出長は短い。しかし、この状態で帯電ローラ6が回転駆動されると、それによってねじ付きピン164が回転し、雌ねじ穴とねじ結合する。ねじ結合していることにより、面板81に近づく方向に移動し、マイクロスイッチ169の切換え操作子に当たる。この移動によりねじ付きピン164の雄ねじ164sが雌ねじ穴を貫通してしまう直前に、常閉マイクロスイッチ169が、閉から開に切換る。
図8の(b)に示すように、雄ねじ164sが雌ねじ穴を貫通してしまうと、戻しばね166によってピン164が突き出される。これにより、ピン164の脚164bの角柱部がスリーブ165の四角穴から出てしまい、帯電ローラ6が回転しても、ピン164は回転しない。
したがって、すでに使用を開始しているプロセスユニット(例えば1Y)がプリンタにそのまま装着されている時には、マイクロスイッチ(169Y)は常に開(オフ)である。新品(未使用)のプロセスユニット(IY)が装着されても、すなわちユニットの交換があっても、その帯電ローラ(6Y)が回転駆動されるまでは、マイクロスイッチ(169Y)は閉(オン)である。プリンタ電源が入った時にマイクロスイッチ(169Y)が閉(オン)で、作像機構の駆動を開始すると開(オフ)に切換った時には、ユニット交換後最初の電源投入であったことがわかる。すなわち、電源投入の直前にユニットの交換があったことが分かる。他のプロセスユニット(1M、1C、1K)の装着検出及び新品との交換があったことの検出も同様に行われる。
図9は本プリンタの電気回路の一部を示すブロック図である。同図においてバス94には、プロセスユニット1Y,M,C,K、光書込ユニット20、給紙カセット31、32、レジストモータ35a、データ入力ポート151、転写ユニット40、操作表示部152、光学センサユニット136、制御部150、マイクロスイッチ169(Y〜K)などが接続されている。
レジストモータ35aは、上述したレジストローラ対35の駆動源である。また、データ入力ポート151は、外部の図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報を受信するものである。また、制御手段たる制御部150は、プリンタ全体の駆動制御を司るものであり、CPU150a、情報記憶手段たるRAM150a、ROM150bなどを有している。また、操作表示部152は、タッチパネル、あるいは液晶パネル及び複数のタッチキーから構成されるのもで、制御部150の制御によって様々な情報を表示したり、操作者からの入力情報を制御部150に送ったりする。
一般に、画像形成装置においては、機内温度が変化したり、外力が加わたりすることで、各プロセスユニットの位置や大きさが微妙に変化することがある。これらの変化は避けられないものである。例えば、紙詰まりの復帰、メンテナンスによる部品交換、画像形成装置の移動などの作業を行うと、プロセスユニットに外力を加えることとなる。このような外力や、機内温度の変化が発生すると、光書込ユニット7から発せられるレーザー光の光路が微妙に変化するなどして、各色の感光体(1M,C,Y,K)に対する副走査方向の光書込位置が微妙に変化する。そして、これにより、M,C,Y,Kトナー像の副走査方向の重ね合わせズレが発生してしまう。
そこで、本プリンタでは、電源スイッチが投入された直後や所定時間経過毎などに、タイミング補正処理を実施して、各色トナー像の重ね合わせズレを抑えるようになっている。
図10は、中間転写ベルト41の一部を、光学センサユニット136とともに示す斜視図である。本プリンタの制御部150は、図示しない電源スイッチがONされた直後や、所定時間が経過する毎などの所定のタイミングで、タイミング補正処理を行うようになっている。このタイミング補正処理では、中間転写ベルト41の幅方向の一端部と他端部とにそれぞれ、複数のトナー像からなる位置ズレ検知用画像PVが形成される。一方、中間転写ベルト41の上方には、第1光学センサ137と第2光学センサ138とからなる像検知手段としての光学センサユニット136が配設されている。
第1光学センサ137は、発光手段から発した光を集光レンズに通した後、中間転写ベルト41の表面で反射させ、その反射光を受光手段で受光する。そして、受光量に応じた電圧を出力する。中間転写ベルト41の幅方向における一端部に形成された位置ズレ検知用画像PV内のトナー像が、第1光学センサ137の直下を通過する際には、第1光学センサ137の受光手段による受光量が大きく変化する。これにより、第1光学センサ137は、トナー像を検知して受光手段からの出力電圧値を大きく変化させる。同様にして、第2光学センサ138は、中間転写ベルト41の幅方向における他端部に形成された位置ズレ検知用画像PV内の各トナー像を検知する。このように、第1光学センサ137や第2光学センサ138を有する光学センサユニット136は、位置ズレ検知用画像PV内の各トナー像を検知する像検知手段として機能している。なお、発光手段としては、トナー像を検出するために必要な反射光を作り得る光量をもつLED等が用いられている。また、受光手段としては、多数の受光素子が直線状に配列されたCCDなどが用いられている。
本プリンタの制御部150は、タイミング補正処理を開始すると、まず、図10に示したように、中間転写ベルト41の幅方向の両端部にそれぞれ位置ズレ検知用画像PVを形成する。そして、それぞれの位置ズレ検知用画像PV内の各トナー像を光学センサユニット136によって検知する。次いで、その検知タイミングに基づいて、各トナー像における主走査方向(レーザー光による走査方向)の位置、副走査方向(ベルト移動方向)の位置、主走査方向の倍率誤差、主走査方向からのスキューをそれぞれ把握する。
なお、中間転写ベルト41上に形成された位置ズレ検知用画像PVは、ベルトの無端移動に伴って光学センサユニット136との対向位置まで搬送される途中で、2次転写ローラ50との対向位置を通過する。このとき、2次転写ローラ50が中間転写ベルト8に当接して2次転写ニップを形成していると、ベルト上の位置ズレ検知用画像PVが2次転写ローラに接触してローラ表面に転移してしまう。そこで、制御部150は、タイミング補正処理を実施する際には、それに先立って、図示しないローラ接離機構を駆動して、2次転写ローラ50を中間転写ベルト41から離間させる。これにより、位置ズレ検知用画像PVの2次転写ローラ50への転移を回避する。
位置ズレ検知用画像PVとしては、図11に示すようなシェブロンパッチと呼ばれるラインパターン群を形成する。この位置ズレ検知用画像PVは、M,C,Y,Kの各色のトナー像を主走査方向(感光体表面上でのレーザー移動方向)から約45[°]傾けた姿勢で、副走査方向に対応するベルト移動方向に所定ピッチで並べたものである。このような位置ズレ検知用画像PV内のM,C,Yトナー像について、Kトナー像との検知時間差を読み取っていく。同図では、図紙面における上下方向が主走査方向に相当し、左右方向が副走査方向に相当している。そして、位置ズレ検知用画像PV内においては、同図における左から順に、M,C,Y,Kトナー像が並んだ後、これらとは姿勢が90[°]異なっているM,C,Y,Kトナー像が更に並んでいる。
本プリンタでは、M,C,Y,Kのうち、Kを基準色としている。制御部150は、基準色となるKトナー像の検知タイミングと、M,C,Yトナー像の検知タイミングとの検知時間差tmk、tck、tykについての実測値と理論値との差に基づいて、Kトナー像と、M,C,Yトナー像との副走査方向におけるズレ量を求める。そのズレ量は、各色トナー像の中間転写ベルト上における重ね合わせズレ量に比例している。よって、前述のズレ量に求めることで、各色トナー像の重ね合わせズレ量を間接的に求めていることになる。そして、そのズレ量に基づいて、光書込ユニット20のポリゴンミラー1面おき、即ち、1走査ラインピッチを1単位として、各感光体に対する光書込開始タイミングを補正することで、各色トナー像の副走査方向の重ね合わせズレを抑える。または、感光体の駆動モータの平均回転角速度を調整し、露光−転写間の回転所要時間を調整することで補正する。また、姿勢が90[°]異なる同色の2つのトナー像の検知時間差tk、ty、tc、tmについての実測値と理論値との差に基づいて、各色トナー像の主走査方向におけるズレ量を求める。各色トナー像の主走査方向からの傾き(スキュー)については、ベルト両端部間での副走査方向ズレ量の差に基づいて求めることができる。そして、その結果に基づいて、光書込ユニット20内の図示しないトロイダルレンズの傾きを調整する図示しないレンズ傾き調整機構を駆動することで、各色トナー像の主走査方向からの傾きズレを低減する。これらの補正は、Kを基準として、Y,C,Mのパラメータを変更することで行われる。
上述の各プロセスユニットの位置や大きさの変化による画像上に副走査方向の位置ずれのほかに、感光体を駆動する場合における感光体ギヤの累積ピッチ誤差、回転軸の偏心、カップリング等による駆動伝達系誤差の影響によっても、画像上に副走査方向の位置ずれが発生する。これは感光体の回転軸に偏芯があった場合、感光体表面移動速度に回転速度ムラが発生する。各色の感光体毎に回転ムラの位相が異なると、感光体表面の露光位置から転写位置まで移動するのにかかる時間が各色で大きく異なってしまい、中間転写ベルト上への転写位置が各色で異なってしまうため、色ずれとなってしまう。感光体3の回転速度ムラの要因として、主に感光体ギヤ202によるものと、カップリング221、222によるものがある。感光体ギヤによる偏芯成分は、製品を製造する際に各色の歯車の位相が合うように組み立てることで、位相ずれによる色ずれを回避することが可能である。しかし、カップリングの場合は、プロセスユニットの着脱により、感光体の回転軸に取り付けられたオス型カップリング222自体が回転してしまう。その結果、着脱後のメス型カップリング221に対するオス型カップリングの回転方向の係合角度が、着脱前のメス型カップリング221に対するオス型カップリングの係合角度と異なってしまう。その結果、位相ずれが発生する。また、新品のプロセスユニットに変更することによりオス型カップリングの特性が変化し位相ずれが生じてしまう場合がある。
このため製品の製造時に、各感光体3の回転速度変動の位相を合わせて、色ずれが最小となるように調整しても、感光体を装置本体から着脱することで、回転速度変動の位相ずれによる色ずれが発生してしまう問題がある。
本実施形態では、K用感光体3Kは、カラー用感光体3Y,M,Cとは、別駆動源にて駆動している。このため、黒用感光体3Kが装置本体から着脱されて、黒用感光体3Kの回転速度変動の位相がカラー用感光体3Y,M,Cの回転速度変動の位相とずれてしまっても、K用の感光体モータ190Kを駆動制御することで、カラー用感光体3Y,M,Cの位相と合わせることができる。一方、カラー用感光体3Y,M,Cは同一の駆動源にて駆動されているため、カラー感光体間での回転駆動速度変動の位相差を変更することが出来ない。Y,M,C,Kのうちひとつだけ大きく回転速度変動の位相が異なって、一色だけが他の色に対して大きく色ずれしているよりも、均等に色ずれしている方が、色ずれとして人目に気付き難い。具体的に説明すると、図12(a)に示すように、M色のみl分色ずれしているよりも、図12(b)に示すように、Y、C色に対してM色が同じl分色ずれしていても、その間にK色が形成されることで、図12(a)の場合に比べて、色ずれを目立ちにくくすることができる。特に、K色は、人目につきやすい色であるので、図12(a)に示すように、K−M間の色ずれが大きいと色ずれが人目につきやすい。
そこで、本プリンタの制御部では、図12(b)に示すように、K色の色ずれが、Y、C,M間で均等に色ずれが生じるようにK色の感光体の回転速度変動の位相調整処理を実施する。
図13は、本プリンタの制御フローの要部を示す図である。
制御部150は、電源がオンして動作電圧が印加されると、入出力ポートの信号レベルを待機状態のものに設定し、内部のレジスタ、タイマなども待機状態に設定する(S1)。
制御部150は、初期化(S1)を完了すると、本プリンタの機構各部および電気回路の状態を読み取って画像形成に支障がある異常があるか正常であるかをチェックし(S2、S3)、異常がある場合(S3のNO)にはマイクロスイッチ169Y〜169Kの開閉状態をチェックする(S4)。マイクロスイッチ169Y〜169Kのいずれかが閉(オン)である時(S4のYES)は、閉のマイクロスイッチに対応するプロセスユニットの装着が無いか、あるいはプロセスユニットが新品ユニットに交換された直後の電源オン時の状態である。
マイクロスイッチ169Y〜169Kのいずれかが閉(オン)である時(S4のYES)、制御部150は、作像系を一時的に駆動する(S5)。具体的には、中間転写ベルト41が駆動されると共に、感光体3Y〜3Kおよびそれに接触する各帯電ローラ6Y〜6Kならびに各現像ユニット7Y〜7Kの現像ローラを回転させる。プロセスユニットが新品ユニットに交換された直後であつた場合には、作像系の駆動によって閉であったマイクロスイッチが開(ユニット装着あり)に切換わる。一方、装置にプロセスユニットが装着されていない場合には、マイクロスイッチは閉に留まる。
制御部150は、作像系を駆動した結果、閉であったマイクロスイッチ169Y〜169Kのいずれかが開に切換ったら(S6のNO)、例えば、K(黒)色のプロセスユニット1Kの着脱を検知するマイクロスイッチ169Kが閉から開に切換ると、K(黒)色の潜像担持ユニット60dに対応したレジスタFPC(不揮発メモリ上の一領域)に、ユニット交換があったことを示す「1」を書きこむ(S7)。
一方、マイクロスイッチが開に切換わらなかったとき(S6のYES)には、ユニットの装着が無いと見なして、制御部150は、操作表示部152(操作パネル)に異常報知する(S8)。そして、異常が無くなるまで、状態読取り、異常チェック、異常報知(S2〜S8)のフローを繰返す。
制御部150は、異常なしと判定した場合(S3のYES)、定着ユニット60への通電を開始し、上述のステップS7で、ユニット交換を表す情報が生成されている(FPC=1である)か否かをチェックする(S9)。ユニット交換を表す情報が生成されている(FPC=1である)場合(S9のYES)には、位相調整実行中を操作表示部に表示させる(S10)。次に、制御部150は、位相調整(S11)を実行し、それが終わると、レジスタFPCをクリアする(S13)。
プロセスユニット1Y〜1Kの交換が無かったとき(S9のNO)、定着ユニット60の定着温度が定着可能温度となったら、操作表示部152にプリント可能表示を行う(S14)。次に、制御部150は、操作表示部152を介したユーザーの入力および本プリンタに接続されたパソコンPCのコマンドを待ち、その読み取りを行う(S15)。制御部150は、操作表示部152またはパソコンPCを介して「位相調整」指示がユーザーから与えられると(S16のYES)、位相調整を実行する(S10〜S13)。
定着ユニット60の定着温度が定着可能温度で、しかも各部がレディである時に、操作表示部152からコピースタート指示(プリント指示)、或いは、パソコンPCからのプリントスタート指示があると(17のYES)、制御部150は、指定枚数の画像形成を実行する(S18)。
制御部150は、上述の図13に示す制御フローにより、(1)K、Y、CおよびMのプロセスユニットのいずれかが新品に交換されたとき、(2)操作表示部152またはパソコンより色合わせ指示があったときに、位相調整を実行する。(1)の実行は自動実行といい、(2)の実行は手動実行という。
次に、位相調整処理について説明する。
図14は、位相調整の実行フローである。まず、制御部150は、上述した「タイミング補正処理」(S21)で主走査方向(レーザー光による走査方向)の位置ずれ、副走査方向(ベルト移動方向)の定常的な位置ずれ、主走査方向の倍率誤差、主走査方向からのスキューをそれぞれ補正する。次に、制御部150は、後述する「位相調整処理」を実行する(S22)。「位相調整処理」が終了したら、再度、「タイミング補正処理」を実行する(S23)。
図15は、位相調整処理の実行フローである。先ず、中間転写ベルト41上にK、Y、M、C色の速度変動検知用画像を形成して、光学センサユニット136で速度変動検知用画像を検知して、各感光体の速度変動パターンを計測する(S24)。次に、計測した各感光体の速度変動パターンの振幅・位相を算出する(S25)。そして、黒色に対してカラー色の色ずれが最小となる黒用感光体の位相を特定し(S26)、感光体の駆動を制御して特定した位相に調整する(S27)。
以下に、具体的に説明する。まず、「速度検知用画像の形成と計測」について説明する。図16、図17は、「速度検知用画像の形成と計測」の実行フローである。
先ず、制御部150は、副走査方向の定常的な位置ずれを抑制するための感光体モータの平均回転角速度の調整をOFFにして(S31)、各色の感光体3Y〜3Kを同じ回転速度で回転させる(S32)。次に、制御部150は、回転位置センサ191K、191YMCの信号がHIGHからLOW、または、LOWからHIGHに切り替わる回転基準位置を検知したタイミングでK用感光体モータ190K、カラー感光体モータ190YMCを停止させて、各感光体の回転を停止する(S33〜S34)。各感光体3Y〜3Kが停止したら、各色の感光体3Y〜3Kを同じ回転速度で回転させて、回転位置センサが回転基準位置を検知したタイミングに基づいてK、M色の速度変動検知用画像の潜像形成を開始する(S35〜S37)。次に、制御部150は、回転位置センサ191K、191YMCが回転基準位置を検知したタイミングでK用の速度変動検知用画像とM用の速度変動検知用画像の潜像形成を開始する(S37)。そして、中間転写ベルト41のベルト幅方向の一端部にK用の速度変動検知用画像PVkを形成し、他端部にM用の速度変動検知用画像PVmを形成する。この速度変動検知用画像は、K用の速度変動検知用画像を例にすると、図18に示すように、tk01、tk02、tk03、tk04、tk05、tk06・・・tk(n)という複数のKトナー像がベルト移動方向(副走査方向)に沿って所定ピッチで並ぶようにベルト上に転写される。速度変動検知用画像の副走査線方向の長さPaは、感光体の周長の整数倍に設定されている。
次に、制御部150は、「K色、M色の速度検知用画像の計測」を実行する(S38)。
図19は、「速度検知用画像の計測」の実行フローである。先ず、制御部150は、K用の速度変動検知用画像の各トナー像tkを光学センサユニット136の第1光学センサ137で検知するとともに、ベルト幅方向の他端部に形成されたM用の速度変動検知用画像の各トナー像を光学センサユニット136の第2光学センサ138で検知する(S60)。具体的には、制御部150は、例えば、速度変動検知用画像の潜像形成を開始するタイミングなど、所定のタイミングで時刻計測を開始する。そして、制御部150は、光学センサ137、138の出力信号が変化したときの時刻を計測する。すなわち、制御部150は、光学センサ137、138の視野にトナー像の先端およびトナー像の後端が到来すると、光学センサの出力信号が変化するので、その変化を検知しているのである。言い換えれば、制御部150は、光学センサ137、138の視野にトナー像の先端が到来したか否か、トナー像の後端が到来したか否かを監視しているのである。よって、K用の速度変動検知用画像の検出データとしては、tk01−f、tk01−r、tk02−f、tk02−r・・・・tk(n)−f、tk(n)−rという速度変動検知用画像のトナー像の数n(整数)の2倍の検出データが得られる(図20(a)参照)。また、M用の速度変動検知用画像の検出データとしてtm01−f、tm01−r、tm02−f、tm02−r・・・・tm(n)−f、tm(n)−rの検出データを得る。
制御部150は、検出データが所定数あるか否かをチェックして(S61)、検出データが所定数ない場合は読取エラーと判定し、速度検知用画像の計測を終了する。
一方、検出データが所定数ある場合は、速度変動検知用画像の各トナー像の中央位置を演算する(S63)。K用の速度変動検知用画像を例に具体的に説明すると、トナー像の先端が到来したことを検知したときの検出データtk01−f、トナー像の後端が到来したことを検知したときの検出データtk01−rとの平均値を算出することで、トナー像の中央位置tk01−cを算出する。同様な処理を速度変動検知用画像のトナー像の数n(整数)分行って、tk01−c、tk02−c、tk03−c・・・tk(n)−cを求める(図20(b)参照)。また、同様な処理を行って、M色の速度変動検知用画像の各トナー像の中央位置tm01−c、tm02−c、tm03−c・・・tm(n)−cを求める。このときの検出データと検出位置(検出データのアドレス)との関係は、図21(a)に示すように、検出データのアドレスが増えるにつれて、検出データの値が増えるような傾いたデータが得られる。
速度変動検知用画像の各トナー像の中央位置を算出したら、制御部150は、パターン間隔を演算する(S64)。K用の速度変動検知用画像を例に具体的に説明すると、tk02−cからtk01−cを減算することで、アドレス1のパターン間隔K1が得られる。同様な処理を行って、K2、K3、K4・・・・K(n−1)のパターン間隔を演算する(図20(c)参照)。また、同様な処理を行って、M色のパターン間隔M1、M2、M3・・・・M(n−1)を算出する。その結果、図21(b)に示すように、感光体の平均速度と速度変動とが重畳したデータを得ることができる。
次に、制御部150は、オフセット補正を行う(S65)。K用の速度変動検知用画像を例に具体的に説明すると、パターン間隔の平均値OffsetKを算出し、パターン間隔K1、K2・・・K(n−1)からパターン間隔の平均値OffsetKを減算することで、OK1、OK2、OK3・・・OK(n−1)を得て、このOK1、OK2、OK3・・・OK(n−1)をK色の速度変動データとして、メモリに格納する。また、同様に、M色のパターン間隔の平均値OffsetMを算出して、OM1、OM2、OM3・・・OM(n−1)を得て、これらをM色の速度変動データメモリに保存する。このようなオフセット補正処理を行うことで、図21(c)に示すように、感光体の速度変動データのみにすることができる。
制御部150は、K色、M色について「速度検知用画像の計測」が終了したら、「速度検知用画像の計測」が、読取エラーと判定したか否かを検知して、読取エラーと判定していた場合は、操作表示部152に失敗表示を行う(S41)。そして、制御部150は、K用感光体の回転基準位置と、カラー感光体の回転基準位置との位相差を前回の設定に設定し(S42)、設定された位相差となるように、K用感光体モータ190Kおよび/またはカラー用感光体モータ190YMCを駆動制御する(S43)。
一方、読取エラーと判定されなかった場合(S39のNO)、制御部150は、回転位置センサ191K,191YMCが回転基準位置を検知したタイミングでK用感光体モータ190K、カラー感光体モータ190YMCをそれぞれ停止させる(S44〜S45)。次に、各感光体3Y〜3Kが停止したら、制御部150は、図17に示すように、各色の感光体3Y〜3Kを同じ回転速度で回転させて(S46)、回転位置センサ191K,191YMCが回転基準位置を検知したタイミングに基づいてY、C色の速度変動検知用画像の潜像形成を開始する(S47)。そして、Y、C色について、上述同様「速度検知用画像の計測」を実行する。検出データty01−f、ty01−r、ty02−f、ty02−r・・・・ty(n)−f、ty(n)−rまたはtc01−f、tc01−r、tc02−f、tc02−r・・・・tc(n)−f、tc(n)−rの検出に失敗した場合(S49のYES)は、読取エラーとして、操作表示部152に失敗表示を行い、前回の位相差に設定する(S50〜S52)。
一方、所定数の検出データが得られた場合は、「速度検知用画像の計測」にて、Y色感光体の速度変動データOY1、OY2、OY3・・・OY(n−1)およびC色感光体の速度変動データOC1、OC2、OC3・・・OC(n−1)を演算して、メモリに格納する。
また、制御部150は、回転位置センサ191K,191YMCが回転基準位置を検知したタイミングでK用感光体モータ190K、カラー感光体モータ190YMCをそれぞれ停止させる(SS53〜S54)。
「速度検知用画像の形成と計測」が終了したら、制御部150は、「位相・振幅算出」を実行する(S25)。
図22は、「位相・振幅算出」の実行フローである。
本実施形態においては、各感光体3Y〜3Kの1回転変動成分の振幅と位相を直交検波処理で抽出する。
図23は、直交検波処理の基本構成部分を示すブロック図である。
まず、制御部150は、K用感光体の速度変動パターンの位相と振幅を直交検波処理にて抽出する(S71)。まず、メモリに格納したK色の速度変動データOK1、OK2、OK3・・・OK(n−1)を図23の入力信号120として用いる。発振器121は、検出したい周波数成分、ここでは、感光体3K一回転周期の周波数(ωo/2π)で、かつ、回転位置センサ191Kが回転基準位置を検知したタイミングに基づく位相で発振して、第1乗算器123aと90°位相シフト器122に出力する。感光体3Kの回転周期(2π/ωo)は、感光体3Kの回転基準位置の検出信号間隔を計測することで正確に求めることができる。第1乗算器123aは、入力信号120と発振器121から出力された発振周波数の信号とを乗算し、第2乗算器123bは、入力信号120と90°位相シフト器122から出力された信号とを乗算する。すなわち、乗算器123a,123bによって、入力信号120を感光体ドラムの同相成分(I成分)の信号と直交成分(Q成分)の信号に分離しており、第1乗算器123aからの出力がI成分であり、第2乗算器123bからの出力がQ成分である。
第1LPF126aは、第1乗算器123aで乗算された信号について低周波帯域の信号のみを通過させる。本実施形態においては、発振周期(2π/ωo)の整数倍周期分のデータ、ここではパターン長Pa分のデータを平滑化するローパスフィルタを設計する。第2LPF126bも同様である。このようにパターン長Pa分のデータを平滑化することで、上述した誤差要因となる駆動ローラ8の回転周期成分は平滑化処理で相殺されゼロとなる。そして、振幅演算部124は、2つの入力(I成分とQ成分)に対応する振幅Ak(t)を算出する。また、位相演算部125は、2つの入力に対応する位相Bk(t)を算出する。このAk(t)とBk(t)が感光体3Kの周期変動の振幅と回転位置センサ191Kが回転基準位置を検知したタイミングからの位相角である。
このようにして、K色の感光体の速度変動パターンの振幅Ak(t)と位相Bk(t)と算出したら、次に、M色の感光体の速度変動パターンの振幅Am(t)と位相Bm(t)とを直交検波処理で算出する(S72)。同様にして、Y色の感光体の速度変動パターンの振幅Ay(t)と位相By(t)、C色の感光体の速度変動パターンの振幅Ac(t)と位相Ac(t)を算出する。
このようにして速度変動パターンの振幅と位相の算出を直交検波処理を用いて行うことで、変動値のゼロクロスやピーク検知による手法に比べて、ずっと少ないパターン検知データから変動成分の振幅と位相の算出が可能となる。
「位相・振幅算出」の実行後における、各感光体の速度変動Xk、Xm、Xc、Xyは、以下のように表すことが出来る。
Xk=Ak・sin(θ+Bk)
Xm=Am・sin(θ+Bm)
Xc=Ac・sin(θ+Bc)
Xy=Ay・sin(θ+By)
上記式を具体的に示すと、図24(a)のようになる。なお、図24は、回転位置検知センサの信号がLOWからHIGHに切り替わるタイミングを回転基準位置としたときの各感光体の速度変動である。
カラー感光体3Y、M、Cは同一の駆動源にて駆動されているため、それぞれの位相差を変更することが出来ないが、カラー感光体3Y、3M、3Cと黒感光体3Kは別駆動源にて駆動しているため、K−M間、K−C間、K−Y間では位相差を変更することが可能である。そこで、Y、C、M色に対して、K色の色ずれが、最小となるK色の速度変動の位相を特定する「感光体位相制御値の設定」を実行する。
図25は、「感光体制御位相値の設定」の実行フロー図である。
まず、K用感光体3Kの速度変動Xkを以下のように当てはめる。
Xk=Ak・sin(θ+Bk+α)
0≦α<360
次に、制御部150は、図26に示すように、α=0°のときのK−C間の最大振幅差Cp0、K−Y間の最大振幅差Yp0、K−M間の最大振幅差Mp0をそれぞれ算出する(S81)。次に、制御部150は、最大振幅差Cp0、Yp0、Mp0の平均値S0を算出し(S82)、最大振幅差Cp0、Yp0、Mp0の最大値P0を特定する(図26の例では、P0=Yp0)(S83)。次に、この最大振幅差の最大値P0を最大振幅差の最大値の最小値Pmとして、メモリに格納する(S85)。また、S0を最大振幅差の平均値の最小値Smとしてメモリに格納する(S86)。また、このときのαの値もメモリに格納する。次に、α=1°として、上述同様、最大振幅差Cp1、Yp1、Mp1を求めて、最大振幅差Cp1、Yp1、Mp1の平均値S1、最大振幅差の最大値P1を求める(S81〜S83)。次に、制御部150は、メモリに格納したPmと、最大振幅差の最大値P1とを比較する。比較の結果、メモリに格納したPmよりも最大振幅差の最大値P1の値が小さい場合(S89のYES)、最大振幅差の最大値P1を、最大振幅差の最大値の最小値Pmとして、最小値Pmを更新するとともに、そのときの平均値S1を最大振幅差の平均値の最小値Smとして、最小値Sm更新する(S85〜S86)。また、αの値も更新する。
一方、最大振幅差の最大値の最小値Pmが、α=1のときの最大振幅差の最大値P1よりも大きくない場合(S89のNO)は、最大振幅差の最大値の最小値Pmが、最大振幅差の最大値P1よりも小さいか否かを判定する。最大振幅差の最大値の最小値Pmが、小さい場合(S89のYES)、αの値をひとつインクリメントして、S81以降のステップを繰り返す。
一方、最大振幅差の最大値の最小値Pmが、最大振幅差の最大値P1よりも小さくない、すなわち、Pm=P1のときは、メモリに格納された最大振幅差の平均値の最小値Smが、α=1°のときの最大振幅差の平均値S1以上か否かを判定する。最大振幅差の平均値の最小値Smが、最大振幅差の平均値S1以上の場合(S91のYES)、最大振幅差の最大値P1を、最大振幅差の最大値の最小値Pmとして、最小値Pmを更新するとともに、そのときの平均値S1を最大振幅差の平均値の最小値Smとして、最小値Sm更新する(S85〜S86)。一方、最大振幅差の平均値の最小値Smが、最大振幅差の平均値S1よりも小さい場合(S91のNO)、αの値をひとつインクリメントして、S81以降のステップを繰り返す。
そして、図27に示すように、α=359°となるまで、K−M間の最大振幅差Mpα、K−C間の最大振幅差Cpα、K−C間の最大振幅差Ypα、平均値Sα、最大値Pαをそれぞれ求め、メモリに格納された最大振幅差の最大値の最小値Pmと、最大振幅差の平均値の最小値Smとを比較していき、最大振幅差の最大値が最小で、その最小となる位相のうちで最大振幅差の平均値が最小となる位相を特定する。図24(b)、(c)に示すように、αの値が変わり、黒の位相(回転基準位置対する位相)が変化すると、K色の速度変動と各色との速度変動との関係が変化し、K−C間の最大振幅差Cp、K−Y間の最大振幅差Yp、K−M間の最大振幅差Mpが変化する。よって、0°〜359°αを変化させることで、最大振幅差の最大値が最小で、その最小となる位相のうちで最大振幅差の平均値が最小となる位相を精度よく特定することができる。
このようにして、α=359°となったら(S87のYES)、現在メモリに格納されたαを、最大振幅差の最大値が最小となり、最小となる位相のうちで最大振幅差の平均値が最小となる位相として特定する(S92)。このように、「感光体制御位相値の設定」で、位相を特定したら、図15に示すように、感光体の駆動制御を行う。具体的には、図17に示すように、「速度検知用画像の形成と計測」の実行時において、基準回転位置が検知されたタイミングで各感光体が停止しているので、K用感光体モータ190Kのみを特定した制御位相(角度)分回転駆動させて、位相調整(回転位置の調整)を行う。また、例えば、特定した位相が、180°≦α≦359°のときは、カラー感光体モータ190YMCを制御位相分、回転駆動させて、位相(回転位置)調整してもよい。
また、上述では、K用感光体の速度変動の位相を0°〜359まで変化させているが、カラー用感光体Y、C,Mの速度変動の位相を0°〜359まで変化させて最適な位相を特定してもよい。
また、上述の「感光体制御位相値の設定」処理においては、予め各位相の最大振幅差の平均値Sαを算出しているが、例えば、まず、最大振幅差の最大値が最小となる位相を特定し、特定した位相が複数ある場合にこれら特定した位相の最大振幅差の平均値をそれぞれ算出するようにしてもよい。
このようにして、位相の調整が終了したら、図14に示すように、タイミング補正処理を実施して、主走査方向(レーザー光による走査方向)の位置ずれ、副走査方向(ベルト移動方向)の定常的な位置ずれ、主走査方向の倍率誤差、主走査方向からのスキューをそれぞれ補正する。
例えば、図28に示すように、最大振幅差の最大値が最小となるK色の感光体の速度変動の位相が、図中太線(K1)と細線(K2)と2つある場合、先願(特願2006−131184号)における「感光体制御位相値の設定」処理においては、図中細線(K2)の位相に特定される場合がある。K色感光体の速度変動が図中細線(K2)となるように位相が調整された場合は、図に示すように、K−M間の最大振幅差Mpα2、K−C間の最大振幅差Cpα2、K−Y間の最大振幅差Ypα2ともに、値が約42となる。
一方、本実施形態においては、最大振幅差の最大値が最小となる位相が複数ある場合は、平均値Sαが最小となる値をとる。図中太線(K1)の場合は、K−M間の最大振幅差Mpα1、K−C間の最大振幅差Cpα1の値は、約42であり、K−Y間の最大振幅差Ypα1の値が約18であり、平均値Sαが約34である。図中細線(K2)における平均値Sαが42であるので、本実施形態の感光体制御位相値の設定」処理においては、K色感光体の速度変動が図中太線(K1)となるように位相が調整される。図中太線(K1)に調整されることで、K色感光体の速度変動が図中細線(K2)となるように位相が調整された場合に比べて、K−Y間の色ずれを抑えることができる。よって、本実施形態のように、最大振幅差の最大値が最小となるK色の感光体の速度変動の位相が複数ある場合において、平均値が最小となる位相を制御位相として設定することで、色ずれが低減されることがわかる。
本実施形態においては、各感光体停止時において、カラー感光体3Y、3M、3Cは、カラー用回転位置センサ191YMCが回転基準位置を検知したタイミングで停止するようにカラー感光体モータ191YMCを制御し、回転位置センサ191Kが回転基準位置を検知してから、制御位相にもとづいて算出した目標停止時間経過したタイミングで停止するように、K用感光体191Kを制御する。
また、カラー画像形成開始前に、黒用感光体をカラー用感光体よりも早く回転させて、黒の回転基準位置の検知タイミングが、カラーの回転基準位置の検知タイミングの検知タイミングに対して制御位相にもとづいて算出した検知タイミング差となったら、黒用感光体とカラー用感光体とを等速で回転するように黒用感光体モータ190Kを制御する。そして、カラー画像を形成するようにしてもよい。
また、感光体の交換検知手段としては、図8に示すものに以外に、図29に示すようなものであっても良い。図29に示す交換検知手段は、ギヤ232、これと噛み合うピニオン233、プッシュスイッチ234などによって構成されている。これらのうち、ギヤ232、ピニオン233はプロセスユニット1の側面に設けられている。このプロセスユニット1は、感光体、現像装置、ドラムクリーニング装置(いずれも図示せず)を内部に収容している。感光体3、現像装置、ドラムクリーニング装置の何れかが寿命に達した場合は、これらが一体に交換されるようになっているのである。一方、プッシュスイッチ234は、プリンタ本体内に固定されている。交換に伴って新品のプロセスユニット1がプリンタ本体にセットされると、ピニオン234がプッシュスイッチ234を押下する。ギヤ32はプリンタ本体内31内の図示しないモータからカートリッジ内に駆動を伝達するためのもので、プリントプロセスの開始に伴ってギヤ232が回転すると、ピニオン234がギヤ232との噛み合いを解かれる位置まで移動してそこに固定されるようになっている。このように固定されたピニオン234は、プッシュスイッチ234を押下しなくなる。この後、プロセスユニットの着脱操作が行われても、ピニオン234は固定されたままなので、プッシュスイッチ234を押下するようなことがない。よって、プッシュスイッチ234が押下されるのは、新品のプロセスユニットがプリンタ本体に対して初めて装着されるときだけであり、プッシュスイッチ234の押下によって感光体3の交換が検知されるのである。
また、プロセスユニット1や、装置本体の感光体駆動部200の着脱を検知する着脱検知手段を装置本体に設けてもよい。着脱検知手段として、プロセスユニットや感光体駆動部200を装置本体から取り出すための開閉ドアの開閉を検知する開閉検知手段を設けてもよい。
図30(a)(b)は、開閉検知手段の一例を示す図である。開閉検知手段は、スイッチユニット300と、プロセスユニット1または感光体駆動部200を着脱するときに開閉するカバー部材である開閉ドア350に設けられた押し当て棒350aと制御部150とで構成されている。
スイッチユニット300は、装置本体301に取り付けられたブラケット320にスイッチ310と、弾性部材330とが取り付けられている。スイッチ310は、ブラケット320に回転自在に取り付ける。スイッチ310のドア側側面には、ドア側に付勢されたボタン311と、このボタン311と当接するレバー312とを備えている。ボタン311がスイッチ内部にあるときは、スイッチがON状態となる。このボタン311がスイッチ310から突出している状態のときは、スイッチがOFF状態となる。レバー312は、このボタン311と当接して、ボタン311を容易にドアスイッチ内部へ移動させるために設けられている。このレバー312でボタン311を押すことで、ボタン311がスイッチ内部に移動し、スイッチがON状態となる。
弾性部材330は、ブラケット320の背面部322に取り付けられており、スイッチ310の装置本体側側面と当接している。
図30(a)に示す矢印a方向に開閉ドア350を移動させて、開閉ドア350を閉めていくと、押し当て棒350aが孔部360を貫通してレバー312と当接する。更に矢印a方向に開閉ドア350を移動させて、開閉ドア350を閉めていくと、レバー312が押し当て棒50aによって装置本体側へ移動させられる。レバー312が装置本体側へ移動すると、ボタン311がレバー312によってスイッチ内部へ移動する。そして、レバー312がボタン311をスイッチ内部へ約半分くらい押し込んだところで、スイッチ310がOFF状態からON状態に切り換わる。スイッチ310がON状態のときは、制御部150に信号が送られており、スイッチ310がOFF状態になると、信号が遮断される。制御部150は、信号が遮断されたことを検知することで、開閉ドア350が開いたことを検知する。そして、制御部150は、スイッチ310がOFF状態からON状態に切り換わり、制御部150に信号が伝達されるようになったら、駆動伝達部材200が交換されたり、プロセスユニット1が着脱されたりした可能性があるので、上述の「位相調整」を実施する。
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、制御位相に基づいて第1駆動源たるK用感光体モータおよび/または第2駆動源たるカラー感光体モータの駆動を制御して、一つの像担持体たるK用感光体と残りの像担持体たるカラー感光体との回転位置を変更するので、黒用感光体の回転位置がカラー用感光体と制御位相分ずらすことができる。これにより、黒用感光体の速度変動の位相を、最大振幅差の最大値が最小となる位相にすることができる。よって、黒用感光体に形成される可視像と、カラー用感光体にそれぞれ形成される可視像のひとつとが大きく色ずれするのを抑制することができる。さらに、制御位相は、最大振幅差の最大値が最小となる位相のうちで、最大振幅差の平均値が最小となる位相でもある。よって、黒用感光体に形成される可視像と、カラー用感光体にそれぞれ形成される可視像との色ずれを最小限に抑えることができる。
また、本実施形態の画像形成装置によれば、位相調整手段たる制御部は、最大振幅差の最大値Pが最小となる黒用感光体の速度変動データの位相が一つの場合は、その位相を制御位相に設定し、最大振幅差の最大値Pが最小となる位相が複数ある場合は、前記最大振幅差の最大値が最小となる複数の位相のうち最大振幅差の平均値Sが最小となる位相を制御位相に設定する。これにより、K色に対するY、M、C色の色ずれを最小限にすることができる。
また、制御部150は、検出されたY、M、C、K色の感光体の表面移動速度変動データに直交検波処理を施して、各色の感光体の表面移動速度変動の振幅と位相とを演算することで、変動値のゼロクロスやピーク検知による手法に比べて、ずっと少ないパターン検知データから変動成分の振幅と位相の算出が可能となる。これにより、処理能力が低いCPUや、メモリ容量の小さいものを使用することが可能となりが制御部150を安価に構成することが可能となる。
また、被検知部材検知手段たる回転位置センサが被検知部材たる突状のフィラーを検知したタイミングに基づいて、速度変動検知用画像の形成を開始する。これにより、設定された制御位相にするためのK用感光体モータ、カラー感光体モータの駆動制御を回転位置センサが突状のフィラーを検知したタイミングに基づいて行うことができる。
また、回転位置センサが被検知部材たる突状のフィラーを検知した、タイミングで、各感光体モータを停止させてから、制御位相設定処理を開始する。これにより、制御位相設定処理の時間を短縮するために、中間転写ベルト上に、Y、M、C色いずれかの速度変動検知用画像の直ぐ後にK色の速度変動検知用画像を形成するよう制御する場合や、中間転写ベルトの一端に形成したY、M、C色いずれかの速度変動検知用画像し、中間転写ベルト他端に、一端に形成した速度変動検知用画像と副走査線方向における位置が同じとなるようにK色の速度変動検知用画像を形成するよう制御した場合に次のような効果が得られる。すなわち、回転位置センサが突状のフィラーを検知して、速度変動検知画像を形成するタイミングを常に同じタイミングにすることができる。これにより、制御位相設定処理の時間を短縮するように速度変動検知用画像を形成したときに、速度変動パターンなどを補正する必要がなくなり、制御位相設定処理を簡単にすることができる。
また、本実施形態の画像形成装置によれば、一つの像担持体に形成される可視像の色が黒色であるので、モノクロプリント時においては、黒用の感光体だけを駆動させるようにすることができる。よって、他の感光体やモータの消耗を抑えたり、省エネルギー化を図ったりすることができる。また、黒に対する各色の色ずれが抑制されるので、色ずれを目立ちにくくすることができる。
また、本実施形態の画像形成装置によれば、制御位相特定処理の前に、主走査方向(レーザー光による走査方向)の位置ずれ、副走査方向(ベルト移動方向)の定常的な位置ずれ、主走査方向の倍率誤差、主走査方向からのスキューをそれぞれ補正するタイミング補正処理を実施する。これにより、速度変動検知用画像から、精度よく各感光体の速度変動パターンを検出することができる。
また、制御位相特定処理の後に、タイミング補正処理を実施することで、位置ズレ検知用画像から、各色の位置ずれ量を精度よく検出することができる。
また、位置ズレ検知用画像の検知結果に基づいて、第1駆動源たるK用感光体モータと第2駆動源たるカラー感光体モータとの駆動速度を決定する。これにより、位置ズレ量に応じた線速差を、K用感光体モータに駆動されるK用感光体と、カラー感光体モータによって駆動されるY、M、C色との間に設けることができる。これにより、各感光体に対する光書込開始タイミングの補正では補正できない1/2ドット未満のK色と、YMC色との間の副走査線方向の定常的な色ずれを低減することができる。また、
また、制御位相調整処理実施時は、K用感光体モータとカラー用感光体モータとを同じ速度で駆動させる。K用感光体モータとカラー用感光体モータとの間に速度差をもたせた場合は、K用感光体に形成した速度変動検知用画像から検出した速度変動データたる速度変動パターンと、Y、M、Cの感光体に形成した速度変動検知用画像から検出した速度変動パターンとの周期長を同じにすることができる。これにより、検出した各色の速度変動パターンから、K色とY、M、C色との間の色ずれを最小限にすることのできる制御位相を設定することができる。
また、本実施形態においては、各感光体、または、感光体駆動部200を構成する部材が、装置本体から着脱されたことを検知したら、制御位相設定処理を実施する。これにより、感光体や感光体駆動部を構成する部材が着脱された後の色ずれを目立ち難くすることができる。
また、各感光体、または、感光体駆動部200を構成する部材が、交換されたことを検知したら、制御位相設定処理を実施することで、感光体や感光体駆動部を構成する部材が交換された後の色ずれを目立ち難くすることができる。
また、各感光体、または、感光体駆動部200を交換するときに開閉されるカバー部材の開閉を検知したら、制御位相設定処理を実施することで、各感光体または感光体駆動部200が着脱または交換されたときの制御位相設定処理を実施することができる。
手動指示手段たる操作表示部から制御位相設定処理を実施することができるので、画像の色ずれが悪化したときなど、任意なタイミングで制御位相設定処理を実施することができる。
第1実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。 同プロセスユニットを示す斜視図。 同プロセスユニットの現像ユニットを示す斜視図。 同プリンタの感光体駆動部を示す概略構成図。 駆動部材に突状のフィラーを取り付けて、回転位置センサでフィラーを検知することで、感光体の回転基準位置を検知するようにした例を示す図。 (a)は、黒用プロセスユニットが装置本体に装着される様子を示す概略斜視図。(b)は、Y用プロセスユニット、M用プロセスユニット、C用プロセスユニットが装置本体に装着される様子を示す概略斜視図。 (a)はプロセスユニットが新品で複写機に装着された直後の状態を、(b)は装着後に帯電ローラが回転駆動された後の状態を示した図。 同プリンタの電気回路の一部を示すブロック図。 同プリンタにおける中間転写ベルトの一部を、光学センサユニットとともに示す斜視図。 同プリンタによって形成される位置ズレ検知用画像を示す拡大模式図。 (a)、(b)は、位置ずれの様子を説明する図。 同プリンタの制御フローの一部を示す図。 「位置調整」の実行フローを示す図。 位置調整処理の実行フローを示す図。 速度検知用画像の形成と計測の実行フローを示す図。 速度検知用画像の形成と計測の実行フローの続きを示す図。 同プリンタによって形成されるK用の速度変動検知用画像を示す平面模式図。 速度検知用画像の計測の実行フローを示す図。 (a)光学センサによる速度検知用画像の検出データについて説明する図。(b)は、トナー像中央位置算出処理後のデータについて説明する図。(c)は、トナー像間隔演算後のデータについて説明する図。 (a)は、トナー像中央位置算出処理後の速度変動データの一例を示す図。(b)は、トナー像間隔演算後の速度変動データの一例を示す図。(c)は、オフセット補正処理後の速度変動データの一例を示す図。 位相・振幅算出の実行フローを示す図。 直交検波処理の基本構成部分を示すブロック図。 (a)は、各感光体の速度変動を示す図。(b)は、黒の速度変動の位相を45°ずらしたときの各感光体の速度変動を示す図。(c)は、黒の速度変動の位相を45°ずらしたときの各感光体の速度変動を示す図。 感光体位相制御値の特定の実行フローを示す図。 (a)は、α=0°のときのK−C間の速度変動の一例を示す図。(b)は、α=0°のときのK−Y間の速度変動の一例を示す図。(c)は、α=0°のときのK−M間の速度変動の一例を示す図。 感光体位相制御値の特定の実行の算出データを示す図。 最大振幅差の最大値が最小となるK色の感光体の速度変動の位相が複数ある一例を示す図。 交換検知手段の他の例を示す図。 開閉手段の一例を示す図。
符号の説明
1Y,C,M,K:プロセスユニット(可視像形成手段の一部)
3Y,C,M,K:感光体(像担持体)
40:転写ユニット(転写手段)
41:中間転写ベルト(無端移動体)
20:光書込ユニット(可視像形成手段の一部)

Claims (15)

  1. 可視像を表面に担持して表面移動する3つ以上の像担持体と、
    それら像担持体のうち、一つの像担持体を回転駆動させるための駆動力を発生する第1駆動源と、
    残りの像担持体を回転駆動させるための駆動力を発生する第2駆動源と、
    画像情報に基づいて、それぞれの像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、
    それぞれの像担持体に担持された可視像を転写体の表面に重ね合わせて転写する転写手段と、
    前記転写体の表面上の可視像を検知する像検知手段とを備える画像形成装置において、
    予め定められた前記像担持体の表面移動方向に並んだ複数の速度変動検知用可視像かをそれぞれの像担持体に形成して前記転写体の表面に転写し、
    前記像検知手段による各速度変動検知用可視像の検知時間間隔に基づいて各像担持体表面移動速度変動データを検出し、
    検出した前記一つの像担持体の表面移動速度変動データの位相を変化させるか、前記残りの像担持体の表面移動速度変動データの位相を一緒に変化させるかして、各位相における前記一つの像担持体の表面移動速度変動データに対する前記残りの像担持体のそれぞれの表面移動速度変動データの最大振幅差を前記残りの像担持体毎にそれぞれ演算し、
    演算した同じ位相における前記残りの像担持体の各最大振幅差間での最大値と、平均値とを求める処理を、すべての位相に対して行い、
    求めた位相毎の最大値の中から、その最大値が最小となる位相を特定し、特定した位相が一つとなる場合は、その位相を制御位相に設定し、特定した位相が複数になる場合は、それらの位相の中で前記平均値が最小となる位相を制御位相に設定する制御位相設定処理を実施する制御位相設定手段と、
    前記制御位相に基づいて前記第1駆動源および/または前記第2駆動源の駆動を制御することで、前記一つの像担持体と残りの像担持体との回転位置を変更する駆動制御手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記制御位相設定手段は、検出された各像担持体表面移動速度変動データに直交検波処理を施して、各像担持体表面移動速度変動の振幅と位相とを演算し、前記直交検波処理によって得られた各像担持体表面移動速度変動の振幅と位相とに基づいて前記最大振幅差を演算することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2の画像形成装置において、
    前記一つの像担持体と、前記残りの像担持体の一つにそれぞれ固定され、前記像担持体の回転に伴って周回軌道上を移動する被検知部材と、前記周回軌道上の一部で前記被検知部材を検知する被検知部材検知手段とを備え、
    制御位相設定手段は、前記被検知部材検知手段が前記被検知部材を検知したタイミングに基づいて、速度変動検知用画像の形成を開始することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3の画像形成装置において、
    前記被検知部材検知手段の検知結果に基づいて、第1駆動源および第2駆動源を停止させてから、位相調整処理を実施することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4いずれかひとつの画像形成装置において、
    前記1つの像担持体に形成される可視像の色が黒色であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5いずれかひとつの画像形成装置において、
    予め定められた位置ズレ検知用可視像をそれぞれの像担持体に形成して前記転写体の表面に転写して、前記像検知手段による各位置ズレ検知用可視像の検知タイミングに基づいてそれぞれの像担持体上の可視像が前記転写体に転写されるタイミングを補正して、それぞれの可視像の位置ズレを低減するタイミング補正処理を実施する制御手段を備え、
    前記制御位相設定手段は、前記タイミン補正処理実施後に、前記制御位相設定処理を実施することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6いずれかひとつの画像形成装置において、
    予め定められた位置ズレ検知用可視像をそれぞれの像担持体に形成して前記転写体の表面に転写して、前記像検知手段による各位置ズレ検知用可視像の検知タイミングに基づいてそれぞれの像担持体上の可視像が前記転写体に転写されるタイミングを補正して、それぞれの可視像の位置ズレを低減するタイミング補正処理を実施する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記制御位相設定処理に、前記タイミング補正処理を実施することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項6または7の画像形成装置において、
    前記駆動制御手段は、前記像検知手段による位置ズレ検知用画像内の各可視像の検知タイミングに基づいて前記第1駆動源の駆動速度と前記第2駆動源の駆動速度とをそれぞれ個別に決定し、前記第1駆動源及び第2駆動源をそれぞれ決定した駆動速度で駆動するように制御することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8の画像形成装置において、
    前記駆動制御手段は、前記制御位相設定処理実施時、前記第1駆動源の駆動速度と前記第2駆動源の駆動速度とを同じ速度で駆動するように制御することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至9いずれかひとつの画像形成装置において、
    前記像担持体、または前記第1駆動源の駆動力を前記一つの像担持体に伝達するための第1駆動伝達部材若しくは前記第2駆動源の駆動力を前記残りの像担持体に伝達するための第2駆動伝達部材が、装置本体から着脱されたことを検知する着脱検知手段を備え、
    前記制御位相設定手段は、前記着脱検知手段が着脱を検知したときに、前記制御位相設定処理を実施することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10の画像形成装置において、
    前記着脱検知手段は、前記像担持体、または前記第1駆動伝達部材若しくは前記第2駆動伝達部材の交換を検知する交換検知手段であることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項10または11の画像形成装置において、
    前記着脱検知手段は、前記像担持体、または前記第1駆動伝達部材若しくは前記第2駆動伝達部材を装置本体から着脱するときに開閉されるカバー部材の開閉を検知する開閉検知手段であることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1乃至12いずれかひとつの画像形成装置において、
    前記制御位相設定処理の実施をユーザーが指示することができる手動指示手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項1乃至13いずれかひとつの画像形成装置において、
    前記像担持体と、帯電装置、現像装置、クリーニング装置のうち少なくとも一つとを一体的に装置本体から着脱可能に構成されたプロセスカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置。
  15. 可視像を表面に担持して表面移動する3つ以上の像担持体と、
    それら像担持体のうち、一つの像担持体を回転駆動させるための駆動力を発生する第1駆動源と、
    残りの像担持体を回転駆動させるための駆動力を発生する第2駆動源と、
    画像情報に基づいて、それぞれの像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、
    それぞれの像担持体に担持された可視像を転写体の表面に重ね合わせて転写する転写手段と、
    前記転写体の表面上の可視像を検知する像検知手段とを備える画像形成装置における前記一つの像担持体と残りの像担持体との回転位置を調整する回転位置調整方法において、
    予め定められた前記像担持体の表面移動方向に並んだ複数の速度変動検知用可視像かをそれぞれの像担持体に形成して前記転写体の表面に転写する工程と、
    前記像検知手段による各速度変動検知用可視像の検知時間間隔に基づいて各像担持体表面移動速度変動データを検出する工程と、
    検出した前記一つの像担持体の表面移動速度変動データの位相を変化させるか、前記残りの像担持体の表面移動速度変動データの位相を一緒に変化させるかして、各位相における前記一つの像担持体の表面移動速度変動データに対する前記残りの像担持体のそれぞれの表面移動速度変動データの最大振幅差を前記残りの像担持体毎にそれぞれ演算する工程と、
    演算した同じ位相における前記残りの像担持体の各最大振幅差間での最大値と、平均値とを求める処理を、すべての位相に対して行う工程と、
    求めた位相毎の最大値の中から、その最大値が最小となる位相を特定し、特定した位相が一つとなる場合は、その位相を制御位相に設定し、特定した位相が複数になる場合は、それらの位相の中で前記平均値が最小となる位相を制御位相に設定する工程と、
    前記制御位相に基づいて前記第1駆動源および/または第2駆動源の駆動を制御することで、前記一つの像担持体と残りの像担持体との回転位置を調整する工程とを有することを特徴とする回転位置調整方法。
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