JP2008250071A - 電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
【課題】光疲労の少ない電子写真用感光体を提供すること。
【解決手段】導電性支持体上に電荷発生剤と電荷移動剤を含有する感光層からなる電子写真感光体において、前記感光層が9−フルオレンジフェニルヒドラゾンを有し、電荷移動剤として、テトラフェニルビフェニルジアミン化合物を有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし
【解決手段】導電性支持体上に電荷発生剤と電荷移動剤を含有する感光層からなる電子写真感光体において、前記感光層が9−フルオレンジフェニルヒドラゾンを有し、電荷移動剤として、テトラフェニルビフェニルジアミン化合物を有することを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真方式のプリンター、複写機などに用いられる電子写真用感光体に係り、特に光疲労の少ない感光体に関する。
電子写真用感光体(以下「感光体」ということもある。)には、暗所で表面電荷を保持する機能、光を受容して電荷を発生する機能、同じく光を受容して電荷を輸送する機能とが必要であるが、一つの層でこれらの機能を併せ持ったいわゆる単層型感光体と、主として電荷発生に寄与する層と暗所での表面電荷と光受容時の電荷移動に寄与する層とに機能分離した層を積層したいわゆる機能分離積層型感光体とがある。
これらの感光体を用いた電子写真法による画像形成には、例えばカールソン方式が適用される。この方式での画像形成は、暗所での感光体へのコロナ放電による帯電、帯電された感光体表面上への原稿の文字や絵などの静電潜像の形成、形成された静電潜像のトナーによる現像、現像されたトナー像の紙などの支持体への定着により行われ、トナー像転写後の感光体は除電、残留トナーの除去、光除電などを行った後、再使用に供される。
近年、可とう性、熱安定性、成膜性などの利点により、有機物質を用いた電子写真用感光体が実用化されてきた。最近においては、感光層として電荷発生剤を含有する電荷発生層と電荷移動剤を含有する電荷移動層からなる機能分離積層型感光体が主流となっており、中でも有機顔料を電荷発生剤として蒸着層または樹脂中に分散させた層を電荷発生層とし、有機低分子化合物を電荷移動剤として樹脂中に分散させた層を電荷移動層として用いる負帯電型感光体が数多く提案されている。
有機物質は、無機物質にはない多くの長所を持つが、また同時に電子写真用感光体に要求されるすべての特性を充分に満足するものが得られていないのが現状である。即ち繰り返し使用による帯電電位の低下、残留電位の上昇、感度変化等により、画像品質の劣化が引き起こされる。この劣化の原因について全てが解明されているわけではないが、要因の一つとして像露光、除電ランプ光に繰り返し晒されること、さらにメンテナンス時に蛍光灯や外部光に晒されることにより電荷移動剤等が分解するもしくは電荷発生層が可逆的変化を起こすことが考えられる。このような光による劣化の抑制のために表面層となる電荷移動層や感光層に色素材料や特定の電荷移動剤を添加する提案がなされ、電荷移動層界面にオレンジ色素を含有させること(例えば、特許文献1参照。)や感光層中へ特定骨格のヒドラゾン化合物とフルオレン化合物を含有させること(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。しかしながら、これらの従来技術によってもいまだ十分な効果が得られていないのが現状である。
特開昭63−92956号公報
特開昭63−271452号公報
本発明は、上述の点に鑑みてなされ、その目的は、光疲労の少ない電子写真用感光体を提供することにある。
上述の目的は、導電性支持体上に電荷発生剤と電荷移動剤を含有する感光層からなる電子写真感光体において、前記感光層が式[I]で表される化合物を有し、電荷移動剤として、一般式[II]で表される化合物を有することにより達成される。
本発明によれば、光照射により、式〔I〕の化合物と一般式〔II〕の電荷移動剤とが感光層に含まれることで、式〔I〕の化合物の耐光性効果と、一般式〔II〕の電荷移動剤との組み合わせによる相乗効果で安定した感光体特性が得られ、特に光疲労が低減できるものと考えられる。
式[I]
一般式[II]
〔式中、R1及びR2は、各々同一であっても異なっていてもよく、各々独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、もしくはフェニル基を表す。また、R3は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、もしくはアルコキシ基を表し、R4は、水素原子、塩素原子、メチル基、又はメトキシ基のいずれかを表す。〕
式[I]
一般式[II]
〔式中、R1及びR2は、各々同一であっても異なっていてもよく、各々独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、もしくはフェニル基を表す。また、R3は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、もしくはアルコキシ基を表し、R4は、水素原子、塩素原子、メチル基、又はメトキシ基のいずれかを表す。〕
感光層中における本発明の式〔I〕の化合物との電荷移動剤と混合割合は、電荷移動剤に対して式〔I〕の化合物が0.5〜5.0重量%、好ましくは1.0〜3.0重量%の範囲がよい。0.5%以下であれば光疲労効果がなく、5%を超えると感光体中の残留電位が上昇し、画像濃度低下等の不具合が生じる。
本発明によれば、特定の化合物と特定の電荷移動剤との組み合わせにより、電子写真感光体が像露光、除電ランプ光による繰り返し露光、さらにメンテナンス時に蛍光灯や外部光による光ストレスによる感光体表面層の劣化を抑制し、感光体の帯電、感度、残留電位などの電子写真特性に影響を与えることなく、光疲労のない電子写真用感光体が得られる。
本発明の感光体は、コロトロン、スコロトロン等の非接触帯電方式、ローラー、ブラシ等の接触帯電方式、さらには磁性一成分、非磁性一成分、二成分現像方式を具備する各種方式に適用され特に除電光を有する複写機、プリンターにおいて顕著な効果が得られる。
本発明の感光体は、コロトロン、スコロトロン等の非接触帯電方式、ローラー、ブラシ等の接触帯電方式、さらには磁性一成分、非磁性一成分、二成分現像方式を具備する各種方式に適用され特に除電光を有する複写機、プリンターにおいて顕著な効果が得られる。
図1は本発明の実施の形態に係る負帯電の機能分離型電子写真用感光体を示す断面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る主として正帯電の単層型電子写真用感光体を示す断面図である。1は導電性基体、2は下引き層、3は電荷発生層、4は電荷移動層、5は表面保護層、6は機能分離型の感光層、6aは単層型の感光層である。
導電性支持体1は、感光体の電極としての役目と同時に他の各層の支持体となっており、円筒状、板状、フィルム状のいずれでも良く、例えば、アルミニウム、真鍮、ステンレス鋼、ニッケル、クロム、チタン、金、銀、銅、錫、白金、モリブデン、インジウム等の金属単体やその合金の加工体、あるいはガラス、樹脂等に導電処理を施したものでも良い。
下引き層2は、樹脂を主成分とする層やアルマイト等の酸化皮膜からなり、導電性基体から感光層への不要な電荷の注入防止、基体表面の欠陥被覆、感光層との接着性の向上等の目的で必要に応じて設けられる。樹脂バインダーとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂およびこれらの共重合体などを適宜組み合わせて使用することが可能である。また樹脂バインダー中に金属酸化物微粒子等を含有してもよい。金属酸化物微粒子としては、SiO2、TiO2、In2O3 、ZrO2等を用いることが可能である。
下引き層2の膜厚は、下引き層の配合組成にも依存するが、繰り返し連続使用したときに残留電位が増大するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定できる。一般には0.1μm〜50μm、好ましくは0.5μm〜20μmの範囲がよい。
電荷発生層3は有機光導電性物質を真空蒸着または有機光導電性物質の粒子を樹脂バインダー中に分散させた塗液を塗布して形成され、光を受容し電荷を発生する。またその電荷発生効率が高いことと同時に、発生した電荷の電荷移動層4への注入性が重要で電場依存性が少なく低電場でも注入の良いことが望ましい。電荷発生層は、電荷発生機能を有すればよいので、その膜厚は電荷発生剤の光吸収係数により決まり一般的には5μm以下であり好適には1μm以下である。電荷発生層は電荷発生剤を主体としてこれに電荷移動剤などを添加して使用することも可能である。電荷発生剤としては、無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、スズフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アゾ顔料、アントアントロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、スクアリリウム顔料、チアピリリウム顔料、キナクリドン顔料などを用いることができ、またこれらの顔料を組み合わせて用いてもよい。
樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩ビ系樹脂、フェノキシ樹脂、シリコン樹脂、メタクリル酸エステル樹脂およびこれらの共重合体などを適宜組み合わせて使用することが可能である。
電荷移動層4は、樹脂バインダー中に電荷移動剤を分散させた膜であり、暗所では絶縁体層として感光体の電荷を保持し、光受容時には電荷発生層から注入される電荷を輸送する機能を発揮する。電荷移動層4は、主成分として電荷移動剤、樹脂バインダーから構成される。
本発明の一般式〔II〕の化合物の好ましい例を、表1に示す。
この場合、電荷移動層中の一般式〔II〕で表される化合物の含有量は、結着樹脂1重量部に対し、0.3〜2.0重量部とすることが好ましい。この化合物の含有量が0.3重量部より少ないと、残留電位が上昇するなど電気特性が悪化する。他方、2.0重量部より多いと、耐摩耗性等の機械特性が低下する。
さらに、一般式〔II〕で表される化合物と他の電荷移動剤とを混合して用いることもできる。この場合、一般式〔II〕の化合物と他の化合物の含有比率は、〔II〕:他の化合物=50:50〜5:95、好ましくは30:70〜5:95の範囲がよい。
本発明においては、上記電荷移動剤に以下のような化合物を含有させることもできる。ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサリン、ポリビニルベンゾチオフェン、ポリビニルアントラセン、ポリビニルアクリジン、ポリビニルピラゾリン、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリイソチアナフテン、ポリアニリン、ポリジアセチレン、ポリヘプタジイエン、ポリピリジンジイル、ポリキノリン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェロセニレン、ポリペリナフチレン、ポリフタロシアニン等の導電性高分子化合物を用いることができる。又、低分子化合物として、トリニトロフルオレノン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、キノン、ジフェノキノン、ナフトキノン、アントラキノン及びこれらの誘導体等、アントラセン、ピレン、フェナントレン等の多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、イミダゾール、等の含窒素複素環化合物、フルオレノン、フルオレン、オキサジアゾール、オキサゾール、ピラゾリン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、トリフェニルアミン、エナミン、スチルベン、ブタジエン化合物等を使用することができる。また、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリル酸等の高分子化合物にLiイオン等の金属イオンをドープした高分子固体電解質等も用いることができる。さらに、テトラチアフルバレン−テトラシアノキノジメタンで代表される電子供与性化合物と電子受容性化合物で形成された有機電荷移動錯体等も用いることができ、これらを1種だけ添加しても、2種以上の化合物を混合して添加しても所望の感光体特性を得ることができる。
電荷移動層用樹脂バインダーとしては、ポリカーボネート樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエーテル、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ニトリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル・共重合体)樹脂、ACS(アクリロニトリル・塩素化ポリエチレン・スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂及びエポキシアリレート等の光硬化樹脂等の樹脂がある。
それらは単体で用いても、共重合体を用いてもよく、また、2種以上混合して使用することも可能である。分子量の異なった樹脂を混合して用いた場合には、硬度や耐摩耗性を改善できて好ましい。また、機械的、化学的および電気的安定性、密着性などのほかに電荷移動剤との相溶性が重要である。
電荷移動層の膜厚は実用的に有効な表面電位を維持するためには3〜50μmの範囲が好ましく、より好適には10〜40μmである。表面保護層5は必要に応じて設けることができ、機械的ストレスに対する耐久性に優れ、さらに化学的に安定な物質で構成され、暗所ではコロナ放電の電荷を受容して保持する機能を有しており、かつ電荷発生層が感応する光を透過する性能を有し、露光時に光を透過し、電荷発生層に到達させ、発生した電荷の注入を受けて表面電荷を中和消滅させることが必要である。
本発明においては、必要に応じて表面保護層を設けても良い。表面保護層は、ポリビニルブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、変成シリコン樹脂としてアクリル変成シリコン樹脂、エポキシ変成シリコン樹脂、アルキッド変成シリコン樹脂、ポリエステル変成シリコン樹脂、ウレタン変成シリコン樹脂等の他さらにハードコート剤としてのシリコン樹脂などが適用できる。これら変性シリコン樹脂は単独でも使用可能であるが、より耐久性を向上させる目的でSiO2 、TiO2、In2 O3、ZrO2を主成分とする被膜を形成できる金属アルコキシ化合物の縮合物との混合物が好適である。
表面保護層の膜厚は保護層の配合組成にも依存するが、繰り返し連続使用したとき残留電位が増大するなどの悪影響が出ない範囲で任意に設定できる。単層型の感光層6aは樹脂バインダー中に電荷発生剤、電荷移動剤を分散させる。
単層型の感光層6aの膜厚は実用的に有効な表面電位を維持するためには3ないし50μmの範囲、より好適には10ないし40μmである。
この他に前記の積層型及び単層型の感光体の感光層中に、特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、硬化剤、架橋剤等を添加して、感光体の特性、耐久性、機械特性の向上を図ることができる。
特に、酸化防止剤は、感光体の耐久性向上に寄与し、有用である。その中でも該感光層に芳香族アミン系酸化防止剤を含有させることが好ましく、例えば、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−エチル−2−メチル−p−フェニレンジアミン、N−エチル−N−ヒドロキシエチル−p−フェニレンジアミン、アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジアリル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジオクチル−ジフェニルアミン、4,4’−ジオクチル−ジフェニルアミン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等を挙げることができる。
フェノール系酸化防止剤は、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−4−メトキシフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、プロピオン酸ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)、α−トコフェロール、β−トコフェロール、n−オクタデシル−3−(3’−5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のモノフェノール系、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等のポリフェノール系等が好ましく、これらを1種若しくは2種以上を同時に感光層中に含有することができる。
紫外線吸収剤は、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル等のサリチル酸系が好ましい。この中でも特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。
以上の酸化防止剤および/又は紫外線吸収剤を1種若しくは2種以上を同時に感光層に含有することができる。
以上の酸化防止剤および/又は紫外線吸収剤を1種若しくは2種以上を同時に感光層に含有することができる。
本発明の電子写真感光体に添加されるフェノール系酸化防止剤もしくはアミン系酸化防止剤の添加量は、結着樹脂に対して3〜20重量%の範囲であることが好ましい。一方、紫外線吸収剤の添加量は、結着樹脂に対して3〜30重量%とすることが好ましい。
さらに、分散安定剤、沈降防止剤、色分かれ防止剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、艶消し剤等を添加すれば、感光体の仕上がり外観や、塗布液の寿命を改善できる。
特に熱、オゾン等に対する安定性を向上させる目的で、酸化防止剤を適宣含有させてもよい。このような目的に用いられる化合物としては、トコフェロールなどのクロマノール誘導体またはエーテル化化合物もしくはエステル化化合物、ポリアリールアルカン化合物、ハイドロキノン誘導体およびそのモノエーテル化化合物またはジエーテル化化合物、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、チオエーテル化合物、フェニレンジアミン誘導体、ホスホン酸エステル、亜リン酸エステル、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、直鎖アミン化合物、環状アミン化合物、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
さらに前記の積層型及び単層型の感光体の感光層中に感度の向上や残留電位の減少、あるいは繰り返し使用時の特性変動を低減する目的で、必要に応じ電子受容物質を含有させる。電子受容物質としては、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水コハク酸、無水フタル酸、3−ニトロ無水フタル酸、4−ニトロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、フタルイミド、4−ニトロフタルイミド、テトラシアノエチレン、テトラシアノシノジメタン、クロラニル、ブロマニル、o−ニトロ安息香酸などの電子親和力の大きな化合物を挙げることができる。
塗布液に使用する溶剤には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、メトキシエタノール等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等がある。これらは単独で用いても、2種類以上の溶剤を混合して用いてもよい。
直径60mmのアルミニウムからなる円筒ドラム上に、電荷発生剤として下記式[3]で表される化合物と結着樹脂としてポリビニルブチラールとを2/1の割合で分散した塗工液を浸漬塗工により0.5μm塗布し、電荷発生層を形成した。
式[3]
式[3]
次にバインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(TS−2050帝人化成社製)と、式Iの化合物と、電荷移動剤として、化合物一般式〔II〕の表1(3)と、酸化防止剤として、N−フェニル−1−ナフチルアミン、紫外線吸収剤として、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールをそれぞれ重量比で1:0.02:1:0.05:0.05とし、クロロホルムに溶解し、電荷移動層用塗工液を調製した。電荷発生層を形成した基体を該電荷移動層用塗工液に浸漬塗工し、100℃で60分乾燥し膜厚20μmの電荷移動層を形成し、電子写真感光体を作製した。
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、表1(1)で表される電荷移動剤に代えた以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、表1(2)で表される電荷移動剤に代えた以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、表1(4)で表される電荷移動剤に代えた以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1で用いた式1の化合物と電荷移動剤との重量比を0.005:1に代えた以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1で用いた式1の化合物と電荷移動剤との重量比を0.05:1に代えた以外は、他は実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
直径24mmの無切削アルミニウムからなる円筒ドラム上に、アルキド樹脂(ベッコライトM−6401−50大日本インキ化学工業社製)とアミノ樹脂(スーパーベッカミンG−821−60大日本インキ化学工業社製)を65:35の割合で混合し、さらに前記混合樹脂と酸化チタン(CR−EL石原産業社製)を1:3の割合とし、メチルエチルケトンに溶解して塗布液として、1.5μmの膜厚で形成した。
次に、図3のX線回折角Cukα(2θ±0.2度)27.3度に最大ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン粉末15gをガラスビ−ズと1,3ジオキソラン500mlにポリビニルブチラール樹脂(BX−1積水化学工業社製)10gを溶解した液を加え、サンドミル分散機で20時間分散し、得られた分散液をろ過してガラスビーズを取り去り、電荷発生層用塗布液を作成した。これを前記下引層上に浸漬塗工し乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、図3のX線回折角Cukα(2θ±0.2度)27.3度に最大ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン粉末15gをガラスビ−ズと1,3ジオキソラン500mlにポリビニルブチラール樹脂(BX−1積水化学工業社製)10gを溶解した液を加え、サンドミル分散機で20時間分散し、得られた分散液をろ過してガラスビーズを取り去り、電荷発生層用塗布液を作成した。これを前記下引層上に浸漬塗工し乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
次にバインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(TS−2050帝人化成社製)と、式Iの化合物と、電荷移動剤として、化合物一般式〔II〕の表1(3)と、芳香族アミン系酸化防止剤としてN−phenyl−1−naphthlamineとを、重量比で1:0.02:1:0.05で用意し、テトラヒドロフランに溶解し、電荷移動層用塗工液を調製した。電荷発生層を形成した基体を該電荷移動層用塗工液に浸漬塗工し、130℃で60分乾燥し膜厚20.0μmの電荷移動層を形成し、電子写真感光体を作製した。
<比較例2>
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、以下の電荷移動剤を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1で用いた電荷移動剤に代えて、以下の電荷移動剤を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
<比較例3>
実施例1で用いられた電荷移動剤に代えて、以下の電荷移動剤を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1で用いられた電荷移動剤に代えて、以下の電荷移動剤を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
<比較例4>
実施例1で用いられた式1の化合物を除いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例1で用いられた式1の化合物を除いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成した。
<比較例5>
実施例7において、式1の化合物を除いた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作成した。
実施例7において、式1の化合物を除いた以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作成した。
感光体評価
<簡易測定器での電気特性評価>
実施例1〜7及び比較例1〜5で作製した機能分離型感光体に、感光ドラム評価装置(ダイナミックモード測定)を使用し、以下の条件で電子写真特性を評価した。
<簡易測定器での電気特性評価>
実施例1〜7及び比較例1〜5で作製した機能分離型感光体に、感光ドラム評価装置(ダイナミックモード測定)を使用し、以下の条件で電子写真特性を評価した。
電子写真感光体評価装置(山梨電子工業社製)を用い、実施例、比較例で作製された電子写真感光体を温度23℃、湿度50%の環境下で、スコロトロン方式で感光体の表面電位が−700Vになるように放電電流を調節し、電子写真感光体を帯電させ、波長650nmの半導体レーザーで照射した際、0.13〜0.15μJの露光エネルギー量で感光体の表面電位が1/2(−350V)に減衰調整した。また、残留露光電位を0.6μJ/cm2の露光エネルギー量で感光体残留電位(VL)が20〜40Vとなった。
上記電子写真感光体を1000luxの白色蛍光灯を5分間、10分間、15分間と照射時間を変えて、それぞれ連続的に照射し、光による疲労特性を測定した。この時の照射前後の感光体の表面電位(VO)、感度電位(VH)、残留電位(VL)をそれぞれ測定した。除電は波長660nmのLED(20μW)を用いた。電子写真感光体のドラム回転数は150rpmとし、レーザー光照射してから電位を測定するまでの時間(露光位置から測定位置までの移動時間)は0.06秒であった。結果を表2に示す。
<実機での画像評価(ハーフトーン評価)>
実施例1〜6、比較例1〜4で作製した電子写真感光体を、複写機(東芝テック社製PRECIO:4560)、実施例7、比較例5で作製した電子写真感光体をカラープリンター(リコー社製:CX3000)に搭載して、温度23℃、湿度50%の常温環境でハーフトーン画像を出力し、画像濃度差(マクベス濃度計で測定)を比較し、目視評価した。(ハーフトーン画像=画像の照射部、非照射部の濃淡差)
結果を表3に示す。
実施例1〜6、比較例1〜4で作製した電子写真感光体を、複写機(東芝テック社製PRECIO:4560)、実施例7、比較例5で作製した電子写真感光体をカラープリンター(リコー社製:CX3000)に搭載して、温度23℃、湿度50%の常温環境でハーフトーン画像を出力し、画像濃度差(マクベス濃度計で測定)を比較し、目視評価した。(ハーフトーン画像=画像の照射部、非照射部の濃淡差)
結果を表3に示す。
表2において、表面電位V0、VHの値は初期設定値V0が700(V)、VH350(V)に対し、光照射後の電位変化量が小さいほど優れている。
実施例1〜7は、本願発明の式1からなる化合物と電荷移動剤との組み合わせにより、疲労試験において光疲労に強い特性を示しており、帯電電位、感度電位、残留電位、画像濃度において良好なものであった。実施例5では式1の化合物の添加量が少ない場合は、実施例1に比べ表面電位、感度電位が若干劣るものの画像上では濃度差が表れない。また、実施例6では式1の化合物の添加量が多い場合は、実施例1に比べ照射時間量を振った時の表面電位、感度電位の各電位差が少なく耐光性は向上する一方、残留電位が若干上昇した。いずれも使用可能範囲であった。
比較例1、3は他の電荷移動剤との組み合わせにより、目視評価では初期VH、VL、画像濃度が通常使用不可能な感光体特性示し、評価不能であった。また、比較例2は画像評価は可能なものの、光疲労特性は満足できるものでなかった。また、比較例5、6は化合物1を除いた例であって、V0、VH、画像濃度が大きく変化し、光疲労特性が特に悪い結果であった。
以上の説明からわかるようにこの発明に基づく式〔I〕の化合物と特定の電荷移動剤とを組み合わせた感光体は、帯電、感度、残留電位などの電子写真特性を安定化させるとともに、光疲労が抑制される。
1 導電性支持体
2 下引き層
3 電荷発生層
4 電荷移動層
5 表面保護層
6 感光層
6a 光層
2 下引き層
3 電荷発生層
4 電荷移動層
5 表面保護層
6 感光層
6a 光層
Claims (4)
- 請求項1の感光体において、該感光層に芳香族アミン系酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 請求項1の感光体において、該感光層にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 請求項1の感光体において、式〔I〕の化合物と電荷移動剤との混合割合が、電荷移動剤に対して式〔I〕の化合物が0.5〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007092644A JP2008250071A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 電子写真感光体 |
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JP2007092644A JP2008250071A (ja) | 2007-03-30 | 2007-03-30 | 電子写真感光体 |
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JP2008250071A true JP2008250071A (ja) | 2008-10-16 |
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ID=39975075
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018097278A (ja) * | 2016-12-16 | 2018-06-21 | コニカミノルタ株式会社 | 画像形成装置及びプロセスカートリッジ |
-
2007
- 2007-03-30 JP JP2007092644A patent/JP2008250071A/ja active Pending
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