JP2008248414A - 編地の編成方法および横編された編地 - Google Patents

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Abstract

【課題】 編幅を増加した部分において、前側編地と後側編地とが接続される接続部分の孔が小さく、またこの孔の拡がりを防止することができて、仕上がりの美しくすることができる編地の編成方法および横編された編地を提供する。
【解決手段】 編地の側端の編目または前記側端の編目の内側に隣接する編目を係止した編針の外側に設けられる編針のうち、前記一方の針床の編針にひねり目を形成し、他方の針床の編針に掛け目を形成するように、前記側端から外側に向かって各編床の編針に交互に編糸を係止させ、前記掛け目が形成される編針が係止する編糸部分に、外側から前記側端に向かってニットして編み出し編目を形成し、前記掛け目が形成される編針が係止する編糸部分に、外側から前記側端に向かってニットして編み出し編目を形成し、次コース以降の編目を前記編み出し編目にニットすることによって、編幅を増加させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、横編機によって編地の編幅を増加させる編地の編成方法、および編幅が増加する横編の編地に関する。本発明における編地は、左右方向の少なくとも一方の端部で前後に連続する筒状編地であって、周回して編成される編地、ならびに左右方向の一方の端部でのみ連続に編成されたり、左右方向の両端部で連続するが前側編地または後側編地が左右方向に不連続に編成されたりするC字状の編地を含む。
横編機において、編幅を広げる方向に変化させて所望の形状の編地を編成する場合、針床の針に係止されている編地に対して、この編地の編幅外側に位置する空針に編糸を係止して新たな編目を形成することによって編幅を外増やしすることが行われている。
図4は、従来の技術の編成方法において編幅を増加させるときの、前針床(FB)および後針床(BB)を有する横編機の編針の係合動作を示す図である。この編成方法では、編地1の編幅端部の編目2に連なって編幅外方の編針4に、図4に示すようにインターロック編成を行って編出し編目3を形成した後、次コース以降で編地1の編目と編出し編目3とにニットして増し目を形成する(たとえば、特許文献1参照)。
特開2006−188777号公報
図5は、従来の技術の編成方法によって編成された編地6の一部を歯口の下側から見た図である。編地6では、編幅を増加した部分において、前側編地7と後側編地8とが接続されている接続部分9がインターロック編成されているので、この接続部分9に形成される孔11が通常のニットループよりも大きくなって他の部分の風合いと異なってしまい、また前側編地7および後側編地8にそれぞれ属するニットループが1つの孔11にニットされているので、前側編地7および後側編地8を相互に離反するように引っ張ると、前記孔11が大きく拡がってしまう。
したがって本発明の目的は、編幅を増加した部分において、前側編地と後側編地とが接続される接続部分の孔が小さく、またこの孔の拡がりを防止することができて、仕上がりの美しくすることができる編地の編成方法および横編された編地を提供することである。
本発明は、左右方向に延び、少なくとも前後一対の針床を備える横編機を用いて、左右方向の少なくとも一方の端部で前後に連続する編地を、前記端部における編幅を増加させながら編成する編地の編成方法であって、
編地の側端の編目または前記側端の編目の内側に隣接する編目を係止した編針の外側に設けられる編針のうち、一方の針床の編針にひねり目を形成し、他方の針床の編針に掛け目を形成するように、前記側端から外側に向かって各編床の編針に交互に編糸を係止させ、前記掛け目が形成される編針が係止する編糸部分に、外側から前記側端に向かってニットして編み出し編目を形成し、
次コース以降の編目を前記編み出し編目にニットすることによって、編幅を順次増加させることを特徴とする編地の編成方法である。
また本発明は、前記編地の編成方法において、前記編地と前記編み出し編目との付根において、各針床で編糸を交差させることを特徴とする。
また本発明は、前後の編地が左右方向の少なくとも一方の端部で連続し、前記端部において編幅が増加する横編された編地であって、
前記編幅が増加する部分では、前側編地および後側編地のうちの一方から連なる編糸が、幅方向の外方に向かう途中で複数のひねり目を形成し、幅方向の外側の端部で折り返して、前記ひねり目の間の編糸部分にニットされて編み出し編目が形成され、次コース以降の編目が前記編み出し編目にも形成されて、編幅が順次増加することを特徴とする横編された編地である。
請求項1記載の本発明によれば、隣接するひねり目の間の編糸部分にニットされて編み出し編目が形成されるので、編み出し編目におけるひねり目およびニットループがそれぞれ形成する孔は独立している。次コース以降の編目は、独立した孔にそれぞれニットされるので、前側編地と後側編地とが接続される接続部分において孔を小さく形成することができ、また前側編地と後側編地とを相互に離反するように引っ張っても、前記接続部分における孔の拡がりを防止することができ、外増やしによって編幅を急激に増加させても、仕上がりの美しい編地を横編機で編成することができる。
また請求項2記載の本発明によれば、編幅が増加する部分の付根において編糸が交差して、この付根において孔が大きくなってしまうことが防止され、より仕上がりの美しい編地を編成することができる。
また請求項3記載の本発明によれば、前側編地および後側編地にそれぞれ属するニットループが独立した孔に形成されるので、前側編地と後側編地とが接続される接続部分において孔を小さく形成することができ、前側編地と後側編地とを相互に離反する方向に引っ張っても、前記接続部分における孔の拡がりを防止することができ、外増やしによって編幅を急激に増加しても、仕上がりの美しい編地が実現される。
図1は、本発明の実施の一形態の編地の編成方法の編成工程図であり、図2は図1の編成工程で編成される編地20の一部を拡大して、歯口の上から見て示す図である。図1において、記号「δ」はひねり目を表し、記号「○」はニットを表し、記号「∧」は掛け目を表し、前針床を「FB」で表し、後針床を「BB」で表し、前針床の編針をA〜Oで表し、後針床の編針をa〜oで表している。本実施の形態では、左右方向に延び、少なくとも前後方向に互いに対向する前後一対の針床FB,BBを備え、給糸装置5が設けられるキャリッジを針床上を左右に移動させることによって前記編針が進退可能に構成される横編機を用いて編地を編成する。理解を容易にするために、編成に使用する針の本数を実際よりも少なくし、平編組織で周回編成によって筒状編地を編成する場合に適用して、端部における編幅を5つの編目分増加する場合について説明する。
第1工程で、左右方向(コース方向)に給糸装置5を往復移動させ、編針a〜j,J〜Aの順に編糸19をニットして、編地20を筒状に編成する。第2工程で、給糸装置5を右方に移動させて、編針a〜jの順に編糸19をニットした後、第3工程で、給糸装置5を左方に移動させて、編針Kに編糸19を係止してひねり目22を形成する。第4工程で、給糸装置5を右方に移動させて、編針kに編糸19を係止して掛け目23を形成する。
第5〜第12工程で、それぞれ第3および第4工程と同様な動作を繰り返すことによって、図2(1)のように編針K〜Oの順,かつ編針k〜oの順に編糸19が係止される。
第13工程では、給糸装置5を左方に移動させて、掛け目23を形成する編針k〜oのうち最も外側となる編針oを除く他の編針n〜kが係止する編糸部分に、外側から順番に編糸19をニットして、図2(2)のように掛け目23にニットループ24を形成する。また第13工程では、給糸装置5をさらに左方に移動させて、編針J〜Aの順に編糸19をニットする。
以上の工程によって、増し目を形成するための基礎となる編み出し編目を形成する。
第14工程では、左右方向に給糸装置5を往復移動させ、編針K,kを含めて編針a〜j,J〜Aの順で編糸19をニットすることによって増し目が形成され、編幅を1つの編目分増加させることができる。
第15〜第18工程では、第14工程と同様な動作を繰り返して、左右方向に給糸装置5を往復移動させながら、編針L〜O,l〜oを、各工程で内側から順番に1つずつを含めて、後針床BBおよび前針床FBのそれぞれの編針によってニットする周回編成を行うことによって、各工程において1編目ずつ増し目が形成され、編幅を1つの編目分増加させることができる。以上工程によって、編み出し編目のウェール方向に連なって、編幅が増加した編幅増加部を有する編地20を編成することができる。
図3は、第16工程が終了した後の編幅増加部の端部を歯口の下側から見て示す図である。隣接するひねり目23の間の編糸部分にニットされてニットループ24が形成されるので、ひねり目23およびニットループ24がそれぞれ形成する孔は独立している。次コース以降の編目は、独立した孔にそれぞれニットされるので、前側編地30と後側編地31とが接続される接続部分32において孔を小さく形成することができ、また前側編地30と後側編地31とを相互に離反するように引っ張っても、接続部分32における孔の拡がりを防止することができ、外増やしによって編幅を急激に増加させても、仕上がりの美しい編地となる。
また、前記編み出し編目を形成するときに、筒状の編地と編み出し編目との付根において、前後の針床FB,BBで編糸19を交差させることによって、編み出し編目を形成する編糸部分のうちニットループ24側の一端33は前側編地30の編糸部分に連なり、ひねり目23側の他端34は後側編地31の編糸部分に連なるので、編幅が増加する部分の付根において編糸19が交差して、この付根において孔が大きくなってしまうことが防止され、より仕上がりの美しい編地を編成することができる。
本実施の形態では、5つの編目分編幅を増加させる場合について説明したが、第3および第4工程と同様の工程を外側の空針に対して繰り返す回数を調整することによって、編幅を増加する編目の数を前後針床において1コースあたり1編目単位で任意に増加させることができる。本実施の形態のように、前側編地30および後側編地31のそれぞれについて1コースごとに編幅を1編目ずつ増やすと、編幅を増加させる部分の外側端の角度をウェール方向に対して45°程度に傾斜させることができる。たとえば前側編地30および後側編地31のそれぞれについて2コースごとに編幅を1編目ずつ増やせば、前記外側端のウェール方向に対する角度を緩やかにして編幅を徐々に増加させることができ、前側編地30および後側編地31のそれぞれについて1コースで編幅を5編目増やせば、急激に編幅を増やすことができる。
本実施の形態では、筒状編地を周回編成したが、これに限らず本発明は、左右方向の少なくとも一方の端部で前後に連続する編地を、前記端部における編幅を増加させながら編成する場合に適用することができ、たとえばインターシャ編成に用いてもよい。また本実施形態では平編組織で編地を編成しているが、これに限らず他の組織の編地を編成する場合であっても本発明を適用することができる。
本発明の他の実施の形態では、前述した第2工程において編針jに編糸をニットせず、編針Jにひねり目を形成した後、編針jに掛け目を形成して、第3工程以降は同様にして編幅を増加させてもよく、このように編成すると前記実施の形態よりも編幅が増加する部分の付根における孔をさらに目立たなくすることができ、より仕上がりの美しい編地を編成することができる。
本発明の実施の一形態の編地の編成方法の編成工程図である。 図2(1)は編針にひねり目22および掛け目23が形成された状態を歯口の上から見て示す図であり、図2(2)は、編み出し編目を歯口の上から見て示す図である。 第16工程が終了した後の編幅増加部26の端部を歯口の下側から見て示す図である。 従来の技術の編成方法において編幅を増加させるときの横編機の編針の係合動作を示す図である。 従来の技術の編成方法によって編成された編地6の一部を歯口の下側から見た図である。
符号の説明
5 給糸装置
19 編糸
20 編地
21 基礎部分
22 ひねり目
23 掛け目
24 ニットループ
BB 後針床
FB 前針床
A〜О,a〜o 編針

Claims (3)

  1. 左右方向に延び、少なくとも前後一対の針床を備える横編機を用いて、左右方向の少なくとも一方の端部で前後に連続する編地を、前記端部における編幅を増加させながら編成する編地の編成方法であって、
    編地の側端の編目または前記側端の編目の内側に隣接する編目を係止した編針の外側に設けられる編針のうち、一方の針床の編針にひねり目を形成し、他方の針床の編針に掛け目を形成するように、前記側端から外側に向かって各編床の編針に交互に編糸を係止させ、前記掛け目が形成される編針が係止する編糸部分に、外側から前記側端に向かってニットして編み出し編目を形成し、
    次コース以降の編目を前記編み出し編目にニットすることによって、編幅を順次増加させることを特徴とする編地の編成方法。
  2. 前記編地と前記編み出し編目との付根において、各針床で編糸を交差させる請求項1記載の編地の編成方法。
  3. 前後の編地が左右方向の少なくとも一方の端部で連続し、前記端部において編幅が増加する横編された編地であって、
    前記編幅が増加する部分では、前側編地および後側編地のうちの一方から連なる編糸が、幅方向の外方に向かう途中で複数のひねり目を形成し、幅方向の外側の端部で折り返して、前記ひねり目の間の編糸部分にニットされて編み出し編目が形成され、次コース以降の編目が、前記編み出し編目にも形成されて、編幅が順次増加することを特徴とする横編された編地。
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