JP2008246683A - 易接着層を有する感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

易接着層を有する感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

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【課題】インク層との良好な密着性と優れた転写性とを兼ね備えた易接着層を有すると同時に加工特性に優れた感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステル系樹脂及び/またはアクリル系樹脂を主たる構成成分とする水溶性混合物を用いてなる易接着層をポリエステルフィルム上の片面に設けてなり、(1)〜(6)を満たす感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。
(1)易接着層厚みが5nm以上、100nm以下である
(2)ポリエステルフィルムの結晶粒子径が6nm以上、8nm以下である
(3)易接着層を設けた面の最大突起高さをSRm(nm)、ピークカウントをSPc(個/mm)としたときに10≦SRm/SPc≦20である
(4)易接着層を設けた面の中心線平均粗さSRaが25nm以下である
(5)易接着層を設けた面と反対面とでの動摩擦係数が0.6以下である
(6)易接着層を設けた面の光沢度が150%以上である
【選択図】 なし

Description

本発明は、易接着層を有する感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムに関するものである。さらには昇華型感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムおよび昇華型感熱転写リボンに関するものである。
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレートなどを用いた二軸配向ポリエステルフィルムは、機械特性、耐熱性、寸法安定性、耐薬剤性、コストパフォーマンス性などに優れることから、その性能を活かして多くの用途に使用されている。その表面に様々なものを塗布、あるいは貼付して使用されることも多いが、一般に二軸配向ポリエステルフィルムは高度に結晶化していることから、接着性に乏しく、物理的あるいは化学的な処理を行う必要がある。十分な接着性を必要とする用途には、コロナなどの物理的処理では不十分であり、化学的処理によって易接着層と呼ばれる中間接着層を設けている。
そうした易接着層を有する二軸配向ポリエステルフィルムの主たる用途として、易接着層上に感熱転写インク層を設けた感熱転写リボンが挙げられる。感熱転写記録方式は、コストパフォーマンス性やメンテナンス性、操作性などに優れることからFAX、バーコード印刷といった分野に既に用いられているが、近年は感熱転写インクに既存の溶融型顔料ではなく昇華性染料を用いることで、高精細、高画質などの特性も加わった。その結果、デジタル写真印刷などの分野でも多用されるようになって来ており、従来の銀塩方式を置き換えて、急激な伸びを見せている。
こうしたデジタル写真印刷は、高速印画や濃度階調性などの要求レベルが高まっており、昇華型感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムに求められる品質も非常に厳しくなっている。すなわち、ポリエステルフィルム上の易接着層とインク層との密着性が良好であること、サーマルヘッドに与えられた熱量に対し、昇華型染料が容易に易接着層から受像紙側へ移行し、転写性が良好なこと、易接着層の塗工状態及び易接着層を設けたフィルム表面の状態にバラツキが少なく、印画性が良好なことなどである。このため、易接着層構成成分の比率を規定したり(特許文献1)、易接着層全体の塗布厚み及び易接着面のぬれ指数を規定したり(特許文献2)することで、易接着層付与ポリエステルフィルムの品質を高めようとする試みがなされて来た。
特開平8−198989号公報 特開平10−157312号公報
しかしながら、易接着層構成成分の比率を規定したり、易接着層全体の塗布厚み及び易接着面のぬれ指数を規定したりするだけでは、インク層との良好な密着性を維持しつつ、優れた転写性を兼ね備えることが出来なかった。さらには易接着層を有するポリエステルフィルムロールを加工する際には易接着層と反対面とでは樹脂成分が異なることから、感熱転写リボンのように薄膜フィルムである場合においては、巻き出し時の剥離帯電が酷く、加工が困難であった。
本発明はかかる問題を解決し、インク層との密着性が良好でかつ転写性に優れた易接着層を有する感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムを提供すると同時に加工時の剥離帯電を抑止することを課題とする。
上記の目的を達成するため、本発明は以下の構成を有する。すなわち、本発明の易接着層を有する二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステル系樹脂及び/またはアクリル系樹脂を主たる構成成分とする水溶性混合物を用いてなる易接着層をポリエステルフィルム上の片面に設けてなり、下記(1)〜(6)項を満たす感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムであることを特徴とするものである。
(1)易接着層厚みが5nm以上、100nm以下である
(2)ポリエステルフィルムの結晶粒子径が6nm以上、8nm以下である
(3)易接着層を設けた面の最大突起高さをSRm(nm)、ピークカウントをSPc(個/mm)としたときに10≦SRm/SPc≦20である
(4)易接着層を設けた面の中心線平均粗さSRaが25nm以下である
(5)易接着層を設けたの面と反対面とでの動摩擦係数が0.6以下である
(6)易接着層を設けた面の光沢度が150%以上である
より好ましい形態として、易接着層中に平均粒径10nm以上、100nm以下の微粒子を含むポリエステルフィルムであり、かつ微粒子の径Rと易接着層厚みTの比がR/Tが1以上、5以下、かつ易接着層側の面における微粒子の含有量が10個/mm以上、1010個/mm以下である。さらにフィルム長手方向のF−5強度値が115MPa以上であることも好ましい。加えて易接着層を設けた面の中心線平均粗さをSRa(nm)、反対面の中心線平均粗さをSRa(nm)としたとき、SRa≦SRaであることも好ましい。
本発明の易接着層を有する二軸配向ポリエステルフィルムは、主たる易接着層構成成分、易接着層の厚み、ポリエステルフィルムの結晶粒子径、易接着層を設けた面の最大突起高さとピークカウントの比、易接着層を設けた面の中心線平均粗さ、易接着層を設けた面の光沢度及び動摩擦係数を上記の通り規定した二軸配向ポリエステルフィルムであるので、インク層との良好な密着性と優れた転写性とを両立できる。また本発明では、易接着層中に含有する粒子を上記の通り規定したので、上記の効果に加えて優れた印画性と加工特性を実現できた。さらに本発明では、感熱転写リボンとしての良好な走行性も付与できる。加えて本発明では、優れた巻取性も有する。
本発明で用いるポリエステルは、延伸に伴う分子配向によって高強度フィルムとなり得るポリエステルであればよく、ポリエチレンテレフタレート、もしくはポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。これらはポリエステル共重合体であっても良いが、その繰り返し構造単位のうち、好ましくは80モル%以上がエチレンテレフタレート、もしくはエチレン−2,6−ナフタレートであることが望ましい。他のポリエステル共重合成分としては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、またはアジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸成分、ないしはトリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能ジカルボン酸や、p−ヒドロキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。また、上記のポリエステルに、該ポリエステルと反応性のないスルホン酸のアルカリ金属塩誘導体、あるいは該ポリエステルに不溶なポリアルキレングリコールや脂肪族ポリエステルなどのうち一種以上を、5%を超えない程度、共重合ないしブレンドしてもよい。
本発明では、ポリエステル系樹脂及び/またはアクリル系樹脂を主たる構成成分とする水溶性混合物から成る易接着塗液を二軸配向ポリエステルフィルムの片面に塗布し、その際の易接着層の厚み及びポリエステルフィルムの結晶粒子径を規定することで、感熱転写インク層との良好な密着性を維持しつつ、本来相反する特性である優れた転写性も実現し得ることを見い出した。
ここで、易接着層の主たる構成成分はポリエステル系樹脂及び/またはアクリル系樹脂である必要があり、ポリエステル系樹脂及び/またはアクリル系樹脂の合計の固形分比率が易接着層の80%重量以上である必要があり、該比率を下回ると良好な密着性及び転写性を確保することが出来ない。また、好ましくはアクリル系樹脂が易接着層の構成成分の60重量%以上である。
ポリエステルフィルム上の易接着層のポリエステル系樹脂含有量は30mg/m以上80mg/m以下であることが好ましく、さらに好ましくは40mg/m以上70mg/m以下とするのが良い。30mg/m未満であるとポリエステルフィルムと易接層との間の密着性が低下し、リボンとして印画に使用した際に易接着層の一部が受容層へ転写することによる過転写が生じ、かつ均一な塗布性が実現出来ずに画質が悪化する。逆に80mg/mを超えると印画時に染料が受容層側へ移行するのみならず、ポリエステルへ染色するため優れた印画感度(発色)が達成できない。
本発明における易接着層の厚みとは易接着層を設けたフィルム断面をRuOで易接着層を染色し、透過型電子顕微鏡を用いて40000倍の画像を撮影し、染色された易接着層厚みを求めたものである。該測定で求めた易接着層厚みが本発明では5nm以上、100nm以下である必要がある。易接着層厚みが5nm未満であるとインクや染料を塗工した際に十分な密着性が得られない。一方で100nmを越えると、印画時に染料の易接着層への染み込みが多く、受容層側への転写量が少なくなるために印画感度が低下する。易接着層厚みについて、より好ましくは10nm以上、80nm以下である。
本発明におけるポリエステルフィルムの結晶粒子径とは、X線回折装置を用いて回折ピークの半値幅から算出した値であり、該結晶粒子径は6nm以上8nm以下とすることが必要であり、好ましくは6.5nm以上7.5nm以下とするのが良い。6nm未満であると良好な密着性が実現できず、逆に8nmを超えるとフィルムの脆性が悪化し、製膜性が困難になるとともに加工及び使用に耐え難くなる。
また本発明では、易接着層を設けた面の表面状態を規定することで、易接着層を設けた際に発生しやすい塗布欠陥に伴う画質悪化を抑制できることを見出した。本発明において最大突起高さとは触針曲率半径2μmの触針式の3次元粗さ計にて、カットオフ値を0.25mmとし、測定長0.5mm、該測定方向に対して、直交する方向に5μm間隔で80回測定したときの最大高さであり、ピークカウントとはカットオフ値を0.25mmとし、平均粗さ(SRa)を中心面としたときに、該中心面から±12.5nmの中心面と平行な面を設定し、該2つの面を越える振幅をもつものを突起としたときのピークカウントである。易接着層を設けた面の最大突起高さをSRm(nm)、ピークカウントをSPc(個/mm)としたとき、10≦SRm/SPc≦20を満たすことが必要であり、好ましくは12≦SRm/SPc≦18を満たすのが良い。SRm/SPc値が10未満であったり、逆に20を超えると、印画物の画質悪化を引き起こす。さらに、易接着層を設けた面の中心線平均粗さSRa1が25nm以下であることが必要であり、好ましくは22nm以下とするのが良い。SRa1が25nmを超えると、やはり印画物の画質悪化を引き起こす。
本発明において動摩擦係数とはASTM D1824に準じた測定により求めるものであり、易接着層を設けた面と反対面とでの動摩擦係数が0.6以下である必要がある。該動摩擦係数が0.6を越えるとフィルムロールを巻き出した際の剥離帯電が酷く、加工時に欠点を誘発すると同時に有機溶媒を使用するような工程では有機溶媒に引火する危険が伴う。また該動摩擦係数は0.55以下であることが好ましく、より好ましくは0.5以下である。また、動摩擦係数に関しては下限値の規定はないが、材料の性質上0.1以上となる。
また、画像の鮮明性を低下させることなく滑り性を向上させることで巻き取り性や剥離帯電の抑止を目的とし、易接着層中に粒子を含有させることも好ましい。易接着層中に含有させる粒子はコロイダルシリカ粒子、アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子等好適な粒子を用いることができるが、水溶性混合物での塗工や易接着層構成成分であるポリエステル樹脂及び/またはアクリル樹脂中での分散性を考慮すると、コロイダルシリカ粒子を用いるのが最適である。
ここで、易接着層に含有させる粒子の平均粒径は10nm以上、100nm以下が好ましい。該粒子の平均粒径が10nm以下であると、易接着層表面の凹凸を形成できないために、滑り性向上の効果が認められない。一方、100nm以上であると滑り性は付与できるものの、該フィルムを用いて作製した感熱転写リボンで印画した際に印画物の鮮明性を低下させる。平均粒径はより好ましくは15nm以上、80nm以下である。ここで、上述の粒子の平均粒子径は、数平均粒子径である。
また易接着層に含有する微粒子の径Rと易接着層厚みTの比、R/Tが1以上、5以下であることが好ましい。R/Tが1未満であると易接着層表面の凹凸を形成できないために、滑り性向上の効果が認められない。一方、5を越えると加工工程で該微粒子の脱落が生じ、欠点を誘発するために画像の鮮明性を低下させる。さらには易接着層側の面における微粒子の含有量が10個/mm以上であることが、滑り性を付与させる上で好ましく、さらに好ましくは10個/mm以上である。一方で該微粒子の含有量の上限については、粒子が多すぎると易接着機能が低下したり、粒子脱落による欠点の増加を考慮すると1010個/mm以下であることが好ましく、さらに好ましくは10個/mm以下である。
本発明では、易接着層を設けた面の光沢度が150%以上であることが必要である。
本発明における光沢度とはJIS Z8741に準じた測定で、変角光沢計を用い、フィルム面に対して入射角60°で鏡面光沢度を求めた値である。ここで、易接着層を設けた面の光沢度が150%未満であると、該フィルムを用いて作製した感熱転写リボンで印画した際、印画物の鮮明性が低下する。光沢度は好ましくは155%以上、さらに好ましくは160%以上である。また、光沢度の上限値に規定はないが、材料の性質上、220%以下となる。
さらに本発明では、フィルム長手方向のF−5強度値を本発明の範囲とすることで、易接着層を設けた面の表面状態を規定したことに伴う、感熱転写リボンとしての走行性悪化を改良できることを見出した。F−5強度値が115MPa以上であることが必要であり、好ましくは120MPa以上が良い。F−5強度値が115MPa未満であると、インクリボンとして用いた際にシワが入りやすくなるなど、走行性が悪化する。ここで、F−5強度値は、温度20℃、湿度65%RHの条件下で引っ張り速度200mm/分でフィルムの5%伸長に対応する強度を測定した値である。
加えて本発明では、易接着層を設けた面と反対面との表面状態の関係を規定することで、易接着層を設けた面の表面状態を規定したことに伴う巻取性低下を改善できることを見い出した。易接着層を設けた面の中心線平均粗さをSRa1(nm)、反対面の中心線平均粗さをSRa(nm)としたとき、SRa≦SRaであることが好ましい。SRa1>SRaであると、フィルムロールとして巻き取るのが困難になる。
上記の条件を満たすフィルムを製造するには、例えば以下に示した工程により製造するのが好ましい。すなわち、ポリエステルには、コロイダルシリカ、凝集シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、カオリン、フッ素樹脂粒子あるいはシリコン系粒子などの無機ないし有機粒子のうち一種以上を、フィルムの巻き取りを容易にする目的で滑剤として添加する。滑剤粒子の平均径は0.1〜4.0μmであることが好ましく、さらには0.5〜3.0μmが好ましい。滑り性向上およびフィルムの延伸性のためである。また滑剤粒子の添加量は、フィルムに対して0.03〜0.1重量%の範囲が好ましい。0.03重量%未満であると滑り性が悪化しやすく、逆に0.1質量%を上回ると印画物の画質が低下しやすい。平均径0.1〜4.0μmの滑剤粒子をフィルムに対して0.03〜0.1質量%添加することで10≦SRm/SPc≦20かつSRa1が25nm以下を、更に平均径0.5〜3.0μmの滑剤粒子をフィルムに対して0.03〜0.1質量%添加することで12≦SRm/SPc≦18かつSRa1が22nm以下を達成できる。
これらのポリエステル原料を溶融させ、スリット状のダイを用いてフィルム状に成形した後、表面温度20〜70℃のキャスティングドラムに巻き付けて冷却固化させ、未延伸フィルムとする。続いて80〜130℃で長手方向に6.0倍〜7.0倍延伸して、一軸延伸フィルムを得る。延伸倍率を6.0倍以上とすることでフィルム長手方向のF−5値を115MPa以上に、6.3倍以上とすることで120MPa以上にすることができる。その後一軸延伸フィルムをテンター内に導入し、100〜130℃で予熱した後、幅方向に4.5〜5.5倍延伸して二軸延伸フィルムとし、225〜250℃で熱処理するが、熱処理前にさらに縦ないし横方向、または縦横両方向に再度延伸させて強度を高めることも可能である。225〜250℃で熱処理することでポリエステルフィルムの結晶粒子径を6〜8nmにすることができ、さらに235〜245℃で熱処理することで結晶粒子径を6.5〜7.5nmにすることができる。熱処理後、150〜185℃で幅方向に3〜8%収縮させてからロール状に巻き取る。フィルムの厚みは、感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムとして用いることを考慮すると、1.5〜8.0μmであることが好ましい。フィルムの厚みが1.5μm未満であると、感熱転写リボン用フィルムとしての熱的特性や機械的特性が悪化する。また8.0μmを超えると、インクリボンとして使用する際にヘッドのエネルギーを高くする必要があるため効率が悪くなり、またヘッドの寿命も短くなる。
なお、必ずしもここで示した製造方法に限定されるものではない。上記のような二段階延伸方式を採らず、例えば同時二軸延伸方式により製造することも可能である。また易接着面を設ける面の反対面は、滑剤粒子添加量を増やして粗面タイプとした二層積層フィルムとしてもよく、SRa≦SRaを達成することが容易となる。
易接着層は二軸配向ポリエステルフィルムの製造工程内、あるいは製造後のいずれでも設けることが可能であるが、後者の場合、工業的に非効率であること、均一に塗布することが困難なこと、また塵埃を巻き込んで印画時の欠点になりやすいことから、前者の手法を採ることが好ましい。製造工程内での塗布は、配向結晶化が完了する前の状態であればどの段階で行っても良く、未延伸状態のフィルム、一軸延伸した後のフィルム、低倍率延伸した状態で最終的に再延伸を行う前のフィルムのいずれにも設けることが可能である。
易接着成分のうちポリエステル系樹脂としては、以下に示すような多塩基酸成分とポリオール成分とから重縮合されるものが例示される。すなわち多塩基酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。またポリオール成分としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジメチロールプロパンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのモノマー成分は、2種以上を用いて共重合することもできる。
またアクリル系樹脂としては、以下に示すようなアクリルモノマーから重合されるものが例示される。すなわち、直鎖状・分岐状・環状のアルキル基を有したアルキルアクリレートやアルキルメタクリレート、ヒドロキシ含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、カルボキシ基またはその塩を含有するモノマー、アミド基を含有するモノマー、酸無水物のモノマー、あるいは塩化ビニル、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、酢酸ビニルをはじめとするモノマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらのモノマー成分は、2種以上を用いて共重合することもできる。
これらに加え、架橋剤成分を加えて易接着層としての密着性を高めることも可能である。架橋剤としてはメラミン系樹脂が好ましく、官能基としてイミル基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基などのアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などが挙げられる。さらに、滑り性を付与させる目的で10nm以上、100nm以下の微粒子を添加することも可能である。また、使用目的に応じて増粘剤、潤滑剤、消泡剤、酸化防止剤、染料、顔料、発泡剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などを添加してもよい。
なお、易接着成分としてはここに示したものの他に、例えばアクリルグラフトポリエステルなどを用いることも可能である。こうした易接着層の塗布方法としては、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、キスコーター、バーコーター、カーテンコーター、ロッドコーターなどを用いるのが好ましいが、特に限定されない。
ここで易接着成分を混合する際にポリエステル樹脂及び/またはアクリル樹脂の構成比率を調整すると共に、各種塗布装置における塗布厚み調整機能を用いることで、ポリエステルフィルム上の易接着層中のポリエステル系樹脂の含有量を30mg/m以上80mg/m以下、あるいは40mg/m以上70mg/m以下とすることが可能である。
感熱転写リボンを製造する場合には、易接着層を設ける面とは反対面に、印画時のサーマルヘッドとの融着を防止し、かつ走行性を良好にすることを目的として、ワックス系あるいはシリコーン系を主成分とした耐熱滑性層を設けるのが一般的である。この耐熱滑性層は、易接着層と同様、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造工程内、あるいは製造後のいずれにおいても設けることが可能であり、易接着層を設ける際と同様の塗布手法を用いることができる。
易接着層及び耐熱滑性層を設けた二軸配向ポリエステルフィルムの易接着層上に昇華型感熱転写インクを塗布することで、昇華型感熱転写リボンを製造することができる。市販の一般的な昇華型染料を用いることが可能であり、通常メチルエチルケトン、アセトン、
トルエンなどの溶剤に溶解させた状態で塗布する。
以上のようにして作られた本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを、易接着層を有する感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムとして用いると、インク層との良好な密着性と優れた転写性を両立できる。加えて優れた印画性や感熱転写リボンとしての良好な走行性、巻取性をも実現できる。
本実施例で用いた測定法を示す。
(1)易接着層厚み
1mm(幅)×10mm(長さ)のフィルム片を幅方向5mmの断面が上側にくるようにエポキシ樹脂で包埋した。該包埋物のエポキシ樹脂部分をミクロトームの試料ホルダーにセットできるようにトリミングし、LKB社製ウルトロトーム4801にダイヤモンドナイフを用いて、エポキシ樹脂包埋処理をしたフィルム片の断面を切削した。面出し後のエポキシ樹脂包埋ブロックをRuO雰囲気下で24時間かけて易接着層の染色を行った。染色処理後のエポキシ樹脂包埋ブロックを再度、ミクロトームにセットし、ダイヤモンドナイフを用いて切削し、染色された断面の超薄切片を作成した。該超薄切片を日立製H−7100FA透過型電子顕微鏡にて加速電圧を75kVとして、40000倍のフィルム断面写真を撮影し、染色された易接着層の厚みを求めた。
(2)結晶粒子径
PHILIPS社製PW1729X線回折装置を用いて測定した。測定条件は次の通りである。試料は厚みが100μmになるように重ね合わせて、フィルム面が回折面に並行になるようにセットする。常温・常圧下で、35kV、15mAのCuKα線にて、θが18°〜30°の範囲で回折ピークを得た。得られた(100)の回折ピークの半値幅h(°)より下記式にて結晶粒子径χcを求めた。
χc=43.05/h
(3)最大突起高さ (SRm)、ピークカウント (SPc) 及び中心線平均粗さ (SRa)
小坂研究所(株)製の光触針式(臨界角焦点エラー検出方式)3次元粗さ計(ET−30HK)を使用して測定した。本発明におけるSRm・SRa値は、JIS−B0601(1994年)のRmax・Ra値に相当する3次元粗さ計での測定値である。SPcは粗さ曲線の中心線に平行に0.01μm離れたレベルにピークカウントレベルを設定し、曲線が平均線とピークカウントレベルを交差する2点間において、上側のピークカウントの交差する点が1個以上存在する時を1山として、この山数を測定長さ間において10回測定しその平均値を求めた。測定方向は幅方向とし、カットオフ値0.25mm、測定長0.5mm、送りピッチ5μm、触針荷重10mg、測定スピードは100μm/s、測定本数は80本とした。
(4)動摩擦係数
試料調湿として、23℃、65%RHで24時間フィルムをエージングし、ASTM−D−1894に準じて、下記条件にてスリップテスターを用いて易接着層を設けた面と反対面との動摩擦係数を下記条件にて測定した。
試料サイズ : 75mm(幅)×100mm(長さ)
すべり速度 : 150mm/分
加重 : 200g。
(5)易接着層面の光沢度
JIS Z8741に準じて、スガ試験器製デジタル変角光沢計UGV−5Dを用いて易接着層を設けた面の光沢度を下記条件にて測定した。なお光沢度の基準としては屈折率1.567のガラス面の光沢度を100%とした。
試料サイズ : 100mm(幅)×100mm(長さ)
光源 : 標準光C
フィルム面への入射角度 : 60°。
(6)易接着層に含有された粒子の平均粒径
日本ミクロトーム研究所製電動ミクロトームST−201を用いて断面切削したフィルムのスライス片を作成した。走査型電子顕微鏡の試料台に固定したスライス片を、スパッタリング装置を用いて真空度10-3Torr、電圧0.25KV、電流12.5mAの条件にて10分間、イオンエッチング処理を施す。次に、同装置にて該表面に金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡にて50000倍の易接着層部分の厚み方向の断面写真を撮影した。ここで表層の易接着層中に含有する粒子の10個以上、n個の平均値を易接着層中に含有する微粒子の平均粒子径とした。
(7)易接着層側の面に含有する粒子の含有量
3mm角のフィルム片を走査型電子顕微鏡の試料台に固定し、スパッタリング装置を用いて易接着層側の表面に金スパッタを施し、走査型電子顕微鏡にて50000倍の易接着層側の表面写真を5枚撮影した。写真中での粒子の個数をカウントし、1mm平方角あたりに換算することで、易接着層側の面に含有する粒子の含有量とした。
(8)F−5強度値
ASTM D882(1990年)に従い、テンシロン型引っ張り試験器に試片幅10mm、チャック間長さ100mmとなるようにセットし、温度20℃、湿度65%RHの条件下で引っ張り速度200mm/分でフィルムの5%伸長に対応する強度を測定した。
(9)密着性評価
フィルムの易接着層面とは反対面に、アクリル酸エステル/アミノ変性シリコーン/イソシアネート=70/29/1(重量比)で混合させた水系耐熱滑性層を設けた。その後易接着層上に昇華性染料/エチルヒドロキシエチルセルロース/メチルエチルケトン/トルエン=5/5/45/45(重量比)から成る昇華型インクを塗布して、昇華型感熱転写リボンを作製した。昇華型染料としては、イエロー:BASF社製バラニールイエロー5RX、マジェンダ:住友化学工業(株)製イミロカンRED−FBL、シアン:日本化薬(株)製カヤセットブルー714をそれぞれ用いた。インク面上に、住友スリーエム(株)製のスコッチメンディングテープ810を貼り付け、25℃・50%RHの条件下、急速剥離を行って、インク層の剥離の程度により、下記基準に従って評価した。
◎ : インク層剥離面積は10%未満であり極めて良好
○ : インク層剥離面積は10〜40%であり良好
× : インク層剥離面積は40%以上であり不良。
(10)転写性評価
上記の方法で作製した昇華型感熱転写リボンを用い、ソニー(株)製デジタルプリンタUP−D70Aで受像紙上に幅20mm、長さ100mmの青ベタ印画を行った。受像紙の印画面を測定面として、マクベス社製光学濃度計TR927を用いて光学濃度OD値を測定し、15以上ならば良好とした。
(11)印画性評価
上記(10)のベタ印画を行った際の印画物について、JIS−Z8741(1997年)規定の方法に従って入射角20°での鏡面光沢度値を測定し、100%以上は合格とした。
(12)走行性評価
上記(11)のベタ印画を行った際、印画済リボン及び印画した画像を観察し、下記基準に従って評価した。
◎ : 印画した画像及び印画済リボンにシワが認められない
○ : 印画済リボンにシワが認められるが、印画した画像は良好
△ : 印画済リボンのシワが認められ、印画した画像に1cm未満のシワが認められる
× : 印画済リボンにシワが認められ、印画した画像に1cm以上のシワが認められる。
(13)巻取性評価
フィルム製造工程で巻き取ったジャンボロールを引き出し、小幅スリット機で1m幅に
スリットして、下記基準に従って評価した。
◎ : 巻き始め初期及び巻き取り中のシワ発生が全くない
○ : 巻き始め初期にシワが発生するが、すぐ消失する
× : 巻き始め初期に発生したシワが消失しないか、巻き取り中にシワが発生する。
(14)剥離帯電試験
フィルムロールを10Kg/m(フィルム幅)の張力、120m/分の速度にて繰り出し、フィルムが繰り出されロールから剥離する部分の剥離帯電を目視にて放電の有無を確認し、下記基準に従って評価した。
◎ : 繰り出されたフィルムとロール間で放電が全くない
○ : 放電が1回/分以下発生する
× : 放電が2回/分以上発生する。
続いて実施例に基づき、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
富士シリシア社製、数平均粒径2.6μmの二酸化ケイ素粒子を0.05質量%含有した、固有粘度0.61の東レ製ポリエチレンテレフタレートを押出機中で285℃で溶融させ、口金からシート状に溶融押し出しし、25℃の回転冷却ドラムに密着させて固化させ、未延伸フィルムを得た。加熱したロールを用いてフィルムの長手方向に125℃で6.5倍に延伸した後、フィルムを走行させた状態で易接着塗液を片面にグラビア方式により塗布した。易接着塗液には、テレフタル酸/イソフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸/エチレングリコール/1,4−ブタンジオール=30/15/5/30/20(モル%)で重縮合させた水系ポリエステル系樹脂塗液と、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル酸/N−メチロールアクリルアミド=75/22/1/2(重量比)で共重合させた水系アクリル系樹脂塗液とを用い、ポリエステル系樹脂/アクリル系樹脂/メチロールメラミン=20/65/15(重量比)で混合した固形分3重量%液を用いた。
その後120℃で予熱・乾燥させ、115℃で幅方向に4.0倍に延伸し、さらに240℃で熱処理すると共に160℃で幅方向に4.0%弛緩させて、厚さ4.5μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。この状態でポリエステル樹脂の含有率、結晶粒子径、3次元表面粗さ、フィルム長手方向のF−5強度値を測定し、小幅にスリットして巻取性を評価した。また、易接着層とは反対側に水系耐熱滑性層を設け、易接着層上には昇華型インクを塗布して昇華型リボンを作製した。昇華型インクと易接着層との密着性、転写性、印画性及び昇華型リボンの走行性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
易接着塗液として、ポリエステル系樹脂/アクリル系樹脂/メチロールメラミン=25/60/15(重量比)で混合した固形分3重量%液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例3〕
易接着塗液として、ポリエステル系樹脂/アクリル系樹脂/メチロールメラミン=50/35/15(重量比)で混合した固形分3重量%液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例4〕
230℃で熱処理した点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例5〕
丸尾カルシウム社製、数平均粒径1.4μmの炭酸カルシウム粒子を0.08重量%含有した、固有粘度0.63のポリエチレンテレフタレートを用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例6〕
富士シリシア社製、数平均粒径2.6μmの二酸化ケイ素粒子を0.15重量%含有したポリエチレンテレフタレートと、数平均粒径2.6μmの二酸化ケイ素粒子を0.04重量%含有したポリエチレンテレフタレートとを、前者100重量部に対して後者25重量部の複合割合で共押し出しさせ、2層積層フィルムとした。後者を塗工面とし、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例7〕
易接着塗液の固形分1重量%塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例8〕
易接着塗液の固形分8重量%塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例9〕
易接着塗液として、アクリル系樹脂のみを使用し、固形分1重量%塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作成した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例10〕
易接着塗液として、アクリル系樹脂/メチロールメラミン=60/40(重量比)で混合した固形分3質量%塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例11〕
易接着塗液中の固形分に対して触媒化成工業社製、数平均粒径45nmのコロイダルシリカ粒子を3重量%加えた塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例12〕
実施例9の易接着塗液中の固形分に対して触媒化成工業社製、数平均粒径18nmのコロイダルシリカ粒子を3重量%加えた塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例13〕
易接着塗液として、アクリル系樹脂のみを使用し、固形分2重量%塗液の固形分に対して触媒化成工業社製、数平均粒径45nmのコロイダルシリカ粒子を3重量%加えた塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例14〕
易接着塗液として、アクリル系樹脂のみを使用し、固形分2重量%塗液の固形分に対して触媒化成工業社製、数平均粒径80nmのコロイダルシリカ粒子を3重量%加えた塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例15〕
易接着塗液として、アクリル系樹脂のみを使用し、固形分2重量%塗液の固形分に対して触媒化成工業社製、数平均粒径140nmのコロイダルシリカ粒子を3重量%加えた塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例16〕
易接着塗液として、アクリル系樹脂のみを使用し、固形分3重量%塗液の固形分に対して触媒化成工業社製、数平均粒径18nmのコロイダルシリカ微粒子を3重量%加えた塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
〔実施例17〕
フィルム長手方向の延伸倍率を5.8倍とした点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表1に示す。
Figure 2008246683
〔比較例1〕
易接着塗液の固形分11重量%塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表2に示す。
〔比較例2〕
易接着塗液の固形分0.4重量%塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表2に示す。
〔比較例3〕
215℃で熱処理した点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表2に示す。
〔比較例4〕
易接着塗液として、ヘンケル日本(株)社製、ダイマー酸系のポリアミド樹脂“マクロメルト”6901、軟化点164〜175℃を用い、酢酸エチル/メチルエチルケトン/ベンジルアルコール=40/40/20の有機溶剤で溶解し、固形分濃度が3重量%になるように調整し混合した塗液を用い、フィルム長手方向の延伸倍率を4.5倍とした点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表2に示す。
〔比較例5〕
易接着塗液として、信越化学工業社製メチルセルロース樹脂“ハイメトローズ”hi−SH4000を純水と混合した固形分3質量%塗液を用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表2に示す。
〔比較例6〕
富士シリシア社製、数平均粒径0.4μmの二酸化ケイ素粒子を0.12質量%含有した、固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートを用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表2に示す。
〔比較例7〕
富士シリシア社製、数平均粒径2.6μmの二酸化ケイ素粒子を0.14質量%含有した、固有粘度0.61のポリエチレンテレフタレートを用いた点を除いては、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表2に示す。
〔比較例8〕
富士シリシア社製、数平均粒径2.6μmの二酸化ケイ素粒子を0.15質量%含有したポリエチレンテレフタレートと、富士シリシア社製、数平均粒径2.6μmの二酸化ケイ素粒子を0.04質量%含有したポリエチレンテレフタレートとを、前者100質量部に対して後者25質量部の複合割合で共押し出しさせ、2層積層フィルムとした。前者を塗工面とし、実施例1と同様にして二軸配向ポリエステルフィルムを得、さらに昇華型リボンを作製した。フィルム及びリボンの評価結果を表2に示す。
Figure 2008246683
本発明は易接着層を有する感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルムに応用することが出来るが、その応用範囲がこれに限られるものではない。

Claims (6)

  1. ポリエステル系樹脂及び/またはアクリル系樹脂を主たる構成成分とする水溶性混合物を用いてなる易接着層をポリエステルフィルム上の片面に設けてなり、下記(1)〜(6)項を満たす感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。
    (1)易接着層厚みが5nm以上、100nm以下である
    (2)ポリエステルフィルムの結晶粒子径が6nm以上、8nm以下である
    (3)易接着層を設けた面の最大突起高さをSRm(nm)、ピークカウントをSPc(個/mm)としたときに10≦SRm/SPc≦20である
    (4)易接着層を設けた面の中心線平均粗さSRaが25nm以下である
    (5)易接着層を設けた面と反対面とでの動摩擦係数が0.6以下である
    (6)易接着層を設けた面の光沢度が150%以上である
  2. 易接着層中に平均粒径10nm以上、100nm以下の粒子を含むポリエステルフィルムであり、
    かつ前記粒子の径Rと易接着層厚みTの比、R/Tが1以上、5以下、
    かつ易接着層側の面における前記粒子の含有量が10個/mm以上、1010個/mm以下である
    請求項1に記載の感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. フィルム長手方向のF−5強度値が115MPa以上であるとする請求項1または2に記載の感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。
  4. 易接着層を設けた面の中心線平均粗さをSRa(nm)、反対面の中心線平均粗さをSRa(nm)としたとき、SRa≦SRaである請求項1〜3のいずれかに記載の感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。
  5. 昇華型感熱転写リボンに用いられることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の感熱転写リボン用二軸配向ポリエステルフィルム。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルムの易接着層上に昇華型感熱転写インクが塗布されてなることを特徴とする昇華型感熱転写リボン。
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