JP2008240225A - ポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントおよびその製造法、およびポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントからなるフィルター - Google Patents

ポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントおよびその製造法、およびポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントからなるフィルター Download PDF

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【課題】線径均一性に優れる高精密フィルターに適した耐熱、耐薬品性を備えた細繊度モノフィラメントを提供する。
【解決手段】本発明のポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントは、直径が10μm以上、40μm以下、直径の変動係数CV%が3.0%以下であることを特徴とするものである。また本発明のフィルターはこのようなポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントからなるものである。さらに、本発明のポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントの製造法は、ポリエーテルエーテルケトン樹脂を溶融紡糸するに際し、該樹脂を溶融した後、紡糸口金から吐出した糸条を口金から20mm以上、100mm以内で気体による冷却を開始することにより冷却固化して未延伸糸を得、該未延伸糸を加熱ローラ間で延伸することを特徴とする
【選択図】なし

Description

本発明は、線径均一性と強度に優れる細繊度ポリエーテルエーテルケトンモノフィラメント、およびその製造法に関するものであり、特に高温下で固体と液体または気体を分離する耐熱性および耐薬品性に優れた高精密フィルターに関するものである。
ポリエーテルエーテルケトン(以後、PEEKと呼ぶ)樹脂は、耐熱性、耐薬品性に加えて、優れた機械的強度や成形加工性を備えていることから、金属代替材料や極限環境下に耐え得る材料として広く使用されている。繊維やモノフィラメントについても、これらの特性を利用して液体フィルター、気体フィルター、ブラシ用毛材、タイヤコード、抄紙ドライヤーキャンバス、電気絶縁紙などに使用することが提案されてきている。
これらの中で、化学、電気・電子、自動車、食品、精密機器、医薬・医療などの製造現場において、特定の物質を除去、透過させるフィルターが使用され、中でもモノフィラメントが織物としてフィルターやフィルター補強基材として多く使用されている。これらの用途において、モノフィラメントは有機溶剤や強酸、強アルカリ、有害ガス、あるいは高温に曝されるケースがあるため、耐熱、耐薬品性が必要となっている。さらに、近年、高い耐熱、耐薬品性を必要とする前記製造現場において、製品の品位や品質を向上させるために、PEEK繊維からなるフィルター性能に対する高精密化の要請は極めて高くなってきている。この主たる目標は繊維直径40μm以下、開口幅40μm以下であり、いずれかがオーバーすると流体通過抵抗と精密濾過の両立が困難となる。
しかしながら、細繊度で線形均一性の要求される高精密フィルターに適した高品質のPEEKモノフィラメントはこれまで製造することができなかった。
例えば特許文献1には、電気絶縁紙用のPEEK繊維が開示されている。得られた繊維は40μm以下の細繊度の繊維であるが、5〜10mmにカットし抄紙するものであり、線径均一性は要求されるものではなく、モノフィラメントの記載もない。
特許文献2には剛性の高いブラシ用PEEKモノフィラメントの製造技術として、加熱雰囲気、温水バス、乾熱バスを順に通過させる方法が提案されている。しかしながら、ブラシには本発明で規定するような細繊度や線径均一性は、要求されないため、剛性向上に有利な本方法では線径均一性に優れるモノフィラメントを得ることはできない。
特許文献3には、ミスト雰囲気中で冷却することにより、50μm以上の線形均一性に優れたPEEKモノフィラメントを製造する技術が開示されているが、40μm以下の細繊度に適したものではない。
特開平1−298300号公報 特開平6−123009号公報 特開2001−279522号公報
本発明は、かかる背景技術の問題点に鑑み、線径均一性に優れる高精密フィルターに適した耐熱、耐薬品性を備えた細繊度モノフィラメントを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明のPEEKモノフィラメントは、直径が10μm以上、40μm以下、直径の変動係数CV%が3.0%以下であることを特徴とするものである。また本発明のフィルターはこのようなPEEKモノフィラメントからなるものである。さらに、本発明のPEEKモノフィラメントの製造法は、PEEK樹脂を溶融紡糸するに際し、該樹脂を溶融した後、紡糸口金から吐出した糸条を口金から20mm以上、100mm以内で気体による冷却を開始することにより冷却固化して未延伸糸を得、該未延伸糸を加熱ローラ間で延伸することを特徴とするものである。
本発明によれば、線径均一性に優れる高精密フィルターに適した細繊度PEEKモノフィラメントを提供することができる。このようなPEEKモノフィラメントからなるフィルターは、有機溶剤や強酸、強アルカリ、有害ガス、あるいは高温に曝される化学、電気・電子、自動車、食品、精密機器、医薬・医療などの製造現場における高品質フィルターとして使用され、中でもモノフィラメント織物としてのフィルターやフィルター補強基材として使用される。
本発明において、PEEKは下記式(1)で表される単位を主たる反復単位とするものである。
Figure 2008240225
また本発明の効果を損なわない範囲、すなわちおよそ30重量%以下の範囲で、混合紡糸や複合紡糸などにより他のポリマーを添加、併用してもよい。他のポリマーとしては、ポリエステル、ポリオレフィンやポリスチレンなどのビニル系重合体、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリケトン、ポリエステルアミド、ポリエーテルケトン、フッ素樹脂などのポリマーが挙げられ、耐熱性、機能の複合化の点からポリフェニレンスルフィド、液晶ポリエステル、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドなどが好適な例として挙げられる。
さらに本発明の効果を損なわない範囲内で、各種金属酸化物、カオリン、シリカなどの無機物や、着色剤、艶消剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤、末端基封止剤、相溶化剤等の各種添加剤を少量含有しても良い。
本発明のモノフィラメントの繊維径は10μm以上、40μm以下であり、10μm未満の場合、フィルターへの加工が困難となり、一方、40μmを超える場合、フィルターの精密濾過が困難となる。該繊維径は、本来その用途特性にしたがって決定すべきことであるが、13μm以上、30μm以下が好ましい。
また、フィルターの特性上、フィルターのオープニング部の開口幅の均一性は高性能フィルターの重要な特性の一つであるが、この開口幅の変動は構成する繊維直径の変動係数に大きく依存する。繊維直径の小さな差でも、繊維の剛性を大きく変化させるため、本発明のモノフィラメントの線形均一性を表す直径の変動係数CV%は3.0%以下とする必要があり、3.0%を超えるとフィルターの高精密化は達成できない。このためには変動係数CV%は2.0%以下であることが好ましい。
本発明のモノフィラメントの強度は4.0cN/dtex以上、10cN/dtex以下であることが好ましい。強度を4.0cN/dtex以上とすることによって、製織工程などフィルター加工において十分な加工性を確保することができ、さらにフィルターの圧力損失をより高く設計できるため優れた濾過性能を発揮することができる。一方、モノフィラメントの強度はPEEK樹脂の特性から10cN/dtexがほぼ上限と考えられる。
本発明のモノフィラメントのタフネスは20以上、50以下であることが好ましい。タフネスは破断に要する単位重量あたりのエネルギーに相当する値であり、タフネスを20以上とすることによって製織工程などフィルター加工において十分な加工性を確保することができ、さらにフィルター使用時の衝撃力などに耐え得る優れた性能を発揮することができる。一方、モノフィラメントのタフネスはPEEK樹脂の特性から50がほぼ上限と考えられる。
本発明のモノフィラメントの断面形状は任意であるが、円形断面がフィルターの精密濾過性能の点で望ましい。
本発明のモノフィラメントは、液体フィルター、気体フィルター、ブラシ用毛材、タイヤコード、抄紙ドライヤーキャンバス、電気絶縁紙など任意の用途に適応することができるが、これまで述べたように主に気体や液体を媒体とするフィルターに加工することにより本発明のモノフィラメントの特性を十分に発揮する。本発明でいうフィルターとは、織物からなるフィルターであり、平織り、綾織り、朱子織りや、畳織り、多重織りなど、従来公知の織り組織を採用することができる。また本発明のモノフィラメントをフェルトなどの不織布の基布として使用することも好適である。
本発明のフィルターを構成するモノフィラメント織物の厚みは、10μm以上、200μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以下であり、このような薄い織物とすることによりフィルターの通気抵抗や通液抵抗を低減し、あるいは多層フィルターとした場合に低容積高性能化を実現できる。
本発明のフィルターを構成するモノフィラメント織物の目開きは、3μm以上、150μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以上、100μm以下である。目開きはフィルターの設計によりある程度の自由度はあるが、本発明のフィルターにより微小物質の分離を可能とすることができる。
以下に、本発明のモノフィラメントの製造法について記載する。
PEEK樹脂は前述した式(1)で表される単位を主たる反復単位とする樹脂を溶融紡糸して製造される。該樹脂の370℃、せん断速度60s−1における溶融粘度は、100Pa・s以上、400Pa.s以下とすることが好ましい。100Pa・s以上とすることにより、十分な製糸性を得ることができ、400Pa.s以下とすることにより、吐出時の安定性、細化挙動の安定性を高めて得られる繊維の線形均一性を向上することができる。
溶融紡糸において、PEEKの溶融押出は公知の手法を用いることができるが、エクストルーダー型の押出機を用いることが好ましい。押し出されたポリマーは配管を経由しギヤポンプなど公知の計量装置により計量され、異物除去のフィルターを通過した後、口金へと導かれる。このときポリマー配管から口金までの温度(紡糸温度)は該樹脂の融点以上、熱分解温度以下とし、PEEKの場合は340℃以上、410℃以下であり、好ましくは360℃以上、390℃以下である。
本発明のモノフィラメントを得るには、前述したPEEK樹脂を用い、細繊度、低繊度変動率の繊維を得るための紡糸条件の適正化が重要である。本発明の直径40μm以下のモノフィラメントを安定して製造するためには、口金孔の孔径Dを0.10mm以上、0.40mmとすることが好ましく、口金孔のランド長L(口金孔の孔径と同一の直管部の長さ)を孔径で除した商で定義されるL/Dは、1.0以上、4.0以下が好ましい。また1口金当たりの孔数は1孔で製造しても良いが、2孔以上20孔以下の複数孔とし、各糸条を個別に巻き取る低コストの製造方法が好ましく用いられる。
口金孔から吐出した糸条は、口金から20mm以上、100mm以内で気体による冷却を開始することにより冷却固化することが必要である。20mm未満の距離で冷却を開始すると、口金表面温度が低下し吐出が不安定となることがあり、100mm以下で冷却を開始しない場合には、細化挙動の安定性が維持できず、線形均一性の低い繊維しか得ることができない。さらに、本発明の直径が10μm以上、40μm以下のモノフィラメントを得るためには気体による冷却が必須であり、液体による冷却やミストによる冷却では、線径均一性を確保することができない。この場合、通常の空気や、窒素や酸素、水蒸気などの混合気体など、任意の気体を用いることができるが、取扱い性の点から空気が好ましい。冷却気体の温度は、冷却効率の観点から冷却風速とのバランスで決定すればよいが、線形均一性の点から50℃以下であることが好ましい。また、冷却気体は糸条にほぼ垂直方向に流すことにより、糸条を冷却させる。その際、冷却風の速度は冷却効率および線形均一性の点から5m/分以上が好ましく、製糸安定性の点から50m/分が好ましい。
冷却固化された糸条は、一定速度で回転するローラー(ゴデットローラー)により引き取られる。引き取り速度は線形均一性、生産性向上のため、500m/分以上が好ましく、糸切れを起こさないため3000m/分以下が好ましい。
このようにして得られた未延伸糸は、一旦巻き取った後、または引き取った後連続して、加熱された第1ローラと第2ローラの間で延伸することが必要である。すなわち、該未延伸糸は第1ローラで所定温度に加熱され、第1ローラと第2ローラの周速度の比にしたがって、第1ローラ出口付近で延伸を受けるよう、条件を設定する。このように延伸することが、線形均一性の観点から重要であり、加熱された第1ローラと第2ローラを用いないオーブンや熱板による延伸操作では、線形均一性を高めることは困難である。これらのローラにはセパレートローラを付属させ、ローラを周回させつつ繊維を加熱および速度固定させるものである。加熱温度の安定と速度固定のために、各ローラへの繊維の周回数は4回程度とすることが好ましい。設備生産性の観点から、上限は10回程度である。
該第1ローラの加熱温度は、100℃以上、180℃以下が好ましい。100℃以上とすることにより強度が向上し、180℃以下とすることにより延伸性が向上する。第2ローラ速度の第1ローラ速度に対する比である延伸倍率rは、未延伸糸の破断伸度Eu(%)、および延伸糸に所望される破断伸度Ed(%)にしたがって、
r=(1+Eu/100)/(1+Ed/100)×a
のように決定される。ここでaは補正係数で、通常、0.9以上、1.1以下が採られる。
第2ローラの加熱有無は任意であるが、加熱することにより熱寸法安定性を向上させることが好ましい。この場合の加熱温度は、通常、110℃以上、270℃以下であり、熱寸法安定性を向上させるためには140℃以上が好ましく、糸切れやローラ汚れを回避するためには230℃以下が好ましい。
延伸操作は、1段であっても多段であってもよく、多段延伸の場合にも主たる延伸操作部分について、本発明は適用される。すなわち、主たる延伸操作部分について1対のローラによる延伸、および該1対のローラの第1ローラは加熱する必要がある。また主たる延伸操作部分とは、複数の延伸操作の内、最大延伸倍率をとる延伸操作を指す。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。なお実施例中の各特性値は次の方法で求めたが、本発明はこれらに限定されるものではない。
A.溶融粘度
東洋精機社製キャピログラフ1Cを用いて、キャピラリー長40mm、キャピラリー直径1mm、測定温度370℃の条件で溶融粘度の剪断速度依存性を測定し、せん断速度60s−1における溶融粘度を求めた。
B.製糸性
正味30分の紡糸における、未延伸糸の糸切れ回数を求め、ゼロ回を○、1〜2回を△、3回以上を×とした。
C.直径およびその変動係数CV%
約1m間隔で20箇所の直径を測定しその平均値および変動係数を求める。直径は、繊維を樹脂に包埋しミクロトームを用いて繊維軸に垂直な面の切片を作製し、そのまま走査型電子顕微鏡(Nikon社製ESEM−2700)により倍率1000倍で、繊維直径を0.1μmのオーダーで測定した。直径は20本の平均値として求め、変動係数は、標準偏差を平均値で除して求める。繊維断面が非円形の場合は、得られた画像を画像処理ソフト(三谷商事(株)製、Winroof)で円形図形分離を行い、円換算径として直径を求める。
D.強度、タフネス
JIS L1013:1999記載の方法に準じて、試料長100mm、引張速度50mm/分の条件で、オリエンテック社製テンシロンUCT−100を用い1水準当たり10回の測定を行い、強度T(cN/dtex)、伸度E(%)を求めた。
タフネスPは以下の式により求めた。
P=T×E1/2
E.開口幅変動率
レピア織機にて経糸に直径29.8μmのポリエステルモノフィラメントを用い、平織で経糸の織密度325本/インチ(2.54cm)、オープニングが略正方形となるよう、サンプル糸を緯打ち込みした。この試織反を走査型電子顕微鏡(Nikon社製ESEM−2700)により倍率1000倍で、任意の20か所のオープニングについて、緯糸間隔の最も広い部分の幅を0.1μmのオーダーで測定し、開口幅の変動係数は標準偏差を平均値で除して求めた。
実施例1
ビクトレックス・エムシー社製PEEK90G(溶融粘度225Pa・s)を用い、紡糸温度370℃で溶融紡糸した。金属不織布フィルター絶対濾過径10μmで濾過し、孔径0.13mm、ランド長0.26mmの孔を5個有する口金より吐出量3.0g/分(単孔あたり0.6g/分)でポリマーを吐出した。
吐出したポリマーは40mmの保温領域を通過させた後、ユニフロー型冷却装置により温度25℃、風速30m/分、1.0mの長さに渡って冷却し、油剤を付与し5フィラメントともに600m/分の第1ゴデットロール、第2ゴデットロールを介し、5フィラメント中の4本はサクションガンにて吸引し、残り1本をダンサーアームを介しパーンワインダー(巻取パッケージに接触するコンタクトロール無し)を用いてパーンの形状に巻き取った。約100分の巻取時間中、糸切れは発生せず製糸性は良好であった。
この未延伸糸を、ニップローラを付属するフィードローラにて引き取り、第1ローラとの間で未延伸糸に緊張を与えた後、それぞれ130℃、180℃に加熱した第1、第2ローラに6周回させて延伸および熱セットを施した。延伸倍率は3.0倍、第2ローラ出の繊維は400m/分の非加熱ローラで引き取り、ツイスターにより巻き取った。
得られた繊維の物性を表1に示す。
実施例1のモノフィラメントを実際に緯糸に用いて、平織りとし、開口幅変動係数を測定したところ2.5%であり、目的とする特性を示すものであった。
実施例2、3
PEEK樹脂をビクトレックス・エムシー社製PEEK150G(溶融粘度430Pa・s)、PEEK380G(溶融粘度1450Pa・s)とする以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を行った。糸特性、開口幅変動係数をあわせて表1に示す。
実施例4〜8、比較例1〜4
吐出量、冷却開始位置、紡糸速度を表1に示した以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を行った。糸特性、開口幅変動係数をあわせて表1に示す。比較例1は溶融紡糸に際して糸切れが多発した。比較例3は緯糸打ち込みが困難で試織を断念した。実施例7も打ち込みが困難であったが、何とか試作は可能であった。比較例4では、繊維直径40μm以下、開口幅40μm以下のフィルター目標仕様が達成できない。
実施例9〜12
延伸工程の第1ローラ温度を表1に示した以外は、実施例1と同様にして紡糸、延伸を行った。糸特性、開口幅変動係数をあわせて表1に示す。実施例9は緯糸打ち込みが困難であったが、何とか試作は可能であった。
比較例5
粒径1.2μmの室温のミストにより冷却した以外は実施例1と同様にして紡糸、延伸を行った。糸特性、開口幅変動係数をあわせて表1に示す。
比較例6
溶融紡糸に際して、口金下の温度150℃、長さ30cmの保温ゾーンを通過させた後、40℃の温水バスを通過させ、45m/分で引き取った以外は実施例1と同様にして紡糸、延伸を行った。糸特性、開口幅変動係数をあわせて表1に示す。
Figure 2008240225

Claims (6)

  1. 直径が10μm以上、40μm以下、直径の変動係数CV%が3.0%以下であることを特徴とするポリエーテルエーテルケトンモノフィラメント。
  2. 強度4.0cN/dtex以上、10cN/dtex以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエーテルエーテルケトンモノフィラメント。
  3. タフネスが20以上、50以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエーテルエーテルケトンモノフィラメント。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載のポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントからなるフィルター。
  5. ポリエーテルエーテルケトン樹脂を溶融紡糸するに際し、該樹脂を溶融した後、紡糸口金から吐出した糸条を口金から20mm以上、100mm以内で気体による冷却を開始することにより冷却固化して未延伸糸を得、該未延伸糸を加熱された第1ローラと第2ローラの間で延伸することを特徴とするポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントの製造法。
  6. 該ポリエーテルエーテルケトン樹脂の370℃、せん断速度60s−1における溶融粘度を100Pa・s以上、400Pa.s以下とすることを特徴とする請求項5に記載のポリエーテルエーテルケトンモノフィラメントの製造法。
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