JP2008238791A - 粒子状ポリマーの製造方法および造粒装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶融ポリマーを複数の孔を有するダイヘッド11を通してストランドにし、切断して粒子状ポリマーを製造する際に、ダイヘッド11の出口温度の最高値と最低値との差を5℃の温度範囲内に制御する。制御は、ダイヘッド11を複数の区画に分割し、区画毎に独立して行い、溶融ポリマーは、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応により溶融重縮合して得られるポリカーボネート等が適用できる。
【選択図】図1
Description
そこで、ペレットの長さや径の分布はできるだけ均一であることが好ましく、精度としては、ペレットの形状が円柱形状であった場合は、ペレットの平均長さ±0.1mm以内であり、かつ真円換算平均直径±0.1mm以内であるものが85%以上であることが求められている。
即ち、本発明の目的は、均一な大きさのペレット形状等の粒子状ポリマーを製造することができる粒子状ポリマーの製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、均一な大きさのペレット形状等の粒子状ポリマーを製造することができる造粒装置を提供することにある。
また、溶融ポリマーは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応により溶融重縮合して得られるポリカーボネートであることが好ましい。
ポリマーのストランド化の条件としては、例えば、ダイ孔部から排出される溶融ポリマーの流量は、せん断速度で100〜1000s−1であり、樹脂温度は、溶融粘度が200〜2000Pa・sの範囲になるように通常250〜370℃の範囲で設定される。そして、このとき本実施の形態が適用される造粒装置が使用される。
最後に脱水機にて水分除去した後に貯蔵容器である貯槽サイロに導入される。
図1は、本実施の形態が適用される造粒装置を構成するダイヘッドを説明する斜視図である。
また図2は、ダイヘッドを図1のAで示した方向から眺めた背面図である。
図1は、溶融したポリマーが供給されるダイヘッド11、溶融したポリマーをストランド状に押出すダイヘッドプレート13、ダイヘッド11から排出される溶融ポリマーの温度を測定する温度測定器である熱電対14a,14b,14c、ダイヘッド11の周囲に配置されダイヘッド11を加熱するプレート状の加熱器15a,15b,15c,16a,16b,17a,17b,17c、18a、18bから構成される。
なお、加熱器15a,15b,15cは、図1に示す通り、ダイヘッド11の前面に横並びで設置されており、また加熱器16a,16bは、図2に示す通りダイヘッド11の突起部12の側面にそれぞれ設置されている。また加熱器17a,17b,17cは、図2に示す通りダイヘッド11の背面に横並びで設置され、加熱器18a、18bは、図2に示す通りダイヘッドの両側面部に設置される。
図3は、ダイヘッドプレート13の構造を説明する図である。
ダイヘッドプレート13は溶融したポリマーを排出する孔19が40個開けられており、この孔19を通してストランド状に加工され、引き取られる。
3つの熱電対14a,14b,14cで測定された溶融ポリマーの温度のデータは図示しない制御部に送られ、制御部は、熱電対14a,14b,14cで測定された溶融ポリマーの温度の最高値と最低値の差が、5℃以内の範囲に収まるように、10ヶ所の加熱器15a,15b,15c,16a,16b,17a,17b,17c、18a、18bを独立して制御する。
即ち、ダイヘッドを複数の区画に分割し、区画毎に独立して制御を行う。なお、測定された出口温度の最高値と最低値の差が、3℃以内の範囲に収まるようにすれば更に好ましい。また、ダイヘッド11の両端部は放熱が大きいため、上記温度範囲内で他の部分より高めの温度で制御してもよい。
また、制御部を特に設けず、手動で温度制御をすることも可能である。
図4は、本実施の形態が適用される造粒装置を説明する図である。
図4において、ダイヘッド11より押出されたストランドは、ストランド冷却装置20に送られ、そこで冷却水により冷却される。
その後、カッター30により切断されるが、その際の引き取り速度は、50m/min〜250m/minが好ましい。
また、粒子状ポリマーは、上述の例ではペレットであり円柱形状であったが、形状について特に限定されることはなく、ストランド状のポリマーをカッターにより切断することにより実現できる形状であれば何でもよく、例えば、切断面が円形や楕円形状であるもの、四角形状であるものなどが挙げられる。
また、粒子状ポリマーの大きさは、特に限定されるものではないが、粒子状ポリマーが円柱形状のペレットであった場合は、長さが10mm以下に加工されたものが好ましい。
押出機で押出すポリマーの溶融粘度については、特に制限はないが、200〜2000Pa・Sであることが好ましい。
ポリマーとしてポリカーボネートを使用し、熱電対の配置以外は、図1に示したようなダイヘッドを有する造粒装置を使用して、重合完了後のポリカーボネート(粘度平均分子量(Mv)=26000)を、大きさが500mm×120mmで、孔径φ7mm、孔数40個のダイヘッドプレートよりストランド状に押出しながら水冷されたストランド冷却シュート(ストランド冷却装置)に落下させた。このときの引き取り速度は150m/minであった。
また、このときの出口部における溶融ポリマーの温度は、熱電対を均等な間隔でダイヘッド上部に横並びに5箇所設置して測定を行った。
出口温度の制御は、所定の中心温度を設定し、この範囲より低くなりすぎた場合は、その熱電対周辺の加熱器の加熱強度を強くし、また高くなりすぎた場合は、その熱電対周辺の加熱器の加熱強度を弱くすることにより行った。
その結果、測定された出口温度は、ダイヘッドの前面左端から順に350℃、352℃、353℃、352℃、350℃であり、全て5℃以内の範囲に収まっていた。
ストランド状に引き取ったポリマーを、カッターでペレット状にカットしたところ、得られたペレットは、平均長さ3.0mmで、真円換算平均直径は2.9mmであった。そして、大きさがいずれかの平均値から0.1mmより乖離したペレットの比率は10%であった。
なお大きさの測定に使用したペレットの個数は1000個である。
ポリマーとしてポリカーボネートを使用し、熱電対の配置以外は、図1に示したようなダイヘッドを有する造粒装置を使用して、重合完了後のポリカーボネート(粘度平均分子量(Mv)=26000)を、大きさが500mm×120mmで、孔径φ7mm、孔数40個のダイヘッドプレートよりストランド状に押出しながら水冷されたストランド冷却シュート(ストランド冷却装置)に落下させた。このときの引き取り速度は150m/minであった。
また、このときの出口部における溶融ポリマーの温度は、熱電対を均等な間隔でダイヘッド上部に横並びに5箇所設置して測定を行った。
出口温度の制御は特に行わなかった。
その結果、測定された出口温度は、ダイヘッドの前面左端から順に345℃、349℃、352℃、348℃、344℃であり、5℃以内の範囲に収まっておらず、最低温度から最高温度まで8℃の差があった。
ストランド状に引き取ったポリマーを、カッターでペレット状にカットしたところ、得られたペレットは、平均長さ3.1mmで、真円換算平均直径は2.85mmであった。そして、大きさがいずれかの平均値から0.1mmより乖離したペレットの比率は20%であった。
なお大きさの測定に使用したペレットの個数は1000個である。
Claims (5)
- 溶融ポリマーを複数の孔を有するダイヘッドを通してストランドを得、当該ストランドを切断して粒子状のポリマーを製造する粒子状ポリマーの製造方法であって、
前記溶融ポリマーの前記ダイヘッドにおける出口温度の最高値と最低値との差を5℃以内に制御することを特徴とする粒子状ポリマーの製造方法。 - 前記制御は、前記ダイヘッドを複数の区画に分割し、当該区画毎に独立して行うことを特徴とする請求項1に記載の粒子状ポリマーの製造方法。
- 前記ストランドの引き取り速度が、50m/min〜250m/minであることを特徴とする請求項1または2に記載の粒子状ポリマーの製造方法。
- 前記溶融ポリマーは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応により溶融重縮合して得られるポリカーボネートであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の粒子状ポリマーの製造方法。
- 溶融ポリマーを複数の孔を有するダイヘッドを通して得られたストランドをカットする造粒装置であって、
前記ダイヘッド周囲に設置され、当該ダイヘッドを加熱する加熱器と、
前記ダイヘッドの出口部における前記溶融ポリマーの温度を測定する複数の温度測定器と、
前記温度測定器により測定された前記溶融ポリマーの温度により前記加熱器を制御する制御部とを有し、
前記制御部は、前記温度測定器で測定された前記溶融ポリマーの温度の最高値と最低値との差を5℃以内に制御することを特徴とする造粒装置。
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