JP2003136528A - ポリマーペレットの製造方法及び製造装置 - Google Patents

ポリマーペレットの製造方法及び製造装置

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JP2003136528A
JP2003136528A JP2001337608A JP2001337608A JP2003136528A JP 2003136528 A JP2003136528 A JP 2003136528A JP 2001337608 A JP2001337608 A JP 2001337608A JP 2001337608 A JP2001337608 A JP 2001337608A JP 2003136528 A JP2003136528 A JP 2003136528A
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polymer
pressure
pellets
die plate
strand
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JP2001337608A
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English (en)
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Toru Ogura
徹 小倉
Takahito Miyoshi
孝仁 三好
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイスウェルの発生を抑制し、均一なポリマ
ーペレットを得る。 【解決手段】 反応槽11内で重縮合反応によってポリ
エステル12を生成する。反応槽11内を150kPa
に加圧するとポリエステル12は、ストランド状にダイ
プレート27から押し出される。一定時間経過するとポ
リマーストランドの形成が安定し、ダイスウェルの発生
が抑制される。反応槽11内の圧力を500kPaに昇
圧すると、ポリマーストランドの先頭から順次滑り台3
1で冷却された後に、カッター刃37で切断されペレッ
トになる。ペレットは、遠心ドライヤー39で乾燥さ
れ、収納槽40でブレンドされると均一なペレットにな
る。低い圧力でポリエステル12を押し出し開始するの
で、ダイスウェルの発生が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマーをペレッ
ト化する製造方法および製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下、P
ETと称する)の様な芳香族ポリエステルは、繊維、フ
イルム及び透明容器等の成形材料として広く使用されて
いる。しかし、最近ではポリエチレン−2,6−ナフタ
レート(以下、PENと称する)がPETに比べて高い
強度と柔軟性を有する事から注目されている。そして、
PENを用いて、電機部品、写真用フイルム、磁気記録
材料、樹脂製容器等を製造し、その品質を向上させるた
めの研究が行われている。
【0003】写真用フイルムの代表的な例としては、X
線撮影用フイルム、製版用フイルム(例えば集積回路作
成用ネガまたはポジフイルム)及びカットフイルムのよ
うにシート状のものやロール状の形態のものが知られて
いる。ロールフイルムの代表的なものとしては、135
タイプのカラーまたはモノクロネガフイルムがあり、さ
らに幅広のブローニー(例えば120タイプや220タ
イプ)も挙げる事ができる。
【0004】135タイプのフイルムの支持体には、従
来からセルローストリアセテート(以下、TACと称す
る)フイルムが用いられている。TACフイルムは光学
的に異方性がなく、透明性が高いこと、さらには現像処
理以降のカール解消性にも優れており、写真用支持体と
して良好な性質を有しているため、支持体として現在に
おいても最も多く用いられている。
【0005】一方、カメラの小型化、あるいはパトロー
ネの小型化の要望に応えて、写真用支持体の薄膜化が検
討され、すでに実用化されている。その際、上記TAC
フイルムの利用も検討されたがTACフイルムをさらに
薄膜化すると写真用支持体に必要な強度を満足しないと
の問題があった。
【0006】このため、高い強度のあるPET,PEN
等のポリエステルを用いる検討が進められた。しかしな
がら、従来はシート状のフイルムに使用されているPE
Tで薄膜フイルムを作成した場合、得られるフイルムは
まき癖によるカールを起こしやすいとの問題があった。
PENを用いると、このカール発生を抑える事ができ、
写真用支持体として優れた特性を示した事から、このP
ENを用いてIX240タイプの薄膜フイルムが実現さ
れた(EP0606070A1、特開平7−7258
4)。
【0007】さらに、従来から135タイプのフイルム
に使用されているTACは、製膜時に溶剤を使用する事
から、溶剤の後処理が必要であり、環境問題等の観点か
ら、コストアップになり、今後商業製造を続ける事が困
難な状況になる事も懸念され、PENフイルムをTAC
フイルムに代えて135タイプのフイルムの支持体とし
て使用する研究も行われている。PENフイルムは、耐
熱性にすぐれ、巻き癖が付きにくいので、ロール状で使
用される写真フイルムの支持体として、PETフイルム
に比べて遥かに好ましい材料である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PEN
フイルムを製造するためにPEN樹脂を合成しようとす
ると、PEN樹脂特有の物性により製造上の問題が発生
する。PEN樹脂は、重合装置を窒素などで加圧して、
加熱溶融状態の溶融ポリマーを多孔板(以下、ダイプレ
ートと称する)に通してストランド状(以下、ポリマー
ストランドと称する)として抜出し、カッターで切断し
ポリマー粒子(以下、ペレットと称する)とする製造方
法で得られる。
【0009】しかし、ダイプレートから溶融ポリマーを
押出すとポリマーストランドの先端が、ダイプレート表
面へ付着したり、ポリマーの内部応力により太く膨ら
む、いわゆるダイスウェルといわれる現象が発生し、ダ
イスウェルが大きいとダイプレートから押出された溶融
状態のポリマーストランド同士が接触して融着してしま
い、この部分が大きなブロックとなるためにカッタート
ラブルの原因となる。
【0010】また、溶融PENはダイプレートから押出
されると外気に触れて直ちに高粘度になり、表面が冷却
されて剛直になる。このためダイスウェルによって発生
したストランド先端のブロックは、ストランドの流路に
従ってスムーズに曲がれずにガイドやセンサーあるいは
冷却用スプレーノズルなどに突き当たって引っかかり、
カッターに到達できずに詰まりトラブルとなる。また、
先端のブロックは正常なストランド部分と比べて大きな
重量と熱容量を持つため、ストランドを搬出させるため
の水流をさえぎって流路に付着してしまい、行き先を遮
られたストランドが系外に溢れ出たり、ストランドが硬
いダンゴ状になりカッター刃を破損させる場合がある。
さらに、ストライド先端のダイスウェルによって生成し
たブロックは、カッターで切断することができずカッタ
ーのオーバーロードを発生させて装置を停止させたり、
カッター刃を破損させる場合がある。
【0011】これらを防止するためにダイプレート孔の
ピッチを広くするとダイプレートが細長くなってしま
い、カッターが大型化しコストアップになるほか、ダイ
プレートから反応機までの配管内でのポリマーの流れが
不均一となり、ポリマーの滞留や劣化が発生する原因に
なる。
【0012】ポリマーの滞留が発生するとダイプレート
の端でのポリマー流速が遅くなり、ポリマーストランド
が細くなるため、カッターで切断した後のペレットサイ
ズにばらつきを生じ、ペレットの乾燥、結晶化が不均一
になるだけでなく、風送時の詰まり、押出しスクリュー
への供給変動などの不都合を生ずるほか、流速の遅い滞
留部分でのポリマーの分子量低下、着色などの品質低下
を招くだけでなく劣化して溶融粘度が低下した部分のス
トランドはさらに自重によって細長く伸びて糸状にな
り、搬送系や回転部分に巻き付くトラブルの要因とな
る。
【0013】そこでダイプレートをあまり大きくせず
に、ダイプレートの孔径を大きくする方法も試みられて
いるが、この場合には、ストランドが太くなって充分冷
却することができずにカッターに粘着して切れなくなっ
たり、ダイプレートからの押出しが安定せずにストラン
ド太さが変動し、サイズの揃ったペレットが製造ができ
なくなるなどの問題が生じていた。このため、ダイプレ
ートの抜出穴はできるだけ細かいピッチで開ける必要が
あり、通常抜出穴のピッチ(穴と穴の間隔)は3〜25
mmのものが使用されている。
【0014】本発明は、ダイスウェルの発生を抑制し、
均一なポリマーペレットが得られる製造方法及び製造装
置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のポリマーペレッ
トの製造方法は、重合装置内のポリマーを加圧し、ダイ
プレートからストランド状に前記ポリマーを溶融押出
し、カッターにて切断するポリマーペレットの製造方法
において、前記ダイプレートから前記ポリマーを押し出
す際に、第1の圧力で押し出しを開始し、一定時間経過
した後に前記第1の圧力よりも高い第2の圧力で前記ポ
リマーを押し出すから、ダイスウェルの発生を抑制でき
ポリマーストランドが安定して形成した後に、通常の速
度でポリマーの押し出しを行うことができる。また、ポ
リマーの押し出し後半には、重合装置内のポリマーが加
熱されつづけることにより分解して粘度が下がると、吐
出量が増えたり、ストランドのバタツキが大きくなった
りして、安定した切断が困難になる場合がある。これを
抑制するために、再度押し出し圧力を下げる製造方法も
本発明に含まれる。
【0016】このため連続式重合装置を用いても、装置
内に出入りする物質収支を平衡に保つことができるた
め、連続してペレットの製造を行うことができる。ま
た、回分式重合装置を用いた場合でも、ポリマーを抜出
す時間は、従来法とほとんど相違が無いため、ポリマー
の劣化などが生ぜず、均一なペレットを得ることができ
る。ペレットの押出しスタートを1日に何回も繰返さな
ければならない回分式重合装置においてペレット化トラ
ブルを回避し、ロスを抑えることができ、特に有効な方
法である。
【0017】前記第1の圧力が10〜200kPaの範
囲であり、かつ前記第2の圧力が200〜1000kP
aの範囲であり、前記ダイプレートのポリマーの押し出
し開口面積の比率が、2〜50%であり、前記ポリマー
の粘度が200〜1000Pa・sであり、前記一定時
間が、5〜600秒であることが好ましい。
【0018】フイルムの製膜に供される無機または有機
材料からなるフィラーを1種類以上含みポリエチレン−
2,6−ナフタレートを主たる成分とするポリマーをペ
レット化することが好ましい。また、ペレット化される
前記ポリマーがハロゲン化銀写真フイルム用支持体原料
であることが好ましい。
【0019】本発明のポリマーペレットの製造装置は、
重合装置内のポリマーを加圧手段により加圧し、ダイプ
レートからストランド状に前記ポリマーを溶融押出し、
カッターにて切断するポリマーペレットの製造装置にお
いて、前記ダイプレートから前記ポリマーを押し出す際
に、第1の圧力の圧力で押し出しを開始し、一定時間経
過した後に前記第1の圧力よりも高い第2の圧力で前記
ポリマーを押し出すように前記加圧手段を制御する制御
手段を備えている。
【0020】
【発明の実施の形態】[ポリマーの原料]ポリマーは、
熱可塑性樹脂であれば本発明を適用することができる
が、ポリエステルが好ましく、特にエチレン−2,6−
ナフタレート単位を主成分とするポリエステル(ポリエ
チレン−2,6−ナフタレート、PEN)が好ましく用
いられる。このポリエステルの合成に使用される多塩基
酸は、全塩基酸の少なくとも70モル%が2,6−ナフ
タレンジカルボン酸または、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸の低級アルキルエステルが好ましい。低級アルキ
ルとしてはメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、
またはブチルが好ましく、特にメチルが好ましい。特
に、純度の高いものが容易に得られる2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸ジメチルが好ましい。
【0021】全塩基酸の30モル%以下の量で、テレフ
タル酸、イソフタル酸、5−ナトリウムスルフォイソフ
タル酸、フタル酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、
1,5−ナフタレンジカルボン酸、およびジフェニルカ
ルボン酸などの芳香族ジカルボン酸およびその低級アル
キルエステル(低級アルキルとしてはメチル、エチル、
イソプロピル、プロピル、またはブチルが好ましく、特
にメチルが好ましい)を使用することもできる。特にイ
ソフタル酸およびその低級アルキルエステルが好まし
い。
【0022】上記以外の多塩基酸としては、シクロプロ
パンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、および
ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸お
よびその低級アルキルエステル(低級アルキルとしては
メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、またはブチ
ルが好ましく、特にメチルが好ましい)及びアジピン
酸、コハク酸、シュウ酸、アゼライン酸、セバシン酸及
びダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸及びその低級ア
ルキルエステル(低級アルキルとしてはメチル、エチ
ル、イソプロピル、プロピル、またはブチルが好まし
く、特にメチルが好ましい)を10モル%以下の量で使
用してもよい。
【0023】ポリエステルの合成に使用される多価アル
コールは、全多価アルコールの少なくとも70モル%が
エチレングリコールである。好ましくは、90モル%以
上であり、100モル%が特に好ましい。他の多価アル
コールとして、プロピレングリコール、トリメチレング
リコール、ジエチレングリコール、テトラメチレングリ
コール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、p−キシレングリコール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ビスフェノールA、p−p´−ジフ
ェノキシスルフォン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエ
トキシフェニル)プロパン、ポリアルキレン(例、エチ
レン、プロピレン)グリコール、およびp−フェニレン
ビス(ジメチロールシクロヘキサン)などを使用するこ
とができる。
【0024】[添加剤]また、ポリエステルの製造にお
ける、エステル化反応、エステル交換反応、エステル化
反応あるいはエステル交換反応後の重縮合には、それぞ
れ公知の触媒を使用することができる。さらに公知の熱
安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収
剤、蛍光漂白剤、顔料、染料、遮光剤、フィラー、その
他の金属化合物や含窒素塩基性化合物などを目的に応じ
て添加できる。
【0025】熱安定剤としては、リン酸、亜リン酸もし
くはこれらのエステル化合物を添加することもできる。
例えば、リン酸エステル、リン酸トリエチル、リン酸ト
リフェニル、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸トリメチ
ル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、およ
びリン酸または亜リン酸のモノあるいはジフェニル等を
挙げることができる。また酸化防止剤としては、例えば
公知のヒンダードフェノール類を添加しても良い。
【0026】フィラーは、本発明にて合成したポリマー
ペレットを用いて、主にフイルムを製造する際、フイル
ムの滑り性を改善するために添加することができる。上
記PENの合成の任意の段階で添加することができる
が、重縮合反応を行なう直前が好ましい。フィラーは、
タルク,シリカ,二酸化チタン,二酸化ジルコニウム,
カオリン,硫酸バリウム,酸化アルミニウム,炭酸カル
シウムなどの無機化合物や、アクリル樹脂,ポリスチレ
ン,シリコーン,ポリメチルメタクリレート,ベンゾグ
アナミン樹脂等の高分子の有機化合物を挙げることがで
き、特に高分子の有機化合物が架橋性高分子化合物であ
ることが好ましい。これらの中でシリカが好ましく、特
に破砕型シリカと球状シリカが低濃度でも効果が高い。
フィラーの添加量はポリマー重量に対して500ppm
以下、望ましくは300ppm以下が良い。フィラーの
平均粒子径が1μmを超える粗大粒子はフイルムの表面
の平滑性を低下させたり、フイルム延伸時にボイドを発
生させ、フイルムのヘイズをいたずらに高くする問題が
ある。また、0.1μm未満の粒子は滑り性の向上に殆
ど寄与しないため、フイルムの搬送工程で問題を生じる
事がある。
【0027】[触媒]エステル化反応は特に触媒を添加
しなくても進行するが、下記の触媒を用いることにより
効率よく反応を進めることができる。例えば、エステル
交換反応の触媒としては、酢酸マンガン、酢酸コバル
ト、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸カドミウ
ム、酢酸亜鉛、酢酸鉛、酸化マグネシウムおよび酸化鉛
等が一般に使用されるが、これらは単独で使用しても、
2種類以上組み合せて使用しても良い。
【0028】また、重縮合反応触媒には、三酸化アンチ
モン、五酸化アンチモン、三フッ化アンチモン、硫化ア
ンチモン、アンチモントリブチレート、アンチモンエチ
レングリコラート、アンチモン酸カリウム、酢酸アンチ
モン、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、三酸化
ゲルマニウム、酢酸マンガン、酢酸亜鉛、酢酸鉛、安息
香酸アルカリ金属塩、チタンアルコキシド(例、チタン
ブトキサイド)、及びチタン酸のアルカリ金属塩などが
一般に使用される。これらは単独で使用しても2種類以
上組み合せて使用しても良い。例えば、五酸化アンチモ
ン3重量部に対して二酸化ゲルマニウム7重量部を混合
して使用する事もできる。
【0029】[ポリマーの製造]ポリエステルは、上記
多塩基酸と多価アルコールとをエステル交換反応後に重
合させる方法、またはエステル化反応後に重合させる直
接重合法(直重法)のいずれでも製造することができ、
また、連続式装置でも、回分式装置でも製造することが
できる。
【0030】本発明に用いられるポリマーは、上記に記
載したいずれかの多塩基酸と多価アルコールとの組み合
せから合成されるポリエステルが好ましく用いられる。
そのポリエステルは、単一のモノマーユニットからなる
ホモポリマーであっても良いし、2種またはそれ以上の
モノマーユニットを構成単位としたコポリマーであって
も良い。
【0031】本発明に係るエチレン−2,6−ナフタレ
ートを主繰返し単位とするポリエステル(ポリエチレン
ナフタレート、PEN)は、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸ジメチル(多塩基酸)とエチレングリコール(多
価アルコール)をエステル化反応もしくはエステル交換
反応させることによりオリゴマーを得た後に、オリゴマ
ーをろ過して、減圧下で重縮合反応を行って合成するこ
とができる。
【0032】オリゴマーの溶融粘度は、0.01〜0.
5Pa・s程度とポリマーに比べて格段に低いため、オ
リゴマーをろ過する際に用いるフィルターの目開きは、
フィラーの通過を阻害しない限り細かいほうが好まし
い。フィラーは、オリゴマー合成時に添加しても良い
し、重縮合反応の際に添加しても良い。重縮合反応の際
に添加する場合は、オリゴマー中にはフィラーが含まれ
ていないため0.1μmから10μmの目開きのフィル
ターを用いることで、オリゴマー中の不純物を効率良く
除去することができる。特に、高品質のフイルム製品を
製造するためには、フィルターによるオリゴマーの高精
度ろ過が重要である。
【0033】[ポリマーのペレット化]本発明に係るポ
リエステルのペレット化を行う装置の一実施形態を図面
を参照して説明する。図1は、回分式重合装置とカッタ
ー装置との概略図を示し、図2には、ダイヘッドの要部
概略図を示す。
【0034】回分式重合装置10の重縮合反応槽(以
下、反応槽と称する)11内には溶融オリゴマーもしく
はポリマー12が保有されている。反応槽11は、ジャ
ケット13により覆われ反応槽11内の温度が制御され
る。また、二重ヘリカルリボン翼14が、反応槽11内
に設けられ、変減速装置15を介してモータ16と接続
している。モータ16の回転に伴って二重ヘリカルリボ
ン翼14が回転して溶融オリゴマーもしくはポリマー1
2を撹拌し、溶融ポリマーの反応を促進する。
【0035】反応槽11には、窒素導入バルブ17を介
して窒素供給装置18が取り付けられている。この窒素
導入バルブ17を開けると窒素供給装置18内の窒素に
より反応槽11内を加圧することができる。また、反応
槽11には、圧力計19が取り付けられている。圧力計
19はコントローラ20と接続されており、反応槽11
内の圧力は、コントローラ20による窒素導入バルブ1
7の開閉によって制御される。
【0036】反応槽11の底には底バルブ21が取り付
けられ、配管22を介してダイヘッド23と接続してい
る。配管22及びダイヘッド23は、熱媒油による加熱
ジャケット24で覆われ保温されているため、溶融ポリ
マー12の固化が抑制される。さらに、底バルブ21と
ダイヘッド23の間には、配管22及びダイヘッド23
内に残留した溶融ポリマー12を除去するための加圧用
窒素を供給する窒素ボンベ25がバルブ26を介して取
り付けられている。
【0037】図2はダイヘッド23の要部拡大図であ
る。ダイヘッド23は、加熱ジャケット24に覆われ、
その先端には表面積S1のダイプレート27が取り付け
られている。ダイプレート27には、溶融ポリマー12
が押し出されるポリマー抜出穴28が多数設けられてい
る。開口面積S2のポリマー抜出穴28は、1列から5
列程度がダイプレート27の長手方向に配置されている
ことが好ましい。また、それぞれの列のポリマー抜出ポ
リマー抜出穴28は、各ポリマー抜出穴28の間隔を取
りやすいように千鳥状に開けられていることが好まし
い。溶融ポリマー12は、この多数のポリマー抜出穴2
8からストランド状に押し出される。
【0038】溶融ポリマー12の押し出しは、ダイスウ
ェルの発生を抑制するため押し出し開始時は、10〜2
00kPaの圧力で加圧することが好ましい。しかし、
10〜200kPaの圧力で加圧し、溶融ポリマーを押
し出し続けると、ポリマーストランドに窒素の気泡が入
ったり、ポリマーストランドが弾けたりする弊害が生じ
る。そこで、溶融ポリマーの押し出し開始後、一定時間
経過した後には、押し出し開始時の圧力より高い200
〜1000kPaで溶融ポリマーを押し出すことが好ま
しい。また、圧力の高くする時間は、押し出された溶融
ポリマーの粘度などによっても異なるが、5〜600秒
経過後に圧力を高くすることが好ましい。
【0039】ダイヘッド23の内部には、溶融ポリマー
12がどのポリマー抜出穴28からも一様に押出される
ように邪魔板(図示せず)が取り付けられている。しか
し、溶融ポリマーの粘度が高い場合、邪魔板による圧力
損失が大きくなるため押出し圧力を高くしなければ充分
な流量が得られない場合がある。この場合には反応槽1
1を高耐圧性にする必要から、回分式重合装置のコスト
が大幅に上がる問題が生じる。さらに、高圧で溶融ポリ
マーを押し出すためダイスウェルが大きくなり、ストラ
ンド先端の融着によるブロック化が生じやすくなる問題
も生じる。また、邪魔板での溶融ポリマーの滞留がポリ
マーの劣化を招く問題も生じる。そこで、溶融ポリマー
の粘度は、200〜1000Pa・sであることが好ま
しい。また、邪魔板のサイズを大きくすることによる弊
害が生じないようにダイヘッド23の長手方向の長さは
1m以下にする事が好ましい。図2に示すように、表面
積S1のダイプレート27に、開口面積S2のポリマー
抜出穴28がn個設けられている場合、ダイプレートの
押し出しポリマー抜出穴の開口面積の比率(S2×n/
S1)は、2〜50%であることが好ましい。
【0040】図1に示すようにダイヘッド23の下方に
は、カッター装置30が配置されている。カッター装置
30は、ポリマーストランドを冷却する滑り台31とペ
レット化するペレット化装置32とから構成されてい
る。滑り台31には、冷却水供給装置33,34が取り
付けられており、この冷却水供給装置33,34から冷
却水が供給される。各冷却水供給装置33,34にはノ
ズル35,36が取り付けられて、滑り台31上のポリ
マーストランドに冷却水を吹き付ける事でポリマースト
ランドを冷却し、切断しやすくする。冷却水は、熱交換
器(図示せず)によって一定の温度に保たれている。
【0041】ペレット化装置32内にはカッター刃37
とフィードローラ38とが対向して配置されている。こ
のペレット化装置32は、滑り台31を通過することで
冷却・固化されたポリマーストランドをカッター刃37
で切断してペレット化する。フィードローラ38は、落
下するポリマーストランドに張力を与えペレット化を安
定させる。カッター刃37の回転数はポリマーストラン
ドを切断中に随時変更する事ができる。また、カッター
刃37の回転数はポリマーストランドが滑り台31を落
下する際にたるまずに、ある程度の張力を維持できる事
が必要である。通常は、滑り台でのポリマーストランド
の落下速度を実測して決定するが、30〜150rpm
であることが好ましい。
【0042】最後に、ペレットは冷却水と共に遠心ドラ
イヤー39に送りこまれ、ペレットに付着している水分
が除去され、ペレットのみが収納槽40に収納される。
【0043】回分式反応槽の場合、合成されたポリマー
を逐次反応槽に注入するバッチ式で合成するため、配管
22及びダイヘッド23内部には前バッチの溶融ポリマ
ーが残存している。この残存ポリマーは、底バルブ21
を閉じた後にバルブ26を開け、窒素ボンベ25内の窒
素の加圧により、押し出して除去することができる。し
かしながら、この方法によっても底バルブ21とその配
管22の内部にはポリマーが残存するため、次バッチの
溶融ポリマーの抜出し開始時にポリマーストランドがこ
の残存ポリマーのために着色する事がある。そこで、カ
ッター装置30には、劣化したポリマーが混じって品質
が悪くなった先頭のポリマーストランドをチップ化せず
に系外に排出させるような付帯装置があることが好まし
い。例えば、カッター装置30がダイプレート27の直
下から移動して、ストランドの先頭を系外排出できる移
動装置(図示せず)などを挙げることができる。
【0044】回分式重合装置の場合、溶融ポリマーの抜
出し時間は、抜出し中に反応槽内でのポリマーの熱分解
を最小限に留めるため1時間以内とするのが好ましく、
さらに好ましくは30分以内が良い。2m3 以上の容積
を有する大きな反応槽の場合は、反応槽からのポリマー
抜出しをラインを二系統以上設け、ダイプレート、チッ
プ化装置も複数設置する事が好ましい。この場合、抜出
し時間の短縮と共に、ダイヘッド内での滞留、ポリマー
の劣化の抑制を図ることもできる。しかし反応槽の大型
化は、コストアップだけでなく設置面積などの問題もあ
る。更に、反応槽内の反応を均一にコントロールするの
が困難になったり、除熱が効率的にできなくなったり、
反応液の表面更新不足が生じたり、撹拌翼が反応液を持
ち上げることによる撹拌翼の負荷変動の増大が生じたり
し、必ずしもメリットばかりではない。
【0045】[フイルムの製造]このようにして得られ
たPEN樹脂ペレットは、以下の方法により延伸フイル
ムに加工され、写真フイルム用支持体として用いること
ができる。
【0046】ポリマーペレットを減圧下で加熱、または
常圧下でマイクロ波加熱乾燥して結晶化させる。減圧加
熱乾燥では、好ましくは14kPa以下、より好ましく
は7kPa以下の減圧下で150〜250℃で7〜30
時間行うこと好ましい。また、マイクロ波加熱乾燥で
は、100〜200℃で2〜8時間行うことが好まし
い。
【0047】結晶化したポリマーペレットを乾燥機付き
押し出し機に投入する。押し出し機は、スクリュー長さ
とスクリュー直径の比(L/D)が15〜30のものを
使用することが好ましい。押し出し機により、ポリマー
ペレットは、溶融ポリマーになって加熱溶融押出しされ
る。押し出し機を通過したポリマーは押し出し機に直結
されたポリマーフィルターに送られ、ここでろ過された
後に幅200〜3500mmのダイヘッドに送られる。
【0048】押出し機の加熱は、小型機の場合は電熱ヒ
ーターで行われる事が多いが、均一な加熱をするため、
特にホットスポットを発生させないためには、熱媒油な
どを循環して加熱する方式が好ましく、特に押し出し機
バレルの加熱部分を4つ以上に分割し、それぞれ単独に
温度制御することが望ましい。PENは溶融粘度の温度
依存性が大きく、1℃から2℃の温度変動でも吐出が安
定せず、均一なシートが得られにくい。押出し機のバレ
ルの熱容量が大きく、温度調節が難しい場合は、冷却装
置の併用、制御系の1次遅れによる発散を防止するため
のサンプリングPID制御などを用いることが好まし
い。
【0049】溶融ポリマーはダイヘッドよりキャスティ
ングロール上にシート状に押し出され、静電場印加用電
極により15kVの電圧が印加された後に、冷却されて
PENフイルムが製造される。押し出しの温度は、27
0〜330℃が好ましい。また、シート状に押し出した
後の冷却固化するためのキャスティングロールの温度
は、30〜120℃の範囲であることが急激な冷却によ
る歪を抑えるために好ましい。
【0050】得られた未延伸のPENフイルムは、ニッ
プロール等を用いて搬送され、延伸処理工程で2軸延伸
される。2軸延伸処理は縦および横の逐次2軸延伸でも
良い。また縦または横の延伸を数回分けて行っても、縦
及び横の2軸延伸後、さらに縦、横方向のいずれか、あ
るいは両方向に再延伸してもかまわない。延伸条件とし
ては、特に制限されるものではなく、従来より用いられ
ている条件を任意に選択することができる。一般的には
延伸倍率が2.0から5.0倍の範囲が好ましい。以上
の方法により延伸フイルムが製造され、このフイルム
は、各種の写真フイルム用支持体として好適に用いるこ
とができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれらに限定されるものではな
い。
【0052】[PENの合成]エステル交換槽に2,6
−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部とエチ
レングリコール59重量部とを仕込んだ。さらに、酢酸
マンガン四水和物0.03重量部と三酸化アンチモン
0.025重量部とを添加し、撹拌しながら200℃ま
で加熱した。反応によって副生するメタノールは、蒸留
塔を介してエステル交換槽から除去しつつ、エステル交
換槽内の温度を1時間に20℃づつ250℃まで昇温し
た。メタノールの副生が終了しエステル交換が終了し、
オリゴマーが生成したことを確認した。
【0053】次に、生成したオリゴマーを重縮合反応槽
に移液し、平均粒径0.3μmの破砕型シリカ1重量部
を含有している30%エチレングリコール分散液を添加
した。なお、この破砕型シリカには、1μm以上の粒径
の粒子の割合が1%未満であるものを使用した。さらに
リン酸0.02重量部をエチレングリコール0.5重量
部に溶解したものを添加した。添加後10分間撹拌した
後、系内を1時間かけて減圧し280℃から300℃の
温度で約2時間、重縮合反応を行い、溶融ポリマー(P
EN)を得た。このPENを用いて実施例1,比較例1
および2の各実験を行い、以下に示す各測定により得ら
れたペレットの評価を行なった。測定結果は、後に表1
にまとめて示す。
【0054】(1)合格ペレット化比率 振動式ふるい装置(例えば、トクジュ製ユーラススクリ
ーン)に導入されたポリマー重量をA、6mmφの穴の
あいたパンチングメタルを通過し、2mmφの穴のパン
チングメタル上にとどまるペレット重量をBとした場
合、合格ペレット化比率は、合格ペレット化比率=B/
A×100(%)の式から求められる。
【0055】(2)色相(b値)の測定 ペレットになったポリマーを、色差計(日本電色工業製
ND−101D型)で、専用セルに充填した状態で測定
し、b値で示した。
【0056】(3)極限粘度(IV値)の測定 ペレットをフェノール/テトラクロロエタン=3/2
(重量比)の混合溶液に溶解させ、ウベローデ型粘度管
を用いて25℃で測定した。
【0057】(4)収率 合成された全ポリマー重量をC、振動式ふるいに導入さ
れ、6mmφの穴のあいたパンチングメタルを通過し、
2mmφの穴のあいたパンチングメタル上にとどまり正
常な形状のペレットとして回収されたポリマー重量をD
とした場合、収率は、収率=D/C×100(%)の式
から求められる。
【0058】(5)ペレット評価 ペレットの評価は、○は品質に問題がない、△は品質に
若干問題があるが、製品によっては使用可能である、×
は品質に問題があり、使用不可能である、の3段階評価
で行った。
【0059】[実施例1]図1に示した反応槽11から
500Lの溶融ポリマー12を押し出す際に、始めに反
応槽11を窒素で150kPaに加圧し押出しを行っ
た。反応槽11の内部圧力を圧力計19により検出し
て、コントローラ20により窒素導入バルブ17を制御
した。実際の押出し圧力は140〜150kPaの範囲
の変動があった。ダイプレート27は、幅約0.4m
で、ポリマー抜出穴28の孔径8mmφ、ポリマー抜出
穴のピッチは8.8mmの物を使用した。
【0060】カッター装置30を運転した後に、滑り台
31をダイプレート27の直下から退避させた状態で反
応槽の底バルブ21を開き、ポリマーストランドの先頭
の廃却を実施した。先頭は劣化したポリマーが混ざり粘
度が低下していることもありダイスウェルが小さくスト
ランドどうしの融着はみられなかった。ポリマーの着色
がなくなった事を確認した後に、反応槽の底バルブ21
を閉めてポリマーストランドの形成を停止し、ただちに
滑り台31を正規の位置に移動した。
【0061】再び、溶融ポリマーの押し出しを開始し
た。この際に、ポリマーストランドの先端では、若干ダ
イスウェルが発生し3〜4本のポリマーストランドが融
着した。しかしブロックは発生せず、ポリマーストラン
ドの先端は滑り台31の流路に引っかかることなく搬送
されカッター刃37まで到達し、切断されペレットが得
られた。ポリマーストランドの先端が切断され、順調に
ペレット化が行われている事を確認した後に、反応槽内
圧力を500kPaに昇圧した。実際の反応槽11内の
圧力は、490〜500kPaの範囲の変動があった。
【0062】この状態で、ポリマーストランドに部分的
に窒素が入り、ストランドがはじける手前まで抜出しを
行った。抜出し終了直前のポリマーの劣化によるペレッ
トの着色はごく僅かで、本実施例で得られたペレットを
ブレンドしたポリマーペレットを外観検査を実施したと
ころ品質上の問題は全くなかった。なお、反応槽内には
約7%のポリマーが残った。
【0063】[比較例1]図1に示した反応槽11から
溶融ポリマー500Lを抜出す際に、反応槽を窒素で5
00kPaに加圧し押出しを行った。反応槽は内部の圧
力を検出して自動的に窒素を追加する制御とし、実際の
押出し圧力は490〜500kPaの範囲であった。ダ
イプレート27は幅約0.4mで孔径8mmφ、孔ピッ
チは8.8mmの物を使用した。
【0064】カッター装置を運転後、滑り台をダイプレ
ート直下から退避させた状態で反応槽底バルブを開き、
先頭ストランドの廃却を実施した。先頭は劣化したポリ
マーが混ざり粘度が低下していることもありダイスウェ
ルが小さくストランドどうしの融着はみられなかった。
ポリマーの着色がなくなった事を確認して、ストランド
を一旦止め、滑り台を正規の位置に移動した後、再度押
出しを開始したところダイスウェルが発生し全てのスト
ランドの先端が融着してブロックとなり、滑り台を滑り
落ちたブロックが滑り台の曲がり部分で引っかかり搬送
されなくなり、さらに後から押出されるストランドの行
き場所を失い、横長のブロックとなり、ポリマーのペレ
ット化ができなかった。その後に、カッター装置を停止
し、溶融ポリマーの抜出しを中止したのち、カッターの
点検口を開けて引っかかったストランド及びブロックを
除去した。再度、始めから抜出しシーケンスを起動し、
1回目と同じ条件でペレット化を試みたが、再度ストラ
ンドの引っかかりが発生し、満足にペレット化ができな
かった。
【0065】[比較例2]図1に示した反応槽11から
500Lの溶融ポリマーを抜出す際に、反応槽を窒素で
150kPaに加圧し押出しを行った。反応槽は内部の
圧力を検出して自動的に窒素を追加する制御とし、実際
の押出し圧力は140〜150kPaの範囲であった。
ダイプレート27は、幅約0.4mで孔径は8mmφ、
孔ピッチは8.8mmの物を使用した。
【0066】カッター装置を運転後に、滑り台をダイプ
レート直下から退避させた状態で反応槽底バルブを開
き、先頭ストランドの廃却を実施した。先頭は劣化した
ポリマーが混ざり粘度が低下していることもありダイス
ウェルが小さくストランドどうしの融着はみられなかっ
た。ポリマーの着色がなくなった事を確認して、反応槽
底バルブを閉めてストランドを一旦止め、滑り台を正規
の位置に移動した後、再度押出しを開始した。ストラン
ド先端で若干ダイスウェルが発生したが3〜4本のスト
ランドが融着したものの、ブロックは発生せず、ストラ
ンド先端は流路の途中で引っかかることなく搬送されカ
ッター刃まで到達し、無事に切断されペレット化が開始
された。ストランド先端が全て切断され順調にチップ化
が行われている事を確認した。この際の反応槽内の圧力
は、抜出し開始時と同じ140〜150kPaの範囲で
制御した。
【0067】ペレット化が継続しているうちに、ストラ
ンドに窒素の気泡が入り始めた。さらにそのままペレッ
ト化を継続したがストランドが次々にはじけ始め、ダイ
プレートの中央部分から押し出されたストランドの1/
3程度がブツブツ途切れて窒素の噴出とストランドの押
出しが交互に繰り返されたまともにペレット化ができな
くなったため、反応槽からの抜出しを中止した。
【0068】本比較例において、最後にペレット化した
ストランドはかなり着色していた。本比較例で得られた
ペレットをブレンドしてポリマーペレットを得た。この
ポリマーペレットの品質は、IV(極限粘度)がかなり
低下しており、フイルム製造に用いることができる最低
限の品質を満足できなかった。
【0069】反応槽内には約15%のポリマーが残り、
ここへオリゴマーを移送して、次のバッチの重縮合を行
った。このバッチでは、実施例1と同様の方法でポリマ
ーの抜出しを行った。しかしながら、得られたペレット
は着色しており、ブレンドしたポリマーペレットも使用
できる品質に達しなかった。
【0070】
【表1】
【0071】表1から実施例1で得られたペレットは、
合格ペレット化率、色相、極限粘度、収率ともに満足が
得られるものであり、ペレットの評価は品質に問題がな
い(○)ものであった。
【0072】
【発明の効果】以上のように本発明のポリマーペレット
の製造方法によれば、重合装置内のポリマーを加圧し、
ダイプレートからストランド状に前記ポリマーを溶融押
出し、カッターにて切断するポリマーペレットの製造方
法において、前記ダイプレートから前記ポリマーを押し
出す際に、第1の圧力で押し出しを開始し、一定時間経
過した後に前記第1の圧力よりも高い第2の圧力で前記
ポリマーを押し出すことにより、低い圧力である第1の
圧力によってはじめにポリマーを押し出すことによりダ
イスウェルの発生を抑制することができ、均一なペレッ
トを製造することができる。さらに、ポリマーストラン
ドが安定して形成された後には、高い圧力である第2の
圧力でポリマーを押し出すことにより、ポリマーストラ
ンドの移動速度が速くなるため、時間経過に伴うポリマ
ーの劣化を最低限に抑えることができる。
【0073】また、本発明のポリマーペレットの製造装
置によれば、重合装置内のポリマーを加圧手段により加
圧し、ダイプレートからストランド状に前記ポリマーを
溶融押出し、カッターにて切断するポリマーペレットの
製造装置において、前記ダイプレートから前記ポリマー
を押し出す際に、第1の圧力で押し出しを開始し、一定
時間経過した後に前記第1の圧力よりも高い第2の圧力
で前記ポリマーを押し出すように前記加圧手段を制御す
る制御手段を備えているから、従来のダイプレートを利
用して均一なペレットを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリマーペレットの製造装置の概
略図である。
【図2】図1の製造装置のダイプレートの要部拡大図で
ある。
【符号の説明】
10 回分式重合装置 11 重縮合反応槽 12 溶融ポリマー 17 窒素導入バルブ 18 窒素供給装置 19 圧力計 20 コントローラ 23 ダイヘッド 27 ダイプレート 30 カッター装置 32 ペレット化装置 37 カッター刃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F201 AA24 AB11 AC01 AR02 AR11 AR17 BA02 BC15 BC19 BL28 BL33 BL43 BN16 BN31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合装置内のポリマーを加圧し、ダイプ
    レートからストランド状に前記ポリマーを溶融押出し、
    カッターにて切断するポリマーペレットの製造方法にお
    いて、 前記ダイプレートから前記ポリマーを押し出す際に、第
    1の圧力で押し出しを開始し、 一定時間経過した後に前記第1の圧力よりも高い第2の
    圧力で前記ポリマーを押し出すことを特徴とするポリマ
    ーペレットの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の圧力が10〜200kPaの
    範囲であり、かつ前記第2の圧力が200〜1000k
    Paの範囲であり、 前記ダイプレートのポリマーの押し出し開口面積の比率
    が、2〜50%であり、 前記ポリマーの粘度が200〜1000Pa・sであ
    り、 前記一定時間が、5〜600秒であることを特徴とする
    請求項1に記載のポリマーペレットの製造方法。
  3. 【請求項3】 フイルムの製膜に供される無機または有
    機材料からなるフィラーを1種類以上含みポリエチレン
    −2,6−ナフタレートを主たる成分とするポリマーを
    ペレット化することを特徴とする請求項1または2に記
    載のポリマーペレットの製造方法。
  4. 【請求項4】 ペレット化される前記ポリマーがハロゲ
    ン化銀写真フイルム用支持体原料であることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれか1つに記載のポリマーペ
    レットの製造方法。
  5. 【請求項5】 重合装置内のポリマーを加圧手段により
    加圧し、ダイプレートからストランド状に前記ポリマー
    を溶融押出し、カッターにて切断するポリマーペレット
    の製造装置において、 前記ダイプレートから前記ポリマーを押し出す際に、第
    1の圧力で押し出しを開始し、一定時間経過した後に前
    記第1の圧力よりも高い第2の圧力で前記ポリマーを押
    し出すように、前記加圧手段を制御する制御手段を備え
    ていることを特徴とするポリマーペレットの製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008303268A (ja) * 2007-06-06 2008-12-18 Nippon Shokubai Co Ltd ポリエーテル系重合体ペレット及び分級方法
US11110629B2 (en) 2017-05-26 2021-09-07 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Method for producing resin pellets
KR102599730B1 (ko) * 2023-04-20 2023-11-08 오주학 펠렛 원료 상향식 와류형 믹서기

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