JP2008238728A - 化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】耐傷性に優れ、且つ、切断した際、切断面がほとんど白化しない化粧シートを提供する。
【解決手段】基材シート1上に、厚み40〜500μmの透明性樹脂層4を少なくとも積層してなる化粧シートであって、(1)前記透明性樹脂層4が、ランダムポリプロピレン共重合体を樹脂成分として含み、(2)前記透明性樹脂層4上に、更に透明性表面保護層5を積層してなる化粧シート。更に、基材シート1と透明性樹脂層4の間に絵柄模様層2、透明性接着剤層3を設けた化粧シート。
【選択図】図2

Description

本発明は、化粧シートに関する。
従来、樹脂製の化粧シートの構成材料として、ポリ塩化ビニル樹脂シートが多用されている。ポリ塩化ビニル樹脂シートの製造方法としては、ポリ塩化ビニル樹脂に可塑剤を添加する方法が挙げられる(特許文献1)。前記シートを用いる場合には、可塑剤の添加量を調整することにより、ポリ塩化ビニル樹脂シート硬度(硬質〜軟質)を容易に調整でき、耐傷性に優れる、エンボス加工を容易に施せる等の利点がある。
しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂は、焼却時に有害な黒煙、塩素系ガスを放出するおそれがある。近年では、ポリ塩化ビニル樹脂に代えて、焼却時に塩素系ガスを放出しない樹脂として、オレフィン系樹脂が用いられるようになってきている。
化粧シートとしては、一般的に、基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層及び透明性樹脂層を順に積層してなるものが用いられている。化粧材シートは、通常、製品サイズに合わせて切断して用いられる。
しかしながら、樹脂製の化粧シートの構成材料として、オレフィン系樹脂を用いる場合、オレフィン系樹脂の種類によっては、化粧シートの耐傷性が劣る、製品サイズに切断した際、切断面の透明性樹脂層部分が白化する等の問題がある。切断面が白化すると、意匠性が低下する等、好ましくない。
特開2004−019343
本発明は、耐傷性に優れ、且つ、切断した際、切断面がほとんど白化しない化粧シートを提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定の構成の化粧シートが、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シートに係る。
本明細書に記載のJISとは、日本工業規格をいう。
1. 基材シート上に、厚み40〜500μmの透明性樹脂層を少なくとも積層してなる化粧シートであって、
(1)前記透明性樹脂層が、ランダムポリプロピレン共重合体を樹脂成分として含み、
(2)前記透明性樹脂層上に、更に透明性表面保護層を積層してなる、
化粧シート。
2. 基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、前記透明性樹脂層及び前記透明性表面保護層を順に積層してなる項1に記載の化粧シート。
3. 基材シートの裏面に、更に、厚み1〜5mmの合成樹脂層を積層してなる項1又は2に記載の化粧シート。
4. 前記合成樹脂層が、(1)ポリエチレンを樹脂成分として含み、且つ、(2)無機充填剤を20〜80重量%含む項3に記載の化粧シート。
5. 前記透明性樹脂層は、JIS K6734の規定に従って測定した引張り弾性率が500〜1200MPaである、項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6. 前記化粧シートは、JIS K6734の規定に従って測定した引張り弾性率が400〜1500MPaである、項3〜5のいずれかに記載の化粧シート。
7. 前記透明性表面保護層は、電離放射線重合性オリゴマーを含む組成物により形成されており、前記電離放射線重合性オリゴマーは、
(A)1分子中に2個のラジカル重合性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー60〜80重量%及び(B)1分子中に3〜15個のラジカル重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー20〜40重量%からなる混合物である、
項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
本発明の化粧シートは、製品サイズに合わせて切断した際、切断面がほとん
ど白化しない。
また、本発明の化粧シートは、耐傷性に優れる。例えば、エンボス加工を施しても、表面にクラックが発生することがほとんどない。特に、本発明の化粧シートは、透明性表面保護層として、(A)1分子中に2個のラジカル重合性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー60〜80重量%及び(B)1分子中に3〜15個のラジカル重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー20〜40重量%からなる混合物である電離放射線重合性オリゴマーを含む組成物により形成された層を有する場合、より一層の耐傷性の向上を図ることができる。しかも、前記透明性表面保護層を有する本発明の化粧シートは、耐汚染性にも優れている。
さらに、本発明の化粧シートが、基材シートの裏面に、厚み1〜5mmの合成樹脂層(バッカー層と呼ばれる場合もある)を有する場合、前記合成樹脂層の裏面に、ランダムポリプロピレン共重合体を樹脂成分として含む、厚み40〜500μmの透明性樹脂層(すなわち、基材シートのおもて面側に積層する透明性樹脂層と同質の樹脂層)を更に積層することにより、本発明の化粧シートの収縮防止及びソリ防止を図ることができる。
本発明の化粧シートは、床用化粧シートとして好適に用いることができる。
本発明の化粧シートは、基材シート上に、厚み40〜500μmの透明性樹脂層(以下、「第1透明性樹脂層」と略記する)を少なくとも積層してなる化粧シートであって、
(1)前記透明性樹脂層が、ランダムポリプロピレン共重合体を樹脂成分として含み、
(2)前記透明性樹脂層上に、更に透明性表面保護層を積層してなる
ものである。
本発明の化粧シートの構成は、基材シート上(基材シートのおもて面)に、前記第1透明性樹脂層が積層された構成であればよく特に限定されない。例えば、基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、前記第1透明性樹脂層及び透明性表面保護層を順に積層してなる化粧シートが挙げられる。
以下、かかる構成の化粧シートを代表例として本発明の化粧シートについて具体的に説明する。
基材シート
基材シートとしては、特に限定されないが、樹脂成分としてポリオレフィン系樹脂を含むフィルムが好ましい。基材シート中におけるポリオレフィン樹脂の含有量は、90〜100重量%が好ましく、95〜100重量%がより好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらは、一種又は二種以上で用いることができる。これらの中でも、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレンを主成分とする単独又は共重合体も好ましい。例えば、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、及び、ポリプロピレンの結晶性部分とプロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。その他、エチレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1のコモノマーを15モル%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体等も好ましい。
前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントにアイソタクチックポリプロピレン、ソフトセグメントにアタクチックポリプロピレンを使用したブロックポリマーである。特に、アイソタクチックポリプロピレンからなるハードセグメントとアタクチックポリプロピレンからなるソフトセグメントとを重量比80:20で混合して得られるエラストマーが好ましい。
基材シートには、必要に応じて、公知の添加剤が配合されてもよい。前記添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー等の充填剤、水酸化マグネシウム等の難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、着色剤(下記参照)などが挙げられる。これらは、一種又は二種以上で用いることができる。前記添加剤の配合量については、製品特性に応じて適宜設定できる。
着色剤としては特に限定されず、顔料、染料等の公知の着色剤を使用できる。例えば、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、黄鉛、カーボンブラック等の無機顔料;イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS、アニリンブラック等の有機顔料(染料も含む);アルミニウム、真鍮等の金属顔料;二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料などが挙げられる。これらは、一種又は二種以上で用いることができる。基材シートの着色態様には、透明着色と不透明着色(隠蔽着色)があり、これらは任意に選択できる。例えば、被着材(化粧シートを接着する基材)の地色を着色隠蔽する場合には、不透明着色を選択すればよい。一方、被着材の地模様を目視できるようにする場合には、透明着色を選択すればよい。
前記基材シートは、上記樹脂成分等を含む樹脂組成物を、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりフィルム状に形成することにより得られる。
前記基材シートの厚みは特に限定されず、通常50〜150μm、好ましくは60〜80μm程度である。
基材シートのおもて面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。例えば、コロナ放電処理を行う場合には、基材シート表面の表面張力が35dyne以上、好ましくは40dyne以上となるようにすればよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
基材シートのおもて面には、必要に応じて、プライマー層を設けてもよい。プライマー層を設けることにより、絵柄模様層(又は着色隠蔽層)との層間密着力を高めることができる。
プライマー層は、公知のプライマー剤を基材シートのおもて面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、例えば、アクリル変性ウレタン樹脂等からなるアクリル−ウレタン樹脂系プライマー剤が耐候性を有する点で好ましい。プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜100g/m2、好ましくは0.1〜50g/m2程度である。
プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μm程度である。
絵柄模様層
基材シートの上(おもて面)には、絵柄模様層が形成されている。
絵柄模様層は、化粧シートに所望の絵柄による意匠性を付与するものであり、絵柄の種類等は特に限定的ではない。例えば、木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様等が挙げられる。
絵柄模様層の形成方法は特に限定されず、例えば、公知の着色剤(染料又は顔料)を結着材樹脂とともに溶剤(又は分散媒)中に溶解(又は分散)させて得られる着色インキ、コーティング剤等を用いた印刷法などにより形成すればよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青、カドミウムレッド等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料;アルミニウム粉、ブロンズ粉等の金属粉顔料;酸化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等の真珠光沢顔料;蛍光顔料;夜光顔料等が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。これらの着色剤には、シリカ等のフィラー、有機ビーズ等の体質顔料、中和剤、界面活性剤等がさらに配合してもよい。
結着剤樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル−ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水等の無機溶剤等が挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
絵柄模様層の形成に用いる印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられる。
絵柄模様層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は1〜15μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜10μm程度である。
着色隠蔽層
基材シートと絵柄模様層との間には、必要に応じて、さらに着色隠蔽層を形成してもよい。着色隠蔽層は、化粧シートのおもて面から被着材(下地)の地色を隠蔽したい場合に設けられる。基材シートが透明性である場合は勿論、基材シートが隠蔽着色されている場合でも、隠蔽性を安定化するために形成してもよい。
着色隠蔽層を形成するインクとしては、絵柄模様層を形成するインクであって隠蔽着色が可能なものが使用できる。
着色隠蔽層の形成方法は、基材シート全体を被覆(全面ベタ状)するように形成できる方法が好ましい。例えば、前記したロールコート法、ナイフコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、キスコート法、フローコート法、ディップコート法等が好ましいものとして挙げられる。
着色隠蔽層の厚みは特に限定されず、製品特性に応じて適宜設定できるが、塗工時の層厚は0.2〜10μm程度、乾燥後の層厚は0.1〜5μm程度である。
透明性接着剤層
絵柄模様層の上には、透明性接着剤層が形成されている。透明性接着剤層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。この接着剤層は、絵柄模様層と透明性樹脂層とを接着するために形成されている。
接着剤としては特に限定されず、化粧シートの分野で公知の接着剤が使用できる。
化粧シートの分野で公知の接着剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂等の硬化性樹脂等が挙げられる。また、イソシアネートを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂も適用し得る。これらは、一種又は二種以上で用いることができる。
透明性接着剤層は、例えば、接着剤を絵柄模様層の上に塗布し、乾燥・硬化させることにより形成できる。乾燥温度・乾燥時間等の条件は特に限定されず、接着剤の種類に応じて適宜設定すればよい。接着剤の塗布方法は特に限定されず、例えば、ロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアーナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムースコート、コンマコート等の方法を採用できる。
透明性接着剤層の厚みは特に限定されないが、乾燥後の厚みが0.1〜30μm、好ましくは1〜20μm程度である。
第1透明性樹脂層
透明性接着剤層の上には、厚み40〜500μmの第1透明性樹脂層が形成されている。第1透明性樹脂層は、透明性のものであれば特に限定されず、無色透明、着色透明、半透明等のいずれも含む。
前記第1透明性樹脂層の厚みは、40〜500μmであり、好ましくは80〜400μmである。前記第1透明性樹脂層の厚みを40〜500μmとすることにより、コストを抑えつつ、耐摩耗性に優れた化粧シートを得ることができる。
前記第1透明性樹脂層は、ランダムポリプロピレン共重合体を樹脂成分として含む。ランダムポリプロピレン共重合体を樹脂成分として含むことにより、化粧シートの切断面の白化を防止できる。また、化粧シートに優れた耐衝撃性を付与できる。
ランダムポリプロピレン共重合体とは、プロピレンとプロピレン以外のモノマーとをランダムに共重合したものをいう。
前記プロピレン以外のモノマーとしては、例えばエチレン、1−ブテン等が挙げられる。これらモノマー成分は、単独又は2種以上で前記ポリプロピレン中に含まれる。前記モノマーの中でも特に、エチレンが好ましい。前記ポリプロピレンが、プロピレンとエチレンとの共重合体である場合、化粧シートの切断面の白化をより効果的に防止できる。
プロピレンと前記モノマーとの共重合比率は、前記モノマーの種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、前記モノマーがエチレンである場合、プロピレンとエチレンとの共重合比率は99〜94:1〜6が好ましい。プロピレンとエチレンとの共重合比率が、99〜94:1〜6である場合、化粧シートの切断面の白化をより効果的に防止できる。
前記第1透明性樹脂層中における前記ランダムポリプロピレン共重合体の含有量は、90〜100重量%が好ましく、95〜100重量%がより好ましい。
前記第1透明性樹脂層は、本発明の効果を妨げない範囲で、ホモポリプロピレン等の前記ランダムポリプロピレン共重合体以外の樹脂を含んでいてもよい。
前記第1透明性樹脂層は、JIS K6734の規定に従って測定した引張り弾性率が500〜1200MPaであることが好ましく、600〜900MPaであることがより好ましい。引張り弾性率が500〜1200MPaである場合、切断面の白化現象をより確実に抑制できる。
なお、本明細書における引張り弾性率は、JIS K6734「プラスチック−硬質ポリ塩化ビニルシート−寸法及び特性−第2部:厚さ1mm未満のシート」の規定に従って測定した値である。
具体的には、引張り試験機(テンシロン万能試験機RTC−1250A)を用いて、図1の形状に打ち抜かれた試験サンプル(合成樹脂層、並びに基材シート及び透明性樹脂層からなる群から選ばれる少なくとも1種の層)の両端(図2のA及びB)を、50mm/min.の速度で引張った場合、前記試験サンプルが、中央部分で切れたときの引張り弾性率(MPa)を測定することにより求めた値である。
前記第1透明性樹脂層の形成方法としては、例えば、上記樹脂成分等を含む樹脂組成物を、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等により前記透明性接着剤層の上にラミネートする方法が挙げられる。
第1透明性樹脂層の表面であって、後記する透明性表面保護層を形成する面には、必要に応じて、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、重クロム酸処理等の表面処理を施してもよい。表面処理は、各処理の常法に従って行えばよい。
また、必要に応じて、表面にプライマー層(表面保護層の形成を容易とするためのプライマー層)を設けてもよい。
プライマー層は、公知のプライマー剤を第1透明性樹脂層の表面に塗布することにより形成できる。プライマー剤としては、上記例示のものを使用できる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜100g/m2、好ましくは0.1〜50g/m2程度である。
プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μm程度である。
透明性表面保護層
第1透明性樹脂層の上には、透明性表面保護層が形成されている。前記透明性表面保護層を形成することにより、化粧シートに優れた耐傷性を付与する。
特に、本発明においては、前記透明性表面保護層は、電離放射線重合性オリゴマーを含む組成物により形成されていることが好ましい。前記電離放射線重合性オリゴマーは、(A)1分子中に2個のラジカル重合性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー60〜80重量%及び(B)1分子中に3〜15個のラジカル重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー20〜40重量%からなる混合物であることが好ましい。この表面保護層は、本発明の化粧シートの耐傷性をより一層向上させることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)は、1分子中に2個のラジカル重合性不飽和基を有するもの(いわゆる2官能ウレタンアクリレートオリゴマー)である。これは、例えばa)ジイソシアネート、b)1分子中に水酸基を2個以上有する多価アルコール(好ましくは重量平均分子量が500〜2000)、c)末端に水酸基を有するとともにラジカル重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレート化合物が結合してなるオリゴマーが挙げられる。このオリゴマーは重量平均分子量が1000〜4000であることが好ましい。前記分子量が1000以上である場合、硬化後の樹脂層においてウレタン(メタ)アクリレートの持つ柔軟性を十分に発揮することができ、エンボスに際しての加工性を向上させることができる。また、前記分子量が4000以下である場合、耐汚染性等の諸特性を向上させることができる。
上記ジイソシアネートa)は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する脂肪族、脂環式又は芳香族のイソシアネートであり、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
前記多価アルコールb)としては、両末端に水酸基を有するポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール等が例示される。上記ポリエステルポリオールとしては、(イ)芳香族又はスピロ環骨格を有するジオール化合物と、ラクトン化合物又はその誘導体又はエポキシ化合物との付加反応生成物、(ロ)多塩基酸とアルキレングリコールとの縮合生成物、及び(ハ)環状エステル化合物から誘導される開環ポリエステル化合物があり、これらを単独又は2種以上を混合して使用することができる。例えば、上記(ロ)の多塩基酸としてアジピン酸を用い、アルキレングリコールとの縮合生成物として得られる、両末端に水酸基を有するポリエステルジオール(特に重量平均分子量500〜2000)が、各種物性が良好であることから好ましく用いられる。前記アルキレングリコールとしては、エチレングリコールが好ましい。上記ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレートc)は、アクリル酸又はメタクリル酸あるいはこれらの誘導体のエステル化合物であって、末端に水酸基を有する。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシシクロオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピルアクリレート等の重合性不飽和基を1個有する(メタ)アクリル酸エステル化合物、あるいはその他の1分子中に重合性不飽和基を2個以上有する(メタ)アクリル酸エステル化合物等が例示される。
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)としては、多価アルコール成分を、アルキレングリコールとアジピン酸から形成される重量平均分子量500〜2000のポリエステルポリオールとし、また、ジイソシアネート成分をイソホロンジイソシアネートとし、アクリレート成分をヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルとし、これらを反応させて得られる重量平均分子量が1000〜3000のオリゴマーが望ましい。
上記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(B)は、1分子中に3個〜15個の(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性不飽和基を有するものである。これは、a)脂肪族ジイソシアネート、b)多官能ポリオール、c)末端に水酸基を有するとともにラジカル重合性不飽和基を有する(メタ)アクリレートとを反応させて得られる、多官能(3〜15官能)ウレタンアクリレートである。
上記脂肪族ジイソシアネートa)は、例えば1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
上記多官能ポリオールb)は、前記の多価アルコールを基本骨格とし、官能基を複数有するものを使用することができる。
上記(メタ)アクリレートc)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシシクロオクチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピルアクリレート等の重合性不飽和基を1個有する(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられる。
前記電離放射線重合性オリゴマーとしては、前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(A)60〜80重量%と脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー(B)20〜40重量%からなる混合物を用いる。上記(A)が60重量%以上である場合、表面保護層が十分な可撓性、展性等を有し、本発明の化粧シートの耐衝撃性を向上させることができる。また、上記(A)が80重量%以下である場合、十分な耐傷性、耐擦傷性及び耐汚染性を本発明の化粧シートに付与することができる。なお、上記(A)と上記(B)の配合量は、硬化型樹脂層を形成する塗工組成物における、上記オリゴマー(A)とオリゴマー(B)の合計重量に対する、各成分の重量%を表す。
前記電離放射線重合性オリゴマーを含む組成物には、必要に応じて、マット剤、艶消し剤等の添加物を含有させてもよい。
上記組成物は、これらの各成分を均一に混合することによって調製できる。この組成物による透明性表面保護層の形成方法も公知の方法に従えば良く、例えば上記組成物による塗膜を形成し、公知の使用条件で電子線照射して塗膜を架橋硬化させれば良い。
電離放射線の電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。電子線の加速電圧は、通常100〜1000keV、好ましくは、100〜300keVである。電子線の照射量は、通常1〜30Mradである。
前記透明性表面保護層の厚みは、通常2〜20μm、好ましくは5〜15μmである。
合成樹脂層
本発明の化粧シートには、基材シートの裏面に、更に、厚み1〜5mmの合成樹脂層を積層することが好ましい。前記合成樹脂層は、被着材(下地)の凹凸を吸収するため、本発明の化粧シートを用いて得られる化粧材の平滑性を向上させることができる。
前記合成樹脂層の厚みは、1〜5mmであればよいが、好ましくは2〜3mmである。
前記合成樹脂層としては、公知の合成樹脂層(バッカー層)を用いてもよいが、特に、(1)ポリエチレンを樹脂成分として含み、且つ、(2)無機充填剤を20〜80重量%、好ましくは20〜50重量%含む層を用いることが好ましい。
前記合成樹脂層は、ポリエチレンを樹脂成分として含むことにより、本発明の化粧シートに柔軟性を付与し下地形状への優れた追従性を与えることができる。前記ポリエチレンとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリエチレンを用いることができる。
合成樹脂層中における前記ポリエチレンの含有量は、前記合成樹脂層の性能を損なわない範囲で適宜設定すればよく、10〜80重量%が好ましい。
前記無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を併用して用いることができる。前記例示の無機充填剤の中でも特に、炭酸カルシウムが好ましい。
前記合成樹脂層中における無機充填剤の含有量を20重量%以上とすることにより、樹脂成分の使用割合が相対的に減るため、その分、低コストで本発明の化粧シートを作製することができる。
前記合成樹脂層は、ポリエチレン以外の樹脂を樹脂成分としてさらに含んでもよい。
ポリエチレン以外の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン系共重合体(例えばスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等)等が挙げられる。
前記合成樹脂層の形成方法としては、例えば、上記樹脂成分等を含む樹脂組成物を、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等によりシート状に成形後、基材シートの裏面に積層させると同時に、後述するエンボスロールを用いて100〜130℃で透明性表面保護層側から押圧する方法が挙げられる。
第2透明性樹脂層
本発明の化粧シートでは、更に、前記合成樹脂層の裏面に、ランダムポリプロピレン共重合体を樹脂成分として含む、厚み40〜500μm、好ましくは80〜400μmの透明性樹脂層(第2透明性樹脂層)を積層してもよい。前記第2透明性樹脂層としては、上記第1透明性樹脂層と同様のものを用いることができる。前記合成樹脂層の裏面に、前記第1透明性樹脂層と同質の樹脂層を積層することにより、本発明の化粧シートの収縮防止及びソリ防止を図ることができる。
前記第2透明性樹脂層の形成方法としては、例えば、上記第1透明性樹脂層の形成に用いた樹脂組成物を、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等により前記合成樹脂層の裏面にラミネートする方法が挙げられる。
プライマー層
本発明の化粧シートの裏面(下地貼着面)には、必要に応じプライマー層を形成してもよい。前記プライマー層を形成することにより、化粧材を構成する前記化粧シートと下地との密着力を向上させることができる。プライマー層は、公知のプライマー剤を塗布することにより形成することができる。
プライマー剤としては、上記例示のものを使用できる。
プライマー剤の塗布量は特に限定されないが、通常0.1〜100g/m2、好ましくは0.1〜50g/m2程度である。
プライマー層の厚みは特に限定されないが、通常0.01〜10μm、好ましくは0.1〜1μm程度である。
耐候剤
本発明の化粧シートを構成する層の少なくとも1種の層は、必要に応じて、耐候剤を含有してもよい。耐候剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が好ましい。これらの耐候剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
エンボス加工
本発明の化粧シートのおもて面には、必要に応じてエンボス模様を付してもよい。エンボス模様は、例えば、公知のエンボスロールにより付与できる。例えば、エンボスロールを用いて100〜130℃で透明性表面保護層側から押圧することにより、所望のエンボス模様を賦型できる。エンボス模様としては、木目板導管溝、石板表面凹凸、布表面テクスチャア、梨地、砂目、ヘアライン、万線条溝等がある。
本発明の化粧シートは、ギロチンカッター等の公知のカッターを用いて切断して使用される。
切断後、その基材シート側(前記第1透明性樹脂層の逆側)を被着材(下地)に貼着して使用できる。例えば、本発明の化粧シートが前記合成樹脂層を有する場合、前記合成樹脂層側を被着材(下地)に貼着させる。
本発明の化粧シートは、種々の被着材(下地)に貼着して使用できる。特に、本発明の化粧シートは、モルタル、コンクリート等の下地に直接貼着して使用できる点で有利である。貼着に際しては、ビニル共重合樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、アクリル樹脂系、合成ゴム系、ウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等の公知の接着剤を用いることができる。前記接着剤は、施工場所等に応じて適宜選択できる。例えば、耐水性が必要な場所に本発明の化粧シートを施工する際には、エポキシ樹脂系接着剤を好適に使用できる。
本発明の化粧シートは、特に床用の化粧シートとして好適に用いることができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
図2に示す構成の化粧シートを以下の方法により製造した。
80μm厚の着色ポリエチレンフィルムからなる基材シート1の上に、アクリル−ウレタン系樹脂(アクリルポリオール100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加してなる樹脂)溶液をグラビア印刷法により固形分量が2g/m2となるように塗工して印刷用プライマー層(図示せず)を形成した。
印刷用プライマー層(図示せず)の上に、アクリル−ウレタン系樹脂(アクリルポリオール100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加してなる樹脂)溶液を印刷インキとしたグラビア印刷法により、4μmの木目絵柄模様層2を形成した。
絵柄模様層2の上に、熱硬化性ウレタン樹脂系接着剤を固形分量が8g/m2となるように塗工し、さらにランダムポリプロピレン共重合体をTダイ押出し機により加熱溶融押出しし、8μm厚の透明性接着剤層3及び厚み300μmの第1透明性樹脂層4を形成した。該樹脂層2単独の引張り弾性率は600MPaであった。
なお、前記ランダムポリプロピレン共重合体としては、プロピレンとエチレンとの共重合体であり、プロピレンとエチレンとの共重合比率が96:4であるものを用いた。
第1透明性樹脂層4の表面にコロナ放電処理を施した後、コロナ放電処理面にアクリル−ウレタン系樹脂(アクリルポリオール100重量部にヘキサメチレンジイソシアネート5重量部を添加してなる樹脂)溶液をグラビア印刷法により固形分量が1g/m2となるように塗工して透明性表面保護層形成用プライマー層(図示せず)を形成した。
透明性表面保護層形成用プライマー層(図示せず)の上に、2官能ウレタンアクリレートオリゴマー(A)80重量%及び6官能ウレタンアクリレートオリゴマー(B)20重量%からなる電離放射線重合性オリゴマーをロールコート法により固形分が15g/m2となるように塗工・乾燥して未硬化の電子線硬化型樹脂層を形成した。
なお、前記2官能ウレタンアクリレートオリゴマーは、a)イソホロンジイソシアネート、b)ポリエステルジオール(アジピン酸とエチレングリコールとの縮合生成物)及びc)2−ヒドロキシエチルアクリレートを結合させてなるものであり、重量平均分子量は、1700である。
また、前記6官能ウレタンアクリレートオリゴマーとしては、製品名「UA306H」共栄社化学株式会社製を用いた。
未硬化の電子線硬化型樹脂層を形成した後、酸素濃度200ppmの環境下において、未硬化樹脂層に加速電圧125KeV、5Mradの条件で電子線を照射して樹脂を硬化させて15μm厚の電子線硬化型樹脂層(透明性表面保護層5)を形成した。
次いで、前記基材シートの裏面(前記印刷用プライマー層と逆側)に、2mm厚の合成樹脂層6を120℃で熱ラミネートすると同時に、エンボス加工により深さ50μmの木目導管状の凹凸模様を形成した。
前記合成樹脂層6は、ポリエチレン50重量%及び炭酸カルシウム50重量%からなり、ポリエチレン及び炭酸カルシウムからなる組成物をTダイ押出し機により加熱溶融押出しすることにより作製した。
以上の過程により、化粧シートを作製した。
作製した化粧シートの厚みは、約2.4mmであった。
上記で得られた化粧シートをギロチンカッターにて枚葉に断裁した。
比較例1
ランダムポリプロピレン共重合体の代わりに、ホモポリプロピレンを用いて第1透明性樹脂層の形成した以外は、実施例1と同様の方法により、床用化粧材を作製した。第1透明性樹脂層単独の引張り弾性率は1500MPaであった。
比較例2
未硬化の電子線硬化型樹脂層の形成において、電離放射線重合性オリゴマー中における2官能ウレタンアクリレートオリゴマーの含有量を50重量%とし、6官能ウレタンアクリレートオリゴマーの含有量を50重量%とした以外は、比較例1と同様の方法により床用化粧材を作製した。
試験例1(切断加工適性)
実施例及び比較例にて得られた床用化粧材の化粧シート切断面の白化の有無を肉眼観察により確認した。
切断面が白化していないものを○、白化しているものを×と評価した。
結果を表1に示す。
試験例2(耐傷性(エンボス加工適性))
実施例及び比較例により得られた床用化粧材の表面(透明性表面保護層側)にクラックが発生しているか否かを肉眼観察により確認した。
表面にクラックが発生していないものを○、クラックが発生しているものを×と評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2008238728
図1は、JIS K6734「プラスチック−硬質ポリ塩化ビニルシート−寸法及び特性−第2部:厚さ1mm未満のシート」の規定に従って引張り弾性率を測定する場合の測定対象となる試験サンプルの上面図である。 図2は、実施例1で作製した化粧シートの概念図(断面図)である。
符号の説明
1・・・基材シート
2・・・絵柄模様層
3・・・透明性接着剤層
4・・・第1透明性樹脂層
5・・・透明性表面保護層
6・・・合成樹脂層

Claims (7)

  1. 基材シート上に、厚み40〜500μmの透明性樹脂層を少なくとも積層してなる化粧シートであって、
    (1)前記透明性樹脂層が、ランダムポリプロピレン共重合体を樹脂成分として含み、
    (2)前記透明性樹脂層上に、更に透明性表面保護層を積層してなる、
    化粧シート。
  2. 基材シート上に、絵柄模様層、透明性接着剤層、前記透明性樹脂層及び前記透明性表面保護層を順に積層してなる請求項1に記載の化粧シート。
  3. 基材シートの裏面に、更に、厚み1〜5mmの合成樹脂層を積層してなる請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記合成樹脂層が、(1)ポリエチレンを樹脂成分として含み、且つ、(2)無機充填剤を20〜80重量%含む請求項3に記載の化粧シート。
  5. 前記透明性樹脂層は、JIS K6734の規定に従って測定した引張り弾性率が500〜1200MPaである、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 前記化粧シートは、JIS K6734の規定に従って測定した引張り弾性率が400〜1500MPaである、請求項3〜5のいずれかに記載の化粧シート。
  7. 前記透明性表面保護層は、電離放射線重合性オリゴマーを含む組成物により形成されており、前記電離放射線重合性オリゴマーは、
    (A)1分子中に2個のラジカル重合性不飽和基を有するウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー60〜80重量%及び(B)1分子中に3〜15個のラジカル重合性不飽和基を有する脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー20〜40重量%からなる混合物である、
    請求項1〜6のいずれかに記載の化粧シート。
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