JPH09227630A - 射出成形用プロピレン系共重合体及び苗箱用プロピレン系共重合体 - Google Patents

射出成形用プロピレン系共重合体及び苗箱用プロピレン系共重合体

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JPH09227630A
JPH09227630A JP3936096A JP3936096A JPH09227630A JP H09227630 A JPH09227630 A JP H09227630A JP 3936096 A JP3936096 A JP 3936096A JP 3936096 A JP3936096 A JP 3936096A JP H09227630 A JPH09227630 A JP H09227630A
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JP
Japan
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propylene
copolymer
ethylene
xylene
injection molding
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JP3936096A
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English (en)
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Masato Kijima
正人 木島
Yasuo Otani
泰雄 大谷
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性、成形性及び耐白化性に優れた射出
成形用プロピレン系共重合体、特に、移植機に用いる苗
箱用に適したプロピレン系共重合体を提供することを目
的とする。 【解決手段】 プロピレンとエチレンの共重合体であっ
て、下記の〜を満足する射出成形用プロピレン系共
重合体。 共重合体のメルトインデックス(MI) が10〜100 g/
10min である パルスNMRで算出したゴム成分量が 7〜20 wt %で
ある パラキシレン可溶分の極限粘度([η] R ) が 1.5〜 5
dl/g である パラキシレン不溶分のエチレン含有量が 1〜 5 wt %
である

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形用プロピ
レン系共重合体に関するものである。さらに詳しくは、
耐衝撃性、成形性及び耐白化性に優れた射出成形用プロ
ピレン系共重合体であり、特に、移植機に用いる苗箱用
に適したプロピレン系共重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは軽量であり、かつ機械
的強度等に優れているので、各種の分野に広く利用され
ている。しかしながら、耐衝撃性や成形性等が充分でな
いので他の単量体との共重合が行われており、ランダム
共重合体とブロック共重合体に大別される。ランダム共
重合体は、柔軟性、透明性、耐衝撃性等の向上に特長が
あり、ブロック共重合体は、剛性を保持しながら耐衝撃
性を向上できる等に特長がある。例えば、低温耐衝撃
性、成形性、耐白化性及び適度な柔軟性を要求される移
植機に用いる苗箱用のプロピレン系共重合体には、従
来、ランダム共重合体が使用されてきたが、寒冷地にお
ける移植作業で割れやすいといった問題があった。ま
た、最近では、稲作よりもさらに寒冷期から移植作業が
行われる玉葱の移植機に用いる苗箱において、特に割れ
やすいといった問題がある。この割れの防止のため、通
常のプロピレン−エチレンブロック共重合体を用いるこ
とが試みられているが、成形性が充分でなく、多数配列
されたポット状苗室を成形することが困難である。ま
た、移植機による作業で白化が起こりやすいといった問
題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐衝撃性、
成形性及び耐白化性に優れた射出成形用プロピレン系共
重合体、特に、移植機に用いる苗箱用に適したプロピレ
ン系共重合体を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決しようとする手段】本発明者らは上記課題
につき鋭意検討した結果、特定の樹脂特性を有するプロ
ピレン−エチレン共重合体が、上記課題を達成できるこ
とを見出して本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は、以下のようなプロピレン系共重合体を提供する
ものである。 (1)プロピレンとエチレンの共重合体であって、下記
の〜を満足する射出成形用プロピレン系共重合体。 共重合体のメルトインデックス(MI) が10〜100 g/
10min である パルスNMRで算出したゴム成分量が 7〜20 wt %で
ある パラキシレン可溶分の極限粘度([η] R ) が 1.5〜 5
dl/g である パラキシレン不溶分のエチレン含有量が 1〜 5 wt %
である (2)プロピレンとエチレンの共重合体が2段重合によ
り得られるブロック共重合体である上記(1)に記載の
射出成形用プロピレン系共重合体。 (3)プロピレンとエチレンの共重合体であって、下記
の〜を満足する移植機に用いる苗箱用プロピレン系
共重合体。 共重合体のメルトインデックス(MI) が20〜60 g/1
0minである パルスNMRで算出したゴム成分量が 7〜20 wt %で
ある パラキシレン可溶分の極限粘度([η] R ) が 1.5〜 5
dl/g である パラキシレン不溶分のエチレン含有量が 1〜 5 wt %
である
【0005】
【発明の実施の形態】本発明について、以下に詳細に説
明する。本発明の射出成形用プロピレン系共重合体は、
プロピレンとエチレンを共重合したもので下記の〜
を満足するものである。 共重合体のメルトインデックス(MI) が10〜100 g/
10min 、好ましくは、20〜60g/10min である。10 g/10m
in未満では、成形性が不良となり、100g/10minを超える
と耐衝撃性が低下する。 パルスNMRで算出したゴム成分量が 7〜20 wt %、
好ましくは、10〜15wt%である。7 wt%未満では、耐衝
撃性が低下し、20wt%を超えると剛性が不十分となる。 パラキシレン可溶分の極限粘度([η] R ) が 1.5〜 5
dl/g 、好ましくは、1.8 〜4 dl/gである。1.5dl/g 未
満では、耐衝撃性が低下し、5 dl/gを超えると外観が不
良となる。 パラキシレン不溶分のエチレン含有量が 1〜 5 wt
%、好ましくは、2 〜4wt%である。1 wt% 未満で
は、成形性が不良となり、5 wt%を超えると剛性が不十
分となる。
【0006】また、本発明の移植機に用いる苗箱用プロ
ピレン系共重合体としては、プロピレンとエチレンの共
重合体であって、下記の〜を満足するプロピレン系
共重合体である。 共重合体のメルトインデックス(MI) が20〜60 g/1
0minである。20 g/10min未満では、苗箱用として成形性
が不良となり、60 g/10minを超えると寒冷地での耐衝撃
性が劣る。 パルスNMRで算出したゴム成分量が 7〜20 wt %、
好ましくは、10〜15wt%である。7 wt%未満では、耐衝
撃性が低下し、20wt%を超えると剛性が不十分となる。 パラキシレン可溶分の極限粘度([η] R ) が 1.5〜 5
dl/g 、好ましくは、1.8 〜4 dl/gである。1.5dl/g 未
満では、耐衝撃性が低下し、5 dl/gを超えると外観が不
良となる。 パラキシレン不溶分のエチレン含有量が 1〜 5 wt
%、好ましくは、2 〜4wt%である。1 wt% 未満で
は、成形性が不良となり、5 wt%を超えると剛性が不十
分となる。
【0007】上記のパルスNMRによるゴム成分量は以
下のように測定するものである。 (1)測定方法 測定機器:ブルカー製 CXP−90NMR装置 測定温度:23℃ パルス系列:ソリッドエコー法(例えば、「高分子測定
法(構造と物性)」下巻、高分子学会編、1973年、
「高分子実験学講座(第12巻)高分子の磁気共鳴」、
共立出版、1975年 を参照) 90°パルス幅:2μs 回復時間:5s サンプル管:外径10φ、内径8φ、パイレックスガラ
ス製 (2)試料の作製 プレス成形(220℃成形、30℃冷却)した試料を1
mm角に切断して使用する。 (3)解析方法 西らの手法(K.Fujimoto,T.Nishi and R.Kado,Polym.
J. 3 ,448(1972)参照)に従い、FID(自動誘導減衰)
1Hスピン格子緩和時間(以下、T2 Hとする。)の
異なる3成分に分離し、T2 Hの最も長い成分をゴム成
分とし、その分率をゴム成分量と定義する。
【0008】また、上記のパラキシレン可溶分の極限粘
度([η] R ) は、以下のように測定するものである。 (1)パラキシレン可溶分:ペレットサンプル 5gをP−
キシレン 700 ml 、145℃で加熱溶解後、室温(23 ℃)
まで冷却させた際、溶解している成分。 (2)極限粘度([η] R ) :上記パラキシレン可溶分の 13
5℃のテトラリン中で求めた極限粘度。
【0009】また、上記のパラキシレン不溶分のエチレ
ン含有量 (EC ) は、以下のように測定するものであ
る。 (1)パラキシレン不溶分:ペレットサンプル 5gをP−
キシレン 700 ml 、145℃で加熱溶解後、室温(23 ℃)
まで冷却させた際、析出している成分。 (2)エチレン含有量:上記パラキシレン不溶分のエチレ
ン含有量。
【0010】上記のプロピレン系共重合体は、以下に示
すようにして製造することができるが、これに限定され
るものではない。製造に使用する触媒としては、マグネ
シウム、チタン、及びハロゲンを必須成分とする固体触
媒成分、有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物触
媒成分、及び有機ケイ素化合物等の電子供与体化合物触
媒成分から形成することができるが、代表的なものとし
て、以下のような触媒成分が使用できる。固体触媒成分
の好ましい担体となるものは、金属マグネシウムとアル
コールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物から得
られる。この場合、金属マグネシウムは、顆粒状、リボ
ン状、粉末状等のマグネシウムを用いることができる。
また、この金属マグネシウムは、表面に酸化マグネシウ
ム等の被覆が生成されていないものが好ましい。
【0011】アルコールとしては、炭素数1〜6の低級
アルコールを用いるのが好ましく、特に、エタノールを
用いると、触媒性能の発現を著しく向上させる上記担体
が得られる。ハロゲンとしては、塩素、臭素、又はヨウ
素が好ましく、特にヨウ素を好適に使用できる。また、
ハロゲン含有化合物としては、MgCl2 、MgI2
好適に使用できる。
【0012】アルコールの量は、金属マグネシウム1モ
ルに対して好ましくは2〜100モル、特に好ましくは
5〜50モルである。ハロゲン又はハロゲン含有化合物
の使用量は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、
ハロゲン原子又はハロゲン含有化合物中のハロゲン原子
が、0.0001グラム原子以上、好ましくは0.00
05グラム原子以上、さらに好ましくは、0.001グ
ラム原子以上である。ハロゲン及びハロゲン含有化合物
はそれぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0013】金属マグネシウムとアルコールとハロゲン
及び/又はハロゲン含有化合物との反応方法は、例え
ば、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/ま
たはハロゲン含有化合物とを、還流下(約79℃)で水
素ガスの発生が認められなくなるまで(通常20〜30
時間)反応させて、担体を得る方法である。これは、不
活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下で
行うことが好ましい。得られた担体を次の固体触媒成分
の合成に用いる場合、乾燥させたものを用いてもよく、
また濾別後ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄したものを用
いてもよい。
【0014】固体触媒成分の製造のため、上記の担体に
少なくともチタン化合物を接触させる。このチタン化合
物としては、一般式(a) TiX1 n (OR1 4-n ・・・(a) (式中、X1 はハロゲン原子、特に塩素原子が好まし
く、R1 は炭素数1〜10の炭化水素基、特に直鎖また
は分岐鎖のアルキル基であり、R1 が複数存在する場合
にはそれらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜
4の整数である。)で表されるチタン化合物を用いるこ
とができる。具体的には、Ti(O−i−C
3 7 4 、Ti(O−C4 9 4 、TiCl(O−
2 5 3 、TiCl(O−i−C3 7 3 、Ti
Cl(O−C4 9 3 、TiCl2 (O−C49
2 、TiCl2 (O−i−C3 7 2 、TiCl4
を挙げることができるが、特にTiCl4 が好ましい。
固体触媒成分は、上記の担体にさらに電子供与性化合物
を接触させて得られる。この電子供与性化合物として
は、芳香族カルボン酸、酸無水物、炭素原子数3〜15
のケトン類、炭素原子数2〜15のアルデヒド類、炭素
原子数2〜18のエステル類、芳香族ジカルボン酸のモ
ノ及びジエステル、炭素原子数2〜20の酸ハロゲン化
物類、炭素原子数2〜20のエーテル類、酸アミド、S
i−O−C結合を有する有機ケイ素化合物等を挙げるこ
とができる。これらのうち、芳香族ジカルボン酸ジエス
テルが好ましく、特にフタル酸ジエチル、フタル酸ジブ
チル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘキシルが好
ましい。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0015】また、上記の担体にチタン化合物と電子供
与性化合物を接触させる際に、四塩化ケイ素等のハロゲ
ン含有ケイ素化合物を接触させるとよい。上記の固体触
媒成分は、公知の方法で調製することができる。例え
ば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン又はオクテン等の不
活性炭化水素を溶媒に、上記の担体、電子供与性化合物
及びハロゲン含有ケイ素化合物を投入し、攪拌しながら
チタン化合物を投入する方法である。通常は、マグネシ
ウム原子換算で担体1モルに対して電子供与性化合物
は、0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モル
を加え、また、マグネシウム原子換算で担体1モルに対
してチタン化合物は、1〜50モル、好ましくは2〜2
0モルを加え、0〜200℃にて、5分〜10時間の条
件、好ましくは30〜150℃にて30分〜5時間の条
件で接触反応を行えばよい。なお、反応終了後は不活性
炭化水素(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、
生成した固体触媒成分を洗浄するのが好ましい。
【0016】また、触媒成分の内、有機金属化合物触媒
成分としては、有機アルミニウム化合物を好適に用いる
ことができる。この有機アルミニウム化合物としては、
一般式(b) AlR2 n 2 3-n ・・・(b) (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、シクロア
ルキル基またはアリール基であり、X2 はハロゲン原子
であり、塩素原子または臭素原子が好ましい。nは1〜
3の整数である。)で表される化合物が広く用いられ
る。具体的には、トリアルキルアルミニウム化合物、例
えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウ
ムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリ
ド、ジエチルアルミニウムモノエトキシド、エチルアル
ミニウムセスキクロリド等が挙げることができる。これ
らは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して
もよい。
【0017】さらに、触媒系の内、電子供与性化合物成
分としては、上記の固体触媒成分の調製の際に用いた電
子供与性化合物と同様のものを用いることができる。こ
の際、電子供与性化合物は、固体触媒成分の調製の際に
用いた電子供与性化合物と同じものであっても、異なる
ものであってもよいが、有機ケイ素化合物が好ましい。
具体的には、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、シクロヘ
キシルメチルジメトキシシラン、ジ-t- ブチルジメトキ
シシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジイソプロ
ピルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシ
ラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン等を挙げるこ
とができる。
【0018】上記の固体触媒成分は、前処理してから、
重合に用いるとよい。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペ
プタン又はオクテン等の不活性炭化水素を溶媒に、上記
の固体触媒成分、有機金属化合物触媒成分及び電子供与
性化合物成分を投入し、攪拌しながら、プロピレンを供
給し、反応させる。また、通常、有機金属化合物触媒成
分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.
01〜10モル、好ましくは0.05〜5モルを加え、
電子供与性化合物成分は、固体触媒成分中のチタン原子
1モルに対して0.01〜20モル、好ましくは0.1
〜5モルを加えるとよい。プロピレンは、大気圧よりも
高いプロピレンの分圧下で供給し、0〜100℃にて、
0.1〜24時間前処理するとよい。なお、反応終了後
は不活性炭化水素(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン)で、前処理したものを洗浄するのが好ましい。
【0019】重合は、プロピレン−エチレン共重合体の
2段又は多段重合で行うとよい。装置及び運転コスト等
の面から2段重合が好ましい。第1段目の重合条件とし
て、重合温度は、通常、0 〜150 ℃、好ましくは、40〜
120 ℃の範囲で、重合圧は、通常、1 〜60 kg/cm2G、好
ましくは、4 〜40 kg/cm2Gの範囲で選ばれる。また、通
常、有機金属化合物触媒成分は、固体触媒成分中のチタ
ン原子1モルに対して 0.1〜400 モル、好ましくは 1〜
200 モルの範囲で加え、電子供与性化合物成分は、固体
触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.1〜100 モ
ル、好ましくは 1〜50モルの範囲で加えるとよい。
【0020】また、第1段目の重合では、エチレン含有
量が 0.5〜10 wt %、好ましくは、1.0 〜6 wt%の範囲
に、MIが 0.1〜300 g/min 、好ましくは、0.3 〜100g
/minの範囲にするとよい。第2段目の重合条件として
は、重合温度、重合圧、触媒配合比ともに第1段目と同
様な範囲から選択すればよい。
【0021】また、第2段目の重合では、エチレン含有
量が20〜60 wt %、好ましくは、30〜50 wt %の範囲に
するとよい。第1段目と第2段目の重合量は、第1段目
が80〜95 wt %、好ましくは、85〜92 wt %の範囲に、
第2段目が 5〜20 wt %、好ましくは、 8〜15 wt %の
範囲にするとよい。エチレン分圧は、所望のエチレン含
量になるようにエチレン供給量で調節し、共重合体の分
子量は、所望の分子量になるように水素供給量で調節す
る。
【0022】上記の2段重合で、本発明のプロピレン−
エチレンブロック共重合体が得られる。本発明のプロピ
レン系共重合体には、常用される酸化防止剤、中和剤、
造核剤、分解剤又は耐電防止剤等を必要に応じて配合す
ることができる。本発明のプロピレン系共重合体は、通
常の射出成形機に適用できるものである。また、成形性
が良好なことから苗箱等の形状が複雑で、薄肉の射出成
形品までにも適用できるものである。
【0023】
〔実施例1〕
(1)マグネシウム化合物の調整 攪拌機付き反応槽(内容積500 リットル) 窒素ガスで充分に
置換し、エタノール 97.2 kg、ヨウ素640 g 、及び金属
マグネシウム6.4 kgを投入し、攪拌しながら還流条件下
で系内から水素ガスの発生が無くなるまで反応させ、固
体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反
応液を減圧乾燥させることにより目的のマグネシウム化
合物(固体触媒の担体)を得た。 (2)固体触媒成分の調整 窒素ガスで充分に置換した攪拌機付き反応槽(内容積50
0 リットル)に、前記マグネシウム化合物(粉砕していない
もの) 30 kg、精製ヘプタン(n−ヘプタン)150 リット
ル、四塩化ケイ素 4.5 リットル 、及びフタル酸ジ−n−ブ
チル 4.3 リットル を加えた。系内を 90 ℃に保ち、攪拌し
ながら四塩化チタン144 リットルを投入して110 ℃で2 時間
反応させた後、固体成分を分離して 80 ℃の精製ヘプタ
ンで洗浄した。さらに、四塩化チタン228 リットルを加え、
110 ℃で2 時間反応させた後、精製ヘプタンで充分に洗
浄し、固体触媒成分を得た。
【0024】(3)前処理 内容積500 リットルの攪拌機付き反応槽に精製ヘプタン230
リットルを投入し、前記の固体触媒成分を 25 kg、トリエチ
ルアルミニウムを固体触媒成分中のチタン原子に対して
0.6 mol/mol 、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン
を0.4 mol/molの割合で供給した。その後、プロピレン
をプロピレン分圧で0.3 kg/cm2G になるまで導入し、 2
5 ℃で4 時間反応させた。反応終了後、固体触媒成分を
精製ヘプタンで数回洗浄し、更に二酸化炭素を供給し 2
4 時間攪拌した。 (4)重合 前段として、内容積200 リットルの攪拌機付き重合装置 (#1
x ) に前記処理済の固体触媒成分を成分中のチタン原
子換算で3 m mol/hrで、トリエチルアルミニウムを7.5
m mol/ kg-PPで、シクロヘキシルメチルジメトキシシラ
ンを1.9 m mol/kg-PPでそれぞれ供給し、重合温度 80
℃、重合圧力(全圧)28kg/cm2G でプロピレンとエチレ
ンを反応させた。この時、所望のエチレン含有量及び分
子量となるようにエチレン供給量及び水素供給量をそれ
ぞれ調整した。次いで、#1Rx から連続的にパウダーを
抜き出し、内容積200 リットルの攪拌機付き重合装置 (#2R
x ) へ移送した。#2Rx では、重合温度 55 ℃にて運転
し、所望の組成、分子量になるようにプロピレン、エチ
レン及び水素供給量比を調整した。得られた重合体の性
状は、上記の測定方法によって評価し、その結果は、表
1に示す。
【0025】(5)メルトインデックス(MI) MIは、JIS K7210に準拠し、温度 230℃、荷
重 2,160 gで測定した。結果は、表1 に示す。 (6)アイゾット衝撃強度試験 通常の射出成形法で成形した試験片を用いて、JIS
K7110に準拠し、0及び 23 ℃で評価した。結果
は、表1 に示す。 (7)成形評価 移植機向け苗箱の1/5 モデル金型 (縦 120 mm 、横 315
mm 、厚み 1.5 mm 、花弁部厚み 0.4 mm 、ポット数 8
4 個) による射出成形を実施し、成形性の評価を行なっ
た。この結果は、表1 に示す。また、その成形品は白化
性評価及び突き出し試験評価用のサンプルとした。 (8)成形品の白化性評価及び突き出し試験評価 上記で成形した移植機向け苗箱を移植機に搭載し、0 ℃
にて突き出し試験(突き出しピンで1回突き出しを実
施)を行った。 ・白化性評価 :花弁部の白化状態の有無を目視で
判断。 ・突き出し試験評価:花弁部の割れ個数を数えて評価。
判断基準は、84個中 2個割れは良好、3 個以上の割れは
不良とした。 この結果は、表1 に示す。なお、移植機及び移植機向け
苗箱は、図1〜3に示すようなものである。
【0026】〔比較例−1〕#1Rx にエチレンを供給し
なかった以外は、実施例−1と同様に行った。結果を表
1に示す。 〔比較例−2〕分子量を調整するための#1Rx への水素
供給を削減した以外は、実施例−1と同様に行った。結
果を表1に示す。
【0027】〔実施例−2〕比較例−2で得られたパウ
ダーに分解剤として、2,5-ジメチル-2,5- ジ(t- ブチル
パーオキシ) ヘキサン (商品名: カヤヘキサAD(化薬
アクゾー社製))を700ppm添加し、MIを調整し
た。 〔比較例−3〕#2Rx での反応を行わなかった以外は、
実施例−1と同様に行った。結果を表1に示す。 〔比較例−4〕#2Rx 反応量を低下させた以外は、実施
例−1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、耐衝撃性、成形性及び
耐白化性に優れた射出成形用プロピレン系共重合体、特
に、移植機に用いる苗箱用に適したプロピレン系共重合
体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】移植機 (a)斜視図 (b)苗の押出しを示す縦断
側面図
【図2】移植機向け苗箱 (a)一部平面図 (b)一部縦断
側面図
【図3】苗室底面から苗室内に突き出しピンを突き出し
た状態を示す縦断側面図
【符号の簡単な説明】
9・・・突き出しピン 12・・・ポット状苗室 16・・・花弁部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンとエチレンの共重合体であっ
    て、下記の〜を満足する射出成形用プロピレン系共
    重合体。 共重合体のメルトインデックス(MI) が10〜100 g/
    10min である パルスNMRで算出したゴム成分量が 7〜20 wt %で
    ある パラキシレン可溶分の極限粘度([η] R ) が 1.5〜 5
    dl/g である パラキシレン不溶分のエチレン含有量が 1〜 5 wt %
    である
  2. 【請求項2】 プロピレンとエチレンの共重合体が2段
    重合により得られるブロック共重合体である請求項1に
    記載の射出成形用プロピレン系共重合体。
  3. 【請求項3】 プロピレンとエチレンの共重合体であっ
    て、下記の〜を満足する移植機に用いる苗箱用プロ
    ピレン系共重合体。 共重合体のメルトインデックス(MI) が20〜60 g/1
    0minである パルスNMRで算出したゴム成分量が 7〜20 wt %で
    ある パラキシレン可溶分の極限粘度([η] R ) が 1.5〜 5
    dl/g である パラキシレン不溶分のエチレン含有量が 1〜 5 wt %
    である
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008238728A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート

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