JP2008238020A - シリカ系汚れ防止剤及びシリカ系汚れ防止方法 - Google Patents

シリカ系汚れ防止剤及びシリカ系汚れ防止方法 Download PDF

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Abstract

【課題】冷却水系やボイラ水系や膜処理装置等で発生するシリカ系汚れを効率的に防止すること。
【解決手段】カルボキシル基を有するモノマー(アクリル酸など)と、スルホン酸基を有するモノマー(イソプレンスルホン酸など)と、N−アクリロイルモルホリンと、を共重合して得られるポリマーを少なくとも含有するシリカ系汚れ防止剤とすることで、シリカ系の汚れを効率よく防止することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリカ系汚れ防止剤及びシリカ系汚れ防止方法に関する。より詳しくは、冷却水系、ボイラ水系、膜処理装置等において発生するシリカ系の汚れ防止の技術に関する。
冷却水系、ボイラ水系、膜処理装置等において、水と接触する伝熱面、配管、膜面等ではスケール障害が発生する。スケールは、水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオン等が濃縮されると析出し、配管や機器の内面に付着したものである。このようなスケール障害は、特に、省資源、省エネルギーの立場から、冷却水等の系外への排出量を抑えて、冷却水の高濃縮運転(分離膜の場合は高回収率での運転)を行なう循環水系の場合に発生しやすい。
このスケールが熱交換部へ付着すると伝熱阻害を引き起こす。配管への付着は流量低下を引き起こす。膜への付着はフラックス低下を引き起こす。また、付着したスケールが剥離した場合には系内を循環するため、ポンプ、配管、熱交部等の閉塞・磨耗の原因ともなる。
スケール種としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。
このうち、特に、シリカ系スケール(又はシリカ系汚れ)は、使用する水質(例えばpH等)に依存して多数の低溶解度の化学的形態をとる点で対応が困難である。例えば、単量体シリカが重合することでオリゴマーシリカやコロイドシリカ等として存在したり、ケイ酸イオンとして存在したりする。このシリカ系スケールの生成については、マグネシウムやアルミニウムや亜鉛等の金属水酸化物が関与している点でも対応を困難としている。
また、シリカ系スケール(又はシリカ系汚れ)が壁面等にこびりついた場合は固くなってしまい、ドライバー等でひっかいても削りにくいという性質を有する。このようなシリカ系スケールは、熱交換器等に付着することによる伝熱阻害や、配管等の非電熱面に付着することによる流量低下だけではなく、一度付着したシリカ系スケールが剥離して水系を循環することによる障害等も引き起こす。例えば、冷却水の場合、冷却水流量の低下により所定の冷却能力がとれなくなる障害や、冷却塔等に付着したスケールにより冷却効率が低下する障害や、冷却塔等に付着したスケールが剥離して熱交換器等を詰まらせるといった障害を引き起こしたりする。
カルシウム系スケールやマグネシウム系スケール等の防止剤としては、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有化合物が有効で、必要に応じてビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)等のスルホン酸基を有するビニルモノマーや、アクリルアミド等のノニオン性ビニルモノマーを対象水質に応じて組み合わせたコポリマーがスケール防止剤として使用されている。例えば、アクリル酸/2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)系ポリマーや、2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロパンスルホン酸(HAPS)系/N−アクリロイルモルホリン系ポリマーが提案されている(特許文献1の実施例43等参照)。また、ヘキサメタリン酸ソーダやトリポリリン酸ソーダ等の無機ポリリン酸類、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸やホスホノブタントリカルボン酸等のホスホン酸類も使用されている。
一方、シリカ系スケール(又はシリカ系汚れ)の防止剤としては、ポリアクリルアミド(特許文献2)、ポリエチレングリコール(特許文献3)、ポリビニルホルムアミド(PNVF)(特許文献4)、アクリル酸とアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸と置換アクリルアミドを用いたターポリマー(特許文献5)等が提案されている。また、スルホン酸比率の高いポリマーが有効であることについて開示されている(特許文献6)。
しかし、前記アクリルアミド系ポリマーは、水中のケイ酸濃度が低い場合には効果が認められるものの、ケイ酸濃度が高い場合、例えばシリカとして100mg/L以上の場合にはスケールの付着防止効果が乏しい。ポリエチレングリコールは、ケイ酸濃度が低い場合には、スケールの付着防止効果が認められるが、共存する他種イオンの影響を受け易いため効果が安定しない。ポリビニルホルムアミドは、カチオン性を帯びるため、組成比率の高いものは配管等の水系を構成する金属に吸着され易い。アクリル酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、置換アクリルアミドのターポリマーはスケールの付着防止効果が良いものの、高温部、例えば目安として40℃以上の水系で生成するシリカ系スケールに対しては有効であるが、低温部、例えば30℃以下の水系で生成するシリカ系スケールに対しては効果が十分でない場合もある、等の問題がある。
特許文献6は、シリカ系汚れ(又はシリカ系スケール)に対して、スルホン酸比率の高いポリマーが有効であることについて開示されているが、それでも汚れ付着防止効果が十分でない場合がある。また、特許文献1記載の付着防止剤は、シリカ系スケールを対象としていない。
特許第3832882号公報。 特開昭61−107998号公報。 特開平2−31894号公報。 特開平11−57783号公報。 特許第3055815号公報。 特開2006−88036号公報。
そこで、本発明は、冷却水系やボイラ水系や膜処理装置等で発生するシリカ系汚れを防止すること主な目的とする。なお、本願では「シリカ系スケール」と「シリカ系汚れ」をあわせて「シリカ系汚れ」という。
本願発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、カルボキシル基と、スルホン酸基と、N−アクリロイルモルホリンとを併せ持つポリマーとすることでシリカ系汚れの付着を効果的に防止できることを見出し、この知見を基に以下の本発明を完成させた。
まず、本発明は、カルボキシル基を有するモノマーと、スルホン酸基を有するモノマーと、N−アクリロイルモルホリンモノマーとを共重合して得られるポリマーを少なくとも含有するシリカ系汚れ防止剤を提供する。
上記において特に、前記カルボキシル基を有するモノマーが40〜90モル%、前記スルホン酸基を有するモノマーが5〜30モル%、前記N−アクリロイルモルホリンが5〜50モル%であるシリカ系汚れ防止剤とすると、効率よくシリカ系汚れを防止できる。
続いて、本発明は、カルボキシル基を有するモノマーと、スルホン酸基を有するモノマーと、ヒドロキシルアルキルアクリル酸と、N−アクリロイルモルホリンと、を共重合して得られるポリマーを少なくとも含有するシリカ系汚れ防止剤を提供する。かかるモノマーを用いることで、シリカ系汚れを更に効率よく防止できる。
そして、本発明は、前記カルボキシル基を有するモノマーがアクリル酸であり、前記スルホン酸基を有するモノマーがイソプレンスルホン酸であるシリカ系汚れ防止剤を提供する。かかるモノマーを用いることで、シリカ系汚れを更に効率よく防止できる。
また、本発明は、カルボキシル基を有するモノマーと、スルホン酸基を有するモノマーと、N−アクリロイルモルホリンモノマーと、を共重合させて得られるポリマーを、水系に添加するシリカ系汚れ防止方法を提供する。かかるポリマーを添加することで、系中のシリカ系汚れを効率よく防止できる。
更に、本発明は、カルボキシル基を有するモノマーと、スルホン酸基を有するモノマーと、ヒドロキシルアルキルアクリル酸と、N−アクリロイルモルホリンと、を共重合させて得られるポリマーを、水系に添加するシリカ系汚れ防止方法を提供する。かかるポリマーを添加することで、系中のシリカ系汚れを効率よく防止できる。
本発明によれば、冷却水系やボイラ水系や膜処理装置等で発生するシリカ系汚れを効率よく防止できる。
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る好適な実施形態について説明する。なお、添付図面に示された各実施形態は、本発明に係わる代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本発明に係るシリカ系汚れ防止剤は、カルボキシル基を有するモノマーと、スルホン酸基を有するモノマーと、N−アクリロイルモルホリンと、を有するポリマーを少なくとも含有するものである。まずは、用いられるモノマー等について以下に説明する。
本発明のカルボキシル基を含有するモノマーは、特に限定されず、例えば、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸(以下、アクリル酸とメタクリル酸とをあわせて「アクリル酸」という。)、イタコン酸及びこれらの金属塩等を用いることができる。
本発明のスルホン酸基を含有するモノマーは、特に限定されず、例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸−4−スルホブチル、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸及びこれらの水溶性金属塩等を用いることができるが、好適には、イソプレンスルホン酸を用いることが望ましい。
本発明では、モノマーとしてN−アクリロイルモルホリンを用いる(式(1)参照)。
本発明において、シリカ系スケールを防止する作用機構については定かではないが、ポリマー中のカルボキシル基にアルミニウムやマグネシウムや亜鉛等の水酸化物が吸着され、N−アクリロイルモルホリンがシリカに吸着し、更にポリマー中のスルホン酸基が分散し、これらによって析出物を効率よく水中に分散することでスケール化を防止できるものと考えられる。即ち、本発明に係る汚れ防止剤に含まれるポリマーは、単に硬度成分の化合物が集合して結晶化(スケール化)するのを妨害するだけではなく、シリカ系スケールの成分となるシリカだけでなく、これに影響を与えるアルミニウムやマグネシウムや亜鉛等までをしっかりと吸着し、かつこれらを効率よく分散させることができるポリマーである。
本発明において、カルボキシル基を含有するモノマーと、スルホン酸基を含有するモノマーと、N−アクリロイルモルホリンとの組成比については特に限定されないが、好適には40〜90/5〜30/5〜50(モル%)、更に好適には40〜80/10〜30/5〜30(モル%)であることが望ましい。
本発明に係るシリカ系汚れ防止剤として用いられるポリマーの分子量については、特に限定されないが、好適には、重量平均分子量(M)が500〜500000、更に好適には5000〜100000であることが望ましい。重量平均分子量が500未満の場合は、十分な汚れ防止効果を発揮できない。重量平均分子量が100000より大きい場合は、ポリマーの粘性が高くなり取り扱いが難しい。この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、溶媒:リン酸バッファー、スタンダード:アクリル酸)により測定するものである。
本発明では、更にノニオン性単量体を共重合させてもよい。共重合可能なノニオン性単量体としては、例えば、2−ヒドロキシルエチルアクリレート(式(2)参照)、メチルアクリレート、エチルアクリレート、付加モル数1〜30の(ポリ)エチレンオキサイドのモノアクリレート(式(3)参照)、付加モル数1〜30の(ポリ)エチレンオキサイドのモノビニルエーテル(式(4)参照)等を用いることができる。なお、ここで「アクリレート」とは、メタクリレートも含むものとする。本発明では、ヒドロキシアルキルアクリレートを共重合させることで本発明の効果を向上させることができる。このうち、とりわけ2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合させると本発明の効果が顕著に向上する。
本発明では、必要に応じ、更にカチオン性単量体を共重合させてもよい。共重合可能なカチオン性単量体としては、例えば、アリルアミン、ジメチルモノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレートの四級アンモニウム塩又は三級アンモニウム塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド等を用いることができる。
本発明に係るシリカ系汚れ防止剤として用いられるポリマーの製造方法については、特に限定されず、従来公知の重合方法を適宜採用できる。例えば、溶液重合や塊状重合等により製造できるが、N−アクリロイルモルホリンは親水性であるため水性重合を好適に用いることができる。
前記水性重合の条件等については特に限定されず、使用するモノマーの物性等を考慮して適宜決定できるが、例えば、単量体水溶液又は水分散液を調製し、必要に応じてpHを調整し、不活性ガスにより雰囲気を置換した後、50〜100℃に加熱し、水溶性重合開始剤を添加することで重合させることができる。
前記水溶性重合開始剤としては、2,2´−アゾビス−(2−アミノジプロパン)二塩酸塩、アゾビス−N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン二塩酸塩、4,4´−アゾビス−(4−シアノ吉草酸)−2−ナトリウム等の水溶性アゾ化合物や、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩や、過酸化水素、過ヨウ素酸ナトリウム等の水溶性過酸化物等を用いることができる。
前記水性重合の重合反応は、例えば、3〜6時間で反応を終了させて、放冷することで重合体水溶液又は水分散液を得ることができる。そして、重合は水性媒体中に限らず、一般的な有機溶媒中での溶液重合、懸濁重合、乳化重合等によっても行なうことができる。
本発明のシリカ系汚れ防止剤の使用方法等は、特に限定されず、スケール汚れの生成、付着を防止したい場所やその直前の場所等に添加することができる。そして、本発明の汚れ防止剤は、冷却水系や、ボイラ水系等の運転条件や水質条件にかかわりなく使用できる。例えば、本発明の汚れ防止剤を、各種水系の循環水や補給水に添加することができる。
そして、本発明の汚れ防止剤は、低温水や高温水のいずれにも用いることができるし、特に濃縮倍数の多い(6倍以上)カルシウムやマグネシウム等の含有量が高いシリカ系汚れ等にも有効に用いることができる。
また、通常、水質悪化のために工業用水の除濁に用いる凝集剤にはポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム化合物が用いられるため、この用水は前記凝集剤由来のアルミニウム濃度が高くなる傾向がある。このようなアルミニウム濃度が高い用水を用いた水系では、アルミニウムを含有したシリカ系の汚れが付着することを本願発明者らは見出した。また、用水向けの膜処理装置において、膜の目詰まりを防止するための前処理として前記凝集剤による除濁を行うと前記膜にアルミニウムを含有したシリカ系の汚れが付着することも見出した。これらのような状況等で発生するシリカ系汚れに対しても、本発明の汚れ防止剤は有効に用いることができる。
本発明の汚れ防止剤の添加量については特に限定されず、添加する水の水質等に応じて適宜選択することができるが、好適には適用する水での重合体濃度が1〜200mg/Lとなるように添加することが望ましく、更に好適には重合体濃度が10〜100mg/Lとなるように添加することが望ましい。
本発明のスケール系汚れ防止剤は、必要に応じて、他のスケール防止剤等と併用することができる。併用できるスケール防止剤としては、例えば、ニトリロトリメチルホスホン酸、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、ホスホノブタントリカルボン酸、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸、アクリル酸、マレイン酸、アクリル酸スルホン酸のコポリマー、及びこれらの水溶性金属塩等を用いることができる。
更には、本発明の汚れ防止剤は、必要に応じて、有機ホスホン酸、塩化亜鉛等の防食剤や、ヒドラジン、S−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(Cl−MIT)、次亜塩素酸−スルファミン酸系等の殺菌剤や抗菌剤等と混合して使用することもできるし、別々にこれらの薬品を添加することもできる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。本発明はここに示す実施例により制限されない。なお、実施例及び比較例の検証は、図1に示す模擬冷却水系を用いた。
まず、使用した模擬冷却水系について説明する。図1の符号Aは模擬冷却水系を示している。循環水ピット1から循環水が循環ポンプ2により送り出され、熱交換器3により伝熱されて冷却塔4に導かれる(矢印R参照)。この模擬冷却水系Aは、伝熱面積0.25mの熱交換器3を有する保有水量100Lの模擬冷却水系である。熱交換器3は、SUS304ステンレス鋼製、外径19mmのチューブを用いた。そして、熱交換器3内の熱交換器チューブ(図示せず)と、非伝熱評価チューブ5(SUS304ステンレス鋼製、外径19mm)を系内に設けた。この交換器チューブと非伝熱評価チューブ5に付着したスケール量を測定することで汚れ防止効果を評価した。
循環水ピット1に対して、補給水槽6から補給水ポンプ7により補給水を適宜供給する。補給水は実際の工業用水(川崎市工業用水)を用いて運転した。この工業用水のシリカ濃度は25mg/L as SiO、アルミニウム濃度は0.5mg/Lである。
運転は、ブロー配管10からブロー水(循環水の系外排出)の量をコントロールすることで、濃縮倍率を5倍、7倍にそれぞれ維持して30日間行った。濃縮倍率の制御は、水位センサー8と導電率計9とを用いての循環水の濃縮倍率を計測し、ブロー配管10によって濃縮不純物を適宜ブロー調整することで行った。
この間、循環水の熱交換器3の入口温度は30℃、出口温度は40℃となるように維持した。また、循環水の熱交換器チューブ、非伝熱チューブ5の通過流速は0.5m/sに維持した。
評価ポリマー(シリカ系汚れ防止剤として使用)とカルシウム系汚れ防止剤を評価ポリマー槽11に投入し、これらを薬注ポンプ12によって循環水ピット1に供給した。評価ポリマーは、固形分濃度として15mg/L as solidとなるように設定した。カルシウム系スケール防止剤は、ヒドロキシジエチリデンホスホン酸ナトリウムを6mg/L as POとなるように添加した。
スライムコントロール処理のため、次亜塩素酸ナトリウムを次亜塩素酸ナトリウム槽13に投入し、次亜塩素酸ナトリウム溶液を薬注ポンプ14によって循環水ピット1に供給した。スライムコントロール剤は、次亜塩素酸ナトリウム0.5〜1.0mg/L as Clとなるように設定した。
30日間運転後、熱交換器チューブと非伝熱チューブ5に付着したスケールの量を測定し、汚れ防止効果を評価した。その結果を、表1、表2に示す。

<考察>
表1、表2の結果より、カルボキシル基単独のホモポリマー(比較例1,2)が最も汚れ付着防止効果が低く、次いで、カルボキシル基とスルホン酸基を有するコポリマー(比較例3,4)、カルボキシル基とN−アクリロイルモルホリンを有するコポリマー(比較例5)の順で汚れ付着防止効果が上昇しているが、カルボキシル基とスルホン酸基とN−アクリロイルモルホリンとを有するターポリマー(実施例1〜5)が更に優れた付着防止効果を発揮していることが示された。そして、このターポリマーに更に2−ヒドロキシエチルメタクリル酸(HEMA)を共重合させた実施例7のポリマーは、もっと優れた汚れ付着防止効果をあげていることが示された。
そして、カルボキシル基とスルホン酸基を有するコポリマー(比較例3,4)については、濃縮倍数5倍の場合では実施例1〜5と同程度の汚れ付着防止効果を得ているが、濃縮倍率が7倍になると差が表れた。
また、実施例1,4〜6の結果より、スルホン酸はいずれのスルホン酸であっても一定の汚れ付着防止効果を有しているが、その中でもイソプレンスルホン酸(IPS)が優れていることが示された。
次に、透過流速の経時変化について検討した。
まず、表3に示す水質の溶液を調製した。そして、スライムコントロール剤としてイソチアゾロン系の塩素化合物(「クリバーター(登録商標)EC503」、栗田工業社製)と、評価薬剤を所定濃度添加した。操作圧力0.75MPaで日東電工社製超低圧平膜「ES−20」に供給し、回収率80%の条件で通水した。その流過流速の経時変化について表4に示す。
<考察>
表4に示すように、実施例8と比較例6,7を比較すれば、本発明に係るポリマーは、透過流速を高く維持できていることが示された。
以上より、本実施例によれば、本発明に係るポリマーはシリカ系汚れ防止剤及びシリカ系汚れ防止方法として優れた汚れ防止効果を有することが示された。
本発明は、シリカ系汚れを防止する技術、とりわけ冷却水系やボイラ水系や膜処理装置等で発生するシリカ系汚れの防止技術として、地熱発電所等をはじめ幅広い工業分野で利用できる。
本発明に係るシリカ系汚れ防止方法の好適な実施形態の概念及び構成を説明するための図である。
符号の説明
A 模擬冷却水系
1 循環水ピット
2 循環ポンプ
3 熱交換器
4 冷却塔
5 非伝熱チューブ
6 補給水槽
7 補給水ポンプ
8 水位センサー
9 導電率計
10 ブロー配管
11 評価ポリマー槽11
12 薬注ポンプ
13 次亜塩素酸ナトリウム槽
14 薬注ポンプ

Claims (5)

  1. カルボキシル基を有するモノマーと、スルホン酸基を有するモノマーと、N−アクリロイルモルホリンモノマーと、を共重合して得られるポリマーを少なくとも含有するシリカ系汚れ防止剤。
  2. カルボキシル基を有するモノマーと、スルホン酸基を有するモノマーと、ヒドロキシルアルキルアクリル酸と、N−アクリロイルモルホリンモノマーと、を共重合して得られるポリマーを少なくとも含有するシリカ系汚れ防止剤。
  3. 前記カルボキシル基を有するモノマーがアクリル酸であり、
    前記スルホン酸基を有するモノマーがイソプレンスルホン酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリカ系汚れ防止剤。
  4. カルボキシル基を有するモノマーと、スルホン酸基を有するモノマーと、N−アクリロイルモルホリンモノマーと、を共重合して得られるポリマーを、水系に添加するシリカ系汚れ防止方法。
  5. カルボキシル基を有するモノマーと、スルホン酸基を有するモノマーと、ヒドロキシルアルキルアクリル酸と、N−アクリロイルモルホリンモノマーと、を共重合して得られるポリマーを、水系に添加するシリカ系汚れ防止方法。
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