JP2008233673A - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導波路コアに内在する空孔への異物の混入により光学特性が不安定となることが抑制された光導波路及びその製造方法を提供すること。また、本発明の課題は、異物の混入が抑制されて部材に空孔を内在させる方法を提供すること。
【解決手段】例えば、下部クラッド用基材12と上部クラッド用基材14(第2基材)とを有し、当該基板間に、光を伝播する導波路コアと、導波路コア16の周囲を取り囲んで形成された第2クラッド20と、を有する光導波路10において、主導波路コア16A,16Bの連結部位に空孔22を配設し、下部クラッド用基材12(第1基材)と上部クラッド用基材14(第2基材)との対向方向に対向する面側が双方開口された空孔22に対し、上部クラッド用基材14側の開口を第1クラッド18で覆うように塞ぐ。
【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路及びその製造方法に関する。
高速信号の伝送において、それを担っている電気は限界が近づき、光伝送の役割が期待されている。このような中、光電混載ボードの実現が急務とされている。光電混載ボードを実現するには高集積な電気デバイスに対応した光導波路が必要となる。集積によって発生した規制の中で伝搬方向の変換を大きくかつ小スペースで実現することが求められ、高分子導波路は石英系に比べて設計の自由度が高く有利である。現在、円弧、全反射、及びダイシングソーによるミラー面作製等の手法により数々の高分子導波路を用いた伝搬方向の変換方法が検討されている(例えば特許文献1等)。
また、小さい面積で伝搬光の大きな方向変換を行う方法として、コアとの屈折率の差が大きいものをクラッドとして局所的に使用することで全反射条件を拡大させることが考えられる。この手法としては、例えば、空気クラッドが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。これは、90度屈折の外に空気クラッド反射部がコア外部に設けてあり、光がそのクラッドで反射するものである。
その他、空気クラッドを用いた例として、光導波路コアの屈曲部の外側に密閉された空隙(空気泡)を設け、該空隙とコアとの界面を反射面とする光導波路が提案されている(例えば、特許文献3、4参照。)。これらは、いずれも、光導波路コアの外部にも空隙が存在し、この空隙の屈折率とコアの屈折率との差を利用して反射面として構成している。
特開平9−145943号公報 特開2003−207661号公報 特開平11−248951号公報 特開2003−75670号公報
本発明の課題は、導波路コアに内在する空孔への異物の混入により光学特性が不安定となることが抑制された光導波路、その製造方法を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
光が伝播する導波路コアと、
前記導波路コアに、その厚み方向の少なくとも一方を開口して内在する空孔と、
前記空孔の開口の少なくとも一方を覆って、前記空孔の開口を塞ぐ前記導波路コアより屈折率の小さい層状の第1クラッドと、
前記導波路コアの周囲を取り囲み、前記導波路コアより屈折率の小さい第2クラッドと
を有することを特徴とする光導波路である。
請求項2に係る発明は、
前記空孔が、前記導波路コアとの界面の一部又は全部を反射面として伝搬光の一部又は全部の方向を変換させる空孔であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路である。
請求項3に係る発明は、
1)第1基材上に、光が伝播する導波路コアと、前記導波路コアにその厚み方向の前記第1基材の面とは逆側の面に開口する空孔と、を形成する工程と、
2)第2基材上に、第1硬化性樹脂を層状に形成する工程と、
3)前記第1基材の前記導波路コアの形成側と前記第2基材の前記第1硬化性樹脂の形成側とを対向させ、前記第1硬化性樹脂により前記空孔の開口を覆う工程と、
4)前記第1硬化性樹脂を硬化して、前記導波路コアより屈折率の小さい層状の第1クラッドを形成する工程と、
5)前記第1基材、前記第2基材及び前記導波路コアに囲まれた空間に第2硬化性樹脂を充填する工程と、
6)前記第2硬化性樹脂を硬化して、前記導波路コアの周囲を取り囲み前記導波路コアより屈折率の小さい第2クラッドを形成する工程と、
を有することを特徴とする光導波路の製造方法である。
請求項4に係る発明は、
前記第1硬化性樹脂を半硬化させ、この状態で前記第1硬化性樹脂により前記空孔の開口を覆うことを特徴とする請求項3に記載の光導波路の製造方法である。
請求項5に係る発明は、
表面が未硬化又は半硬化で内部が硬化するように前記第1硬化性樹脂を硬化させ、この状態で前記第1硬化性樹脂により前記空孔の開口を覆うことを特徴とする請求項3に記載の光導波路の製造方法である。
請求項6に係る発明は、
前記第1硬化性樹脂が紫外線硬化型ラジカル系高分子材料であり、
酸素を含む雰囲気環境下で紫外線により前記第1硬化性樹脂を硬化させ、この状態で前記第1硬化性樹脂により前記空孔の開口を覆うことを特徴とする請求項3に記載の光導波路の製造方法である。
請求項7に係る発明は、
前記第2基材上に前記第1硬化性樹脂を層状に形成する工程は、スピンコート法により前記第1硬化性樹脂を層状に形成することを特徴とする請求項3に記載の光導波路の製造方法である。
請求項8に係る発明は、
前記空孔の開口の周辺領域のみに、前記第2基材上に形成された層状の第1硬化性樹脂が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光導波路の製造方法である。
請求項1に係る発明によれば、導波路コア内に光導波路の光学特性を不安定にする異物の混入が抑制された空孔を内在する光導波路を提供できる、といった効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、反射特性の安定した光導波路を提供できる、といった効果を奏する。
請求項3に係る発明によれば、導波路コア内に光導波路の光学特性を不安定にする異物の混入が抑制された空孔を内在する光導波路を製造することができる、といった効果を奏する。
請求項4に係る発明によれば、空孔への第1の硬化性樹脂が異物として混入されることが抑制される、といった効果を奏する。
請求項5に係る発明によれば、空孔への第1の硬化性樹脂が異物として混入されることがより抑制される、といった効果を奏する。
請求項6に係る発明によれば、簡易に、導波路コア内に光導波路の光学特性を不安定にする異物の混入がより抑制された空孔を内在する光導波路を製造することができる、といった効果を奏する。
請求項7に係る発明によれば、他の塗布方法に比べ、硬化性樹脂、即ち第1クラッドが簡易に且つ低コストで均一に薄膜化される、といった効果を奏する。
請求項8に係る発明によれば、第2硬化性樹脂の充填時間が削減される、といった効果を奏する。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同一の機能・作用を有する部材には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
図1は、実施形態に係る光導波路を示す斜視図である。図2は、実施形態に係る光導波路を示す平面図である。図3は、実施形態に係る光導波路を示す部分断面図であり、図2のA−A断面図である。
実施形態に係る光導波路10は、図1乃至図3に示すように、下部クラッド用基材12(第1基材)と上部クラッド用基材14(第2基材)とを有し、当該基板間に、光を伝播する導波路コア16と、導波路コア16の周囲を取り囲んで形成された第2クラッド20と、を有している。
導波路コア16は、2つの主導波路コア16A,16Bの一端部が交差(本実施形態では直交)するように連結されてL字型を構成している。そして、主導波路コア16A,16Bの連結部位に空孔22が配設されている。また、空孔22は、導波路コア16に囲まれる空間で構成されている。空孔22は、下部クラッド用基材12(第1基材)と上部クラッド用基材14(第2基材)と対向する面側が双方開口されており(即ち、導波路コア16の厚み方向の両方向が開口しており)、下部クラッド用基材12側の開口は当該下部クラッド用基材12で覆われて塞がれおり、上部クラッド用基材14側の開口は層状の第1クラッド18で覆われて塞がれている。無論、第1クラッド18は、下部クラッド用基材12側の開口を覆って塞いでいでもよい。
この第1クラッド18は、上部クラッド用基材14側の開口を塞ぐため、下部グラッド用基材12と同様の大きさの上部グラッド用基材14全体に層状に形成され、導波路コア16および第2クラッド20全体を覆っているが、これに限られない。例えば、第1クラッド18は、図6乃至図8に示すように、開口周辺領域のみを覆う大きさの上部グラッド用基材14全体に層状に形成され、当該開口領域周辺のみを覆うように設けられていてもよい。この第1クラッドは、第2クラッド20と同一材料で構成されていることがよいが、異なる材料により構成されていてもよい。
本実施形態に係る光導波路10では、空孔22における、主導波路コア16A,16Bの伝播光進行方向に対して傾斜する傾斜面が、導波路コア16と空孔22との屈折率差に起因し反射面22Aをなす。すなわち、主導波路コア16Aの入射側16Cから入射した伝搬光は空孔22に到達し、伝搬光は空孔22の反射面22A(傾斜面)で反射し、主導波路コア16Bを伝播し、出射側16Dから出射する。
すなわち、本実施形態に係る光導波路10は、導波路コア16内部に反射角度や反射量が光学的に設定された空孔22を有し、該空孔22と導波路コア16との界面を反射面とし、コアの屈折率と前記空孔22内の媒質(気体)との屈折率差が比較的大きいことを利用した伝搬方向の変換を実現するものである。空孔22は、導波路コア16内部の局所的気体クラッドと見される。例えば、導波路コア16に屈折率1.5、空孔22内を空気とした場合、全反射は反射面の法線を基準に41.8度(伝搬方向を基準とした場合93.2度)まで実現され得る。
さらに具体的には、高分子で構成される導波路コア16の屈折率に1.55、前記空孔22内気体に空気を選んだ場合、反射面22Aの法線方向に対する臨界角はおおよそ40度であり、伝搬方向に対する反射面角度を45°とした場合、全反射が可能であり、結果として90度の伝搬方向の変換が可能となる。
つまり、反射面22Aは、伝搬光を全反射させる傾斜角に設定することができ、導波路コアの屈折率をn、空孔22内の媒質の屈折率をnとしたとき、全反射臨界角は、
θ=sin−1(n/n
となる。
また、光導波路10の入射側16Cや出射側16Dに光ファイバが接続されているとき、光の接続損失の観点からNA(Numerical Aperture:開口数)の違いが指摘されるが、これにおいては光導波路のコアとそれを全体的に取り巻くクラッドの屈折率からなるNAが適用されるので、導波路コア16内の空孔22の屈折率は関与しない。
そして、本実施形態に係る光導波路10では、反射面22Aを主導波路コア16Aの光伝播方向に投影した場合の投影と主導波路コア16A断面と重なる面積(反射有効面積)が主導波路コア16Aの断面積と同一であり、換言すると、入射側からみて有効反射面がコア径と同一のとき、主導波路コア16Aの伝搬光は反射面にて全反射により伝搬方向を変換される。
なお、反射面22Aにおいて、全反射角と同じ又はそれに極めて近い角度をとると、全反射される光と一部透過する光とに分けられ、分岐導波路も実現され得る。
また、反射面22Aを主導波路コア16Aの光伝播方向に投影した場合の投影と主導波路コア16A断面と重なる面積が、主導波路コア16Aの断面積よりも小さくすると、主導波路コア16Aに入射する伝搬光を、反射面22Aで反射する光と、反射面22A以外の主導波路コア16A内を伝搬し直進する光とに分岐させる分岐導波路が実現され得る。換言すると、入射側から見て反射面側コア径より小さいとき、反射面に当たる光は反射により伝搬方向が変換され、反射面に当たらない光は方向を変換せずそのまま主導波路を伝搬し、結果として広角な分岐導波路が実現され得る。
以上説明したように、本実施形態に係る光導波路10では、導波路コア16に空孔22を内在させ、導波路コア16と空孔22との界面を反射面として伝搬方向の変換を行っている。即ち、導波路コア16内に気体が閉じ込められた空孔22と当該導波路16との界面で構成される反射面22Aが内在して設置されている為、導波路コア16内の任意の場所において局所的かつ省スペースで伝搬方向の変換がなされる。
加えて、空孔22の開口が第1クラッド18により塞がれているため、光導波路の作製時に異物が混入することなく、空孔22が形成される。結果、良好な反射面が形成され、反射特性の安定した光導波路が提供される。
なお、本実施形態に係る光導波路10はマルチモードで使用されることが望ましい。
以下、実施形態に係る光導波路の製造方法について説明する。
本実施形態に係る光導波路の製造方法は、例えば、次の工程1)乃至6)を含む。
1)第1基材上に、光が伝播する導波路コアと、導波路コアにその厚み方向の前記第1基材の面とは逆側の面に開口する空孔と、を形成する工程と
2)第2基材上に、第1クラッド用硬化性樹脂(第1硬化性樹脂)を層状に形成する工程と、
3)第1基材の導波路コアの形成側と第2基材の第1クラッド用硬化性樹脂の形成側とを対向させ、第1クラッド用硬化性樹脂により空孔の開口を覆う工程と、
4)、第1クラッド用硬化性樹脂を硬化して、導波路コアより屈折率の小さい層状の第1クラッドを形成する工程と、
5)第1基材、第2基材及び導波路コアに囲まれた空間に第2クラッド用硬化性樹脂(第2硬化性樹脂)を充填する工程と、
6)第2クラッド用硬化性樹脂を硬化して、前記導波路コアの周囲を取り囲み前記導波路コアより屈折率の小さい第2クラッドを形成する工程と、
を有している。
本実施形態に係る光導波路の製造方法について図面を参照しつつ工程順に説明する。ここで、図4及び図5は、本実施形態に係る光導波路の製造工程を示す工程図である。
1)の工程では、第1基材(本実施形態においては下部クラッド用基材12)上に、光が伝播する導波路コア16と、導波路コア16にその厚み方向の前記第1基材の面とは逆側の面に開口(本実施形態では下部クラッド用基材12により一方の開口が塞がれており、他方が開口)する空孔22と、を形成する(図4(A)参照)。なお、空孔22は、上述したように、導波路コア16に内在し、導波路コア16との界面の一部又は全部を反射面22Aとして伝搬光の一部又は全部の方向を変換させる。
1)の工程としては、例えば、次の工程a)乃至e)を含む。
a)鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、導波路コア16に対応するコア形成用凹部24Aと、空孔22に対応する空孔形成用凸部24Bを有する鋳型24を準備する工程
b)鋳型に下部クラッド用基材12(クラッド用基材)を密着させる工程
c)下部クラッド用基材12を密着させた鋳型のコア形成用凹部24Aにコア形成用硬化性樹脂を充填する工程
d)熱又は光によって、充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる工程
e)鋳型を下部クラッド用基材12から剥離し、下部クラッド用基材12上に空孔22が一部を開口して内在する導波路コア16が形成される工程
ここで、前記1)工程において、空孔22の形成は、エッチングなど別途工程及びその設備を設ける必要もなく、導波路コア16が形成されると同時に空孔22が形成されるため簡単に製造される。また、前記1)工程において、空孔22における反射面となる面は、鋳型24における空孔22に対応する面の精度に依存するため、鋳型24の面精度を向上させることにより反射面の精度が容易に向上される。
以下に先ず、1)の工程の望ましい態様、すなわち前記a)乃至e)の工程について説明する。
a)の工程では、鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層から形成され、導波路コアに対応するコア形成用凹部24Aと、空孔22に対応する空孔形成用凸部24Bを有する鋳型24を準備する。この鋳型24の作製は、導波路コア16に対応する凸部26Aと、空孔22に対応する凹部26Bとを形成した原盤26を用いて行うのが望ましいが、これに限定されるものではない。以下では、原盤26を用いる方法について説明する。
−原盤の作製−
上記原盤26は、基材26C上に導波路コア16に対応する凸部26Aと空孔22に対応する凹部26Bとを形成する(図5(A)参照)。原盤26の作製には、従来の方法、たとえばフォトリソグラフィー法を特に制限なく用いられる。また、本出願人が先に出願した電着法又は光電着法により高分子光導波路を作製する方法(特願2002−10240号)も、原盤を作製するのに適用され得る。原盤に形成される導波路コアに対応する凸部の大きさは高分子光導波路の用途等に応じて決められる。例えばシングルモード用の光導波路の場合には、10μm角程度の導波路コアを、マルチモード用の光導波路の場合には、50μm以上100μm以下角程度の導波路コアが一般的に用いられるが、用途によっては数百μm程度と更に大きな導波路コアを持つ光導波路も利用される。なお、光導波路の用途によっては、数百μm程度と更に大きな導波路コアを持つ光導波路に適用され得る。これらの導波路コアに対応する凸部26Aの大きさについては、空孔22に対応する凹部26Bの大きさとは無関係に設定され得る。
−鋳型の作製−
鋳型24は、まず、作製した原盤26の導波路コア16に対応する凸部26Aと、空孔22に対応する凹部26Bとが形成された面に、鋳型形成用硬化性樹脂を塗布したり注型したりし、一定時間放置した後、10分間真空脱泡を行い鋳型形成用硬化性樹脂層24Cを形成する(図5(B)参照)。必要に応じ乾燥処理をした後、該樹脂を硬化させる。次いで、その鋳型形成用硬化性樹脂層24Cを原盤26から剥離して、コア形成用凹部24A及び空孔形成用凸部24Bが設けられた鋳型24を形成する(図5(C)参照)。
ここで、鋳型24には、コア形成用凹部24Aにコア形成用硬化性樹脂を充填するための浸入口、及びコア形成用凹部24Aから前記樹脂を排出させるための排出口が形成されるが(不図示)、その形成方法は特に制限はない。原盤26に予め浸入口や排出口に対応する凸部を設けてもよいが、簡便な方法としては、例えば、原盤26に鋳型形成用硬化性樹脂層24Cを形成した後剥離して型をとり、その後、型の両端をコア形成用凹部24Aが露出するように切断することにより浸入口及び排出口を形成する方法が挙げられる。
鋳型形成用硬化性樹脂層24Cの厚さは、鋳型24としての取り扱い性を考慮して決められるが、一般的に0.1mm以上50mm以下程度が適切である。また、原盤26にはあらかじめ離型剤塗布などの離型処理を行って鋳型との剥離を促進することが望ましい。
また、鋳型形成用硬化性樹脂としては、その硬化物が原盤26から容易に剥離されること、鋳型24(繰り返し用いる)として一定以上の機械的強度・寸法安定性を有すること、凹部及び凸部形状を維持する硬さ(硬度)を有すること、下部クラッド用基材との密着性が良好なことが望ましい。鋳型形成用硬化性樹脂には、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
鋳型形成用硬化性樹脂は、原盤26の表面に塗布や注型等することが可能で、また、原盤26に形成された個々の導波路コア16に対応する凸部26Aと空孔22に対応する凹部26Bを正確に写し取らなければならないので、ある限度以下の粘度、たとえば、500mPa・s以上7000mPa・s以下程度を有することが望ましい。(なお、本発明において用いる「鋳型形成用硬化性樹脂」の中には、硬化後、弾性を有するゴム状体となるものも含まれる。)また、粘度調節のために溶剤を、溶剤の悪影響が出ない程度に加えてもよい。
鋳型形成用硬化性樹脂としては、前記のごとき剥離性、機械強度・寸法安定性、硬度、下部クラッド用基材との密着性の点から、硬化後、シリコーンゴム(シリコーンエラストマー)又はシリコーン樹脂となる硬化性オルガノポリシロキサンが望ましく用いられる。前記硬化性オルガノポリシロキサンは、分子中にメチルシロキサン基、エチルシロキサン基、フェニルシロキサン基を含むものが望ましい。また、前記硬化性オルガノポリシロキサンは、一液型のものでも硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものでもよく、また、熱硬化型のものでも室温硬化型(例えば室温(例えば25℃)において空気中の水分で硬化するもの)のものでもよく、更に他の硬化(紫外線硬化等)を利用するものであってもよい。
硬化性オルガノポリシロキサンとしては、硬化後シリコーンゴムとなるものが望ましく、これには通常液状シリコーンゴム(「液状」の中にはペースト状のように粘度の高いものも含まれる)と称されているものが用いられ、硬化剤と組み合わせて用いる二液型のものが望ましく、中でも付加型の液状シリコーンゴムは、表面と内部がバラツキが抑制されかつ短時間に硬化し、またその際副生成物が無く又は少なく、かつ離型性に優れ収縮率も小さいので望ましく用いられる。
液状シリコーンゴムの中でも特に液状ジメチルシロキサンゴムが密着性、剥離性、強度及び硬度の点から望ましい。
液状シリコーンゴムの粘度は、導波路コア16に対応する凸部26Aと、空孔22に対応する凹部26Bとを正確に写し取り、かつ気泡の混入を少なくして前記真空脱泡し易くする観点と、数ミリの厚さの鋳型形成の点から、500mPa・s以上7000mPa・s以下程度のものが望ましく、さらには、2000mPa・s以上5000mPa・s以下程度のものがより望ましい。
さらに、鋳型24の表面エネルギーは、10dyn/cm以上30dyn/cm以下、望ましくは15dyn/cm以上24dyn/cm以下の範囲にあることが、基材との密着性の点からみて望ましい。
鋳型24のシェア(Share)ゴム硬度は、15以上80以下、望ましくは20以上60以下であることが、型取り性能、凹部形状の維持、剥離性の点からみて望ましい。
鋳型24の表面粗さ(二乗平均粗さ(RMS))は、0.2μm以下、望ましくは0.1μm以下にすることが、型取り性能の点からみて望ましい。
また、鋳型24は、紫外領域及び/又は可視領域において光透過性であることが望ましい。鋳型24が可視領域において光透過性であることが望ましいのは、以下の2)の工程において鋳型24を下部クラッド用基材12に密着させる際、位置決めが容易に行え、また、以下の3)の工程においてコア形成用硬化性樹脂が鋳型24のコア形成用凹部24Aに充填される様子が観察でき、充填完了等が容易に確認しうるからである。また、鋳型24が紫外領域において光透過性であることが望ましいのは、コア形成用硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合に、鋳型24を透して紫外線硬化を行うためであり、鋳型24の、紫外領域(250nm以上400nm以下)における透過率が80%以上であることが望ましい。
硬化性オルガノポリシロキサン、中でも硬化後シリコーンゴムとなる液状シリコーンゴムは、下部クラッド用基材との密着性と剥離性という相反した特性に優れ、ナノ構造を写し取る能力を持ち、シリコーンゴムと下部クラッド用基材12とを密着させると液体の浸入さえ防がれる。このシリコーンゴムを用いた鋳型24は高精度に原盤を写し取り、下部クラッド用基材12に良く密着するため、導波路コア16と空孔22の反射面となる界面、及び導波路コア16側面(周囲クラッドとの界面)が極めて良好であり、さらに鋳型24と下部クラッド用基材12の間のコア形成用凹部24Aのみに効率よくコア形成用樹脂を充填することが可能となり、またさらに下部クラッド用基材12と鋳型の剥離も容易である。したがって、この鋳型24からは高精度に形状を維持した高分子光導波路を、極めて簡便に作製される。
また、鋳型形成用硬化性樹脂層24C、とりわけゴム弾性を有する場合、鋳型形成用硬化性樹脂層24Cの一部すなわち原盤26の凸部26A及び凹部26Bを写し取る部分以外の部分を他の剛性材料に置き換えることができ、この場合、鋳型24のハンドリング性が向上する。
次に、b)の工程では、鋳型24に下部クラッド用基材12(クラッド用基材)を密着させる(図5(D)参照)。
ここで、下部クラッド用基材12の材料としては、その用途に応じて、該材料の屈折率、光透過性等の光学的特性、機械的強度、耐熱性、フレキシビリティー(可撓性)等を考慮して選択される。可撓性のフィルム基材を用い、可撓性を有する高分子光導波路を作製することが望ましい。
フィルムの材料としては、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、脂環式アクリル樹脂、スチレン系樹脂(ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等)、脂環式オレフィン樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ビニルアルコール系樹脂、ビニルブチラール系樹脂、アリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、二又は三酢酸セルロース、アミド系樹脂(脂肪族、芳香族ポリアミド等)、イミド系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリオキシメチレン系樹脂、又は前記樹脂のブレンド物等が挙げられる。
脂環式アクリル樹脂としてはトリシクロデカン等の脂肪族環状炭化水素をエステル置換基に導入した、OZ−1000、OZ−1100(日立化成(株)製)等が用いられる。
また、脂環式オレフィン樹脂としては主鎖にノルボルネン構造を有するもの、及び主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基(アルキル基としては炭素数1から6のものやシクロアルキル基)等の極性基をもつものが挙げられる。中でも前記のごとき主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂は、低屈折率(屈折率が1.50近辺であり、コア・クラッドの屈折率の差が確保される)及び光透過性等の優れた光学的特性を有し、鋳型との密着性に優れ、さらに耐熱性に優れているので特に本発明の高分子光導波路の作製に適している。
下部クラッド用基材12の屈折率は、コアとの屈折率差を確保するため、1.55より小さく、望ましくは1.53より小さくすることが望ましい。
また、下部クラッド用基材12としては、別基材にクラッド材をコーティングした、クラッド付きの基材を利用することも可能である。この場合には、基材の平坦性が向上される。また、複屈折製が高くクラッド材としては不向きな材料や、透明性に劣る材料でも、利用可能になる。
次に、c)の工程では、下部クラッド用基材12密着させた鋳型24のコア形成用凹部24Aにコア形成用硬化性樹脂を充填する。この工程においては、鋳型24の浸入口からコア形成用硬化性樹脂を毛細管現象により空孔22に該当する鋳型24の空孔形成用凸部24B以外のコア形成用凹部24Aに充填する一方、前記排出口からはコア形成用凹部24Aに充填されたコア形成用硬化性樹脂を排出させる。
ここで、コア形成用硬化性樹脂としては放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂を用いることができ、中でも紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が望ましく用いられる。前記コア形成用の紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性又は熱硬化性のモノマー、オリゴマー若しくはモノマーとオリゴマーの混合物が望ましく用いられる。また、紫外線硬化性樹脂としてエポキシ系、ポリイミド系、アクリル系紫外線硬化性樹脂が望ましく用いられる。
コア形成用硬化性樹脂は、毛細管現象により鋳型24と下部クラッド用基材12との間に形成された空隙(鋳型24のコア形成用凹部24A)に充填させるため、用いるコア形成用硬化性樹脂はそれが可能なように十分低粘度であることが必要である。したがって、前記硬化性樹脂の粘度は、10mPa・s以上2000mPa・s以下、望ましくは20mPa・s以上1000mPa・s以下、更に望ましくは30mPa・s以上500mPa・s以下にするのが望ましい。
このほかに、原盤26に形成された導波路コア16に対応する凸部26A及び空孔22に対応する凹部26Bが有する元の形状を高精度に再現するため、コア形成用硬化性樹脂の硬化前後の体積変化が小さいことがよい。例えば、体積が減少すると導波損失の原因になることがある。したがって、コア形成用硬化性樹脂は、体積変化が小さいものが望ましく、10%以下、望ましくは6%以下であるのが望ましい。溶剤を用いて低粘度化することは、硬化前後の体積変化が大きいのでできれば避ける方が望ましい。
コア形成用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするため、前記樹脂にポリマーを添加してもよい。前記ポリマーはコア形成用硬化性樹脂との相溶性を有し、かつ該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないものが望ましい。またポリマーを添加することにより体積変化を小さくする他、粘度や硬化樹脂のガラス転移点が高度に制御される。前記ポリマーとしては例えばアクリル系、メタクリル酸系、エポキシ系のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
コア形成用硬化性樹脂の硬化物の屈折率は、クラッドとなる前記基材より大きいことが必要で、1.50以上、望ましくは1.53以上である。クラッド(以下のd)の工程におけるクラッド層を含む)と導波路コアの屈折率の差は、0.01以上、望ましくは0.03以上である。
また、この工程において、毛細管現象によるコア形成用硬化性樹脂の鋳型24のコア形成用凹部24Aへの充填を促進するために、系全体を減圧(0.1Pa以上200Pa以下程度)する、あるいは貫通穴を使って吸引することが望ましい。
また、コア形成用硬化樹脂の充填を促進するため、前記系の減圧に加えて、鋳型24の浸入口から充填するコア形成用硬化性樹脂を加熱することにより、より低粘度化することも有効な手段である。
次に、d)の工程では、熱又は光によって、充填したコア形成用硬化性樹脂を硬化させる。これにより、導波路コア16が形成される(図5(E)参照)。例えば、紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられる。また、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が用いられる。
次に、e)の工程では、鋳型24を下部クラッド用基材12から剥離し、下部クラッド用基材12上に空孔22が一部を開口して内在する導波路コア16が形成される(図5(F)参照)。
以上の行程により、空孔22が一部を開口して内在する導波路コア16が形成される。ここで、得られる空孔22は、空孔22は、導波路コア16内壁で囲まれ、導波路コア16厚み方向の双方に開口して形成され、下部クラッド用基材12側の開口は当該下部クラッド用基材12により覆われ塞がれている。
なお、導波路コア16の形成方法は、以上の製造方法に限定されることはなく、直接露光法、エッチング法なども適用されるが、コストと簡便さから、上記方法を選択するのが望ましい。
次に、2)の工程では、第2基材(本実施形態では、上部クラッド用基材14)上に、第1グラッド用硬化樹脂を層状に形成し、第1クラッド用硬化性樹脂層18Aを形成する(図4(B)参照)。
ここで、上部クラッド用基材14上に第1クラッド用硬化性樹脂を層状に形成するには、例えば、上部クラッド用基材14上に第1硬化性樹脂を滴下しその後、スピンコート法により第1クラッド用硬化性樹脂を遠心力により延ばすことで行われ、第1クラッド用硬化性樹脂が均一に層状に形成される。なお、この第1硬化性樹脂を層状に形成する方法としては、スピンコート法に限ることではなく、キャスト法、ブレード法、印刷法等も適用可能であるが、簡易且つ低コストで薄膜化される点からスピンコート法が望ましい。
第1クラッド用硬化性樹脂としては、例えば、放射線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等、後述するクラッド用硬化性樹脂と同様なものが挙げられる。中でも、第1硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が望ましいが、熱処理による空孔22内の気体に膨張収縮による変形、剥がれ等を考量すると、紫外線硬化性樹脂を選択することがより望ましい。紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性、熱硬化性のモノマー、オリゴマーあるいはモノマーとオリゴマーの混合物が好適に用いられる。紫外線硬化性樹脂としては、エポキシ系、ポリイミド系、アクリル系の紫外線硬化性樹脂が好適に用いられる。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられる。この第1クラッド用硬化性樹脂は、後述する第2クラッド20を形成するための第2硬化性樹脂と同一材料のものであることがよい。無論、第1クラッド用硬化性樹脂は、第2硬化性樹脂と異なる材料であってもよい。
第1クラッド用硬化性樹脂層18Aの厚みは、15μm以下であることが望ましく、より望ましくは10μm以下であり、その下限は5μmである。第1クラッド用硬化性樹脂は、その粘度により異なるが、ある一定以上の厚みとなると、空孔22に被せた際に第1クラッド用硬化性樹脂が空孔22内に浸入し残存気体が気泡となったり、反射面がフラットにならなかったりと目的を達しないことがある。また歩留まりも低下することがある。このため、第1クラッド用硬化性樹脂層18Aの厚みは、上記範囲であることがよい。
第1クラッド用硬化性樹脂層18Aは、薄膜化を図り、且つ第1クラッド用硬化性樹脂が空孔22の開口へ覆ったときの密閉性を良好にすると共に、当該第1クラッド用硬化性樹脂の空孔22内への浸入を抑制する為に、層状に形成後、粘度を向上させる、即ち流動性を抑えることがよい。具体的には、例えば、1)第1クラッド用硬化性樹脂層18Aを半硬化させる方法、表面が未硬化又は半硬化で内部が硬化するように第1クラッド用硬化性樹脂層18Aを硬化させる方法、等が好適に挙げられる。
第1クラッド用硬化性樹脂層18Aを半硬化させる方法では、第1クラッド用硬化性樹脂層18Aが固形化せず、非固形で未硬化の状態に比べ、粘度が上昇し、流動性が抑えられる。第1クラッド用硬化性樹脂層18Aを半硬化させるには、完全硬化させる条件よりも緩い条件で硬化処理を行うことで実現される。具体的には、例えば、処理時間を短くする、付与エネルギー(例えば、紫外線、電子線、熱)を低減する、等が挙げられる。この半硬化させる条件は、第1クラッド用硬化性樹脂の種類に応じて調整され得るものである。
ここで、「半硬化」とは、硬化反応を一部でのみ生じさせた状態であり、未硬化状態の第1クラッド用硬化性樹脂の粘度よりも高くなることを意味する。
また、表面が未硬化又は半硬化で内部が硬化するように第1クラッド用硬化性樹脂層18Aを硬化させる方法は、第1硬化性樹脂の内部のみ硬化されて固形化し、表面のみが未硬化又は半硬化された状態なので流動性が抑えられている。この表面が未硬化又は半硬化で内部が硬化するように第1クラッド用硬化性樹脂層18Aを硬化させるには、第1クラッド用硬化性樹脂として紫外線硬化型ラジカル系高分子材料(例えば、アクリル樹脂など)を適用し、酸素を含む雰囲気環境下で紫外線により第1クラッド用硬化性樹脂を硬化させることで実現される。この紫外線硬化型ラジカル系高分子材料は、酸素阻害によって硬化され難い材料であり、酸素を含む雰囲気環境下で硬化処理を行うと酸素と接触する第1硬化性樹脂の表面のみ酸素阻害されて硬化が生じ難くなり、未硬化或いは半硬化状態となる。一方、第1硬化性樹脂の内部は、酸素と接触しないので、酸素阻害されることなく、硬化反応が進み、固形化される。
そして、これらの状態で、第1クラッド用硬化性樹脂層18Aにより空孔22の開口を塞ぐことで、第1クラッド用硬化性樹脂層18Aが空孔22の開口へ覆ったときの密閉性が良好になると共に、当該第1クラッド用硬化性樹脂の空孔22内への浸入が抑制される。結果、空孔22へのその他の異物の浸入も抑制され、良好な反射面を維持できる。したがって光導波路は光学特性が安定である。
ここで、第1クラッド用硬化性樹脂層18Aは、下部グラッド用基材12と同等の大きさの上部クラッド用基材14全体に形成してもよいが、上部クラッド用基材14を空孔22周辺領域のみの大きさとし、該上部クラッド用基材14上に形成されていてもよい(図6乃至図8参照)。第1クラッド用硬化性樹脂層18Aは、空孔22における上部クラッド用基材14側の開口を覆う領域周辺のみに設けると、例えば、下部クラッド用基材12、上部クラッド用基材14及び導波路コア16で囲まれる空間に第2硬化性樹脂を毛細管現若しくは吸引又はその両者を利用して充填する際、その距離が削減され、結果、当該第2硬化性樹脂の充填時間が削減される。残るコア周辺へのクラッド塗布方法は特に限定されない。またそのとき、さらに第3の基材でさらに覆ってもよい。
次に、3)の工程では、下部クラッド用基材12と上部クラッド用基材14とを対向させ、第1クラッド用硬化性樹脂により空孔22の開口(本実施形態では、上部クラッド用基材14側の開口)を覆い、空孔22内の気体を閉じ込める(図4(C)参照)。この工程は、空孔22内の残存させる気体雰囲気下で、下部クラッド用基材12と上部クラッド用基材14との間に所定の圧力を付与、即ち導波路コア16の面に所定の圧力を付与しつつ行う。
ここで、空孔22内に閉じ込める気体は、製造の容易さから導波路作製環境下にある気体を用いることが望ましい。空孔22内に閉じ込める気体としては、例えば、下部クラッド用基材12の周りを取り囲んでいる空気が簡便であり、コスト的な面からみても、望ましい。この工程中における雰囲気が、そのまま空孔22内の媒質となることから、大気雰囲気下で第1クラッド用硬化性樹脂により空孔22の開口を覆い、空孔22内の気体を閉じ込められる。
次に、4)の工程では、第1クラッド用硬化性樹脂を硬化して、第1クラッド18を形成する(図4(D)参照)。この硬化は、例えば、第1クラッド用硬化性樹脂が紫外線硬化型であれば紫外線露光を、熱硬化型であれば過熱によって硬化する。第1クラッド用硬化性樹脂として紫外線硬化型ラジカル系高分子材料の如く酸素阻害によって硬化され難い材料を用いた場合には、酸素が介在しない環境下(例えば、希ガス環境下、窒素環境下)にて硬化する。
一方、第1クラッド用硬化性樹脂として熱硬化型のものを用いた場合には、加熱による硬化処理の際、空孔22内に残存する気体が熱処理等によって熱膨張すると、光導波路構成部材(クラッド用基材、導波路コア、クラッド等)の剥がれや導波路コア16幅の増加、減少、導波路コア16の変形、導波路コア16間隔の変位等を発生することがある。そこで、空孔22内に閉じ込めた気体の熱膨張による影響を回避するため、例えば空孔22内を真空状態として、第1クラッド用硬化性樹脂の硬化処理を行うことがよい。但し、高価な真空装置を必要とし、工程数を増大させることとなるので望ましくない。
以上の過程を経て、空孔22に気体が閉じ込められて密閉され、空孔22が外部と隔離される。
次に、下部クラッド用基材12、上部クラッド用基材14及び導波路コア16に囲まれた空間に第2クラッド用硬化性樹脂を充填する。第2クラッド用硬化性樹脂の充填は、例えば、当該空間の開口端より第2クラッド用硬化性樹脂を、毛細管現象を利用して行われる。その際、当該空間の他の開口端から減圧吸引することで、充填速度が増す。
第2クラッド用硬化性樹脂としては、例えば、放射線硬化性、電子線硬化性、熱硬化性等の樹脂を用いられる。中でも紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂が望ましく用いられるが、熱処理による空孔22に閉じ込められた気体の膨張収縮による変形、剥がれ等を考量すると、紫外線硬化性樹脂を選択することが望ましい。紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂としては、紫外線硬化性、熱硬化性のモノマー、オリゴマーあるいはモノマーとオリゴマーの混合物が望ましく用いられる。紫外線硬化性樹脂としては、エポキシ系、ポリイミド系、アクリル系の紫外線硬化性樹脂が望ましく用いられる。
第2クラッド用硬化性樹脂の硬化後の体積変化(収縮)を小さくするために、該樹脂と相溶性を有し、また該樹脂の屈折率、弾性率、透過特性に悪影響を及ぼさないポリマー(例えばメタクリル酸系、エポキシ系)を該樹脂に添加してもよい。なお、第1クラッド用硬化性樹脂も同様に添加することがよい。
ここで、特に、鋳型形成用硬化性樹脂として硬化してゴム状になる液状シリコーンゴム、中でも液状ジメチルシロキサンゴムを用い、クラッド用基材(上部及び下部クラッド用基材)として主鎖にノルボルネン構造を有しかつ側鎖にアルキルオキシカルボニル基等の極性基をもつ脂環式オレフィン樹脂を用いる組み合わせは、両者の密着性が特に高く、また、鋳型凹部構造の変形がなく、さらに凹部構造の断面積が極めて小さくても(たとえば10×10μmの矩形)毛細管現象により素早く凹部に第2クラッド用硬化性樹脂が充填される。
また、第2クラッド用硬化性樹脂は、空孔22の開口が第1クラッド18により覆われ塞がれているので、充填速度の点から、より粘度の低いもの(例えば、粘度(25℃)10mPa・s以上4000mPa・s以下、望ましくは10mPa・s以上500mPa・s以下のもの)が選択され得る。
次に、6)の工程では、第2クラッド用硬化性樹脂を硬化して、導波路コア16の周囲を取り囲み導波路コア16より屈折率の小さい第2クラッド20を形成する(図4(E)参照)。例えば、第2クラッド用硬化性樹脂が紫外線硬化型であれば紫外線露光を、熱硬化型であれば過熱によって硬化する。紫外線硬化性樹脂を硬化させるには、例えば、紫外線ランプ、紫外線LED、UV照射装置等が用いられる。また、熱硬化性樹脂を硬化させるには、オーブン中での加熱等が用いられる。
ここで、クラッド(第2クラッド20及び第1クラッド18)の屈折率は、導波路コア16との屈折率差を確保するため、1.55以下、望ましくは1.53以下とすることが望ましい。また、クラッド用基材とクラッドとの屈折率差は小さい方が望ましく、その差は0.05以内、望ましくは0.001以内、更に望ましくは差がないことが光の閉じ込めの点からみて望ましい。
以上の過程を経て、必要に応じて、光導波路の長手方向の両端面をダイシングソーなどにより光導波路面に対し直角又は傾斜させて切断し、光導波路10が製造される。光導波路の両端面を切断する方法は、ダイシングソーによる切断法に限定されるものではないことは勿論である。
なお、本実施形態では、鋳型24に、導波路コア16に対応するコア形成用凹部24Aの一端及び他端(コア形成用硬化性樹脂を充填又は排出させるための浸入口及び排出口)にそれぞれに通じる貫通孔を2以上設け、鋳型24のコア形成用凹部24Aの一端にある貫通孔に、コア形成用硬化性樹脂を入れ、鋳型24のコア形成用凹部24Aの他端にある貫通孔から減圧吸引してコア形成用硬化性樹脂を鋳型24のコア形成用凹部24Aに充填してもよい。前記のごとき鋳型24を用いてコア形成用硬化性樹脂を充填することにより、充填速度が格段アップし、また、鋳型24と下部クラッド用基材12との密着性が更に向上し、気泡の混入が避けられる。
貫通孔は、2以上設けてもよい。例えば、分岐導波路の場合には3つの貫通孔を、Y分岐を3カ所持ち1対8に分岐させる場合には、鋳型24に9個の貫通孔を設けてコア形成用凹部24Aにコア形成用硬化性樹脂を充填する必要がある。また、分岐は、多段の場合も含む。
コア形成用硬化性樹脂浸入側に設ける貫通孔は液(コア形成用硬化性樹脂)だめの機能を有する。また、コア形成用硬化性樹脂排出側に設ける貫通孔は、該樹脂を鋳型24のコア形成用凹部24Aに充填する際、鋳型24のコア形成用凹部24Aを減圧するための減圧吸引用に用いられる。浸入側の貫通孔の形状や大きさは、貫通孔が凹部の浸入端に通じかつ液だめの機能を有していれば特に制限はない。また、排出側の貫通孔は、鋳型24のコア形成用凹部24Aの排出端に通じかつ減圧吸引用に用いることができれば、その形状や大きさに特に制限はない。
鋳型24のコア形成用凹部24Aのコア形成用硬化性樹脂浸入側に設けた貫通孔は液だめの機能をもっているため、その断面積が、鋳型24をクラッド用基材(下部クラッド用基材12)に密着させた場合、該基材に接する側が大きく、基材から離れるに従って小さくなるようにすると、コア形成用硬化性樹脂を鋳型24のコア形成用凹部24Aに充填、硬化後、鋳型24と下部クラッド用基材12との剥離がしやすくなる。コア形成用硬化性樹脂排出側の貫通孔には、液だめの機能を持たせる必要はないので、特にこの断面構造を採用することを要しない。
貫通孔を設けた鋳型24は、例えば、前記のようにして導波路コア16に対応するコア形成用凹部24Aと、空孔22に対応する空孔形成用凸部24Bとが形成された型をとり、その型を所定の形状に打ち抜くことにより貫通孔を形成し、その際、貫通孔内部に、コア形成用硬化性樹脂を充填するための浸入口及び凹部からコア形成用硬化性樹脂を排出させるための排出口が現れるように打ち抜く方法が挙げられる。打ち抜いた貫通孔の場合であっても、鋳型とクラッド用基材との密着性がよく、鋳型のコア形成用凹部24A以外にクラッド用基材(下部クラッド用基材12)との間に空隙が形成されないため、コア形成用凹部24A以外にコア形成用硬化性樹脂が浸透する虞はない。
また、貫通孔は前記のように鋳型24の厚さ方向に硬化樹脂層をすべて除去するタイプ(打ち抜きタイプ)だけではなく、鋳型24の厚さ方向において鋳型の一部が残るように形成してもよい。この場合、鋳型は下部クラッド用基材12の下に、貫通孔が露出するように置かれる。
また、貫通孔を有する鋳型作製の他の例として、原盤26に導波路コア16に対応する凸部26Aだけでなく貫通孔形成のための凸部(打ち抜きタイプの貫通孔の場合は、この凸部の高さは鋳型形成用硬化性樹脂の硬化樹脂層の厚さより高くする)を設け、この原盤に鋳型形成用硬化性樹脂を貫通孔形成のための凸部が樹脂層を突き抜けるように(打ち抜きタイプ貫通孔)又は凸部が隠れるように塗布等し、次いで硬化樹脂層を硬化させ、その後硬化樹脂層を原盤から剥離する方法が挙げられる。
以上、説明した本実施形態に係る光導波路10の製造方法では、第1クラッド用硬化性樹脂層18Aにより、その少なくとも表面が未硬化である半硬化の状態で、下部クラッド用基材12に設けられた空孔22の開口を塞いた後、第1クラッド用硬化性樹脂層18Aを硬化させて第1クラッドを形成する。その後、上部クラッド用基材14、下部クラッド用基材12及び導波路コア16により囲まれる空間に第2クラッド用硬化性樹脂を充填・硬化し、第2クラッド20を形成する。このため、第2クラッド用硬化性樹脂の充填の際、空孔22の開口(上部クラッド用基材14側の開口)が第1クラッド18により密着性よく塞がれていることから、第2クラッド用硬化性樹脂が空孔22へ浸入することが抑制される。ここで、空孔22の他方の開口(下部クラッド用基材12側の開口)は、下部クラッド用基材12上へ、コア形成用硬化性樹脂を形成・硬化させて導波路コア16を形成しているので、下部クラッド用基材12により空孔22の他方の開口も密着性よく形成されている。結果、当該他方の開口からも第2クラッド用硬化性樹脂の浸入が抑制されている。その結果、異物の混入が抑制されて導波路コア16に空孔22が内在される。したがって、光学特性が不安定となることが抑制された光導波路が得られる。
なお、本実施形態に係る光導波路10及びその製造方法は、空孔22を導波路コア16に伝播光を反射するための反射面を形成する目的で利用した形態を説明したが、この空孔22は、これに限られたものではなく、アライメントマーク等、光導波路の導波路コア1616又はそれに類するライン等の部材に空孔を内在させる形態にも適用され得る。
以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
図1乃至図3に示す光導波路と同様な構造の、90度反射空孔を導波路コア内に有した高分子光導波路を作製した。
(原盤の作製)
Si基板上に厚膜レジストをスピンコート法で塗布した後、80度でプリベークし、フォトマスクを通して露光・現像して、コアの形態に対応するコア形成用凸部(コア幅50μm、コア高さ50μm)、及び空孔の形態に対応する空孔形成用凹部(空孔深さ50μm)を作製した。作製した原盤を120度でポストベークし、原盤を完成させた。
(鋳型の作製)
次に、原盤に剥離剤を塗布した後、熱硬化性ジメチルシロキサン樹脂(ダウコウニングアジア社製:SYLGARD184)を流し込み、一定時間放置した後、10分間真空脱泡を行い、120度で30分間加熱して固化させた。その後、原盤を剥離して、空孔形成用凸部、及びコア形成用凹部を有する鋳型を作製した。コア形成用凹部を結ぶライン上の2箇所に直径3mmの穴をそれぞれ明けて、充填口及び吸引口を作製した。
(上部に開口した空孔を有する導波路コアの作製)
次に、下部クラッド用基材として膜厚188μmのフィルム基材(JSR(株)製のアートンフィルム、屈折率1.51)を用意し、これとを密着させた。次に、鋳型に形成されている充填口内に、粘度が800mPa・sの紫外線硬化性樹脂(硬化後の屈折率1.54)を満たし、吸引ポンプにより吸引口を介して吸引したところ、空孔を残してコア形成用凹部内に紫外線硬化性樹脂が充填された。次いで、50mW/cm2の紫外光を、鋳型(ジメチルシロキサン樹脂製)を通して10分間照射して硬化させた。その後、鋳型を剥離し、下部クラッド用基材上に、上部に開口した空孔を有する導波路コアを作製した。
(上部クラッド用基材上に第1クラッド用硬化性樹脂層の形成)
上部クラッド用基材として膜厚188μmのフィルム(JSR(株)製のアートンフィルム、屈折率1.51)上に、アクリル系紫外線硬化性樹脂(紫外線硬化型ラジカル系高分子材料:硬化後の屈折率1.51、粘度360mPa・s)を滴下し、スピンコート法により8μm厚の第1クラッド用硬化樹脂層を形成し、さらに空気雰囲気にて紫外線照射して硬化処理を行った。この硬化処理を行った後の第1クラッド用硬化樹脂層を観察すると、内部は硬化して固形化していたが表面は未硬化であり粘性を持っていた。
(第1クラッド用硬化性樹脂層の空孔開口への被覆・硬化)
空気雰囲気下で、第1クラッド用硬化性樹脂層が形成された上部クラッド用基材を、導波路コア及び空孔が形成された下部クラッド用基材に対向させて一定圧力のもと張り合わせ、第1クラッド用硬化性樹脂層により空孔の開口を覆って空孔内に気体(空気)を閉じ込めた。その後、50mW/cm2の紫外光を10分間照射して第1クラッド用硬化樹脂を硬化させ、第1クラッドを形成した。空孔内を観察したところ、第1クラッド用硬化樹脂の空孔内への浸入は見られなかった。
(クラッド用硬化性樹脂の充填・硬化)
上部クラッド用基材、下部クラッド用基材、導波路コアに囲まれた空間に第2クラッド用硬化樹脂を充填するため、該空間の端に紫外線硬化性樹脂(硬化後の屈折率1.51、粘度(25℃)360mPa・s)を滴下し毛細管現象を利用して充填した。その後、50mW/cm2の紫外光を10分間照射して、第2クラッド用硬化性樹脂を硬化させ、第2クラッドを形成した。空孔内を観察したところ、第2クラッド用硬化樹脂の空孔内への浸入は見られなかった。
最後に、光導波路の端部を形成するためにダイシングソーを用いて、光導波路の端部を切り出した。
以上の工程により、空気を封入し、反射面となる空孔を有したコアを備える光導波路フィルムを作製した。
作製された光導波路に対し、ファブリペーローレーザーから発振される波長850nmのガウシアンビームを光ファイバを介して入射し、反射後の導波路にて光強度計にて光量を測定し、反射損失を算出した結果0.5dBであった。
[実施例2]
上部クラッド用基材上に第1クラッド用硬化樹脂層を形成した後、室温環境下で90分放置した。この処理を行った後の第1クラッド用硬化樹脂層を観察すると、半硬化されて粘性を持っていた。これ以外は、実施例1と同様にして、光導波路を作製した。
作製された光導波路に対し、ファブリペーローレーザーから発振される波長850nmのガウシアンビームを光ファイバを介して入射し、反射後の導波路端にて光強度計にて光量を測定し、反射損失を算出した結果0.5dBであり、実施例1と同様な結果が得られた。
実施形態に係る光導波路を示す斜視図である。 実施形態に係る光導波路を示す平面図である。 実施形態に係る光導波路を示す部分断面図である。 実施形態に係る光導波路の製造工程を示す工程図である。 実施形態に係る光導波路の製造工程を示す工程図である。 他の実施形態に係る光導波路を示す斜視図である。 他の実施形態に係る光導波路を示す平面図である。 他の実施形態に係る光導波路を示す部分断面図である。
符号の説明
10 光導波路
12 下部クラッド用基材
14 上部クラッド用基材
16 導波路コア
16A,16B 主導波路コア
16C 入射側
16D 出射側
18 第1クラッド
18A 第1クラッド用硬化性樹脂層
20 第2クラッド
22 空孔
22A 反射面
24 鋳型
24A コア形成用凹部
24B 空孔形成用凸部
24C 鋳型形成用硬化性樹脂層
26 原盤
26A 凸部
26B 凹部
26C 基材

Claims (8)

  1. 光が伝播する導波路コアと、
    前記導波路コアに、その厚み方向の少なくとも一方を開口して内在する空孔と、
    前記空孔の開口の少なくとも一方を覆って、前記空孔の開口を塞ぐ前記導波路コアより屈折率の小さい層状の第1クラッドと、
    前記導波路コアの周囲を取り囲み、前記導波路コアより屈折率の小さい第2クラッドと
    を有することを特徴とする光導波路。
  2. 前記空孔が、前記導波路コアとの界面の一部又は全部を反射面として伝搬光の一部又は全部の方向を変換させる空孔であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路。
  3. 1)第1基材上に、光が伝播する導波路コアと、前記導波路コアにその厚み方向の前記第1基材の面とは逆側の面に開口する空孔と、を形成する工程と、
    2)第2基材上に、第1硬化性樹脂を層状に形成する工程と、
    3)前記第1基材の前記導波路コアの形成側と前記第2基材の前記第1硬化性樹脂の形成側とを対向させ、前記第1硬化性樹脂により前記空孔の開口を覆う工程と、
    4)前記第1硬化性樹脂を硬化して、前記導波路コアより屈折率の小さい層状の第1クラッドを形成する工程と、
    5)前記第1基材、前記第2基材及び前記導波路コアに囲まれた空間に第2硬化性樹脂を充填する工程と、
    6)前記第2硬化性樹脂を硬化して、前記導波路コアの周囲を取り囲み前記導波路コアより屈折率の小さい第2クラッドを形成する工程と、
    を有することを特徴とする光導波路の製造方法。
  4. 前記第1硬化性樹脂を半硬化させ、この状態で前記第1硬化性樹脂により前記空孔の開口を覆うことを特徴とする請求項3に記載の光導波路の製造方法。
  5. 表面が未硬化又は半硬化で内部が硬化するように前記第1硬化性樹脂を硬化させ、この状態で前記第1硬化性樹脂により前記空孔の開口を覆うことを特徴とする請求項3に記載の光導波路の製造方法。
  6. 前記第1硬化性樹脂が紫外線硬化型ラジカル系高分子材料であり、
    酸素を含む雰囲気環境下で紫外線により前記第1硬化性樹脂を硬化させ、この状態で前記第1硬化性樹脂により前記空孔の開口を覆うことを特徴とする請求項3に記載の光導波路の製造方法。
  7. 前記第2基材上に前記第1硬化性樹脂を層状に形成する工程は、スピンコート法により前記第1硬化性樹脂を層状に形成することを特徴とする請求項3に記載の光導波路の製造方法。
  8. 前記空孔の開口の周辺領域のみに、前記第2基材上に形成された層状の第1硬化性樹脂が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光導波路の製造方法。
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