JPH11248951A - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents

光導波路及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11248951A
JPH11248951A JP4836198A JP4836198A JPH11248951A JP H11248951 A JPH11248951 A JP H11248951A JP 4836198 A JP4836198 A JP 4836198A JP 4836198 A JP4836198 A JP 4836198A JP H11248951 A JPH11248951 A JP H11248951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core region
region
gap
optical waveguide
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4836198A
Other languages
English (en)
Inventor
Akishi Hongo
晃史 本郷
Seiichi Kashimura
誠一 樫村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP4836198A priority Critical patent/JPH11248951A/ja
Publication of JPH11248951A publication Critical patent/JPH11248951A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コア領域の屈曲部の屈曲角度が大きい或いは
曲り部の曲げ半径が小さい場合の曲げ損失が少ない光導
波路及びその製造方法を提供するものである。 【解決手段】 少なくとも一部分が屈曲或いは曲ってい
るコア領域2と、該コア領域2を覆うと共にコア領域2
よりも屈折率が小さなクラッド領域1,5からなる光導
波路において、上記コア領域2の屈曲部外側或いは曲り
部の膨らみ部外側に、密閉された空隙3を形成したもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路及びその
製造方法に係り、特に、光通信、計測、情報処理などの
光回路に用いられる光導波路及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】導波路型の光回路は、同一基板上に一括
して形成できることから、将来の光通信および情報処理
において重要なデバイスとなる可能性がある。これら光
回路は、その機能に応じてコアおよびクラッド構造から
なる三次元の光導波路を組み合わせて一つの基板上に構
成される。
【0003】光導波路は、一般に、以下のようなプロセ
スにより作製される。
【0004】先ず、火炎堆積法、P−CVD法、電子ビ
ーム蒸着法、またはスパッタリング法などの手法によ
り、石英基板或いは石英ガラスと同等の屈折率を有する
低屈折率層を具備したシリコン基板(以下、シリコン基
板と呼ぶ)上に、高屈折率層(例えば、SiO2-TiO2 系材
料或いはSiO2-GeO2 系材料)を形成する。
【0005】ここで、TiやGeは、基板構成材である
石英すなわちSiO2 に比して相対的に屈折率を高める
ために添加するものである。
【0006】次に、フォトリソグラフィによる光回路の
パターニングを施した後、ドライエッチング加工などに
より不要部分の高屈折率層を除去し、横断面矩形状のコ
ア領域を形成する。
【0007】最後に、火炎堆積法により、表面にコア領
域が形成された石英基板或いはシリコン基板上に、クラ
ッド領域(例えば、SiO2-P2O5-B2O3系材料)を形成し、
埋め込み型の導波路を形成する。
【0008】ここで、PはSiO2 に比して屈折率を高
めるために添加するものであり、逆に、BはSiO2
比して屈折率を低くするために添加するものである。P
およびBの添加の結果、クラッド領域の屈折率がSiO
2 の屈折率と略同等の値に設定されると共に、火炎堆積
法によるスートの焼結温度を低下させ、コア領域や基板
を変形させることなく透明ガラス化したクラッド領域を
得ることができる。
【0009】上述した作製方法は、石英基板あるいはシ
リコン基板上に形成される光(ガラス)導波路の形成方
法の例であるが、この作製方法以外にも、高分子樹脂か
らなる光導波路も開発されている。これは、スピンナー
塗布法により高屈折率の高分子樹脂を基板上に塗布した
後、ウエット或いはドライエッチング加工によりコア領
域を形成し、その後、クラッド領域となる低屈折率の高
分子樹脂を塗布して光導波路を形成するものである。
【0010】いずれの方法においても、光は相対的に屈
折率の高いコア領域に閉じ込められた状態で伝搬する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】一般に、光回路におけ
る光導波路は、光の伝搬方向を変えるための屈曲部或い
は曲り部を少なくとも一部に有している。光回路の小型
化・高密度化のためには、光導波路をできるだけ直角に
屈曲させたり、より小さな曲げ半径で曲げたりすること
が要求される。
【0012】ここで、コア領域の屈曲部或いは曲り部に
おいて、屈曲角度を大きくしたり、曲げ半径を小さくし
たりすると、光の放射によって光導波路の曲げ損失が増
大するという問題がある。一般に、曲げ損失を低く抑え
るためには、コア領域とクラッド領域との屈折率差を大
きくし、コア領域における光の閉じ込めを強くすればよ
い。
【0013】しかしながら、コア領域とクラッド領域と
の屈折率差を大きくすると、シングルモード伝送を要求
される光導波路の場合、コア領域の断面寸法を小さくし
なければならなくなるため、高精度な形成加工を必要と
すると共に、通常のシングルモードの光ファイバとの接
続損失が増加してしまう。
【0014】また、材料或いは製造方法の観点から、一
般に、コア領域とクラッド領域の材料及び組成を極端に
変えることはできない。例えば、前述したガラス導波路
の場合、TiやGeを過剰に添加すると、散乱損失の増
加、コア領域とクラッド領域の材料物性の違いによる形
状変形などの問題が生じるため、TiやGeの添加量に
は限界がある。さらに、材料及び組成を多少変えた程度
では、コア領域とクラッド領域との屈折率差を極端に大
きくすることはできない。
【0015】すなわち、従来においては、コア領域とク
ラッド領域との屈折率差を大きくすることは困難であっ
たため、光導波路の曲げ損失を低く抑えることができ
ず、延いては、コア領域の屈曲部或いは曲り部の屈曲角
度を大きく或いは曲げ半径を小さくしたりすることはで
きなかった。このため、一般に光回路は、電気回路と比
べて大型になっていた。
【0016】そこで本発明は、上記課題を解決し、コア
領域の屈曲部の屈曲角度が大きい或いは曲り部の曲げ半
径が小さい場合の曲げ損失が少ない光導波路及びその製
造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1の発明は、少なくとも一部分が屈曲或いは曲
っているコア領域と、該コア領域を覆うと共にコア領域
よりも屈折率が小さなクラッド領域からなる光導波路に
おいて、上記コア領域の屈曲部外側或いは曲り部の膨ら
み部外側に、密閉された空隙を形成したものである。
【0018】請求項2の発明は、少なくとも一部分が屈
曲或いは曲っているコア領域と、該コア領域を覆うと共
にコア領域よりも屈折率が小さなクラッド領域からなる
光導波路において、上記コア領域の屈曲部外側或いは曲
り部の膨らみ部外側に、コア領域と高さが略等しい壁領
域を形成すると共に、その壁領域とコア領域との間に密
閉された空隙を形成したものである。
【0019】請求項3の発明は、上記壁領域と上記コア
領域との間の間隙の間隔を、コア領域の高さよりも狭く
形成する請求項1又は請求項2記載の光導波路である。
【0020】請求項4の発明は、上記壁領域と上記コア
領域とを同じ材質で、かつ、同時に形成する請求項1乃
至請求項3記載の光導波路である。
【0021】請求項5の発明は、石英基板或いはシリコ
ン基板上に、少なくとも一部分が屈曲或いは曲っている
コア領域を形成した後、クラッド領域を形成してなる光
導波路の製造方法において、上記コア領域を形成する
際、コア領域の屈曲部外側或いは曲り部の膨らみ部外側
に、コア領域と高さが略等しい壁領域を同時形成し、そ
の後、上記クラッド領域を形成すると共に、上記壁領域
とコア領域との間に密閉された空隙を形成するものであ
る。
【0022】以上の構成によれば、少なくとも一部分が
屈曲或いは曲っているコア領域と、該コア領域を覆うと
共にコア領域よりも屈折率が小さなクラッド領域からな
る光導波路において、上記コア領域の屈曲部外側或いは
曲り部の膨らみ部外側に、密閉された空隙を形成したた
め、コア領域の屈曲部の屈曲角度が大きい或いは曲り部
の曲げ半径が小さい場合の曲げ損失が少ない光導波路を
得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0024】コア領域を伝搬する光は、コア領域の屈曲
部の屈曲角度が大きく或いは曲り部の曲げ半径が小さく
なると、エッジガイダンスとなるため、屈曲部或いは曲
り部の内側境界よりも外側境界の影響を強く受ける。こ
のため、コア領域の屈曲部或いは曲り部における外側境
界の屈折率差を大きくすることが必要となる。
【0025】本発明の光導波路の上面図を図1に示す。
図1(a)は、ほぼ直角な屈曲部を有する光導波路の部
分上面図を示し、図1(b)、(c)は、それぞれ図1
(a)のA−A線断面図、B−B線断面図を示してい
る。
【0026】図1に示すように、本発明の光導波路は、
下側クラッド領域の働きも兼ねる石英基板(或いはシリ
コン基板)1上に、少なくとも一部分に屈曲部を有する
コア領域2を形成し、そのコア領域2の屈曲部外側に、
所定の間隙Gを設けて壁領域4を形成し、コア領域2と
壁領域4との間に屈折率が略1である空隙3を形成し、
コア領域2、空隙3、および壁領域4を覆うべくコア領
域2よりも屈折率が小さな上側クラッド領域(クラッド
領域)5を形成したものである。
【0027】コア領域2の屈曲部は、図1(b)に示し
たように、下部が石英基板1で、外側が順に空隙3、壁
領域4で、内側および上部が上側クラッド領域5で覆わ
れている。また、コア領域2の直線部および屈曲角度が
小さな屈曲部は、図1(c)に示したように、下部が石
英基板1で、両側部及び上部が上側クラッド領域5で覆
われた通常の光導波路の構造となっている。
【0028】コア領域2の材質は、石英基板1のSiO
2 よりも屈折率が高い材料であれば特に限定するもので
はなく、例えば、SiO2-GeO2 系材料、SiO2-TiO2 系材料
などが挙げられる。
【0029】壁領域4は、コア領域2と同じ材料で構成
され、かつ、コア領域2と略同じ高さに形成されてい
る。
【0030】コア領域2と壁領域4との間の間隙(ギャ
ップ)Gの間隔は、コア領域2の高さよりも狭く形成
し、コア領域2の高さと間隙Gとの比(コア領域高さ/
間隙)は1以上である。
【0031】上側クラッド領域5の材質は特に限定する
ものではなく、例えば、石英基板1と同じ屈折率を有す
る添加物を含まないSiO2 材料が挙げられる。
【0032】次に、本発明の方法を説明する。
【0033】先ず、火炎堆積法、P−CVD法、電子ビ
ーム蒸着法、またはスパッタリング法により、石英基板
1上に高屈折率層を形成する。
【0034】次に、フォトリソグラフィによる光回路の
パターニングを施した後、ドライエッチング加工などに
より不要部分の高屈折率層を除去し、横断面矩形状で、
少なくとも一部に屈曲部を有したコア領域2を形成す
る。
【0035】この時、コア領域2の屈曲部外側に、コア
領域2と高さがほぼ等しい壁領域4を同時形成する。壁
領域4の形成の際、コア領域2の高さと、コア領域2と
壁領域4の間隙Gとの比(コア領域高さ/間隙)は1以
上とする。
【0036】最後に、火炎堆積法、P−CVD法、電子
ビーム蒸着法、またはスパッタリング法により、表面に
コア領域2および壁領域4が形成された石英基板1上
に、コア領域2および壁領域4を覆うべく上側クラッド
領域5を形成する。
【0037】この時、コア領域2の屈曲部における上側
クラッド領域5は、コア領域2と壁領域4との間隙を埋
め込まず、オーバーハング状態で成長し、コア領域2と
壁領域4との間隙に、石英基板1、コア領域2、壁領域
4、および上側クラッド領域5で密閉された空隙3が形
成される。
【0038】尚、コア領域2の直線部および屈曲角度が
小さな屈曲部外側においては、壁領域4を形成する必要
がないことは言うまでも無い。
【0039】本発明の光導波路における上側クラッド領
域5は、コア領域2の屈曲部および直線部も同一材料、
同一方法によって同時形成しているが、光回路によって
は、接近する光導波路の干渉を利用するために、隣接す
るコア領域2,2の間隙を埋め込む必要があるものも存
在する。間隔が狭い間隙の埋め込みの場合、一般に、ス
パッタリング法やP−CVD法は、火炎堆積法やスピン
ナー塗布法よりも埋め込み性能が劣っている。このよう
な場合、屈曲角度が大きい屈曲部は、スパッタリングや
P−CVD法を用いて図1(b)に示したような上側ク
ラッド領域5を形成し、それ以外の部分(直線部や屈曲
角度が小さい屈曲部)は、埋め込み性能に優れた火炎堆
積法やスピンナー塗布法を用いて図1(C)に示したよ
うな上側クラッド領域を形成してもよい。
【0040】本発明の光導波路によれば、コア領域の屈
曲部外側に屈折率が略1である空隙を形成しているた
め、コア領域と空隙との境界における屈折率差が非常に
大きくなり、コア領域が大きな屈曲角度で屈曲している
場合であっても、コア領域を伝搬する光はコア領域内に
強く閉じ込められ、光エネルギーの曲げ損失の増加が抑
制されると共に、光回路の小型化・高密度化を図ること
ができる。
【0041】また、コア領域の直線部および屈曲角度が
小さな屈曲部における光導波路構造は、通常の光導波路
と同じ構造であると共に、壁領域をコア領域と同じ材料
で、かつ、コア領域と同時に形成しているため、従来の
導波路作製プロセスを大きく変更する必要がなく、性能
向上に伴う製品の製造コスト増加を抑えることが可能で
ある。
【0042】さらに、コア領域高さと間隙との比(コア
領域高さ/間隙)を1以上としているため、スパッタリ
ング法或いはP−CVD法を用いてクラッド領域の成長
を行っても、コア領域と壁領域との間隙を埋め込むこと
無く、オーバーハング状にクラッド領域を成長させるこ
とができ、密閉された空隙を意図的に、かつ、容易に作
製することができる。
【0043】また更に、空隙が密閉された空間となって
いるため、空隙に、異物や水分などの導波路特性変動要
因が付着することを防止することができる。
【0044】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。
【0045】他の実施の形態の光導波路の上面図を図2
に示す。
【0046】本発明の光導波路のコア領域は、略直角な
屈曲部を有するものであったのに対して、本実施の形態
の光導波路のコア領域は、略直角な曲り部を有する(曲
げ半径が小さい)ものである。
【0047】図2に示したように、本実施の形態の光導
波路は、下側クラッド領域の働きも兼ねる石英基板(図
示せず)上に、少なくとも一部分に曲り部を有するコア
領域12を形成し、そのコア領域12の曲り部の膨らみ
部外側に、所定の間隙Gを設けて、かつ、コア領域12
に沿って壁領域14を形成し、コア領域12と壁領域1
4との間に屈折率が略1である空隙13を形成し、コア
領域12、空隙13、および壁領域14を覆うべくコア
領域12よりも屈折率が小さな上側クラッド領域15を
形成したものである。
【0048】コア領域12の曲り部は、図示しないが、
下部が石英基板で、膨らみ部外側が順に空隙13、壁領
域14で、膨らみ部内側および上部が上側クラッド領域
15で覆われている。また、コア領域12の直線部およ
び屈曲角度が小さな屈曲部は、図示しないが、下部が石
英基板で、両側部及び上部が上側クラッド領域15で覆
われた通常の光導波路の構造となっている。
【0049】コア領域12と壁領域14との間隙Gは、
曲り部から直線部(又は直線部から曲り部)に移行する
にしたがって緩やかに広く(狭く)なっているため、大
きな不連続部分が存在しない。このため、空隙13の大
きさは、光導波路の曲がり部から直線部(又は直線部か
ら曲り部)に移行するにしたがって、滑らかに縮小(拡
大)し、最終的には、図1(c)に示したように、コア
領域12は上側クラッド領域によって完全に埋め込まれ
てしまう。
【0050】本実施の形態によれば、コア領域の曲り部
が滑らかに曲っており、大きな不連続部分が無いため、
コア領域を伝搬する光エネルギーの損失が少ない(低
い)光導波路となる。
【0051】尚、本実施の形態の光導波路においても、
本発明の光導波路と同様の効果を発揮することは言うま
でもない。
【0052】
【実施例】図1に示した光導波路の具体的な作製方法に
ついて述べる。
【0053】GeO2 を10mol%含むSiO2-GeO2 系
材料をターゲットとして用いると共に、RFスパッタリ
ング法を用いて、石英基板上に、厚さ6μm、屈折率が
1.467のSiO2-GeO2 層を形成する。ここで、光の波
長が0.633nmの時、下側クラッド領域となる石英
基板の屈折率は1.458である。
【0054】次に、フォトリソグラフィによるパターニ
ング及びCHF3 ガスを用いた反応性イオンエッチング
により、不要部分のSiO2-GeO2 層を除去し、横断面矩形
状で、かつ、少なくとも一部に屈曲部を有するコア領域
を石英基板上に形成する。
【0055】この時、フォトリソグラフィによるパター
ニングにより、コア領域のパターンを書き込む際に、コ
ア領域の屈曲部外側に壁領域のパターンも同時に書き込
み、同じ材料(SiO2-GeO2 系材料)を用いてコア領域と
壁領域とを同時に形成する。ここで、光の波長が0.6
33nmの時、コア領域の屈折率は1.470であり、
コア領域および壁領域の高さは共に6μmである。
【0056】次に、SiO2 ガラス材料をターゲットと
して用いると共に、再びRFスパッタリング法を用い
て、コア領域を覆うように上側クラッド領域を形成する
と共に、コア領域と壁領域との間隙に、コア領域、壁領
域、上側クラッド領域、および石英基板で密閉された屈
折率が略1である空隙を形成し、光導波路を得る。ここ
で、光の波長が0.633nmの時、上側クラッド領域
の屈折率は1.458である。
【0057】コア領域内を伝搬する光が、壁領域の光学
的な影響を殆ど受けないようにするためには、コア領域
と壁領域との間隙の間隔を少なくとも0.5μm以上に
する必要がある。また、この間隔が広すぎると、コア領
域と壁領域との間隙が埋め込まれてしまい、密閉された
空隙を形成することができなくなるため、実用的には、
コア領域高さと間隙との比(コア領域高さ/間隙)を略
1以上、すなわち、間隙をコア領域の高さよりも狭くす
る必要がある。本実施例においては、間隙の間隔範囲
(0.5μm以上、コア領域高さ(6μm)以下)を満
たすべく、コア領域と壁領域との間隙の間隔を3μmと
する。
【0058】上側クラッド領域の形成時における石英基
板温度は150℃以下の低温とすると共に、スパッタガ
ス圧力は0.3Pa以上とする。また、石英基板側に印
加するバイアス電力は、ターゲット側に印加する電力の
50%以下とした。すなわち、スパッタ粒子を、石英基
板面に対して斜めに入射し易くして、スパッタ粒子が石
英基板上に沈着した後に、表面を激しく動き回ることが
ない条件で行う。
【0059】本条件により、横断面矩形状のコア領域の
上角部分における上側クラッド領域成長比率が高くな
り、上側クラッド領域がオーバーハング状に成長する。
これによって、コア領域と壁領域の間隙上部が閉鎖され
て、間隙内にスパッタ粒子が侵入できなくなり、間隙
に、密閉された空隙を形成することができる。
【0060】空隙の大きさ(石英基板の垂直方向高さ)
は、石英基板側に印加するRFバイアスパワ一と、ター
ゲット側に印加するRFパワーとを調整することで調整
自在である。すなわち、石英基板側に印加するRFバイ
アスパワーの比率を高くすると、オーバーハングの成長
率が小さくなり、空隙を小さくすることができる。ま
た、石英基板側に印加するRFバイアスパワーの比率を
低くすると、オーバーハングの成長率が大きくなり、空
隙を大きくすることが可能となる。
【0061】本実施例においては、空隙の屈折率(約
1)とコア領域の屈折率(1.470)との差が非常に
大きくなっているため、コア領域の屈曲部において空隙
に放射される光は殆どなかった。
【0062】その結果、壁領域の屈折率が、コア領域と
等しい(石英基板および上側クラッド領域と比して屈折
率が高い)場合においても、コア領域内を伝搬する光
は、コア領域の屈曲部外側の壁領域による光学的な影響
を受けることは殆どなく、光はコア領域内に強く閉じ込
められて伝搬する。
【0063】尚、本実施例においては、下側クラッド領
域として働き、かつ、光導波路を形成するための基板と
して石英基板を使用しているが、基板として、熱酸化に
よって表面にSiO2 層が形成されているSi基板を用
いてもよい。この場合、SiO2 層が下側クラッド領域
として働くが、SiO2 層の厚さは、光学的にSi基板
の影響を受けない程度の厚さ、すなわち約15μm以上
必要である。
【0064】また、本実施例においては、RFスパッタ
リング法を用いて空隙(上側クラッド領域)を形成して
いるが、P−CVD法を用いても可能である。この場合
においても、ガス圧力を高くし、原料ガス供給側の電極
に印加する電力に対して、石英基板側に印加する電力を
50%以下とする。これらの供給電力を調整することに
よって、RFスパッタリング法による場合と同様に、空
隙の大きさを調整することができる。
【0065】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、コア領域
の屈曲部外側或いは曲り部の膨らみ部外側に屈折率が略
1である空隙を形成することで、コア領域と空隙との境
界における屈折率差が非常に大きくなり、コア領域の屈
曲部の屈曲角度が大きい或いは曲り部の曲げ半径が小さ
い場合においても、コア領域を伝搬する光はコア領域内
に強く閉じ込められ、光エネルギーの曲げ損失の増加を
抑制することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路の上面図である。
【図2】他の実施の形態の光導波路の上面図である。
【符号の説明】
1 石英基板(石英基板或いはシリコン基板) 2,12 コア領域 3,13 空隙 4,14 壁領域 5,15 上側クラッド領域 G 間隙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部分が屈曲或いは曲ってい
    るコア領域と、該コア領域を覆うと共にコア領域よりも
    屈折率が小さなクラッド領域からなる光導波路におい
    て、上記コア領域の屈曲部外側或いは曲り部の膨らみ部
    外側に、密閉された空隙を形成したことを特徴とする光
    導波路。
  2. 【請求項2】 少なくとも一部分が屈曲或いは曲ってい
    るコア領域と、該コア領域を覆うと共にコア領域よりも
    屈折率が小さなクラッド領域からなる光導波路におい
    て、上記コア領域の屈曲部外側或いは曲り部の膨らみ部
    外側に、コア領域と高さが略等しい壁領域を形成すると
    共に、その壁領域とコア領域との間に密閉された空隙を
    形成したことを特徴とする光導波路。
  3. 【請求項3】 上記壁領域と上記コア領域との間の間隙
    の間隔を、コア領域の高さよりも狭く形成する請求項1
    又は請求項2記載の光導波路。
  4. 【請求項4】 上記壁領域と上記コア領域とを同じ材質
    で、かつ、同時に形成する請求項1乃至請求項3記載の
    光導波路。
  5. 【請求項5】 石英基板或いはシリコン基板上に、少な
    くとも一部分が屈曲或いは曲っているコア領域を形成し
    た後、クラッド領域を形成してなる光導波路の製造方法
    において、上記コア領域を形成する際、コア領域の屈曲
    部外側或いは曲り部の膨らみ部外側に、コア領域と高さ
    が略等しい壁領域を同時形成し、その後、上記クラッド
    領域を形成すると共に、上記壁領域とコア領域との間に
    密閉された空隙を形成することを特徴とする光導波路の
    製造方法。
JP4836198A 1998-02-27 1998-02-27 光導波路及びその製造方法 Pending JPH11248951A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4836198A JPH11248951A (ja) 1998-02-27 1998-02-27 光導波路及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4836198A JPH11248951A (ja) 1998-02-27 1998-02-27 光導波路及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11248951A true JPH11248951A (ja) 1999-09-17

Family

ID=12801222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4836198A Pending JPH11248951A (ja) 1998-02-27 1998-02-27 光導波路及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11248951A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002189139A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Sumitomo Electric Ind Ltd 光導波路デバイスの作製方法
JP2007179065A (ja) * 2007-02-09 2007-07-12 Hitachi Ltd 光導波路装置
US7308180B2 (en) 2005-06-02 2007-12-11 Fuji Xerox Co., Ltd. Optical waveguide and process for manufacturing the same
US7542646B2 (en) 2007-03-22 2009-06-02 Fuji Xerox Co., Ltd. Optical waveguide and method of manufacturing the same
JP2009145867A (ja) * 2007-11-22 2009-07-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd 光導波路、光導波路モジュールおよび光素子実装基板
US7646948B2 (en) 2006-08-03 2010-01-12 Fuji Xerox Co., Ltd. Flexible optical waveguide film, optical transceiver module, multi-channel optical transceiver module, and method of manufacturing flexible optical waveguide film
WO2010023976A1 (ja) * 2008-08-26 2010-03-04 住友ベークライト株式会社 光導波路、光導波路モジュールおよび光素子実装基板
JP2011009287A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Showa Shell Sekiyu Kk Cis系薄膜太陽電池
JP2014529758A (ja) * 2011-08-18 2014-11-13 オペル ソーラー,インコーポレイティド 光閉ループ微小共振器及びサイリスタ記憶装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002189139A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Sumitomo Electric Ind Ltd 光導波路デバイスの作製方法
JP4670145B2 (ja) * 2000-12-19 2011-04-13 住友電気工業株式会社 光導波路デバイスの作製方法
US7308180B2 (en) 2005-06-02 2007-12-11 Fuji Xerox Co., Ltd. Optical waveguide and process for manufacturing the same
US7646948B2 (en) 2006-08-03 2010-01-12 Fuji Xerox Co., Ltd. Flexible optical waveguide film, optical transceiver module, multi-channel optical transceiver module, and method of manufacturing flexible optical waveguide film
JP4648342B2 (ja) * 2007-02-09 2011-03-09 株式会社日立製作所 光導波路装置
JP2007179065A (ja) * 2007-02-09 2007-07-12 Hitachi Ltd 光導波路装置
US7542646B2 (en) 2007-03-22 2009-06-02 Fuji Xerox Co., Ltd. Optical waveguide and method of manufacturing the same
JP2009145867A (ja) * 2007-11-22 2009-07-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd 光導波路、光導波路モジュールおよび光素子実装基板
WO2010023976A1 (ja) * 2008-08-26 2010-03-04 住友ベークライト株式会社 光導波路、光導波路モジュールおよび光素子実装基板
JP2011009287A (ja) * 2009-06-23 2011-01-13 Showa Shell Sekiyu Kk Cis系薄膜太陽電池
JP2014529758A (ja) * 2011-08-18 2014-11-13 オペル ソーラー,インコーポレイティド 光閉ループ微小共振器及びサイリスタ記憶装置
US9684193B2 (en) 2011-08-18 2017-06-20 Opel Solar, Inc. Optical closed loop microresonator and thyristor memory device
US9684192B2 (en) 2011-08-18 2017-06-20 Opel Solar, Inc. Optical closed loop microresonator and thyristor memory device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6571039B1 (en) Optical waveguide having a weakly-confining waveguide section and a strongly-confining waveguide section optically coupled by a tapered neck
US7289712B2 (en) Planar optical waveguide and method of fabricating the same
CN113777711B (zh) 一种基于铌酸锂薄膜的大模斑水平端面耦合器
JPH11248951A (ja) 光導波路及びその製造方法
JP2007047326A (ja) 熱光学光変調器および光回路
JP4638749B2 (ja) 熱光学位相変調器及びその製造方法
US20020168166A1 (en) Silica-based optical waveguide circuit and fabrication method thereof
JPH0527132A (ja) 導波路型光部品の製造方法
JPH1068833A (ja) 光導波路及びその製造方法並びに光回路
JPH0915440A (ja) ハイブリッド光集積用実装基板の作製方法
JPS6343105A (ja) 単一モ−ド光導波路
US6975802B1 (en) Damascene optical waveguides
JP4313772B2 (ja) 光導波路の製造方法
JP2994807B2 (ja) 導波路型光スイッチ
JP3625152B2 (ja) 光非相反回路
US5440656A (en) Waveguide type optical component having optical coupling sections with different coupling efficiencies
JP2003075670A (ja) 反射器の製造方法
JP2005043497A (ja) 光導波路
JP2001350045A (ja) 光導波路
JP3018688B2 (ja) Si基板を用いたガラス導波路の製造方法
JP2006030734A (ja) 光導波路及びその製造方法
KR20020040551A (ko) 광도파로 및 그 제조방법
JP2001091775A (ja) 積層型石英系光導波路の製造方法
JP2953173B2 (ja) 光導波路
JP2005156947A (ja) 光回路

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040615