JP2008231137A - 液晶性樹脂組成物、およびそれからなる成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械的強度に優れかつ流動性、低ソリ性に優れた液晶生樹脂組成物、およびそれからなる成形品を提供する。
【解決手段】液晶性ポリエステルや液晶性ポリエステルアミドなどの液晶性樹脂100重量部に対して、マイカ、タルク、カオリンなどの板状充填材5〜100重量部、および1,3−フェニレンビス−2−オキサゾリン、1,4−フェニレンビス−2−オキサゾリンなどのオキサゾリン化合物0.01〜0.5重量部を配合してなる液晶性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、機械的強度に優れかつ流動性、低ソリ性に優れる液晶性樹脂組成物、およびそれからなる成形品に関するものである。
近年、プラスチックの高性能化に対する要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマが数多く開発され、市場に供されているが、中でも分子鎖の平行な配列を特徴とする光学異方性の液晶性樹脂は、優れた流動性、耐熱性、低ガス性および機械的性質を有する点で注目されている。
液晶性樹脂は、前述の特徴を生かして、薄肉部あるいは複雑な形状の電気・電子部品に好適な材料として、例えばコネクター、リレー、スイッチ、コイルボビンなどに使用されている。しかしながら、近年の軽薄短小化の流れの中で、製品形状はますます薄肉化の要望が強く、前述の電気・電子部品に関しても更なる機械的強度、流動性の向上が求められている。一方、これら電気・電子部品の使用方法としては基盤上に実装して用いられることが多く、実装にはハンダ付けする方法が一般的であり、プリント基板上の集積度の向上から、基盤上にハンダを載せその上に電子部品を載せた後、高温に設定されたリフロー炉を通過させハンダを溶かし、固定する方法が増えつつある。液晶性樹脂は機械的異方性および寸法異方性が大きいという欠点を有するため、リフロー処理による実装時に製品にソリが発生し、プリント基板との接着不良が発生するため鱗片状物を添加しソリを抑制する方法(例えば、特許文献1)が知られているが、機械的強度向上とソリ抑制の効果が充分で無い。また、機械的異方性を低減する方法(例えば、特許文献2)が知られているが、得られた樹脂の粘度が高くソリの改善効果が不十分である。
特開2003−321598号公報 特許第3082222号
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、機械的強度に優れかつ流動性、低ソリ性に優れる液晶性樹脂組成物、およびそれからなる成形品に関するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、液晶性樹脂と板状充填剤からなる組成物にオキサゾリン化合物を特定量添加することで、機械的強度に優れかつ流動性、低ソリ性に優れる液晶性樹脂組成物に優れることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
1.液晶性樹脂100重量部に対して、板状充填材5〜100重量部、および下記一般式(I)で表されるオキサゾリン化合物0.01〜0.5重量部を配合してなる液晶性樹脂組成物。
Figure 2008231137
(ただし、式中R1〜R8は各々水素原子またはアルキル基を示し、Zは一般式(II)、(III)のいずれかであることを示す。)
2.板状充填材がマイカ、タルク、およびカオリンから選ばれる少なくとも1種である1記載の液晶性樹脂組成物。
3.液晶性樹脂が、液晶性樹脂組成物の融点+10(℃)の温度条件下で、ズリ速度1000(1/sec)における溶融粘度が10〜50(Pa・s)であることを特徴とする1または2記載の液晶性樹脂組成物。
4.1〜3のいずれか記載の液晶性樹脂組成物を成形してなる成形品。
本発明によれば、以下に説明するとおり、機械的強度に優れかつ流動性、低ソリ性に優れる液晶性樹脂組成物、およびそれからなる成形品が得られるため、高機能性品に好適に使用される部品、とりわけプリント配線基盤上に実装させる電子部品成形品の分野に与える効果が大きい。
本発明で用いる液晶性樹脂としては、異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルおよび液晶性ポリエステルアミドなどが挙げられ、その具体例としては、芳香族オキシカルボニル単位、芳香族ジオキシ単位、芳香族ジカルボニル単位、エチレンジオキシ単位などから選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル、および上記構造単位と芳香族イミノカルボニル単位、芳香族ジイミノ単位、芳香族イミノオキシ単位などから選ばれた構造単位からなる異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルアミドが挙げられる。
異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステルの例としては、好ましくは下記の(IV)、(V)および(VI)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、(IV)、(V)、(VI)および(VII)の構造単位からなる液晶性ポリエステル、および、(IV)、(VI)および(VII)の構造単位からなる液晶性ポリエステルなどが挙げられる。
Figure 2008231137
(ただし式中のR1は、
Figure 2008231137
から選ばれた一種以上の基を示し、R2は、
Figure 2008231137
から選ばれた一種以上の基を示す。また、式中Xは水素原子または塩素原子を示し、構造単位(V)および(VI)の合計と構造単位(VII)は実質的に等モルである。)
上記構造単位(IV)は、p−ヒドロキシ安息香酸から生成したポリエステルの構造単位であり、構造単位(V)は、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルから選ばれた一種以上の芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位を、構造単位(VI)は、エチレングリコールから生成した構造単位を、構造単位(VII)は、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸および1,2−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸から選ばれた一種以上の芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位を各々示す。これらのうちR1が
Figure 2008231137
であり、R2が
Figure 2008231137
であるものが特に好ましい。
また、液晶性ポリエステルアミドの例としては、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、p−アミノフェノールとテレフタル酸から生成した液晶性ポリエステルアミド、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸、p−アミノ安息香酸およびポリエチレンテレフタレートから生成した液晶性ポリエステルアミド(特開昭64−33123号公報)などが挙げられる。
本発明に好ましく使用できる液晶性ポリエステルは、上記構造単位(IV)、(V)および(VII)からなる共重合体、または、(IV)、(V)、(VI)および(VII)からなる共重合体であり、上記構造単位(IV)、(V)、(VI)および(VII)の共重合量は任意である。しかし、流動性の点から次の共重合量であることが好ましい。
すなわち、上記構造単位(VI)を含む場合は、耐熱性、難燃性および機械的特性の点から、上記構造単位(IV)および(V)の合計は、構造単位(IV),(V)および(VI)の合計に対して60〜95モル%が好ましく、75〜93モル%がより好ましい。また、構造単位(VI)は、構造単位(IV),(V)および(VI)の合計に対して40〜5モル%が好ましく、25〜7モル%がより好ましい。また、構造単位(IV)の構造単位(V)に対するモル比[(IV)/(V)]は、耐熱性と流動性のバランスの点から好ましくは75/25〜95/5であり、より好ましくは78/22〜93/7である。また、構造単位(VII)は構造単位(V)および(VI)の合計と実質的に等モルである。
一方、上記構造単位(VI)を含まない場合は、流動性の点から上記構造単位(IV)は構造単位(IV)および(V)の合計に対して40〜90モル%であることが好ましく、60〜88モル%であることが特に好ましい。構造単位(VII)は構造単位(V)と実質的に等モルである。
なお、上記において「実質的に等モル」とは、末端を除くポリマ主鎖を構成するユニットとしてはジオキシ単位とジカルボニル単位が等モルであるが、末端を構成するユニットとしては必ずしも等モルとは限らないことを意味する。
なお、本発明で好ましく使用できる上記液晶性ポリエステルを重縮合する際には、上記構造単位(IV)〜(VII)を構成する成分以外に、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸、クロルハイドロキノン、メチルハイドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンなどの芳香族ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族、脂環式ジオール、m−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸などを、本発明の目的を損なわない程度の少割合の範囲でさらに共重合せしめることができる。
また、液晶性ポリエステルアミドとしては、上記好ましい液晶性ポリエステルに、さらにp−アミノフェノールおよび/またはp−アミノ安息香酸を共重合したものも好ましく挙げることができる。
本発明における液晶性樹脂の製造方法は、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。
例えば、上記の好ましく用いられる液晶性ポリエステルの製造において、上記構造単位(VI)を含まない場合は下記(1)および(2)の製造方法が、構造単位(VI)を含む場合は下記(3)の製造方法が好ましく挙げられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、4,4’−ジアセトキシベンゼンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物のジアシル化物とテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸から脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルのポリマ、オリゴマまたはビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなど芳香族ジカルボン酸のビス(β−ヒドロキシエチル)エステルの存在下で、(1)または(2)の方法により液晶性ポリエステルを製造する方法。
これらの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を添加した方が好ましいときもある。
本発明で用いる板状充填材としては、具体的にマイカ、タルク、カオリン、クレー、グラファイト、珪酸カルシウム、ガラスフレーク、炭酸カルシウムなどが挙げられる。その中でも性能の面から、マイカ、タルク、カオリンであることが好ましい。これらの板状充填材は1種または2種以上併用することができる。
これら板状充填材の添加量は液晶性樹脂組成物100重量部に対し、5〜100重量部であり、好ましくは10〜80重量部、より好ましくは20〜65重量部である。5重量部以下であると機械的異方性の低減が不十分であり、100重量部以上であると溶融粘度が高くなりすぎ、いずれもソリの悪化が認められる。
本発明で用いるオキサゾリン化合物の具体例としては、1,3−フェニレンビスー2−オキサゾリン、1,4−フェニレンビスー2−オキサゾリンなどのオキサゾリン化合物が挙げられる。
これらオキサゾリン化合物の添加量は液晶性樹脂100重量部に対し、0.001〜0.5重量部であることが好ましい。添加量が0.001重量部以下であると機械的強度の向上効果が十分でなく、0.5重量部以上であると発生ガスが多くなり好ましくない。
本発明の液晶性樹脂成形品は、上記の液晶性樹脂組成物に、目的を損なわない範囲で、
酸化防止剤および熱安定剤(たとえばヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、離型剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂(フッ素樹脂など)を添加して、所定の特性を付与することができる。この場合、白色度を阻害しやすいものは好ましくないので、種類および添加量に注意が必要である。
本発明の液晶性樹脂組成物は溶融混練により製造することが好ましく、溶融混練には公知の方法を用いることができる。例えば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用いることができる。これらのうち、本発明の液晶性樹脂組成物は、充填材の混練を良好にする必要があることから、押出機を用いることが好ましく、二軸押出機を用いることがより好ましく、なかでも中間添加口を有する二軸押出機を用いることが特に好ましい。溶融混練方法は、原料供給口から液晶性樹脂とオキサゾリン化合物を二軸押出機に供給し、溶融混練させ、該溶融状態の組成物に中間添加口から充填材を供給するのが好ましい。
本発明において、液晶性樹脂組成物は、ズリ速度1000(1/sec)における溶融粘度が10〜50(Pa・s)であることが好ましく、10〜40(Pa・s)であることがより好ましい。溶融粘度が10(Pa・s)以下であると、射出成形時にノズルからポリマーが垂れだしたり(ドローリング現象)、50(Pa・s)以上であるとソリが大きくなり好ましくない。
なお、上記溶融粘度は、液晶性樹脂の融点(Tm)+10(℃)の条件で、長さ10(mm)、穴径0.5(mm)のオリフィスを有する高化式フローテスターによって測定したズリ速度1000(1/sec)における溶融粘度(Pa・s)とする。
かくして得られる本発明の液晶性樹脂組成物は機械的強度に優れかつ流動性、低ソリ性に優れることから、公知の成形法により成形し各種成形品を得ることができる。具体的には、コイル封止部品、リレー部品、金属インサート部品、カードコネクター、FPCコネクター、BtoBコネクター、精密部品搬送用容器、光ピックアップレンズホルダー、スライドスイッチ、シグナルリレー、プリント基板上に実装される成形品などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳述する。
[参考例1]
p−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327重量部、ハイドロキノン89重量部、テレフタル酸292重量部、イソフタル酸157重量部および無水酢酸1367重量部(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら室温から145℃で昇温しながら2時間反応させ、145℃から320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃、1.0時間で133Paに減圧し、さらに約1.5時間攪拌を続け重縮合を行った。p−オキシベンゾエート単位がp−オキシベンゾエート単位、4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル当量、4,4’−ジオキシビフェニル単位が4,4’−ジオキシビフェニル単位および1,4−ジオキシベンゼン単位の合計に対して70モル当量、テレフタレート単位がテレフタレート単位およびイソフタレート単位の合計に対して65モル当量からなる融点314℃、溶融粘度25Pa・s(324℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A1)を得た。
[参考例2]
p−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル168重量部、テレフタル酸150重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート173重量部および無水酢酸1011重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら室温から150℃まで昇温しながら3時間反応させ、150℃から250℃まで2時間で昇温し、250から335℃まで1.5時間で昇温させた後、335℃、1.5時間で6.5×10−3Paまで減圧し、さらに約0.25時間撹拌を続け重縮合を行った。芳香族オキシカルボニル単位80モル当量、芳香族ジオキシ単位10モル当量、エチレンジオキシ単位10モル当量、芳香族ジカルボン酸単位20モル当量からなる融点328℃、溶融粘度18Pa・s(338℃、オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A2)を得た。
[参考例3]
特開昭54−77691号公報に従って、p−アセトキシ安息香酸921重量部と6−アセトキシ−ナフトエ酸435重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重縮合を行った。p−アセトキシ安息香酸から生成した構造単位57モル当量および6−アセトキシ−ナフトエ酸から生成した構造単位22モル当量からなる融点283℃溶融粘度30Pa・s(293℃,オリフィス0.5mm直径×10mm、ズリ速度1,000/秒)の液晶性ポリエステル(A3)を得た。
[実施例1〜5,比較例1〜6]
シリンダー設定温度を液晶性樹脂の融点+10℃、スクリュウ回転数を250rpmに設定した、44mm直径の中間添加口を有する2軸押出機(日本製鋼所製TEX−44)を用いて、参考例1〜3で得た液晶性樹脂100重量部に対し、充填材を表1に示す割合で原料供給口から添加して、吐出量60kg/時間で溶融混練してペレットを得た。このペレットを用いて下記の各特性を評価した。その結果を表1に示す。
なお、充填剤としては、それぞれ下記のものを使用した。
B1:マイカ(山口雲母工業所社製マイカA−31 平均粒子径34μm)
B2:タルク(富士タルク社製NK−64 体積平均径23μm)
B3:ガラス繊維(日本電気硝子社製ECS790DE 平均繊維径6μ)
なお、各充填材の平均粒子径および平均繊維長については、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所社製LA−920)により測定したものである。
また、オキサゾリン化合物は、それぞれ下記のものを使用した。
D1:1,3−フェニレンビスー2−オキサゾリン(竹本油脂製 B0X−210)
D2:1,4−フェニレンビスー2−オキサゾリン(竹本油脂製 BOX―220)。
[特性の測定法]
(1)機械特性:引張強さASTM D638(試験片厚み3.2mm、測定温度23℃)にしたがい測定した。引張強さが100MPa以上のものを「良好」(○)、それ以下のものを「劣る」(×)とした。
(2)寸法特性:FANUC ROBOSHOT α―30i(ファナック社製)に供し、射出速度150(mm/sec)、充填時間0.1(sec)、成形温度は液晶性樹脂の融点+10(℃)の条件で、図1に示す端子間ピッチが0.4(mm)、製品の最小肉厚部(隔壁部)が0.2(mm)、外形寸法が幅3(mm)×高さ2(mm)×長さ30(mm)、平均肉厚が0.3(mm)のコネクター型の長尺成形品を連続成形行った。得られた長尺成形品について10ショット分のソリ量を測定した。なお、長尺成形品の長尺方向の両端を結んだ線を基準とし、そこからの寸法差をソリ量とした。図2は上記長尺成形品においてソリ量の測定部位を示す概念図であり、A−B面を基準面aとして。最大変形面bとの差をソリ量とした。ソリ量が0.1mm以下のものを「良好」(丸)、それよりも大きいものを「劣る」(×)とした。
Figure 2008231137
Figure 2008231137
以上の結果から、本発明の液晶性樹脂組成物は、比較例の樹脂組成物と比較して、機械的強度に優れかつ流動性、低ソリ性に優れることがわかる。
本発明の液晶性樹脂組成物およびそれからなる成形品は、機械的強度に優れかつ流動性、低ソリ性に優れることから機械的強度、低ソリ性が要求される薄肉成形品、具体的には、コイル封止部品、リレー部品、金属インサート部品、カードコネクター、FPCコネクター、BtoBコネクター、精密部品搬送用容器、光ピックアップレンズホルダー、スライドスイッチ、シグナルリレー、プリント基板上に実装される成形品などに好適に使用することができる。
a:実施例で成形した寸法特性評価用成形品の斜視図である。b:aで示した成形品のソリ量の測定部位を示す概念図である。
符号の説明
G1 ゲート位置

Claims (4)

  1. 液晶性樹脂100重量部に対して、板状充填材5〜100重量部、および下記一般式(I)で表されるオキサゾリン化合物0.01〜0.5重量部を配合してなる液晶性樹脂組成物。
    Figure 2008231137
    (ただし、式中R1〜R8は各々水素原子またはアルキル基を示し、Zは一般式(II)、(III)のいずれかであることを示す。)
  2. 板状充填材がマイカ、タルク、およびカオリンから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の液晶性樹脂組成物。
  3. 液晶性樹脂が、液晶性樹脂組成物の融点+10(℃)の温度条件下で、ズリ速度1000(1/sec)における溶融粘度が10〜50(Pa・s)であることを特徴とする請求項1または2記載の液晶性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の液晶性樹脂組成物を成形してなる成形品。
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