JP2008229113A - 遊技盤ユニット及び遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゲージの植設位置等の自由度を制限することなく遊技盤面における装飾効果の向上を図ることが可能な遊技盤ユニット及び遊技機を提供すること。
【解決手段】遊技盤ユニット1は、背面側より前面側へと光を透光させることが可能な透光領域部を有する遊技盤20と、遊技盤20における透光領域部の前面又は背面に設置され、遊技盤20の背面側より投光された不可視光を可視光へと波長変換させることが可能な波長変換部材35とを有する。
【選択図】 図3
【解決手段】遊技盤ユニット1は、背面側より前面側へと光を透光させることが可能な透光領域部を有する遊技盤20と、遊技盤20における透光領域部の前面又は背面に設置され、遊技盤20の背面側より投光された不可視光を可視光へと波長変換させることが可能な波長変換部材35とを有する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、遊技盤ユニット及び遊技機に係り、特に遊技盤を背面側より照明することによって遊技者の興趣を高めることが可能な遊技盤ユニット等に関する。
パチンコ機等の弾球遊技機(以下、遊技機という。)では、弾球された遊技媒体(以下、球という。)が遊技盤面上を流下して、その流下の過程で球が遊技盤面上のゲージ(釘ともいう。)や羽根車に衝突しつつ転回して流下方向が変化する。その結果、遊技盤面上に配置された各種入賞口に球が入賞すれば所定の景品球払出しがされ、一方いずれの入賞口にも入賞せずアウト口に球が流入すれば景品球払出しはされない。遊技者は、弾球における自らの技量を発揮して、又は球の流下における偶然性を利用しつつ球の入賞及び景品球払出しを期待して、遊技を楽しむことができる。
このような遊技機において、より一層の興趣向上を図るために、遊技盤の一部に開口部を設けると共に、この開口部の前面を覆うようにして特定の絵や図柄が描かれた透光性のシート(いわゆるセルシート。)を設け、遊技盤の背面よりLED照明等を充てることによって、遊技盤の装飾効果を向上させる機種が提案されている(例えば、特許文献1。)。
また、遊技盤の前面にEL(エレクトロルミネッセンス)シートを設けることによって、遊技盤面における装飾効果を向上させる方法が提案されている。
このような構成を採用することによって、従来よりも遊技盤面における照明装飾の演出面積を大きくすることができ、遊技者の興趣を一層向上させることが可能となる。
しかしながら、遊技盤には球の流下方向に変化を与えるために複数のゲージを植設する必要があるが、開口部が形成された部分にはゲージを植設することができないため、ゲージの植設位置が限定されてしまうという問題があった。
また、同様にELシートに対してゲージを植設することは困難であるため、ゲージの植設位置の自由度が制限されてしまうという問題があった。このELシートにもゲージを配置するためには、ゲージの植設位置に対応するELシート部分に孔加工を施した上で遊技盤に植設したゲージをその孔に貫通させる必要があり、加工コストや製造効率、組立て効率の面で好ましくない。
本発明は上記の事情に鑑みて為されたもので、ゲージの設置位置等の自由度を制限することなく遊技盤における装飾効果の向上を図ることが可能な遊技盤ユニット及び遊技機を提供することを例示的課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としての遊技盤ユニットは、光を透光させることが可能な透光領域部を有する遊技盤と、遊技盤における透光領域部の前面又は背面に設置され、遊技盤外部から内部へ向けて投光された不可視光を可視光へと波長変換させることが可能な波長変換部材と、を有することを特徴とする。
このように、遊技盤が透光領域部を有し、この透光領域部の前面又は背面に不可視光を可視光へと波長変換させることが可能な波長変換部材を設けることによって、不可視光が波長変換部材により可視光に波長変換されて、遊技盤面が背面から照明されるので、遊技盤における装飾性・照明効果を高めることが可能となる。
また、例えば、遊技盤に占める透光領域部の面積を広くすることによって遊技盤における照明装飾面積を従来以上に広くすることができ、遊技者の興趣を高めることが可能となる。さらに、透光領域を介して遊技盤の背面より照明を行うことができるので、照明光源として面発光可能な光源を用いることによって、透光領域部を均一な明るさで照明することが可能となる。
なお、本発明に係る透光領域部は投光された光を通過させるための開口部などではなく、例えば透光性を有する透明部材によって構成されたものを意味する。遊技盤の透光領域部を確保するために、例えば透光性を有する合成樹脂等によって遊技盤を構成することが好ましい。このように遊技盤を合成樹脂等で構成することにより、ゲージの植設位置に拘わらず遊技盤を背面より照明することができるので、ゲージの植設位置等が制限されないという利点がある。
また、前記波長変換部材は、透光性を備えて透光領域部の前面又は背面に接着されるシート材と、シート材の前面又は背面に塗布されて不可視光を可視光へと波長変換させることが可能な塗料と、を有するものであってもよい。
波長変換部材が、シート材と不可視光を可視光へと波長変換させることが可能な塗料とを有することによって、この塗料でシート材に描かれた図柄は、不可視光の受光によって遊技盤面に発光表示されることとなる。このため、遊技盤における図柄の表示によって装飾性を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることが可能となる。
なお、シート材は遊技盤の前面側に接着されていても背面側に接着されていてもよい。シート材が接着される遊技盤には透光性を有する透光領域部が形成されているので、シート材の接着位置に拘わらず、不可視光がシート材に塗布された塗料によって可視光に変化されることになり、遊技盤の装飾性を向上させることが可能となる。
また、シート材が遊技盤の前面に接着される場合、透光領域部は、少なくとも不可視光を透光させることができればよく、シート材が遊技盤の背面に接着される場合、透光領域部は、少なくとも可視光を透光させることができればよい。
さらに、不可視光を可視光に変換する塗料を用いて図柄を描画することによって、塗料の塗布された部分のみが可視光となって発光し、塗料の塗布されていない部分は視認されなくなる。このため、塗料によって描かれた図柄をくっきりと際立たせることが可能になり、遊技盤に描かれる図柄を全体としてシャープに視認させることが可能となる。
また、塗料の有無によって図柄の視認がなされる部分となされない部分との振り分けを行うことができるので、図柄の視認領域に応じた遊技盤の加工を行う必要がなく、簡易な構造で顕著な装飾性向上を図ることが可能となる。
本発明の他の例示的側面としての遊技機は、遊技機の周囲を囲む筐体枠と、上述した遊技盤ユニットと、遊技盤ユニットを保持し、筐体枠に対して前面開閉可能に揺動支持された機枠と、遊技盤ユニットに対して一定距離以上離間して配置された前面透明板と、前面透明板又はその周囲を囲む装飾部材を保持し、機枠に対して前面開閉可能に揺動支持された装飾枠と、遊技媒体を遊技盤の前面に形成される遊技領域に向けて発射するための球発射装置と、遊技媒体を球発射装置に導くべく貯留する球皿と、遊技媒体を遊技装置体(遊技盤)の上部に向けて発射するための発射ユニットと、遊技盤の前記透光領域部に対して前記不可視光を投光する不可視光用光源と、を有することを特徴とする。
パチンコホールにおいて遊技機の交換を行う場合、一般的な遊技機では、遊技機の遊技盤ユニットのみを交換する方法が用いられている。本発明に係る遊技機において、遊技盤を背面より照明するための不可視光用光源を遊技盤ユニットと別に設けることにより、遊技機の交換時に不可視用光源を交換することなく継続して使用することができ、パチンコ機全体のコスト削減と既存部材の有効活用を実現することが可能となる。
透光可能な遊技盤の背面から不可視光を照射し、その不可視光を遊技盤において可視光に変化させるので、遊技盤自体が自発光しているかのような装飾的演出を行うことができる。その装飾的演出が可視光変換された蛍光によって実現されるので、一層見た目に美しい遊技演出とすることができ、遊技者は強い興味を持ち続けて楽しく遊技を継続することができる。
さらに、不可視用光源より投光された不可視光を遊技盤の透光領域部へと導くための導光部材を有するものであってもよい。
このように導光部材を設けることによって、不可視光用光源の光を均等に遊技盤へと投光することが可能となり、遊技盤における図柄等の視認性を向上させることが可能となる。なお、導光部材は、側方より不可視光を受光して、遊技盤の背面に対向する前面部より導光された光を投光する構成でもよく、また背面側より不可視光を受光して前面部より投光する構成であってもよい。また、遊技媒体とは、例えば球(パチンコ球)を含むが、球状のものに限られず、コイン状のもの、多面体のもの等様々な形状のものを含むものとする。さらに、遊技盤に形成される透光領域部そのものが、導光部材として機能を発揮するものであってもよい。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施の形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、透光領域部を介して投光された不可視光が、波長変更部材によって可視光に波長変更されて遊技盤の背面より照明されるので、遊技盤における装飾性を向上させることができ、遊技者の興趣を高めることが可能となる。
また、遊技盤の装飾性を高めた遊技機を提供することができるので、遊技機における意匠性及び演出効果の向上を図ることが可能となり、パチンコホール等における遊技機の注目度を向上させることが可能となる。
さらに、遊技盤には透光性を有する投光領域部が形成されているので、従来のようにゲージの植設位置の制限が生じず、ゲージ植設の自由度を高めることが可能となる。
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技盤ユニット1を有するパチンコ機(遊技機)2を示す外観斜視図であり、図2は、パチンコ機2の機枠6を開成させた状態を示す外観斜視図である。パチンコ機は、組合せ式パチンコ機、封入循環式パチンコ機等を含む。また、遊技機としてはパチンコ機の他に、スロット機、ゲーム機、アーケードマシン等が概念できる。
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る遊技盤ユニット1を有するパチンコ機(遊技機)2を示す外観斜視図であり、図2は、パチンコ機2の機枠6を開成させた状態を示す外観斜視図である。パチンコ機は、組合せ式パチンコ機、封入循環式パチンコ機等を含む。また、遊技機としてはパチンコ機の他に、スロット機、ゲーム機、アーケードマシン等が概念できる。
パチンコ機2は、筐体枠4、背面板5、遊技盤ユニット1、機枠6、前面ガラス(前面透明板)7、装飾枠3、球発射装置(図示せず。)、上皿(球皿)8、発射ユニット(図示せず。)、不可視光用光源10、導光部材11とを有して大略構成されている。
筐体枠4は、パチンコ機2の周囲を囲むための枠体であり、平面視略長方形に構成されている。材料としては、木材・樹脂・金属等が適用可能であり、本実施の形態1においてはアルミニウムが用いられている。筐体枠4は、パチンコ機2の上下面及び左右側面を囲み、前方からみて左側側面には機枠6及び装飾枠3を揺動支持するためのヒンジ部12が設けられている。
背面板5は、筐体枠4の後方を略密閉し、パチンコ機2の背面を実質的に閉鎖する板状部材である。したがって、背面板5の設置により、遊技者やパチンコホールの店員による背面からのパチンコ機2内部への不正アクセスを効果的に防止することができるようになっている。背面板5は、筐体枠4の後方に配置されて筐体枠4と周囲で連結されており、アルミニウム等の熱伝導性の高い金属で形成されている。
なお、背面板5の前面(遊技者側)には、画像制御基板15をはじめ、各種の電子回路基板16,17が取り付けられている。この画像制御基板15は、液晶表示装置22b上に数字やキャラクター等の画像を表示するための回路基板である。また、背面板5の前面であって遊技盤ユニット1の遊技盤20に対向する位置には、不可視光用光源10と導光部材11とが設けられており、不可視光用光源10の点灯によって、遊技盤20の背面に対して不可視光を投光することが可能となっている。
遊技盤ユニット1は、遊技盤20、レール飾り21、図柄表示装置22を有してユニット構成されている。遊技盤20の前面には、遊技媒体としての球24の流下によって遊技を実現する遊技盤面20aが形成されている。遊技盤面20aには、略円形状に周囲を囲むようにレール飾り21が取り付けられており、このレール飾り21の内側面21aが遊技盤面20aに対して立設することにより遊技領域6bが画定されている。
遊技盤20の遊技領域6bには、多数のゲージ(釘)25、羽根車26、入賞口28、始動入賞口29、大入賞口30、アウト口31、図柄表示装置22等が配置されている。ここで、ゲージ25とは、球24の流下方向を変化させたり球24を誘導するために、遊技領域6b内に植設される釘のことをいう。また、連続的又は集合的に配置される一連の釘の配列をゲージ25という場合もある。
ゲージ25や羽根車26は、流下してきた球24に衝突して球24の流下方向を変化させるためのものである。入賞口28は、球24の入賞に基づいて所定個数の景品球を払い出すための入賞口である。なお、遊技領域6bには、払出し景品球数が入賞口28の場合と異なる特定入賞口が配置される場合もある。また、球24の入賞し易さを可変とするために、入賞開口を狭めたり広げたりする電動開閉羽根が設けられた電動入賞口が設けられる場合もある。始動入賞口29は、入賞口28の一種ではあるが、球24の入賞に基づき図柄表示装置22の図柄回転を開始させる機能を有している。
大入賞口30は、開閉扉30aによって開閉可能な入賞口である。図柄表示装置22が所定の態様、例えば「7・7・7」等の態様で停止表示した場合に、開閉扉30aが開成して多量の球24が入賞する。そして、それに伴い多量の景品球が払い出されるようになっている。アウト口31は、いずれの入賞口28,29,30にも入賞せず、遊技領域6bの最下端まで流下した球を流入させてパチンコ機2の外部へと排出するためのもので、遊技領域6bの略最下端に配置されている。
図柄表示装置22は、センター飾り22aと液晶表示装置22bとを有している。センター飾り22aは、キャラクター等の造形が施された樹脂成形部品で構成されており、遊技領域6b内における遊技を装飾的に演出するためのものである。液晶表示装置22bは、センター飾り22aの中央部分に設けられており、センター飾り22aに設けられたキャラクター等によって液晶表示装置22bの画面周囲が装飾的に囲まれた構造となっている。
液晶表示装置22bは、3桁の数字を変動表示する数字表示部22cとアニメキャラクターによるストーリー表示等の演出表示を行う演出表示部22dとを有している。その数字の変動表示は、球24の動作に基づいて行われる。すなわち、始動入賞口29への球の入賞、又は遊技領域6bに形成された図示しない始動口や始動ゲートへの球の通過等に基づき、数字表示部22cの数字が変動表示されるようになっている。そして、3桁の数字が所定の態様(例えば、当りに相当する「7・7・7」。)で停止すると、開閉扉30aが開成し、多量の球24が大入賞口30へと入賞するように構成されている。
図示しない球発射装置により球24が遊技領域6b内の上部に向けて発射されると、球24がゲージ25に衝突してその流下方向を変えつつ遊技領域6b内を流下するようになっている。その流下の途中で、あるものは入賞口28に入賞して景品球払出しの契機となり、あるものは始動入賞口29に入賞して図柄表示装置22による図柄変動遊技開始の契機となり、また、あるものはいずれの入賞口28等にも入賞せずにアウト口31からパチンコ機2の外部へと排出される。このように、遊技盤20上を球24が流下する際に、様々な遊技が実現されるようになっている。
なお、本実施の形態1においては、アウト口31の直上に大入賞口30が形成されているが、大入賞口30の形成位置はこれに限定されず、遊技領域6b内のいずれの箇所に形成されていてもよい。また、遊技領域6b内に大入賞口30を形成しなくともよい。
遊技盤20の少なくとも一部は、透光性を有する透明な合成樹脂によって形成されており、不可視光を遊技盤20の背面より透光させることが可能となっている。このような透明な合成樹脂によって形成された部分が、本発明に係る透光領域部に該当する。実施の形態1では、遊技領域6bの全面が透明な合成樹脂によって形成されているものとするが、遊技盤20は必ずしも遊技領域6bの全面が透明な合成樹脂によって形成されている必要はなく、少なくとも一部の領域が透明な合成樹脂等によって透光可能に形成されていればよい。
図3は、透明な合成樹脂によって形成される遊技盤20と不可視光用光源10と導光部材11との位置関係を示した垂直断面図である。遊技盤20の背面には絵や文字等の図柄が描かれた透光シート(シート材、波長変換部材)35が接着されている。透光シート35は透光性を有する樹脂製の薄いシート材料であり、この透光シート35には、不可視光を可視光へと波長変換させることが可能な塗料(波長変換部材)がその前面(すなわち、遊技盤20に対向する側の面。)に塗布されている。ここで、不可視光とは具体的に紫外光を意味しており、塗料には、この紫外光を可視光に波長変換することが可能な蛍光体が含まれている。蛍光体としては様々なものが知られているが、例えば、プラズマディスプレイの青色の蛍光体として知られるBaMgAl10O17:Eu等を用いることができる。
なお、塗料の種類はこれに限定されるものではなく、不可視光を可視光に波長変換可能な蛍光体を含むものであれば、他の塗料であってもよい。また、不可視光を可視光に波長変換することができれば良いため、紫外光ではなく赤外光等を可視光に波長変換させるものであってもよい。この場合、後述する遊技盤20を照明するための不可視光用光源10(蛍光ランプ)10は、赤外線を投光する光源となる。
透光シート35の図柄は、この塗料によって表現されているため、紫外光が照射されていない部分の図柄は、遊技者によって視認されない。さらに、透光シート35は、必ずしも遊技盤20の背面に接着されているものには限定されず、前面側すなわち、遊技盤面20aに接着されるものであってもよい。シート材35が遊技盤20の前面に接着される場合、遊技盤20は、少なくとも不可視光を透光させることができればよく、シート材35が遊技盤20の背面に接着される場合、遊技盤20は、少なくとも可視光を透光させることができればよい。
もちろん、本実施の形態1のように、透光シート35の前面に塗料が塗布されている場合は、透光シート35の素材そのものは紫外線を透過するものである必要がある。しかし、例えば透光シート35の背面側に塗料が塗布されている場合は、透光シート35は可視光を透過するものである必要がある。
なお、本実施の形態1においては、樹脂製の透光シート35が波長変換機能を有して遊技盤20の背面側に接着されているが、接着される場合のみならず、遊技盤20と透光シート35とが非接着で重ね合せ配置される場合も考えられる。また、透光シートがガラス製であり、そのガラス製透光シートに波長変換用の塗料が塗布される場合も考え得るし、波長変換用の塗料が遊技盤20に直接塗布される場合も考えられる。
機枠6は、遊技盤ユニット1を保持するためのものであり、木材や樹脂等によって形成された枠部材である。全体に略長方形状を呈していて、その中央に遊技盤ユニット1を取り付けるための取付け部や開口部を有しているが、詳細は省略する。この機枠6は、パチンコ機2の筐体を構成する筐体枠4に前面(遊技者側)方向へと揺動可能に取り付けられている。
前面ガラス7は、遊技盤20に対して一定距離離間して配置された透明板である。前面ガラス7は透明平板ガラスで形成され、遊技盤20との間に球24が流下する流下空間を形成する機能、遊技者が前面ガラス7を通して遊技盤20を視認できるように視認性を確保する機能、遊技者が遊技盤20に不正にアクセス(接触)できないように不正アクセスを防止する機能、を発揮する。
前面透明板としてはガラス素材の前面ガラス7の他に、透明アクリル等の樹脂材料を使用するものであってもよい。また、本実施の形態1においては、前面ガラス7が装飾枠3に保持されるが、前面ガラス7が遊技盤20の前面に取り付けられて、遊技盤20と共に機枠6に保持されるように構成されていてもよい。
装飾枠3は、前面ガラス7又はその周囲を囲む装飾部材36を保持するための枠体である。本実施の形態1において、装飾枠3は、前面ガラス7及び装飾部材36の両方を保持している。その装飾枠3は、機枠6の前面側に配置されてヒンジ部12において機枠6と共に筐体枠4に揺動支持され、機枠6に対して前面開閉可能な構造となっている。
装飾枠3は樹脂又は金属によって形成され、その中央部に遊技者が遊技盤20を視認するための透視孔が形成されており、その透視孔を覆うように前面ガラス7が取り付けられている。その前面ガラス7の周囲には、パチンコ機2を装飾するための造形・色彩・ランプが付された装飾部材36が取り付けられ、パチンコ機2の遊技演出に寄与している。
なお、本実施の形態1では、筐体枠4に設けられたヒンジ部12に機枠6及び装飾枠3の両方が揺動支持される構成となっている。しかしながら、機枠6と装飾枠3とがそれぞれ異なるヒンジ部によって揺動支持されていてもよい。例えば、筐体枠4に機枠6を揺動支持するヒンジ部が設けられ、機枠6に装飾枠3を揺動支持する別のヒンジ部が設けられていてもよい。
図示しない球発射装置は、球供給装置によって上皿8から発射位置に送り込まれた球24を遊技領域6bの上部に向けて発射(弾球)するためのものである。球発射装置は、例えば発射位置に送り出された球24を遊技領域6bに向けて弾球する発射杆、その発射杆を駆動して弾球往復動を行わせる発射モータ、発射杆を付勢して弾球のための力を発生させる発射バネ等を有してユニット構成され、機枠6に取り付けられている。
上皿8は、球24を球発射装置に導くべく貯留するためのもので、下皿8aと共に遊技者の持ち球を貯留する機能を有する。上皿8は、パチンコ機2の前面であって遊技盤20の下方、すなわち装飾枠3の下方部分に配置され、下皿8aは、その上皿8の更に下方に配置されている。本実施の形態1においては、上皿8と下皿8aとを別々に構成しているが、もちろん上皿8と下皿8aとが一体となって1つの球皿が構成されていてもよい。
上皿8は、景品球としてパチンコ機2から払い出された球24を受け取る機能や、その球24を球供給装置(図示せず。)を介して球発射装置に導くべく貯留する機能を有している。遊技終了時には、遊技者が球排出ボタン8bを操作することにより、球24を上皿8から下皿8aへと排出することができるようになっている。
発射ユニットは、球24(遊技媒体)を遊技盤20の上部に向けて発射するためのユニットである。遊技者は発射ユニットを構成する発射ハンドル9を手で操作することによって、球発射装置による弾球強度を調整する。発射ハンドル9は、例えば、パチンコ機2の前面下部右側に配置されて略円筒形状を呈しており、円筒周面に沿ってその強度調整杆9aが回転可能となっている。遊技者は、発射ハンドル9を手で保持しつつ、強度調整杆9aを回転させることにより、球24の発射強度を調整することができるようになっている。
不可視光用光源10は、図2に示すように、背面板5に取り付けられている。不可視光用光源10は、紫外光を出力する蛍光ランプであって、背面板5の略中央部及び上部に設置されており、機枠6が閉成された場合に蛍光ランプの長尺方向が遊技盤20に平行となるように配設されている。蛍光ランプは、図示を省略する電源より電力の供給を受けており、パチンコ機2の電源がオンされると連動して点灯する構造となっている。なお、上述したように、シート材35に塗布された塗料が赤外光を可視光に波長変換させるものである場合には、不可視光用光源10は、赤外線を投光する蛍光ランプによって構成される。
導光部材11は、平板状を呈しており、上下に配設された蛍光ランプに挟まれるようにして背面板5に取り付けられている。導光部材11は、所定の厚み(例えば2cm程度。)の厚さを有するアクリル樹脂などの透光性材料によって構成されており、上下面より受光した蛍光ランプの光を、前面側(遊技盤側)へ導光し、遊技盤20の裏面に対して不可視光を均一に投光させる機能を備えている。
なお、図3に示すように、この導光部材11は不可視光用光源10からの不可視光を一旦背面11aで反射して前面側へ導く。その背面11aは、光拡散機能を実現するために、凹凸形状とされている。この凹凸形状により、不可視光は均一に拡散され、透光シート35へと導かれる。
図4は、遊技盤20と導光部材11と不可視光用光源(蛍光ランプ)10との位置関係を示した展開斜視図である。遊技盤20の背面には、紫外光を可視光に波長変換可能な塗料によって図柄が描かれた透光シート35が接着されている。このため、蛍光ランプより発せられた紫外光が導光部材11によって導光部材11の前面に導かれて、透光シート35へと照射されることとなる。この場合、透光シート35は透光性を有しているため、透光シート35そのものによって紫外光が遮られることはなく、透光シート35に塗布された塗料へと紫外光が投光される。透光シート35の塗料面に投光された紫外光は、塗料の蛍光体によって可視光に波長変換されるため、塗料を通過した光は可視光となって遊技盤20の背面を照明することとなる。紫外光が可視光に波長変換されて遊技盤20を照明するため、遊技者は塗料によって描かれた図柄を視認することが可能となる。
このように、遊技盤20を透光性の合成樹脂により形成し、遊技盤20に接着された透光シート35に紫外光を可視光に波長変換する塗料を塗布することによって、遊技盤20の装飾性を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることが可能となる。
また、遊技盤20に透光性の合成樹脂を採用することによって、ゲージ25の植設位置に拘わらず遊技盤面20aを背面側より照明することができるので、ゲージ25の植設位置等が制限されないという利点がある。
さらに、不可視光を可視光に波長変換する塗料を用いて図柄を描画することによって、塗料の塗布された部分のみが可視光となって発光し、塗料の塗布されていない部分は視認されなくなる。このため、塗料によって描かれた図柄をくっきりと際立たせることが可能になり、遊技盤20に描かれる図柄を全体としてシャープに視認させることが可能となる。
また、塗料の有無によって図柄の視認可能な部分を振り分けることができるので、図柄の視認領域に応じた遊技盤の加工を行う必要がなく、簡易な構造で顕著な装飾性向上を図ることが可能となる。
さらに、設置されている遊技盤ユニット1を他の遊技盤ユニットに交換する場合であっても、不可視光用光源10と導光部材11とが背面板5に設けられているので、そのまま継続して使用することが可能となる。このため、パチンコホールにおいてパチンコ機の入替えを行う場合に、不可視光用光源10及び導光部材11を交換することなく遊技盤ユニットのみを交換すればよいので、パチンコ機全体のコスト削減と既存部材の有効活用を実現することが可能となる。
[実施の形態2]
上記の実施の形態1においては、不可視光用光源10と導光部材11とを背面板5に設置した場合について説明を行ったが、パチンコ機2によっては背面板5が設けられていないものも存在する。このため、本実施の形態2では、機枠6に不可視光用光源10と導光部材11が設けられる場合について説明する。
上記の実施の形態1においては、不可視光用光源10と導光部材11とを背面板5に設置した場合について説明を行ったが、パチンコ機2によっては背面板5が設けられていないものも存在する。このため、本実施の形態2では、機枠6に不可視光用光源10と導光部材11が設けられる場合について説明する。
図5は、筐体枠4に対して機枠6が開成された状態のパチンコ機2を示している。不可視光用光源10と導光部材11とは機枠6に設けられており、さらに、実施の形態1では背面板5に設置されていた画像制御基板15や各種の電子回路基板16,17が機枠6に設置されている。また、図5に示すパチンコ機2では、背面板5が筐体枠4に設けられていないため、筐体枠4の裏面側には何ら機器が取り付けられていない。
このように、不可視光用光源10と導光部材11とを機枠6に設置することによって、背面板5が設けられていないパチンコ機2においても、不可視光を可視光に波長変換する塗料を用いて遊技盤20の装飾性向上を図ることが可能となる。
また、不可視光用光源10と導光部材11とが機枠6に設けられているので、遊技盤ユニット1を他の遊技盤ユニットに変更する場合において、不可視光用光源10と導光部材11とをそのまま継続して使用することが可能となり、パチンコ機2の入替えの際のコスト低減と既存部材の有効活用を実現することが可能となる。
[実施の形態3]
上記の実施の形態1においては、不可視光用光源10と導光部材11とを背面板5に設置した場合について説明を行ったが、遊技盤に対して不可視光を投光するための光源ユニットは、必ずしも不可視光用光源10としての蛍光ランプと導光部材11とに限定されるものではない。例えば、遊技盤20の裏面側より不可視光を均等に投光することが可能な面発光光源であるならば、導光部材11を必ずしも設ける必要はない。また、不可視光を均等に遊技盤20に投光することが可能な不可視光用光源であれば、光源として蛍光ランプ以外の光源を用いてもよい。
上記の実施の形態1においては、不可視光用光源10と導光部材11とを背面板5に設置した場合について説明を行ったが、遊技盤に対して不可視光を投光するための光源ユニットは、必ずしも不可視光用光源10としての蛍光ランプと導光部材11とに限定されるものではない。例えば、遊技盤20の裏面側より不可視光を均等に投光することが可能な面発光光源であるならば、導光部材11を必ずしも設ける必要はない。また、不可視光を均等に遊技盤20に投光することが可能な不可視光用光源であれば、光源として蛍光ランプ以外の光源を用いてもよい。
例えば、不可視光用光源10として平面状にLEDが配設されたLED光源を一例として用いることが可能である。LED光源は、実施の形態1と同様に紫外光を発光するものであっても、赤外光を発光するものを用いてもよい。LED光源は、各光源(LED)を平面的に配設することが容易であるため、導光部材11を用いることなく遊技盤20の背面に不可視光を均等に投光すること可能となる。このため、LED光源を不可視光用光源として用いる場合には、必ずしも導光部材11を設置する必要はなくなり、構造の簡素化を図ることが可能となる。また、光源としてLEDを用いることによって、光源の小型(薄型)化や消費電力の低減等を実現することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
例えば、本発明の実施の形態1及び2に用いられる不可視光用光源10は導光部材11の上方及び下方に設置されていたが、導光部材11の左右側方に設置する構成とすることも可能であり、さらに不可視光用光源10を導光部材11の背面側に設置するものであってもよい。
また、導光部材11の背面と同様に、透光シート35の背面、遊技盤20の背面等を凹凸形状にし、光の拡散機能を付加することも可能である。透光シート35等の背面を凹凸形状とすることによって、光拡散機能を付加することができるので、遊技盤面20aからの一層均一な投光が可能となる。
この場合において、光拡散機能を付加する面は、不可視光が波長変換部材としての塗料に至るまでの面である必要がある。それにより、不可視光が均一に拡散された上で波長変換され、その後の可視光による遊技盤20の図柄はシャープな図柄となる。また、拡散機能を実現する凹凸形状としては、様々なものが考えられる。例えば、断面山形状の規則的な溝が形成されていてもよいし、凸状の四角錐が縦横に連続的に配列されるものであってもよいし、微細で不規則な凹凸が形成されて磨り硝子状とされていてもよい。
1:遊技盤ユニット
2:パチンコ機(遊技機)
3:装飾枠
4:筐体枠
5:背面板
6:機枠
6b:遊技領域
7:前面ガラス(前面透明板)
8:上皿(球皿)
8a:下皿
8b:球排出ボタン
9:発射ユニット
9a:強度調整杆
10:不可視光用光源(蛍光ランプ)
11:導光部材
11a:背面
12:ヒンジ部
15:画像制御基板
16,17:電子回路基板
20:遊技盤
20a:遊技盤面
21:レール飾り
21a:内側面
22:図柄表示装置
22a:センター飾り
22b:液晶表示装置
22c:数字表示部
22d:演出表示部
24:球
25:ゲージ(釘)
26:羽根車
28:入賞口
29:始動入賞口
30:大入賞口
30a:開閉扉
31:アウト口
35:透光シート(シート材、波長変換部材)
36:装飾部材
2:パチンコ機(遊技機)
3:装飾枠
4:筐体枠
5:背面板
6:機枠
6b:遊技領域
7:前面ガラス(前面透明板)
8:上皿(球皿)
8a:下皿
8b:球排出ボタン
9:発射ユニット
9a:強度調整杆
10:不可視光用光源(蛍光ランプ)
11:導光部材
11a:背面
12:ヒンジ部
15:画像制御基板
16,17:電子回路基板
20:遊技盤
20a:遊技盤面
21:レール飾り
21a:内側面
22:図柄表示装置
22a:センター飾り
22b:液晶表示装置
22c:数字表示部
22d:演出表示部
24:球
25:ゲージ(釘)
26:羽根車
28:入賞口
29:始動入賞口
30:大入賞口
30a:開閉扉
31:アウト口
35:透光シート(シート材、波長変換部材)
36:装飾部材
Claims (4)
- 光を透光させることが可能な透光領域部を有する遊技盤と、
前記遊技盤における前記透光領域部の前面又は背面に設置され、前記遊技盤外部から内部へ向けて投光された不可視光を可視光へと波長変換させることが可能な波長変換部材と、
を有する遊技盤ユニット。 - 前記波長変換部材は、
透光性を備えて前記透光領域部の前面又は背面に接着されるシート材と、
該シート材の前面又は背面に塗布されて前記不可視光を可視光へと波長変換させることが可能な塗料と、
を有する請求項1に記載の遊技盤ユニット。 - 遊技機の周囲を囲む筐体枠と、
請求項1又は請求項2に記載の遊技盤ユニットと、
前記遊技盤ユニットを保持し、前記筐体枠に対して前面開閉可能に揺動支持された機枠と、
前記遊技盤ユニットに対して一定距離以上離間して配置された前面透明板と、
該前面透明板又はその周囲を囲む装飾部材を保持し、前記機枠に対して前面開閉可能に揺動支持された装飾枠と、
遊技媒体を前記遊技盤の前面に形成される遊技領域に向けて発射するための球発射装置と、
前記遊技媒体を球発射装置に導くべく貯留する球皿と、
遊技媒体を遊技盤の上部に向けて発射するための発射ユニットと、
前記遊技盤の前記透光領域部に対して前記不可視光を投光する不可視光用光源と、
を有する遊技機。 - 前記不可視用光源より投光された前記不可視光を前記遊技盤の前記透光領域部へと導くための導光部材を有する請求項3に記載の遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007074591A JP2008229113A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | 遊技盤ユニット及び遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007074591A JP2008229113A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | 遊技盤ユニット及び遊技機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008229113A true JP2008229113A (ja) | 2008-10-02 |
Family
ID=39902618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007074591A Pending JP2008229113A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | 遊技盤ユニット及び遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008229113A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017221344A (ja) * | 2016-06-14 | 2017-12-21 | 株式会社大都技研 | 遊技台 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06210050A (ja) * | 1993-01-14 | 1994-08-02 | Okumura Yuki Kk | 遊技機 |
JP2000352947A (ja) * | 1999-04-05 | 2000-12-19 | Ruminooba Seiko:Kk | 表示装置 |
JP2003180977A (ja) * | 2001-12-19 | 2003-07-02 | Toyomaru Industry Co Ltd | パチンコ機 |
-
2007
- 2007-03-22 JP JP2007074591A patent/JP2008229113A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20091130 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20110712 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110713 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20111206 |