JP2008224892A - 光配線盤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ユニット3の前面側に上下回転可能に設けられた配線棚37と、ユニット3の側部に設けられた配線ステージ39とによって、光コードJを配線するため配線部が構成され、しかも、配線ステージ39は、配線面394が、配線棚37が上昇位置37Aにあるときの配線棚37の配線面375よりも下方に設置され、配線棚37を下方傾斜位置37Bに回転移動したときに、光コードJに余長を生じさせることができる光配線盤を提供する。
【選択図】図2
Description
このタイプの光配線盤では、前記成端部の光コネクタに、切替接続用の光コード(切替用光ファイバ。いわゆるジャンパコード)先端の光コネクタ(光コネクタプラグ)を接続することで、前記成端部の光コネクタによってコネクタ接続可能に成端されている光ファイバと光コードとがコネクタ接続される。また、成端部の複数の光コネクタに対する光コードの接続を切り替えることで、光ファイバ同士の切替接続が実現される。
例えば、特許文献1の光配線盤では、コネクタ配列部と配線棚との間での光コードの取り回し等の作業スペースの確保のために、ユニットの上下寸法を充分に確保しようとすれば、上下多段のユニットの配列ピッチの縮小が困難となり、高密度化の妨げになる。
しかしながら、この光配線盤では、配線棚を、上昇位置から下降位置に回転移動したときに、配線棚上の光コードが配線棚に追従下降せず、配線位置が殆ど変化しないことが多い。この場合、配線棚の下降によって、コネクタ配列部と配線棚との間が拡がって作業スペースを確保できるものの、光コードとコネクタ配列部の光コネクタアダプタとの間の距離が大きく拡がる訳ではないため、光コードの取り出し等の作業性向上が充分でない、といった不満があった。
配線棚を下降位置に移動したときには、配線棚上の光コードが配線ステージ側に引っ張られる傾向があるが、光ファイバ保持具46が、光コネクタアダプタと配線棚との間に上下に配線される光コードの配列状態を維持する機能を果たすため、配線ステージ側への引っ張りによる光コードの配列状態の乱れ、光コード同士の絡まり等の不都合を防止できる。
しかしながら、光コードを、光ファイバ保持具46によって、光モジュール毎に束ねるようにして保持する構成では、プラグ穴が上下多段に設けられている光コネクタアダプタの前面側下部において、光ファイバ保持具によって束ねられて集合配線された複数本の光コードが、光コード先端の光コネクタの光コネクタアダプタに対する着脱作業の邪魔になりやすい。特許文献3に例示されるような光コネクタ着脱工具の使用にも支障が生じる。このため、光ファイバ保持具による光コードの結束を一旦解く必要があるなど、作業に手間を要することとなり、問題の根本的な解決に至らない。
第1の発明では、光ファイバをコネクタ接続可能に成端した光コネクタが複数配列設置されたコネクタ配列部を前面側に有し、前記コネクタ配列部から背面側に前記光ファイバが配線された構成の成端部を具備するユニットが上下多段に設けられた光配線盤であって、前記ユニットは、前記成端部と、前記成端部の下側から前面側に張り出すように突設された配線棚と、ユニットの側部に設けられた配線ステージとを具備し、前記配線棚と前記配線ステージとによって、ユニットの前面側から前記コネクタ配列部の前記光コネクタに着脱可能に接続される光コネクタ付きの光コードが配線される配線部が構成され、前記配線棚は、前記ユニットにおいて前記成端部の下側に設けられた回転支持部によって上下回転可能に支持され、回転によって、前記光コードが配線される上面である配線面が水平あるいはほぼ水平となる上昇位置と、この上昇位置から下方に傾動されて前記配線面が傾斜した向きとなる下方傾斜位置とを、切り換え可能であり、前記配線ステージは、該配線ステージの前記光コードが配線される上面である配線面と前記配線棚の配線面との高低差が、配線棚が前記上昇位置にあるときに比べて下方傾斜位置にあるときの方が小さくなるように、前記上昇位置に設置された前記配線棚の配線面よりも下方に設置されていることを特徴とする光配線盤を提供する。
第2の発明では、前記配線棚の、前記回転支持部回転による回転中心からユニット前面側に延出する前面部上に、コード脱落防止片が突設されていることを特徴とする第1の発明の光配線盤を提供する。
第3の発明では、前記成端部が、前記コネクタ配列部を前面側に有し、前記コネクタ配列部の光コネクタによってコネクタ接続可能に成端された光ファイバを収納するボックス状のコネクタモジュールであることを特徴とする第1又は第2の発明の光配線盤を提供する。
第4の発明では、前記ユニットは、前記コネクタモジュールの下側に、前記コネクタモジュールから延出された光ファイバと別の光ファイバとの融着接続部を収納する融着トレーを具備することを特徴とする第3の発明の光配線盤を提供する。
第5の発明では、前記配線ステージ上には、光コードが、前記配線棚側から互いに異なる複数方向に延びる複数の配線ルートで配線されるようになっており、前記光コードを把持するコードクランプが、前記光コードの複数の配線ルートに応じた互いに異なる複数箇所に設けられている第1〜4のいずれかの発明の光配線盤を提供する。
第6の発明では、前記配線ステージは、前記配線棚から光コードが引き込まれる受け入れ台部を有し、前記配線ステージの配線面には、前記光コードが、前記受け入れ台部から、互いに異なる複数方向に延びる複数の配線ルートで配線されるようになっており、前記受け入れ台部は、前記ユニットにおいて、前記配線棚から、該配線棚が設けられている前面側とは逆の背面側にずれた位置に設けられていることを特徴とする第1〜第5のいずれかの発明の光配線盤を提供する。
また、この光配線盤では、配線棚に配線された光コードは、ユニットの側部に設けた配線ステージ上の配線面を経由して延出させて、配線盤内に引き回し配線される。ここで、配線ステージの配線面の位置は、前記上昇位置に設置された前記配線棚の配線面よりも下方であり、前記配線棚の配線面との高低差が、配線棚が前記上昇位置にあるときに比べて下方傾斜位置にあるときの方が小さくなるように、上下方向の位置が設定されている。このため、配線棚を回転させて上昇位置から下方傾斜位置に移動すると、配線ステージの配線面と配線棚の配線面との高低差の縮小によって、配線棚上の光コードに余長が発生する。この余長発生により、配線棚上からの光コードの取り出しを容易に行える。
また、余長発生により、配線棚上の光コードをユニット前面側へ引き寄せるといったことが容易となるため、引き寄せによって、配線棚上からの光コードの取り出しの作業性を向上できる。この引き寄せによって、成端部のコネクタ配列部の光コネクタに接続されている光コードが、それぞれ、コネクタ配列部から配線盤前面側に向かって延びるように、向きが整えられるため、特許文献3に例示したような光コネクタ着脱工具を使用して、光コード先端の光コネクタを操作(成端部の光コネクタに対する着脱等)する際に、良好な作業性を確保できる。
図1は、本発明に係る光配線盤1の成端ユニット3を示す正面図、図2は図1の成端ユニット3の左側面図、図3は図1の成端ユニット3の右側面図、図4は本発明に係る光配線盤1を示す全体正面図、図5は光配線盤1の平断面図であり、光配線盤1及び成端ユニット3の構造を示す図、図6は図5の成端ユニット3の融着トレー収納部36の構造を示す平面図である。
なお、図1〜図4において上側を「上」、下側を「下」として説明する。図2における右側、図3における左側、図5、図6における下側を「前」、図2における左側、図3における右側、図5、図6における上側を「後」として説明する。図1、図4においては、紙面手前側が「前」、紙面奥側が「後」である。また、図1、図4においては、左側を「左」、右側を「右」として説明する。
また、光配線盤1について、前側を「前面側」、後側を「背面側」として説明する場合がある。光配線盤1の左右方向(図1、図4における左右方向)については、「横方向」と称して説明する場合がある。
ラック2は、底板部21と、左右の側壁22a、22bと、天井部23とからなる四角枠状のフレーム部24を具備する。フレーム部24の背面側には背面板25が固定されている。背面板25は、フレーム部24の背面側を塞ぐように設けられている。フレーム部24の前面側は開閉扉(図示略)によって開閉される。
前記成端ユニット3は、前記背面板25に取り付けて、フレーム部24の内側空間26(以下、ラック2の内側空間とも言う)に上下多段に設けられている。また、成端ユニット3を上下多段に設置してなるユニット積層部3Aと、ラック2の左右両側の側壁22a、22bとの間には、それぞれ、光ファイバの配線用の配線用空間27a、27bが確保されている。配線用空間27a、27bは、ユニット積層部3Aを介して両側にある。なお、区別のため、2つの配線用空間27a、27bの内、図4においてユニット積層部3Aを介して左側の配線用空間27aを第1配線用空間、右側の配線用空間27bを第2配線用空間と称して説明する場合がある。
図4、図5において、符号29aはファイバガイド、符号29bはファイバ保持部品である。ファイバ保持部品29b及びファイバガイド29aは第2配線用空間27bに設けられており、第2配線用空間27b内での光ファイバ41の引き回しに利用される。ファイバ保持部品29bは、内側に光ファイバ41が通されるC形に形成された部材であり、ラック2の背面板25の上下方向の複数箇所に取り付けられている。ファイバガイド29aは、ラック2の側壁22bの上下方向複数箇所に取り付けられている。光ファイバケーブル4の端末から延出された光ファイバ41は、ファイバガイド29a上に引っ掛けて、先端を、ファイバガイド29aよりも下側に位置する成端ユニット3に引き込む。但し、光ファイバ41は、ファイバガイド29aに引っ掛けた部分から先端側をファイバ保持部品29bに通す。ファイバ保持部品29bには、光ファイバケーブル4から成端ユニット3まで引き込み配線した光ファイバ41の内、該光ファイバ41の先端を引き込んだ成端ユニット3と該光ファイバ41を引っ掛けたファイバガイド29aとの間に位置する部分が通される。これにより、ファイバガイド29aと成端ユニット3との間に配線される多数本の光ファイバ41がファイバ保持部品29bによって集束され、第2配線用空間27b内には、ファイバ保持部品29bによって複数本の光ファイバ41を集束したファイバ束が、上下方向に延在するように形成される。ファイバ保持部品29bは、C字の開口部を拡張するように弾性変形させることで、開口部を介して、光ファイバ41を内外に自由に移動させることができる。ファイバ保持部品29bの開口部を拡張させる弾性変形の解除によって、開口部が狭くなる(あるいは閉じられる)と、光ファイバ41が開口部を通過できなくなり、ファイバ保持部品29bの内側に収納されている光ファイバ41のファイバ保持部品29bからの離脱が規制される、収納状態が維持される。
図3、図5に示すように、接続用光ファイバ32の片端には、成端モジュール3の光コネクタ31が取り付けられている。接続用光ファイバ32の光コネクタ31とは反対側の端部に導入光ファイバ41の先端を融着接続すると、実質的に、導入光ファイバ41の先端に光コネクタ31が設けられた状態、すなわち、光コネクタ31によってコネクタ接続可能に成端(以下、コネクタ成端とも言う)された状態となる。
なお、本明細書では、コネクタ成端済みの接続用光ファイバ32に導入光ファイバ41を融着接続して、実質的に、導入光ファイバ41の先端に光コネクタ31が設けられた状態とすることも、コネクタ成端、に含むものとして説明する。
図示例の成端ユニット3の融着トレー収納部36は、一対の側板361の間に、複数の融着トレー35を上下多段に収納している。各融着トレー35は、それぞれ側板361に案内されながら、前面側への引き出し操作を個別に行える。再収納も個別に行える。
融着トレー収納部36の各融着トレー35には、接続用光ファイバ32のコネクタモジュール33から延出された部分(以下、融着用ピグテイル32aとも言う)の端部が引き込まれている。融着用ピグテイル32aは、融着トレー35の後壁352bに開口されたファイバ導入口359から融着トレー35内に引き込まれている。符号32bは、融着用ピグテイル32aを収納した保護チューブであり、融着トレー35内に設置されたファイバガイド7に先端を嵌め込んで固定してある。融着用ピグテイル32aは、保護チューブ32bの先端から露出されて、融着トレー35内に引き回し配線されている。
符号8は、融着用ピグテイル32aとケーブル側光ファイバ41との融着接続部34を保持する融着部ホルダであり、融着トレー35の底板351上に取り付けて、融着トレー35内に設置してある。ケーブル側光ファイバ41は、融着トレー35の側壁352c、352dに開口されたファイバ導入口354から融着トレー35内に引き込まれる。
また、融着トレー35内には、どこにも接続していない未接続の融着用ピグテイル32aである保留光ファイバ32a1を収納してある。融着トレー35を融着トレー収納部36から前面側に引き出すと、融着トレー35内(詳細には内部空間353内)に収納されている融着用ピグテイル32a(保留光ファイバ32a1も含まれる)の、融着トレー35からの取り出し、再収納が可能である。
前記配線棚37は、回転によって、棚板371の上面(以下、配線面375とも言う)が水平(あるいは、ほぼ水平)となる位置(以下、「上昇位置37A」)と、配線面375がユニット本体38から前側へ斜め下方に傾斜した状態となる下方傾斜位置37Bとを切り換えることができる。下方傾斜位置37Bは、上昇位置37Aよりも下方に位置する。
前記光ファイバケーブル4の光ファイバ41は、成端ユニット3の融着トレー35に引き込まれている接続用光ファイバ32の端部と融着接続することで、接続用光ファイバ32を介して、成端ユニット3の光コネクタ31によってコネクタ接続可能となる(コネクタ成端される)。光ファイバケーブル4の光ファイバ41と接続用光ファイバ32との融着接続部34は、融着トレー35に収納する。
但し、光コネクタ31を構成する多連の光コネクタアダプタ311としては、例えば、2連や4連のもの等も採用可能であり、対応心数には特には限定は無い。また、接続用光ファイバ32としても、多心テープファイバ部321が8心のものに限定されず、例えば、多心テープファイバ部321が、2心、4心、12心等のものを採用できる。
また、例えば、8連の光コネクタアダプタ311に、4心の多心テープファイバ部321を具備する接続用光ファイバ32を2本接続する(具体的には、分岐ファイバ部322を接続する)など、ひとつの光コネクタアダプタ311に対して、複数本の接続用光ファイバ32を接続することも可能である。
接続用光ファイバ32(詳細には分岐ファイバ部322)を、ジャンパ用光ファイバ5に対してコネクタ接続可能に成端する光コネクタ31としては、上述のように、光コネクタアダプタ311と、分岐ファイバ部322先端の光コネクタ334(光コネクタプラグ)とからなる構成のものに限定されず、例えば、接続用光ファイバ32に取り付けた光コネクタレセプタクル等も採用可能である。
ジャンパ用光ファイバ5の両端の光コネクタ52(光コネクタプラグ)としては、接続用光ファイバ32の分岐ファイバ部322先端の光コネクタ324と同じものを用いることができる。この光コネクタ52としては、光コネクタ31に対して着脱可能に接続することで、接続用光ファイバ32(詳細には分岐ファイバ部322)とジャンパ用光ファイバ5とのコネクタ接続を実現できるものであれば良く、必ずしも、接続用光ファイバ32の分岐ファイバ部322先端の光コネクタ324と同じものに限定されない。
光ファイバケーブル4の光ファイバ41は、光ファイバテープ心線である。
ここでは、接続用光ファイバ32として、光ファイバ41と心数が同じ多心テープファイバ部321を具備するものを用い、融着用ピグテイル32aの先端(接続用光ファイバ32の光コネクタ31とは反対側の端部。換言すれば、多心テープファイバ部311における、分岐部313とは反対側の端部)に光ファイバ41を融着接続することで、光ファイバ41の複数本の回線を、接続用光ファイバ32を介して、光コネクタ31によって、一括してコネクタ成端されるようにしてある。
図3に示すように、光コネクタ324によってコネクタモジュール33の光コネクタ31に接続したジャンパ用光ファイバ5は、コネクタモジュール33の前面側にて、光コネクタ31から下方に垂らすようにして、コネクタモジュール33の下部から前面側に張り出すように突設されている配線棚37上に配線される。前記配線棚37は、コネクタモジュール33に沿って横方向に延在する細長形状に形成されており、光コネクタ31に接続された多数本のジャンパ用光ファイバ5が、該配線棚37の長手方向に沿って配線される。また、配線棚37に配線されたジャンパ用光ファイバ5は、配線棚37の第1配線用空間27a側の端部から延出され、配線ステージ39上に配線される。
前記配線棚37と前記配線ステージ39とは、成端ユニット3の前面側から前記コネクタ配列部31Aの前記光コネクタに着脱可能に接続される光ファイバ5、6を配線するための配線部を構成する。
例えば、第1配線用空間27aに導入された光ファイバケーブル4の光ファイバ41が第1配線用空間27a内での配線によって成端ユニット3に引き込まれる構成の光配線盤の場合は、配線棚37に配線されたジャンパ用光ファイバ5が配線棚37の第2配線用空間27b側の端部から延出されて、第2配線用空間27bにジャンパ用光ファイバ5の余長が収納されるようにする。
図5に示すように、配線ステージ39は、平面視L字形に形成されたステージ本体391と、このステージ本体391上に設けられたコードクランプ392(392A、392B、392C)とを具備して構成されている。ステージ本体391は、成端ユニット3のユニット本体38に隣設されて配線棚37から該ステージ本体391上に引き込まれるジャンパ用光ファイバ5を受け入れる受け入れ台部391aと、この受け入れ台部391aから配線棚37とは反対の側に延出する第1配線台部391bと、受け入れ台部391bから背面側(図5上側)に延出する第2配線台部391cとを具備する。ステージ本体391は、受け入れ台部391aと、第1配線台部391bと、第2配線台部391cとによって、ジャンパ用光ファイバ5が配線されるL字形の上面(配線面394)を有する。配線棚37からステージ本体391上(詳細には受け入れ台部391a)に引き込まれたジャンパ用光ファイバ5は、受け入れ台部391aから2つの配線台部391b、391c(第1配線台部391bと第2配線台部391c)とに振り分け配線され、各配線台部391b、391cの受け入れ台部391aからの延出先端から第1配線用空間27aに垂れ下げるようにして配線される。
なお、図1、図5等において、符号393は、受け入れ台部391aから延出された第1配線台部391b、第2配線台部391cの先端に設けられたRガイドである。第1配線台部391b、第2配線台部391cの先端から垂れ下げられるジャンパ用光ファイバ5は、Rガイド393上の湾曲配線面393aに配線して、第1配線台部391b、第2配線台部391cから垂れ下げることで、光特性に影響を与えない充分な湾曲半径が確保される。
また、ジャンパ用光ファイバ5の余長53の上下延在部53bを集合配線した2本の集合配線部54a,54bの間には、ラック2に突設されて第1配線用空間27aの上下方向の複数箇所に設けられたコードガイド27cが介在配置されている。このため、第1配線用空間27a内においては、2本の集合配線部54a、54bの上下延在部53bを、コードガイド27cによって明瞭に区分けして配線できる。
図1、図5等に示すように、コードクランプ392は、ステージ本体391上に立設された2本のガイド片392aを有するU字状のコード挿通部材392bと、このコード挿通部材392bの2本のガイド片392aの間に架設され2本のガイド片392aに案内されて昇降するクランプ片393cとを具備し、クランプ片393cを下降させて、2本のガイド片392a間のコード挿通空間393dに挿通されているジャンパ用光ファイバ5を、コード挿通部材393b下部のコード受け部393eに押し付けるようにすることで、ジャンパ用光ファイバ5を固定できる。2本のガイド片392aは、コード受け部393e上に突設されている。また、クランプ片393cを上昇させれば、ジャンパ用光ファイバ5の固定を解除できる。クランプ片393cは、コード受け部393eの両端に立設されている2本のガイド片392aの上端から着脱できるようになっており、クランプ片393cを2本のガイド片392aから離脱して、コード挿通部材392bの内側のコード挿通空間393dの上端を開放することで、コード挿通部材392bに対するジャンパ用光ファイバ5の収納及び取り出しを簡単に行える。
なお、コードクランプ392としては、受け入れ台391a、2つの配線台部391b、391cにそれぞれ配線されるジャンパ用光ファイバ5を、複数本、一括してクランプ(及びクランプ解除)できる構成のものであれば良く、上述の構成のものに限定されず、様々な構成のもの採用できる。
また、図1,図2に示すように、この光配線盤1では、前記配線ステージ37の、光ファイバ(ジャンパ用光ファイバ5、外部光ファイバ6。以下、「光コードJ」と総称する場合がある)が配線される上面である配線面394は、上昇位置37Aにあるときの前記配線棚37の配線面375よりも下方に位置する。配線ステージ37は、上昇位置37Aにあるときの前記配線棚37の配線面375よりも下方に設置されている。但し、配線ステージ37の上下方向の設置位置は、配線ステージ37の配線面394と前記配線棚37の配線面375との高低差が、配線棚37が前記上昇位置37Aにあるときに比べて下方傾斜位置37Bにあるときの方が小さくなるように設定される。これにより、配線棚37を上昇位置37Aから下方傾斜位置37Bに回転移動したときに、配線棚37の配線面375と配線ステージ39の配線面394との高低差の縮小によって、配線棚37上に配線されている光コードJに余長が発生する。
また、余長発生により、配線棚37上の光コードJをユニット前面側へ確実に引き寄せるといったことが容易となるため、引き寄せによって、光配線盤1の前面側(換言すれば、成端ユニットの前面側)から、配線棚37上の光コードJの取り出す作業を効率良く行えるようになる。
これにより、光配線盤1に設けられている複数の成端ユニット3のコネクタモジュール33の光コネクタ31に対する光コードJの切替接続等の作業を効率良く行える。
また、この引き寄せによって、成端部のコネクタ配列部の光コネクタに接続されている光コードが、それぞれ、コネクタ配列部から配線盤前面側に向かって延びるように、向きを整えることができ、特許文献3に例示したような光コネクタ着脱工具を使用して、光コードJ先端の光コネクタ(光コネクタプラグ)を光コネクタ31に対して着脱するといった作業に有利であり(工具を光コネクタ31の近傍に差し込みやすくなるなど)、作業性を向上できる。
成端ユニット3では、特許文献2記載のような光ファイバ保持具を使用しなくても、配線棚37の上昇位置からの下降に伴う光コードJの配線ステージ側への引っ張りによる光コードJの曲げの影響を解消して、コネクタ配列部の光コネクタ31に対する、光コードJ先端の光コネクタの着脱の作業性を確保できる。
また、配線棚37を上昇位置37Aから下方傾斜位置37Bに回転移動したときの、配線棚37の配線面375と配線ステージ39の配線面394との高低差の縮小量が、数cm〜20cm程度(例えば、2〜20cm)確保されていることが、余長発生の点で好ましい。
図1等に示すように、配線ステージ3の受け入れ台部391aは、成端ユニット3において、前記配線棚37(詳細には、配線棚37の配線ステージ3に臨む側の端部)から背面側にずれた位置に設置されている。このため、配線棚37を下方傾斜位置37Bから上昇位置37Aに回転移動したときに、配線棚37上の光コードJが配線ステージ39側に引っ張られていくと、光コード3の、成端ユニット3の前面側にて配線棚37に沿って横方向に配線された部分の、成端ユニット3の前後方向の位置が、配線ステージ3の受け入れ台部391aのクランプ392Aと同じに揃えられていく。
この結果、下方傾斜位置37Bから上昇位置37Aへの配線棚37の移動が完了すれば、例えば、作業者が不用意に工具等で配線棚37上の光コードJに触れてしまう、等の不都合が生じにくくなる。
ここで、外部光ファイバ6としては、例えば、伝送装置に接続された光ファイバ等である。また、この外部光ファイバ6としては、先端が、成端ユニット3の光コネクタ31に着脱可能に接続できる光コネクタ61によってコネクタ成端された、コネクタ付き光ファイバである。ここでは具体的にはコネクタ付き光ファイバコードであり、本発明に係る光コードとして機能し得る。外部光ファイバ6は、成端ユニット3の前面側に引き込んで、先端の光コネクタ61を目的の回線の光コネクタ31に接続することで、光ファイバケーブル4の目的の光回線と光接続される。
また、この外部光ファイバ6は、第1配線用空間27aを経由させて、2本の集合配線部54a、54bのジャンパ用光ファイバ5と同様に、目的の成端ユニット3まで引き回し配線される。
また、光ファイバケーブル4の光ファイバ41を融着する、接続用光ファイバ32の融着用ピグテイル32aは、上下多段の成端ユニット3に振り分けて設けられている。さらに、各成端ユニット3において、複数の融着トレー35に振り分けて収納されている。このため、光ファイバケーブル4の光ファイバ41を融着する、目的の融着用ピグテイル32aの収納場所は判りやすく、融着用ピグテイル32aの融着トレー35からの取り出しを迅速に行える。
例えば、図2等では、配線ステージ39の配線面394の上下方向の位置が、下方傾斜位置37Bにあるときの配線棚37の配線面375よりも若干下方にずれた位置に設定されている例を示したが、本発明では、配線ステージ39の配線面394の上下方向の位置が、下方傾斜位置37Bにあるときの配線棚37の配線面375よりも若干上方にずれた位置に設定されている、構成も採用可能である。
(a)多心テープファイバ部321の片端が、2心以上の多心のテープファイバ状の複数本の分岐ファイバ部322に分岐されているもの。但し、複数本の分岐ファイバ部の心数の合計は多心テープファイバ部の心数と同じであるため、各分岐ファイバ部は、多心テープファイバ部よりも少心の多心テープファイバとなっている。各分岐ファイバ部の先端には、コネクタ成端用の光コネクタが設けられ、各光コネクタがコネクタモジュールの前面側に配列設置されることは、上述の実施形態と同様である。
(b)単心の光ファイバ心線、光ファイバ素線、といった1本の単心光ファイバの片端(一端部)に光コネクタを取り付け、他端部を融着用ピグテイルとしたもの。
(c)多心光ファイバテープ心線の片端(一端部)に光コネクタを取り付け、他端部を融着用ピグテイルとしたもの。
ここで、上記(a)、(c)では、接続用光ファイバのコネクタ成端用の光コネクタとしても多心用のものを用いる。接続用光ファイバにコネクタ接続する、ジャンパ用光ファイバ、外部光ファイバとしても多心のものを用いる。ジャンパ用光ファイバの両端をコネクタ成端する光コネクタ、外部光ファイバの先端をコネクタ成端する光コネクタは、多心用のものを採用する。
Claims (6)
- 光ファイバ(32、322)をコネクタ接続可能に成端した光コネクタ(31、311、324)が複数配列設置されたコネクタ配列部(31A)を前面側に有し、前記コネクタ配列部から背面側に前記光ファイバが配線された構成の成端部(33)を具備するユニット(3)が上下多段に設けられた光配線盤であって、
前記ユニットは、前記成端部と、前記成端部の下側から前面側に張り出すように突設された配線棚(37)と、ユニットの側部に設けられた配線ステージ(39)とを具備し、前記配線棚と前記配線ステージとによって、ユニットの前面側から前記コネクタ配列部の前記光コネクタに着脱可能に接続される光コネクタ付きの光コード(5、6、J)が配線される配線部が構成され、
前記配線棚は、前記ユニットにおいて前記成端部の下側に設けられた回転支持部(373)によって上下回転可能に支持され、回転によって、前記光コードが配線される上面である配線面(375)が水平あるいはほぼ水平となる上昇位置(37A)と、この上昇位置から下方に傾動されて前記配線面が傾斜した向きとなる下方傾斜位置(37B)とを、切り換え可能であり、
前記配線ステージは、該配線ステージの前記光コードが配線される上面である配線面(394)と前記配線棚の配線面との高低差が、配線棚が前記上昇位置にあるときに比べて下方傾斜位置にあるときの方が小さくなるように、前記上昇位置に設置された前記配線棚の配線面よりも下方に設置されていることを特徴とする光配線盤(1)。 - 前記配線棚の、前記回転支持部回転による回転中心からユニット前面側に延出する前面部上に、コード脱落防止片が突設されていることを特徴とする請求項1記載の光配線盤。
- 前記成端部が、前記コネクタ配列部を前面側に有し、前記コネクタ配列部の光コネクタによってコネクタ接続可能に成端された光ファイバを収納するボックス状のコネクタモジュール(33)であることを特徴とする請求項1又は2記載の光配線盤。
- 前記ユニットは、前記コネクタモジュールの下側に、前記コネクタモジュールから延出された光ファイバ(32a)と別の光ファイバとの融着接続部(34)を収納する融着トレー(35)を具備することを特徴とする請求項3記載の光配線盤。
- 前記配線ステージ上には、光コードが、前記配線棚側から互いに異なる複数方向に延びる複数の配線ルートで配線されるようになっており、前記光コードを把持するコードクランプ(392、392A、392B、392C)が、前記光コードの複数の配線ルートに応じた互いに異なる複数箇所に設けられている請求項1〜4のいずれかに記載の光配線盤。
- 前記配線ステージは、前記配線棚から光コードが引き込まれる受け入れ台部(391a)を有し、前記配線ステージの配線面には、前記光コードが、前記受け入れ台部から、互いに異なる複数方向に延びる複数の配線ルートで配線されるようになっており、
前記受け入れ台部は、前記ユニットにおいて、前記配線棚から、該配線棚が設けられている前面側とは逆の背面側にずれた位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光配線盤。
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