JP2008223877A - ピアスナット付きアルミニウム合金押出形材 - Google Patents
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Abstract
【課題】中空のアルミニウム合金押出形材の中空内部からピアスナットを打ち込んで固定する場合において、ナット本体部の中空内部への出っ張りを小さく又はなくする。
【解決手段】ピアスナット2が打ち込まれる板状壁13の内壁面側に、押出方向に沿って所定幅の溝17を形成し、この溝17内にピアスナット2を打ち込む。溝17内とその両側部13aの板厚差(溝の深さ)の分だけ、ピアスナット2が板状壁13の内壁面13bから中空内部に突出する距離Sが小さくなっている。溝17内の板状壁を薄肉とすることで、ピアスナット2の打ち込みが容易となる。
【選択図】 図1
Description
その取り付け手段として、例えばナットプレートの適用が考えられる。具体的には押出形材の中空内部にプレートの差し込み口を一体成形し、そこにナットプレートを差し込む。しかし、組立作業時に長尺の押出形材の中空内部の所定位置にナットプレートを差し込むのは作業者の負荷が大きく、また、ナットプレートの数が多くなるとプレート分の重量増加が問題となる。
本発明は、中空のアルミニウム合金押出形材に他部材をボルト接合し、又は中空押出形材を他部材にボルト接合するため、前記押出形材の中空内部からピアスナットを打ち込んで固定する場合において、ナット本体部の中空内部への出っ張りを小さく又はなくして、上記問題を軽減し又は解消することを目的とする。
本発明の具体的形態として、例えば、(1)前記板状壁は、前記溝の内部の肉厚がその両側の肉厚より薄肉に形成されている、(2)前記板状壁の内面に押出方向に沿った2つの突起が所定間隔を置いて形成され、両突起の間に前記溝が構成されている、(3)前記板状壁が幅方向に略均一の肉厚で形成され、外壁面側にその溝に対応する凸条が形成されている、(4)前記ピアスナットの中空内部側の端面が前記溝の上縁(両側とも又はいずれか一方)と面一又はそれより溝底側に位置している、等が挙げられる。
板状壁3の外壁面側では、外壁面3aの高さとピアスナット2の外側端面(パイロット部7の端面)の高さが略面一とされ、板状壁3の内壁面側では、ナット本体8が押出形材1の中空内部に突出している。
板状壁13をみると、溝17は内壁面13b側に形成され、外壁面13c側は平担である。従って、図1に示すピアスナット付きアルミニウム合金押出形材と比較すると、板状壁13の溝17とその両側部13aの板厚差の分だけ、ピアスナット2が板状壁13の内壁面13bから中空内部に突出する距離S(内壁面13bとピアスナット2の中空内部側の端面2aの距離)が小さくなっている。
板状壁23をみると、溝27は内壁面23b側に形成され、外壁面23c側は平らである。溝27の深さはピアスナット2の本体部8の高さとほぼ同じとされているため、ピアスナット2の中空内部側の端面2aが、溝27の上縁(板状壁23の内壁面23b)とほぼ面一の高さに位置している。
前記溝37の深さはピアスナット2の本体部8の高さとほぼ同じとされているため、ピアスナット2の中空内部側の端面2aが、前記溝37の上縁(両側部33aにおける内壁面33b)とほぼ面一の高さに位置している。
なお、溝37の深さがピアスナット2の本体部8の厚みより小さい場合、ピアスナット2の端面2aがアルミニウム合金押出形材31の内部空間へ突出するが、その突出距離はピアスナット2の本体部8の厚みより小さい。
打ち込み装置は、定盤41と、定盤41上に立設する図示しないスタンドに水平に、かつ定盤41上の高さ調整自在に支持された芯型42と、芯型42内に鉛直方向に形成された縦穴に上下摺動自在に支持された打ち込みパンチ43と、芯型42内に水平方向に形成された横穴に摺動自在に支持され、かつ前記スタンドに設置された図示しない駆動源により水平方向に進退するくさび44と、打ち込みパンチ43の上方位置において図示しない駆動源により上下動可能とされたかしめダイス45からなる。
芯型42の上面にはピアスナット2を打ち込みパンチ43まで導く溝状の供給通路48が水平方向に形成され、下面には仮想線で示す打ち込み済みのピアスナット2との干渉を防止するための凹溝49が水平方向に形成されている。この凹溝49は対向する板状壁3,5(又は4,6)の両方に、アルミニウム合金押出形材1の押出方向に沿って1個又は複数個のピアスナット2を打ち込む場合に必要となる。
ピアスナット2の打ち込みが終わると、かしめダイス45を上方に移動し、くさび44を後退させて打ち込みパンチ43を下方に移動させ(図8の位置)、アルミニウム合金押出形材1を芯型42から抜き出す。このとき、板状壁3に打ち込まれたピアスナット2は、芯型42の上面に形成された通路50を芯型42と干渉することなく通過する。ピアスナット2をアルミニウム合金押出形材1の押出方向に沿って複数箇所打ち込む場合は、アルミニウム合金押出形材1を定盤41上で押出方向に移動させて所定位置にセットし、上記工程を繰り返す。
アルミニウム合金押出形材61は、板状壁63〜66からなり、各板状壁63〜66の内壁面側に溝67が形成され(外壁面側は平坦)、かつ各板状壁63〜66の外壁面側に一対のガイド溝68,68が形成されている。各板状壁64〜66の溝67内にはすでにピアスナット2Aが打ち込まれている。
なお、アルミニウム合金押出形材61は溝67を備え、ピアスナット2Aは前記溝67内に打ち込まれるため、溝67の深さの分だけピアスナット2A(板状壁65の溝に打ち込まれたピアスナット)の中空内部への突出量が少なく、打ち込み装置の凹溝49の深さを小さくできる。また、下方だけでなく上方にも打ち込み装置とアルミニウム合金押出形材の間に余裕ができる。従って、より小さい断面サイズのアルミニウム押出形材への適用が可能となる。
アルミニウム合金押出形材71は、板状壁73〜76からなり、各板状壁73〜76の内壁面側に一対の突起79,79が形成され(この点のみでアルミニウム合金押出形材61と異なる)、これにより溝77が構成され(外壁面側は平坦)、かつ各板状壁73〜76の外壁面側に一対のガイド溝78,78が形成されている。また、溝77の内部の肉厚はその両側の肉厚より薄肉に形成されている。各板状壁74〜76の溝77内にはすでにピアスナット2Bが打ち込まれ、溝77の深さはピアスナット2Bの本体部の厚みより大きいため、ピアスナット2Bの端面2Baが溝77の上縁(突起79の先端79a)より溝底側に位置して、ピアスナット2Bは溝77内に収まり、アルミニウム合金押出形材71の内部空間に突出していない。
なお、溝77の内部の肉厚がその両側の肉厚より薄肉に形成されていない場合でも、溝77の深さをピアスナット2Bの本体部の厚みと同等又は大きくすることにより、ピアスナット2Bを溝77内に収め、アルミニウム合金押出形材71の内部空間に突出しないようにすることができる。
また、溝77の深さがピアスナット2Bの本体部の厚みより小さい場合、ピアスナット2Bの端面2Baがアルミニウム合金押出形材71の内部空間へ突出する(突起79の先端79aから出っ張る)が、その突出距離はピアスナット2Bの本体部の厚みより小さい。
アルミニウム合金押出形材81は、均一な肉厚の板状壁83〜86からなり、板状壁83の内壁面側に溝87a,87b(外壁面側からみれば突条)が形成されている。溝87a,87b内の板状壁(溝の底部)は平らであり、板状壁83に対向する板状壁85は平坦部85aと非平坦部85bからなり、溝87aが平坦部85aに対向し、溝87bが非平坦部85bに対向している。溝87a内にはすでにピアスナット2Cが打ち込まれ、溝87aの深さはピアスナット2Cの本体部の厚みより大きいため、ピアスナット2Cの端面2Caが溝87aの上縁(両側の内壁面83a)より溝底側に位置して、ピアスナット2Cは溝87内に収まり、アルミニウム合金押出形材81の内部空間に突出していない。
この例では、溝87aへのピアスナット2Cの打ち込み後、定盤41上でアルミニウム合金押出形材81とスペーサ58を横滑りさせ(図6の状態)、続いて溝87bへの打ち込みを行っている。
2,2A,2B,2C ピアスナット
13〜16,23〜26,33〜36,63〜66,73〜76,83〜86 板状壁
17,27,37,67,77,87 溝
53,55,57,58 スペーサ
54,56 ガイド突条
68,78 ガイド溝
79 突起
Claims (6)
- 中空断面部を有するアルミニウム合金押出形材の前記中空断面部を構成する板状壁に中空内部からピアスナットが打ち込まれ、該ピアスナットのナット本体部が中空内部に配置されたピアスナット付きアルミニウム合金押出形材において、ピアスナットが打ち込まれる前記板状壁の内壁面側には押出方向に沿って所定幅及び所定深さの溝が形成され、前記ピアスナットが前記溝内に打ち込まれていることを特徴とするピアスナット付きアルミニウム合金押出形材。
- ピアスナットが打ち込まれる前記板状壁は、前記溝の内部の肉厚が溝の両側より薄肉に形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたピアスナット付きアルミニウム合金押出形材。
- ピアスナットが打ち込まれる前記板状壁の内壁面側に押出方向に沿った2つの突起が所定間隔を置いて形成され、両突起の間に前記溝が構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載されたピアスナット付きアルミニウム合金押出形材。
- ピアスナットが打ち込まれる前記板状壁は、幅方向に略均一な肉厚で形成され、外壁面側に前記溝に対応する凸条が形成されていることを特徴とする請求項1に記載されたピアスナット付きアルミニウム合金押出形材。
- 前記ピアスナットの中空内部側の端面が前記溝の上縁と面一又はそれより溝底側に位置していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載されたピアスナット付きアルミニウム合金押出形材。
- 前記中空断面部を構成するいずれか1又は2以上の板状壁の外壁面側に押出方向に沿って、送り用ガイド溝又はガイド突条が形成されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載されたピアスナット付きアルミニウム合金押出形材。
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