JP2008222032A - 電気自動車用ケーブル接続構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】取り外し可能な電気機器2に導線ケーブル端子6Aが接続された、電気自動車用ケーブル接続構造であって、取り外し方向に対して法線方向が傾斜した傾斜面21Cを有する電気機器本体21と、これに隣接して別体に形成され、導線ケーブル6を挿通する挿通用開口28を有するとともに、傾斜面21Cに沿って密着する密着面25を有する箱状の端子接続部22と、電気機器本体21内部から端子接続部側22に突出し、端子接続部22の内部において導線ケーブル端子6Aと電気的に接続されたバスバー23と、傾斜面21Cと密着面25とを貫通する接合用ボルト18A〜18Dとを有する。
【選択図】 図1
Description
電気自動車は、一般に、バッテリ等からの電力をケーブルにより導き、車両の走行駆動用のモータに給電するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
図9に示すように、この電気自動車(車両)100は、車両100を駆動するための走行駆動用モータ101と、内部にインバータやコントローラ(いずれも図示略)を有するMCU(モータコントロールユニット)102と、充電器(図示略)を内部に備えたDC/DCコンバータ103とを有している。
これらの走行駆動用モータ101,MCU102及びDC/DCコンバータ103は、図示しないブラケット等を介してモータマウントフレーム104に固定されており、このモータマウントフレーム104は図示しない車両100のクロスメンバに固設されている。
そして、MCU102と走行駆動用モータ101及びMCU102とバッテリとは、複数の導線ケーブル106を介して電気的に接続され、バッテリからMCU102に直流電流が供給され、MCU102内のインバータにより三相交流電流に変換された上で走行駆動用モータ101に電力が供給されるようになっている。
ここで、導線ケーブル106とMCU102との接続部の構成についてより詳しく説明する。図10に示すように、MCU102には、下方に配設されたモータ101及びバッテリとMCU102との間を接続する導線ケーブル106の端子106Aを接続するための端子接続部102Aが形成されている。この端子接続部102Aは、MCU本体102Bの上部が片持梁状に水平方向に張り出すように形成されている。
一方、導線ケーブル106は、端子接続部102Aの下方からフランジ111を介してMCU102内に挿入されており、フランジ111はボルト112により端子接続部102の下面に圧着されている。これにより、導線ケーブル106の挿入部からMCU102内部への水の浸入を防止できるようになっている。
ところで、図9,図10を用いて説明した車両100において、MCU102よりも下方に配設されたモータ101等の機器のメンテナンスを行う場合には、図11に示すように、MCU102を車両100から取り外す必要がある。もちろん、MCU102自体のメンテナンスを行う際にもMCU102を車両100から取り外す必要がある。
なお、上述したような電気自動車に用いられる導線ケーブル106は径が大きく剛性が高いため、弾性変形し難い。このため、仮に導線ケーブル106に十分な余長を与えても、この余長分の弾性によりMCU102を上方に押し上げようとする力が加わり、通常の設置において端子106Aに不要な負荷がかかる。また、反対に導線ケーブル106の余長を少なめに設定した場合には、導線ケーブル106の剛性により、MCU102を持ち上げる際にさらに大きな負荷が加わり、作業性が低下するという課題もある。
また、電気機器の取り外し方向についても上下方向に限らず、電気機器の取り外し方向とは異なる方向から導線ケーブルが接続されている場合には同様の課題が生じる。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、電気機器の車両からの取り外し方向とは異なる方向から電気機器に導線ケーブルが接続された電気自動車において、メンテナンス作業性の向上を図るとともにコストを低減できるようにした、電気自動車用ケーブル接続構造を提供することを目的とする。
また、該取り外し方向とは鉛直方向であって、該端子接続部は該電気機器本体の側面に隣接するように配設されていることが好ましい(請求項3)。
また、電気機器本体の取り外し側端面が、端子接続部の取り外し側端面よりも、取り外し側の位置に配設されていることが好ましい。即ち、端子接続部の取り外し側端面が電気機器本体の傾斜面の最上端及びそれよりも下方から水平に延在するように形成することが好ましい。
さらに、電気機器本体と端子接続部とが、傾斜面及び密着面のみで接合しているため、この接合面のみにシーリング処理を行うだけで十分な液密性を得ることができ、導線ケーブルの接続構造を簡素化できる。
本発明の電気自動車用ケーブル接続構造(請求項4)によれば、導線ケーブルの端子とバスバーとを確実に接続することができるとともに、アクセス窓を介して導線ケーブルの端子とバスバーとの脱着作業を取り外し方向側から容易に行うことができる。
また、端子接続部の密着面に板状のボルト締結部を設けることにより、接合用ボルトが端子接続部の内部の空間を通過することが無いため、接合用ボルトを強固に締結した場合の端子接続部の変形等を考慮する必要が無く、電気機器本体と端子接続部とをより強固に締結することができる。これにより、電気機器本体と端子接続部との密着性を向上させ、液密性の向上図ることができる。さらに、使用する接合用ボルトをより安価なネジ部の短いものを用いることができるという効果もある。
これらの走行駆動用モータ1,MCU2及びDC/DCコンバータ3は、図示しないブラケット等を介してモータマウントフレーム4に固定されており、このモータマウントフレーム4は図示しない車両50のクロスメンバに固設されている。
そして、MCU2と走行駆動用モータ1及びMCU2とバッテリとは、それぞれ導線ケーブル6を介して電気的に接続され、バッテリからMCU2に直流電流が供給され、MCU2内のインバータにより三相交流電流に変換された上で走行駆動用モータ1に電力が供給されるようになっている。
なお、電気自動車である車両50において、MCU2,走行駆動用モータ1及びDC/DCコンバータ3等には、比較的大電流を導通する必要があり、導電時の発熱等を抑制するため、導線ケーブル6は比較的径が大きく剛性が高いものに設定されている。
また、図1,図3に示すように、MCU2は、車両50のフロア40に設けられたメンテナンス用のフロア開口40Aを通して、鉛直方向(取り外し方向)に車両50から取り外し可能となっている。
ここで、複数の導線ケーブル6とMCU2との接続部の構成についてより詳しく説明する。
MCU本体21は内部にインバータ及びコントローラ(いずれも図示略)を収納しており、MCU2の主要部をなしている。
図4に示すように、傾斜面21Cには、開口部(連通用開口部)24が形成されており、この開口部24を通じて複数のバスバー23がMCU本体21の内部から後方に略水平に突出している。
一方、端子接続部22は、MCU本体21の後方側に隣接してMCU本体21とは別体に配設されており、内部にケーブル6の端子6Aやバスバー23の他端側を収納するための空間を有するように箱状に形成されている。
以下、説明を容易にするために、端子接続部22を端子接続箱部22Aと取付部22Bとに区分して説明する。なお、端子接続部22のMCU本体21の後側面21Bよりも車両後方側に位置する部分を端子接続箱部22Aとし、この端子接続箱部22Aよりも車両前方側に位置する部分を取付部22Bとする。
まず、端子接続箱部22Aについて説明すると、図1に示すように、端子接続箱部22Aの下面には、MCU2よりも下方から鉛直方向(即ち、MCU2の取り外し方向)に沿って複数の導線ケーブル6を挿通しうるように導線ケーブル6と同数の挿通用開口28が穿設されている。そして、各導線ケーブル6は、フランジ11を介して挿通用開口28に挿通されている。
なお、端子台13は端子接続部22に固設されており、上面にはボルト14に対応する図示しないボルト穴が穿設されている。
また、図5に示すように端子接続部22の上面には、上方からボルト14の締結作業を行うために、開閉可能な作業窓(アクセス窓)16が設けられている。
そして、開口部26の周囲には、防水用のシーリング部材(パッキン)27が設けられている。また、パッキン27の四隅の外側近傍には各ボルト18A〜18D(図1,図3及び図5参照)に対応するボルト穴が穿設されている。
つまり、取付部22B及びMCU本体21の傾斜面21Cにはボルト18A〜18Dに対応したネジ溝を有する複数のボルト穴(図示略)が切設されており、各ボルト18A〜18Dが傾斜面21Cに対して垂直な方向(即ち、法線Pと略同方向であり、ここでは後方斜め上方)から取付部22B及び傾斜面21Cの対応するボルト穴にそれぞれ螺合することにより取付部22BとMCU本体21とが接合されている。また、MCU本体21と端子接合箱22との間には液密性を保持するためのパッキン(シール部材)27が設けられており、各ボルト18A〜18Dによる締結により、外部接合部22CとMCU本体21との間に水が浸入することを防止してMCU2の液密性が確保されるようになっている。
なお、図1では理解を容易とするため、取付部22BやMCU本体21の内部にあるボルト18A〜18Dについて実線で表示している。
即ち、車両50からMCU2を鉛直方向上方に取り外す場合には、作業者はまず、作業窓16を開き、作業窓16を通して各ボルト14の締結を緩め、各導線ケーブル6の端子6Aと各バスバー23とのそれぞれの接合を解除する。
これらの作業によって、MCU本体21と端子接続部22とのボルトによる接合がすべて解除されることとなる。これにより、MCU本体21は、導線ケーブル6に干渉されることなく、容易にフロア開口40Aを通じて車両50から取りはずすことができる。
次に、上方から作業窓16を通じて各導線ケーブル6の端子6Aと各バスバー23の他端のボルト穴にボルト13を螺合して各導線ケーブル6と各バスバー23とを接合した後、作業窓16を閉じる。これにより、MCU本体21と各導線ケーブル6とが電気的に接続される。
さらに、導線ケーブル6の余長を低減することができるので、剛性の高い導線ケーブル6の余長が大きい場合に、導線ケーブル6の弾性力に起因して端子6Aやバスバー23にかかる負荷を低減することができる。
図7,図8に示すように、本実施形態では、端子接続部32の形状が第1実施形態と異なっている。
端子接続箱部32Aの構成は第1実施形態と同様であり、内部にケーブル6の端子6Aやバスバー23の他端側を収納するための空間を有するように箱状に形成されている。
バスバー導入部33は、密着面25の一部をなす連通用開口部26を有する連通面(図示略)と、MCU本体21の上面(つまり、取り外し側端面)21Aと略同一平面上に位置する上面(つまり、取り外し側端面)33Aとを有しており、MCU本体21側から各連通用開口部24,26を通って突出したバスバー23を内部に収納しながら、端子接続箱部32A内の導線ケーブル6の端子6A側に導くように形成されている。
各プレート部34A,34Bはボルト締結に適した板厚に設定されており、MCU本体21の傾斜面21Cに沿うように形成されている。そして、各プレート部34A,34Bにはそれぞれボルト38A〜38Dに対応するネジ溝を有するボルト穴が上下(あるいは前後)に並列して設けられている。
なお、各開口部(連通用開口部24及び連通用開口部26)の周囲にはパッキン27が設けられ、各ボルト38A〜38Dは、パッキン27の外側の四隅を締結するようになっている。
次に作業者は、フロア40に形成されたメンテナンス用のフロア開口40Aを通して後ろ斜め上方からボルト38A〜38Dの締結を緩め、MCU本体21と端子接続部32との接合を解除して、MCU本体21を車両50から取りはずすことができる。
次に、上方から作業窓16を通じて各導線ケーブル6の端子6Aと各バスバー23の他端のボルト穴にボルト13を螺合して各導線ケーブル6と各バスバー23とを接合した後、作業窓16を閉じる。これにより、MCU本体21と各導線ケーブル6とが電気的に接続される。
さらに、端子接続部32の上端面を形成するバスバー導入部33の上面33Aが、MCU本体21の上面21Aと略同一平面上に形成されているため、端子接続部32がMCU本体21よりも上方へ突出することなく、第1実施形態のものよりも車両50内の省スペース化を図ることができるという効果を得ることができる。
上述の実施形態においては、導線ケーブルが接続される電気機器としてMCUを一例として説明したが、導線ケーブルが接続される電気機器はMCUに限定されるものではなく、どのような電気機器を適用してもよい。特に、MCUの他にDC/DCコンバータや車両駆動用モータには、比較的大きな電流を導通する必要があるため、より大径且つ大重量の導線ケーブルを接続する必要があり、より効果的なコスト低減効果及び重量低減効果を得ることができる。
また、電気機器に接続される導線ケーブルの接続方向についても、特に限定されるものではなく任意の方向であってよいが、ケーブルの配索方向が電気機器の取り外し方向と一致している場合には特に有効である。
2 MCU(モータコントロールユニット,電気機器)
3 DC/DCコンバータ
4 モータマウントフレーム
5 駆動系機構
6 導線ケーブル
6A 端子
11 フランジ
12,14,18A〜18D,38A〜38D ボルト
13 端子台
16 作業窓(アクセス窓)
21 MCU本体
21A MCU本体上面(電気機器本体の取り外し側端面)
21B MCU本体後側面
21C MCU本体傾斜面(傾斜面)
22,32 端子接続部
22A,32A 端子接続箱部
22B,32B 取付部
23 バスバー
24 開口部(連通用開口部)
25 密着面
26 開口部(連通用開口部)
27 シーリング部材(パッキン)
28 挿通用開口
33 バスバー導入部
33A バスバー導入部上面(端子接続部の取り外し側端面)
34A,34B プレート部(ボルト締結部)
40 荷室フロア
40A フロア開口
50 車両
Claims (6)
- 電動機の駆動力により走行する車両において、該車両から取り外し可能な所定の電気機器に導線ケーブルの端子が接続された、電気自動車における電気自動車用ケーブル接続構造であって、
該電気機器の主要部をなし、取り外し方向に対して、法線方向が傾斜した傾斜面を有する電気機器本体と、
該電気機器本体に隣接して該電気機器本体とは別体に形成され、該導線ケーブルを挿通する挿通用開口を有するとともに、該傾斜面に沿って密着する密着面を有する端子接続部と、
該電気機器本体から該傾斜面及び該密着面にそれぞれ設けられた連通用開口部を通って該端子接続部側に突出し、一端側が該電気機器本体の内部と電気的に接続されるとともに他端側が該端子接続部の内部において該導線ケーブルの該端子と電気的に接続されたバスバーと、
該傾斜面と該密着面とを貫通し、該電気機器本体と該端子接続部とを脱着可能に接合するための接合用ボルトと、を有している
ことを特徴とする、電気自動車用ケーブル接続構造。 - 該車両を駆動するための電力を蓄電するバッテリを有し、
該電気機器が、該バッテリから供給された電力を調整するとともに、該電動機に供給する電力を制御するモータコントロールユニットである
ことを特徴とする、請求項1記載の電気自動車用ケーブル接続構造。 - 該取り外し方向とは鉛直方向であって、
該端子接続部は該電気機器本体の側面に隣接するように配設されている
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の電気自動車用ケーブル接続構造。 - 該導線ケーブルの該端子と該バスバーとが、ボルトにより該取り外し方向から脱着可能に接続され、
該端子接続部には、該導線ケーブルの該端子と該バスバーとの脱着作業を該取り外し方向から行うために開閉可能なアクセス窓が設けられている
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気自動車用ケーブル接続構造。 - 該電気機器本体の取り外し側端面が、該端子接続部の取り外し側端面と略同一平面上に位置するように配設されている
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気自動車用ケーブル接続構造。 - 該端子接続部には、該バスバーを該連通用開口部から該導線ケーブルの該端子側に導くバスバー導入部と、
該密着面に形成され、該接合用ボルト用のボルト穴が設けられた板状のボルト締結部と、を有している
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気自動車用ケーブル接続構造。
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