JP2008221895A - 自動二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性能を確保するとともに、グリップ力の向上により、従来に比し、旋回時における操縦安定性能を向上した自動二輪車用空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】一対のビード部間にトロイド状に跨って延在するカーカス2と、そのタイヤ半径方向外側に配設されたベルト層3と、そのタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部12と、を有する自動二輪車用空気入りタイヤである。トレッド部のうち、タイヤ赤道面を中心としたトレッド展開幅の50%の領域をトレッドセンター部、その両側の各トレッド展開幅の25%の領域をトレッド側部とし、さらにトレッド側部を3等分して、トレッド端からそれぞれ領域A、領域B、領域Cとしたとき、領域Bのトレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率が、領域Aおよび領域Cのトレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率よりも高い。
【選択図】図1

Description

本発明は自動二輪車用空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、操縦安定性能の改良に係る自動二輪車用空気入りタイヤに関する。
自動二輪車は、車体を傾けて旋回するという特徴を有するため、自動二輪車用のタイヤにおいては、車体の傾きにより、路面に接地するタイヤの部分が移動する。また、直立時は速度が高く、制動力と駆動力との前後方向(タイヤ赤道方向)の力が加わる一方、車体を傾けた旋回時には、横力が主体的に加わることに加え、速度が遅くなるという特徴がある。そのため、タイヤのトレッド部の使われ方も、センター部とショルダー部とで異なることになる。特に、一般消費者やレースを行うライダーからは、バイクを大きく倒したときのグリップ力の向上が要望されている。
上記のような観点から、補強コードを略タイヤ周方向に向かう角度でらせん状に巻回してなる補強部材、いわゆるスパイラルベルトを備えるタイヤにおいて、車体を大きく倒した場合に接地する部分(トレッド端側)に柔らかいゴムを配置することでグリップ力を向上させる技術が、例えば、特許文献1,2等に開示されている。これら特許文献1,2では、トレッド部を幅方向にセンター領域とその両側のショルダー領域とに3分割して、各区域のトレッドゴムの硬度や弾性率等を変えることで、所望のタイヤ特性を発現させている。
特開平7−108805号公報(特許請求の範囲等) 特開2000−158910号公報(特許請求の範囲等)
しかしながら、自動二輪車の性能向上に伴いタイヤについても更なる性能向上が求められてきており、バイクを大きく倒したときの操縦安定性能、すなわち、グリップ力について、さらなる改善が要求されている。また、トレッドの耐摩耗性能の確保も、タイヤの重要な要求性能の一つである。
そこで本発明の目的は、上記の問題を解消して、耐摩耗性能を確保するとともに、グリップ力の向上により、従来に比し、旋回時における操縦安定性能を向上した自動二輪車用空気入りタイヤを提供することにある。
上述したように、二輪車用の空気入りタイヤでは、二輪車が車体を傾けて旋回することから、直進時と旋回時では、タイヤトレッド部が路面と接する場所が異なる。つまり、直進時にはトレッドの中央部分を使用し、旋回時にはトレッドの端部を使用するという特徴がある。また、タイヤに求められる性能も、直進時にはタイヤの周方向(赤道方向)に対する入力(即ち、加速・減速)に対してグリップすることが求められ、旋回時にはタイヤの横方向(幅方向)に対してグリップすることが求められる。
二輪車を速く旋回させるには、旋回速度にともなって大きくなる遠心力と釣り合わせるために車体を大きく倒す必要あり、さらにその遠心力分タイヤがグリップできなければならない。つまり、車体を大きく傾けたときのタイヤのグリップが不足する場合には、速く旋回できないことになるため、ここでのグリップが旋回性能に及ぼす影響は非常に大きい。そこで、タイヤのセンター部とタイヤのショルダー部とでゴム種を変更するというのが、従来の取り組みであった。
本発明者は上記のことを踏まえて、さらに旋回時のグリップを向上させるために詳細な研究を行い、特に、バイク車輌が最も大きく倒れるバンク角度(キャンバー角度=CA)45〜50°付近のグリップを集中的に向上させることに取り組んだ。これは、例えばレースにおいては旋回速度が非常に重要であり、旋回速度が速ければコーナーの次のストレートでの速度も伸びて、結果的にラップタイムが向上するからである。また、一般道路においても、旋回時のグリップを増すことは安全性に貢献できる。
自動二輪車用のタイヤでは、特に車体を大きく倒した場合の旋回性能については、タイヤのトレッドの片側の端部が接地してグリップを発生させている。車体を大きく倒して旋回する場合、図5,6に示すような接地状態となる。このときの接地形状について考察する。なお、図5,6中、それぞれ(a)は接地時のタイヤの幅方向断面図であり、(b)はその接地形状、および、図5(b)はタイヤ周方向断面について、図6(b)はタイヤ幅方向断面についての、各接地領域に対応するトレッドの変形を示す。
まず、タイヤ周方向の断面について考える。図5(a),(b)に示すように、接地形状のうちセンター寄りの領域Cとトレッド端部寄りの領域Aとでは、トレッド部の変形状態が異なっている。トレッド部のタイヤの回転方向(タイヤ周方向、またはタイヤ前後方向とも呼ぶ)の変形を見てみると、タイヤのセンター寄りではドライビング状態であり、タイヤのトレッド端部寄りではブレーキング状態である。
ここで、ドライビング状態とは、タイヤを周方向に沿って輪切りにした場合に、そのトレッドの変形が、トレッド下面(タイヤ内部の骨格部材に接している面)がタイヤ進行方向後方にせん断され、路面に接地しているトレッド表面がタイヤ進行方向前方に変形しているせん断状態であり、ちょうどタイヤに駆動力をかけたときに起こる変形である。一方、ブレーキング状態はドライビング状態の逆であり、トレッドの変形は、タイヤ内部側(ベルト)が前方にせん断され、路面に接地しているトレッド表面が後方に変形しているせん断状態であり、制動したときのタイヤの動きとなる。
図5に示すように、CAが45°のように大きな角度で傾いて旋回する場合は、タイヤに駆動力や制動力が加わっていない状態での回転でも、トレッドセンター寄りの接地領域にドライビング状態が現れ、トレッド端部寄りにはブレーキング状態が現れる。これは、タイヤのベルト部の半径の差(径差)による。自動二輪車用のタイヤでは、タイヤクラウン部が大きな丸みを帯びているため、回転軸からベルトまでの距離が、トレッドセンター部とトレッド端部とで大きく異なる。図5の場合では、接地形状のセンター寄りの位置での半径R1は、接地形状のトレッド端部寄りの位置での半径R2よりも明らかに大きい。タイヤが回転する角速度は同じであるので、ベルト部の速度(タイヤが路面に接触している場合は、路面に沿ったタイヤ周方向の速度をいう。ベルト半径にタイヤ角速度をかけたもの)は、半径の大きいR1の部分の方が速い。
タイヤのトレッド表面は、路面に接触した瞬間は、前後方向にせん断されていないが、路面に接触したままタイヤ回転にあわせて進み、路面から離れるときには前後方向のせん断変形を受けている。このとき、ベルトの速度が速いタイヤセンター寄りのトレッドはドライビング状態のせん断変形となり、タイヤのトレッド端部の方ではベルトの速度が遅いのでブレーキング変形となる。また、接地形状の中心部では、トレッドのタイヤ周方向断面での変形は殆どない状態である。
上記のことを、タイヤのトレッド展開幅で考える。CA45〜50°で旋回する場合、タイヤのトレッド幅(全幅)のほぼ1/4が接地する。図示するように、接地している1/4の領域を3等分し、トレッド端からそれぞれ領域A,B,Cと称すると、領域Aはブレーキング状態、領域Bは変形がほぼないニュートラル状態、領域Cがドライビング状態となる。以上がタイヤの赤道面についての変形である。この領域Aのブレーキング状態と領域Cのドライビング状態の変形は、タイヤ周方向にトレッドが変形されて、せん断されるため、トレッドがタイヤの周方向に滑りやすくなることを意味する。つまり、摩耗が起こるのは、領域Aや領域Cとなる。
次に、図6に示すタイヤの幅方向断面での変形を考える。横方向のトレッドの変形は、キャンバースラストを発生させる。これは、円弧の軌跡を路面の下から見た場合、キャンバーが付いていると楕円となり、ベルトが楕円弧を描くことによる。そのため、図6(b)に示すように、ベルトの軌跡は三日月状となる。一方、トレッドの表面は、路面に踏込み部で接地すると、そのまま蹴り出しに向かってまっすぐに動く。この三日月状の軌跡と直線の軌跡との差がトレッドの横せん断となる。図6(b)からわかるように、これは接地長が長い部分が横せん断量が多いことを意味する。すなわち、領域A、領域B、領域Cのうち、CA45°〜50°の接地状態では領域Bの接地長が最も長く、領域Bで最も横せん断が大きくなる。領域Aおよび領域Cは接地長が短いため、領域Bほど力を生じない。領域AやCでは、幅方向の変形よりも、図5に関して述べたタイヤ周方向(赤道方向)の変形の方が強い。
上記のようなトレッドの挙動を踏まえて、本発明者はさらに鋭意検討した結果、上記領域A〜Cの弾性率を所定に規定することにより、CA45°〜50°でのグリップ力を高めるとともに、トレッド表面の摩耗を抑制できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の自動二輪車用空気入りタイヤは、左右一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコアと、該一対のビード部間にトロイド状に跨って延在する少なくとも1枚のカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設された少なくとも1枚のベルト層と、該ベルト層のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部と、を有する自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
前記トレッド部のうち、タイヤ赤道面を中心としたトレッド展開幅の50%の領域をトレッドセンター部、該トレッドセンター部の両側の各トレッド展開幅の25%の領域をトレッド側部とし、さらに該トレッド側部を3等分して、トレッド端からそれぞれ領域A、領域B、領域Cとしたとき、
領域Bのトレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率が、領域Aおよび領域Cのトレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率よりも高いことを特徴とするものである。
本発明においては、領域A、領域Bおよび領域Cのそれぞれのトレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率が、領域B>領域C>領域Aの関係を満足することが好ましい。また、領域Bのトレッドゴムが内側と外側との2層からなり、該内側トレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率が、該外側トレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率よりも高いことが好ましい。さらに、領域Aおよび領域Bのトレッド表面をなすトレッドゴムは、好適には同種のゴムからなる。さらにまた、本発明は、前記40℃における100%伸び時の平均の弾性率が、100℃における100%伸び時の平均の弾性率である場合も有効である。
本発明によれば、上記構成としたことにより、耐摩耗性能を確保するとともに、グリップ力の向上により、従来に比し、旋回時における操縦安定性能を向上した自動二輪車用空気入りタイヤを実現することが可能となった。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の一好適例に係る自動二輪車用空気入りタイヤの幅方向断面図を示す。図示するように、本発明の自動二輪車用空気入りタイヤ10は、左右一対のビード部11にそれぞれ埋設されたビードコア1と、一対のビード部11間にトロイド状に跨って延在する少なくとも1枚のカーカス2と、そのタイヤ半径方向外側に配設された少なくとも1枚のベルト層3と、ベルト層3のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部12と、を有している。
本発明のタイヤ10においては、図示するように、トレッド部12のうち、タイヤ赤道面を中心としたトレッド展開幅の50%の領域をトレッドセンター部、その両側の各トレッド展開幅の25%の領域をトレッド側部と定義する。ここで、トレッドを展開するとは、幅方向に丸みをもつトレッドを、弧の長さが直線になるように平面にするという意味であり、本発明においては、この展開幅を100としたときに、トレッドセンター部の50の部分をトレッドセンター領域として、それ以外をトレッド側部とした。すなわちトレッド側部は、左右それぞれ25となっている。
タイヤがキャンバー角度45°〜50°で路面に接地するとき、一般的なバイクにおいては、タイヤの側部が路面に接地している。すなわち、上記の片側25のトレッド側部の領域が路面に接地する。本発明においてはこのトレッド側部をさらに3等分して、トレッド端からそれぞれ領域A、領域B、領域Cと定義している。3等分したのは、図5,図6に示したように、自動二輪車がCA45°〜50°で旋回するときに、領域A、領域B、領域Cと3つに分けた場合に、それぞれの領域が特徴的な挙動を示すからである。すなわち、タイヤ周方向の断面については、前述の通り、領域A:ブレーキング、領域B:ニュートラル(変形無し)、領域C:ドライビング変形となり、タイヤ幅方向の断面については、領域A:横せん断が小さい、領域B:横せん断が大きい、領域C:横せん断が小さいとなる。
上記領域A〜Cについて、本発明においては、領域Bのトレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率が、領域Aおよび領域Cのトレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率よりも高く設定されていることが重要である。すなわち、領域Bの弾性率を、他の2つの領域よりも大きくすることを規定したものであり、この場合、領域Bの弾性率が領域A,Cよりも大きければよく、領域Aおよび領域Cの弾性率については、双方が同じでも、どちらかが大きくてもかまわない。
ここで、各領域の弾性率を、平均の弾性率としているのは、自動二輪車の場合はトレッドに厚みがあるため、トレッドの厚さ方向に異種ゴムを用いる場合があるからである。したがって例えば、トレッドを2層にして、内側を高い弾性率、外側を低い弾性率とした場合などにおいては、2層の厚みが同一であれば単純に双方の弾性率の平均となり、厚みが異なれば、厚み(体積)を考慮した平均化を行なうことになる。例えば、内側トレッドゴムの厚みが3mmで弾性率が100、外側トレッドゴムの厚みが4mmで弾性率が150の場合には、下記式、
(100×3+150×4)/(3+4)=129
より、平均の弾性率は129となる。
また、厚み方向ではなく、トレッドの幅方向にも弾性率が変わっている場合がある。例えば、領域Bをタイヤ周方向に平行な断面で2つに分割し、幅方向のタイヤセンター側とトレッド端部側とで異なるゴムを使っている場合などがこれに該当し、この場合も体積に応じて弾性率を平均化して考える。これが、本発明における平均の弾性率の意味である。
本発明において、領域Bの弾性率を高くすることを規定したのは、領域Bの弾性率を高くすると、キャンバースラスト(横方向の力)が高くなるからである。図5に示すように、CA45°〜50°で旋回する自動二輪車用のタイヤには、領域A:ブレーキング、領域C:ドライビングという横力(キャンバースラスト)には寄与しない縦方向(タイヤ赤道方向、周方向)の変形が発生している。この変形によるせん断力が大きくなると、トレッドは路面に付いていられなくなり、周方向に滑る。この滑りによって摩耗が発生する。そこで本発明においては、領域Bの弾性率を高くし、領域AおよびCの弾性率を低くすることを規定した。領域AおよびCの弾性率は小さいため、タイヤ周方向の変形が発生しても、せん断力は小さくてすむ。そのためトレッドが路面から滑らずに粘着できる。これにより、領域AおよびCで摩耗量が抑制されるのである。
一方、横方向の変形を確認すると、図6に示すように、領域Bの横方向(タイヤ周方向に対して90°の方向)のせん断量が最も大きく、領域AおよびCのせん断量は小さい。すなわち、本発明のように領域Bの弾性率を高くすれば、領域Bで大きなキャンバースラストを稼ぐことができ、非常に効率的である。一方、領域AおよびCのせん断量はもともと少ないので、弾性率を下げてもキャンバースラストの低下量はあまり大きくない。逆に、領域AおよびCの弾性率を下げるとタイヤ周方向に領域AおよびCが滑らなくなり、トレッドが粘着するので、領域AおよびCの摩擦係数が増して横方向に力を発揮する場合がある。摩擦係数は静止摩擦係数が動摩擦係数よりも大きいことが知られ、トレッドが滑らずに路面に粘着すれば摩擦係数を高い状態で保つことができる。領域AおよびCは、図5に示すようにタイヤ周方向に滑る特性がある。この周方向の滑りをなくせば、領域AおよびCは完全粘着状態となって、摩擦係数を静止摩擦係数として使え、横方向の摩擦力も上がる場合がある。
上記に対し、領域A,B,Cの弾性率を一律に硬くすると、領域Bで横方向のキャンバースラストを大きく発生できるが、領域AおよびCで周方向にトレッドが滑ってしまい、領域AおよびCで摩耗が進むだけではなく、領域AおよびCで滑りによって摩擦係数が低下して、横方向に力を発揮できなくなる。また、領域A,B,Cの弾性率を一律にやわらかくすると、領域AおよびCの赤道方向(周方向)の滑りは低減されるが、領域Bで横方向のトレッドのせん断力が低下して、キャンバースラストが低くなる。
以上のように、本発明におけるように、CA45°〜50°で接地している領域を3分割して、そのうち領域Bの弾性率だけを上げて、領域AおよびCの弾性率を低く抑えることが、横力(グリップ)に対して有効である。また、摩耗に対しても有効となる。
本発明において、領域Bの弾性率と領域Aの弾性率との差は、下記式、
Aの弾性率×1.1≦Bの弾性率≦Aの弾性率×3
を満足することが好ましい。これら領域AとBとの弾性率の差が1.1倍以上ないと、効果が少ない。一方、差が3倍以上あると、ゴムの物性があまりにも違いすぎて、ゴムとゴムとの界面で剥離破壊が発生する可能性がある。さらに好ましくは、下記式、
Aの弾性率×1.25≦Bの弾性率≦Aの弾性率×2
であり、領域AとBとの弾性率の差が25%以上200%以下であることがさらに好ましい。25%以上あれば、効果はさらに明確となる。なお、領域BとCとの弾性率の差についても同様のことが言える。
また、本発明において、各領域の弾性率を温度40℃における値としたのは、一般のユーザーが一般道路を走行する場合、トレッドショルダー部の温度が旋回中に40℃程度となるからである。トレッドショルダー部は、旋回時にしか使用しないため、旋回中にだけ温度が上がる。直進主体の道路の場合はトレッド側部のトレッドゴムは殆ど気温に近い温度であるが、旋回中は瞬時に温度が上昇する。夏場や冬場やその他の環境(外国等)で気温は変動するが、本発明では、平均して40℃と規定した。
本発明において好適には、領域A、領域Bおよび領域Cのそれぞれのトレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率が、領域B>領域C>領域Aの関係を満足する。
領域Aと領域Cでは違いがあり、領域Aは接地形状の中心となることはない。つまり、領域Aはトレッド側部のうちでもトレッド端側であるために常に接地形状の端の部分である。これに対し、領域Cは、CA45°〜50°の状態から車体を起こして、CA40°やCA35°となると、接地形状の端ではなく、接地形状の中心部分になる場合がある。つまり、バイクの最大バンク角付近の接地状態が図5であるとすると、領域Aは常に領域Aのブレーキング挙動を示すが、領域Cは常にドライビング状態ではなく、バイクを少し起こすと領域Cは接地の中心部分に位置し、ドライビング状態からニュートラルの状態になる。さらに接地の中心になると、図6の中心となり、キャンバースラストを最も稼ぐ領域になる。
以上のように、領域Aは常に使われ方が同じであるが、領域Cは車両のバンク角によって弾性率を高くしたり、低くしたりした方がよい場合がある。かかる観点から、領域Aは常に柔らかいゴムがふさわしい。また、特にバイクレースの場合などは、明らかにCA45°〜50°の角度の使用頻度が多いため、この領域に重みをおき、領域Bが硬いほうがよい。そして領域Cについては、この部分はCA45°〜50°の使用頻度が大きいため、領域Bよりも柔らかい方がよいが、一方で、CA40°やCA35°のときに接地の中心となりえるため、多少の硬さがあったほうがよい。そこで、弾性率の大きさは、領域B>領域C>領域Aの順序となることが、CA45°〜50°の場合だけでなく、この角度から少し起こしたバンク角度の場合にも、グリップ性能を維持するのにふさわしいのである。
また、本発明においては、領域Bのトレッドゴムを内側と外側との2層からなるものとして、内側トレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率を、外側トレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率よりも高くすることが好ましい。これは2つの理由による。
1つめは製造上の理由であり、自動二輪車のタイヤの製造において、トレッド部のゴム種をむやみに増やすことは製造コストの上昇につながる。多くても4種程度がコスト的な限界であり、これ以上ゴム種を増やすと、採算がとれなくなる。そのため、2つの硬いゴムと柔らかいゴムとを2段に重ねる領域を作れば、その重ね方によって弾性率をコントロールできることになる。
もう1つの理由は、グリップ力にある。タイヤトレッドの表面が柔らかいゴムであるほうが、路面の凸凹にゴムが食い込むことができてグリップ力が増す。つまり、トレッドの内側に硬いゴムを配置してトレッドの剛性を確保し、外側のトレッド表面を柔らかくすることで路面への食い込みを確保する。このようなことを考えた場合、上記のようにトレッドゴムを2重にすることが有効である。
さらに、本発明においては、領域Aおよび領域Bのトレッド表面をなすトレッドゴムを、同種のゴムからなるものとすることも好ましい。領域Aおよび領域Bについて、同種のゴムでトレッド表面を覆えば、ゴム種の節約になる。またこの場合、領域Bについては内部に硬いゴムを配置することで、領域Bの平均の弾性率は領域Aよりも硬くすることができる。
本発明において、スポーツ用のバイクタイヤ、あるいはレース用のバイクタイヤを想定した場合には、上記40℃における100%伸び時の平均の弾性率を、100℃における100%伸び時の平均の弾性率とする。このようなバイクでは、直進だけでなくコーナリングも高速で激しく行う。そのため、トレッド側部の温度は100℃以上に達する。また特に、バイクレースではコーナーが連続するためトレッド側部の温度は下がりにくく、120℃に達する場合もある。このような状況をかんがみると、レース用タイヤやスポーツバイク用のタイヤの場合には、100℃での平均の弾性率に関し、上記本発明の条件を満足することが必要となる。
本発明のタイヤにおいては、トレッド部を構成するトレッドゴムについて上記条件を満足することが重要であり、これにより本発明の所期の効果を得ることができ、それ以外のタイヤ構造や材質等の条件については、特に制限されるものではない。例えば、トレッドセンター部のトレッドゴムについては、本発明では特に制限はなく、トレッド側部と同様のものであっても、異なっていてもよい。例えば、トレッド中央部は直立時に高速で巡航することが多いため、耐発熱性に優れるゴムを使用するなどして、トレッド側部のゴムとゴム種を変更することがよくある。
また、好適には、ベルト層3として、タイヤ周方向に対し0〜3°の角度の補強素子を持つスパイラルベルト層を配設することで、高速走行時の遠心力による膨張を防止することができ、さらに高速時の操縦安定性を増すことができる。
この場合、図示するように、スパイラルベルト層3のみで他の交錯ベルト層を設けない場合も考えられるが、スパイラルベルト層の他に、交錯ベルト層を追加して配置してもかまわない。例えば、芳香族ポリアミドを撚ったコードを、タイヤ周方向に対して±60°で交錯させて追加することができる。または、スパイラルベルト層を2重にして配置してもかまわないし、スパイラルベルト層の他にタイヤ周方向に対する角度が90°のベルトを追加して、スパイラルベルト層と網目を形成させて強化してもかまわない。また、スパイラルベルト層を用いずに、2枚あるいは3枚以上の交錯ベルト層のみでベルト層を構成してもよい。この場合例えば、芳香族ポリアミドを撚ったコードをタイヤ周方向に対して±30°で2枚交錯させたベルトを、ベルト層とすることができる。
また、例えば、本発明のタイヤは、図示するように、一対のビード部11と、それに連なる一対のサイドウォール部13と、両サイドウォール部13間にトロイド状をなして連なるトレッド部12とを備えており、これら各部をビード部相互間にわたり補強するカーカス2は、比較的高弾性のテキスタイルコードを互いに平行に配列してなるカーカスプライの少なくとも1枚からなる。カーカスプライの枚数は、1枚でも2枚でもよく、3枚以上でもかまわない。なお、カーカス2の両端部は、図示する例では、ビードコア1にタイヤ内側から外側に折り返して係止されているが、カーカス2の端部をビードワイヤーとビードワイヤとーで挟み込んでビード部11で固定してもよく、また、カーカス2の端部をビードコア1に係留してもよい。また、タイヤの最内層にはインナーライナーが配置され(図示せず)、トレッド部12の表面には、適宜トレッドパターンが形成されている(図示せず)。本発明は、ラジアルタイヤに限らず、バイアスタイヤにも適用可能である。
以下に、本発明を実施例を用いて具体的に説明する。
下記条件に従い、タイヤサイズ190/50ZR17にて、図1に示す断面構造を有する供試タイヤを作製して、比較を行った。各供試タイヤは、一対のビード部11間にトロイド状をなして跨るカーカス2を2枚備えており、従来例および実施例ともにカーカス2にはナイロンコードを使用している(図中ではカーカス2を1本の線で示しているが、2枚重なっているものである)。2枚のカーカス2のコード角度はラジアル方向(タイヤ周方向に対する角度が90°)でもよいが、本実施例ではタイヤ周方向に対する角度が±70°のものを互いに交錯させて使用した。
また、カーカス2の半径方向外側には、スパイラルベルト層3を配置した。スパイラルベルト層3は、直径0.12mmのスチール単線を1×5タイプで撚ったスチールコードを打ち込み間隔80本/50mmでスパイラル状に巻きつけて形成されたものであり、2本の並列したコードを被覆ゴム中に埋設した帯状体(ストリップ)を、略タイヤ周方向に沿って螺旋状にタイヤ回転軸方向に巻きつける手法で製造した。図示するように、この実施例のタイヤにおいて、ベルト層はスチールスパイラルベルト層のみであり、その他に交錯層は設けなかった。スパイラルベルト層3の外側には、厚み7mmのトレッド部12が設けられており、従来例および実施例のタイヤともに、トレッド部12表面には溝を配置しなかった。
上記構造を基本として、トレッド部12のうち、タイヤ赤道面を中心としたトレッド展開幅の50%の領域をトレッドセンター部、その両側の各トレッド展開幅の25%の領域をトレッド側部とし、さらにこのトレッド側部を3等分して、トレッド端からそれぞれ領域A、領域B、領域Cとしたとき、これら各領域A〜Cのトレッドゴムを下記に従いそれぞれ変えて、各従来例および実施例の供試タイヤを製造した。なお、本実施例においては、供試タイヤの評価試験をサーキットで行うために、タイヤの位置づけをスポーツ走行用のタイヤとし、弾性率については100℃での弾性率を使用した。
<従来例>
図4に示すように、トレッドセンター部およびトレッド側部からなるトレッド部12の全領域を、単一種のゴムにて作製した。このトレッドゴムの100%伸び時の弾性率を100とする。
<実施例1>
図1に示すように、トレッド側部のうち領域Bのトレッドゴム物性のみを変更して、領域Bの100%伸び時の弾性率を150とした。
<実施例2>
図2に示すように、トレッド側部のうち領域Bのトレッドゴムのみを内側と外側との2層からなるものとして、外側トレッドゴムについては領域Aと同じゴムとし、内側トレッドゴムのトレッドゴム物性のみを変更した。2層の厚みは、内側が4mm、外側が3mmである。外側トレッドゴムの100%伸び時の弾性率は100、内側トレッドゴムの100%伸び時の弾性率は150であり、これらより、領域Bの平均弾性率は、129であった。
<実施例3>
図3に示すように、トレッド側部のうち、領域Bについては内側トレッドゴムの厚み4mm、外側トレッドゴムの厚み3mmからなり、領域Cについては内側トレッドゴムの厚み2mm、外側トレッドゴムの厚み5mmからなるものとした。領域Aは、1層からなる。領域Aと領域Bとの境界、および、領域Bと領域Cとの境界において、内側トレッドゴムと外側トレッドゴムとの界面が斜めになっているが、これは、鋭利なコーナーを作るよりも、図示するように斜めで滑らかな境界にした方が、ゴムとゴムとの界面での剥離破壊が発生しにくいからである。実施例3も実施例2と同様に、内側トレッドゴムの100%伸び時の弾性率を150、外側トレッドゴムの100%伸び時の弾性率を100とした。なお、実施例3における領域A、領域B、領域Cの平均の弾性率は、100:129:114となり、領域B>領域C>領域Aの順番になっている。
<実施例4>
実施例2と同様に、トレッド側部のうち領域Bのトレッドゴムのみを内側と外側との2層からなるものとして、外側トレッドゴムについては領域Aと同じゴムとし、内側トレッドゴムの100%伸び時の弾性率を200とした。それ以外の条件は実施例2と同様とした。領域Bの平均弾性率は、157であった。
<実施例5>
実施例2と同様に、トレッド側部のうち領域Bのトレッドゴムのみを内側と外側との2層からなるものとして、外側トレッドゴムについては領域Aと同じゴムとし、内側トレッドゴムの100%伸び時の弾性率を300とした。それ以外の条件は実施例2と同様とした。領域Bの平均弾性率は、214であった。
<横力評価>
各供試タイヤにつき、3mドラムを用いたキャンバースラストの測定を行った。直径3mのスチール製のドラムを用いて、各供試タイヤをCA40°およびCA50°で押し付けて、そのときのキャンバースラスト(横力Fy)を測定した。ドラムの表面は平滑であったため、粗さ#40番の紙やすりをドラム周上に貼り付けて、路面に見立てた。また、各供試タイヤには内圧210kPaを充填し、速度80km/h、荷重1500N(約150kgf)、SA(スリップ角)0°で転動させて、CA40°および50°の2水準について横力の測定を行った。速度を80km/hと高速としたため、タイヤは発熱しトレッド側部の温度は110℃となっていた。
従来例のタイヤの、CA40°のときの横力Fyの値1350Nを100とし、また、CA50°のときの横力Fyの値1490Nを100として、それぞれCA40°および50°のときの各実施例の供試タイヤの横力Fyの値を指数で示した。その結果を、下記の表1中に示す。数値が大なるほど横力が大きいことを示す。
Figure 2008221895
*1)各領域の弾性率は、各領域の温度100℃における100%伸び時の弾性率を意味し、各領域に2種類以上のゴムが存在するときは、それらの体積を考慮した平均弾性率である。
本発明は、CAが45°〜50°の最大バンク角(バンク角=CA)付近をターゲットとしているが、上記表1からも明らかなように、実施例1〜5の供試タイヤにおいては、いずれもドラム上のCA50°のFyが向上している。
また、実施例2、実施例4および実施例5の比較から、領域Bの弾性率は130程度あればFy向上の効果は明らかであり、さらに領域Bの弾性率を160程度にすると、効果が大きくなっている。しかし、領域Bの弾性率が210程度では、効果がやや鈍る傾向があり、弾性率は150前後が最も良好といえるようである。
実施例3については、CA40°のFyも効果的に上昇させている。これは、領域Cをやや強化することで、領域Cが接地の中心部となるCA40°でも効果が発揮されたからである。
<実車試験>
次に、本発明の二輪車用タイヤの性能改善効果を確認するために、実車を用いた操縦性能比較試験をした結果を説明する。供試タイヤはリア用のタイヤであったため、リアのみのタイヤを交換し、フロントのタイヤは常に従来のもので固定して実車試験を行った。評価方法を以下に示す。なお、走行後のタイヤのトレッド温度は100℃前後であった。
上記の供試タイヤを、1000ccのスポーツタイプの二輪車に装着して、テストコースで10周の実車走行をさせ、車両を大きく倒した旋回時の操縦安定性(コーナリング性能)を中心に評価し、テストライダーのフィーリングによる10点法で総合評価した。ライダーは限界走行を行った。その結果を、上記表1中に併せて示す。
結果は、室内でのFyの計測結果とほぼ同じ傾向となった。特徴的なのは、実施例1と実施例4との比較であり、領域Bの弾性率は同等の値であるが、実施例4の方が明らかに評点が高かった。これは、実施例4は領域Bの表面が柔らかいゴムであるため、路面の粗い凹凸によくゴムが食い込んでグリップしたためであると考えられる。
次に、実施例3は最高得点の9点を獲得している。これは、CA40°のグリップの高さもライダーが評価したためである。
<摩耗評価>
最後に、各供試タイヤの摩耗量を比較した。摩耗量は、新品時のタイヤの重量を測定しておき、テスト走行終了後のタイヤの重量を測定して、その差を重さで評価した。摩耗は、殆どトレッド側部で起こっていたため、これがほぼ側部の摩耗量に相当すると考えられる。結果として、実施例1〜5の供試タイヤでは、従来例対比、いずれも7%〜15%摩耗量が少ないことがわかった。
以上のことから、実施例のタイヤは旋回時のグリップと耐磨耗性を両立しているといえる。すなわち、本発明に従う各実施例の供試タイヤにおいては、いずれも従来例のタイヤと比較して大幅に性能が向上することが確認された。
本発明の一実施の形態に係る自動二輪車用空気入りタイヤを示す幅方向断面図である。 実施例2,4,5に係る自動二輪車用空気入りタイヤを示す幅方向断面図である。 実施例3に係る自動二輪車用空気入りタイヤを示す幅方向断面図である。 従来例1に係る自動二輪車用空気入りタイヤを示す幅方向断面図である。 車体を大きく倒して旋回する場合の自動二輪車用空気入りタイヤの(a)接地状態を示す幅方向断面図および(b)接地形状およびトレッド部の変形状態を示す説明図である(タイヤ周方向)。 車体を大きく倒して旋回する場合の自動二輪車用空気入りタイヤの(a)接地状態を示す幅方向断面図および(b)接地形状およびトレッド部の変形状態を示す説明図である(タイヤ幅方向)。
符号の説明
1 ビードコア
2 カーカス
3 ベルト層
10 自動二輪車用空気入りタイヤ
11 ビード部
12 トレッド部
13 サイドウォール部

Claims (5)

  1. 左右一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコアと、該一対のビード部間にトロイド状に跨って延在する少なくとも1枚のカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配設された少なくとも1枚のベルト層と、該ベルト層のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部と、を有する自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッド部のうち、タイヤ赤道面を中心としたトレッド展開幅の50%の領域をトレッドセンター部、該トレッドセンター部の両側の各トレッド展開幅の25%の領域をトレッド側部とし、さらに該トレッド側部を3等分して、トレッド端からそれぞれ領域A、領域B、領域Cとしたとき、
    領域Bのトレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率が、領域Aおよび領域Cのトレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率よりも高いことを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
  2. 領域A、領域Bおよび領域Cのそれぞれのトレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率が、領域B>領域C>領域Aの関係を満足する請求項1記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  3. 領域Bのトレッドゴムが内側と外側との2層からなり、該内側トレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率が、該外側トレッドゴムの40℃における100%伸び時の平均の弾性率よりも高い請求項1または2記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  4. 領域Aおよび領域Bのトレッド表面をなすトレッドゴムが、同種のゴムからなる請求項1〜3のうちいずれか一項記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  5. 前記40℃における100%伸び時の平均の弾性率を、100℃における100%伸び時の平均の弾性率に代えた請求項1〜4のうちいずれか一項記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
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