JP2008220388A - 非晶質の部分脱アセチル化キチン塩のスポンジ状止血材及びその製造方法 - Google Patents

非晶質の部分脱アセチル化キチン塩のスポンジ状止血材及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、部分脱アセチル化キチンのスポンジ状止血材に関して、実用化が十分期待される性能を有する製造方法を開発し、コラーゲンのスポンジ状止血材と同等以上の良質な性能のものを開発することである。
【解決手段】
脱アセチル化度が20〜65%の非晶質の部分脱アセチル化キチンのグルコン酸塩又はアスパラギン酸塩を主成分とする、製造時の酸添加量を部分脱アセチル化キチンのアミノ基の1モルに対し0.2〜1.0モルに添加し、シャーベット凍結方式によって調製されるスポンジ状止血材を提供した。
【選択図】なし

Description

本発明は、非晶質の部分脱アセチル化キチン塩を主成分とするスポンジ状止血材及びその製造方法に関する。
キチン、キトサンは、化粧品分野、医療分野、食品分野などで広く使用され、天然の素材として、コラーゲン材料等と同様に好ましく使用されている。しかし過去の応用例は、粉末としての使用が大部分であり、成形体などの形状を利用した用途は見られなかった。この天然高分子であるキトサンは、酢酸等の酸水溶液に容易に溶解するため、湿式成形によって、フイルム、繊維、スポンジなど種々の成形体を作成することが可能である。しかし、その実用化に関しては、ほとんど成功した例が見られない。
また、キトサンは、キチンの脱アセチル化物と定義され、一般的には、脱アセチル化度70〜80%以上であり、水に不溶であるが、キチンでは溶解しない希酸溶液に溶解する特徴を持っている。
キチン、キトサンを医療用バンドとして使用することの試みは20年以上前から試みられ、その有機酸塩の開示もある(特許文献1)。また、キトサンをスポンジ状にする試みもされている(特許文献2)。そして、キチン又はキチン誘導体の有機酸塩の商品化の試みもおこなわれた(特許文献3)(特許文献4)(特許文献5)。しかし、いずれの製品も、止血材として有用性・安全性において完全なものはない。また、本発明者らは、キトサン自体の改良を行いその脱アセチル化度を調整し、さらに非晶質とした新規な止血材も提案した(特許文献6)(特許文献7)。さらに本出願人は、キトサンスポンジの改良製剤の提供もこころみた(特許文献8)(特許文献9)。
上記のような多くの試みにもかかわらず、キチン誘導体をつかった止血材は、1997年の手術用止血材の製品回収という事件から、実用化製品の上市はなされていない。
特開昭60-142927公報 特開昭63-90507号公報 特開平9-169654号公報 特開2003-26578号公報 特表2005-503197号公報 特開平11-5803号公報 特開平11-276189号公報 特開2003-292501号公報 特開2004-256784号公報
本発明の課題は、スポンジ状止血材に関して、実用化が十分期待される性能を有する製造方法を開発し、コラーゲンによって調製されるスポンジ状止血材と同等以上の良質な性能のものを開発することである。
本発明者らは、キチンの脱アセチル化度の最適化分析、部分アセチル化キチンとしての非晶質のものの選択、さらに塩にする有機酸の選択、さらには乾燥方法の最適化分析を行い、その結果、従来のキチン誘導体のスポンジ状止血材に比して安全性、血液吸収性、生分解性、使用における利便性においてすぐれた製剤の開発に成功し、本発明を完成した。
つまり、本発明は、
「1.脱アセチル化度が20〜65%、20℃において0.5%W/W溶液での粘度が20mPa・s〜300mPa・sの非晶質の部分脱アセチル化キチンのグルコン酸塩又はアスパラギン酸塩を主成分とするスポンジ状止血材。
2.製造時のグルコン酸又はアスパラギン酸の酸添加量を非晶質の部分脱アセチル化キチンのアミノ基の1モルに対し0.2〜1.00モルとし、シャーベット凍結方式によって調製されることを特徴とする前項1に記載の止血材。
3.最終製剤の残留酸濃度が、酢酸0〜7.0%W/W、グルコン酸又はアスパラギン酸2〜40%W/Wであり、非晶質の部分脱アセチル化キチンのアミノ基の1モルに対し総酸イオンが0.2〜1.00モルである前項1又は2に記載の止血材。
4.最終製剤の体積当り重量が、0.005〜0.035g/cmであり、吸水量が40〜120g/gである前項1〜3の何れか一に記載の止血材。
5.最終製剤が、そのポアサイズが50〜400μmであり、実質的に均質構造である前項1〜4の何れか一に記載の止血材。
6.創傷部位に貼付されたときに、創傷局所血液のpHの変化が0.05以下である前項1〜5の何れか一に記載の止血材。
7.創傷部位から、血液吸収後に断片を実質的に残すことなく容易に除去可能である前項1〜6の何れか一に記載の止血材。
8.手術器具にベトベトと吸着しない前項1〜7の何れか一に記載の止血材。
9.非晶質の部分脱アセチル化キチンの調製が、約40%W/Wの苛性ソーダ添加時の処理温度を35〜60度、処理時間を2〜5時間で行うことを特徴とする前項1〜8の何れか一に記載の止血材。
10.脱アセチル化度が20〜65%の非晶質の部分脱アセチル化キチンを懸濁させた後、グルコン酸又はアスパラギン酸を非晶質の部分脱アセチル化キチンのアミノ基の1モルに対し0.2〜1.0モルに添加し、撹拌を行い、ついで攪拌後の溶液のろ液を氷結させ、粉砕し、シャーベット状にし、これを製品トレイに充填して凍結真空乾燥・さらに2次乾燥によって調製する非晶質の部分脱アセチル化キチン塩を主成分とするスポンジ状止血材の製造方法。
11.グルコン酸又はアスパラギン酸の添加前に、酢酸添加により非晶質の部分脱アセチル化キチンを溶解させる前項10に記載の方法。
12.2次乾燥及び/又は加熱処理を65〜85度、1〜7日間行う前項11に記載の方法。」である。
本発明の非晶質の部分脱アセチル化キチン塩を主成分とするスポンジ状止血材は、血液吸収性にすぐれ、ポアサイズにおいて50〜400μmに設定された実質的に均質なもので、しかも創傷局所のpH変化に影響をあたえず、止血効果にすぐれ且つ止血後には容易に完全に除去が可能であるので、従来存在しなかったレベルの生体に安全な止血材である。
本発明における部分脱アセチル化キチンとは、カニ、エビなど甲殻類の外骨格等に含まれるアミノ多糖類の一種であるキチン由来であり、化学構造がグルコサミンと少量のN−アセチルグルコサミンとの繰り返し構造である天然物由来の高分子である。一般には、甲殻類の外骨格等を苛性ソーダなどのアルカリで脱タンパクし、塩酸などの酸溶液で脱カルシウム処理して得られるキチンを、さらに苛性ソーダなどの高濃度アルカリ水溶液で部分脱アセチル化して得られる。水に難溶性であり、酢酸などの酸水溶液に溶解する。
非晶質の部分脱アセチル化キチン(以下、非晶質キチンということもある)の製造方法は、タンパク質含量が0.1重量%以下、無機物含量が0.01重量%以下の高純度キチンを約40%W/Wアルカリ中に35〜60℃、2〜7時間で分散させ、その後冷却条件下(−10℃〜−30℃)に数時間(1〜3時間)置き、アルカリ濃度を約10%W/Wになるように水を加え、アルカリキチンドープを調製する。均一系においてアルカリ加水分解する際に、アルカリキチンドープを30℃以下で目的粘度まで熟成し、さらに中和して沈殿を生成させ、脱水、洗浄、凍結真空乾燥等を経て、キチンの脱アセチル化率(DAC度ともいう)が一般的には20〜65%程度、好ましくは25〜45%程度、より好ましくは約30〜40%となるように部分脱アセチル化され、20℃において0.5%W/W溶液粘度が20〜300mPa・s、より好ましくは30〜250mPa・s、さらに好ましくは35〜200mPa・sの非晶質の部分脱アセチル化キチンを調製する。なお、中和は、酸の添加又はアルコール類、イオン交換樹脂等で脱アルカリする。
本発明で使用する非晶質の部分脱アセチル化キチンの分子量は、一般的には、重量平均分子量(標準品にプルランを用いGPC分子量測定により算出)が5万〜400万程度のものが使用され、好ましくは10万〜300万、より好ましくは20万〜200万である。脱アセチル化率は、一般的には、20〜65%程度のものが使用され、好ましくは25〜45%程度、より好ましくは約30〜40%である。粘度は、20℃において0.5%W/W溶液粘度が20〜300mPa・s、より好ましくは30〜250mPa・s、さらに好ましくは35〜200mPa・sである。
非晶質の部分脱アセチル化キチンは一定の酸水溶液に溶かして塩として調製をすることができる。部分脱アセチル化キチンの酸溶液に使用する酸は、酢酸などの弱酸なら何でも使用できる。酸の濃度は 一般には0.01wt〜10.0wt%で、特に0.05〜5.0wt%が好ましく使用される。部分脱アセチル化キチンの濃度は、使用しやすい粘度のものを使用することが好ましく、一般的には0.1〜5.0wt%で、特に0.5〜3.0wt%が好ましく使用される。酸の添加量は、部分脱アセチル化キチンのアミノ基1モルに対して1.0〜105モル程度の酸を計算して使用してもよい。又、水溶液には、部分脱アセチル化キチンの他に、必要に応じて界面活性剤などの助剤を加えてもよいが、助剤の有り無しが、本発明の効果に影響するものではない。
なお、好ましくは酢酸等の弱酸で溶解された非晶質の部分脱アセチル化キチン塩の溶液は、部分脱アセチル化キチンがほぼ完全に溶解するまで撹拌する。
また、本発明では、上記のように酢酸等の弱酸を使用して非晶質の部分脱アセチル化キチンを溶解せずとも、水に懸濁させれば良い。
なお、酢酸等の弱酸を使用して溶解しなければ、後ほどの工程において、酢酸等の弱酸を減少させる工程が必要ない。
その後、酸としてグルコン酸又はアスパラギン酸の添加を行い非晶質の部分脱アセチル化キチンのグルコン酸塩又はアスパラギン酸塩とする。酸添加量は非晶質の部分脱アセチル化キチンのアミノ基1モルに対し酸0.2〜1.0モル、好ましくは0.3〜0.8モル、より好ましくは0.4〜0.6モルを添加する。
非晶質の部分脱アセチル化キチンのグルコン酸塩又はアスパラギン酸塩(非晶質の部分脱アセチル化キチン塩ということもある)は、撹拌を十分に行い、溶解していれば攪拌後の溶液をろ過し、溶解していなければろ過を行わない。
次に、得られた液を「シャーベット凍結方式」によるシャーベット氷製造に供する。ここで、本発明の「シャーベット凍結方式」とは、従来のように急速冷凍、又は、徐々に凍結させて凍結氷を製造するのではなく、一度、凍結させた凍結氷を粉砕し、型枠に充填し、再度、凍結する事でシャーベット凍結氷が得られる。また、非晶質キチンの溶液をドライアイスと共に粉砕するとシャーベット状になり、同様に型枠に充填し、再度、凍結する事でシャーベット凍結氷が得られる。詳しい製造方法は以下の通りである。非晶質の部分脱アセチル化キチン塩の溶液の約1000gに対しドライアイスを500g〜700g程度加え、ブレンダー等で粉砕し、シャーベット状にする。シャーベット温度は-1℃〜+2℃に調整する。なお、本発明のスポンジ状止血材の製造において、上記のようなシャーベット状にすることができれば、特に凍結方法は限定されない。
酢酸を使用せずグルコン酸又はアスパラギン酸の添加だけで調製した場合には、酢酸が入っていないため、残留酢酸を減少させるための2次乾燥は、必要が無いが、強度を増加させるために2次乾燥と同様の熱による処理を行ってもよい。
本発明者らは、2次乾燥工程が、破スポンジ中のグルコン酸又はアスパラギン酸濃度にかかわらず破断強度を増加させることができることを、新規に確認している。
以降、この様に強度の増加だけの目的とする熱による処理を加熱処理と呼び、2次乾燥処理と区別する。これによって、非晶質の部分脱アセチル化キチン塩を主成分とするスポンジ状止血材の調製が完成する。
本発明の非晶質の部分脱アセチル化キチン塩を主成分とするスポンジ状止血材の製造法の凍結真空乾燥は、出来上がりのシートの厚みを想定して、トレーなどの容器に一定の深さに、非晶質の部分脱アセチル化キチン塩のシャーベット状標品を流し込み、そのまま、凍結し、引き続いて乾燥を行うのが、一般的である。
2次乾燥及び/又は加熱処理は65〜85℃、1〜7日間で行う。
本発明の方法で作成できるシートの厚みは、0.5mm〜20mm程度であるので、凍結するシャーベット状標品の厚みも、ほぼ同等の厚みになるように設定すればよい。このように作成したシャーベット状標品を、冷却雰囲気に接触して、凍結する。凍結は、水の凍結温度以下、すなわち0℃以下で、好ましくは、−20℃以下で行うことができる。
凍結方法は、標品を通常の空冷式凍結庫に入れる方法や、冷媒例えば、ブラインであるエタノールや塩化カルシウムの水溶液に、−20℃以下で浸漬する方法や、液体窒素、液体炭酸ガス等を吹き付ける方法も利用できる。
凍結時間は、凍結方法や凍結温度で異なるが、一般的には、2時間から24時間程度以上で、緩徐に凍結することが好ましい。より好ましくは、3時間程度以上である。いったん凍結してしまえば凍結氷は何日でも凍結庫の中で保存可能であり、必要な時に凍結氷を次工程である凍結真空乾燥を行えば本発明のスポンジ状止血材とすることができる。
凍結真空乾燥後のシートは、酢酸等の弱酸で溶解した場合には残った酸類を熱風乾燥などの2次乾燥で、除去し、酢酸を使用せずグルコン酸又はアスパラギン酸の添加だけで調製した場合には、好適にはスポンジの強度を増加させるため加熱処理を行い、最終的に本発明の非晶質の部分脱アセチル化キチン塩を主成分とするスポンジ状止血材を得ることができる。本発明は出来上がったスポンジ状止血材の性能が従来法で得られる物よりはるかに良質なことに特色がある。すなわち、厚みが均一であるともに、吸水速度の速いこと、吸水倍率の高いこと、湿潤強度の大きいこと、生分解性が高いことの性能を同時に有する事ができるという特色がある。
本発明によって得られる最終製剤の残留酸濃度は、酢酸0〜7.0%W/W以下、グルコン酸又はアスパラギン酸2〜40%W/Wであり、非晶質の部分脱アセチル化キチンのアミノ基の1モルに対し総酸イオンが0.2〜1.00モルである。より好ましくは、最終製剤の残留酸濃度は、酢酸約0〜6.0%W/W、グルコン酸又はアスパラギン酸約2.0〜30%W/Wであり、非晶質の部分脱アセチル化キチンのアミノ基の1モルに対し総酸イオンが0.4〜0.8モルである。
本発明によって得られる最終製剤の体積当り重量は、0.005〜0.035g/cmであり、吸水量は40〜120g/gである。より好ましくは、体積当り重量は、約0.011〜0.0017g/cmであり、吸水量は約60〜100g/gである。
本発明によって得られる最終製剤のポアサイズは、50〜400μmであり、実質的に均質構造である。また、創傷部位に貼付されたときに、創傷局所血液のpHの変化が0.05以下である。さらに、創傷部位から、血液吸収後に断片を実質的に残すことなく容易に除去可能である。加えて、手術器具にベトベトと吸着しないという性状を備えている。
本発明に用いる各濃度の測定方法は以下の通りである。なお、以下の実施例及び試験例でも使用した。
DAC度(表中*1)は、キトサン試料(非晶質キチン又はキトサン)を0.5%(w/w) 酢酸溶液に0.5%(w/w)になるように溶解し、指示薬としてトルイジンブルー溶液を用い、ポリビニル硫酸カリウム水溶液でコロイド滴定して乾物当たりのDAC度(脱アセチル化度)を求めたものである。
粘度(表中*2)は、キトサン試料(非晶質キチン又はキトサン)を0.5%(w/w) 酢酸溶液に0.5%(w/w)になるように溶解し、室温で3時間撹拌し、さらにホモジナイザーで2分間撹拌する。この溶液を恒温槽中で20℃に保ちながらB型粘度計で回転粘度(mPa・s)を測定したものである。
吸水量(表中*3)は、試料の重量(A)を測定した後、十分な純水を含む容器に試料を5分間浸漬する。次いで試料をザルに引揚げ、5分間水切りし、試料の重量(B)を測定する。吸水量は、(B−A)/Aで表す。より詳しくは、約0.4gを秤量し(A)、5分間純水中に浸漬し、ザルに引揚げ、5分間水切りし秤量し(B)、以下の式で得た。吸水量=(B−A)/A。なお、本発明の場合、吸水量は15g/g以上であり、良好なものは40倍以上である。
吸水速度(表中*4)は、JIS L1907 滴下法により、純水を一滴、サンプルに滴下し、水が吸収し反射しなくなる時間を測定したものである。より詳しくは、スポンジを、水平に設置し、上方から50μlの水をマイクロピッペットなどで滴下し、水がスポンジ表面から内部に浸透していく時間、すなわち、滴下した水の表面張力によるふくらみが無くなる時間を目視で観察することで測定できる。本発明の場合5秒以下であり、良好なものは3秒以下である。
吸水後の破断強度(表中*6)は、試料を50mm角にカットし、純水に十分浸漬した後、ザルに引揚げ、5分間水切りする。吸水した試料をコルクボーラーやカッターを使い、直径φ40mm、厚さ15mmにカットし、専用の容器(直径φ40mm、高さh15mm)にセットする。クリープメーター(山電製 RHEONERII)を用い、測定速度 1mm/sec、接触直径 20mm、測定歪率 99.99%、格納ピッチ 0.04secの測定条件で押し潰しによる破断強度を測定したとき、本発明の場合、0.2N以上であり、良好な物は0.25N〜200Nである。
スポンジ中の酸濃度(表中*7)において、グルコン酸及び酢酸の分析は、試料 0.1g程度を細かく刻み秤量し、次に純水を適当に加え、スポンジ中に存在しない酸を添加し、撹拌後、完全に溶解させる。スポンジ中に存在しない添加酸について、例えばスポンジ中にグルコン酸が含まれる場合は、酢酸 50〜200μl、スポンジ中に酢酸が含まれる場合はグルクロノ−δ−ラクトン 0.2〜0.3g、スポンジ中にグルコン酸、酢酸の両方が含まれる場合は乳酸 50〜200μlを添加する。その後、溶液100mlにメスアップする。溶液を0.45μmフィルターでろ過を行いサンプル溶液とする。マイクロシリンジを用い、サンプル溶液 10μl採取し、HPLC(島津製作所製カルボン酸分析計)に注入し、以下の条件で測定する。グルコン酸のリテンションタイムは17.1分前後、酢酸は26.1分前後であり、グルコン酸標準溶液、酢酸標準溶液及びサンプル溶液をそれぞれ測定し、標準溶液とサンプル溶液のピークの面積値の比からサンプルのグルコン酸濃度、酢酸濃度を算出する。
[分析条件]
装置:島津製作所製 カルボン酸分析計
<分離条件>
カラム :Shim-Pak SCR-102H 2本連結
移動相 :5mM p-トルエンスルホン酸水溶液
移動相流速:0.8ml/min
温度 :40℃
<検出条件>
緩衝液 :5mM p-トルエンスルホン酸水溶液 および
100μM EDTAを含む20mM Bis-tris水溶液
緩衝液流速:0.8ml/min
検出器 :CDD-6A 電気伝導度検出器
注入量 :10μl
スポンジ中の酸濃度(表中*7)において、アスパラギン酸の分析は、試料 0.15g程度を細かく刻み秤量し、純水を約20ml加え、ホモジナイザーを用い、懸濁溶液を調製する。次に、50mMリン酸緩衝液(pH 6.9)10mlを添加し、50mlにメスアップする。溶液を0.45μmフィルターでろ過を行いサンプル溶液とし、HPLC(島津製作所製)を用い、以下の分析条件で測定する。アスパラギン酸のリテンションタイムは10.6分前後であるが、酢酸のリテンションタイムが10.8分前後と近いため、スポンジ中に酢酸とアスパラギン酸の両方が含まれる場合は、ピークが重なってしまうため補正が必要である。補正の方法は、本法で酢酸標準溶液を分析し、酢酸濃度に対するピークの面積値を求め、段落「0030」の方法で求めた酢酸濃度から本法における酢酸の面積値を計算し、次にサンプルを分析し、アスパラギン酸と酢酸の重なったピークの面積値から酢酸の面積値を差し引く。アスパラギン酸標準溶液、及びサンプル溶液をそれぞれ測定し、標準溶液のピーク面積値とサンプル溶液の補正したピーク面積値の比からサンプルのアスパラギン酸濃度を算出する。
[分析条件]
<分離条件>
カラム:Shodex KW-802.5
移動相:10mM リン酸緩衝液(pH6.9)
流速 :1.0ml/min
温度 :40℃
検出器:UV検出器 測定波長 210nm
注入量:10μl
各スポンジ状止血材の酵素による分解速度測定(図6)は、Rondle-Morgan法によるGlcNの定量法を使用する。該定量法の詳細は以下の通りである。
リゾチームで酵素加水分解したサンプル(各スポンジ状止血材)溶液1.5mLをサンプル管にとり、酢酸buffer1.5mL(以下、参照)を加え、40℃、静置で10分間加熱する。次に、アセチルアセトン試薬1.0mL(以下、参照)を加え、HClでpH9.80まで落とし、沸騰水浴中で20分間加熱した後、流水で室温まで冷却する。さらに、EtOH3.0mLとエールリッヒ試薬1.0mL(以下、参照)を加え、65〜70℃で10分間加熱した後、流水で室温まで冷却する。酵素加水分解は、分光光度計(製造元:島津理化器械株式会社)を使用して、530nmにおけるVIS測定して評価する。
酢酸buffer:酢酸0.60gに純水を加え、100mLにメスアップして、0.1M酢酸溶液、酢酸ナトリウム4.1015gに純水を加え500mLにメスアップして0.1M酢酸ナトリウム溶液を得る。次に、0.1M酢酸溶液10mL、0.1M酢酸ナトリウム溶液160mLを混合してpH=5.60の酢酸bufferを調製する。pHの確認はHORIBAカスターニACT pHメーターで行う。
アセチルアセトン試薬:アセチルアセトン1mLを0.5mol/L Na2CO350mLに溶解して調製する。
エールリッヒ試薬:DMAB0.4gをEtOH15mLに溶解し、conc-HCl15mLを加えて調製する。
また、本発明で得られる止血材は、スポンジの特定の密度、強度によっては柔軟性に欠けて割れやすかったり、もろい場合がある。その場合には非晶質の部分脱アセチル化キチン塩の溶液の状態でポリエチレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、油剤などの柔軟剤を0.01〜10%W/W程度加えて同様に製造すれば最終に作成された止血材には柔軟性を持たせることができる。
また、本発明では、非晶質の部分脱アセチル化キチン塩の溶液の時点で第3成分を入れ、最終の止血材がこれら第3成分を含んだものが容易に作成可能である。たとえば医薬品、化粧品、医薬部外品を含んだ止血材の製造が可能である。特に生理活性が他の化学成分や温度によって変性しやすい物質を止血材内に保持させることができる。
また、これら薬剤を非晶質の部分脱アセチル化キチン塩のスポンジ中に混合し成型することで、薬剤に徐放性機能をもたせることが可能と考えられる。
実施例1
非晶質の部分脱アセチル化キチン塩を主成分とするスポンジ状止血材の製造
以下の実施例2、各実験例で使用するスポンジ状止血材の製造を行った。製造方法は以下の通りである。
48%NaOH 3kgに水0.6L、43メッシュの高純度キチン粉末(商品名:キチンL−PC)〔粘度 65mPa・s(NN―ジメチルアセトアミド/8%(W/W)塩化リチウム溶液に0.2%(W/W)の割合で溶解し、30℃で測定)、水分 1.8%、灰分 0.03%、DAC度 0.96%〕0.3kgを加え調製し、35〜60℃で2〜5時間分散させた。その後、氷6kgを加えて冷却条件下(−10〜−30℃)で3時間攪拌し、水6Lを加え、キチン濃度約2%(W/W)、アルカリ濃度約10%(W/W)のアルカリキチンドープを調製し、30℃でDAC度(脱アセチル化度)及び粘度を目的値になるように〔例えばDAC度30%、粘度 50mPa・s(20℃において0.5%(W/W)溶液) 〕熟成した。その後、溶液を150メッシュ ナイロンメッシュで減圧ろ過し、95%硫酸水溶液で中和した。この際に沈殿した部分脱アセチル化キチンゲルを50メッシュ ナイロンメッシュに移し、手で絞り脱水した。その後、4回湯洗して脱塩し、次いで圧搾した。次に、この脱水後の部分脱アセチル化キチンゲルを凍結真空乾燥した後、粉砕して脱アセチル化度約30%、粘度減少のない〔20℃において31mPa・s〜780mPa・s(0.5%(W/W)溶液)〕の非晶質の部分脱アセチル化キチン(非晶質キチンDAC30ともいう)を得た。
非晶質キチンDAC30(脱アセチル化度=30〜40%)〔20℃において粘度20〜100Pa・s(0.5%(W/W)溶液)〕又はコントロールとしてのキトサン(脱アセチル化度=100%)〔20℃において粘度20〜100Pa・s(0.5%(W/W)溶液)〕を用い、その1重量%を純水に加えた。その際、非晶質キチンDAC30を撹拌、分散させ、次いで、酢酸添加をおこなった。酢酸の添加量は非晶質キチンのアミノ基1モルに対し酢酸1.1モルを添加した。
酢酸添加量(g)は次のように計算した。なお以下で非晶質キチンとは非晶質の部分脱アセチル化キチンの意味である。
酢酸添加量(g)=非晶質キチン量(g)/非晶質キチンモノマー分子量×脱アセチル化度(%)/100×1.1×酢酸分子量(60)
非晶質キチンモノマー分子量は、次のように計算した。
非晶質キチンモノマー分子量=キトサンモノマー分子量(161)×脱アセチル化度(%)/100+キチンモノマー分子量(203)×(100−脱アセチル化度)/100
よって、酢酸添加量(%)は次の式による。
酢酸添加量(%)=酢酸添加量(g)/溶液重量(g)×100
添加後、溶液は完全に溶解するまで撹拌し、その後、酸(リン酸又はアスパラギン酸又はグルコン酸)添加を行った。酸添加量は非晶質キチンのアミノ基1モルに対し酸0.4〜0.8モルを添加する。計算式は以下のようになる。
酸添加量(g)=非晶質キチン量(g)/非晶質キチンモノマー分子量×脱アセチル化度(%)/100×0.4〜0.8×酸分子量
ここで酸分子量はグルコン酸が178.14、アスパラギン酸が133.1、リン酸が98である。
酸の添加後、撹拌を1晩行い、攪拌後の溶液をろ過(ステンレスメッシュ 1480メッシュ エアー加圧式ろ過)した。ろ液をついで、シャーベット氷製造に供した。ろ過した非晶質キチン溶液の約1000gに対しドライアイスを500g〜700g程度加え、ブレンダーで粉砕し、シャーベット状にした。シャーベット温度は-1℃〜+2℃に調整した。
得られたシャーベット氷をトレイに充填し、凍結させた。凍結は、-40℃の冷凍庫に入れ、1晩かけてシャーベットをしっかり緩徐に凍結させた。冷凍庫に入れておけば何日でも保存が可能である。ついで、凍結標品を凍結真空乾燥に供した。4日間の凍結真空乾燥後に、さらに2次乾燥を75℃で3日間処理し、残留酢酸を減少させた。又は、2次乾燥を低真空乾燥した。
これによって、表1に記載のサンプル番号の非晶質の部分脱アセチル化キチン塩を主成分とするスポンジ状止血材の調製が完成した。
また、各サンプルの詳しい製造方法は以下の通りである。
サンプルNO.S510204(表1参照)
原料に上記と同様に調製した非晶質キチン(脱アセチル化度=37.6%)〔20℃において粘度44mPa・s(0.5%(W/W)溶液)〕10g(1%(W/W)を使い純水987.04gに分散し、次いで酢酸(関東化学製 特級)1.2g(0.12%W/W)を添加した。
酢酸添加量は次の式によった。
酢酸添加量=非晶質キチン量(10g)/非晶質キチンモノマー分子量(187.2)×脱アセチル化度(37.6%)/100×酢酸分子量(60)=1.2
非晶質キチン分子量は次の式によった。
非晶質キチン分子量=キトサン分子量(161)×脱アセチル化度(37.6%)/100+キチン分子量(203)×(100−脱アセチル化度 37.6%)/100=187.2
酢酸添加された溶液を撹拌溶解し、さらにグルコノ−δ−ラクトン(関東化学製 特級) 1.7g(0.17%W/W)を添加した。グルコノ-δ-ラクトンは粉体であり水に溶解するとグルコン酸になる。
グルコン酸添加量は以下の式によった。
グルコン酸添加量=非晶質キチン量(10g)/非晶質キチンモノマー分子量(187.2)×脱アセチル化度(37.6%)/100×0.48×グルコノ-δ-ラクトン分子量(178.14)=1.7g
グルコン酸添加後、撹拌を1晩行い、ろ過(ステンレスメッシュ 1480メッシュ エアー加圧ろ過)を行い、ろ液をシャーベット氷製造に供した。非晶質キチン溶液の約1000gに対しドライアイスを500g添加し、ブレンダー(オスター社 OB-1)で粉砕し、シャーベット状にした。シャーベット温度は0℃に調整した。その後、トレイ充填し、-40℃で凍結し、冷凍庫中に3日間保存した。
サンプルNO.S604182(表1参照)
原料に上記と同様に調製した非晶質キチン(脱アセチル化度=37.7%)〔20℃において粘度77mPa・s(0.5%(W/W)溶液)〕10g(1%(W/W)を使い純水988.3gに分散し、懸濁させた。
非晶質キチン分子量は次の式によった。
非晶質キチン分子量=キトサン分子量(161)×脱アセチル化度(37.7%)/100+キチン分子量(203)×(100−脱アセチル化度 37.7%)/100=187.17
懸濁液を撹拌しながらグルコノ−δ−ラクトン(関東化学製 特級) 1.7g(0.17%W/W)を添加した。グルコノ-δ-ラクトンは粉体であり水に溶解するとグルコン酸になる。
グルコン酸添加量は以下の式によった。
グルコン酸添加量=非晶質キチン量(10g)/非晶質キチンモノマー分子量(187.17)×脱アセチル化度(37.7%)/100×0.48×グルコノ-δ-ラクトン分子量(178.14)=1.7g
グルコン酸添加後、撹拌を1晩行っても完全には溶解せず白濁していた。この白濁液をシャーベット氷製造に供した。非晶質キチン溶液の約1000gに対しドライアイスを500g添加し、ブレンダー(オスター社 OB-1)で粉砕し、シャーベット状にした。シャーベット温度は0℃に調整した。その後、トレイ充填し、-40℃で凍結し、冷凍庫中に4時間保存した。ついで、凍結真空乾燥し、さらに加熱処理を75℃で3日間(乾燥機 ダルトン製NY4型)おこない、非晶質の部分脱アセチル化キチン塩を主成分とするスポンジ状止血材を得た。
サンプルNO.S606135
原料に上記と同様に調製した非晶質キチン(脱アセチル化度=37.7%)〔20℃において粘度77mPa・s(0.5%(W/W)溶液)〕10g(1%(W/W)を使い純水987.1gに分散し、懸濁させた。
非晶質キチン分子量は次の式によった。
非晶質キチン分子量=キトサン分子量(161)×脱アセチル化度(37.7%)/100+キチン分子量(203)×(100−脱アセチル化度 37.7%)/100=187.17
懸濁液を撹拌しながらグルコノ−δ−ラクトン(関東化学製 特級) 2.87g(0.287%W/W)を添加した。グルコノ-δ-ラクトンは粉体であり水に溶解するとグルコン酸になる。
グルコン酸添加量は以下の式によった。
グルコン酸添加量=非晶質キチン量(10g)/非晶質キチンモノマー分子量(187.17)×脱アセチル化度(37.7%)/100×0.8×グルコノ-δ-ラクトン分子量(178.14)=2.87g
グルコン酸添加後、撹拌を1晩行い溶解させた。溶液のろ過(ステンレスメッシュ 1480メッシュ エアー加圧ろ過)を行い、ろ液をシャーベット氷製造に供した。非晶質キチン溶液の約1000gに対しドライアイスを500g添加し、ブレンダー(オスター社 OB-1)で粉砕し、シャーベット状にした。シャーベット温度は0℃に調整した。その後、トレイ充填し、-40℃で凍結し、冷凍庫中に3時間保存した。ついで、凍結真空乾燥し、さらに加熱処理を75℃で3日間(乾燥機 ダルトン製NY4型)おこない、非晶質の部分脱アセチル化キチン塩を主成分とするスポンジ状止血材を得た。
なお、表中、キトサンと表示の欄は使用した以下に例示する各種キチン誘導体を含む。
FMは、中粘度キトサン(DAC度 100%、粘度44mPa・s:サンプルNo.S510194、No.S510195、S510203)、DAC30Mは中粘度非晶質キチン(DAC度 25%〜40%程度 粘度20〜100mPa・s:サンプルNo.S509081、No.S510191、No.S510204、No.S604182、No.S606133、No.S606134、No.S606135)、DAC30Lは低粘度非晶質キチン(DAC度 25%〜40%程度 粘度20mPa・s以下:サンプルNo.S510192、No.S510193、No.S510201)、DAC30Hは高粘度非晶質キチン(DAC度 25%〜40%程度 粘度100〜300mPa・s:サンプルNo.S601161、No.S601162)、 DAC50Lは低粘度非晶質キチン(DAC度 50%付近 粘度 20mPa・s以下:サンプルNo.S509082、No.S510062、No.S510202)、DAC30L+FH(DAC度 59%、粘度86mPa・s:サンプルNo.S510281)は低粘度非晶質キチンDAC30Lと高粘度キトサンFH(DAC度 100%、粘度215mPa・s)を13:7に混合したものである。
実施例2
実施例1で得られたスポンジ状止血材(サンプルNo.S510204)の構造を走査電子顕微鏡で確認した。
実施例1で得られたスポンジ状止血材(サンプルNo.S510204)の外観を図1に示した。さらに、走査電顕図を図1−2に示した。いずれも構造及びポアサイズが実質的に均一であった。なお、シャーベット氷にすることなく、中粘度キトサンFM(実験例1参照)の溶液をトレイに充填し、-40℃冷凍庫で通常凍結をし、最終凍結温度は-39℃の場合に得られた走査電顕図は図1−3に示した。図は、断面方向をカッターでスライスし観察したもので観察する場所により構造がかなり異なる(断面1:A)(断面2:B)。また、材料の最表面を観察し(C)、さらに材料を平面方向にカッターでスライスし、上層部(D)及び中層部(E)を観察したところ上層部、中層部でポアサイズが大きく異なっていた。
実験例1
非晶質の部分脱アセチル化キチン塩を主成分とするスポンジ状止血材の分析結果
実施例1で得られた各スポンジ状止血材の物理的特性を分析、評価した。分析結果は表1に示した。
DAC度 25%〜60%程度 粘度20〜200mPa・sである中粘度非晶質キチンDAC30M、DAC60M及び高粘度非晶質キチンDAC30Hが好適な製剤原料であることが確認された。さらに酸としては、グルコン酸が最適であり、アスパラギン酸(Asp)も使用可能である。
なお、表中、太枠は動物実験で成績がよい検体である。
実験例2
動物実験結果
実施例1で得られた各スポンジ状止血材を動物実験に使用した。分析結果は以下表2に示した。なお、動物実験結果の6回試行でのまとめである。
表中、キトサンと表示の欄は使用した以下に例示する各種キチン誘導体を含む。FMは、中粘度キトサン(DAC度 100%、粘度44mPa・s)、DAC30Mは中粘度非晶質キチン(DAC度 38.0%、粘度46mPa・s)、DAC50Lは低粘度非晶質キチン(DAC度 53.0%、粘度 8mPa・s)である。動物実験の×は「悪い」、△は「良くも悪くもない」、○は「良好」、◎は「非常に良好」の意味である。
この結果、DAC30M、即ち中粘度非晶質キチン(DAC度 30%〜40%程度 粘度20〜100mPa・s)が好適な製剤原料であることが確認された。さらに酸としては、グルコン酸が最適であり、アスパラギン酸(Asp)も使用可能である。
実験例3
実施例1で得られた各スポンジ状止血材で調製した止血材をウサギ大腿骨頸部骨髄から出血する骨髄血に浸漬し、血液吸収性を評価した。
シャーベット凍結方式で作成した止血材の血液吸収性は急速に向上した。シャーベット凍結方式で試作したサンプルのうちDAC30M Asp塩、DAC50L Asp塩の性能を比較したところ、DAC30M Asp塩は血液吸収性が良好であった(図2)。一方、DAC50L Asp塩は血液吸収性がDAC30M Asp塩より悪く、一定時間経過後、検体は収縮しボロボロ状態に分断されてしまった。この結果、DAC30M、DAC60M即ち中粘度非晶質キチン(DAC度 30%〜60%程度 粘度20〜100mPa・s)が好適な製剤原料であることが確認された。
実験例4
本発明の止血材のウサギ脊椎静脈叢からの微小出血に対する効果について検討した。In vitroでの血液吸収性試験において良好なものを止血実験の検体に供した。即ち、DAC30M Asp塩、DAC30M リン酸塩、FMリン酸塩、DAC30Mグルコン酸塩(酢酸残留と酢酸フリーの2種類)、DA60Mグルコン酸塩である。酸の量はアミノ基1モルに対し0.4〜0.8モルにした。DAC30Mでは酸の添加量は少ないが、FMはアミノ基が多いので当然、添加する酸の量も多くした。本発明の止血材のポアサイズは50〜400μmであり、従来のアルミ板を挟み急速凍結する方式よりポアサイズが大きく均質になったので、血液吸収性、ハンドリングはかなり向上し、すべての検体で止血効果が得られ、止血材として使えるレベルに達した。ハンドリングは、DAC30Mグルコン酸塩(酢酸フリー)>DAC30Mグルコン酸塩(酢酸残留)>DAC30Mリン酸塩>FMリン酸塩>DAC30M Asp塩の順で好適であった(表2)。FMリン酸塩はpHが大きく低下し、多少ハンドリングが悪い。グルコン酸塩は血液に含浸させたときのpHの低下がほとんどなく、多少のゲル化がみられ、良好な物性である。また、仮にグルコン酸が生体吸収されるとしても生体に悪影響が少ないことが予測されること及び止血効果も明確なため止血材として非常に有用な素材と考えられた。なお、ハンドリングとは、止血材としての取り扱い易さを意味し、スポンジ止血材が遊離する酸により溶解し、手術器具にベトベトと吸着し取り扱いが困難になる場合があり、この困難度により判定するものである。
なお、図3〜5は、本発明止血材による、具体的な止血処理における状態を示す。図3は止血材の創傷部位への貼付状態、図4は創傷部位での止血完成状態、図5は止血材の回収したものである。
実験例5
本発明の止血材の生体分解速度について検討した。止血材は、使用後に生体内に埋没するものが大部分である為、止血材としての役割が終わればできるだけ早く吸収されて消失することが好ましい。
よって、本発明の止血材が、人体の創傷面で認められるリゾチームで速やかに分解されるかを確認した。実験方法及び実験結果は、以下の通りである。
1.試薬
各止血材のサンプルとして、実施例1で得られたDAC30(非晶質キチン:脱アセチル化度約30%)及びFM-80、FH-80(販売元:甲陽ケミカル(株))を使用した。また、生体内酵素として、リゾチーム(卵白由来、最適pH5.0〜6.0、販売元:和光純薬)を使用した。
2.各止血材のスポンジの調製法
上記DAC、FH及びFMを以下の方法でスポンジ状に調製した。
従来の急速冷凍
FMキトサンを0.75%酢酸に溶解させ、これを伝導板に挟み、エタノール冷媒中で急冷凍結乾燥し、酢酸を除去するために熱乾燥をした(図6:FM-A-Q)。
FHキトサンを0.75%酢酸に溶解させ、これを伝導板に挟み、エタノール冷媒中で急冷凍結乾燥し、酢酸を除去するために熱乾燥をした(図6:FH-A-Q)。
本発明の「シャーベット凍結方式」
FMキトサンを0.4%酢酸に溶解させ、次に0.365%リン酸を加えた。そして、このキトサン配合液をドライアイスと共にブレンダーで粉砕し、トレイに充填後、冷凍庫で徐々に凍結させ、凍結真空乾燥し、酢酸を除去するために2次乾燥をした(図6:FM-P-G)。
DAC30を0.125%酢酸に溶解させ、次に0.094%リン酸を加えた。そして、このキトサン配合液をドライアイスと共にブレンダーで粉砕し、トレイに充填後、冷凍庫で徐々に凍結させ、凍結真空乾燥し、酢酸を除去するために2次乾燥をした(図6:DAC30-P-G)。
DAC30を0.125%酢酸に溶解させ,、次に0.171%グルコン酸を加えた。そして、このキトサン配合液をドライアイスと共にブレンダーで粉砕し、トレイに充填後、冷凍庫で徐々に凍結させ、凍結真空乾燥し、酢酸を除去するために2次乾燥をした(図6:DAC30-G-G)。
3.各止血材での分解測定
各止血材(FM-A-Q,FH-A-Q,FM-P-G,DAC30-P-G,DAC30-G-G)10mgに、リゾチーム2mgを含む0.1M酢酸buffer(pH5.60)100mlを加えた。この溶液を37℃に保ちながら恒温振とう器で加水分解した。各時間での酵素分解は、分光光度計を使用して、下記に示すRondle-Morgan法によって評価した。
Rondle-Morgan法によるGlcNの定量
リゾチームで酵素加水分解したサンプル溶液1.5mLをサンプル管にとり、酢酸buffer1.5mLを加え、40℃、静置で10分間加熱した。続いて、アセチルアセトン試薬1.0mLを加え、HClでpH9.80まで落とし、沸騰水浴中で20分間加熱した後、流水で室温まで冷却した。EtOH3.0mLとエールリッヒ試薬1.0mLを加え、65〜70℃で10分間加熱した後、流水で室温まで冷却した。酵素加水分解は分光光度計を使用して、530nmにおけるVIS測定して評価した。
各止血材のリゾチームによる分解速度の結果
本発明の止血材であるDAC30は、FM及びFHと比較して、分解性が高かった(図6)。これにより、本発明の止血材は、従来の止血材よりも生体分解性が優れていることが確認された。
本発明の止血材 走査電顕図 中粘度キトサンFMの走査電顕図 止血材の血液吸収性試験結果 止血材の創傷部位への貼付状態 創傷部位での止血完成状態 回収した止血材 本発明の止血材の生体分解結果

Claims (12)

  1. 脱アセチル化度が20〜65%、20℃において0.5%W/W溶液での粘度が20mPa・s〜300mPa・sの非晶質の部分脱アセチル化キチンのグルコン酸塩又はアスパラギン酸塩を主成分とするスポンジ状止血材。
  2. 製造時のグルコン酸又はアスパラギン酸の酸添加量を非晶質の部分脱アセチル化キチンのアミノ基の1モルに対し0.2〜1.00モルとし、シャーベット凍結方式によって調製されることを特徴とする請求項1に記載の止血材。
  3. 最終製剤の残留酸濃度が、酢酸0〜7.0%W/W、グルコン酸又はアスパラギン酸2〜40%W/Wであり、非晶質の部分脱アセチル化キチンのアミノ基の1モルに対し総酸イオンが0.2〜1.00モルである請求項1又は2に記載の止血材。
  4. 最終製剤の体積当り重量が、0.005〜0.035g/cm3であり、吸水量が40〜120g/gである請求項1〜3の何れか一に記載の止血材。
  5. 最終製剤が、そのポアサイズが50〜400μmであり、実質的に均質構造である請求項1〜4の何れか一に記載の止血材。
  6. 創傷部位に貼付されたときに、創傷局所血液のpHの変化が0.05以下である請求項1〜5の何れか一に記載の止血材。
  7. 創傷部位から、血液吸収後に断片を実質的に残すことなく容易に除去可能である請求項1〜6の何れか一に記載の止血材。
  8. 手術器具にベトベトと吸着しない請求項1〜7の何れか一に記載の止血材。
  9. 非晶質の部分脱アセチル化キチンの調製が、約40%W/Wの苛性ソーダ添加時の処理温度を35〜60度、処理時間を2〜5時間で行うことを特徴とする請求項1〜8の何れか一に記載の止血材。
  10. 脱アセチル化度が20〜65%の非晶質の部分脱アセチル化キチンを懸濁させた後、グルコン酸又はアスパラギン酸を非晶質の部分脱アセチル化キチンのアミノ基の1モルに対し0.2〜1.0モルに添加し、撹拌を行い、ついで攪拌後の溶液のろ液を氷結させ、粉砕し、シャーベット状にし、これを製品トレイに充填して凍結真空乾燥・さらに2次乾燥によって調製する非晶質の部分脱アセチル化キチン塩を主成分とするスポンジ状止血材の製造方法。
  11. グルコン酸又はアスパラギン酸の添加前に、酢酸添加により非晶質の部分脱アセチル化キチンを溶解させる請求項10に記載の方法。
  12. 2次乾燥及び/又は加熱処理を65〜85度、1〜7日間行う請求項11に記載の方法。
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