JP2003000693A - 止血材 - Google Patents
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Abstract
果を有し、余剰の止血材を容易に取除くことができる止
血材を提供する。 【解決手段】 繊維状脱アセチル化キチンの酸塩と生体
吸収性繊維とが混合された綿状物からなることを特徴と
する止血材。
Description
のであり、さらに詳しくは外科手術などにおける切開創
や切除創、抜歯創、肝臓や膵臓などの臓器や関節手術に
おける骨切面からの出血に対して効果的な止血作用を有
する止血材に関するものである。
結紮法、電気凝固法、レーザー凝固法、赤外線凝固法、
冷凍法や種々の止血材を用いる方法等がある。静脈性の
出血は圧迫止血だけでも充分であり止血は容易である。
一方、出血点のはっきりしている動脈性出血の場合、結
紮、縫合、電気凝固法による止血が常法であるが、結
紮、縫合は出血部位が脆弱な場合や毛細血管等の微少血
管からの滲み出るような出血には用いることはできな
い。さらに、電気凝固法、レーザー凝固法、赤外線凝固
法、冷凍法についてはその有効性は認められているもの
の、何れの方法を行う場合にも高価な装置を必要とし、
また出血部位が広い範囲におよぶ際には使用しにくい点
は否めない。
血には非常に有効であるが、圧迫することが困難な狭い
術野では使えず、また、止血に比較的時間を要する等の
問題点がある。それ故、手術のように時間が限られる場
合では、これらの問題点を補い手術を円滑に行うため、
種々の止血材が用いられているのが現状である。
セルロース、ゼラチン、微繊維性コラーゲンからなるも
のが市販されている。酸化セルロースは血液に接触する
と血中のヘモグロビンと著しい親和力を有するため凝血
塊を形成し、止血に至るものである。ゼラチンはスポン
ジ状のものが市販されており、血液を吸収して膨潤し局
所を圧迫することによって止血効果を示すものである。
微繊維性コラーゲンは血液に接触すると血小板を活性化
し、活性化された血小板がコラーゲンに付着し凝集塊を
形成することで止血に至るものである。
できるものとして、キチン又はキチン誘導体の塩酸塩お
よび有機酸塩からなる止血材が提案されている(特開昭
63−211232号公報、特開平9−19653号報
及び特開平9−169654号報参照)。その中で、繊
維状脱アセチル化キチン酸塩のみからなる止血材は出血
部位に適用すると、急速にゲル化膨潤し、出血部位に強
く付着し、湧き出るような血液でも流されず迅速で且つ
確実な止血が出来るものである。
の止血において繊維状脱アセチル化キチン酸塩のみから
なる止血材を使用した場合、止血後に剰余分を生理食塩
水などで洗浄除去する必要があり、術後作業が煩雑であ
った。また、繊維状脱アセチル化キチン酸塩のみからな
る止血材は出血部位に接触すると吸液により繊維が膨潤
ゲル化する。膨潤ゲル化した剰余の止血材は非常に柔ら
かいため、ピンセット等では取り除き難い。一方、生理
食塩水等を用いた洗浄除去では膨潤ゲル化による密着の
ため洗い流され難い。このため結果的に余剰の止血材が
手術創に多量に残留することがあった。このように止血
材が手術創に残留すると、生体排除能や縫合部位の縮小
圧迫により、一旦縫合により閉鎖した手術創を開いてし
まう等の閉鎖不全が生じるという問題があった。
除去すると再出血が生じる場合があり、微繊維性コラー
ゲンは激しい出血の場合ずれることもあり、何れも適用
には限界があった。本発明は、外科手術時において迅速
かつ確実な止血効果を有し、余剰の止血材を容易に取除
くことができる止血材を提供することを目的とする。
な課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、繊維状
脱アセチル化キチンの酸塩と生体吸収性繊維とを混合し
た止血材を出血部位に適用することにより、止血材のゲ
ル化による膨潤をおさえ単位重量当たりの血液吸収量を
減少させて止血を行うことができる。吸液によりゲル化
した脱アセチル化キチン酸塩の繊維とゲル化していない
生体吸収性繊維が混在していることにより、ゲル化物が
把持され操作性および止血後の除去性が飛躍的に向上
し、ピンセット等による除去操作において再出血もなく
容易に剰余の止血材を取り除くことができることを見出
し、本発明に達したものである。
キチンの酸塩と生体吸収性繊維とが混合された綿状物か
らなることを特徴とする止血材を要旨とするものであ
る。好ましくは、繊維状脱アセチル化キチンの酸塩が、
塩酸塩及び/又はマレイン酸塩であり、また、生体吸収
性繊維が、キチン繊維である止血材である。
一般に、キチンとは、甲殻類、昆虫類等の外骨格を塩酸
処理並びに苛性ソーダ処理して灰分および蛋白質を除去
して得られるもの及びその誘導体をいい、通常のキチン
(ポリ-N-アセチル-D-グルコサミン)及びその脱アセチ
ル化物、さらにはグルコサミン残基の-OH基または-CH2O
H基がエステル化、エーテル化、カルボキシメチル化あ
るいはO-エチル化等に修飾されたキチン誘導体も含まれ
る。
は、上記したようなキチンをアルカリ処理という周知の
方法により脱アセチル化して得られた脱アセチル化キチ
ンをいう。脱アセチル化の工程において、使用するアル
カリ濃度、処理温度、処理時間等を適宜変えることによ
り、脱アセチル化度を容易に調整することができる。
法で測定した値をいう。試料約2gを2M−塩酸水溶液
200mL中に投入し、室温で30分間攪拌する。次
に、ガラスフィルターで濾過して塩酸水溶液を除去した
後、200mLの無水メタノール中に投入して30分間
攪拌し、ガラスフィルターで濾過後、無水メタノール2
00mL中に投入し30分間攪拌する。このメタノール
による洗浄操作を4回繰り返した後、風乾および真空乾
燥する。乾燥後、約0.2gを100mL三角フラスコ
に精秤、更にイオン交換水40mLを加えて30分間攪
拌する。次に、この溶液を、フェノールフタレインを指
示薬として0.1M−苛性ソーダ-水溶液で中和滴定す
る。
められる。 A(%)=〔(2.03×f×b×10-2)/(a+0.055×f×b×
10-2)〕×100 ただし、aは試料の重量(g)、fは0.1M−苛性ソーダ
水溶液の力価、bは0.1M−苛性ソーダ水溶液の滴定
量(mL)である。
脱アセチル化度は、好ましくは20〜90%であり、さ
らに好ましくは30〜85%であり、最も好ましくは4
0〜70%である。脱アセチル化度が20%未満では、
出血部位に適用してもゲル化が弱く、充分な止血効果が
得られないことがあり、また90%を超えると出血部位
に適用しても血液等により溶解流失することがある。
チンは繊維状のものである。これを得る方法としては、
溶剤に溶かしてから紡糸する、通常の湿式紡糸法または
湿式成型法を採用することができる。また、この紡糸工
程は、上記した脱アセチル化工程の前後いずれでも構わ
ない。ここで用いられる溶剤としては、キチン又はその
誘導体の種類によって適切なものを使用することができ
る。例えば、天然物を精製したままのキチン及び脱アセ
チル化度の比較的低いキチンについては、ハロゲン化炭
化水素とトリクロル酢酸の混合物、N-メチルピロリドン
またはN,N-ジメチルアセトアミドと塩化リチウムとの混
合物が好ましく使用され、脱アセチル化度の高いキトサ
ンに対しては、酢酸等の酸水溶液が好ましく用いられ
る。
して、例えば、キチンを上記溶剤に溶かしてドープを作
製し、ステンレスネット等のフィルターで濾過して未溶
解部分や異物を除去した後、ギヤポンプ等で輸送、計量
し、細孔であるノズルから水、アルコール類、ケトン
類、アルカリ溶液等の凝固液中に押し出して凝固する。
凝固物は回転ローラー等にて一定速度で引き取ることに
より、繊維を得ることができる。
チンは、長手方向に長い形状のものであればよい。繊維
の直径は1〜120μmが好ましく、さらに好ましくは
5〜50μmであり、最も好ましくは8〜30μmであ
る。繊維の直径が1μm以下の場合は繊維の強度が弱
く、成形性に劣り操作性が落ちる。また直径120μm
以上の繊維は剛直になり過ぎるため、適用時の操作性お
よび密着性が悪くなる。
チンの長さは、カッティングにより任意の長さのものを
得ることができるが、あまり長いものでは綿状にする際
に充分分散させることが難しくなり、均一な混合が得ら
れなくなる。逆に極端に短すぎると繊維同士が絡み難く
止血部位への適用の際に散らばってしまう。また、耐血
圧の強度も得られなくなるため、0.05〜15.0c
mがよく、好ましくは0.1〜8.0cmであり、0.
2〜3.0cmが最適である。
は、酸塩となっていることが必要である。酸塩の種類と
しては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、乳酸、酪
酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、シュ
ウ酸、マロン酸、イタコン酸、グルコン酸等が挙げられ
るが、これらのなかで特に塩酸及び/又はマレイン酸が
好ましい。
は、脱アセチル化キチンを酸で処理して塩にする方法が
挙げられる。例えば、酸塩処理する脱アセチル化キチン
のグルコサミン残基と等モル以上の酸アルコール溶液又
は2M以上の酸水溶液に脱アセチル化キチンを30分以
上浸漬後、濾過しメタノールやエタノール等のアルコー
ル類で洗浄し乾燥させればよい。
生体吸収性繊維と混合して得たものを0.1%の水分散
液とした場合、そのpHが2.5〜5.0になるのが好
ましく、より好ましくは3.0〜4.5である。
は、ポリ−p−ジオキサノン繊維、キチン繊維、コラー
ゲン繊維、ポリ−L−乳酸繊維、ポリグリコール酸繊
維、アルギン酸繊維などが挙げられる。これらの中で、
キチン繊維が好ましい。ここで用いられるキチンの脱ア
セチル化度は、0〜20%が好ましく、さらに好ましく
は0〜15%であり、最も好ましくは0〜10%であ
る。脱アセチル化度が20%以上では、繊維の強力が低
いため繊維状脱アセチル化キチン酸塩が吸液ゲル化した
あとの強度補強にはならず除去性の向上は認められない
場合がある。また、キチン繊維の強度としては1.0cN
/dtex以上あれば、吸液したあとの強度補強が得られ除
去性の向上が認められるので好ましい。
のであればよい。繊維の直径は1〜120μmが好まし
く、さらに好ましくは5〜50μmであり、最も好まし
くは8〜30μmである。繊維の直径が1μm以下の場
合は繊維の強度が弱く成形性に劣り操作性が落ちる。ま
た直径が120μm以上の繊維は、剛直になり過ぎるた
め、適用時の操作性および密着性が悪くなる。
の酸塩と生体吸収性繊維との混合比は、生体吸収性繊維
が吸液後の強度補強になるので多ければ多いほど好まし
いが、止血効果を有する繊維状脱アセチル化キチン酸塩
の混合比が減少すると止血効果が低下するので限度があ
り、繊維状脱アセチル化キチン酸塩の割合は10〜90
%がよく、より好ましくは20〜80%であり、30〜
70%が最適である。
収性繊維との混合は、開繊機等を用いて行うことができ
るが、特に限定されるものではない。例えば繊維状脱ア
セチル化キチンの酸塩と生体吸収性繊維を適当な割合で
混合し開繊機にて開繊することにより、混合され、嵩高
い綿状物を得ることができる。開繊機としては、金属ブ
ラシ、ミキサー、メッシュ付エアー分散機、オープナ
ー、カード機、粉砕機、ミル等を用いることが出来る。
の嵩比重を小さくして、嵩高い止血材を得ることができ
るだけでなく、更に繊維状キチン酸塩と生体吸収性繊維
の分布を均一にすることができる。この嵩高い止血材は
形状加工が容易なため、すなわちさまざまな形状をした
創傷部位にあわせて止血材の形状をかえられることによ
って創面に均一に密着させることができ、止血効果を最
大限発揮させることができる。そのため、嵩比重は小さ
いほうがよいが、繊維同士が適度に絡み合うためにはそ
の限界があるし、又小さすぎると繊維が飛散したり、操
作性が悪くなる。また、適用時に隙間ができてしまい完
全に止血することが困難になるため、0.002〜0.
1g/cm3がよく、好ましくは0.005〜0.02
g/cm3程度である。
たものである。得られた綿状物を標準状態下(20
℃、65%RH)で、約1g計り取り精秤する(計測重
量:Wg)。標準状態下で200mLプラスチック製
メスシリンダー内に均一に充填する。次に、直径35
mmの重さ0.5gの平円板をで準備された綿状物の
上にのせ、更にその上に50gの分銅を30秒間のせた
あと分銅を取り除き30秒放置する。この操作を3回繰
り返し、充填された綿状物の容積Vを測定。次式に従い
比容積をサンプル3個について求めその平均値を採用す
る。 嵩比重(g/cm3)=W/V
量を細片にして付与することが可能であり、さらに粉末
のようにこぼれ落ちて他の臓器を癒着させる恐れもな
く、好ましい。
圧縮や成形等によりフェルト状、マット状、球状、棒
状、シート状に加工することもできる。たとえばシート
状物とするためには、繊維状脱アセチル化キチンの酸塩
と生体吸収性繊維を開繊混合した後、プレス機にて加圧
成形すればよい。プレス機としては、例えばシートマシ
ーン(熊谷理機工業社製)等を用いることができる。プ
レス機にて加圧成形する際、例えば、加圧時間、加圧圧
力等を適宜変更することにより、任意の硬さのシートを
作製することが可能である。
することにより任意の厚みのシートができる。このとき
の目付量としては、5〜500mg/cm2が好ましく
は、10〜300mg/cm2がさらに好ましく、20
〜150mg/cm2が最適である。このシート状物は
関節手術における骨切面など垂直な出血部位に用いる際
に好適である。
が、滅菌方法としては特に限定されるものではなく、例
えばエチレンオキサイドガス滅菌、電子線滅菌、ガンマ
線滅菌、高圧蒸気滅菌等が用いられる。
形外科、呼吸器外科、消化器外科、形成外科、心臓血管
外科、耳鼻咽喉科、肛門科、泌尿器科、産婦人科、口腔
外科、歯科、獣医科などの通常外科的手術に伴う出血部
位に用いることが可能で、主として胃、食道、肝臓、膵
臓、脾臓、胸骨剥離面、仙骨前面、脊椎、脊髄、小腸、
大腸、胆のう、腎臓、心臓、膀胱、子宮、肛門、硬膜表
面、硬膜近傍骨部、大腿骨や脛骨などの関節手術におけ
る骨きり面などに用いられる。
に説明する。 実施例1〜3 キチンの粉末を100メッシュに粉砕し、1M−塩酸に
て4℃で1時間処理した後、3%苛性ソーダ中90℃で
3時間加熱処理し、再度キチンの粉末中に含まれるカル
シウム分およびタンパク質を除去し、水洗を繰り返し乾
燥した。塩化リチウムを8重量%含むジメチルアセトア
ミド溶液に得られたキチンを0.2重量%の濃度になる
ように溶解し、30℃における溶液の粘度を測定したと
ころ265mPa・sであった。
ウムを含んだジメチルアセトアミド溶液に7重量%とな
るように溶解し、ドープを得た。得られたドープは、1
480メッシュの金網で濾過し放置脱泡後、タンクに入
れ加圧下でギヤポンプにて輸送し、口径0.04mmの
ノズルから80℃の熱水中に押出し凝固した後、10m
/minの速度で引取り再度熱水洗浄、乾燥すると0.
81単糸dtexのキチン繊維を得ることができた。上記の
ごとく得られたキチン繊維を3mmと5mmの長さに定
長カットした。
酸化ナトリウム溶液中で121℃にて1時間処理を行っ
た。処理後、中和、洗浄、乾燥し綿状物を得た。得られ
た綿状体を構成するキチン繊維の脱アセチル化度は58
%であった。
モル等量のマレイン酸のメタノール溶液に室温で30分
浸漬した後、ブフナー漏斗およびアスピレーターを用い
吸引濾過し、メタノールで15分間の洗浄を5回繰り返
し、乾燥させた。ミキサー(株式会社日立家電社製、VA
-W26)にて酸塩処理した繊維状脱アセチル化キチンと5
mmにカットしたキチン繊維をミキサーにて開繊混合
(酸塩処理した繊維状脱アセチル化キチン:キチン繊維
=X:Yで混合)し嵩高い綿状の止血材を得た。
行った。このときの嵩比重は0.0125g/cm3、
平均繊維直径11μmであった。
キチン繊維の混合比を表1に示す。また、得られた止血
材の0.1%水分散液のpH(25℃)を表1に示す。
代えて2M−塩酸水溶を用いた以外は実施例1〜3と同
様に行った。得られた綿状物の物性値は、0.1%水分
散液のpHがそれぞれ表1に示す数値であり、嵩比重が
0.0125g/cm3、平均繊維直径11μmであっ
た。
キサー(株式会社日立家電社製、VA-W26)にて開繊し、
綿状物を得た。滅菌処理としてエチレンオキサイド滅菌
を行った。このときのこのときの嵩比重は0.0125
g/cm3、平均繊維直径は11μmであった。
塩のみ(比較例2)、及び実施例4の繊維状脱アセチル
化キチンの塩酸の酸塩のみ(比較例3)を、ミキサー
(株式会社日立家電社製、VA-W26)にて開繊し、綿状物
を得た。滅菌処理としてエチレンオキサイド滅菌を行っ
た。このとき比較例2及び3は、繊維直径は10〜12
μm、嵩比重は0.0125g/cm3、平均繊維直径
は11μmであった。
パック(東商実業株式会社製、お茶パックL)に入れ、
蒸留水に5分間浸漬後、5分間吊り下げ水切りをした状
態の止血材を飽和吸水状態の止血材とした。この飽和吸
水状態の止血材をガラスシャーレに約5g計りとり精評
する(初期重量:S)。歯科用ピンセット(先曲・精密
タイプ)にて最大限つかみ取れる量を掴み飽和吸水状態
の止血材を除去していき、残重量(Z)を測定し残重量
が0gに近づくまで繰り返し除去操作を行った。そのと
きの除去率を次式によりもとめ除去性の評価指標とし
た。測定は5回繰り返し行い平均値を採用。 除去率=(1−Z(g)/S(g))×100 その結果を図1及び2に示す。
は、キチン繊維を混合することにより、繊維状脱アセチ
ル化キチンの酸塩のみの止血材よりも除去回数が大幅に
少なくてすむことが明らかである。
m、横2cm、厚み1mmの切除創を3箇所に作製し出
血させた。それぞれの部位に実施例2、比較例2の止血材
と比較例1の綿状物をそれぞれ35mg付与した。実施
例1、比較例2の止血材を付与した創では止血材がゲル
化し、創に密着して止血効果を発揮した。止血に要した
時間は2分であった。一方、比較例1を付与した創からは
2分以上経過しても出血は続いていた。止血後、実施例1
の剰余止血材はピンセットにより容易に除去できた。止
血材除去時の再出血も確認されなかった。一方、比較例
2における剰余止血材はキチン繊維が混合されていな
く、ゲル化した繊維の集合体のみであるためピンセット
による除去性能は実施例1より劣った。
m、横2cm、厚み1mmの切除創を3箇所に作製し出
血させた。それぞれの部位に実施例6、比較例3の止血
材と比較例1の綿状物をそれぞれ35mg付与した。実
施例6、比較例3の止血材を付与した創では止血材がゲ
ル化し、創に密着して止血効果を発揮した。止血に要し
た時間は2分であった。一方、比較例1を付与した創か
らは2分以上経過しても出血は続いていた。止血後、実
施例6の剰余止血材はピンセットにより容易に除去でき
た。止血材除去時の再出血も確認されなかった。一方、
比較例3における剰余止血材はキチン繊維が混合されて
いないため、ゲル化した繊維の集合体のみであるためピ
ンセットによる除去性能は実施例6より劣った。
摘出時の出血部位にそれぞれ0.1g付与したところ実
施例2の止血材の一部がゲル化し止血効果を発揮した。
止血に要した時間は2分であった。止血後の剰余の止血
材はピンセットや鉗子により容易に除去できた。止血材
除去時の再出血も確認されなかった。一方、比較例1を
付与した部位からは2分以上経過しても出血は続いてい
た。
成された腫瘍をメスにて切除した。出血が著しく、脱脂
綿(白鶴綿業株式会社製)(比較例4)約0.1gにて
圧迫止血を行うが3分経過しても出血が止まらず、5〜
6mLの出血のため口腔内から血液があふれた。実施例
5の止血材約0.1gを鉗子で把持し出血部位に付与し
たところ2分以内で止血された。止血後の剰余止血材の
除去もピンセットや鉗子により容易に除去できた。止血
材除去時の再出血も確認されなかった。
箇所作り止血効果を評価した。それぞれの部位に、ガー
ゼによる圧迫止血法(比較例5)、比較例3、実施例3
をそれぞれ0.075〜0.1g付与した。止血処置な
しを比較例6とした。止血効果の結果を表2に示す。
例5のほうが簡単に出血部位から除去でき、止血材除去
時の再出血も確認されなかった。
除去、5秒間観察し判定) 著効:2分で止血 有効:5分で止血 無効:5分を超えて出血が見られる
とにより、一部がゲル化し出血部位に強く付着するの
で、激しい出血に対しても短時間で確実な止血を行うこ
とができる。また、止血完了後、ピンセットや鉗子等で
容易に剰余の止血材を除去することができる。しかも、
剰余の止血材をピンセット等により除去する際、止血に
関与している部分の止血材は止血部位から剥離すること
がないので、再出血をおこさず充分な止血効果を有す
る。したがって、本発明の止血材は、充分な止血効果を
有するとともに適用時の操作性および止血後の剰余止血
材の除去性が飛躍的に向上した特性を有する止血材であ
り、手術時の医師および患者の負担を著しく軽減するも
のであり非常に有効である。
去率の変動を示す図である。
変動を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 繊維状脱アセチル化キチンの酸塩と生体
吸収性繊維とが混合された綿状物からなることを特徴と
する止血材。 - 【請求項2】 繊維状脱アセチル化キチンの酸塩が、塩
酸塩及び/又はマレイン酸塩である請求項1記載の止血
材。 - 【請求項3】 生体吸収性繊維が、キチン繊維である請
求項1記載の止血材。
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---|---|---|---|
JP2001191195A JP4955156B2 (ja) | 2001-06-25 | 2001-06-25 | 止血材 |
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