JPH0835193A - コラーゲン繊維不織シートの製造方法 - Google Patents

コラーゲン繊維不織シートの製造方法

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JPH0835193A
JPH0835193A JP6187900A JP18790094A JPH0835193A JP H0835193 A JPH0835193 A JP H0835193A JP 6187900 A JP6187900 A JP 6187900A JP 18790094 A JP18790094 A JP 18790094A JP H0835193 A JPH0835193 A JP H0835193A
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collagen fiber
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fibers
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JP6187900A
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Satoru Takeuchi
悟 竹内
Takashi Takigawa
高志 瀧川
Kunio Iwase
国男 岩瀬
Hiroshi Ochiai
寛 落合
Masanori Sakakibara
巨規 榊原
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 止血材としての止血能を十分発揮し、かつ止
血処置時の操作性を向上させ、外科領域におけるあらゆ
る創傷部に対して迅速で有効に適応できるコラーゲン繊
維不織シートを得る、またこれを安全に得る。 【構成】 可溶化コラーゲンの酸性溶液を紡糸口金より
濃厚塩類水溶液中に吐出させて凝固、再生したコラーゲ
ン繊維を切断し、コラーゲンを溶解しない有機溶剤また
は有機溶剤と水との混合溶液で分散、抄造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外科領域における創傷
部に迅速、かつ有効に適応できる止血材として有用なコ
ラーゲン繊維不織シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各医療施設で大手術が比較的頻繁
に行われるようになったが、手術中の患者の出血をいか
に予防し、また止血を確実に、かつ短時間に行うかが手
術後の経過を左右する重要な因子となっている。例え
ば、外科手術時の止血法としては、圧迫法、結紮法、電
気凝固法やトロンビンやフィブリン糊法等の生理活性物
質の応用等がある。出血点のはっきりしている動脈性出
血に対しては、一般に結紮法や電気凝固法が用いられ、
静脈性出血に対しては、圧迫だけでも充分であり、止血
は容易である。
【0003】しかしながら、実質臓器からの出血や毛細
管性出血に対しては、これらの止血法では効果のない場
合があり、肝不全や心臓血管外科領域で出血傾向にある
場合には、特に止血に困難をきたす。このような場合、
出血面に接触させるだけで血液凝固反応を促進し、速や
かに血栓を形成し出血を阻止する局所吸収止血材が、手
術時間を短縮するのみならず、術後の再出血をも防止
し、安全な術後管理にも貢献するので効果的である。
【0004】この目的で、近年、生体由来の蛋白質、す
なわち、抗原性が低く生体に安全に吸収されるためアレ
ルギー反応と異物反応を最小限に止め得る蛋白質である
コラーゲンを用いた局所止血材が、それ自身の生理活性
作用を有し、止血効果も高いこともあって盛んに臨床応
用されるようになってきている。
【0005】現在、実用化されているコラーゲン製局所
止血材には、天然のコラーゲン繊維を微粉砕してフレー
ク状にしたものやコラーゲン溶液を凍結乾燥し平板状の
スポンジにしたものがあるが、前者については、フレー
ク状であるために血液に流され飛び散るため止血効果が
あまり期待できないし、静電気を帯びやすく使用の際
に、手やピンセットに付着しやすいという操作面での難
点がある。一方、後者については、平板状であることか
ら複雑な形状の創傷面に対する密着性が十分でなく、圧
迫止血もできなくなるので、前者と同様止血効果があま
り期待できない。
【0006】かかる欠点を改善するものとして、コラー
ゲン繊維の集合体よりなる止血材が提案されている。コ
ラーゲン繊維集合体は、コラーゲン溶液を高濃度の塩類
溶液にて凝固、再生させて繊維とし、塩類を洗浄除去し
た後乾燥することにより得ることができる(人工臓器1
9巻3号(1990)P.1235〜1238、特開平
4−61862号公報)。しかし、この方法で得られる
コラーゲン繊維集合体は、繊維が不規則に絡み合った綿
塊状であるため、使用する際には、創傷面形状に合わせ
て均一に止血材を当てるために再度加工する必要がある
が、綿塊の繊維密度や厚さを手作業によって均一にする
ことは困難である。また、広範囲の創傷面に適応する
際、複数の綿塊を並べ合わせて使用すると、綿塊間の絡
みがなく綿塊間に割れが生じ易く、止血不良をきたす原
因になる。
【0007】不規則に絡み合った綿塊の大きさや繊維密
度を一定にするためには、エアーブロー等の開繊処理を
行う(人工臓器22巻2号(1993)P.348〜3
52)等の特別な手段が必要であるが、異物の混入や製
造コストの面から実施が困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】止血材をその操作性か
ら評価した場合、展開綿体が最もよいことは、オキシセ
ルロースでの臨床使用から明らかであることから、本発
明の目的は、止血材としての止血能を十分発揮し、かつ
止血処置時の操作性を向上させ、外科領域におけるあら
ゆる創傷部に対して迅速で有効に適応できるコラーゲン
繊維不織シートを得ることにあり、本発明の他の目的
は、かかるコラーゲン繊維不織シートを安全に得ること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、可溶化コラー
ゲンの酸性溶液を紡糸口金より濃厚塩類水溶液中に吐出
させて凝固、再生したコラーゲン繊維を切断し、コラー
ゲンを溶解しない有機溶剤または有機溶剤と水との混合
溶液で分散、抄造することを特徴とするコラーゲン繊維
不織シートの製造方法にある。
【0010】本発明において用いる可溶化コラーゲン
は、繊維状に再生可能なるコラーゲンであれば特に限定
されず、酸、アルカリ、酵素等によって可溶化したコラ
ーゲンであるが、可溶化の際、コラーゲンの抗原性発現
部位であるテロペプチドを除去し免疫毒性を低下させ
た、酵素処理またはアルカリ処理により可溶化したいわ
ゆるアテロコラーゲンであることが好ましい。
【0011】可溶化コラーゲンよりコラーゲン繊維を得
るに当たっては、可溶化コラーゲンを酸性水溶液に溶解
し、このコラーゲン酸性溶液をギヤポンプを用いて一定
量づつ紡糸口金より紡糸浴の濃厚塩類水溶液中に吐出さ
せ紡糸することによりコラーゲン繊維を得る。コラーゲ
ン酸性溶液は、均一でできるだけ高濃度であることが紡
糸にはよいが、コラーゲン濃度が高すぎると粘度が高く
なり使用し難くなるので、コラーゲン濃度は、用いるコ
ラーゲンの分子量にもよるが、0.5〜10wt%とす
ることが好ましい。また、酸性水溶液は、均一溶液を簡
便に調製するためには、用いるコラーゲンの等電点にも
よるが、pHが1.5〜5.0の塩酸水溶液を用いるこ
とが好ましい。
【0012】コラーゲンは、溶液状態では熱変性し易い
ため、用いるコラーゲンの安定性にもよるが、コラーゲ
ン酸性溶液の温度を0〜35℃とすることが好ましい。
紡糸浴に用いる濃厚塩類水溶液における塩類としては、
コラーゲンの凝固性、安全性から、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸
カリウム及び硫酸アンモニウムが好ましく用いられ、水
溶液の塩類濃度は、高速で安定した紡糸を行うために
は、飽和濃度の60%以上の濃度とするのが好ましい。
また、紡糸温度は、高温ではコラーゲンの熱変性が促進
されるので、用いるコラーゲンの安定性にもよるが、1
0〜40℃であることが好ましい。
【0013】紡糸浴で凝固、再生して得られたコラーゲ
ン繊維は、不織シートとするために、短繊維に切断され
る。切断長は、短かすぎると、繊維間の絡まりが少なく
なり止血の際迸る血液に抗する強度を有する不織シート
を得ることが困難となり、また不織シート取扱い時に短
繊維が飛散し易く適応部位以外への汚染を招き、長すぎ
ると、繊維間の絡まりが過度になり均一な分散液の調製
及び均一な厚さの不織シートを得ることが困難となるの
で、好ましくは1〜50mm、より好ましくは1〜30
mmとする。コラーゲン繊維の切断は、紡糸以降分散、
抄造までのいずれの段階で行ってもよいが、紡糸して得
られた繊維を洗浄した後に、はさみ、切断機等切断する
ことが好ましく、特に切断方法には制限はないが、引き
ちぎったり、押圧するような切断方法は、避けるのがよ
い。
【0014】紡糸して得られたコラーゲン繊維は、高濃
度の塩類を含有したゲル状の形態をしているので、紡糸
後塩類及びその他コラーゲン以外の不純物を除去するた
め洗浄する。塩類等の除去に先立ち、架橋処理によって
コラーゲン繊維を水不溶化した場合は、洗浄剤として塩
類の洗浄効率の高い水を用い、洗浄する。また、架橋処
理を行わない場合は、コラーゲン繊維は、水溶性である
のでアルコール類と水との混合液を用い、洗浄する。
【0015】アルコール類としては、イソプロパノール
が好ましく用いられ、アルコール類の比率が高い程塩類
の洗浄効率が低下するので、コラーゲン繊維を溶解しな
い範囲でかつ洗浄効率を低下させない範囲とする必要が
あり、アルコール類比率を30〜90vol%とするこ
とが好ましい。また、洗浄温度は、洗浄効率からはでき
るだけ高いほうがよいが、コラーゲンの熱変性を防止す
る上から、用いるコラーゲンの安定性にもよるが、10
〜40℃とすることが好ましい。
【0016】切断されたコラーゲン繊維は、コラーゲン
を溶解しない有機溶剤または有機溶剤と水との混合溶液
に分散させ、分散液を抄造して不織シートとする。分散
媒としては、コラーゲンを溶解せず、かつ分散性が良好
であると共に除去し易いことが必要であり、アルコール
類、ケトン類、エーテル類等の有機溶剤が用いられる
が、なかでも溶剤の非残留性、安全性からエタノール、
イソプロパノールが好ましく用いられる。また、通常抄
造における分散液には、分散性を高める目的で粘度調整
剤を添加するのが一般的であるが、医療材の製造目的に
は用いることができないため、水を添加して分散性を高
めた(溶液粘度を高めると共に繊維の膨潤により絡みが
防止される)有機溶剤と水との混合溶液も用いられる。
【0017】また、脱塩洗浄に用いた洗浄液と同じ組成
の分散媒を用いることにより、製造の合理化を可能とす
る。分散液のコラーゲン繊維濃度は、低い程均一に分散
し易く、抄造において均一な厚さと密度の不織シートが
得られるが、あまり低いと、大量の分散液と大きな装置
を必要とするため、0.01〜1.00wt%とするこ
とが好ましい。
【0018】コラーゲン分散液は、抄造装置における漉
き網の下部から均等に抜液することにより、コラーゲン
短繊維が漉き網上に順次沈積して均一なコラーゲン繊維
不織シートが形成される。コラーゲン繊維不織シートの
厚さは、任意に設定できるが、抄造を繰り返すかまたは
不織シートを積層して厚みを調整したり、多層化するこ
ともできる。
【0019】また、本発明においては、抄造の際または
抄造した後、キチン、キトサン、酸化セルロース、ポリ
乳酸、ポリグリコール酸、異種コラーゲンの等の生体吸
収性繊維を混合または積層して複合したコラーゲン繊維
不織シートを得ることができる。生体吸収性繊維との複
合は、抄造の際に、生体吸収性繊維をコラーゲン分散液
に添加する或いは生体吸収性繊維の分散液を併用する等
により生体吸収性繊維をコラーゲン不織シートに混合或
いは積層するか、または抄造した後に、得られたコラー
ゲン繊維不織シートに生体吸収性繊維不織シートを積層
して複合する。かかる生体吸収性繊維の複合により、抗
菌性、薬物放出性等の機能を付与した、或いは低コスト
のコラーゲン繊維不織シートを得ることができる。
【0020】得られたコラーゲン繊維不織シートは、減
圧乾燥等により乾燥され、さらに滅菌、または必要に応
じ架橋処理する等止血材として必要な安全性、取扱い性
を考慮した任意の仕上げが施される。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、コラーゲン繊維不織シートの性能評価は、次
に記す方法に拠った。
【0022】1)止血性:実験開始前にヘパリン100
μ/kgを全身に投与した成犬を全身麻酔下に開腹し、
脾臓の皮膜のみを1cm×1cmの大きさにメスで剥離
した箇所に、0.1gの止血材を30秒間圧迫した後の
出血量を一定時間毎に観察した。 ランクA 1分以内に止血が完了 ランクB 3分以内に止血が完了 ランクC 5分以内に止血が完了
【0023】2)均一性(目付けの変動):均一から不
均一までを5段階で評価判定し、均一性の高い方を5、
低い方を1とした。 3)創傷部接触性:良好から劣るまでを5段階で評価判
定し、良好の方を5、劣る方を1とした。 4)単繊維間の接着:無しから多いまでを5段階で評価
判定し、無い方を5、多い方を1とした。
【0024】(実施例1)新鮮牛皮より得られた不溶性
コラーゲンを蛋白質分解酵素のペプシンにて処理してア
テロコラーゲンを得た。このアテロコラーゲンをpH2
に調整した塩酸水溶液に溶解し、温度25℃、コラーゲ
ン濃度5wt%の酸性溶液とした後、孔径100μm、
孔数200の紡糸口金より、温度25℃の硫酸ナトリウ
ム20wt%水溶液からなる紡糸浴中に吐出して、凝
固、再生し、再生コラーゲン繊維をイソプロパノール8
0/水20(vol%)の混合液で温度25℃で洗浄し
てコラーゲン繊維を得た。
【0025】得られたコラーゲン繊維を、切断し、表1
に示すa〜fの条件にて分散液を調製して、漉き網目2
0メッシュ、漉き網面積300cm2、抜液速度2.3
ml/5cm2の条件にて抄造した後、減圧乾燥し、コ
ラーゲン繊維不織シートを得た。得られた各コラーゲン
繊維不織シートの性能を表2に示した。得られた各コラ
ーゲン繊維不織シートは、外観、風合い、強度等に若干
差異はみられるものの、止血材として良好な物性を保持
し、いずれも高い止血能を有するものであった。
【0026】(実施例2)新鮮牛皮より得られた不溶性
コラーゲンをペプシンにて処理してアテロコラーゲンを
得た。このアテロコラーゲンをpH2に調整した塩酸水
溶液に溶解し、温度25℃、コラーゲン濃度5wt%の
酸性溶液とした後、孔径100μm、孔数200の紡糸
口金より、温度25℃の硫酸ナトリウム20wt%水溶
液からなる紡糸浴中に吐出して、凝固、再生し、再生繊
維をイソプロパノール80/水20(vol%)の混合
液で温度25℃で洗浄してコラーゲン繊維(イ)を得
た。
【0027】一方、新鮮牛皮より得られた不溶性コラー
ゲンを硫酸ナトリウムと水酸化ナトリウムとモノメチル
アミンの混合溶液にて処理してアテロコラーゲンを得
た。このアテロコラーゲンを同様にして紡糸、洗浄して
コラーゲン繊維(ロ)を得た。得られた2種のコラーゲ
ン繊維を、表1に示すaの条件にて、切断し、分散液を
調製して、抄造し、それぞれ不織シートとした後、減圧
乾燥し、積層して多層状のコラーゲン繊維複合不織シー
トを得た。得られたコラーゲン繊維複合不織シートの性
能を表2に示したが、得られたコラーゲン繊維複合不織
シートは、止血材として十分な性能を有するものであっ
た。
【0028】(実施例3)実施例2において、コラーゲ
ン繊維(ロ)に代えてキトサン繊維を用いた以外は、実
施例2と同様にしてコラーゲン繊維複合不織シートを得
た。得られた複合不織シートの性能を表2に示した。
【0029】(実施例4)実施例2において用いたコラ
ーゲン繊維(イ)及びコラーゲン繊維(ロ)をそれぞれ
10mmに切断し、イソプロパノール中に2種短繊維の
混合比(wt比)1:1、繊維濃度0.1wt%に分散
させて分散液を調製し、抄造した後、減圧乾燥し、混合
状態のコラーゲン繊維複合不織シートを得た。得られた
コラーゲン繊維複合不織シートの性能を表2に示した
が、得られたコラーゲン繊維複合不織シートは、止血材
として実用的に十分な性能を有するものであった。
【0030】(実施例5)実施例4において、コラーゲ
ン繊維(ロ)に代えてキトサン繊維を用いた以外は、実
施例4と同様にしてコラーゲン繊維複合不織シートを得
た。得られたコラーゲン繊維複合不織シートの性能を表
2に示したが、得られたコラーゲン繊維複合不織シート
は、止血材として実用的に十分な性能を有するものであ
った。
【0031】(比較例1)実施例1において紡糸して得
た再生コラーゲン繊維を、イソプロパノール/水の代わ
りにメタノールを用いて温度25℃で洗浄し、減圧乾燥
した後、長さ10mmに切断し、30m/secの風速
で10分のエアーブローにより分散させ、コラーゲン繊
維綿状体を得た。得られたコラーゲン繊維綿状体の性能
を表2に示したが、得られたコラーゲン繊維綿状体は、
均一性に欠けるため創傷部との密着には大量の綿状体を
必要とした。また止血処置に際して綿状体では創傷部位
に合わせる場合、ピンセットが使えず、手や指で必要量
を分別せねばならず、安全性の面だけでなく、操作が煩
雑となった。
【0032】(比較例2)実施例1において得られたコ
ラーゲン繊維を、pH4の希塩酸にグルタルアルデヒド
0.5%wt%、塩化ナトリウム15wt%を添加した
溶液に15分浸漬して架橋処理した後、水で充分に洗浄
した。次いで長さ10mmに切断し、凍結乾燥してコラ
ーゲン繊維綿状体を得た。得られたコラーゲン繊維綿状
体の性能を表2に示したが、得られたコラーゲン繊維綿
状体は、繊維が硬化しているため、柔軟性に欠け創傷部
との接触性が劣り、また止血能も低下していた。
【0033】(比較例3)比較例2においてグルタルア
ルデヒドで架橋処理して得られたコラーゲン繊維を、長
さ10mmに切断し、繊維濃度0.1wt%に水に分散
させ、抄造した後、減圧乾燥してコラーゲン繊維不織シ
ートを得た。得られたコラーゲン繊維不織シートの性能
を表2に示したが、得られたコラーゲン繊維不織シート
は、単繊維間の接着が大きく、粗硬なため、創傷部との
接触性が劣り、また止血能も低下していた。
【0034】(比較例4)実施例1において得られたコ
ラーゲン繊維を、長さ10mmに切断し、繊維濃度0.
1wt%になるよう水に加えたところ、コラーゲン繊維
は、水に溶解し、抄造することが不可能であった。
【0035】
【発明の効果】本発明によるコラーゲン繊維不織シート
は、止血材としての止血能を十分発揮し、かつ止血処置
時の取扱い性に優れることから操作性を向上させ、また
その形態から外科領域におけるあらゆる創傷部に対して
迅速で有効に適応できるものであり、止血材として極め
て有用なるものであり、また、本発明によれば、かかる
コラーゲン繊維不織シートを安全に、簡便かつ安価に得
ることができる。
【表1】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 寛 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 榊原 巨規 東京都中央区京橋二丁目3番19号 三菱レ イヨン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可溶化コラーゲンの酸性溶液を紡糸口金
    より濃厚塩類水溶液中に吐出させて凝固、再生したコラ
    ーゲン繊維を切断し、コラーゲンを溶解しない有機溶剤
    または有機溶剤と水との混合溶液で分散、抄造すること
    を特徴とするコラーゲン繊維不織シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 抄造の際または抄造した後、生体吸収性
    繊維を混合または積層して複合する請求項1記載のコラ
    ーゲン繊維不織シートの製造方法。
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