JP2008218054A - 燃料電池および燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の漏れ出しを防止することができ、携帯機器を動作させるために十分に高い出力特性を得ることができる燃料電池を提供する。
【解決手段】電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に積層されたアノード電極と、前記電解質膜の他方の面に積層されたカソード電極とからなる膜電極接合体を備える起電部と、前記膜電極接合体の前記アノード電極側に配置された前記膜電極接合体へ燃料を供給する燃料供給部と、前記膜電極接合体を前記カソード電極側より覆うカバープレートと、を具備する燃料電池であって、前記カバープレートの端部を折り曲げて前記燃料供給部にかしめるカシメ構造と、前記カバープレートおよび前記燃料供給部を締結固定する締結構造と、を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、携帯機器の動作に有効な平面配置の燃料電池および燃料電池システムに関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の各種電子機器は、半導体技術の発達と共に小型化され、燃料電池をこれらの小型機器用の電源に用いることが試みられている。燃料電池は、燃料と酸化剤を供給するだけで発電することができ、燃料のみを補充・交換すれば連続して発電できるという利点を有している。このため、小型化ができれば携帯電子機器の作動に極めて有利なシステムといえる。特に直接メタノール燃料電池(DMFC;Direct Methanol Fuel Cell)は、エネルギー密度の高いメタノールを燃料に用い、メタノールから電極触媒上で直接電流を取り出せるため、小型化が可能であり、また燃料の取り扱いも水素ガス燃料に比べて容易なことから小型機器用電源として有望であることから、携帯電話、携帯オーディオ、携帯ゲーム機、ノートパソコンなどのコードレス携帯機器に最適な電源としてその実用化が期待されている。
DMFCの燃料供給方式には、液体燃料を気化してからブロア等で燃料電池内に送り込む気体供給型DMFCと、液体燃料をそのままポンプ等で燃料電池内に送り込む液体供給型DMFC、液体燃料をセル内で気化させる内部気化型DMFC等が知られている。このうち内部気化型DMFCは、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されている。内部気化型DMFCでは、燃料浸透層中に保持された液体燃料のうち気化成分を燃料気化層(アノードガス拡散層)において拡散させ、拡散された気化燃料がアノード触媒層に供給され、カソード触媒層側からの酸化剤と電解質膜において発電反応する。
このような内部気化型DMFCは、単位セル当たりの動作電圧が0.3〜0.5V程度と低いので、高出力の小型電源としてコードレス携帯機器に用いるためには複数の単位セルを同一平面上に配置して直列に接続する必要があり、燃料電池全体の表面積に対して発電部を多くとらなければならない。
しかし、DMFCに要求される出力を十分に満たすためには、小型化を目指しているにも拘わらず比較的広い面積に多くの開口部及び積層部を有するため、Oリング等のシール構造を用いて液体燃料の外部への漏れ出しを防止するようにしている。また、内部気化型DMFCでは、内部のシールが不完全であると、反応に寄与する燃料の割合が減少して、燃料利用効率が低下するため、結果として燃料電池性能を低下させることになる。このため、DMFCにおいては内部シールも重要である。
シール構造のもつ機能を十分に発揮させるためにはシール部分に相当の押圧力を印加する必要がある。例えば特許文献3に記載されたDMFCでは、外装ケースとなるカバープレートの端部を燃料タンクの主面にかしめ加工することにより両者間のシール構造に相当の押圧力を印加して、シール性を向上させている。
特許第3413111号公報 国際公開番号WO2006/057283号公報 国際公開番号WO2006/120966号公報
しかし、さらにDMFCを小型軽量化する目的から、燃料供給機構やカバープレートなどの部品はぎりぎりのところまで肉厚を削られて薄くされるため、従来のカシメ構造による締め付けのみでは相当の押圧力を印加することが難しくなる。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、燃料電池のさらなる小型軽量化の要求においても、シール性を向上させることができ、携帯機器を動作させるために十分に高い出力特性を得ることができる燃料電池および燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池は、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に積層されたアノード電極と、前記電解質膜の他方の面に積層されたカソード電極とからなる膜電極接合体を備える起電部と、前記膜電極接合体の、前記アノード電極側に配置された前記膜電極接合体へ燃料を供給する燃料供給部と、前記前記膜電極接合体を前記カソード電極側より覆うカバープレートと、を具備する燃料電池であって、
前記カバープレートの端部を折り曲げて前記燃料供給部にかしめるカシメ構造と、前記カバープレートおよび前記燃料供給部を締結固定する締結構造と、を有することを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムは、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に積層されたアノード電極と、前記電解質膜の他方の面に積層されたカソード電極とからなる膜電極接合体を備える起電部と、前記膜電極接合体の前記アノード電極側に配置された前記膜電極接合体へ燃料を供給する燃料供給部と、前記燃料供給部に燃料を導入するための燃料導入口と、前記膜電極接合体を前記カソード電極側より覆うカバープレートと、前記膜電極接合体で発生した電子を外部負荷に取り出すための電子出力端子と、前記膜電極接合体の状態を検出するための状態検出手段と、前記状態検出手段からの状態情報に基づいて前記起電部への燃料の供給を制御する外部制御回路と、前記状態検出手段により検出された状態情報を前記外部制御回路に送るための状態出力端子と、を具備する燃料電池システムであって、
前記カバープレートの端部を折り曲げて前記燃料供給部にかしめるカシメ構造と、前記カバープレートおよび前記燃料供給部を締結固定する締結構造と、をさらに有し、
前記燃料供給部は、前記締結構造のネジを通すための複数のネジ穴が形成された側壁を有し、
前記燃料導入口は、隣り合う前記ネジ穴の相互間に配置され、
前記電子出力端子は、隣り合う前記ネジ穴の相互間を通って導出され、
前記状態出力端子は、隣り合う前記ネジ穴の相互間の前記燃料供給機構と前記カバープレートとの間から導出されることを特徴とする。
本発明によれば、燃料電池のシール性を向上させることができ、燃料電池の小型軽量化に寄与し、燃料電池の体積エネルギー密度を向上させることが可能になり、携帯電話、携帯オーディオ、携帯ゲーム機、ノートパソコンなどのコードレス携帯機器を動作させるために十分に高い出力特性を得ることができる。
本発明の燃料電池は、カバープレートの端部を折り曲げて燃料供給部にかしめるカシメ構造と、カバープレートおよび燃料供給部を締結固定する締結構造とを有する。
本発明の燃料電池においては、前記締結構造として、例えばネジによる締結固定を採用することができる。
そして、本発明の燃料電池の燃料供給部としては、燃料収容部と流路を介して燃料が導入され、前記膜電極接合体へ燃料を供給するための複数の燃料供給口を有する燃料分配機構、あるいは燃料収容部と流路を介して燃料が導入され、前記膜電極接合体へ燃料を供給するための燃料拡散材を配置した構造、さらには燃料収容室など各種構造を採用することができる。
このカバープレートと燃料供給部を締結固定する締結構造としてネジによる締結固定においては、燃料供給部が、ネジによる締結固定のネジを通すための複数のネジ穴が形成された側壁を有し、燃料供給部の中に燃料収容部から流路を介して燃料を導入するために、隣り合うネジ穴の相互間において燃料収容部の側壁を貫通する燃料導入口をさらに有することができる。
燃料導入口の両側にネジ締結構造のネジを通すことにより、締め付けの力点が更に燃料電池構造の内側に入り込み、カシメ構造のみの締め付けに比べて押圧力がさらに増大する。
また、上記のカバープレートと燃料供給部を締結固定する締結構造としてネジによる締結固定においては、燃料供給部が、ネジによる締結固定のネジを通すための複数のネジ穴が形成された側壁を有し、膜電極接合体で発生した電子を外部負荷に取り出すために、隣り合うネジ穴の相互間の燃料供給機構とカバープレートとの間から電子出力端子を導出することができる。
このような構造にすることにより電子出力端子を取り出すための開口部を有効にシールすることが可能になり、前記電子出力端子の外部への導出部のシール性を有効に向上することができる。
また、本発明の燃料電池は、上記のカバープレートと燃料供給部を締結固定する締結構造としてネジによる締結固定においては、燃料供給部が、ネジによる締結固定のネジを通すための複数のネジ穴が形成された側壁を有し、膜電極接合体で発生した電子を外部負荷に取り出すために、隣り合う前記ネジ穴の相互間の前記燃料供給機構と前記カバープレートとの間から、前記状態検出手段から検出された状態情報を外部制御回路に送るための状態出力端子を導出することができる。
この場合も上記と同様にこのような構造にすることにより状態出力端子を取り出すための開口部を有効にシールすることが可能になり、前記状態出力端子の外部への導出部のシール性を有効に向上することができる。
なお、前記状態検出手段で検出される状態情報は、例えば膜電極接合体の温度を検出する温度センサからの温度情報、膜電極接合体の出力電圧を検出する電圧検出手段からの出力電圧情報のうち少なくともいずれか1つの状態情報である。
さらに、本発明の燃料電池システムは、前述の燃料電池の状態出力端子が接続され、燃料電池の前記状態情報に基づき前記燃料電池を制御する外部制御回路とを有することができる。
このような構造にすることにより、本発明の燃料電池を適切に制御することができる。
以下、添付の図面を参照して本発明を実施するための種々の実施の形態を説明する。
先ず、図1〜図5を参照して燃料電池の全体の概要について説明する。図1はカバープレート21と燃料供給部70をネジによる締結構造により締結固定した本実施形態の燃料電池を模式的に示す断面図である。
本実施形態の燃料電池1Aは、上部および側面が外装ケースとなるカバープレート21および燃料供給部70等で覆われ、内部に複数の単位セルを含むセル構造体20を備えている。起電部20は、燃料供給部70内に配置されカバープレート21で覆われ、後述するカシメ構造とネジ締結構造とを用いて締め付けられている。起電部20において、膜電極接合体10を構成する複数の単位セルは実質的に同一平面上に横並びに配置され、かつ、両極の導電層(集電体)7a,7b及び図示しないリード配線により直列に接続されている。
燃料電池1Aは、例えばカバープレート21の端部23を燃料供給部70の主面にかしめ加工することにより、複数の単位セルを一体化した1つのユニットとして構成されている。さらに、カバープレート21と燃料供給部70とは間にセル構造体20を挟み込み、ネジ86とナット88とで締め付けることにより、これらを一体に締結している。
燃料電池1Aの内部の単位セルは、シール部材8a,8bによって液密にシールされている。シール部材8a,8bには高絶縁性のゴムからなるOリングを用いることができる。これらのシール部材8a,8bによって燃料電池1Aの内部に種々のスペースや間隙が形成されている。それらのスペースや間隙のうち、例えばアノード側のスペースは空隙部(液溜め)40として用いられ、カソード側のスペースは保湿板(図示せず)が収納された空気供給部として用いられる。
アノード導電層7bには複数の燃料供給孔17bが開口しており、燃料分配機構11から燃料の燃料が燃料供給孔17bを通ってアノードガス拡散層5及びアノード触媒層3に供給されるようになっている。燃料分配機構11は、多数の燃料供給口14が開口し、これらの燃料供給口14を通って液溜40から起電部20のアノード側へ燃料が供給されるようになっている。
液溜め40は、燃料供給部および燃料分配機構11によって周囲を規定される所定容量のスペースからなり、図1〜図3に示すように該スペースの側方において燃料導入口12が開口している。燃料導入口12は、燃料供給源となる燃料収容部50に配管流路51を介して連通し、燃料供給部70の側壁を貫通して液溜め40に開口している。燃料供給部70、燃料分配機構11および燃料収容部50と流路51は、メタノール液との接触により膨潤等の劣化を生じにくいポリエーテルエーテルケトン(PEEK(ヴィクトレックス社商標))などの樹脂材料でつくられている。
空隙部(液溜め)40内には、液体のメタノール等の液体燃料が収容されている。ここで、液体燃料の気化成分とは、液体燃料として液体のメタノールを使用した場合、気化したメタノールを意味し、液体燃料としてメタノール水溶液を使用した場合にはメタノールの気化成分と水の気化成分からなる混合ガスを意味する。
空隙部(液溜め)40の内部には図示しない液体燃料含浸層が設けられている。液体燃料含浸層は、空隙部(液溜め)40内の液体燃料が減少した場合や燃料電池本体が傾斜して載置され燃料供給が偏った場合においても、気液分離膜に均質に燃料供給され、その結果、アノード触媒層3に対して均質に気化された液体燃料を供給することが可能となる。液体燃料含浸層として、例えば多孔質ポリエステル繊維、多孔質オレフィン系樹脂等多硬質繊維や、連続気泡多孔質体樹脂が好ましい。ポリエステル繊維以外にも、アクリル酸系の樹脂などの各種吸水性ポリマーにより構成してもよく、スポンジまたは繊維の集合体など液体の浸透性を利用して液体を保持することができる材料により構成する。このような液体燃料含浸部は本体の姿勢に関わらず適量の燃料を供給するのに有効である。
カソード導電層7aには複数のガス通流孔17aが開口し、カバープレート21の通気孔22から導入された空気が保湿板(図示せず)を経由した後にガス通流孔17aを通ってガス拡散層4及びカソード触媒層2に供給されるようになっている。なお、カソード導電層のガス通流孔17aは、中心軸がカバープレート21の通気孔22の中心軸と略一致するように配置されていることが好ましい。
カバープレート21は、セル構造体20を含む各構成部材を加圧してその密着性を高める役割も果たしているため、例えば、SUS304のような金属板により形成される。保湿板(図示せず)は、カソード触媒層2において生成した水の蒸散を防止する役割を果たすと共に、カソード拡散層4に酸化剤を均一に導入することによりカソード触媒層2への酸化剤の均一拡散を促す補助拡散層としての役割も果たしている。この保湿板には好ましくは気孔率が例えば20〜60%の多孔性フィルムなどが用いられる。
燃料電池の単位セルは、プロトン伝導性を有する固体電解質膜6、アノード触媒層3アノードガス拡散層5、カソード触媒層2およびカソードガス拡散層4を備えており、膜電極接合体を構成している。アノード触媒層3にはアノードガス拡散層5が貼り付けられている。アノード触媒層3は、ガス拡散層5を介して供給される燃料を酸化して燃料から電子とプロトンとを取り出すものである。アノード触媒層3は、例えば、触媒を含む炭素粉末により構成されている。触媒には、例えば、白金(Pt)の微粒子、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)あるいはモリブデン(Mo)などの遷移金属あるいはその酸化物あるいはそれらの合金などの微粒子が用いられる。一酸化炭素(CO)の吸着による触媒の不活性化を防止することができることから、アノード触媒には、メタノールや一酸化炭素に対する耐性の強いPt−Ru、カソード触媒には、白金を用いることが望ましい。しかし、これのみに触媒は限定されるものではない。また、炭素材料のような導電性担持体を使用する担持触媒を使用しても、あるいは無担持触媒を使用しても良い。
また、アノード触媒層3は、電解質膜6に用いられる樹脂の微粒子を含むほうがさらに望ましい。発生させたプロトンの移動を容易とするためである。アノードガス拡散層5は、例えば多孔質の炭素材料よりなる薄膜で構成され、具体的にはカーボンペーパーまたは炭素繊維などで構成されている。
カソードはカソード触媒層2とカソードガス拡散層4を有する。カソード触媒層2は、酸素を還元して、電子とアノード触媒層3において発生したプロトンとを反応させて水を生成するものであり、例えば上述のアノード触媒層3及びガス拡散層4と同様に構成されている。すなわち、カソードは、電解質膜6の側から順に触媒を含む炭素粉末よりなるカソード触媒層2と多孔質の炭素材料よりなるカソードガス拡散層4(ガス透過層)とが積み重ねられた積層構造をなしている。カソード触媒層2に用いられる触媒はアノード触媒層3のそれと同様であり、アノード触媒層2が固体電解質膜6に用いられる樹脂の微粒子を含む場合があることもアノード触媒層2と同様である。
電解質膜6は、アノード触媒層3において発生したプロトンをカソード触媒層2に輸送するためのものであり、電子伝導性を持たず、プロトンを輸送することが可能な材料により構成されている。例えば、ポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜、具体的には、デュポン社製のナフィオン膜、旭硝子社製のフレミオン膜、あるいは旭化成工業社製のアシプレックス膜などにより構成されている。なお、ポリパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜以外にも、トリフルオロスチレン誘導体の共重合膜、リン酸を含浸させたポリベンズイミダゾール膜、芳香族ポリエーテルケトンスルホン酸膜、あるいは脂肪族炭化水素系樹脂獏などプロトンを輸送可能な電解質膜6を構成するようにしてもよい。
カソードガス拡散層4はカソード触媒層2の上面側に積層され、かつアノードガス拡散層5はアノード触媒層3の下面側に積層されている。カソードガス拡散層4はカソード触媒層2に酸化剤を均一に供給する役割を担うものである。一方、アノードガス拡散層5はアノード触媒層3に燃料を均一に供給する役割を担うものである。カソード導電層7a及びアノード導電層7bは、それぞれ、カソードガス拡散層4及びアノードガス拡散層5と接している。カソード導電層7a及びアノード導電層7bを構成する材料としては、例えば、金などの金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)または箔体、あるいはSUSなどの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材などをそれぞれ使用することができる。
起電部20の下方に燃料分配機構11が設けられている。燃料分配機構11には複数の燃料供給口14が開口している。これらの燃料供給口14を通ってアノード触媒層3に燃料が分配供給される。
なお、上記構成にさらにアノード導電層7bと燃料分配機構11との間に気液分離膜(図示せず)を配置することも可能である。気液分離膜は、多数の細孔を有するポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シートからなり、液体燃料(メタノール液又はその水溶液)を遮断し、燃料ガス(メタノールガス)を透過させる性質を有するものである。
次に、燃料供給部70とカバープレート21について説明する。
燃料供給部70は、図2および図3に示すように矩形箱状をなし、4つの側壁に取り囲まれた矩形の凹所が液溜め40を形成するスペースに相当している。燃料供給部70の一方側の短辺側壁のほぼ中央において燃料導入口12が開口している。燃料導入口12は側壁の下方凸部をX軸方向に貫通している。燃料導入口12の両側の凹所74には矩形ナット88が嵌まり込み、これらの矩形ナット88には、図1に示すようにネジ86がZ軸方向に貫通するカバープレートのネジ穴83および燃料供給部のネジ穴73を通って螺合している。これらのネジ締結構造86,88によりカバープレート21が燃料供給部70に締結されている。
図5は、図4に示す燃料電池をY軸線(V−V線)に沿って切断したときの部分断面図である。燃料導入口12の両側にネジ締結構造のネジ86を通すことにより、締め付けの力点が図5に示すように燃料電池構造の内側に入り込み、カシメ構造のみの締め付けに比べて押圧力がさらに増大する。これにより燃料の外部への漏れ出しを有効に防止することができる。
燃料供給部70の他方側の短辺側壁にも、上記と同様にZ軸方向に貫通するネジ穴73が形成され、カバープレート21と燃料供給部70とをネジ86により締結するようにしている。
また、燃料供給部70の他方側の短辺側壁には、上方に開口する複数の凹所77が設けられている。これらの凹所77は、図4に示すように各種の端子91,92,93を燃料電池筐体から外部に取り出す挿通孔を形成するためのものである。すなわち、これらの端子取出用孔は、燃料供給部の凹所77とカバープレート21との間にそれぞれ形成される。なお、端子取出用孔の周壁には絶縁性のシール部材が設けられている。このような構造にすることにより各種端子を取り出すための開口部を有効にシールすることが可能になり、該端子取出用開口部から液体燃料が外部に漏れ出すのを有効に防止することができる。なお、上記のネジ穴73は、これらの凹所77を避けるように配置されている。すなわち、ネジ穴73はそれぞれが短辺側壁の凸部を貫通している。
図4に示すように、筐体の短辺の両端近傍からは一対の電子出力端子91が、短辺の中央寄りからは3つの状態出力端子としての電圧検出端子(モニタ用端子、テスト用端子)92が、短辺の中央からは別の状態出力端子としての温度検出端子93がそれぞれ取り出されている。正極側の電子出力端子91は集電体としてのカソード導電層7aに接続され、負極側の電子出力端子91は集電体としてのアノード導電層7bに接続されている。電子出力端子91は、筐体の外部に設けられた制御回路32に出力検出信号を送るようになっている。電圧検出端子92は、さらに単位セル間の局部電圧を検出するために、単位セルを構成する隣り合う短冊状の電極にそれぞれ接続されている。これらの電圧検出端子92は、制御回路32にセル間局部電圧信号を送るようになっている(図10参照)。制御回路32は、燃料電池の運転中にこれらのセル間局部電圧信号に異常値が無いかどうかを常に監視している。
温度検出端子93は、セル構造体20または保湿板(図示せず)の適所に設けられた温度センサ94に接続されている。温度検出端子93は、制御回路32に温度検出信号を送るようになっている。温度センサ94は、起電部20のカソード側の中央部の温度を検出するように配置されている。温度センサ94には例えばサーミスタを用いることができる。
燃料供給部70の長辺側壁の下部には、多数の凹所76が形成されている。これらの凹所76にはカバープレートの凸状端部23がかしめ加工によりほぼ直角に折り曲げられ、カバープレート21を燃料供給部70に締結するカシメ構造を形成するようになっている。なお、図3と図4には一方側の長辺のみを示しているが、対向する他方側の長辺にも同様のカシメ構造が形成されている。
次に、本発明を適用可能な種々の燃料供給方式の燃料電池について図6〜図12を参照してそれぞれ説明する。
先ず図6および図7に示す方式の燃料電池1Bは、起電部20と、起電部20に燃料を供給する燃料供給部70aと、これら燃料供給部70aと燃料収容部50とを接続する流路51とを備えている。
前述の図1の実施の形態で用いた燃料供給部70はその内部に設けられた空隙部40から燃料を複数の燃料供給口14に分配している。このため、厳密には燃料導入口12に近い側の温度が若干高く、奥に行くに従って温度が低下する現象が観察される。また、燃料電池1Aを傾斜させた場合には重力の影響等から傾斜方向によって温度分布が変化し、下側の部分の反応が高くなる傾向が観察される。実用上はこれでも十分な性能を得ることができるが、さらに出力を改善するためには、この図6と図7に示すように、燃料導入口12と複数の燃料供給口14aとを細管41で連通させた燃料分配機構を有する燃料供給部70aを用いることが好ましい。
起電部20のアノード(燃料極)側には、燃料分配機構を有する燃料供給部70aが配置されている。燃料供給部70aは流路51により燃料収容部50に接続されている。燃料供給部70aには燃料収容部50から流路51を介して液体燃料が導入される。流路51は燃料供給部70aや燃料収容部50と独立した配管に限られるものではない。例えば、燃料供給部70aと燃料収容部50とを積層して一体化する場合、これらを繋ぐ液体燃料の流路であってもよい。燃料供給部70aは流路51を介して燃料収容部50と接続されていればよい。
燃料供給部70aは、図7に示すように、液体燃料が流入する少なくとも1つの燃料導入口12と、液体燃料またはその気化成分を起電部20に供給する複数の燃料供給口14aとを有する。燃料供給部70aの内部には、液体燃料の通路として機能する細管41が形成されている。細管41の一端(始端部)には燃料導入口12が設けられている。細管41は途中で複数に分岐しており、これら分岐した細管41の各終端部に燃料供給口14aがそれぞれ設けられている。細管41は例えば内径が0.05〜5mmの貫通孔であることが好ましい。
燃料導入口12から燃料供給機構70aに導入された液体燃料は、複数に分岐した細管41を介して複数の燃料供給口14aにそれぞれ導かれる。このような構造の燃料供給部70aを使用することによって、燃料導入口12から燃料供給部70a内に注入された液体燃料を方向や位置に拘わりなく、複数の燃料供給口14aに均等に分配することができる。従って、起電部20の面内における発電反応の均一性をより一層高めることが可能となる。
さらに、細管41で燃料導入口12と複数の燃料供給口14aとを接続することによって、燃料電池1Bの特定箇所により多くの燃料を供給するような設計が可能となる。例えば、装置装着上の都合から燃料電池1Bの半分の部位の放熱がよくなってしまうような場合、従来では温度分布が生じてしまい、平均出力の低下が避けられない。これに対して、細管41の形成パターンを調整し、予め放熱のよい部分に燃料供給口14aを密に配置することによって、その部分での発電に伴う発熱を多くすることができる。これによって、面内の発電度合いを均一化することができ、出力低下を抑制することが可能となる。
なお、燃料供給部70aの燃料供給口12から連接された細管41および複数の燃料供給口14aは、燃料供給部70aのカバープレート21とのカシメ部および締結部とは異なる部材で構成しても良い。
アノードガス拡散層5やカソードガス拡散層4には、必要に応じて導電層が積層される。これら導電層としては、例えばAuのような導電性金属材料からなるメッシュ、多孔質膜、薄膜等が用いられる。カバープレート21と電解質膜6との間にはシール部材としてOリング8aが設けられている。同様に、燃料分配機構11と電解質膜6との間にもおOリング8bが設けられている。これらOリング8a,8bは、体積固有抵抗が1011〜1015Ω・cmのゴム材料からなり、これらにより発電部からの燃料漏れや酸化剤漏れが防止されている。
カバープレート21は酸化剤としての空気を取入れるための複数の通気孔(図示せず)を有している。カバープレート21とカソードとの間には保湿板(図示せず)が設けられる。保湿板(図示せず)は、カソード触媒層2で生成された水の一部を吸収して水の蒸散を抑制すると共に、カソード触媒層2への空気の均一拡散を促進するものである。 燃料収容部50には、起電部20に対応した液体燃料が収容されている。液体燃料としては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料は、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料電池に応じた液体燃料が収容される。
さらに、燃料電池1Cにおいて、燃料供給部70aとアノード(燃料極)13との間には、図8に示すように多孔体26を挿入することが有効である。図8においては、燃料導入口12と複数の燃料供給口14aとを細管41で連通させた燃料分配機構を有する燃料供給部70aを用いている。多孔体26の構成材料としては各種樹脂が使用され、多孔質の樹脂フィルム等が多孔体26として用いられる。このような多孔体26を配置することによって、アノードに対する燃料供給量をより一層平均化することができる。すなわち、燃料供給部70aの燃料供給口14aから供給された液体燃料は一旦多孔体26に吸収され、多孔体26の内部で面内方向に拡散する。この後、多孔体26からアノードに燃料が供給されるため、燃料供給量をより一層平均化することが可能となる。
上述した実施形態において、液体燃料を燃料収容部50から燃料供給部70aまで送る機構は特に限定されるものではない。例えば、使用時の設置場所が固定される場合には、重力を利用して液体燃料を燃料供給源50から燃料供給部70aまで落下させて送液することができる。また、燃料導入口12と複数の燃料供給口14aとを細管41で連通させた燃料分配機構による毛細管現象で燃料収容部50から燃料供給部70まで送液することができる。
次に、他の実施形態として燃料供給源50と燃料分配機構11との間にポンプ31を挿入した燃料電池について、図9〜図12を参照して説明する。図9に示す燃料電池1Dは、パッシブ方式を適用した図8に示す燃料電池1Cの流路51の途中にポンプ31を挿入したものであり、それ以外の構成は図8に示す燃料電池1Cと実質的に同じである。すなわち、ポンプ31は燃料を循環される循環ポンプではなく、あくまでも燃料収容部50から燃料供給部70aに液体燃料を送液する燃料供給ポンプである。このようなポンプ31で必要時に液体燃料を送液することによって、燃料供給量の制御性を高めることができる。 図9に示す燃料電池1Dにおいて、燃料胸部70aから起電部20に供給された燃料は発電反応に使用され、その後に循環して燃料供給部70aあるいは燃料収容部50に戻されることはない。図9に示す燃料電池1Dは燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、液体燃料の供給にポンプ31を使用しており、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも異なるため、図9に示す燃料電池1Dは例えばセミパッシブ型と呼称される方式を適用したものである。
ポンプ31の種類は特に限定されるものではないが、少量の液体燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリーポンプ(ロータリーベーンポンプ)、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。ロータリーポンプはモータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。
ポンプ31の送液量は本発明の燃料電池の主たる対象物が小型電子機器であることから、10μL/分〜1mL/分の範囲とすることが好ましい。送液量が1mL/分を超えると一度に送液される液体燃料の量が多くなりすぎて、全運転期間に占めるポンプ31の停止時間が長くなる。このため、セル構造体20への燃料の供給量の変動が大きくなり、その結果として出力の変動が大きくなる。これを防止するためのリザーバをポンプ31と燃料供給機構70aとの間に設けてもよいが、そのような構成を適用しても燃料供給量の変動を十分に抑制することはできず、さらに装置サイズの大型化等を招いてしまう。
一方、ポンプ31の送液量が10μL/分未満であると、装置立ち上げ時のように燃料の消費量が増える際に供給能力不足を招くおそれがある。これによって、燃料電池1Dの起動特性等が低下する。このような点から、10μL/分〜1mL/分の範囲の送液能力を有するポンプ31を使用することが好ましい。ポンプ31の送液量は10〜200μL/分の範囲とすることがより好ましい。このような送液量を安定して実現する上でも、ポンプ31には電気浸透流ポンプやダイアフラムポンプを適用することが好ましい。
図9に示す燃料電池1Dにおいては、必要時にポンプ31を動作させて燃料収容部50から燃料供給部70aに液体燃料を供給する。燃料供給部70aに導入された液体燃料は、上述した実施形態と同様に、複数の燃料供給口14aにそれぞれ導かれる。図9においても燃料導入口12と複数の燃料供給口14aとを細管41で連通させた燃料分配機構を有する燃料供給部70aを用いている。そして、複数の燃料供給口14aから起電部20の全面に対して燃料が供給されて発電反応が生起される。このように、ポンプ31で燃料収容部50から燃料供給部70aまで液体燃料を送液する場合においても、燃料供給部70aは有効に機能するため、起電部20に対する燃料供給量を均一化することが可能となる。
燃料供給用(送液用)のポンプ31の制御は、例えば図10に示すように、燃料電池1Eの出力を参照して行うことが好ましい。図10において、燃料電池1Eの出力は制御回路32で検出され、この検出結果に基づいてポンプ31に制御信号が送られる。ポンプ31は制御回路32から送られる制御信号に基づいてオン/オフが制御される。ポンプ31の動作は燃料電池1Eの出力に加えて、温度情報や電力供給先である電子機器の運転状態情報等に基づいて制御することで、より安定した運転が達成できる。
ポンプ31の具体的な動作制御方法としては、例えば燃料電池1Eからの出力が所定の規定値より高くなった場合にポンプ31を停止または送液量を低下させ、出力が規定値より低くなった場合にポンプ31の運転を再開または送液量を増加させる方法が挙げられる。別の動作制御方法としては、燃料電池1からの出力の変化率がプラスの場合にポンプ31の運転を停止または送液量を低下させ、出力の変化率がマイナスになった場合にポンプ31の運転を再開または送液量を増加させる方法が挙げられる。
さらに、燃料電池としての安定性や信頼性を高めるために、図11に示すようにポンプ31と直列に燃料遮断バルブ33を配置することが好ましい。図11の燃料電池1Fではポンプ31と燃料供給部70aとの間の流路51に燃料遮断バルブ33を挿入した構造を示している。燃料遮断バルブ33はポンプ31と燃料収容部50との間に設置しても機能上の支障はない。
ただし、燃料遮断バルブ33をポンプ31と燃料収容部50との間の流路51に設置した場合、例えば長期保管時にポンプ31の燃料が蒸発等により枯渇すると、燃料収容部50からの液体燃料の吸出し機能に支障が生じるおそれがある。このようなことから、燃料遮断バルブ33はポンプ31と燃料供給部70aの間の流路51に設置し、長期保管時等におけるポンプ31からの液体燃料の枯渇を防止することが好ましい。
このように、燃料収容部50と燃料供養休部70aとの間に燃料遮断バルブ33を挿入することによって、燃料電池1Fの未使用時にも不可避的に発生する微量な燃料の消費や上述したポンプ再運転時の吸い込み不良等を回避することができる。これらは燃料電池1の実用上の利便性の向上に大きく貢献するものである。
さらに、燃料遮断バルブ33は上述したパッシブ方式の燃料電池1A,1B,1Cに対しても有効である。例えば、燃料電池1A,1B,1Cにおいて、燃料供給部7aと燃料収容部50とを接続する流路51に燃料遮断バルブ33を挿入する。このような構成を適用することによって、起電部20に対する燃料の供給を制御し、燃料電池の出力制御性を高めることができる。この場合の燃料遮断バルブ33の動作制御は、上述したポンプ31の動作制御と同様に実施することができる。
なお、燃料供給部70aから起電部20への燃料供給が行われる構成であればポンプ31に代えて燃料遮断バルブのみを配置する構成とすることも可能である。この場合には、燃料遮断バルブは、流路による液体燃料の供給を制御するために設けられるものである。
さらに、燃料電池1Gにおいては、燃料収容部50や流路51に燃料収容部50内の圧力を外気とバランスさせるバランスバルブ60を装着することが好ましい。図12は燃料収容部50にバランスバルブ60を設置した状態を示している。バランスバルブ60は、燃料収容部50内の圧力に応じてバルブ可動片61を動作させるスプリング62と、バルブ可動片61をシールして閉状態とするシール部63とを有している。
燃料収容部50から液体燃料が燃料供給部70aに供給され、燃料収容部50の内圧が減圧状態になると、バランスバルブ60のバルブ可動片61が外圧を受け、スプリング62の反発力に打ち勝ってシール部63が開放される。このバランスバルブ60の開放状態に基づいて、外気が内外圧力差を減少するよう導入される。内外の圧力差が解消されると、再度バルブ可動片61が移動して、シール部63が密閉される。
このように動作するバランスバルブ60を燃料収容部50等に設置することによって、液体燃料の供給に伴って発生する燃料収容部50の内圧低下に起因する送液量の変動を抑制することができる。すなわち、燃料収容部50内が減圧状態になると、ポンプ31による液体燃料の吸い込みが不安定になり、送液量が変動しやすくなる。このような送液量の変動をバランスバルブ60を設置することで解消することができる。従って、燃料電池1Gの動作安定性を向上させることが可能となる。なお、バランスバルブ60を流路51に設置する場合には、燃料収容部50とポンプ31との間に挿入することが好ましい。
上述した各実施形態の液体燃料49は、各種の液体燃料を使用した場合に効果を発揮し、液体燃料の種類や濃度は限定されるものではない。ただし、燃料導入口12と複数の燃料供給口14aとを細管41で連通させた燃料分配機構を有する燃料供給部70aの特徴がより顕在化するのは燃料濃度が濃い場合である。このため、各実施形態の燃料電池は、濃度が80%以上のメタノールを液体燃料として用いた場合に、その性能や効果を特に発揮することができる、従って、各実施形態は濃度が80%以上のメタノールを液体燃料として用いた燃料電池に適用することが好ましい。
以上、種々の実施の形態を挙げて説明したが、本発明は上記各実施の形態のみに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。例えば、上記各実施の形態においては、燃料供給部として燃料収容部と流路を介して燃料が導入され、前記膜電極接合体へ燃料を供給するための複数の燃料供給口を有する燃料分配機構を用いた例で説明したが、特許文献2で示すような燃料供給部が燃料収容室そのもの、すなわち純パッシブの燃料電池に適用することもできる。
さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。起電部へ供給される液体燃料の蒸気においても、全て液体燃料の蒸気を供給してもよいが、一部が液体状態で供給される場合であっても本発明を適用することができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池を示す内部透視断面図。 燃料タンク構造体を示す斜視図。 カバープレートと燃料タンク構造体(燃料分配機構の流路板は図示省略)を示す分解斜視図。 各種端子の取り出しを説明するために燃料電池の外観を示す斜視図。 図4のV-V線に沿って燃料電池を切断してカシメ構造とネジ締結構造との位置関係を示す部分断面図。 他の燃料供給方式の燃料電池システムを示すブロック断面図。 他の燃料分配機構の概要を示す平面図。 他の燃料供給方式の燃料電池システムを示すブロック断面図。 他の燃料供給方式の燃料電池システムを示すブロック断面図。 他の燃料供給方式の燃料電池システムを示すブロック断面図。 他の燃料供給方式の燃料電池システムを示すブロック断面図。 他の燃料供給方式の燃料電池システムを示すブロック断面図。
符号の説明
1,1A〜1G…燃料電池、
2…カソード触媒層、3…アノード触媒層、
4…カソードガス拡散層、5…アノードガス拡散層、
6…電解質膜(プロトン伝導膜)、
7a…カソード導電層(正極集電体)、7b…アノード導電層(負極集電体)、
8a,8b…シール部材(Oリング)、
10…膜電極接合体(MEA)、
11…燃料分配機構、
12…燃料導入口、14,14a…燃料供給口(開口)、
17a…ガス通流孔、17b・・・燃料供給口
20…起電部、
21…カバープレート(外装ケース)、
22…通気孔、
23…カシメ部(カバープレート端部)、
26…多孔体、
31…ポンプ、32…制御回路、
33,33A…燃料遮断弁(ラッチバルブ)、
40…空隙部(液溜め)、41・・・細管、49…液体燃料、
50…燃料収容部、
60…バランスバルブ、
70,70a…燃料供給部、
73…ネジ穴、
74…凹所(ナット受け)、
76…凹所(カシメ受け)、
77…端子取出孔、
83…ネジ穴、86…ネジ、88…ナット、
91…電子出力端子、92…電圧検出端子(状態出力端子)、
93…温度検出端子(状態出力端子)、94…温度センサ(状態検出手段、サーミスタ)。

Claims (10)

  1. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に積層されたアノード電極と、前記電解質膜の他方の面に積層されたカソード電極とからなる膜電極接合体を備える起電部と、
    前記膜電極接合体の前記アノード電極側に配置された前記膜電極接合体へ燃料を供給する燃料供給部と、
    前記膜電極接合体を前記カソード電極側より覆うカバープレートと、
    を具備する燃料電池であって、
    前記カバープレートの端部を折り曲げて前記燃料供給部にかしめるカシメ構造と、
    前記カバープレートおよび前記燃料供給部を締結固定する締結構造と、
    を有することを特徴とする燃料電池。
  2. 前記締結構造は、ネジによる締結固定であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記燃料供給部は、燃料収容部と流路を介して燃料が導入され、前記膜電極接合体へ燃料を供給するための複数の燃料供給口を有する燃料分配機構であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の燃料電池。
  4. 前記燃料供給部は、燃料収容部と流路を介して燃料が導入され、前記膜電極接合体へ燃料を供給するための燃料拡散材を配置していることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の燃料電池。
  5. 前記燃料供給部は、燃料収容室であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項記載の燃料電池。
  6. 前記燃料供給部は、前記締結構造のネジを通すための複数のネジ穴が形成された側壁を有し、
    隣り合う前記ネジ穴の相互間において、前記燃料供給部に燃料を導入するための燃料導入口を有することを特徴とする請求項3記載の燃料電池。
  7. 前記燃料供給部は、前記締結構造のネジを通すための複数のネジ穴が形成された側壁を有し、
    隣り合う前記ネジ穴の相互間の前記燃料供給機構と前記カバープレートとの間から導出され、前記膜電極接合体で発生した電子を外部負荷に取り出すための電子出力端子をさらに有することを特徴とする請求項2記載の燃料電池。
  8. 前記膜電極接合体には、前記膜電極接合体の状態を検出する状態検出手段が設けられ、
    前記燃料供給部は、前記締結構造のネジを通すための複数のネジ穴が形成された側壁を有し、
    隣り合う前記ネジ穴の相互間の前記燃料供給部と前記カバープレートとの間から導出され、前記状態検出手段により検出された状態情報を外部制御回路に送るための状態出力端子をさらに有することを特徴とする請求項2記載の燃料電池。
  9. 前記状態検出手段で検出される状態情報は、前記膜電極接合体の温度を検出する温度センサからの温度情報、前記膜電極接合体の出力電圧を検出する電圧検出手段からの出力電圧情報のうち少なくともいずれか1つの状態情報であることを特徴とする請求項7記載の燃料電池。
  10. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に積層されたアノード電極と、前記電解質膜の他方の面に積層されたカソード電極とからなる膜電極接合体を備える起電部と、
    前記膜電極接合体の前記アノード電極側に配置された前記膜電極接合体へ燃料を供給する燃料供給部と、
    前記燃料供給部に燃料を導入するための燃料導入口と、
    前記膜電極接合体を前記カソード電極側より覆うカバープレートと、
    前記膜電極接合体で発生した電子を外部負荷に取り出すための電子出力端子と、
    前記膜電極接合体の状態を検出するための状態検出手段と、
    前記状態検出手段からの状態情報に基づいて前記起電部への燃料の供給を制御する外部制御回路と、
    前記状態検出手段により検出された状態情報を前記外部制御回路に送るための状態出力端子と、
    を具備する燃料電池システムであって、
    前記カバープレートの端部を折り曲げて前記燃料供給部にかしめるカシメ構造と、
    前記カバープレートおよび前記燃料供給部を締結固定する締結構造と、
    をさらに有し、
    前記燃料供給部は、前記締結構造のネジを通すための複数のネジ穴が形成された側壁を有し、
    前記燃料導入口は、隣り合う前記ネジ穴の相互間に配置され、
    前記電子出力端子は、隣り合う前記ネジ穴の相互間を通って導出され、
    前記状態出力端子は、隣り合う前記ネジ穴の相互間の前記燃料供給機構と前記カバープレートとの間から導出されることを特徴とする燃料電池システム。
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