JP2008216830A - 静電荷像現像用トナーとその製造方法、画像形成方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撹拌翼を具備した乳化機と乳化液循環経路とを備えた乳化機構部により、油相と水相とを連続的に混合して乳化液とし、微粒子化と合一化の平衡反応を制御して液滴を形成する工程を含み、攪拌しながら次工程に送液して脱溶剤、濾過、洗浄、乾燥の各処理を施して静電荷像現像用トナーを得るトナーの製造方法において、油相は、少なくとも樹脂及び/又は樹脂前駆体、着色剤、離型剤を有機溶剤に溶解した溶解物もしくは分散した分散物とし、水相は、固体微粒子分散剤を含む水系媒体とし、前記油相の固形分濃度(重量%)と25℃、6rpmにおける回転粘度計による粘度(mPa・s)との積Tが30000≦T≦50000であり、前記乳化液に塩基性物質を200〜400ppm添加するトナーの製造方法及び之によって得られたトナー。
【選択図】なし
Description
このような感光体の潜像保持面上に形成される静電荷像を現像するための現像剤として、キャリアとトナーからなる二成分系現像剤、およびキャリアを必要としない磁性トナーあるいは非磁性トナーからなる一成分系現像剤が用いられ、これらは乾式トナーとして知られている。従来、このような電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる乾式トナーとしては、スチレン系樹脂やポリエステル系樹脂などのトナーバインダーを着色剤などとともに溶融混練し、それを微粉砕したものが用いられている。
この場合、トナーの粒径サイズや粒度分布が決定される大きな要素として、乳化機によって供給される原材料に与えられるせん断時のエネルギー、せん断による微粒子化と該微粒子の合一の平衡反応が行われている間に与えられる、原材料フィード単位流量当りの全せん断エネルギーが考えられる。
例えば、上下隣接する攪拌翼の上段に位置する攪拌翼が下段に位置する攪拌翼に対して90度未満の交差角度で回転方向に先行して配接されてなる攪拌翼を備えた攪拌槽を用いることにより、シャープな粒度分布とトナー粒子間に性能のバラツキのないとされるトナーを製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
すなわち、本発明は以下に記載するとおりのものである。
(2)前記乳化液に塩基性物質を200〜400ppm添加する事を特徴とする上記(1)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(3)前記樹脂もしくは樹脂前駆体が少なくとも2種以上の分子量の異なるポリマーであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(4)前記2種以上の分子量の異なるポリマーが、ウレア結合で変性された変性ポリエステル樹脂と、ウレア結合で変性されていない未変性ポリエステル樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(5)前記水相が固体微粒子分散剤を含む水系媒体であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(6)前記乳化液において、油相と水相の重量比が60:40〜20:80であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(7)前記攪拌において、攪拌周速が0.4〜1m/secであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(8)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の製造方法により得られたトナーであって、該トナーの体積平均粒子径が3〜8μmであることを特徴とするトナー。
(9)請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られたトナーであって、該トナーの体積平均粒子径と数平均粒子径の比(Dv/Dn)が1.05〜1.25であることを特徴とするトナー。
(10)感光体上に形成された静電潜像をトナーにより現像し、該トナー現像を記録媒体上に転写、定着する画像形成方法において、前記トナーは上記(8)又は(9)に記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
(11)感光体と、帯電手段、現像剤が収納された現像手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在としたプロセスカートリッジであって、前記現像剤に用いられるトナーは上記(8)又は(9)に記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(12)画像形成装置本体に着脱自在としたプロセスカートリッジを搭載した画像形成装置であって、前記プロセスカートリッジは上記(11)に記載のプロセスカートリッジであることを特徴とする画像形成装置。
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも2種以上の分子量の異なる樹脂(例えば、ウレア結合で変性された変性ポリエステル樹脂とウレア結合で変性されていない未変性ポリエステル樹脂)、着色剤、離型剤を有機溶剤に溶解もしくは分散させた油相と固体微粒子分散剤を含む水系媒体である水相とを連続的に混合して乳化液を作成する工程と微粒子化と合一化の平衡反応を制御して液滴を形成する工程とを少なくとも含み、上記油相の固形分濃度と粘度の両方を好適に制御することによって、安定した体積平均粒径を有するとともにシャープな粒度分布を有するトナーを効率良く製造することを実現するものである。
以下、本発明のトナーの製造方法の詳細を明らかにする。
図1に、本発明におけるトナー製造の乳化工程に用いられる造粒装置の一例である概略構成図を示す。図1において、乳化機構部4は、乳化機(PLHM)2、乳化液循環経路3から構成されている。すなわち、乳化機構部4において、各供給槽(A油相供給槽17,B油相供給槽18,水相供給槽19)から供給される油相7,8と水相9が混合され、せん断力の付与による微粒子化(以降、せん断による微粒子化と表現する場合がある。)と該微粒子の合一化の平衡反応を繰り返しながらトナーサイズの液滴が生成される。ここで、油相は、少なくとも樹脂もしくは樹脂前駆体もしくはモノマーを含む有機相よりなる溶解物もしくは分散物(例えば、樹脂、着色剤、離型剤などを有機溶剤に溶解した溶解物もしくは分散した分散物)であり、水相は、固体微粒子分散剤を含む水系媒体である。
以下、本発明の製造方法におけるトナー組成分として、変性ポリエステル樹脂と未変性ポリエステル樹脂を用いる場合を例として説明する。
油相、水相に乳化機によるせん断力が加わると水相中に油滴が生じ、いわゆるO/W型乳化状態となる。安定した微小粒径のトナーを得るためには、この油滴を微粒子化する必要がある。油滴の粒径に大きく関与する因子としては、乳化時の油相と水相の重量比とせん断力が挙げられる。
均一に微粒子化された油滴と油滴が合一化されることにより、シャープな粒度分布を有するトナーが得られる。合一化の主な機構は、粒子と粒子が分子間力により結合することであり、粒子の粒径が小さいほど表面積は大きくなり、合一化には有利となる。また、粒子の粒径が大きくなると分子量は増大して分子間力は大きくなり、合一化が進行する。シャープな粒度分布を有するトナーを得るためには、微粒子の合一化を進行させ、かつ粒子の合一化を防止することが必要となる。
上記表面張力の測定は事実上困難であるが、表面張力と粘度は共に分子間の相互作用に強く影響される因子であり、かつ固形分濃度に大きく支配され、一般的に固形分濃度が高いほど表面張力と粘度は大きくなる。つまり、油相の固形分濃度(重量%)と粘度(mPa・s)の積Tにより、表面張力を代用できることを見出した。
Tの値は好ましくは35000≦T≦45000であり、さらに好ましくは37000≦T≦40000である。
本発明における油相の粘度は、芝浦システム社製VDA2型ビスメトロン粘度計により測定でき、恒温槽で25℃に調整した試料をNO.3ローターを使用し、6rpmの回転数で測定した粘度のことを示す。
上記塩基性物質としては、金属水酸化物、塩基性酸化物、3級アミン、2級アミン、1級アミンなどが挙げられる。
次に、トナー組成分として、前述のポリエステル系樹脂を用いた場合、トナー(乾式トナー)の体積平均粒径(Dv)を3〜8μmの範囲とし、体積平均粒径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除した値を1.05〜1.25の範囲とすることによって、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラー複写機などに用いた場合に画像の光沢性に優れ、さらに二成分現像剤においては、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なくなり、現像装置における長期の攪拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
前記トナーの粒径(体積平均粒径)および粒度分布は下記のようにして測定した。
測定装置として、コールターマルチサイザーIII(コールター社製)を用い、パーソナルコンピューター(IBM社製)を接続し、専用解析ソフト(コールター社製)によりデータ解析した。Kd値は、10μmの標準粒子を用いて設定し、アパーチャカレントはオートマティックの設定で行なった。電解液として、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液に調製したものを用いた。その他に、ISOTON −II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
有機相には、樹脂もしくは樹脂前駆体もしくはモノマーを含むことができるが、前述のように、樹脂もしくは樹脂前駆体としてバランンスの良い特性を得るに適した2種以上の分子量の異なるポリマー、特に、フルカラー画像の再現に好適であるポリエステル樹脂(変性ポリエステル樹脂と未変性ポリエステル樹脂の組合せ)を例として、以下説明する。
ポリエステル樹脂中に、原料成分として用いる酸とアルコールのモノマーユニットに由来する官能基およびエステル結合以外の結合基を含有する樹脂、あるいはポリエステル樹脂中に、共有結合やイオン結合などで結合した構成の異なる樹脂成分を含有する樹脂を変性ポリエステル樹脂と定義する。
ウレア結合で変性されたポリエステル(ウレア変性ポリエステル樹脂)(i)としては、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応物などが挙げられる。イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)としては、ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物で、かつ活性水素基を有するポリエステルを、さらにポリイソシアネート(3)と反応させたものなどが挙げられる。
前記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエイションクロマトグラフにより、以下のようにして測定することができる。即ち、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させる。この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。前記試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×102、4×102、1.75×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、及び4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、前記検出器としては、RI(屈折率)検出器を用いることができる。
本発明においては、前記ウレア変性ポリエステル樹脂(i)だけでなく、この(i)と共に、ウレア結合で変性されていないポリエステル(未変性ポリエステル樹脂と略称する。)(ii)をトナーバインダー成分として含有させることができる。(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上する。
試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後100℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするため再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁を良く洗う。この液を前記電極を用いてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行いOH価を求める(JISK0070−1966に準ずる。)。
JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行う。
試料調整 :トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール30mlを添加して試料溶液とする。
測定装置 :電位差自動滴定装置 DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)
使用電極 :DG113−SC (メトラー・トレド社製)
解析ソフト:LabX Light Version 1.00.000
装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
測定温度 :23℃
Stir
Speed [%] 25
Time [s] 15
EQP titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration [mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of measurement mV
Predispensing to volume
Volume [mL] 1.0
Wait time [s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set) [mV] 8.0
dV(min) [mL] 0.03
dV(max) [mL 0.5
Measure mode Equilibrium controlled
dE [mV] 0.5
dt [s] 1.0
t(min) [s] 2.0
t(max) [s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum volume [mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number EQPs Yes
n = 1
comb. termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for reevaluation No
あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量
(ただしNはN/10KOHのファクター)
(Tg測定法)
測定装置として島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定した。
測定条件
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
本発明におけるトナー組成分として用いられる着色剤としては、公知の染料および顔料が全て使用できる。
このような着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンおよびそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナー組成分全体に対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本発明におけるトナー組成分として用いる離型剤としてワックスを含有させることもできる。
本発明で用いられるワックスとしては公知のものが使用でき、例えば、ポリオレフィンワッックス(例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(例えば、エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(例えば、ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
さらに、本発明におけるトナー組成分として、必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては、公知のものが全て使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(例えば、フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩およびサリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。
次に、水系媒体中における乳化による液滴の形成について説明する。
前述のように本発明のトナー製造における乳化工程では、撹拌翼を具備した乳化機と乳化液循環経路とを備えた乳化機構部により、油相と水相とが連続的に混合、乳化され、トナーサイズの液滴が形成され造粒される。造粒された後で次工程に乳化液が送液され、順次、脱溶剤、濾過、洗浄、乾燥などの工程を経て、トナー母体粒子が形成される。
前記のように本発明において用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(例えば、メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
この重合反応によって、ウレア結合で変性されたポリエステル(変性ポリエステル樹脂)(i)を得る。ウレア結合で変性されていないポリエステル(未変性ポリエステル樹脂)(ii)としては、上記水酸基を有するポリエステル同様にして得られる。なお、(3)を反応させる際および(A)と(B)を反応させる際には、溶剤を用いることができる。
このような溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。その他アルコール、水等の水性媒体に溶解可能な溶剤を併用することによりトナー形状をさらに調節したりすることもできる。トナー組成分100部に対する溶剤の使用量は、通常10〜900部である。
高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は、乳化液の撹拌時における撹拌レイノルズ数(撹拌Re)や、せん断エネルギー(E)などが前述の、微粒子化と合一化の条件に好適となるように調整される。
回転数としては、例えば、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましく は10〜98℃である。高温であるほうが、変性ポリエステル樹脂(i)やイソシアンネート結合を有するプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
本発明において水系媒体に分散させる固体微粒子分散剤は、水系媒体中で水に難溶の固体状で存在するものであり、平均粒径が0.01から1μmの微粒子のものが好ましい。このような固体微粒子分散剤としては、無機の固体微粒子分散剤と有機物の固体微粒子分散剤がある。
無機微粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
さらに好ましくは、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、コロイド状酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いることができる。特に、水中でリン酸ナトリウムと塩化カルシウムを塩基性下反応させて合成したヒドロキシアパタイトが好ましい。
上記のように、水系媒体には予め固体微粒子分散剤を分散しておくが、固体微粒子分散剤の液滴への吸着性を調整するためにその他の分散剤を併用することができる。
例えば、商品名として、サーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長および/または架橋反応後、残りの固体微粒子分散剤を溶解洗浄除去するほうがトナーの帯電面から好ましい。
前記トナー母体粒子と異種粒子を混合して処理した後、さらに乾式トナー、すなわち現像剤として調製するため、疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を外添剤として添加混合し、流動性や保存性、現像性、転写性を高めてもよい。
外添剤の混合は、一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等を装備して、内部の温度調節がきることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中または漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。始めに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。
この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
この他 高分子系微粒子、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
本発明の製造方法によって得られるトナーを2成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
上記導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。また、本発明のトナーはキャリアを使用しない1成分系の磁性トナーあるいは、非磁性トナーとしても用いることができる。
さらに、上記プロセスカ−トリッジを画像形成装置に搭載することによって、メンテナンスを簡便とし、信頼性が高く、高品質の画像形成を可能とすることができる。
実施例1
前記実施の形態で説明した図1と同様の構成からなる造粒装置により油相(A油相とB油相を一緒にしたもの)と水相を混合して乳化分散液とし、造粒した。A油相、B油相、水相をそれぞれ以下のように調製して造粒した後、脱溶剤、濾別、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得た。
まず、〔A油相〕の調製に必要な低分子ポリエステルからなる未変性ポリエステル樹脂、マスターバッチ(MB)、ケチミンなど各原料を準備した。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部およびジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、低分子ポリエステルからなる[未変性ポリエステル樹脂1]を得た。[未変性ポリエステル樹脂1]は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、Tg43℃、酸価25であった。なお、[未変性ポリエステル樹脂1]は、前記詳細な説明で定義した、いわゆるウレア結合で変性されていないポリエステルを指す。
水1200部、カーボンブラック(Printex35:デクサ製)540部、 ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、この混合物を2本ロールにより150℃で30分混練後、圧延冷却してパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。なお、カーボンブラックは、DBP吸油量=42ml/100mgで、pH=9.5である。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。なおケチミンは、下記B油相のイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーの伸長剤として働く。
上記で調製した[未変性ポリエステル樹脂1]、[マスターバッチ1]、[ケチミン化合物1]を用い、以下のようにしてA油相(ブラック)を調製した。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[未変性ポリエステル樹脂1]378部、カルナバWAX110部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却した。次に、容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し、[原料溶解液1]を得た。得られた[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。次いで、[未変性ポリエステル樹脂1]の65%酢酸エチル溶液1324部加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50%であった)。[顔料・WAX分散液1]749部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、ホモディスパー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合して[A油相(ブラック)1]を調製した。
次に、〔B油相〕の調製に必要なイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーを準備した。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価51であった。
〔B油相の調製〕
次に、冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、上記で調製した[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を加えて100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート重量%は、1.53%であった。これを〔B油相1〕とする。
次に、〔水相〕を下記のようにして調製した。
撹拌棒および温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をLA−920で測定した体積平均粒径は、105nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは59℃であり、重量平均分子量は15万であった。この[微粒子分散液1]83部、水990部、ドデシルジフェニルェーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌して乳白色の液体を得た。これを〔水相1〕とする。
上記で得た、〔A油相(ブラック)1〕、〔B油相1〕 〔水相1〕を前記図1における各原料供給槽から乳化機構部に送液して乳化を行った。なお、A油相1とB油相1はスタティックミキサー(STM)において予め混合してから水相1と混合される。
A油相の物性、微粒子化、合一化における乳化条件は以下のようである。
<乳化条件>
油相の固形分濃度:47%、油相の粘度:820mPa・s、乳化時の油相と水相の重量比:38/62、水酸化ナトリウム添加量:200ppm、攪拌周速:0.8m/sec
上記構成条件で連続的に乳化してトナーサイズの液滴に造粒した後、乳化液を次工程に移送し、下記のように処理することでトナーとした。
次に、得られた母体粒子100部および帯電制御剤(ボントロンE−84:オリエント化学社製)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定し、2分間運転−1分間休止とするサイクルを5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。さらに、疎水性シリカ(H2000:クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、周速を15m/secとし、30秒混合−1分間休止とするサイクルを5サイクル行った。さらに、疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合し、目開き37μmのスクリーンにて粗大粒子を除去して、実施例1のトナー(ブラックトナー)を得た。
上記実施例1のトナーを現像剤に用いて、これを中間転写方式の市販カラー複写機(イマジオカラー5000:リコー社製)の定着オイル部分を除いた改造機に収納し、細線再現性を評価した。評価は、リコー社製6000ペーパーを用いてランニングを実施し、画像占有率7%の印字率で行った。ランニングにおける初期10枚目の画像と3万枚目の画像の細線部を原稿と比較し、光学顕微鏡で100倍に拡大観察し、ラインの抜けの状態を段階見本と比較しながら5段階で評価した。1〜5の評価で5が一番良好な状態を表す。3.5以上が問題ないレベルである。
実施例1における乳化条件を下記に変更したほかは、同様にして連続的に乳化してトナーサイズの液滴に造粒した後、乳化液を次工程に移送し、脱溶剤、濾別、洗浄、乾燥処理を施してトナー母体粒子とし、実施例1と同様に処理して実施例2のトナーとした。
<乳化条件>
油相の固形分濃度:45%、油相の粘度:740mPa・s、乳化時の油相と水相の重量比:38/62、水酸化ナトリウム添加量:200ppm、攪拌周速:0.8m/sec
実施例1における乳化条件を下記に変更したほかは、同様にして連続的に乳化してトナーサイズの液滴に造粒した後、乳化液を次工程に移送し、脱溶剤、濾別、洗浄、乾燥処理を施してトナー母体粒子とし、実施例1と同様に処理して実施例3のトナーとした。
<乳化条件>
油相の固形分濃度:49%、油相の粘度:960mPa・s、乳化時の油相と水相の重量比:38/62、水酸化ナトリウム添加量:200ppm、攪拌周速:0.8m/sec
実施例1と同様に、乳化条件を下記表1に示す。また、トナー母体粒径(トナー粒径と略す。)(Dv、Dv/Dn)、細線再現性の評価結果を表2に記載する。
実施例1における乳化条件を下記に変更したほかは、同様にして連続的に乳化してトナーサイズの液滴に造粒した後、乳化液を次工程に移送し、脱溶剤、濾別、洗浄、乾燥処理を施してトナー母体粒子とし、実施例1と同様に処理して実施例4のトナーとした。
<乳化条件>
油相の固形分濃度:47%、油相の粘度:820mPa・s、乳化時の油相と水相の重量比:38/62、水酸化ナトリウム添加量:400ppm、攪拌周速:0.8m/sec
実施例1と同様に、乳化条件を下記表1に示す。また、トナー母体粒径(トナー粒径と略す。)(Dv、Dv/Dn)、細線再現性の評価結果を表2に記載する。
実施例1における乳化条件を下記に変更したほかは、同様にして連続的に乳化してトナーサイズの液滴に造粒した後、乳化液を次工程に移送し、脱溶剤、濾別、洗浄、乾燥処理を施してトナー母体粒子とし、実施例1と同様に処理して実施例5のトナーとした。
<乳化条件>
油相の固形分濃度:47%、油相の粘度:820mPa・s、乳化時の油相と水相の重量比:55/45、水酸化ナトリウム添加量:200ppm、攪拌周速:0.8m/sec
実施例1と同様に、乳化条件を下記表1に示す。また、トナー母体粒径(トナー粒径と略す。)(Dv、Dv/Dn)、細線再現性の評価結果を表2に記載する。
実施例1における乳化条件を下記に変更したほかは、同様にして連続的に乳化してトナーサイズの液滴に造粒した後、乳化液を次工程に移送し、脱溶剤、濾別、洗浄、乾燥処理を施してトナー母体粒子とし、実施例1と同様に処理して実施例6のトナーとした。
<乳化条件>
油相の固形分濃度:47%、油相の粘度:820mPa・s、乳化時の油相と水相の重量比:38/62、水酸化ナトリウム添加量:200ppm、攪拌周速:1.4m/sec
実施例1と同様に、乳化条件を下記表1に示す。また、トナー母体粒径(トナー粒径と略す。)(Dv、Dv/Dn)、細線再現性の評価結果を表2に記載する。
実施例1における乳化条件を下記に変更したほかは、同様にして連続的に乳化してトナーサイズの液滴に造粒した後、乳化液を次工程に移送し、脱溶剤、濾別、洗浄、乾燥処理を施してトナー母体粒子とし、実施例1と同様に処理して実施例7のトナーとした。
<乳化条件>
油相の固形分濃度:47%、油相の粘度:820mPa・s、乳化時の油相と水相の重量比:38/62、水酸化ナトリウム添加量:0ppm、攪拌周速:0.8m/sec
実施例1と同様に、乳化条件を下記表1に示す。また、トナー母体粒径(トナー粒径と略す。)(Dv、Dv/Dn)、細線再現性の評価結果を表2に記載する。
実施例1における乳化条件を下記に変更したほかは、同様にして連続的に乳化してトナーサイズの液滴に造粒した後、乳化液を次工程に移送し、脱溶剤、濾別、洗浄、乾燥処理を施してトナー母体粒子とし、実施例1と同様に処理して比較例1のトナーとした。
<乳化条件>
油相の固形分濃度:42%、油相の粘度:660mPa・s、乳化時の油相と水相の重量比:38/62、水酸化ナトリウム添加量:200ppm、攪拌周速:0.8m/sec
実施例1と同様に、乳化条件を下記表1に示す。また、トナー母体粒径(トナー粒径と略す。)(Dv、Dv/Dn)、細線再現性の評価結果を表2に記載する。
実施例1における乳化条件を下記に変更したほかは、同様にして連続的に乳化してトナーサイズの液滴に造粒した後、乳化液を次工程に移送し、脱溶剤、濾別、洗浄、乾燥処理を施してトナー母体粒子とし、実施例1と同様に処理して比較例2のトナーとした。
<乳化条件>
油相の固形分濃度:51%、油相の粘度:1100mPa・s、乳化時の油相と水相の重量比:38/62、水酸化ナトリウム添加量:200ppm、攪拌周速:0.8m/sec
実施例1と同様に、乳化条件を下記表1に示す。また、トナー母体粒径(トナー粒径と略す。)(Dv、Dv/Dn)、細線再現性の評価結果を表2に記載する。
2 乳化機(PLHM)
3 乳化液循環経路
4 乳化機構部
5 移送配管
6 収斂タンク
7 A油相
8 B油相
9 水相
10 STM(スタティックミキサー)
11 直角形エルボ
12 エルボ
17 A油相供給槽
18 B油相供給槽
19 水相供給槽
Claims (12)
- 撹拌翼を具備した乳化機と乳化液循環経路とを備えた乳化機構部により、油相と水相とを連続的に混合して乳化液とし、微粒子化と合一化の平衡反応を制御して液滴を形成する工程を含み、攪拌しながら次工程に送液して、少なくとも脱溶剤、濾過、洗浄、乾燥の各処理を施して静電荷像現像用トナーを得るトナーの製造方法において、油相は、少なくとも樹脂及び/又は樹脂前駆体、着色剤、離型剤を有機溶剤に溶解した溶解物もしくは分散した分散物とし、前記油相の固形分濃度(重量%)と25℃、6rpmにおける回転粘度計による粘度(mPa・s)との積Tが30000≦T≦50000であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記乳化液に塩基性物質を200〜400ppm添加する事を特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記樹脂もしくは樹脂前駆体が少なくとも2種以上の分子量の異なるポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記2種以上の分子量の異なるポリマーが、ウレア結合で変性された変性ポリエステル樹脂と、ウレア結合で変性されていない未変性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記水相が固体微粒子分散剤を含む水系媒体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記乳化液において、油相と水相の重量比が60:40〜20:80であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記攪拌において、攪拌周速が0.4〜1m/secであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られたトナーであって、該トナーの体積平均粒子径が3〜8μmであることを特徴とするトナー。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られたトナーであって、該トナーの体積平均粒子径と数平均粒子径の比(Dv/Dn)が1.05〜1.25であることを特徴とするトナー。
- 感光体上に形成された静電潜像をトナーにより現像し、該トナー現像を記録媒体上に転写、定着する画像形成方法において、前記トナーは請求項8又は9に記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
- 感光体と、帯電手段、現像剤が収納された現像手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在としたプロセスカートリッジであって、前記現像剤に用いられるトナーは請求項8又は9に記載のトナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 画像形成装置本体に着脱自在としたプロセスカートリッジを搭載した画像形成装置であって、前記プロセスカートリッジは請求項11に記載のプロセスカートリッジであることを特徴とする画像形成装置。
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