JP2008216773A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】塗工液の溶解性及び安定性に優れ、ソルベントクラックが生じ難く、且つ電子写真特性に優れた電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、感光層が、式(1)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂、及び亜リン酸ジフェニルを含有する。
Figure 2008216773

【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置に係り、詳しくは、特定のポリカーボネート樹脂を表面層中に含有する電子写真感光体、その電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真装置に用いられる像保持部材として、電子写真感光体があり、高生産性、材料設計の容易性および将来性の観点から、有機光導電性物質による有機電子写真感光体の開発が盛んに行われている。電子写真感光体としての機能性に関しては、無機電子写真感光体より優れた電子写真感光体が生産されるに至ったが、有機電子写真感光体における高感度化や繰り返し使用時の画像の安定性、耐久性という点において更なる改善が望まれている。
有機電子写真感光体の耐久特性を満足させるために、表面層によく使用され、耐摩耗性、電気特性に良好な樹脂としては、ビスフェノールAを骨格とするポリカーボネート樹脂が注目されているが、前述したような問題点全てを解決できるわけでもなく、次のような問題点を有している。
(1)溶解性に乏しく、ジクロロメタンや1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類の一部にしか良好な溶解性を示さないうえ、これらの溶剤は低沸点のため、これらの溶剤で調製した塗工液を用いて感光体を製造すると塗工面が白化し易い。また、塗工液の固形分管理等にも手間がかかる。
(2)ハロゲン化脂肪族炭化水素類以外の溶剤に対しては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、あるいはそれらの混合溶剤に一部可溶であるが、その溶液は数日でゲル化する等、経時性が悪く感光体製造には不向きである。
(3)更に、上記(1)、(2)が改善されたとしても、表面層にビスフェノールAを骨格とするポリカーボネート樹脂を含有する電子写真感光体は、ソルベントクラックが発生し易い。
(4)加えて従来のポリカーボネート樹脂では、樹脂で形成された被膜に潤滑性が乏しく感光体に傷がつき易く、画像欠陥が生じてしまうことがあった。
これらの問題を解決するために、様々な構造を有するポリカーボネート樹脂の開発が行われており、その中でフルオレン構造を有するビスフェノールから製造されたポリカーボネート樹脂が提案されている(特許文献1及び2参照)。これらのポリカーボネート樹脂を用いることによって溶解性、塗工液の安定性については改善されるが、ソルベントクラックと電子写真特性については更なる改善の余地があった。
特開平6−3838号公報 特開2002−278100号公報
本発明は、上述の如き問題点を解決し、特定の構造を有するポリカーボネート樹脂と亜リン酸ジフェニルを電子写真感光体の表面層に含有することにより、塗工液の溶解性および安定性に優れ、ソルベントクラックが生じ難く、且つ電子写真特性に優れた電子写真感光体を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、上述の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真感光体を提供することを目的とする。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、少なくとも式(1)および式(2)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂、及び亜リン酸ジフェニルを含有することを特徴とする。
Figure 2008216773
(式(1)中、各R1は、それぞれ独立に、炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、又は炭素数6〜20のアリーレン基を示し、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。)
で示される繰り返し単位と、下記式(2)
Figure 2008216773
(式(2)中、Xは、炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアルキレン基、炭素数5〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は下記式(3)
Figure 2008216773
で示される連結構造を示す。)
また、本発明は、上述の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
塗工液の溶解性及び安定性に優れ、ソルベントクラックが生じ難く、且つ電子写真特性が向上する。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明に用いられるポリカーボネート樹脂について詳細に説明する。
電子写真感光体の表面層に含有されるポリカーボネート樹脂は、上記式(1)で示される繰り返し単位と、上記式(2)で示される繰り返し単位とを少なくとも有することを特徴とする。
上記式(1)中の各R1は、それぞれ独立に、炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、又は炭素数6〜20のアリーレン基であり、このアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられ、このシクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基などが挙げられ、このアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基などが挙げられる。式(1)中のR11〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基であり、このアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、このアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
式(2)中のXは、炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアルキレン基、炭素数5〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は上記式(3)で示される連結構造である。このアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられ、このシクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基、シクロへプチレン基などが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、重合触媒の存在下、下記式(6)及び下記式(7)のジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを反応させることによって製造される。
Figure 2008216773
(式(6)中、各R1は、それぞれ独立に、炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜20のシクロアルキレン基、または炭素数6〜20のアリーレン基を示し、R11〜R14はそれぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、または置換若しくは無置換のアリール基を示す。)
Figure 2008216773
(式(7)中、Xは、炭素数2〜10の置換若しくは無置換のアルキレン基、炭素数5〜20の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は下記式(3)
Figure 2008216773
で示される連結構造を示す。)
本発明のポリカーボネート樹脂は、上記式(6)で示されるジヒドロキシ化合物を、30モル%以上90モル%以下の比率で反応させて合成されるのが好ましく、30モル%以上70モル%以下がより好ましい。式(6)で示されるジヒドロキシ化合物の比率が90モル%より大きいと、溶解性が悪化し易く、更にソルベントクラックが発生し易くなる。一方、30モル%より少ないと、電荷輸送物質との相溶性が悪化することにより、繰り返し使用したときの電位変動が生じ易くなる。
本発明に用いられる式(6)で示されるジヒドロキシ化合物としては、具体的には、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)フルオレン等が挙げられる。その中でも、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンがソルベントクラックの点で好ましい。
本発明に用いられる式(7)で示されるジヒドロキシ化合物としては、具体的には、トリシクロデカン[5.2.1.02,6 ]ジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、デカリン−2,6−ジメタノール、デカリン−1,5−ジメタノール、ノルボルナンジメタノール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、スピログリコール等が挙げられる。その中でも、シクロアルキレンを有するジヒドロキシ化合物は、ソルベントクラック及び電荷輸送物質との相溶性の点で好ましく、特には、トリシクロデカン[5.2.1.02,6]ジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノールは、ソルベントクラック及び電荷輸送物質との相溶性の点で好ましい。
本発明におけるポリカーボネート樹脂は、ランダム、ブロック又は交互共重合構造を含むものであり、優れた溶解性、耐ソルベントクラック性および電荷輸送物質との優れた相溶性を示す。
本発明のポリカーボネート樹脂は、上記式(6)及び(7)で示されるジヒドロキシ化合物を1種類ずつ共重合されたものでもよく、構造の異なる2種以上のジヒドロキシ化合物とを共重合されたものであってもよい。更に、必要に応じて、他の構造のジヒドロキシ化合物やビスフェノールなどと共重合されたものであってもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂に、他のジヒドロキシ化合物やビスフェノールを共重合する場合、その比率は60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましい。
本発明に用いられるポリカーボネート樹脂のポリスチレン換算重量平均分子量は、20,000〜200,000であることが好ましく、更に好ましくは25,000〜100,000である。ポリスチレン換算重量平均分子量が20,000未満では傷及びソルベントクラックが発生し易くなり、200,000を越えると塗工液の粘度が高くなりハンドリング性が低下し易くなる。
以下に、本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法について述べる。本発明のポリカーボネート樹脂は、塩基性化合物触媒及び/又はエステル交換触媒の存在下、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを反応させる公知の溶融重縮合法が好適に用いられる。
本発明に用いられる炭酸ジエステルとしては、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート等が挙げられる。これらの中でも特にジフェニルカーボネートが好ましい。ジフェニルカーボネートは、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して0.97〜1.10モルの比率で用いられることが好ましく、更に好ましくは0.98〜1.05モルの比率である。
塩基性化合物触媒としては、特にアルカリ金属化合物および/又はアルカリ度類金属化合物、含窒素化合物等が挙げられる。
このような化合物としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物等の有機酸塩、無機塩、酸化物、水酸化物、水素化物又はアルコキシドが用いられ、含窒素化合物としては、4級アンモニウムヒドロキシド若しくはそれらの塩、又はアミン類等が好ましく用いられ、これらの化合物は単独又は組み合わせて用いてもよい。
アルカリ金属化合物としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸セシウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸セシウム、ステアリン酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸セシウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2セシウム塩、2リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩若しくはリチウム塩等が用いられる。
アルカリ土類金属化合物としては、具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸水素バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、フェニルリン酸マグネシウム等が用いられる。
含窒素化合物としては、具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル基又はアリール基等を有する4級アンモニウムヒドロキシド類;トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン類;ジエチルアミン、ジブチルアミン等の2級アミン類;プロピルアミン、ブチルアミン等の1級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;又はアンモニア、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルアンモニウムテトラフェニルボレート等の塩基若しくは塩基性塩;等が用いられる。
エステル交換触媒としては、亜鉛、スズ、ジルコニウム、鉛の塩が好ましく用いられ、これらは単独又は組み合わせて用いてもよい。
エステル交換触媒としては、具体的には、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオキサイド、ジブチルスズジメトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、オキシ酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトラブトキシド、酢酸鉛(II)、酢酸鉛(IV)等が用いられる。
これらの重合触媒は、ジヒドロキシ化合物の合計1モルに対して、1×10-9〜1×10-3モルの比率で、好ましくは1×10-7〜1×10-3モルの比率で用いられる。
上述の溶融重縮合法は、前記の原料、および重合触媒を用いて、加熱下に常圧または減圧下にエステル交換反応により副生成物を除去しながら溶融重縮合を行うものである。反応は、一般には二段以上の多段工程で実施される。
具体的には、第一段目の反応を120〜260℃、好ましくは180〜240℃の温度で0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間反応させる。次いで反応系の減圧度を上げながら反応温度を高めてジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応を行い、最終的には1mmHg以下の減圧下、200〜350℃の温度で重縮合反応を行う。合計の反応時間(滞留時間)は、好ましくは1〜10時間である。このような反応は、連続式で行ってもよくまたバッチ式で行ってもよい。これらの反応を行うに際して用いられる反応装置は、錨型攪拌翼、マックスブレンド攪拌翼、ヘリカルリボン型攪拌翼等を装備した縦型であっても、パドル翼、格子翼、メガネ翼等を装備した横型であってもスクリューを装備した押出機型であってもよく、また、これらを重合物の粘度を勘案して適宜組み合わせた反応装置を使用することが好適に実施される。
本発明のポリカーボネート樹脂は、重合反応終了後、熱安定性および加水分解安定性を保持させるために、触媒を除去又は失活させる。一般的には、公知の酸性物質の添加による触媒の失活を行う方法が好適に実施される。これらの物質としては、具体的には、p−トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸類;p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル等の芳香族スルホン酸エステル類;ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等の芳香族スルホン酸塩類;ステアリン酸クロライド、塩化ベンゾイル、p−トルエンスルホン酸クロライド等の有機ハロゲン化物;ジメチル硫酸等のアルキル硫酸;塩化ベンジル等の有機ハロゲン化物;等が好適に用いられる。
本発明のポリカーボネート樹脂には、重合反応終了後、亜リン酸ジフェニルを添加する。これにより良好な感度と残留電位の上昇を抑えることができる。さらに、感光層中の含有量は100ppm以下であるのがより好ましい。
触媒失活後、ポリマー中の低沸点化合物を0.1〜1mmHgの圧力、200〜350℃の温度で脱揮除去する工程を設けてもよく、このためには、パドル翼、格子翼、メガネ翼等、表面更新能の優れた攪拌翼を備えた横型装置、あるいは薄膜蒸発器が好適に用いられる。
次に、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
本発明による電子写真感光体は、感光層として、電荷発生物質と電荷輸送物質とを単一の層に含有する単層型感光層、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層と電荷発生物質を含有する電荷発生層とに機能分離した機能分離型(積層型)感光層のいずれの構成を有してもよく、電子写真特性の点で、機能分離型(積層型)が好ましく、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した機能分離型(積層型)がより好ましい。以下、機能分離型(積層型)と表現する場合は、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層したものをいう。
なお、本発明による電子写真感光体の表面層は、上述の本発明によるポリカーボネート樹脂を有する。この表面層は、種々の層であってもよく、例えば、電荷輸送物質を有する電荷輸送層、電荷発生物質を有する電荷発生層、保護層等が挙げられる。
本発明の電子写真感光体に用いる支持体としては、導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛、ステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成型したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したものなどが挙げられる。
また、支持体の表面は、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止などを目的として、切削処理、粗面化処理(ホーニング処理やブラスト処理など)、アルマイト処理などを施してもよいし、アルカリリン酸塩やリン酸やタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物またはフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理を施してもよい。
ホーニング処理としては、乾式ホーニング処理と湿式ホーニング処理とがある。湿式ホーニング処理は、水などの液体に粉末状の研磨剤を懸濁させ、高速度で支持体の表面に吹き付けて支持体の表面を粗面化する方法であり、表面粗さは、吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重および懸濁温度などによって制御することができる。乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーによって高速度で支持体の表面に吹き付けて支持体の表面を粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。ホーニング処理に用いられる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、鉄、ガラスビーズなどの粒子が挙げられる。
支持体の上には、レーザー光などの散乱による干渉縞防止、または、支持体の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。これは、カーボンブラック、金属粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。
導電層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。
また、支持体または導電層の上に、接着機能を有する中間層を設けてもよい。
中間層の材料としては、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタンなどが挙げられる。これらを適当な溶剤に溶解して支持体または導電層上に塗布し、中間層が形成される。
中間層の膜厚は、0.05〜5μmが好ましく、0.3〜1μmがより好ましい。
機能分離型(積層型)感光層の場合、上述の支持体、導電層、又は中間層の上に、電荷発生層が形成される。
電荷発生層は、電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着樹脂および溶剤とともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルおよび液衝突型高速分散機などの方法でよく分散し、分散液を塗布、乾燥させて形成される。
電荷発生層の膜厚は、5μm以下が好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。
電荷発生物質としては、通常知られているものが使用可能であり、例えば、セレン−テルル、ピリリウム、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクドリンなどの各顔料が挙げられる。
これらの顔料は0.3〜4倍の質量の結着樹脂および溶剤ともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ミル、サンドミルアトライター、ロールミル、液衝突型高速分散機などを使用して、良く分散した分散液とする。機能分離型(積層型)感光層の場合、この分散液を支持体、導電層、または中間層上に塗布し、乾燥することによって電荷発生層が得られる。
機能分離型(積層型)感光層の場合、電荷発生層の上には電荷輸送層が形成される。
電荷輸送層は電荷輸送物質と本発明の結着樹脂とを溶剤に溶解させ塗布液とし、この塗布液を電荷発生層上に塗布後、乾燥することによって作製される。
ソルベントクラックは、比較的低分子量の電荷輸送物質、具体的には分子量が1000未満の電荷輸送物質と結着樹脂とを混合した構成において、特に発生し易くなるが、本発明の樹脂を用いることにより、上述の構成においても優れた耐ソルベントクラック性を示すことが可能である。
塗布液中の電荷輸送物質と結着樹脂の比率(電荷輸送物質/結着樹脂)は、質量比で10/100〜200/100が好ましく、電荷輸送物質と結着樹脂との相溶性、あるいはソルベントクラックに対する効果の点から、50/100〜150/100がより好ましい。
本発明の結着樹脂は、上述のポリカーボネート樹脂を単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。更に、必要に応じて、本発明のポリカーボネート樹脂以外の樹脂と混合してもよい。混合する結着樹脂としては、上述以外のポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂などが挙げられる。
本発明の樹脂以外の樹脂と混合する場合、混合比率は質量比で、本発明の樹脂/他の樹脂が5/95〜95/5であることが好ましく、50/50〜90/10であることがより好ましい。
また、電荷輸送層中に酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加してもよい。
更に、必要に応じて、潤滑剤や微粒子を使用してもよい。潤滑剤又は微粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン微粒子、ポリスチレン微粒子などの樹脂微粒子;シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化スズ微粒子などの金属酸化物微粒子;又はこれらの微粒子に表面処理を施した微粒子;ステアリン酸亜鉛などの固体潤滑剤、アルキル基により置換されたシリコーン、フッ化アルキル基を有する脂肪族系オイル、ワニスなどが挙げられる。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmが好ましく、8〜30μmが好ましい。
電子写真感光体の各層の形成工程において、使用する溶剤としては、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、単独で用いても複数の溶剤を用いてもよい。
また、上記塗布の方法としては、浸漬塗布法、スプレー塗布法、バーコート法など通常知られている方法などが挙げられる。
次に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置について説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
図1において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(図示せず)からの露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に静電潜像が順次形成される。
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、給紙部(図示せず)から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期取りされて給送された転写材7に、転写手段6により順次転写される。
像転写を受けた転写材7は、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント又はコピー)として装置外へプリントアウトされる。
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、さらに前露光手段(図示せず)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が図1のように帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化し、装置本体のレールなどの案内手段12を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、又はセンサーで原稿を読取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動および液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光である。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンターおよびレーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。
以下、実施例にしたがって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
《ポリカーボネート樹脂(PC-1)の製造》
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(以下、化合物Aと称する。)43.9g(0.100モル)、ペンタシクロペンタデカンジメタノール(以下、化合物Bと称する。)26.2g(0.100モル)(以下、これら化合物Aと化合物Bとをまとめて出発材料と称する。)、ジフェニルカーボネート43.7g(0.204モル)、および炭酸水素ナトリウム2.5×10-3g(3×10-5モル)を攪拌機および留出装置付きの300ml四ッ口フラスコに入れ、窒素雰囲気760mmHgの下180℃に加熱し30分間攪拌した。
その後、減圧度を150mmHgに調整すると同時に、60℃/hrの速度で200℃まで昇温を行い、20分間その温度に保持しエステル交換反応を行った。さらに、75℃/hrの速度で225℃まで昇温し、昇温終了の10分後、その温度で保持しながら、1時間かけて減圧度を1mmHg以下とした。その後、60℃/hrの速度で235℃まで昇温し、さらに1.5時間攪拌下で反応を行った。反応終了後、反応器内に窒素を吹き込み常圧に戻し、生成したポリカーボネート樹脂(PC−1)100部に対し亜リン酸ジフェニル0.005部を添加し、280℃で10分間撹拌混合した後、反応器の底よりポリカーボネートを抜き出し、押出機、ペレタイザーによりペレットとした。
《電子写真感光体の製造》
直径24mm、長さ257mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、10質量%酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粒子50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メトキシプロパノール30部、メタノール30部及びシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、重量平均分子量3000)0.002部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間140℃で硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.6μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、下記式(8)で示される構造を有する化合物0.1部、
Figure 2008216773
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、並びに、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散し、その後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(CT−1)
Figure 2008216773
で示される電荷輸送物質3.5部と、下記式(CT−2)
Figure 2008216773
で示される電荷輸送物質3.5部と、バインダー樹脂として上述のポリカーボネート樹脂(PC-1)10部とを、モノクロロベンゼン45部とジメトキシメタン10部の混合溶媒に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製した。これを電荷発生層上に浸漬塗布法で塗布し、110℃、1時間乾燥して、膜厚が14μmの電荷輸送層を形成した。
(各評価方法)
まず、本発明の電荷輸送層用塗布液の液安定性評価方法について説明する。
液安定性の評価は、作製した塗布液を常温常湿環境下(23℃、50%RH)に1ヶ月間放置した後、塗布液のゲル化、白化が起こっていないかを目視にて観察した。評価は、塗布液のゲル化、白化が起こっていないものを○、起こっているものを×、とした。
次に、本発明の電子写真感光体のクラック評価方法について説明する。
評価装置はヒューレットパッカード製LBP「レーザージェット1012」用のカートリッジの帯電ローラを直流電圧印加用の帯電ローラに変更したものを用いた。評価は、作製した電子写真感光体を上述のカートリッジに装着し、40℃90%RH環境下で1ヶ月放置した後、帯電ローラ当接部にクラックが発生していないかを観察することにより、行った。判定は、クラックが発生していないものを○、僅かながら発生しているものを△、発生しているものを×、とした。
次に、本発明の電子写真感光体の電位評価方法について説明する。
(暗部電位、明部電位評価)
評価装置はヒューレットパッカード製LBP「HP Color LaserJet 3700」(一次帯電:直流電圧のみを印可する接触帯電方式)を帯電電位及び像露光量を調整できるように改造して用いた。評価は、常温常湿環境下(23℃、50%)で行った。作製した電子写真感光体の暗部電位(Vd)を−550Vになるように調整し、明部電位(Vl)の評価は、装置の光源を像露光量が電子写真感光体面上での光量が2.6cJ/m2となるように設定して行った。電子写真感光体の表面電位の測定は、電子写真感光体上端より130mmの位置に電位測定用プローブが位置するように固定された冶具と現像器とを交換して、現像器位置で行った。
(残留電位評価)
評価装置はヒューレットパッカード製LBP「HP Color LaserJet 3800」(一次帯電:直流電圧のみを印可する接触耐電方式)を帯電電位、像露光量及び前露光量を調整できるように改造して用いた。評価は、常温常湿環境下(23℃、50%)で行った。装置の光源を像露光量が電子写真感光体面上での光量が2.6cJ/m2となるように設定し、前露光量は像露光量の3倍となるように設定して行った。電子写真感光体の残留電位(Vr)の測定は、現像器を取り外し、電子写真感光体上端より130mmの位置に電位測定用プローブが位置するようにクリーナーを改造して、前露光照射後でかつ帯電の直前の位置で行った。
実施例1において、化合物Bの代わりにトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール19.6g(0.100モル)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂(PC−2)を得た。
バインダー樹脂として(PC−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、出発材料として、化合物A70.2g(0.160モル)、及び化合物B11.8g(0.0400モル)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂(PC−3)を得た。
バインダー樹脂として(PC−3)を用い、添加する亜リン酸ジフェニルをポリカーボネート樹脂100部に対して0.009部にした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、出発材料として、化合物A26.3g(0.0600モル)、化合物B36.7g(0.140モル)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂(PC−4)を得た。
バインダー樹脂として(PC−4)を用い、添加する亜リン酸ジフェニルをポリカーボネート樹脂100部に対して0.009部にした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、出発材料として、化合物A78.9g(0.180モル)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール3.9g(0.0200モル)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂(PC−5)を得た。
バインダー樹脂として(PC−5)を用い、添加する亜リン酸ジフェニルをポリカーボネート樹脂100部に対して0.0005部にした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、出発材料として、化合物A26.3g(0.0600モル)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール27.5g(0.140モル)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂(PC−6)を得た。このポリカーボネート樹脂の物性測定結果を表1に示す。
バインダー樹脂として(PC−6)を用い、添加する亜リン酸ジフェニルをポリカーボネート樹脂100部に対して0.0005部にして、電荷輸送物質(CT−1)を6部、電荷輸送物質(CT−2)を6部に変えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、化合物Bの代わりにシクロヘキサン−1,4−ジメタノール14.4g(0.100モル)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂(PC−7)を得た。
バインダー樹脂として(PC−7)を用い、添加する亜リン酸ジフェニルをポリカーボネート樹脂100部に対して0.05部にした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、バインダー樹脂として、(PC−1)を7部、下記式で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(PC−Z)(Mw:55000)
Figure 2008216773
を3部用い、添加する亜リン酸ジフェニルをポリカーボネート樹脂100部に対して0.009部にした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、バインダー樹脂として、(PC−2)を9部、(PC−Z)(Mw:55000)を1部用い、電荷輸送物質を
下記式(CT−1)
Figure 2008216773
で示される電荷輸送物質4部と、下記式(CT−3)
Figure 2008216773
で示される電荷輸送物質1部の組合せに変え、添加する亜リン酸ジフェニルをポリカーボネート樹脂100部に対して0.07部にした以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
実施例1において、支持体を直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーに変えた以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、キヤノン製LBP「LBP−4000」にて、印字率5%の文字原稿画像をA4紙縦送りにて10秒毎にプリント操作を行い、1000枚の画像出力を行った。耐久後の画像は良好であった。
(比較例1)
実施例1のバインダー樹脂として、下記式で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(PC−8)
Figure 2008216773
を用い、亜リン酸ジフェニルを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1のバインダー樹脂として、下記式で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂(PC−9)
Figure 2008216773
を用い、亜リン酸ジフェニルを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2008216773
本発明の電子写真感光体を有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 一次帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (8)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が、少なくとも式(1)および式(2)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂、及び亜リン酸ジフェニルを含有することを特徴とする電子写真感光体。
    Figure 2008216773
    (式(1)中、各R1は、それぞれ独立に、炭素数2以上10以下のアルキレン基、炭素数6以上20以下のシクロアルキレン基、又は炭素数6以上20以下のアリーレン基を示し、R11、R12、R13、R14は、それぞれ独立に、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。)
    Figure 2008216773
    (式(2)中、Xは、炭素数2以上10以下の置換若しくは無置換のアルキレン基、炭素数5以上20以下の置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、又は下記式(3)
    Figure 2008216773
    で示される連結構造を示す。)
  2. 該感光層に含有される亜リン酸ジフェニルが100ppm以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記式(2)で示される繰り返し単位が、下記式(4)
    Figure 2008216773
    、又は下記式(5)
    Figure 2008216773
    である、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 該感光層が少なくとも電荷輸送層と電荷発生層を有し、電荷輸送層が電荷輸送剤と結着樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3記載の電子写真感光体。
  5. 該電荷輸送剤(D)と結着樹脂(B)の比が、D/B=5/10以上15/10以下であることを特徴とする請求項1〜4に記載の電子写真感光体。
  6. 少なくとも式(1)および式(2)で示される繰り返し単位を有するポリカーボネート樹脂が結着樹脂中に50wt%以上含有されることを特徴とする請求項1〜5記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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