JP2008214614A - 強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、およびインサート成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性が優れ、機械的特性、外観、電気特性などに優れた成形品が得られる強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、およびこの強化樹脂組成物よりなる耐ヒートショック性に優れたインサート成形品を提供する。
【解決手段】(A)成分:熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し、(B)成分:特定の未変性水素化ブロック共重合体、および/または、変性水素化ブロック共重合体1〜30重量部、(C)成分:特定の繊維状強化材10〜200重量部、および、(D)成分:エポキシ化合物0〜3重量部を含む、強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を要旨とし、この強化樹脂組成物よりなるインサート成形品。
【選択図】図3

Description

本発明は、強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、およびインサート成形品に関する。さらに詳しくは、成形性が優れ、機械的強度、外観、耐候性などに優れた成形品が得られる、強化繊維によって強化された熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、およびこの強化樹脂ポリエステル樹脂組成物よりなる、耐ヒートショック性(または耐ヒートサイクル性)、電気特性(耐高電圧性、絶縁特性など)に優れたインサート成形品に関する。
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記することがある。)樹脂やポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと略記することがある。)樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂は、機械的特性、電気的特性、その他物理的・化学的特性などに優れ、かつ、加工性にも優れているので、エンジニアリングプラスチックとして、自動車の部品、電気・電子機器部品、その他の一般工業製品製造用材料として、広く使用されている。
しかし熱可塑性ポリエステル樹脂は、高温と低温との雰囲気に交互に曝された(ヒートショックが与えられた)場合、元の物理的特性を保持する性質、すなわちヒートショックに抗する性質(耐ヒートショック性、または、耐ヒートサイクル性)が劣るという欠点を有する。例えば、自動車電装イグニッションコイル、または小型モータのステータコア封止品などの金属部材をインサートした成形品や、エポキシ樹脂またはシリコーン樹脂のような熱硬化性樹脂製部材を封止した成形品などの場合、熱可塑性ポリエステル樹脂と、内部の金属部材または熱硬化性樹脂製部材との、温度変化による熱膨脹・収縮率の違いから、全体として肉薄の成形品、一つの成形品の中に肉厚変化の大きい部分を持つ成形品、および鋭角部分を持つ成形品などは、使用中の環境温度変化によって、成形品が割れる場合がある。このため、成形品の用途や形状などがかなり制限される。
さらに、使用中の環境温度変化による成形品の割れを改良する目的で、熱可塑性ポリエステル樹脂にガラス繊維などの強化充填剤を配合した場合は、得られた成形品は強化充填剤の配向による熱膨脹・収縮率の異方性が発生することがある。また、強化充填剤配合による伸度低下が、使用中の温度変化による成形品の破損頻度を更に増す原因となることがある。
従来、金属部材などをインサート成形した成形品のヒートショック性を改善する目的で、PBT樹脂を基体樹脂とし、耐衝撃性改良剤を配合する手法が提案されている。例えば、特許文献1には、基体樹脂にアクリルゴムを配合する手法が、特許文献2には、基体樹脂にエチレンーグリシジルアクリレート共重合体を配合する手法が提案されている。
最近、基体樹脂の耐ヒートショック性をさらに改善する目的で、基体樹脂に配合するガラス繊維として、特殊な断面形状の繊維状充填材を配合した樹脂組成物が提案されている。例えば、特許文献3には、(A)PBT樹脂に対し、(B)ゴム状のコアをガラス状の樹脂が包含した多層構造からなるコアシェル型化合物1〜30重量%(全組成物中)、(C)断面が長手形状である非円形断面を有する繊維状充填剤5〜50重量%(全組成物中)、を配合してなるPBT樹脂組成物が提案されている。
また、特許文献4には、(A)PBT樹脂に対し、(B)(a)エチレン−不飽和カルボン酸のアルキルエステル共重合体部分5〜95重量%と、(b)ビニル系(共)重合体部分95〜5重量%とのグラフト共重合体1〜30重量%(全組成物中)、(C)断面が長手形状である非円形断面を有する繊維状充填材5〜50重量%(全組成物中)、を配合してなるPBT樹脂組成物が提案されている。
特開昭63−3055号公報 特開昭60−219254号公報 特開2000−265001号公報 特開2000−265046号公報
しかし、自動車の部品、電気・電子機器部品、その他の一般工業製品などの小型化に伴う成形品の肉薄化の進行、部品のモデュール化などによる形状の複雑化の進行、これら部品の用途の拡大などにより、これら部品の製造(または成形)に使用される樹脂材料の耐ヒートショック性や耐電圧性などの特性向上の要求が一層厳しくなり、上記の特許文献に記載されている手法に基づく樹脂組成物を使用してもまだ不十分で、更なる改善が要請されている。
本発明の目的は、上記した従来の樹脂組成物の欠点を排除し、最近の要請に応えた樹脂組成物、および成形品を提供することを目的とする。すなわち、本発明の目的は次のとおりである。
1.成形性が優れ、機械的強度、外観、耐候性、電気的特性(耐高電圧性、絶縁特性など)などに優れた成形品が得られる、強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供すること。
2.長期間に亘り高温と低温との雰囲気に交互に曝された(ヒートショックが与えられた)場合でも、元の物理的特性および電気的特性を保持する成形品が得られる、強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供すること。
3.長期間に亘り高温と低温との雰囲気に交互に曝された(ヒートショックが与えられた)場合でも、元の機械的特性及び電気的特性(耐高電圧性、絶縁特性)を維持する成形品を提供すること。
上記課題を解決するために、第一発明では、(A)成分:熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部、(B)成分:ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物、および/または、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物の変性物1〜30重量部、(C)成分:繊維状強化材であって、繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD2とするとき、D2/D1比(扁平率)が1.5〜10であり、かつ、繊維状強化材の平均繊維長Lとするとき、(L×2)/(D2+D1)比(アスペクト比)が10以上である異形断面形状を有する繊維状強化材10〜200重量部、および、(D)成分:エポキシ化合物0〜3重量部を含むことを特徴とする、強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を提供する。
また第二発明では、(A)成分:熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部、(B)成分:ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物、および/または、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物の変性物1〜30重量部、(C)成分:繊維状強化材であって、繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD2とするとき、D2/D1比(扁平率)が1.5〜10であり、かつ、繊維状強化材の平均繊維長Lとするとき、(L×2)/(D2+D1比(アスペクト比)が10以上である異形断面形状を有する繊維状強化材10〜200重量部、および、(D)成分:エポキシ化合物0〜3重量部を含む強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を原料として、金属・無機固体または熱硬化性樹脂固体をインサートして製造されたものであることを特徴とするインサート成形品を提供する。
本発明は、以下に詳細に説明するとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、成形性が優れ、機械的強度、外観、耐候性、電気的特性などに優れた成形品が得られる。
2.本発明に係る強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、小型化・軽量化した成形品の製造用に適している。
3.本発明に係る強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、長期間に亘り高温と低温との雰囲気に交互に曝された(ヒートショックが与えられた)場合でも、元の物理的特性及び電気的特性を保持する成形品が得られる。
4.本発明に係る強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物から得られるインサート成形品は、長期間に亘り高温と低温との雰囲気に交互に曝された(ヒートショックが与えられた)場合でも、元の物理的特性及び電気的特性を保持する。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明に係る強化樹脂組成物における基体樹脂は、(A)成分の熱可塑性ポリエステル樹脂{以下、単に(A)成分または(A)と記載することがある。}である。この熱可塑性ポリエステル樹脂は、従来から知られているポリエステル樹脂であって、ジカルボン酸またの誘導体(A1){以下、単に(A1)成分または(A1)と記載することがある。}と、ジオール成分(A2){以下、単に(A2)成分または(A2)と記載することがある。}とを重縮合させて得られるポリエステル樹脂をいう。
ジカルボン酸またはその誘導体(A1)としては、芳香族ジカルボン酸類、脂環式ジカルボン酸類、脂肪族ジカルボン酸類、および、これらの低級アルキルまたはグリコールのエステル類が挙げられる。中でも、芳香族ジカルボン酸類またはこの低級アルキルまたはグリコールのエステル類が好ましく、特に、テレフタル酸またはこの低級アルキルエステルが好ましい。ジカルボン酸またはその誘導体(A1)は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
芳香族ジカルボン酸類としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
脂環式ジカルボン酸類としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸類としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられる。
ジオール成分(A2)としては、脂肪族ジオール類、脂環式ジオール類、および芳香族ジオール類が挙げられる。脂肪族ジオール類としては、炭素数2〜20の脂肪族ジオールが好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールなどが挙げられる。中でも、炭素数2〜4のジオールが好ましい。ジオール成分(A2)は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
脂環式ジオール類としては、炭素数2〜20のものが好ましい。具体的には、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジメチロールなどが挙げられる。芳香族ジオール類としては、キシリレングリコール、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、およびビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。
(A)成分のポリエステル樹脂には、上記(A1)または(A2)の一部を置換して、他の共重合体成分を含ませることができる。他の共重合体成分としては、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸類、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分が挙げられる。さらに、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトールなどの三官能以上の多官能成分なども挙げられる。
(A)成分の熱可塑性ポリエステル樹脂として好ましいのは、芳香族ポリエステル樹脂であり、具体的には、入手の容易さおよび価格などの観点から、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、またはポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂である。ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂は、(A1)成分としてテレフタル酸を主成分(50モル%以上)とし、(A2)成分として1,4−ブタンジオールを主成分(50モル%以上)として、エステル結合した構造の樹脂である。(A1)成分に占めるテレフタル酸単位の割合、(A2)成分に占める1,4−ブタンジオーの割合が低すぎると、得られるPBT樹脂の結晶化速度が低下し、成形性が低下する場合がある。よって、(A1)成分に占めるテレフタル酸単位の割合は、通常80モル%以上とするのが好ましく、とりわけ95モル%以上が好ましい。また、(A2)成分に占める1,4−ブタンジオーの割合は、通常80モル%以上とするのが好ましく、とりわけ95モル%以上が好ましい。
(A)成分の熱可塑性ポリエステル樹脂を製造する際、ジカルボン酸またはその誘導体の(A1)成分と、ジオール成分(A2)との仕込み割合、すなわち、(A1)成分対(A2)成分比は、好ましくは1.0対1.0〜5.0モル、より好ましくは1.0モル対1.5〜4.5モル、さらに好ましくは1.0モル対2.0〜4.0モルである。
(A)成分は次の方法、すなわち、(i)直接重合法、および、(ii)エステル交換法によって製造することができる。(i)直接重合法では、(A1)成分としてジカルボン酸を使用し、(ii)エステル交換法では、(A1)成分としてジカルボン酸のアルキルまたはグリコールのエステルを使用する。また、原料供給または生成ポリマーの抜き出し形態{反応槽などからの生成(溶融)ポリマーを抜き出す方法}により、回分式と連続式に大別され、いずれの方法によってもよい。原料原単位、副生物処理の容易さなどの観点からは、(i)直接重合法によるのが好ましく、PBT樹脂の品質安定性や製造に要するエネルギー効率の観点からは、連続法によるのが好ましい。
(A)成分を(i)直接重合法によって製造する際には、例えば、以下のような方法によることができる。(A1)成分と(A2)成分、必要に応じ、他の共重合成分とを、重縮合触媒、助触媒の存在下、必要に応じてその他の添加剤を加え、連続的または回分式にエステル化反応を行い、オリゴマーを調製する。このエステル化反応は、単独のエステル化反応槽、または複数の槽よりなるエステル化反応槽の最初の槽に、上記原料成分を仕込み、必要に応じて触媒、助触媒、その他の添加物を加え、不活性ガス雰囲気下、攪拌しつつ、反応によって生じる水を留去しつつ反応を行う。エステル化反応終了後は、反応混合物をエステル化反応槽と同一反応槽で、または、反応混合物をエステル化反応槽から単独の重縮合反応槽、または複数の槽よりなる重縮合反応槽の最初の槽に移送し、移送後の反応混合物に、必要に応じて、重縮合触媒、助触媒、その他の添加物を仕込み、不活性ガス雰囲気下、攪拌しつつ、温度、圧力を調節しながら、連続的または回分式に重縮合反応を行う。
エステル化反応槽および重縮合反応槽の形態、構造には特に制限がなく、従来から知られている、縦型攪拌完全混合槽、縦型熱対流混合槽、横型攪拌完全混合槽、塔型連続反応槽、これらを組み合わせた形態、構造のものをそのまま使用できる。中でも、少なくとも一つの重縮合槽においては、攪拌装置を装備したものが好ましい。攪拌装置は、槽の形式、大きさなどにより、従来から知られている、動力部,軸受、攪拌翼などによって構成される攪拌翼のほか、タービンステーター型高速回転式攪拌機、ディスクミル型攪拌機、ローターミル型攪拌機などの高速回転可能な攪拌機が挙げられる。
エステル化反応、重縮合反応を行う際には、触媒を使用するのが好ましい。これら反応を行う際に使用できる触媒としては、従来からポリエステル樹脂を製造する際に使用されている触媒が、そのまま使用できる。エステル化反応、重縮合反応を行う際に使用できる触媒としては、(a)チタン化合物、(b)周期表第1族金属化合物および/または周期表第2族金属化合物、(c)スズ化合物などが挙げられ、助触媒を併用することもできる。(a)チタン化合物の具体的としては、酸化チタン、四塩化チタンなどの無機チタン化合物類、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネートなどのチタンアルコラート類、テトラフェニルチタネートなどのチタンフェノラート類などが挙げられる。中でも、チタンアルコラート類が好ましく、さらにはテトラアルキルチタネート類が好ましく、特にテトラブチルチタネートが好ましい。
(b)周期表第1族金属化合物の金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどが挙げられる。この金属を含む化合物としては、酢酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの各種有機酸塩類、水酸化物類、酸化物類、アルコラート類などが挙げられる。(b)周期表第2族金属化合物の金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。この金属を含む化合物としては、酢酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの各種有機酸塩類、水酸化物類、酸化物類、アルコラート類などが挙げられる。取り扱いや入手の容易さ、触媒効果の点から、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の化合物が好ましい。得られるポリエステル樹脂の色調を勘案すると、リチウム又はマグネシウムの化合物が好ましく、特にマグネシウム化合物が好ましい。マグネシウム化合物としては、具体的には、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシウムアルコキサイド、燐酸水素マグネシウムなどが挙げられる。中でも有機酸塩類が好ましく、特に酢酸マグネシウムが好ましい。これら(a)と(b)は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
(c)スズ化合物としては、ジブチルスズオキサイド、メチルフェニルスズオキサイド、テトラエチルスズ、ヘキサエチルジスズオキサイド、シクロヘキサヘキシルジスズオキサイド、ジドデシルスズオキサイド、トリエチルスズハイドロオキサイド、トリフェニルスズハイドロオキサイド、トリイソブチルスズアセテート、ジブチルスズジアセテート、ジフェニルスズジラウレート、モノブチルスズトリクロライド、トリブチルスズクロライド、ジブチルスズサルファイド、ブチルヒドロキシスズオキサイド、メチルスタンノン酸、エチルスタンノン酸、ブチルスタンノン酸などが挙げられる。
助触媒としては、三酸化アンチモンなどのアンチモン化合物、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウムなどのゲルマニウム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、ジルコニウム化合物、コバルト化合物、正燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、ポリ燐酸などやこれらのエステルや金属塩などの燐化合物などが挙げられる。
(A)成分がPBT樹脂であっては、触媒として(a)チタン化合物を使用する場合には、得られるPBT樹脂の理論収量に対して、チタン原子換算で10〜80ppm、好ましくは15〜70ppmの範囲で使用することができる。チタン化合物をこのような範囲で使用することにより、得られるPBT樹脂中のチタン化合物の残存量を、チタン原子換算で10〜80ppm、好ましくは15〜70ppm、より好ましくは20〜60ppm、とりわけ好ましくは30〜50ppmの範囲で使用することができる。この(a)チタン化合物の使用量が多過ぎると、得られるPBT樹脂に残存するチタン化合物が多くなり、PBT樹脂の色調低下、耐加水分解性の低下、耐ヒートショック性の低下、チタン触媒の失活による溶液ヘイズ、異物増加などの原因になる場合があり、逆に少な過ぎても原料混合物の重合性が低下し、いずれも好ましくない。
チタン化合物の残存量とPBT樹脂の耐ヒートショック性の低下との関係は不明であるが、触媒由来のチタン残存量が多いと高温でのPBT樹脂の分解が促進され、耐ヒートショック性が低下するものと推定される。PBT樹脂にエポキシ化合物を配合することにより、PBT樹脂のヒートショック性は向上するが、チタンがエポキシ化合物との反応性に関与し、チタン残存量が少なすぎるとエポキシの反応性が低下しヒートショック性も低下すると推定される。
PBT樹脂製造用触媒として(c)スズ化合物を使用する場合は、その使用量は、得られるPBT樹脂の理論収量に対して、スズ原子換算で200ppm以下、好ましくは100ppm以下、特に好ましくは10ppm以下とする。スズ化合物の使用量が多過ぎると、得られるPBT樹脂に残存するスズ化合物が多くなり、得られるPBT樹脂の色調を悪化させるので、可及的少なくするのが好ましい。
(A)成分を製造する際に上記触媒、助触媒を反応系に添加する時期は、特に制限されない。(a)チタン化合物や(b)周期表第1族金属化合物および/または周期表第2族金属化合物、(c)スズ化合物は、原料の(A1)成分または(A2)成分に添加する方法、エステル化反応槽、またはエステル化反応槽に続く重縮合反応槽などの反応槽の気相部から、反応液上面に添加する方法、反応液相部に直接添加する方法、これら槽に付帯して設けられたオリゴマー配管に添加する方法、触媒の一部をエステル化反応槽に添加し、残部を重縮合反応槽に添加する方法、エステル化反応槽では添加せずに重縮合反応槽で添加する方法、などのいずれであってもよい。触媒が常温で固体の場合には、固体のまま反応液に添加することもできるが、添加量を安定化させ、熱による変性などの悪影響を軽減するためには、水、(A2)成分などに溶解し、溶液として添加することが好ましい。この溶液中の上記触媒の濃度は、通常0.01重量%以上、中でも0.05重量%以上、特に0.08重量%以上であることが好ましく、その上限は20重量%以下、中でも10重量%以下、特に8重量%以下とするのが好ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂に残存する(含有する)チタン原子などの金属残存(含有)量は、湿式灰化などの方法でポリマー中の金属を回収した後、原子発光、原子吸光、Inductively Coupled Plasma(ICP)などの方法を駆使して測定することができる。
エステル化反応工程での反応条件は、(A1)および(A2)の種類、触媒の有無・種類・量、助触媒の有無・種類・量、その他の化合物の種類、添加(使用)量などにより変わる。温度条件としては、通常、180〜260℃の範囲で選ばれる。この反応温度範囲で好ましいのは200〜245℃であり、特に好ましいのは210〜235℃である。圧力条件としては、通常は10〜133kPaの範囲で選ばれる。この圧力範囲で好ましいのは13〜101kPa、特に好ましいのは60〜90kPaである。反応時間は、通常、0.5〜10時間の範囲で選ばれ、特に1〜6時間が好適である。エステル化反応生成物(またはエステル交換生成物)としてのオリゴマーは、重縮合工程に移送される。オリゴマーのエステル化率は任意であり、通常90%以上、好ましくは95%以上であり、このオリゴマーの数平均分子量は、通常、300〜3000であり、好ましくは500〜1500である。
重縮合反応工程での反応条件は、(A1)および(A2)の種類、触媒の有無・種類・量、助触媒の有無・種類・量、その他の化合物の種類、添加(使用)量などにより変わる。温度条件としては、通常、210〜280℃の範囲で選ばれる。この反応温度範囲で好ましいのは220〜250℃であり、特に好ましいのは230〜240℃である。なお、複数の重縮合反応槽を使用する場合には、そのうちの少なくとも一つの反応槽の温度を230〜240℃とするのが好ましい。圧力条件としては、通常は27kPa以下、中でも20kPa以下、特に13kPa以下とするのが好ましい。複数の重縮合反応槽を使用する場合には、生成物の着色や劣化を抑制する目的で、そのうちの少なくとも一つの反応槽の圧力を1.3kPa以下とするのが好ましく、中でも0.5kPa以下、特に0.3kPa以下の高真空とするのが好ましい。反応時間は、通常、1〜12時間の範囲で選ばれ、特に3〜10時間が好適である。
重縮合反応により得られたポリエステル樹脂は、通常、重縮合反応槽の底部から、流路に異物を除去するフィルターを装備した抜き出しラインを経て、ダイヘッドから溶融したストランド状で抜き出され、水などで冷却し、カッターによって切断し、ペレット状、チップ状などの粒状体とされる。得られた固有粘度0.1〜0.9程度のポリエステル樹脂は、さらに、ポリエステル樹脂の融点以下の温度で固相重縮合(固相重合)させて、分子量を高めることもできる。
上記反応によって得られた(A)成分のポリエステル樹脂は、その末端カルボキシル基濃度が5〜80eq/トンの範囲が好ましい。末端カルボキシル基濃度が80eq/トンを超えると、強化樹脂組成物の滞留熱安定性や、強化樹脂組成物から得られる成形品の耐加水分解性が低下する場合がある。低すぎても機械的強度の改善効果、および耐ヒートショック性が低下する場合がある。上記範囲で好ましいのは5〜30eq/トン、とりわけ好ましいのは5〜25eq/tonの範囲である。本発明において、末端カルボキシル基濃度は、ベンジルアルコール25mLにポリエステル樹脂ト0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lベンジルアルコール溶液を使用して滴定法により測定することができる。末端カルボキシル基濃度を調整する方法としては、重合時の原料仕込み比、重合温度、減圧方法などの重合条件を調節する方法や、末端封鎖剤を反応させる方法などによることができる。末端カルボキシル基濃度が上記範囲のPBT樹脂を得る方法は特に限定されるものではなく、例えば、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールを溶融重縮合して比較的分子量の小さい、例えば固有粘度0.1〜0.9のポリブチレンテレフタレートを製造し,次いで、所望の分子量となるまで固相重縮合する方法によることができる。末端カルボキシル基は、低い方が耐ヒートショック性の点では好ましいが、樹脂の生産性にも影響するので、実用的には,末端カルボキシル基濃度の下限は10eq/ton程度である。
(A)成分のポリエステル樹脂の固有粘度は、成形材料として使用できる範囲であれば特に制限はなく、1,1,2,2−テトラクロロエタン/フェノール=1/1(重量比)の混合溶媒を使用して、温度30℃で測定した値が、PBT樹脂では0.7〜1.5dL/gの範囲、PET樹脂では0.5〜1.5dL/gの範囲のものが好ましい。各ポリエステル樹脂の固有粘度が小さ過ぎると、機械的特性が劣り、逆に大きすぎると成形性が低下し、加工が困難になる。固有粘度が異なる二種類以上のポリエステル樹脂を混合し、固有粘度を調整することができる。その場合は混合物の固有粘度は、0.5〜1.5dL/gの範囲とするのが好ましい。
(A)成分の熱可塑性ポリエステル樹脂としては、機械的強度、成形性の観点から、PBT樹脂を主体としたポリエステル樹脂が好ましい。しかし、PBT樹脂は結晶化速度が極めて速いため、得られる成形品の表面外観を損なう場合がある。このような場合は、結晶化速度がPBT樹脂に比べて若干遅いPETを併用することにより、成形品の表面外観の低下を抑制することができ好ましい。PBT樹脂とPET樹脂とを併用する際の配合比率は、PBT樹脂/PET樹脂=95/5〜50/50(重量比)の範囲が好ましく、85/15〜55/45の範囲がより好ましい。
本発明に係る強化樹脂組成物における(B)成分、すなわち、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物、および/または、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物の変性物は、この強化樹脂組成物の機械的強度、特に曲げ特性と耐衝撃性を向上させ、この強化樹脂組成物から得られる成形品の外観、耐ヒートショック性を一層向上させるように機能する。
本発明においてブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物の重合体ブロックa(以下、単に重合体ブロックaと記載することがある。)と共役ジエン系化合物の重合体ブロックb(以下、単に重合体ブロックbと記載することがある。)とを構成単位とするブロック共重合体c(以下、単に重合体ブロックcと記載することがある。)である。ブロック共重合体cの水素添加物とは、ブロック共重合体cの分子鎖中の不飽和結合部分の少なくとも一部が、水素添加されているものをいう。ブロック共重合体cで好ましいのは、主に重合体ブロックbの分子鎖中の脂肪族不飽和結合数が、水素添加されて減少したブロック共重合体である。本発明においてブロック共重合体cの水素添加物の変性物とは、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物(以下、未変性水素化ブロック共重合体と記載することがある。)に、不飽和酸および/またはその誘導体を付加させ変性させた変性物である(以下、変性水素化ブロック共重合体と記載することがある。)。
ブロック共重合体c中におけるブロックaとブロックbの配列構造は、線状構造および分岐構造(ラジアルテレブロック)のいずれであってもよく、また、これらの構造のうちで一部に、ビニル芳香族化合物と共役ジエン系化合物とのランダム共重合部分に由来するランダム鎖を含んでいてもよい。これらの配列構造のうちでも、線状構造のものが好ましく、耐衝撃性の観点からはa−b−a型のトリブロック構造のものが特に好ましい。このトリブロック構造の場合、a−b型のジブロック構造のものを一部含んでいてもよい。
重合体ブロックaを構成する単量体のビニル芳香族化合物としては、好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンなどの炭素数8〜15のビニル芳香族化合物が挙げられる。これらの中で好ましいのは、スチレンである。また、重合体ブロックbを構成する単量体の共役ジエン系化合物としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンなどのブタジエン類が挙げられる。
本発明の(B)成分である未変性水素化ブロック共重合体および変性水素化ブロック共重合体における、ビニル芳香族化合物に由来する繰り返し単位の占める割合は、耐衝撃性と弾性率のバランスの観点から、通常10〜70重量%の範囲が好ましい。この範囲内でより好ましいのは12〜50重量%であり、特好ましいのは15〜40重量%である。(B)成分である未変性水素化ブロック共重合体および変性水素化ブロック共重合体が有する不飽和結合に着目した場合には、共役ジエン系化合物に由来する脂肪族性不飽和結合のうち、水素添加されずに残存している割合は、最終的に得られる樹脂組成物の熱安定性の観点から、20重量%以下が好ましく、より好ましいのは15重量%以下であり、特に好ましいのは10重量%以下である。水素添加されずに残存している不飽和結合の割合は、ヨウ素付加法によって定量し確認することができる。
(B)成分である未変性水素化ブロック共重合体および変性水素化ブロック共重合体の水素添加物を構成するブロック共重合体cは、単量体に種々の組合せがあるが、これらの中でも好ましいのは、重合体ブロックaを構成する単量体のビニル芳香族化合物としてスチレンを使用し、重合体ブロックbを構成する単量体の共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエンを使用した、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、および、ビニル芳香族化合物としてスチレンを使用し、共役ジエン系化合物として2−メチル−1,3−ブタジエンを使用した、スチレン−エチレン/イソプレン−スチレン共重合体(SEPS)である。
(B)成分である未変性水素化ブロック共重合体および変性水素化ブロック共重合体の水素添加物を構成するブロック共重合体cは、その数平均分子量が300,000以下のものが好ましい。数平均分子量が300,000を超えると、成形加工性が劣り、外観も悪化する傾向がある。数平均分子量のより好ましい範囲は、200,000〜50,000である。
変性水素化ブロック共重合体を得るには、未変性水素化ブロック共重合体に不飽和酸および/またはその誘導体を付加させる。付加させることができる不飽和酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、ナジック酸などのα,β−不飽和カルボン酸が挙げられる。また、その誘導体としては、上記各種不飽和酸の酸無水物、酸ハライド、アミド、イミド、エステルなどであり、具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルアクリル酸、グリシジルメタクリル酸などが挙げられる。これらの不飽和酸および/またはその誘導体の中でも、不飽和ジカルボン酸および/またはその酸無水物が好ましく、特にマレイン酸、イタコン酸および/またはこれらの酸無水物、もしくはグリシジル(メタ)アクリル酸が好適である。これらの不飽和酸および/またはその誘導体は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
未変性水素化ブロック共重合体を変性する際の上記不飽和酸および/またはその誘導体の付加量は、未変性水素化ブロック共重合体100重量部に対し、0.1〜2.5重量%の範囲が好ましく、より好ましいのは0.1〜2.0重量%であり、特に好ましいのは0.05〜1.0重量%である。未変性水素化ブロック共重合体に、不飽和酸および/またはその誘導体を付加させて、効率的に変性水素化ブロック共重合体を得るには、ラジカル発生剤を使用するのが好ましい。ラジカル発生剤としては、有機過酸化物およびアゾ化合物などが挙げられる。有機過酸化物としては、(イ)ハイドロパーオキサイド類、(ロ)ジアルキルパーオキサイド類、(ハ)パーオキシケタール類、(ニ)パーオキシエステル類、および、(ホ)ジアシルパーオキサイド類が挙げられる。
(イ)ハイドロパーオキサイド類としては、例えば、t−ブチル−ハイドロパーオキサイド、キュメン−ハイドロパーオキサイド、2、5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチル−ハイドロパーオキサイド、p−メンタン−ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。
(ロ)ジアルキルパーオキサイド類としては、例えば、1,3−ビス(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチル−キュミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−キュミルパーオキサイドなどが挙げられ、(ハ)パーオキシケタール類としては、例えば、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシ−ブタン、2,2−ビス−t−ブチルパーオキシ−オクタン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−シクロヘキサン、1,1−ビス−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
(ニ)パーオキシエステル類としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ−ベンゾイルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレートなどが挙げられ、(ホ)ジアシルパーオキサイド類としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどが挙げられる。
ラジカル発生剤としのアゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)などが挙げられる。
上記したラジカル発生剤の中では、10時間での半減期温度が110℃以上、好ましくは120℃以上のラジカル発生剤である。半減期温度が120℃未満のものでは、最終的に得られる強化樹脂組成物の耐衝撃性や、この強化組成物製成形品の寸法安定性が低下する傾向がある。上記したラジカル発生剤の中で特に好ましいのは、10時間での半減期温度が120℃以上の(ロ)ジアルキルパーオキサイド類である。
本発明に係る強化樹脂組成物おいて、(B)成分の配合量は、(A)成分の熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し、1〜30重量部とする。(B)成分が1重量部未満であると、最終的に得られる強化樹脂組成物の耐衝撃性と弾性率、この強化樹脂組成物製成形品の耐ヒートショック性が劣り、30重量部を超えると強化樹脂組成物の成形性、成形品の機械的強度、外観、耐候性などが劣るので、いずれも好ましくない。(B)成分のより好ましい配合量は1.5〜25重量部の範囲であり、さらに好ましいのは2〜20重量部である。未変性水素化ブロック共重合体は、芳香族ポリエステル樹脂にかなりの相溶性が認められるが、より一層効果を発揮させるためには、変性水素化ブロック共重合体か、未変性の水素化ブロック共重合体と変性水素化ブロック共重合体とを併用するのが好ましい。(B)成分として未変性水素化ブロック共重合体と変性水素化ブロック共重合体とを併用配合する場合、未変性水素化ブロック共重合体と変性水素化ブロック共重合体との比率(重量比)は、0対100〜90対10の範囲が好ましく、より好ましいのは1対99〜80対20、特に好ましいのは5対95〜66対37である。なお、変性水素化ブロック共重合体における変性前の水素化ブロック共重合体と未変性水素化ブロック共重合体とは、同一でも違っていてもよい。
本発明における(C)成分の繊維状強化材は、強化樹脂組成物の機械的特性(引張強度、曲げ強度、耐衝撃強度など)を向上させ、同時に、成形品の耐ヒートショック性を向上させる。本発明における(C)成分の繊維状強化材は、異形断面を有する繊維状強化材をいう。繊維状強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維、玄武岩繊維などが挙げられる。
本発明の(C)成分としての異形断面形状を有する繊維状強化材は、繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD2とするとき、D2/D1比(扁平率)が1.5〜10であり、かつ、繊維状強化材の平均繊維長Lとするとき、(L×2)/(D2+D1)比(アスペクト比)が10以上のものをいう。
繊維状強化材の扁平率(長径と短径との比)は、繊維状強化材の断面の顕微鏡により長径と短径の測定値から容易に算出することができる。強化繊維長を測定するには、繊維状強化材を配合した強化樹脂組成物製成形品の中央部から約5gのサンプルを切り出し、温度600℃の電気炉中で2時間置いて灰化させた後、残った繊維状強化材について測定する。繊維状強化材を折損しないように中性表面活性剤水溶液中に分散させ、その分散水溶液をピペットによってスライドグラス上に移し、顕微鏡で写真撮影を行う。この写真画像について、画像解析ソフトを用い、1000〜2000本の強化繊維について測定を行い、平均繊維長が算出できる。市販されている繊維状強化材は、繊維長がカタログに記載されておれば、この値を活用することができる。
異形断面の繊維状強化材の断面は、繊維の長さ方向に直角に切断した際の断面が、例えば、長方形、長方形に近い長円形、楕円形、長手方向の中央部がくびれた繭型などが挙げられる。これら繊維状強化材の異形断面の例は、前記特許文献4に記載されている。断面が繭型の繊維状強化材は、中央部がくびれていて、その部分の強度が低く中央部で割れることがあり、またこのくびれた部分が基体樹脂との密着性が劣る場合もあるので、機械的特性向上を目的する場合は、断面が長方形、長方形に近い長円形、または楕円形のものを使用するのが好ましい。
本発明に係る強化樹脂組成物から、金属または熱硬化性樹脂をインサートした成形品を製造する場合には、成形品にウエルドラインが発生しやすい。ウエルドライン付近において、樹脂の流れに沿って繊維状強化材が配向するほど、ウエルドライン部分の強度が低下する傾向にある。したがって、繊維状強化材は樹脂の流れの通りに配向しにくい断面形状のものが好ましい。つまり、繊維強化材の周辺で、射出成形時に繊維強化材の繊維方向に直角な方向への樹脂の流れを多くするものが好ましい。断面が繭型のものは中央部にくびれがあるため、くびれに沿って樹脂の流れが発生し、繊維方向に対して直角方向の流れが減少する。また、断面が楕円形のものも、基本的には円形形状と同じように中央部のふくらみが逆に樹脂の直角方向の流れを妨げることになり、好ましくない。したがって、機械
的特性、ウエルドライン部分の強度という観点から、断面が繭形や楕円型よりも、長方形、長方形に近い長円形形状のものが好ましい。
(C)成分の繊維状強化材は、D2/D1比(長径と短径との比=扁平率)が1.5〜10の範囲とする。扁平率が1.5未満であると、断面が円形の繊維状強化材と同様、最終的に得られる強化樹脂組成物製成形品の耐ヒートショック性が劣り、扁平率が10を超えると、基体樹脂などとの混合、混練、成形工程で、繊維状強化材に加わる荷重で破砕され、成形品中での実際の繊維強化材のD2/D1が小さくなる場合が多く、繊維強化材の製造コストも高くなるので、いずれも好ましくない。扁平率のより好ましい範囲は、1.8〜6.0の範囲である。
(C)成分の繊維状強化材の繊維径(太さ)は、実用化されている程度の径であればよい。例えば、繊維状強化材断面の短径D1が0.5〜25μmの範囲、長径D2が1.25〜300μmの範囲のものが好ましい。繊維径が小さすぎると、繊維状強化材の紡糸が困難な場合があり、繊維径が大きすぎると、強化樹脂組成物とした際に基体樹脂との接触面積が減少し、得られる成形品の強度が低下する場合がある。本発明においては、繊維状強化材の短径D1が3μm以上で、のものが好ましい。短径D1が3μm以上で、D2/D1比(扁平率)1.8より大きいのが好ましい。
成分(C)の繊維状強化材は、扁平率が1.5〜10であり、かつ、繊維状強化材の平均繊維長Lとするとき、(L×2)/(D2+D1)比(アスペクト比)で10以上である必要がある。アスペクト比が10より未満であると、最終的に得られる強化樹脂組成物の機械的強度が改善されない。アスペクト比があまり大きすぎると、強化樹脂組成物の流動性が低下し、好適な成形条件幅が狭くなるので、好ましいアスペクト比は12〜40である。
本発明に係る強化樹脂組成物に使用される(C)成分の繊維状強化材は、例えば、特公平3−59019号公報、特公平4−13300号公報、特公平4−32775号公報などに記載の方法に従って製造することができる。特に、扁平なガラス繊維は、底面に多数のオリフィスを有するオリフィスプレートにおいて、複数のオリフィス出口を囲み、このオリフィスプレート底面より下方に延びる凸状縁を設けたオリフィスプレート、または、単数もしくは複数のオリフィス孔を有するノズルチップの外周部先端から、下方に延びる複数の凸状縁を設けた異形断面ガラス繊維紡糸用ノズルチップを用いて製造することができる。
本発明で使用される上記(C)成分の強化繊維は、シランカップリング剤、潤滑剤、帯電防止剤、被膜形成能を有する樹脂などで表面処理したものであってもよい。シランカップリング剤として、例えば、γーメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。このシランカップリング剤の付着量は、繊維状強化材の0.01重量%以上とすることが好ましい。潤滑剤としては、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイルなどが挙げられ、帯電防止剤としては第4級アンモニウンム塩などが挙げられ、被膜形成能を有する樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。被膜形成能を有する樹脂には、あらかじめ熱安定剤、難燃剤などを配合しておくこともできる。
本発明に係る強化樹脂組成物おいて、(C)成分の配合量は、(A)成分の熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し、10〜200重量部とする。(C)成分の配合量が10重量部未満では、基体樹脂の補強効果が小さく、弾性率や耐衝撃性が不充分であり、200重量部を超えると強化樹脂組成物を粒状化(コンパウンド化)が困難となる上に、コンパウンド時に強化繊維が折損し、補強効果が発揮されない。(C)成分の配合量のより好ましい範囲は10〜200重量部であり、特に好ましいのは20〜150重量部である。
本発明の(D)成分としてのエポキシ化合物は、本発明に係る強化樹脂組成物より得られる成形品の耐ヒートショック性を向上させるように機能する。(D)成分としてのエポキシ化合物は、一分子中に一個以上のエポキシ基を有する化合物、アルコール、フェノール系化合物またはカルボン酸とエピクロロヒドリンとの反応から得られるグリシジル化合物、脂環式エポキシ化合物などをいう。エポキシ化合物は、一種でも二種以上の混合物であってもよい。
エポキシ化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、レゾルシン型エポキシ化合物、ノボラック型エポキシ化合物、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどのジグリシジルエーテル類、安息香酸グリシジルエステル、ソルビン酸グリシジルエステルなどの脂肪酸グリシジルエステル類、アジピン酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、オルトフタル酸ジグリシジルエステルなどのジグリシジルエステル類、ビニルシクロヘキセンジオキシド、ジシクロペンタジエンオキシドなどの脂環化合物型エポキシ化合物類などが挙げられる。
(D)成分としてのエポキシ化合物は、グリシジル基含有共重合体であってもよい。グリシジル基含有共重合体は、α,β−不飽和酸のグリシジルエステルと、α−オレフィン、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステルからなる群より選ばれる一種または二種以上のモノマーから構成される共重合体が好ましい。
(D)成分としてのエポキシ化合物は、好ましくはエポキシ当量が100〜500g/eq、分子量2000以下のエポキシ化合物である。エポキシ当量が100g/eq未満であると、エポキシ基の量が多すぎ強化樹脂組成物の粘度が高くなる原因となり、500g/eqを超えると、エポキシ基の量が少なくなり強化樹脂組成物より得られる成形品の耐ヒートショック性が向上しない。分子量が2000以上であると、熱可塑性ポリエステル樹脂との相溶性が低下し、強化樹脂組成物の強度が低下する傾向にある。(D)成分としてのエポキシ化合物として好ましいのは、上記の条件を満すビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの反応から得られるグリシジルエーテル化合物、特に、ビスフェノールA型エポキシ化合物やノボラック型エポキシ化合物が好ましい。
本発明に係る強化樹脂組成物おいて、(D)成分の配合量は、(A)成分の芳香族ポリエステル樹脂100重量部当たり0〜3重量部である。(D)成分の配合量が3重量部より多いと、強化樹脂組成物に含まれる成分同士の架橋化が進行し、成形時の流動性が悪くなるので好ましくない。(C)成分は配合しなくてもよいが、0.1重量部以上配合するのが好ましい。
本発明に係る強化樹脂組成物は、上記したとおり、(A)成分のポリエステル樹脂、(B)成分の未変性水素化ブロック共重合体、および/または、変性水素化ブロック共重合体、(C)成分の繊維状強化材、および(D)成分のエポキシ化合物を含むが、耐ヒートショック性をより効率的に改善するために、さらにペンタエリスリトールエステル化合物やカルボジイミド化合物を配合することができる。これら成分の外に、要すれば、本発明に係る強化樹脂組成物の特性を阻害しない範囲で、難燃剤、その他の樹脂添加剤や、他の樹脂を配合することができる。
配合できる樹脂添加剤としては、例えば、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸およびそのエステル、シリコーンオイルなどの離型剤、ヒンダードフェノール系、亜燐酸エステル系、硫黄含有エステル化合物系などの熱安定剤、タルクなどの結晶化促進剤、紫外線吸収剤、耐候性付与剤、染料、顔料、発泡剤などが挙げられる。
配合できる他の樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド12、ポリアミドMXD6などの各種ポリアミド類、各種ポリアミド系エラストマー、液晶ポリマー、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、ABS、AS、MBSなどスチレン系樹脂、各種アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのオレフィン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、イソブチレン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリル系エラストマーなどの各種エラストマー、アイオノマー樹脂、ポリカプロラクタムなどの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
本発明に係る強化樹脂組成物の調製は、従来から知られている方法によればよく、中でも押出混練機などを使用し溶融・混練する方法が好ましい。具体的には、例えば、上記した(A)成分、(B)成分、(C)成分、および(D)成分を所定量秤量し、必要に応じて各種添加成分とともに、リボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンセルミキサー、ドラムブレンダーなどの混合機によって混合し、溶融・混練機によって溶融・混練する方法が挙げられる。溶融・混練機には各成分を一括フィードする方法でもよいし、逐次フィードする方法でもよい。溶融・混練機としては、各種押出機、ブラベンダープラストグラフ、ラボプラストミル、ニーダー、バンバリーミキサーなどが挙げられる。溶融・混練する際に、熱分解し易いもの、破損し易いものは途中フィードするのが好ましい。各種添加成分は、基体樹脂や他の添加成分とあらかじめ混合しておくこともできる。溶融・混練する際の加熱温度は、強化樹脂組成物に含まれる成分の種類、各成分の割合、その他添加剤の種類、配合量などにより変わるが、230〜290℃の範囲とするのが好ましい。
本発明に係る強化樹脂組成物は、従来から知られている熱可塑性樹脂の成形方法によって、目的の成形品(製品)を成形(製造)することができる。本発明に係る強化樹脂組成物に適用できる成形方法としては、射出成形法、中空成形法、押出成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、回転成形法などである。中でも成形品の生産性の観点から、射出成形法による成形が好適である。
本発明に係る強化樹脂組成物は、この組成物から得られる成形品が瞬間的または一時的に高電圧が印加された際に耐え得るように設計された耐高電圧電気・電子部品、および偶発的に高電圧が印加される際にも耐え得るように設計された耐高電圧電気・電子部品などが好適である。偶発的に高電圧が印加される際の例としては、落雷や高電圧線のショートなどが挙げられる。高電圧とは、一般的に使用される電圧(100V)を超える交流およびまたは直流電圧を指し、厳しい場合は1kV以上の電圧を言う。
本発明に係る強化樹脂組成物は、得られた成形品が耐ヒートショック性、耐高電圧性が要求される成形品の製造用に使用されるので、成形品には金属、無機物、硬化性樹脂製部材などをインサートした成形品(製品)の製造用材料として好適である。成形品にインサートされる部材は、薄板状のものが好ましく、これら部材の大きさ、厚さなどはこれら部材をインサートする成形品の大きさ、構造などによって決めることができる。成形品のインサートされる部材は、成形品の全体にわたる必要はなく、成形品の一部分であってもよい。成形品は、耐高電圧部品に装備される(一体に組立られる)ものであれば、形状、大きさ、肉厚などは特に限定されるものではなく、板状(円板、多角形など)、柱状、箱形状、椀形状、トレイ状などいずれでもよい。大型成形品、複雑な成形品の場合は、成形品のすべての部分の肉厚が均一である必要はなく、成形品に補強リブが設けられていてもよい。
成形品が、例えばイグニッションコイル筐体の場合、実際に使用される状況では金属製のコイルと接触したり、成形品の薄肉部分が金属部品の間に挟まれたりしている。成形品は、金属製のコイルや金属部品間では、高圧電圧が印加される場合があるが、高圧電圧が印加されても成形品の薄肉部分が破壊しないことが要求される。成形品が軽量化・小型化されるに伴い、金属部品の間に挟まれる樹脂部分の肉厚も薄くする必要があるが、本発明に係る樹脂組成物製の成形品は、薄肉部分の肉厚が小さくても、優れた絶縁特性を発揮する。高電圧が印加される成形品薄肉部分の肉厚が3mm以下、さらには2mm以下、中でも1.5mm以下でも顕著な効果を発揮するので、成形品の肉厚を薄くすることができる。本発明に係る樹脂組成物は、軽重化・小型化した成形品の製造用に好適である。
金属製の薄板状部材をインサートした成形品(製品)の製造は、射出成形法によるのが好ましく、製造は例えば次の手順で行われる。まず、所定の大きさ・形状に加工された部材を、射出成形金型キャビティ内にインサートし、適所に固定する。成形品の形状や大きさで異なるので一概に言えないが、少量の成形品を製造する場合は、有人で、縦型成形機または横型成形機を使用するのがよい。横型成形機の場合、部材インサート時の固定には、例えば金型のインサート箇所に減圧穴を開けておき、インサート時に減圧にすることによって部材を金型キャビティ面吸いつけて落下しないようにし、成形作業を遂行できる。多数の成形品を効率的に製造するには、横型成形機を使って部材のインサート操作を、ロボットで行うのが好ましい。ついで、射出成形金型を閉め、強化樹脂組成物を射出する。冷却後に金型を開き、成形品を金型キャビティ内から離型し、取り出す。
射出成形法によってインサートした成形品(製品)を製造する際、インサート部材と樹脂との界面を好ましく接着するには、界面に接触する溶融樹脂組成物の温度を可及的高めにするのが好ましい。樹脂組成物の基体樹脂がPBT樹脂の場合には、一般的には金型温度を40〜100℃の範囲に設定することが多いが、インサートした成形品を製造する場合には70〜120℃と高くするのが好ましい。キャビティの形状によっては、金型温度を高めると製品の離型が困難となる場合もあるので、インサートした成形品を製造する前の薄板状部材表面に接着剤を塗布して、基体樹脂組成物との接着性を高める工夫も必要である。また、薄板状部材をキャビティ内にインサートする前に、加熱処理する方法を採ることもできる。
耐高電圧効果を発揮する成形品は、耐高電圧部品に装備される自動車などの原動機における放電部品や、照明関連などに用いられる変圧部品が挙げられる。耐高電圧部品の具体例としては、自動車のイグニッション、ディストリビューター部品などのエンジン点火系部品、ディスチャージランプなどの照明部品が挙げられ、偶発的に高電圧が印加される可能性のある部品としては、電気ブレーカーや漏電遮断器などの漏電保護部品、コンセントやプラグ、ターミナルなどの配線部品、100Vの電圧を高電圧、または低電圧に変換する変圧器部品、更に磁場を発生させるためのコイルボビンなどが挙げられる
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明は以下に記載した例に限定されるものではない。なお、以下に、ポリエステル樹脂の分析法{末端カルボキシル基、固有粘度、金属の残存(含有)量など、使用した(B)成分、(C)成分、(D)成分などの特性などを記載した。
[ポリエステル樹脂の分析法]
(1)固有粘度(IV):ウベローデ型粘度計を使用し、次の要領で算出した。すなわち、フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を使用し、30℃の温度で、濃度1.0g/dLのポリマー溶液および溶媒のみの落下秒数を測定し、次式、すなわち、IV={(1+4Kηsp0.5−1}/(2KC)、から算出した。この式において、ηsp=(η/η)−1であり、ηはポリマー溶液落下秒数、ηは溶媒の落下秒数、Cはポリマー溶液濃度(g/dL)、Kはハギンズの定数であり、0.33とした。
(2)末端カルボキシル基濃度(μeq/g):ベンジルアルコール25mlにPBT樹脂、またはオリゴマー0.5gを溶解し、水酸化ナトリウムの0.01モル/Lベンジルアルコール溶液を使用し、滴定する方法によって測定した。
(3)樹脂中のチタン、および周期表第1族、周期表第2族金属濃度:樹脂を、電子工業用高純度硫酸および硝酸で湿式分解し、高分解能ICP−MS(Inductively Coupled Plasma−Mass Spectrometer)(サーモクエスト社製)を使用して測定した。
[強化樹脂組成物の構成成分]
(A−1)PBT樹脂:ポリブチレンテレフタレート樹脂であって、固有粘度が0.85、末端カルボキシル基濃度8eq/Ton、Ti原子濃度30ppm、Mg原子濃度15ppmのものである。
(B−1)変性水素化ブロック共重合体は、次の手順で調製した。
未変性水素化ブロック共重合体(水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体、クラレ社製、商品名:セプトン4055)10kg、無水マレイン酸(三菱化学社製)100g、および、ラジカル発生剤としての1,3−ビス(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(化薬アクゾ社製、商品名:パーカドックス14、10時間での半減期温度121℃)3gをそれぞれ秤量し、ヘンシェルミキサーによって均一に混合した。得られた混合物を、二軸押出機(日本製鋼所社製、型式:TEX−30C、スクリュウ径30mm、L/D=30)を使用し、シリンダー温度230℃、スクリュー回転数300rpmとして、溶融・混練して反応させた後、ペレット化して、変性水素化ブロック共重合体を得た。このようにして得られた変性水素化ブロック共重合体を加熱減圧乾燥した後、ナトリウムメチラートによる滴定で無水マレイン酸の付加量を測定したところ、0.5重量%であった。
(B−2)未変性水素化ブロック共重合体:水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体(クラレ社製、商品名:セプトン4055)である。
(B−3)コアシェル型化合物:アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル共重合体(呉羽化学工業社製、商品名:パラロイドEXL2315)である。
(B−4)EEAグラフト共重合体:エチレン−アクリル酸エチル共重合体70重量部と、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチル共重合体30重量部とのグラフト共重合体(日本油脂社製、商品名:モディパーA5300)である。
(C−1)長円形断面ガラス繊維:異形断面のガラス繊維(日東紡社製、商品名:CSG3PA830)であって、扁平率4、後記する方法で調製したペレットに含まれているガラス繊維のアスペクト比が16のもの。
(C−2)繭形断面ガラス繊維:異形断面のガラス繊維(日東紡社製、商品名:CSH3PA860)であって、扁平率2、後記する方法で調製したペレットに含まれているガラス繊維のアスペクト比が14のもの。
(C−3)円形断面ガラス繊維:円形断面のガラス繊維(日本電気硝子社製、商品名:ECT03T187)であって、扁平率1、後記する方法で調製したペレットに含まれているガラス繊維のアスペクト比が18のもの。
(D−1)ノボラック型エポキシ:エポキシ当量が195〜220g/eqのノボラック型エポキシ化合物(東都化成社製、商品名:エポトートYDCN−704)である。
(D−2)B−A型エポキシ:エポキシ当量が185g/eqのビスフェノールA型エポキシ化合物(旭電化社製、商品名:アデカサイザーEP17)である。
[実施例1〜実施例10、比較例1〜比較例10]
上記の(A)成分のポリエステル樹脂、(B)成分の未変性水素化ブロック共重合体、および/または、変性水素化ブロック共重合体、(C)成分の繊維状強化材、および(D)成分のエポキシ化合物を、表−1〜表−3に示す割合(重量部)で秤量し、ヘンシェルミキサーで10分間混合し、得られた混合物を、バレル(シリンダー)温度を260℃に設定した二軸押出機(日本製鋼所社製、型式:TEX−30C、バレルは9ブロックで構成されている)によって、溶融・混練してペレット化した。溶融・混練に際して、繊維状強化材は、押出機ホッパー側から5番目のブロックからサイドフィード方式で供給した。このペレット状の強化樹脂組成物を原料として、射出成形機(住友重機械社製、型式:SG−75MIII)を使用し、シリンダー温度250℃、金型温度80℃の条件下で、機械的強度測定用のISOに準拠した試験片を成形し、機械的強度の測定を行った。また、成形品の強度、表面外観および耐候性の評価試験を下記に示す方法に従って行い、評価結果を表−1〜表−3に示した。
(a)耐ヒートショック性(サイクル)試験:縦型射出成形機(日精社製、型式:TH60−R5VSE)を使用し、シリンダー温度250℃、金型温度80℃で、図1に斜視図として示した、大きさが16mm×33mm×3mmの直方体形状の鉄(SUS)製のインサート部材を、図2に縦断面図として示すように、射出成形の金型キャビティ内に支持ピン2によって支持・固定し、インサート成形法により、図3に斜視図として示した、大きさが18mm×35mm×5mmインサート成形品を作製した。このインサート成形品のインサート部材上下両面の樹脂部の肉厚は1mmである。インサート成形品には、インサート部材を支持した支持ピン跡に2つのウエルドラインが発生した。このインサート成形品について、耐ヒートショック性試験機(エスペック社製、型式:TSA−100S)によって試験を行った。耐ヒートショック性試験の条件は、−40℃の低温で60分放置し、150℃の高温で60分放置し、両温度の移行時間1分以内として繰り返し、低温放置と高温放置との各1回ずつを1サイクルとした。成形品のウエルドライン部分に発生した割れを目視観察し、各例の試料につき5個の成形品について試験を実施し、5個の成形品に生じた割れの合計が計10ヶ所となったサイクル数の平均値で表示した。この数値が大きいほど、耐ヒートショック性に優れていることを意味する。
(b)引張強度(MPa)、引張伸度(%):ISO527に準拠して測定した。(c)曲げ強度(MPa)、曲げ弾性率(MPa):ISO178に準拠して測定した。
(d)シャルピー衝撃強度(kJ/m):ISO179に準拠して測定した、ノッチ付きシャルピー衝撃強度である。
(e)絶縁破壊電圧(kV):射出成形機(住友重機工業社製、型式:SH100−NIV)を使用し、シリンダー温度260℃、金型温度80℃で、大きさが100mm×100mm、厚さtが1mmおよび2mmの成形品を作製した。この成形品について、ヤマヨ試験器社製絶縁破壊試験装置YST−243−100RHOにて、23℃油中、短時間法(2kV/sec)、電極は直径が6mmの円柱と、直径が25mm円柱の組合せで絶縁破壊電圧を測定した。また、厚さtが1mmの成形品については、上記の耐ヒートショック性(サイクル)試験を行った後、再度、絶縁破壊電圧を測定した。この値が大きいほど、耐高電圧性に優れていることを意味する。
Figure 2008214614
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表−1〜表−3の結果より、次のことが明らかとなる。
1.本発明に係る強化樹脂組成物である実施例1〜実施例8の製品は、いずれも耐ヒートショック性試験によるクラックの発生は300サイクル以上で優れており、絶縁破壊電圧値は35kV以上、ヒートショック処理後も30kV以上で、いずれも優れており、また機械的特性も優れている。
2.実施例の中では、繊維状強化材の扁平率が4の異形断面ガラス繊維(C−1)を使用した実施例2は、扁平率2の異形断面ガラス繊維(C−2)を使用した実施例3のものより、耐ヒートショック性、絶縁破壊電圧、機械的特性が若干すぐれている。
3.ノボラック型エポキシを配合した実施例2は、ビスフェノールA型エポキシを配合した実施例7、およびエポキシ化合物を配合しなかった実施例8のものより、耐ヒートショック性、絶縁破壊電圧、機械的特性が若干優れている。
4.変性水素化ブロック共重合体を配合した実施例2および実施例9は、未変性水素化ブロック共重合体のみを配合した実施例10より、耐ヒートショック性、絶縁破壊電圧、機械的特性も若干優れている。
5.本発明で必須としていない繊維状強化材が配合された比較例2、比較例6、比較例7および比較例10は、耐ヒートショック性が200サイクル未満で実施例のものより劣り、また機械的特性も劣る。
6.本発明で必須としている変性水素化ブロック共重合体および/または未変性水素化ブロック共重合体が配合されていない比較例1、比較例3、比較例4、比較例8および比較例10もまた、耐ヒートショック性が200サイクル未満で実施例のものより劣り、絶縁破壊電圧値は厚さが1mmの試験片で30kV未満、ヒートショック処理後も25kV未満で実施例のものより劣っている。また機械的特性も劣る。
7.未変性水素化ブロック共重合体および/または変性水素化ブロック共重合体の配合量が、本発明で必須としている範囲を超えている比較例5は、成形品の剛性(引張強度、曲げ強度)に劣り、耐ヒートショック性も300サイクルに達しない。
本発明に係る強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物からなる成形品、特に金属製薄板、無機固体などの部材をインサートしたインサート成形品は、耐ヒートショック性に優れた特性を発揮する。またそれらの成形品は高い耐電圧性を長期に渡って保持し、特に高電圧部品に適している。このため、成形品の破損などの懸念が著しく改善され、信頼性が高く商品価値の高い製品が得られる。製品としては、自動車電装イグニッションコイル、または小型モータのステータコア封止、ランプの昇圧・放電部品などの自動車分野をはじめとして、電機・電子機器分野、機械分野など多くの分野において幅広く使用することができる。
インサート部材の斜視図 インサート部材を射出成形金型キャビティ内に支持・固定した状態の縦断面図 インサート部材をインサートした成形品の斜視図
符号の説明
1.インサート部材
2.支持ピン
3.金型キャビティ
4.支持ピン跡
5.ウエルドライン

Claims (10)

  1. (A)成分:熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部、(B)成分:ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物、および/または、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物の変性物1〜30重量部、(C)成分:繊維状強化材であって、繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD2とするとき、D2/D1比(扁平率)が1.5〜10であり、かつ、繊維状強化材の平均繊維長Lとするとき、(L×2)/(D2+D1)比(アスペクト比)が10以上である異形断面形状を有する繊維状強化材10〜200重量部、および、(D)成分:エポキシ化合物0〜3重量
    部を含むことを特徴とする、強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  2. (A)成分の熱可塑性ポリエステル樹脂が、末端カルボキシル基濃度が5〜80eq/トン以下のポリブチレンテレフタレート樹脂である、請求項1に記載の強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  3. (A)成分の熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリブチレンテレフタレート樹脂であり、樹脂中にチタン化合物を含有し、その含有量がチタン原子換算で10〜80ppmの範囲である、請求項または請求項2に記載の強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  4. (A)成分の熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリブチレンテレフタレート樹脂であり、樹脂中に周期表1族金属化合物および/または周期表2族金属化合物とを含有し、その含有量が各金属原子換算で1〜50ppmの範囲である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  5. (B)成分における、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物と、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物の変性物との比率が、重量比で0対100〜90対10である、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  6. (B)成分におけるビニル芳香族化合物がスチレンであり、共役ジエン系化合物がイソプレンおよび/またはブタジエンである、請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  7. (C)成分の繊維状強化材が、扁平率2.5〜6であり、その断面形状が長方形またはその類似形状である長円形である、請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  8. (D)成分のエポキシ化合物が、エポキシ当量100〜500g/eq当量であるノボラック型エポキシ化合物である、請求項1または請求項7のいずれか一項に記載の強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  9. (A)成分:熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部、(B)成分:ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物、および/または、ビニル芳香族化合物重合体ブロックと共役ジエン系化合物重合体ブロックとのブロック共重合体の水素添加物の変性物1〜30重量部、(C)成分:繊維状強化材であって、繊維の長さ方向に直角な断面の長径をD2、短径をD2とするとき、D2/D1比(扁平率)が1.5〜10であり、かつ、繊維状強化材の平均繊維長Lとするとき、(L×2)/(D2+D1比(アスペクト比)が10以上である異形断面形状を有する繊維状強化材10〜200重量部、および、(D)成分:エポキシ化合物0〜3重量部、を含む強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を原料として、金属・無機固体または熱硬化性樹脂固体をインサートして製造されたものであることを特徴とするインサート成形品。
  10. インサート成形品が、自動車部品である、請求項9に記載のインサート成形品。



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