JP2008214345A - 光学活性化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ピルビン酸とインドール−3−ピルビン酸との交差アルドール反応において4位鏡像体を選択的に製造する方法を提供すること。
【解決手段】ピルビン酸とインドール−3−ピルビン酸との交差アルドール反応をする際に、2級アミン含有光学活性α−アミノ酸と金属イオンを共存させる。
【選択図】なし

Description

本発明は光学活性化合物の製造方法に関する。
下記構造式(7)で示される3−(1−アミノ−1,3−ジカルボキシ−3−ヒドロキシ−ブタン−4−イル)−インドール(以下、「モナティン」と称する。)については、植物シュレロチトン イリシホリアス(Schlerochiton ilicifolius)の根に含有し、ショ糖の数百倍の甘味を有していることから、低カロリー甘味料として期待される化合物である(特開昭64−25757号公報参照。)。
Figure 2008214345
尚、本件明細書中、「モナティン」との用語は、(2S、4S)体に限定することなく、4種の立体異性の総称として使用する。従って、「モナティン」と称する場合、特定の異性体に限定して使用した場合を除いて、(2S、4S)体、(2S、4R)体、(2R、4S)体及び(2R、4R)体モナティンの少なくとも1種を意味する。
モナティンの合成法は、過去に9例の報告が為されている。
(1)オーガニック レターズ(Organic Letters)2000年2巻19号2967〜2970頁記載の方法。[非特許文献1]
(2)米国特許第5994559号記載の方法。[特許文献1]
(3)シンセティック コミュニケーション(Synthetic Communication)1994年24巻22号3197〜3211頁記載の方法。[非特許文献2]
(4)シンセティック コミュニケーション(Synthetic Communication)1993年23巻18号2511〜2526頁記載の方法。[非特許文献3]
(5)テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)2001年42巻39号6793〜6796頁記載の方法。[非特許文献4]
(6)特開2002−060382号公報記載の方法。[特許文献2]
(7)特開2004−331650号公報記載の方法。[特許文献3]
(8)WO2004/067494記載の手法。[特許文献4]
(9)WO2003/059865記載の方法。[特許文献5]
特にWO2003/059865記載の手法は、光学活性モナティンをピルビン酸及びインドール−3−ピルビン酸より短工程で製造できるため、工業的に非常に優れた方法である[特許文献5]。
しかし、製造中間体である4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸が4位ラセミ体として得られるために当該中間体を光学分割しなければならず、結果として不要な4位鏡像体をリサイクルする必要があった。そのため、更なる改善が求められていた。
改善例として、酵素(アルドラーゼ)を利用した不斉交差アルドール反応が報告されている。例えばWO2003/056026記載の方法である。これらの酵素的手法によれば、ピルビン酸とインドール−3−ピルビン酸より低収率ながら4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸を高い光学純度で合成できる[特許文献6]。
現在までに、α−ケト酸エステルをドナー及びアクセプターとして用いた不斉交差アルドール反応において、鏡像体選択性の発現に成功した例が3例報告されている。即ち、下記文献記載の手法である。
(1)オーガニック アンド バイオモレキュラーケミストリー(Organic&Biomolecular Chemistry)2004年2巻1077〜1085頁記載の手法。[非特許文献5]
(2)ケミカル コミュニケーションズ(Chemical Communications)2000年2211〜2212頁記載の手法。[非特許文献6]
(3)オーガニック レターズ(Organic Letters)2005年7巻21号4657〜4660頁記載の手法。[非特許文献7]
しかしながら、上記記載文献(1)〜(3)の公知文献は何れもα−ケト酸エステルをドナーとして用いたものであり、フリーのα−ケト酸であるピルビン酸をドナーとするモナティンの製造には応用出来ない。特に、文献(2)及び(3)記載の手法は、ピルビン酸エチルの2量化のみ言及されており、モナティンの製造における異なるピルビン酸をドナー及びアクセプターとして用いる不斉交差アルドール反応について何ら触れられていない。文献(1)には、異なるピルビン酸エステルを用いた不斉交差アルドール反応が記載されている。しかし、トリフルオロピルビン酸エチルという活性水素が存在しないα−ケト酸エステルをアクセプターとして用いているため、活性水素を有するインドール−3−ピルビン酸をアクセプターとして用いるモナティンの製造には応用できない。
このように、モナティン製造に必要とされるピルビン酸及びインドール−3−ピルビン酸をそれぞれドナー及びアクセプターとして識別可能な不斉触媒に関しては全く報告が無く、現在の技術水準からしても困難であった。これは、何れの原料もカルボニルのα位に活性水素を有するため、何れもドナー乃至はアクセプターとして働きうるために反応位置の制御が難しいためである。この困難性は当業者間で容易に理解される事項である。
ピルビン酸とインドール−3−ピルビン酸との交差アルドール反応において4位鏡像体を選択的に製造する方法が切に求められていた。
米国特許第5994559号 特開2002−060382号公報 特開2004−331650号公報 WO2004/067494 WO2003/059865 WO2003/056026 オーガニック レターズ(Organic Letters)2000年2巻19号2967〜2970頁 シンセティック コミュニケーション(Synthetic Communication)1994年24巻22号3197〜3211頁 シンセティック コミュニケーション(Synthetic Communication)1993年23巻18号2511〜2526頁 テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters)2001年42巻39号6793〜6796頁 オーガニック アンド バイオモレキュラーケミストリー(Organic&Biomolecular Chemistry)2004年2巻1077〜1085頁 ケミカル コミュニケーションズ(Chemical Communications)2000年2211〜2212頁 オーガニック レターズ(Organic Letters)2005年7巻21号4657〜4660頁
本発明が解決しようとする課題はピルビン酸とインドール−3−ピルビン酸との交差アルドール反応において4位鏡像体を選択的に製造する方法を提供することにある。
本発明者等はピルビン酸とインドール−3−ピルビン酸との交差アルドール反応を行う際、2級アミン含有光学活性α−アミノ酸と金属イオンを共存させることにより上記課題が解決することを見出し、発明を完成させた。
即ち、本発明は下記態様を含む。
〔1〕下記式(1)で表されるピルビン酸と下記式(2)で表されるインドール−3−ピルビン酸とを、2級アミン含有光学活性α−アミノ酸、および金属イオンの共存下にて反応させる工程を含有することを特徴とする、下記一般式(3)で表される光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法。
Figure 2008214345
Figure 2008214345
Figure 2008214345
(但し、式(3)中における*は不斉炭素を示す。)
〔2〕〔1〕記載の製造方法で得られた光学活性化合物、に更に下記一般式(4)で示されるアミン誘導体またはその塩を作用させる工程を含有することを特徴とする、下記一般式(5)で表される光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法。
Figure 2008214345
Figure 2008214345
(但し、式(5)中における*は不斉炭素を示し、Rは水素原子若しくはメチル基を示す。)
〔3〕2級アミン含有光学活性α−アミノ酸が、ヒドロキシプロリン、およびプロリンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、〔1〕記載の光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法。
〔4〕2級アミン含有光学活性α−アミノ酸が、下記一般式(6)で表されることを特徴とする、〔1〕記載の光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法。
Figure 2008214345
(但し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数7〜10のアラルキル基を示し、当該アルキル基乃至はアラルキル基は少なくとも1つの水酸基又はアミノ基で置換されていても良い。)
〔5〕金属イオンが、マグネシウム(II)イオン、亜鉛(II)イオン、コバルト(II)乃至は(III)イオン、ニッケル(II)イオンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、〔1〕記載の光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法。
〔6〕反応中、反応溶液のpHが7〜12であることを特徴とする、〔1〕記載の光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法。
〔7〕〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法を含有するモナティンまたはその塩の製造方法。
〔8〕〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法で得られた光学活性化合物に対して、更にトランスアミナーゼとアミノ供与体とを作用させる工程を含有することを特徴とする、モナティンまたはその塩の製造方法。
本発明は、効率的な不斉交差アルドール反応の新手法を提供するものである。甘味料として知られる光学活性モナティン他、光学活性化合物の調製に応用が可能である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明によれば、下記式(1)で表されるピルビン酸(塩の形態を含む)と下記式(2)で表されるインドール−3−ピルビン酸(塩の形態を含む)を、2級アミン含有光学活性α−アミノ酸及び金属イオン共存下にて反応させることで、下記式(3)で表される4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸の4位に不斉が誘起される。
Figure 2008214345
Figure 2008214345
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(但し、式(3)中における*は4位不斉炭素を示す。)
本発明の反応に用いられる2級アミン含有光学活性α−アミノ酸としては、カルボン酸と2級アミノ基を有している、光学活性のαアミノ酸であれば良い。鎖状でも環状でも、塩の状態でもフリーの状態でも、また、光学活性としては、L体でもD体でも、場合によってはL体あるいはD体が過剰なものを用いても構わない。具体的には、N−モノアルキルアラニン、N−モノアルキルセリン、N−モノアルキルグルタミン酸、N−モノアルキルアスパラギン酸、N−モノアルキルスレオニン、N―モノアルキルリジン、N、S−ジアルキルシステイン(環状化合物を含む)等で代表されるN−モノアルキルアミノ酸(アルキル基は炭素数1〜3)又は、プロリン、ヒドロキシプロリン、ピペコリン酸等が挙げられ、入手容易ながら、鏡像体選択性が高いという観点で、下記一般式(6)の構造が好ましく、2級アミノ基含有環状光学活性α−アミノ酸がより好ましく、プロリン又はヒドロキシプロリンが更に好ましい。
Figure 2008214345
(但し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数7〜10のアラルキル基を示し、当該アルキル基乃至はアラルキル基は少なくとも1つの水酸基又はアミノ基で置換されていても良い。)
本発明の反応に用いられる金属イオンとしては、2級アミン含有光学活性α−アミノ酸と良好な錯体を形成し、且つ当該錯体が反応液に溶解する限りにおいて特に制限は無い。具体的には、マグネシウム(II)イオン、アルミニウム(III)イオン、ホウ素イオン、亜鉛(II)イオン、銅(I)または(II)イオン、ニッケル(II)イオン、コバルト(II)または(III)イオン、鉄(II)または(III)イオン、マンガン(II)または(III)イオン、パラジウム(I)または(II)イオン、プラチナ(IV)イオン等が挙げられ、入手容易で期待され不斉誘起効果が高いという観点からアルミニウム(III)イオン、ホウ素イオン、マグネシウム(II)イオン、亜鉛(II)イオン、コバルト(II)または(III)イオン、ニッケル(II)イオン、パラジウム(I)または(II)イオン、プラチナ(IV)イオンが好ましく、マグネシウム(II)イオン、亜鉛(II)イオン、コバルト(II)または(III)イオン、ニッケル(II)イオン、プラチナ(IV)イオン、パラジウム(I)または(II)イオンがより好ましく、マグネシウム(II)イオン、亜鉛(II)イオン、ニッケル(II)イオン、コバルト(II)または(III)イオン、が更に好ましく、亜鉛(II)イオン、ニッケル(II)イオンが特に好ましい。
本発明の反応に用いられる金属イオンに対する2級アミン含有光学活性α−アミノ酸のモル比については、反応が進行しさえすれば特に制限はないが、大きすぎると収率が低下し、また比が小さすぎると鏡像体選択性が低下するので、好ましくは1−10倍モルであり更に好ましくは2−8倍モルである。
インドール−3−ピルビン酸に対するピルビン酸の使用量は反応が進行しさえすれば特に制限は無いが、反応が良好な収率で完結しうるという観点で、好ましくは0.5〜10倍モルであり、更に好ましくは1〜5倍モルである。
インドール−3−ピルビン酸に対する2級アミン含有光学活性α−アミノ酸のモル比について反応が進行しさえすれば特に制限はないが、大きすぎると経済上好ましくなく、また小さすぎると収率および鏡像体選択性が低下するので、好ましくは0.01〜2倍モルであり、更に好ましくは0.05〜0.5倍モルである。
反応溶剤は反応が進行しさえすれば特に制限はないが、好ましくは、水、メタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒又はそれらの混合物を挙げることができる。
反応溶媒中のインドール−3−ピルビン酸の濃度は、反応が進行しさえすれば特に制限はないが、余りにも高濃度であると操作性が悪化し、また低濃度であると経済上好ましくないので、好ましくは0.01〜2.0mol/Lであり、更に好ましくは0.05〜1.5mol/Lである。
特に、溶剤として水または含水有機溶剤を用いた場合の溶液のpHは、反応が進行しさえすれば特に制限はないが、余りに高いとアルドール反応が自発的に進行し、また低すぎると生成物の分解反応が進行することから、好ましくは5〜13であり更に好ましくは7〜12である。
使用する塩基は反応が進行しさえすれば制限は無いが、無機塩基乃至は有機アミン化合物が好適に用いられる。経済上の理由から、更に好ましくは水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、トリエチルアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、アンモニア等である。
反応温度としては、反応が進行しさえすれば特に限定されるものではないが、好ましくは−40℃〜100℃、より好ましくは−20〜50℃を採用することができる。
本発明の形態の1つとして、本発明により得られるアルドール反応液は4位に不斉の誘起された4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸を含有する。公知文献WO2003/059865記載の〔実施例2〕によれば、当該化合物はそのままの形で単離精製することも可能である。その場合、反応で使用された塩基の種類または処理・精製工程で使用する塩基の種類によって各種塩の形態をとりうる。例えば、アンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等が経済的見地から好ましいが、これらに本発明は限定されない。
本発明の形態の一つとして、本発明により得られる4位に不斉の誘起された4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸を含むアルドール反応液に対し、トランスアミナーゼと適当なアミノ供与体(L―またはD−アラニン、トリプトファン等)を作用させることで、直接モナティンへと酵素的に変換することも可能である。この際、酵素は本発明の交差アルドール反応の初期段階で加えてもよく、このような実施形態も当然本発明に含まれる。
上記トランスアミナーゼとしては、アミノ供与体のアミノ基を4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸に転移することができるものであれば特に限定されない。前述のトランスアミナーゼは、当該酵素を生産する微生物を培養することによっても調製することができる。このような微生物としては、例えばバチルス(Bacillus)属、パエニバチルス(Paenibacillus)属に属する微生物を挙げることができる。
これらの微生物として、具体的には、次のものが例として挙げられる。D−アミノ酸トランスアミナーゼ生産菌としては下記の例を挙げることができる。
・バチルス スフェリカス Bacillus sphaericus ATCC10208
・バチルス プルビファシエンス Bacillus pulvifaciens AJ1327
・パエニバチルス ラバエ サブスピシーズ プルビファシエンス Paenibacillus larvae subsp. pulvifaciens ATCC 13537
・バチルス マセランス Bacillus macerans AJ1617
・パエニバチルス マセランス Paenibacillus macerans ATCC 8244
・バチルス レンタス Bacillus lentus AJ12699
・バチルス レンタス Bacillus lentus ATCC 10840
この中で、本発明において用いることの出来るトランスアミナーゼの1例として、バチルス・マセランス由来のD−アミノトランスフェラーゼ(配列番号2)を挙げることができる。なお、上記バチルス・マセランス由来のD−アミノトランスフェラーゼおよびその変異体酵素については、本願出願人による国際出願WO2004/053125号公報に詳細に記載されており、その内容は引用により本願に組み込まれるものとする。簡単に説明すると、配列番号2に示したアミノ酸配列を有するタンパク質は、バチルス マセランス(Bacillus macerans)AJ1617由来のD−アミノトランスフェラーゼ活性を有するタンパク質のアミノ酸配列である。バチルス マセランス AJ1617については、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566))に、平成13年12月13日付けで寄託されており、その受託番号はFERM BP−8243である(尚、本菌株は、平成13年12月13日に寄託されたFERM P−18653より平成14年11月22日に国際寄託へ移管された)。配列番号2に記載のアミノ酸配列において、182番目のアラニンがセリンへ、かつ243番目のセリンがアスパラギンへ置換された変異体酵素(S243N/A182S)は、基質である4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸の4位R体に対する立体選択性が高いためさらに好ましい。
本発明に用いられるアミノ供与体としては、トランスアミナーゼによるアミノ交換反応においてアミノ基を供与しうる能力を有するアミノ基含有化合物でありさえすれば、特に制限はなく、微生物または単離された酵素毎に簡単な予備試験により判定されうる。この場合、アミノ酸が使用されることが多い。アミノ酸は、天然由来、非天然由来のいずれでも使用することができ、α−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸のいずれでも使用することができる。また、L−アミノ酸、D−アミノ酸、DL−アミノ酸のいずれでも使用することができる。具体的には、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、トリプトファン、フェニルアラニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、バリン、アルギニン、アスパラギン、グルタミン、メチオニン、オルニチン、セリン、システイン、ヒスチジン、リジン等のα−アミノ酸が好ましく、甘味倍率の高い(2R,4R)−モナティンを製造しうるという観点で、D−アミノ酸がより好ましい。これらは1種または2種以上を混合使用しても構わない。
また、アミノ供与体としてのD−アミノ酸は、対応するL−アミノ酸及び/又はDL−アミノ酸と対応するラセミ化酵素とを併用することにより代用することが可能である。この目的に使用されるラセミ化酵素としては、アラニンラセマーゼ、グルタミン酸ラセマーゼ、アスパラギン酸ラセマーゼ、フェニルアラニンラセマーゼ等のラセマーゼを使用することができる。具体的には、L−アラニン、L−グルタミン酸、L−フェニルアラニン、L−アスパラギン酸、或いは前記L−アミノ酸のラセミ混合物をモナティンの生成中に反応溶液に添加することができる。
アミノ化の後にアルドール反応の原料であるピルビン酸及びインドール−3−ピルビン酸が再生されるという観点で、アラニン、トリプトファンが好ましく、アラニンがより好ましい。甘味倍率の高い(2R,4R)−モナティンを製造しうるという観点で、D−アラニン、D−トリプトファンが好ましく、D−アラニンが更に好ましく、高価なD体を使用しないで安価原料からin−situにアミノ供与体を供給できるという観点で、L−アラニン及び/又はDL−アラニンとアラニンラセマーゼの併用が特に好ましい。
本発明の一つの好ましい様態において、前記トランスアミナーゼをコードする遺伝子を微生物細胞中に組み込むこともできる。尚、組み換えDNA技術を利用して酵素、生理活性物質等の有用タンパク質を製造する例は数多く知られており、組み換えDNA技術を用いることで、天然に微量に存在する有用タンパク質を大量生産できる。組み込まれる遺伝子としては、L−アミノ酸トランスアミナーゼ遺伝子やD−アミノ酸トランスアミナーゼ遺伝子が挙げられる。一例を挙げると、Bacillus sphaericusやBacillus maceransからのD−アミノ酸トランスアミナーゼ遺伝子が微生物に導入され得る。
Bacillus sphaericus由来D−アミノ酸トランスアミナーゼ遺伝子については、欧州特許出願公開0736604、及び、Taylor et al.、ジャーナル オブ バクテリオロジー(Journal of Bacteriol.)、1998年、180巻、16号、4319頁に報告がある。また、Bacillus macerans由来D−アミノ酸トランスアミナーゼ遺伝子としては、配列表配列番号1に記載の塩基配列からなるDNAを用いることができる。配列表配列番号1に記載のD−アミノ酸トランスアミナーゼ遺伝子DNAを用いた場合、配列表配列番号2に記載のD−アミノ酸トランスアミナーゼが得られる。D−アミノ酸トランスアミナーゼ遺伝子の由来はこれに限定されるものではなく、目的とするD−グルタミン酸誘導体を生成するようなD−アミノ酸トランスアミナーゼをコードする遺伝子であればよい。
組み換えDNA技術を用いてタンパク質を大量生産する場合、形質転換される宿主細胞としては、細菌細胞、放線菌細胞、酵母細胞、カビ細胞、植物細胞、動物細胞等を用いることができる。このうち、組換えDNA操作について知見のある微生物としてはBacillus、Pseudonomas、Brevibacterium、Corynebacterium、Streptomyces、及びEscherichia coli等が挙げられる。一般には、大腸菌を用いてタンパク質を大量生産する技術について数多くの知見があるため、大腸菌、好ましくはEshelichia coliが用いられる。
これら微生物へは、目的とするトランスアミナーゼ遺伝子を塔載したプラスミド、ファージ等のベクターを用いて導入してもよいし、相同組換えによって該細胞の染色体上に目的遺伝子を組み込んでもよい。好ましくは、いわゆるマルチコピー型のプラスミドベクターが挙げられ、例えばEscherichia coliへのベクターとしてはCol E1由来の複製開始点を有するプラスミド、例えばpUC系のプラスミドやpBR322系のプラスミド、或いはその誘導体が挙げられる。これらベクターには目的とするトランスアミナーゼ遺伝子を発現させるプロモーターとして、通常大腸菌においてタンパク質生産に用いられるプロモーターを使用することができ、例えば、T7プロモーター、trpプロモーター、lacプロモーター、tacプロモーター、PLプロモーター等の強力なプロモーターが挙げられる。また、生産量を増大させるためには、タンパク質遺伝子の下流に転写終結配列であるターミネーターを連結することが好ましい。このターミネーターとしては、T7ターミネーター、fdファージターミネーター、T4ターミネーター、テトラサイクリン耐性遺伝子のターミネーター、大腸菌trpA遺伝子のターミネーター等が挙げられる。また、形質転換体を選別するために、該ベクターはアンピシリン耐性遺伝子等のマーカーを有することが好ましく、このようなプラスミドとして、例えば、pUC系(宝酒造(株)製)、pPROK系(クローンテック製)、pKK233−2(クローンテック製)等のように強力なプロモーターを持つ発現ベクターが市販されている。
アミノ化反応に使用する酵素を産生する微生物の培養方法としては、通常この分野において用いられる培地、即ち炭素源、窒素源、無機塩類、微量金属塩類、ビタミン類等を含む培地を用いて行うことができる。また、微生物の種類或いは培養条件によっては、培地中に0.1〜1.0g/dl程度のアミノ酸等のアミノ化合物を添加することによって、アミノ基転移反応活性を促進することもできる。
遺伝子組換え細胞を培養する場合は、ベクターの選択マーカーに対応してアンピシリン、カナマイシン、ネオマイシン、クロラムフェニコール等の薬剤を適宜添加することもできる。また、ベクターに塔載されているプロモーターに合わせて、誘導剤を適量添加することによって該組換え遺伝子の発現量を上げることもできる。一例を挙げると、lacプロモーターの下流に目的とする遺伝子を連結してベクターを構築した場合は、イソプロピル1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド(IPTG)を終濃度0.1mM〜5mMの範囲で適宜添加することも可能であり、また、この代りとしてガラクトースを終濃度0.1〜5g/dl望ましくは0.5g/dl〜2g/dl適宜添加することもできる。
上記培地成分として用いる具体的物質として、例えば、炭素源としては、利用する微生物が利用可能であれば制限は無く、例えばグルコース、シュークロース、フルクトース、グリセロール、酢酸等、又はこれらの混合物を使用することができる。窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、尿素、酵母エキス、肉エキス、コーンスティープリカー、カゼイン加水分解物等、或いはこれらの混合物を使用することができる。具体的な培地組成として、例えばフマル酸 0.5g/dl、酵母エキス 1g/dl、ペプトン 1g/dl、硫安 0.3g/dl、KHPO 0.3g/dl、KHPO 0.1g/dl、FeSO・7HO 1mg/dl、及びMnSO・4HO 1mg/dl(pH7.0)を含む培地等が挙げられる。
培養温度は、通常、利用する微生物が生育する範囲内、即ち10〜45℃で行われるが、好ましくは20℃〜40℃、更に好ましくは25〜37℃の範囲である。また、培地のpH値については、好ましくは2〜12、より好ましくは3〜10、更に好ましくは4〜8の範囲で調節される。通気条件については、利用する微生物の生育に適した条件に設定されるが、好気条件が好ましい。培養時間については、通常12〜120時間、好ましくは24〜96時間程度である。
アミノ化反応において、「酵素の存在下で」とは本発明におけるケト酸誘導体をグルタミン酸誘導体に変換できる限りはいかなる形態で酵素を反応系に存在させてもよく、例えば、酵素を単体で反応系に添加してもよいし、当該酵素活性を有する微生物(酵素産生菌、組み換えDNAによって形質転換された細胞)、該微生物の培養物(液体培養、固体培養等)、培地(培養物から菌体を除去したもの)、該培養物の処理物を反応系に添加してもよい。微生物の培養物を用いる場合は、微生物を培養させながら同時にアミノ化反応を進行させてもよいし、予め酵素を得るために培養された培養物を用いてアミノ化反応を行っても良い。また、ここでの「処理」とは、菌体内の酵素を取り出すことを目的として行う処理を意味し、例えば超音波、ガラスビーズ、フレンチプレス、凍結乾燥処理や溶菌酵素、有機溶剤、界面活性剤等による処理等が挙げられる。また、これ等の処理を行った処理物を、定法(液体クロマトグラフィーや硫安分画等)によって調製した粗分画酵素や精製酵素であって、必要とする能力を有するものであれば、これを用いてもよい。
更に、上記培養物或いはその処理物の利用の際、これ等をカラギーナンゲルやポリアクリルアミドに包括、或いはポリエーテルスルホンや再生セルロース等の膜に固定化して使用することも可能である。
反応系に、反応促進物質として、補酵素、界面活性剤、有機溶剤等を含有させてもよい。例えば、基質となる置換α−ケト酸の菌体内への透過性を高めるために、トライトン X(Triton X)やトゥイーン(Tween)等の界面活性剤やトルエン、キシレン等の有機溶媒を利用することもできる。また、ピリドキサール−5−リン酸等の補酵素類を上記培地に添加してもよい。
また、酵素を生産させるための培養とアミノ化反応を分割して順次行わせる場合は、後者のアミノ化反応の工程では必ずしも好気的雰囲気下で反応を行う必要はなく、むしろ嫌気的雰囲気下で、更には窒素ガス置換、アルゴンガス置換、亜硫酸ソーダ添加等によって反応液中の溶存酸素を除いた系で反応を行わせることも可能である。反応温度については、通常、利用する酵素が活性を有する範囲内、即ち好ましくは10〜50℃で行われるが、より好ましくは20〜40℃、更に好ましくは25〜37℃の範囲で行われる。反応溶液のpH値については、通常、2〜12、好ましくは6〜11、更に好ましくは7〜9の範囲で調節される。反応時間については、通常1〜120時間程度、好ましくは1〜72時間程度、更に好ましくは1〜24時間程度が選択される。
また、本発明において4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸を生成するアルドール縮合反応とトランスアミナーゼによってモナティンへの変換する反応は、同時に行ってよいし、順に分けて実施しても良い。
本発明の一つの形態として、下記式(3)で表される4位に不斉の誘起された4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸を含有するアルドール反応液に対し、下記一般式(4)で示されるアミン誘導体乃至はその塩を作用させることより、下記式(5)で示される4位に不斉の誘起された4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸乃至はその塩として導くことができ、更には単離することも出来る。
Figure 2008214345
(但し、式(3)中における*は4位不斉炭素を示す。)
Figure 2008214345
Figure 2008214345
(但し、式(5)中における*は4位不斉炭素を示す。)
本発明におけるアミン誘導体は、一般式(4)の構造を有する。
Figure 2008214345
一般式(4)中の置換基Rとしては、モナティンへと変換される際に還元条件下にて除去されるため、反応が進行しさえすれば特に制限はなく、商業的に入手容易なことから、例えば水素原子、メチル、エチル、ベンジル基等が挙げられる。系外除去が容易で経済的という観点で、水素原子乃至はメチル基が好適である。
インドール−3−ピルビン酸に対するアミン誘導体のモル比については、反応が進行しさえすれば特に制限はないが、大きいと経済上好ましくなく、また少ないと反応が完結しないので、好ましくは1〜10倍モルであり、更に好ましくは2〜5倍モルである。
本発明によって得られる4位に不斉の誘起された4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸とアミン誘導体とを反応させる方法は、前者を単離して、別途前者で使用しうる反応溶媒中にアミン誘導体を反応させても良いし、前者を含むアルドール反応液に直接投入しても良いが、4位に不斉の誘起された4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸の分解が最小限に抑制されるという観点で、前者を含むアルドール反応液に直接投入する方法が、簡便かつ工業的に望ましい。
アミン誘導体を作用させる際の反応液のpHは、4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸が安定に存在するpH領域で行う必要があり、好ましくは4〜13であり、更に好ましくは7〜10である。
アミン誘導体を加える際、pHが7〜10のアミン誘導体の溶液を予め調製しておき、そのものを4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸を含む溶液に加えても良いし、アミン誘導体を加えた後に、直ちにpH調整しても構わない。急激なpH変動を防止でき、4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸の分解抑制と収率向上を期待できるという観点で、pHが7〜10のアミン誘導体の溶液を予め調製しておき、そのものを4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸を含む溶液に加える方法が好ましい。
得られた4位に不斉の誘起された4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸は、各種塩の形態として単離することができる。例えば、アンモニウム塩、R−(+)−又はS−(−)−1−フェネチルアミン等のキラルアミン、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等が経済的見地から好ましいが、これらに本発明は限定されない。これは更に一般的な再結晶法により光学純度を高めることが可能である。例えば公知文献WO2003/059865記載〔実施例20〕、〔実施例23〕のように、R−(+)−又はS−(−)−1−フェネチルアミンとの塩として再結晶することで、効率的に光学純度を高めることが出来る。
再結晶に使用される溶媒は特に制限はないが、アンモニア水、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、ペンタン、ヘキサン、ジエチルエーテル、トルエン等、またはこれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。好ましくは、アンモニア水、水、メタノール、エタノール、プロパノール、またはこれらの2種以上の混合溶媒であり、更に好ましくは水、アンモニア水、エタノール、またはこれらの2種以上の混合溶媒である。
得られた光学的に純粋な4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸は、公知文献WO2003/059865記載〔実施例8〕に従い接触水素添加反応に供することでモナティンに変換することができる。
本発明の方法を実施又は経由して得られるモナティン及びその類縁体については、各立体異性体(光学異性体)の形で得られる場合もあり、また、光学的に複数の混合物の形で得られる。光学的に混合物の形で得られてもそのまま甘味成分として使用することもできるし、既知の光学分割法により更に光学純度を高めたり、精製を行うこともできる。このように更に精製されて得られるモナティンまたはその塩やその類縁体についても、本発明の方法を経由して製造される限り、本発明方法により製造された物に該当する。
本発明の方法により、式(1)のピルビン酸と式(2)のインドール−3−ピルビン酸とを、2級アミン含有光学活性α−アミノ酸、および金属イオンの存在下にて反応させることにより得られる式(3)の光学活性化合物は、好ましくは少なくとも10%の鏡像体過剰率を有し、より好ましくは少なくとも20%、さらに好ましくは少なくとも40%、さらになお好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは少なくとも90%以上の鏡像体過剰率を有する。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は当該実施例に何等限定されるものではない。
以下、反応溶液から分析試料調製方法(1〜3)、収率決定方法(4〜5)、鏡像体過剰率決定方法(6)を順次説明する。
〔分析試料調製方法〕
1)4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ケトグルタル酸を含むアルドール反応液に過剰量(インドール−3−ピルビン酸仕込みモル数の約4倍モル)のヒドキシアミンを加え、溶液のpH値が7.0〜10.0になるように2規定水酸化ナトリウム水溶液または1規定塩酸を加えて調節した。
2)室温にて終夜撹拌することで4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸に変換した。
3)得られた反応液の一部をメスフラスコに計り取り、4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸の濃度が100〜150ppmになるように反応液を純水で希釈し、分析用サンプルを調製した。
〔収率決定方法〕
4)上記3)の分析用サンプルを下記高速液体クロマトグラフィー条件にかけ、4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸の標品溶液との面積百分率比較により生成量を計算し、使用したインドール−3−ピルビン酸に対する収率(%)を算出した。
<高速液体クロマトグラフィー分析条件(グラジエント)>
カラム;CAPCELL PAK C18(MGII)5μm 4.6mm×250mm
カラム温度;25℃
検出波長;210nm
流速;1.0ml/min
移動液組成;
A液 KHPO(20mM)+KHPO(20mM)水溶液/アセトニトリル
=100/5
B液 KHPO(20mM)+KHPO(20mM)水溶液/アセトニトリル
=1/1
サンプル注入量;10μL
保持時間;11分(4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸)
〔鏡像体過剰率決定方法〕
5)上記3)の分析用サンプルを、下記の高速液体クロマトグラフィー条件にかけ、4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸の4位鏡像体に由来するピーク積分値を基に、下記手法により4位鏡像体選択性および4位鏡像体過剰率(%ee)を下式により求めた。
4位鏡像体過剰率=(4S体ピーク面積−4R体ピーク面積)/(4S体ピーク面積+4R体ピーク面積)*100
(符号+の場合は%ee4Sとし、符合−の場合は%ee4Rとする)
<高速液体クロマトグラフィー分析条件(グラジエント)>
カラム;SUMICHIRAL OA7100 4.6mmx250mm
カラム温度;10℃
検出波長;210nm
流速;0.5ml/min
移動液組成;
A液 KHPO(20mM)+KHPO(20mM)水溶液/アセトニトリル
=100/5
B液 KHPO(20mM)+KHPO(20mM)水溶液/アセトニトリル
=1/1
注入量;10μL
保持時間;4R体 19分、4S体 21分
以下に示す方法により錯体溶液を調製し、アルドール反応をそれぞれのpHで行い、反応液中の4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸の含有量を基に、収率、鏡像体選択性および鏡像体過剰率決定を行った。
〔調製例1〕錯体水溶液の調製
酢酸亜鉛0.36g(2.0ミリモル)とトランス−L−ヒドロキシプロリン1.07g(8.2ミリモル)を水25ミリリットルに溶解し、2規定水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.3に調節することで、トランス−L−ヒドロキシプロリン/亜鉛(II)錯体水溶液を調製した。
〔調製例2〜15〕
調製例1と同様にして、表1に示す金属塩と各種光学活性2級アミン含有アミノ酸を用いて、錯体水溶液を調製した。結果を表1に示した。
Figure 2008214345
〔実施例1〕不斉交差アルドール反応
アルゴン気流下にて、インドール−3−ピルビン酸0.21gを水5.0mlにけん濁した後に、2規定水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶解し、溶液のpHを12に調節した。続いて、1規定塩酸を加えて水溶液のpHを7〜10に調製した後に、ピルビン酸ナトリウム(0.34g)および、調製例1の溶液1.0mlを加えた。ここで再度溶液のpHをpHメーターを用いて確認し、必要に応じて2規定水酸化ナトリウム水溶液または1規定塩酸を加え、所定のpHに調整した。室温にて5時間撹拌した後に、反応液中の4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸の収率及び鏡像体過剰率を決定した。
〔実施例2〜12及び比較例1〜6〕
実施例1と同様にして、表2に示す反応pH、錯体溶液、反応時間により、得られた反応液中の4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸の収率及び鏡像体過剰率を決定した。結果を表2に示した。
Figure 2008214345
亜鉛錯体を用いた場合には、4R体が選択的に生成していることが分かった(実施例1〜3、5)。一方、ニッケル錯体を用いた場合には、4S体の選択性が高いことが分かった(実施例4、6〜12)。また、2級アミン含有光学活性α―アミノ酸と金属塩との関係は、1:1程度では鏡像体選択性は乏しく、2:1、3:1、4:1と徐々に鏡像体選択性改善が見られ、10:1の大過剰にもなると収率阻害の傾向も見受けられた(実施例6〜11)。2級アミン含有光学活性α―アミノ酸は、プロリンやトランス−L−ヒドロキシプロリンのように環状を形成している方が、N−メチル−D−アラニンに代表される直鎖状のものに較べて、鏡像体選択性が高い傾向が見られた(実施例4、9、12)。1級アミン含有光学活性α−アミノ酸の場合には、いずれも鏡像体選択性が発現せず、収率も非常に低かった(比較例1〜3)。同様に、金属イオンと良好な錯体を形成することで知られるL−酒石酸を用いた場合にも、鏡像体選択性は発現しなかった(比較例4)。以上、比較例1〜4より、鏡像体選択性の発現のみならず反応の進行においても、2級アミンが分子の構造として必須なことが理解される。更に、比較例5〜6より、ニッケル(II)イオンのみ、またはL−プロリンのみでは鏡像体選択性は発現しないことから、金属イオンと2級アミン含有光学活性アミノ酸の両者が反応液中に共存することが、鏡像体選択性の発現に必須であることが理解される。
〔実施例13〕溶媒効果
溶媒として水の代わりにメタノール5mlを使用する以外は、〔実施例2〕と同様に実験を行った。反応液を分析したところ、4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸は19%(鏡像体過剰率19%:選択性4−R体)であった。これにより溶媒としては、メタノールよりも水の方が収率および鏡像率過剰率のいずれも良好であることが分かった(実施例2、13)。
〔実施例14〕塩基の検討
アルゴン気流下にて、インドール−3−ピルビン酸1.00gを水15.0mlにけん濁した後に、モルホリンを1.72ml(インドール−3−ピルビン酸に対し4倍モル)加えた。続いて、ピルビン酸1.03mlおよび、調製例1の溶液6.0mlを加えた。ここでの反応液pHは7.1であった。室温にて5時間撹拌した後に、反応液中の4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸の収率及び鏡像体過剰率を決定した。
〔実施例15及び比較例7〕
実施例14と同様にして、表3に示す反応pH、塩基、錯体溶液、反応時間により、得られた反応液中の4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸の収率及び鏡像体過剰率を決定した。結果を表3に示した。
Figure 2008214345
塩基として水酸化ナトリウムの代わりにモルホリン又はピロリジンを用いると、4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸の収率は同等であったものの4位鏡像体選択性は低下することが判明した。また、比較例7において錯体溶液を加えなかった場合、目的の反応は全く進行しなかったことから、錯体溶液が反応の進行に必須であることが分かった。
〔実施例16〕アミン誘導体による晶析精製
上記〔実施例2〕を24倍にスケールアップして、4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸を含有するアルドール反応液を調製した。得られたアルドール反応液に12規定塩酸を加えてpHを1.2に調節し、酢酸エチルで2回(100ミリリットルx2)抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、硫酸マグネシウムを濾別後に、エバポレーターを用いて濃縮して残渣を得た。28%アンモニア水を20ミリリットル加えた後に、エタノール200ミリリットルを加え、5℃にて3日間保存した。析出した結晶を濾別後に減圧下で乾燥し、4−ヒドロキシ−4−(3−インドリルメチル)−2−ヒドロキシイミノグルタル酸ジアンモニウム塩を2.2グラム(純度88%、収率23%)。鏡像体選択性は44%eeであり、選択性は4R体であった。
(NMRスペクトル)
1HNMR (DMSO-d6) d : 2.66 (s, 2H) , 2.89 (d, J= 14.4 Hz, 1H), 3.04 (d, J= 14.4 Hz, 1H) , 6.89‐6.94 (m, 1H), 6.97‐7.03 (m, 1H), 7.11 (d, J= 2.8Hz, 1H) , 7.27 (d, J= 7.8 Hz, 1H), 7.53 (d, J= 7.8Hz, 1H), 10.71(br s, 1H)。
(質量分析)
ESI-MS 計算値 C14H14N2O6 = 306.28, 分析値 305.17 (MH-)。
〔実施例17〕モナティンへの酵素的変換
酢酸亜鉛0.36g(2.0ミリモル)とトランス−L−ヒドロキシプロリン1.07g(8.2ミリモル)を水20ミリリットルに溶解し、2規定水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8.3に調節することで、トランス−L−ヒドロキシプロリン/亜鉛(II)錯体水溶液を調製した。
インドール−3−ピルビン酸5.0gを水100mlに懸濁した後に、2規定水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶解し、溶液のpHを12に調節した。続いて、1規定塩酸を加えて水溶液のpHを9に調整した後に、ピルビン酸ナトリウム(8.12g)および、前述のトランス−L−ヒドロキシプロリン/亜鉛(II)錯体水溶液22mlを加え、pH8.6に調整した。室温にて4時間撹拌し、交差アルドール反応を行った。得られたアルドール反応液25mlに対して、D−Ala(1.8g)およびピリドキサール−5’−リン酸(1mg)を添加した後に、BMDAT発現E.coliあるいはS243N/A182S変異型BMDAT発現E.coliをそれぞれ0.5g懸濁し、33℃で24時間振とうさせてアミノ化反応を実施した。反応液中を適宜希釈してHPLC分析に供したところ、表4に示す通り、(2R,4R)−モナティンあるいは(2R,4S)−モナティンの生成が確認された。なお、上記アミノ化反応に用いたBMDAT発現E.coliおよびS243N/A182S変異型BMDAT発現E.coliは、以下の参考例1に記載の方法により調製した。
Figure 2008214345
IPA:インドール−3−ピルビン酸
〔参考例1〕Bacillus macerans AJ1617株由来D−aminotransferase(BMDAT)発現E.coliの調製
(1)BMDAT発現E.coliの調製
Bacillus macerans AJ1617株由来dat遺伝子(bmdat遺伝子)をpUC18のlacプロモーター下流に連結した発現プラスミドpUCBMDATは、 国際公開WO2004/053125パンフレット(国際公開日2003年12月9日)記載の方法に従って構築した。
すなわち、Bacillus macerans AJ1617株の染色体DNA30μgに制限酵素EcoRIを1U添加し、37℃にて3時間反応させて部分消化した。次にこのDNAからアガロースゲル電気泳動にて3〜6kbpの断片を回収し、プラスミド pUC18pUC118のEcoRI切断物(BAP処理済み・タカラバイオ)1μgにライゲーションした。このライゲーション溶液でエシェリヒア・コリ JM109を形質転換し、アンピシリン耐性を指標として目的のプラスミドを有する株を選択し、このプラスミドをpUCBMDATとした。尚、bmdat遺伝子のORFは約850bpであり、配列番号1記載の塩基配列のうち塩基番号630番から1481番に対応する。
pUCBMDATを持つE.coli形質転換体を0.1mg/ml アンピシリン、0.1mM IPTGを含む50mlのカザミノ酸培地(0.5g/dl 硫酸アンモニウム、0.14g/dl KHPO、0.23g/dl クエン酸・2Na・3HO、0.1g/dl MgSO・7HO、2mg/dl FeSO、2mg/dl MnSO、2mg/dl 塩酸ピリドキシン、0.1mg/dl thiamine、1g/dl カザミノ酸、0.3g/dl グリセロール、pH7.5)に接種し、37℃、16時間振とう培養した。得られた培養液より集菌、洗浄し、BMDAT発現E.coliを調製した。
(2)変異型BMDAT発現E.coliの調製
S243N/A182S部位特異的変異(Site−Directed mutagenesis)による変異型BMDAT発現プラスミドを、前記(1)で得たプラスミドpUCBMDATから、 国際公開WO2004/053125号パンフレット記載の方法に従い、STRATAGENE社製QuikChange Site−Directed Mutagenesis Kitを使用して作製した。
すなわち、変異導入用に以下のオリゴDNAプライマーS243N−S(配列番号3)およびS243N−AS(配列番号4)、ならびにA182S−S(配列番号5)およびA182S−AS(配列番号6)を設計し合成した。
S243N−S(配列番号3): gaaatcattg tgtcgtctgt aaattctgag gttacgccag
S243N−AS(配列番号4) ctggcgtaac ctcagaattt acagacgaca caatgatttc
A182S−S(配列番号5) gtgacagaat gctcttcatc taatgtttac ggaattaaag
A182S−AS(配列番号6) ctttaattcc gtaaacatta gatgaagagc attctgtcac
まず、S243Nの変異を導入した。すなわち、該キットの方法に従い、上記(1)にて採取した野生型BMDAT発現プラスミドpUCBMADTを鋳型として、プライマーS243N−S,S243N−ASを用いて、以下の条件で変異型BMDAT発現プラスミドを増幅し、プラスミドpS243Nを得た。
95℃ 30秒
55℃ 1分
68℃ 8分×18サイクル
続いて、A182Sの変異を導入した。すなわち、上記pS243Nを鋳型としかつプライマーA182S−SおよびA182S−ASを用いたほかは、上記S243Nの導入と同様の処理を行った。このようにして作成したプラスミドpS243N/A182Sを(1)と同様の方法でE.coli JM109に導入し、S243N/A182S変異型BMDAT発現E.coliを調製した。
本発明の交差アルドール反応の鏡像体選択性を発現させる製造方法により、甘味料として知られるモナティンの重要中間体を効率良く工業的に製造できるようになったことは、極めて意義深い。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表されるピルビン酸と下記式(2)で表されるインドール−3−ピルビン酸とを、2級アミン含有光学活性α−アミノ酸、および金属イオンの共存下にて反応させる工程を含有することを特徴とする、下記式(3)で表される光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法。
    Figure 2008214345
    Figure 2008214345
    Figure 2008214345
    (但し、式(3)中における*は不斉炭素を示す。)
  2. 請求項1記載の製造方法で得られた光学活性化合物、に更に下記一般式(4)で示されるアミン誘導体またはその塩を作用させる工程を含有することを特徴とする、下記一般式(5)で表される光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法。
    Figure 2008214345
    Figure 2008214345
    (但し、式(5)中における*は不斉炭素を示し、Rは水素原子若しくはメチル基を示す。)
  3. 2級アミン含有光学活性α−アミノ酸が、ヒドロキシプロリン、およびプロリンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1記載の光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法。
  4. 2級アミン含有光学活性α−アミノ酸が、下記一般式(6)で表されることを特徴とする、請求項1記載の光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法。
    Figure 2008214345
    (但し、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数7〜10のアラルキル基を示し、当該アルキル基乃至はアラルキル基は少なくとも1つの水酸基又はアミノ基で置換されていても良い。)
  5. 金属イオンが、マグネシウム(II)イオン、亜鉛(II)イオン、コバルト(II)乃至は(III)イオン、ニッケル(II)イオンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1記載の光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法。
  6. 反応中、反応溶液のpHが7〜12であることを特徴とする、請求項1記載の光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光学活性化合物(塩の形態も含む)の製造方法を含有するモナティンまたはその塩の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法で得られた光学活性化合物に対して、更にトランスアミナーゼとアミノ供与体とを作用させる工程を含有することを特徴とする、モナティンまたはその塩の製造方法。
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