ここで、上記のように遊技領域を並設した構成において、その並設したことによる効果を高める上で、依然として改良の余地がある。例えば、両遊技領域における遊技球の流下態様に注目させるためには、前後のいずれの遊技領域を遊技球が流下しているかを遊技者に明確に認識させることが好ましく、この点について改良の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、遊技領域が前後に並設された遊技機において、それら両遊技領域の構成の好適化を図ることができる遊技機を提供することを目的とするものである。
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、発明の実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
手段1.遊技機前面部に設けられた窓パネル部(透明パネル32)と、
当該窓パネル部の後方において窓パネル部と並設された透明板部(前側遊技盤81等)と、
前記窓パネル部と前記透明板部との間に設けられ、さらに棒状の第1分散部材(釘94等)を複数有し、導入された遊技球の流下方向が当該第1分散部材により分散される第1遊技領域(前側遊技領域93)と、
前記透明板部の後方において前記第1遊技領域と並設され、さらに棒状の第2分散部材(棒状弾性体124等)を複数有し、導入された遊技球の流下方向が当該第2分散部材により分散される第2遊技領域(後側遊技領域123)と、
を備え、
前記第1分散部材と前記第2分散部材とを相互に識別可能なものとしたことを特徴とする遊技機。
手段1の遊技機では、第1遊技領域と第2遊技領域とが並設されており、それら各遊技領域における遊技球の流下態様が窓パネル部を通じて遊技機前方から視認される。これにより、遊技球の流下態様の多様化が図られている。
当該構成において、第1遊技領域に設けられた第1分散部材と第2遊技領域に設けられた第2分散部材とが相互に識別可能となっている。これにより、第1遊技領域と第2遊技領域とが前後に並設された構成において、遊技者にとっては、遊技球がいずれの分散部材に当たって分散されているかを把握することで、当該遊技球がいずれの遊技領域を流下しているかを把握することが可能となる。よって、各遊技領域における遊技球の流下態様のそれぞれに注目させることができ、複数の遊技領域を並設した効果が確実に発揮される。
また、遊技機が多数設置された遊技ホールにおいて遊技者は一般的に、設置角度などといった分散部材の設置態様を把握して、自らが遊技を行う遊技機を選択する。かかる事情において、上記のように第1分散部材と第2分散部材とを相互に識別可能なものとすることで、遊技者にとって各分散部材の設置態様を把握し易くなる。よって、複数の遊技領域が並設された構成において、自らが遊技を行う遊技機の選択を良好に行わせることが可能となる。
なお、第1遊技領域及び第2遊技領域には、対応する第1,第2分散部材以外に分散部材を有していない構成としてもよい。また、対応する第1,第2分散部材以外にも分散部材を有していてもよく、その分散部材は第1遊技領域と第2遊技領域とで共通していてもよい。
また、「窓パネル部と並設された透明板部」における「並設」とは、窓パネル部と透明板部とが正面視で重なるように設けられていることであり、窓パネル部と透明板部との間に両者を隔てる部材が介在していない構成だけでなく、両者を隔てる部材が介在している構成も含まれる。このうち両者を隔てる部材が介在している場合には、「第1遊技領域」は、その隔てる部材と透明板部との間に設けられた領域となる。当該構成であっても、第1遊技領域は依然として窓パネル部と透明板部との間に設けられている。なお、この「並設」は、「前記第1遊技領域と並設」における「並設」についても同様である。つまり、第2遊技領域は、第1遊技領域の後方において、当該第1遊技領域と正面視で重なっている構成であれば良い。
手段2.手段1において、前記第1分散部材と前記第2分散部材とは、色彩、模様、形状又は大きさのうち少なくとも1つが相違しており、その相違により前記第1分散部材と前記第2分散部材とが相互に識別可能となっていることを特徴とする遊技機。
手段2によれば、第1分散部材と第2分散部材とが相互に識別可能となり、上記手段1の効果を得ることができる。
手段3.手段1又は2において、前記第1分散部材及び前記第2分散部材のうち、一方は金属製の釘部材(釘94)であり、他方は樹脂製分散部材(棒状弾性体124,181)であることを特徴とする遊技機。
手段3によれば、第1分散部材と第2分散部材とで材料が相違し、その相違により第1分散部材と第2分散部材とが相互に識別可能となっている。これにより、上記手段1の効果を得ることができる。
また、本構成によれば、第1分散部材と第2分散部材とで弾性を異ならせることが可能となり、両者の弾性を異ならせることで遊技球が当たった場合の弾み方が異なるものとなる。これにより、第1遊技領域と第2遊技領域とが前後に並設された構成において、遊技者にとっては、遊技球が分散部材に当たった場合の弾み方を把握することで、当該遊技球がいずれの遊技領域を流下しているかを把握することが可能となる。
手段4.手段3において、前記樹脂製分散部材は、長さ方向の一方の端部が前記透明板部側にあるとともに、他方の端部が前記透明板部と板面が対向する対向板部(後側遊技盤82等)側にあり、
前記樹脂製分散部材に遊技球が当たった際には、当該樹脂製分散部材の前記各端部と対応する板部との当接により、その遊技球が当たったことによる負荷が前記各板部にて受けられることを特徴とする遊技機。
樹脂製分散部材は釘部材に比べ剛性が低いため、一端部が片持ち支持された構成では流下してくる遊技球の負荷が完全に受けられず、遊技球を分散する機能が好適に発揮されないおそれがある。これに対して、手段4によれば、樹脂製分散部材に遊技球が当たった際には、当該樹脂製分散部材の各端部と対応する板部との当接により、その遊技球が当たったことによる負荷が各板部にて受けられる。これにより、遊技球が当たった際に、樹脂製分散部材はその負荷に抗することができ、遊技球を分散する機能が好適に発揮される。
なお、「対向板部」は上記のとおり透明板部と対向している板部であればよく、例えば、透明板部の後方に位置する第2分散部材が樹脂製分散部材である構成においては、対向板部を、透明板部の後方にて当該透明板部の裏面に対して表面が対向するように設けられた後方板部(後側遊技盤82)としてもよい。また、例えば、透明板部の前方に位置する第1分散部材が樹脂製分散部材である構成においては、対向板部を、透明板部の前方にて当該透明板部の表面に対して裏面が対向するように設けられた前方板部としてもよい。但し、この場合、各遊技領域を流下する遊技球が視認可能なように前方板部を透明性材料により形成する必要がある。また、前方板部を、上記窓パネル部としてもよい。この場合、窓パネル部にて前方板部としての機能が兼用され、構成の簡素化を図りつつ上記効果を得ることができる。
手段5.手段4において、前記樹脂製分散部材は、前記透明板部又は前記対向板部のうち一方の板部に固定されているとともに、他方の板部には両板部間の離脱に際してその離脱を阻止しない非固定状態で当接させて設置されていることを特徴とする遊技機。
手段5によれば、樹脂製分散部材に遊技球が当たった際には、その負荷は、透明板部又は対向板部のうち固定に関わる側の板部において受けられるとともに、非固定状態での当接配置に関わる側の板部においても受けられる。これにより、上記手段4における効果を得ることができる。
また、本構成によれば、樹脂製分散部材は、透明板部及び対向板部の両方に固定されているのではなく、一方にのみ固定されている。これにより、透明板部と対向板部とを設置する際には、樹脂製分散部材の固定は一方の板部にのみ行うだけでよく、その作業性が良好なものとなる。
また、透明板部及び対向板部の両方に樹脂製分散部材が固定された構成を想定すると、透明板部又は対向板部のメンテナンスなどに際して一方の板部を他方の板部から分離するためには、樹脂製分散部材の固定を解除する必要が生じ、その作業は困難である。これに対して、一方の板部にのみ固定されているので、透明板部又は対向板部のメンテナンスなどに際して樹脂製分散部材の固定を解除する必要はなく、メンテナンスなどにおける作業性を向上させることができる。
手段6.手段5において、前記透明板部又は前記対向板部のうち前記樹脂製分散部材が非固定状態で当接する側の板部には、当該樹脂製分散部材における長さ方向の一方の端部(支持用突起134)が挿入されるとともに当該端部を支持する支持穴部(支持用穴部141)が形成されていることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、透明板部又は対向板部のうち樹脂製分散部材が非固定状態で当接する側の板部に支持穴部が形成されていることにより、当該板部側における樹脂製分散部材の支持を確実なものとすることができる。
なお、「支持穴部」は、樹脂製分散部材における挿入された端部を支持する機能を有するのであれば、板部を前後方向に貫通していない構成又は貫通している構成のいずれであってもよい。但し、板部の強度の観点からは、貫通していない構成が好ましい。
手段7.手段6において、前記支持穴部の開口面積を、前記樹脂製分散部材の挿入側の端部における前記長さ方向に対して垂直方向の断面積よりも大きくするとともに、
前記支持穴部には、前記挿入側の端部に下方から当接する下側当接面(底面142)を形成したことを特徴とする遊技機。
手段7によれば、支持穴部の開口面積が、樹脂製分散部材の挿入側の端部における長さ方向に対して垂直方向の断面積よりも大きくなっていることにより、樹脂製分散部材を挿入させる際の挿入側の端部と支持穴部との位置合わせ作業を良好に行うことができる。
また、上記のように支持穴部の開口面積が設定された構成において、支持穴部には下側当接面が形成されている。これにより、樹脂製分散部材における挿入側の端部は、支持穴部により少なくとも下方から支持され、樹脂製分散部材に遊技球が上方から当たった際の負荷は確実に支持穴部(又は支持穴部が形成された板部)にて受けられる。
手段8.手段7において、前記支持穴部の深さ寸法は、前記樹脂製分散部材における前記挿入側の端部の長さ寸法と同一又はそれよりも若干大きくなっており、
前記下側当接面は、前記挿入側の端部の挿入方向に上り傾斜となっていることを特徴とする遊技機。
上記手段7の構成を備え、支持穴部の開口面積が、樹脂製分散部材の挿入側の端部における長さ方向に対して垂直方向の断面積よりも大きい構成においては、支持穴部内における上記挿入側の端部の上下方向位置が、各板部の設置位置に応じて上下するものと考えられる。この場合に、手段8によれば、下側当接面が挿入側の端部の挿入方向に上り傾斜となっているため、支持穴部における挿入側の端部の上下方向位置が、本来配置されるべき基準位置から若干ずれたとしても、挿入側の端部は下側当接面により下方から支持される。
手段9.手段7において、前記支持穴部の深さ寸法は、前記樹脂製分散部材における前記挿入側の端部の長さ寸法と同一又はそれよりも若干大きくなっており、
前記支持穴部の下側当接面は、前記挿入側の端部の挿入方向に上り傾斜となっているとともに、当該支持穴部の左右側面(側面143,144)は、前記挿入方向に連続的に幅狭となるように形成されていることを特徴とする遊技機。
上記手段7の構成を備え、支持穴部の開口面積が、樹脂製分散部材の挿入側の端部における長さ方向に対して垂直方向の断面積よりも大きくなった構成においては、支持穴部における挿入側の端部の上下方向位置及び左右方向位置が、各板部の設置位置に応じて上下又は左右するものと考えられる。この場合に、手段9によれば、支持穴部の下側当接面が挿入側の端部の挿入方向に上り傾斜となっているとともに、支持穴部の左右側面が上記挿入方向に幅狭となるように形成されている。これにより、支持穴部における挿入側の端部の位置が、下側当接面及び左右側面に当接する基準位置へと極力ガイドされ、支持穴部における挿入側の端部の支持を良好に行うことができる。
手段10.手段8又は9において、前記透明板部と前記対向板部とを固定する固定手段(ボルト83、ナット84)を備えており、
当該固定手段は、前記透明板部及び前記対向板部の固定に際して、上下方向及び左右方向の位置関係に余裕を持たせて両板部を固定するものであることを特徴とする遊技機。
手段10によれば、透明板部と対向板部とを固定する固定手段が設けられていることにより、両板部をユニット化することが可能となり、遊技機の製造時やメンテナンス時などにおいて両板部を設置する際の作業性の向上が図られる。
この場合に、上記固定手段は、透明板部及び対向板部の固定に際して、上下方向及び左右方向の位置関係に余裕を持たせて両板部を固定する。固定手段が、両板部の固定に際して、上下方向及び左右方向の位置関係を完全に規制しながら固定する構成を想定すると、遊技機の製造段階において支持穴部の位置が僅かでもずれていると、当該支持穴部にて樹脂製分散部材の挿入側の端部が受けられなくなる。この場合、樹脂製分散部材の支持が良好に行われないだけでなく、その樹脂製分散部材が障害となって透明板部と対向板部との固定が行えないおそれがある。これに対して、上記のとおり固定手段は、透明板部及び対向板部の固定に際して、上下方向及び左右方向の位置関係に余裕を持たせて両板部を固定するものであるため、上記のような不都合が生じ難くなる。そして、上記手段8又は9の構成を備えていることにより、支持穴部に樹脂製分散部材における挿入側の端部を挿入させることで、当該挿入側の端部は支持穴部における上記基準位置へと極力ガイドされ、支持状態は自ずと良好なものとなり得る。
手段11.手段5において、前記樹脂製分散部材における固定されない側の端部は、前記透明板部又は前記対向板部のうち前記樹脂製分散部材を固定しない側の板部の板面に当接されていることを特徴とする遊技機。
手段11によれば、透明板部又は対向板部のうち一方の板部については、その板面に樹脂製分散部材の端部が当接しているだけで、何ら固定されていない。これにより、上記手段5における効果を得ることができる。特に、本構成では、樹脂製分散部材の端部と板部の板面との当接が確保されればよいため、透明板部と対向板部との上下方向及び左右方向の位置合わせが厳密に行われる必要はなく、透明板部と対向板部との設置作業の作業性の向上が図られる。
手段12.手段4において、前記樹脂製分散部材は、前記透明板部又は前記対向板部のうち一方の板部に固定されているとともに、他方の板部に対してはその板面から当該板部側の端部(端部185)を離間させて設置されており、
さらに、当該他方の板部の板面と当該板面から離間された前記端部との位置関係を、流下する遊技球が樹脂製分散部材に少なくとも上方から当たった際に、それら板面と端部とが当接し得る位置関係としたことを特徴とする遊技機。
手段12によれば、樹脂製分散部材に少なくとも上方から遊技球から当たった際には、その負荷は、透明板部又は対向板部のうち固定に関わる側の板部において受けられるとともに、離間配置に関わる側の板部においても受けられる。これにより、上記手段4における効果を得ることができる。
また、本構成によれば、樹脂製分散部材は、透明板部及び対向板部の両方に固定されているのではなく、一方にのみ固定されている。これにより、透明板部と対向板部とを設置する際には、樹脂製分散部材の固定は一方の板部にのみ行うだけでよく、その作業性が良好なものとなる。
また、透明板部及び対向板部の両方に樹脂製分散部材が固定された構成を想定すると、透明板部又は対向板部のメンテナンスなどに際して一方の板部を他方の板部から分離するためには、樹脂製分散部材の固定を解除する必要が生じ、その作業は困難である。これに対して、一方の板部にのみ固定されているので、透明板部又は対向板部のメンテナンスなどに際して樹脂製分散部材の固定を解除する必要はなく、メンテナンスなどにおける作業性を向上させることができる。
特に、本構成では、樹脂製分散部材の端部と板部の板面とが離間された位置関係となればよいため、透明板部と対向板部との上下方向及び左右方向の位置合わせが厳密に行われる必要はなく、透明板部と対向板部との設置作業の作業性の向上が図られる。
手段13.手段5乃至12のいずれかにおいて、前記樹脂製分散部材における少なくとも固定側の端部は、それよりも長さ方向の中間側であって当該固定側の端部と近接した部位に比して厚肉化されていることを特徴とする遊技機。
手段13によれば、樹脂製分散部材における固定部位の強度を高めることが可能となり、遊技球が当たった際に樹脂製分散部材の固定部位が破損し、当該樹脂製分散部材が外れてしまうといった不都合の発生が抑制される。
なお、厚肉化した端部を遊技球に当たらないように形成することが好ましい。厚肉化した部位に遊技球が当たると、遊技球の分散が良好に行われないおそれがあるからである。
手段14.手段1乃至13のいずれかにおいて、前記第1分散部材を前記透明板部の前面に固定するとともに、前記第2分散部材を前記透明板部の後面に固定したことを特徴とする遊技機。
手段14によれば、第1分散部材及び第2分散部材が共に透明板部に固定されるため、遊技機の製造段階や設計段階において、両分散部材の相互の位置決めを良好に行うことができる。
特に、透明板部に、第1遊技領域から第2遊技領域へ、又は第2遊技領域から第1遊技領域へ遊技球を導出する導出通路部を備えた構成においては、第1分散部材及び第2分散部材を上記導出通路部と重ならない位置に確実に設置することができる。つまり、第1分散部材及び第2分散部材の少なくとも一方が透明板部に設置されていない構成を想定すると、透明板部の設置に際してその位置にずれが生じ、導出通路部と分散部材とが重なってしまうおそれがある。これに対して、本構成によれば、透明板部に対して、第1分散部材、第2分散部材及び導出通路部が一体的なものとなっているため、上記のような不都合が生じることはない。
手段15.手段1乃至14のいずれかにおいて、前記第1遊技領域及び前記第2遊技領域のいずれにも、遊技球が入球する入球部(作動口装置101、可変入賞装置102、一般入賞口103、入球部125)が設けられており、いずれの入球部に遊技球が入球した場合であっても遊技者に特典が付与されることを特徴とする遊技機。
手段15によれば、遊技者にとっては、第1遊技領域及び第2遊技領域のいずれにおいても特典を得る機会が与えられている。第1遊技領域又は第2遊技領域のいずれか一方にのみ入球部が設けられた構成においては、遊技領域を複数並設したにも関わらず、遊技者の注目が入球部が設けられた側の遊技領域に偏ってしまうおそれがあり、この場合、遊技領域を並設した効果が十分に発揮されない。これに対して、本構成によれば、第1遊技領域及び第2遊技領域のいずれに対しても遊技者の注目度が高められ、遊技領域を複数並設した効果が確実に発揮される。
なお、「特典」とは、遊技球が付与される又は仮想遊技媒体が付与されるといった利益が遊技者に付与されることだけでなく、例えば入球部への入球だけでは利益が遊技者に付与されないが、他の装置において利益が付与され得る状態となるものも含まれる。また、これら以外にも、入球部への入球により当否抽選が行われるものも含まれる。これは以下も同様である。
手段16.手段1乃至15のいずれかにおいて、前記第1遊技領域には遊技球が入球する入球部(作動口装置101、可変入賞装置102、一般入賞口103)が設けられており、その入球部に遊技球が入球した場合には遊技者に特典が付与される構成であり、
前記第1遊技領域における入球部の設置位置を、前記第2遊技領域における遊技球が流下する領域の前方領域に含まれない位置に設定したことを特徴とする遊技機。
手段16によれば、第1遊技領域に入球部が設けられた構成において、当該入球部は第2遊技領域における遊技球が流下する領域の前方領域に含まれない位置に設置されている。これにより、入球部に入球した遊技球の排出通路により、第2遊技領域における遊技球の流下が邪魔されてしまうことが防止される。
手段17.手段15又は16において、遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル18)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構50)と、当該遊技球発射手段から発射された遊技球を前記第1遊技領域に導く第1導出通路部(内レール部材91、外レール部材92)と、前記透明板部に設けられ、前記第1遊技領域から前記第2遊技領域へ遊技球を導出する第2導出通路部(ワープ通路111)とを備え、
前記第1遊技領域にはその上部に前記入球部を備えるとともに、その上部に設けられた入球部よりも下方の位置に前記第2導出通路部を設置したことを特徴とする遊技機。
手段17の遊技機では、操作手段が操作されることにより遊技球発射手段から遊技球が発射され、その発射された遊技球は第1導出通路部により第1遊技領域に導出される。また、第1遊技領域を流下する遊技球の一部は第2導出通路部を介して第2遊技領域に導出される。これにより、遊技領域を並設した構成において、遊技球の遊技領域間の移動が生じ、遊技球の流下態様が多様化される。
当該構成において、第1遊技領域にはその上部に入球部が設けられているとともに、その上部に設けられた入球部よりも下方の位置に第2導出通路部が設けられている。これにより、第2遊技領域における遊技球が流下する領域が、第1遊技領域において上部に設けられた入球部よりも下方となり、当該入球部に入球した遊技球の排出通路によって第2遊技領域における遊技球の流下が邪魔されてしまうことが防止される。
手段18.手段1乃至17のいずれかにおいて、前記透明板部には、前記第1遊技領域から前記第2遊技領域へ、又は前記第2遊技領域から前記第1遊技領域へ遊技球を導出する導出通路部(ワープ通路111)を設けたことを特徴とする遊技機。
手段18によれば、透明板部に導出通路部が設けられていることにより、第1遊技領域から第2遊技領域への遊技球の導出、又は第2遊技領域から第1遊技領域への遊技球の導出が行われ、遊技球の流下態様がより多様化される。
手段19.遊技機前面部に設けられた窓パネル部(透明パネル32)と、
当該窓パネル部の後方において当該窓パネル部と前後に並設された透明板部(前側遊技盤81等)と、
当該透明板部の前方に設けられ、導入された遊技球の流下方向が分散部材(釘94等)により分散される第1遊技領域(前側遊技領域93)と、
前記透明板部の後方において前記第1遊技領域と前後に並設され、導入された遊技球の流下方向が分散部材(棒状弾性体124等)により分散される第2遊技領域(後側遊技領域123)と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
手段19の遊技機では、第1遊技領域と第2遊技領域とが前後に並設されており、それら各遊技領域における遊技球の流下態様が窓パネル部を通じて遊技機前方から視認される。これにより、遊技球の流下態様の多様化が図られている。
なお、上記手段2乃至18の構成を、上記手段1に代えて、本手段19に対して適用してもよい。
手段20.手段1乃至19のいずれかにおいて、遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル18)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構50)とを備えており、当該遊技球発射手段から発射された遊技球が前記第1遊技領域又は前記第2遊技領域に導出されることを特徴とする遊技機。
遊技者による操作手段の操作により遊技球が発射される遊技機に本発明を好適に適用される。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2、図3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。
図1〜図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11を備えている。外枠11は、遊技ホールへの設置の際に、いわゆる島設備に取り付けられる。外枠11は、木製の板材を全体として矩形枠状に組み合わせた状態とされ、各板材を小ネジ等の離脱可能な締結部材により固定することによって構成されている。
外枠11の一側部には、本体枠12が開閉可能に支持されている。その開閉軸線はパチンコ機10の正面からみて左側に上下へ延びるように設定されており、その開閉軸線を軸心にして本体枠12が前方側に開放できるようになっている。なお本実施形態では、外枠11と本体枠12とにより遊技機本体が構成されている。外枠11に代わる構成として設置枠体を遊技ホール側に予め設けておき、遊技ホールへのパチンコ機10の設置に際しては本体枠12を前記設置枠体に組み付ける構成とすることも可能である。かかる構成では、本体枠12により遊技機本体が構成される。
本体枠12の前面側の下部位置には、前面板14が設けられている。前面板14は横長状に形成され、その横幅は本体枠12の横幅とほぼ一致するように構成されている。前面板14は、幅方向ほぼ中央部において手前側へ膨出した膨出部15aを有するベース部15と、ベース部15の膨出部15a内側に設けられ下方にくぼんだ皿形状をなす球受皿としての下皿16と、下皿16の奥側の壁面を構成し、下皿16への球排出口17aが形成された奥壁パネル17とを備えている。
ベース部15の膨出部15a前面側にはスライド式の球抜きレバー19が設けられている。なお、球抜きレバー19はプッシュ式としてもよい。そして、球抜きレバー19が操作されると下皿16の底面に設けられた図示しない閉鎖板が一体に又はリンクを介して移動して球抜き穴が開放され、下皿16内の貯留球が下方に排出されるよう構成されている。奥壁パネル17の球排出口17aとは異なる位置には、多数の小孔が集合したスピーカカバー部17bが形成されており、当該パネル17の後方に設置されたスピーカ20の出力音がスピーカカバー部17bを通じて前方に発せられるようになっている。
ベース部15には膨出部15aよりも右方に、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル18が設けられている。遊技球発射ハンドル18は、操作ハンドル18aと支持台座18bとより構成されている。支持台座18bには、周知の構成のため図示による説明は省略するが、遊技者が操作ハンドル18aに触れていることを検知するためのタッチセンサ、操作ハンドル18aが操作されたことを検知するための発射スイッチ及び操作ハンドル18aの操作量を検知するためのダイヤル可変抵抗器が設けられている。さらに、操作ハンドル18aを操作した状態で、遊技球の発射を止めるべく操作される止め打ちスイッチが設けられている。
本体枠12の前面側の前面板14を除く範囲には、本体枠12を覆うようにして前面扉としての前扉枠13が設けられている。従って、前面板14と前扉枠13とにより本体枠12の前面側全体が覆われている。前扉枠13は、本体枠12に対して開閉可能に取り付けられており、本体枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸線を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前扉枠13の下部位置には、下皿16の上方において手前側へ膨出した膨出部22が設けられ、その膨出部22内側には上方に開口した上皿23が設けられている。上皿23は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構50側へ導くための球受皿である。膨出部22前面側には上皿23用の球抜きレバー24が設けられており、この球抜きレバー24を操作すると上皿23の最下流部付近に設けられた球抜き通路(図示略)が開放され、上皿23内の貯留球が下皿16へ排出されるようになっている。
前扉枠13には窓部31が形成されており、窓部31には透明パネル32が取り付けられている。この透明パネル32を介して後述する遊技領域のほぼ全域が前方から視認できるようになっている。また、前扉枠13にはその周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御されることにより、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部31の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部33が左右対称に設けられ、環状電飾部33の中央であってパチンコ機10の最上部にはLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部34が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部34が大当たりランプとして機能し、大当たり状態時に点灯や点滅を行うことにより大当たり中であることを報知する。また、上皿23周りにも、同じくLED等の発光手段を内蔵した上皿電飾部35が設けられている。その他、中央電飾部34の左右側方には、賞球払出中に点灯する賞球ランプ36と所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ37とがそれぞれ設けられている。
前扉枠13には、窓部31の下方位置に、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には球貸しボタン41と、返却ボタン42と、度数表示部43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されたCRユニットに紙幣やカード等を投入した状態で、貸球操作部40によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸しボタン41は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン42は、CRユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部43はカード等の残額情報を表示するものである。なお、CRユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機(いわゆる現金機)では貸球操作部40が不要となるが、かかる場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等が付されるようになっている。これにより、貸球操作部40を設けた本パチンコ機10の構成において、CRユニットを用いたパチンコ機(いわゆるCR機)と現金機との共用が可能となる。
本体枠12は、外形が前記外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース25を備えており、樹脂ベース25の下部には、遊技球発射機構50が取り付けられている。遊技球発射機構50は、ベース部材としての金属板51を備えており、金属板51には、電磁式のソレノイド52と、発射レール53とが取り付けられている。ソレノイド52の本体部は電気的な信号の入力に基づき通電され、ソレノイド52の出力軸が伸縮方向に移動する。この場合に、ソレノイド52は通電時に出力軸が左斜め上方へ突出するように配置されており、ソレノイド52により打ち出された遊技球は発射レール53上を移動し、後述する遊技領域に到達する。
本体枠12の前面において発射レール53の左側には、左右一対の排出口66,67が形成されると共に、その前方に、排出口66,67より排出された遊技球を上皿23又は下皿16の何れかに案内するための遊技球案内ユニット70が取り付けられている。便宜上以下の説明では、排出口66を第1排出口、排出口67を第2排出口ともいう。基本的に第1排出口66より遊技球の排出が行われ、この第1排出口66も含め上皿23に通じる通路が遊技球で一杯になると、第1排出口66に代えて第2排出口67より遊技球の排出が行われるようになっている。
遊技球案内ユニット70には、前記排出口66,67と下皿16とを連通するための球排出通路71が形成されている。遊技球案内ユニット70には、本体枠12の第1排出口66の手前側に、上皿23に連通する連通口72が形成され、連通口72を閉鎖するようにして開閉プレート73が取り付けられている。開閉プレート73は支軸74により回動可能に支持され、付勢手段としてのバネ75により連通口72を閉鎖する位置に常時付勢されている。
遊技球案内ユニット70の上記構成によれば、前扉枠13を開放した状態ではバネ75の付勢力により開閉プレート73が図示の如く起き上がり、連通口72を閉鎖する。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が球排出通路71を通じて下皿16に案内される。従って、連通口72の上流側に遊技球が貯留されている状態で前扉枠13を開放した場合、その貯留球は連通口72よりこぼれ落ちることなく、球排出通路71を通じて下皿16に流下する。つまり、前飾り枠が省略され前扉枠13に対して上皿23が直接設けられる構成とした本パチンコ機10にあっても、前扉枠13の開放に際し連通口72の上流側にある遊技球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠13を閉鎖した状態では、前扉枠13の裏面に設けられた球通路樋76(図2参照)によりバネ75の付勢力に抗して開閉プレート73が押し開けられる。この状態では、第1排出口66より排出される遊技球が連通口72を介して上皿23に案内される。従って、連通口72より上流側の遊技球は上皿23に払い出される。なお、遊技球案内ユニット70の球排出通路71下流側には、下皿16に排出された遊技球が一杯(満タン)になったことを検知する下皿満タンスイッチが取り付けられている。
樹脂ベース25の中央部であって透明パネル32と前後に並ぶ位置には、略円形状の窓孔26が形成されている。窓孔26から一部が露出されるようにして、樹脂ベース25にはその後方から遊技盤ユニット80が装着されている。また、樹脂ベース25には、遊技盤ユニット80の後方に位置するようにして図柄表示装置160が装着されている(図5参照)。
遊技盤ユニット80について、図4〜図7を用いて詳細に説明する。図4は遊技盤ユニット80の分解斜視図、図5は遊技盤ユニット80の固定に関する構成を説明するための説明図、図6は遊技盤ユニット80の正面図、図7は遊技盤ユニット80の縦断面の構成を説明するための略図である。
遊技盤ユニット80は、図4等に示すように、一対の遊技盤(遊技板又は遊技領域形成板)81,82を備えている。これら遊技盤81,82は、一方の遊技盤81の裏面(後面)に他方の遊技盤82の表面(前面)を対向させて相互に固定され、ユニット化されている。
この固定に関する構成について詳細に説明すると、各遊技盤81,82の周縁には4つの貫通孔81a,82aが形成されている。一方の遊技盤81の貫通孔81aと他方の遊技盤82の貫通孔82aとはそれぞれ対をなしている。そして、図5に示すように、それら対をなす貫通孔81a,82aが同一軸線上となるようにして両遊技盤81,82が配置され、ボルト83及びナット84により両遊技盤81,82が相互に固定されている。この場合に、貫通孔81a,82aの開口面積は、ボルト83の貫通部83aにおける長さ方向に対して垂直方向の断面積よりも若干大きくなっている。したがって、両遊技盤81,82の固定に際しては、両遊技盤81,82の相互の上下方向位置及び左右方向位置に若干の余裕がある。両遊技盤81,82の固定部位には、両遊技盤81,82に挟まれるように緩衝材85が設けられている。
なお、両遊技盤81,82の固定手段は、ボルト83及びナット84に限定されることはなく、両遊技盤81,82を把持することで両遊技盤81,82を固定する把持具としてもよい。この把持具として具体的には、所定距離離間されているとともにその離間された距離を縮めることが可能な一対のクランプ部を有するクランプ具が考えられ、当該クランプ具においては一対のクランプ部により両遊技盤81,82を外側から挟み込むことによりそれら両遊技盤81,82が固定される。そして、当該構成において、両遊技盤81,82の固定に際して、両遊技盤81,82の相互の上下方向位置及び左右方向位置に若干の余裕を生じさせるようにしてもよい。
遊技盤ユニット80は、一方の遊技盤81が前側、他方の遊技盤82が後側となるようにして樹脂ベース25に装着されている。以下、前側の遊技盤81を前側遊技盤81といい、後側の遊技盤82を後側遊技盤82という。なお、前側遊技盤81は透明パネル32の後方にあり、当該前側遊技盤81の表面は透明パネル32の裏面と対向している。
前側遊技盤81及び後側遊技盤82は、ポリカーボネートやアクリル樹脂などといった無色透明の合成樹脂により形成されている。この透明性は、パチンコ機10前方から透明パネル32を視認した場合に、前側遊技盤81を通じて、後側遊技盤82を視認可能であり、さらには前側遊技盤81及び後側遊技盤82を通じて、当該後側遊技盤82の後方に位置する図柄表示装置160の表示態様を視認可能な程度であればよい。前側遊技盤81及び後側遊技盤82は、四角形状をなしている。なお、周縁には装着対象である樹脂ベース25の一部との干渉を回避するための複数の切欠が形成されているが、当該切欠を形成するか否かは任意である。
前側遊技盤81の前面には、図6に示すように、遊技球発射機構50から発射された遊技球を前側遊技盤81の前面上部へ案内するための内レール部材91及び外レール部材92が取り付けられている。前側遊技盤81の前面は内外レール部材91,92により区画され、略円形状に区画された内側領域に遊技領域93が形成されている。そして、この遊技領域93は透明パネル32を介してそのほぼ全域がパチンコ機10前方から視認可能となっている。なお、遊技領域93は前側遊技盤81の前方に形成されていると言える。
遊技領域93は、前側遊技盤81の前面側に、第1分散部材としての金属製の釘94が多数設置され、さらには複数の入球部101〜103や、ワープ通路形成体104が設置されて形成されている。また、これら以外にも、遊技領域93には、一対のスルーゲート105や風車106が設置されているとともに、前側遊技盤81を前後に貫通させてアウト口107が形成されている。いずれの入球部101〜103にも入球することなく遊技領域93を流下し終えた遊技球は、アウト口107を介して遊技領域93から排出される。また、遊技領域93には、第1特定ランプ部108及び第2特定ランプ部109が設けられている。
釘94は、図7に示すように、長さ方向(長手方向)の一端部が前側遊技盤81に固定されている。この場合、釘94は、パチンコ機10前方に向けて上り傾斜となっている。固定された側とは反対側の端部はいずれの部材にも支持されておらず自由端となっている。遊技領域93に導入された遊技球は、多数の釘94に当たることで任意の位置に分散されながら流下する。この場合、釘94は上記のとおり一端が自由端となっているため、遊技球が当たることによる負荷は全て前側遊技盤81にて受けられる。
入球部101〜103は、前側遊技盤81において前後方向に貫通させて形成された開口部にそれぞれ設置されている。入球部101〜103として、図6に示すように、作動口装置101、可変入賞装置102及び一対の一般入賞口103がある。そして、作動口装置101が遊技領域93の上部に設置され、可変入賞装置102が遊技領域93の下部に設置され、一対の一般入賞口103が可変入賞装置102の左右両側に設置されている。
作動口装置101、可変入賞装置102及び一般入賞口103に遊技球が入ると検出スイッチにより検出され、その検出結果に基づいて上皿23(場合によって下皿16)に所定数の賞品球が払い出される。
作動口装置101は、所定数の賞品球を払い出す払出契機としての機能だけでなく、遊技者に有利な大当たり状態(特別遊技状態)を発生させるか否かの当否抽選の抽選契機としての機能を有している。なお、第1特定ランプ部108は、上記大当たり状態の当否抽選の結果を報知する機能を有しており、作動口装置101への入球をトリガとして第1特定ランプ部108では所定の順序で発光色の切り換えが行われる。そして、上記発光色の切り換え表示が終了された際の発光色により当該当否抽選結果を報知する。また、作動口装置101への入球をトリガとして、図柄表示装置160における図柄の可変表示が行われる。
可変入賞装置102は扉体102aを有しており、当該扉体102aは通常は可変入賞装置102内に遊技球が入球できない又は入球し難い閉鎖状態になっており、大当たりの際に遊技球が入球しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。
スルーゲート105は、作動口装置101に付随する電動役物を開放状態とするか否かの当否抽選の抽選契機としての機能を有している。なお、第2特定ランプ部109は、上記開放状態の当否抽選の結果を報知する機能を有しており、スルーゲート105の遊技球の通過をトリガとして第2特定ランプ部109では所定の順序で発光色の切り換えが行われる。そして、上記発光色の切り換え表示が終了された際の発光色により当該当否抽選結果を報知する。
ワープ通路形成体104は、図7に示すように、前側遊技盤81を前後方向に貫通させて設けられている。また、ワープ通路形成体104は、図6に示すように、遊技領域93の上部にて左右にそれぞれ1個ずつ設けられている。ワープ通路形成体104が設けられた位置は、作動口装置101の下方であって、可変入賞装置102及び一般入賞口103の上方となっている。なお、ワープ通路形成体104の数はこれに限定されることはなく3個以上であってもよい。また、ワープ通路形成体104を上下に並設してもよい。
ワープ通路形成体104には、遊技球が通過可能なワープ通路111が内部に形成されている。そして、ワープ通路111は、前側遊技盤81の前方及び後方のそれぞれにおいて開口されている。詳細には、ワープ通路形成体104は前側遊技盤81から前方及び後方にそれぞれ突出しており、その前後の突出部位にそれぞれ開口111a,111bが形成されている。そのうち、前側開口111aは上方に向けて開口されており、後側開口111bは下方に向けて開口されている。前側開口111aがワープ通路111の入口部に相当し、後側開口111bがワープ通路111の出口部に相当している。
遊技領域93を流下しワープ通路111内に入った遊技球は、当該ワープ通路111を通って前側遊技盤81の後方(前側遊技盤81の背面側)に導出される。前側遊技盤81の後方には、上記のとおり後側遊技盤82が設けられている。
後側遊技盤82は、そのサイズが前側遊技盤81よりも小さくなっている。詳細には、後側遊技盤82の左右方向寸法は前側遊技盤81の左右方向寸法と略同一となっているが、後側遊技盤82の上下方向寸法は前側遊技盤81の上下方向寸法よりも小さくなっている。後側遊技盤82は前側遊技盤81とその上縁の高さ位置が一致するようにして設置されている。したがって、後側遊技盤82よりも前側遊技盤81が下方に延長した構成となっている。
この前側遊技盤81における下方に延長した領域の境界Lは、可変入賞装置102及び一般入賞口103が設置された位置よりも上方(詳細には、若干上方)となっている。これにより、後側遊技盤82は、前側遊技盤81における可変入賞装置102、一般入賞口103及びアウト口107が設けられた領域と前後に対向していない。よって、可変入賞装置102、一般入賞口103及びアウト口107に入った遊技球をパチンコ機10外部に排出するための排出通路を、後側遊技盤82の影響を受けずに設けることができ、かかる排出通路の設計が容易となる。特に、可変入賞装置102は扉体102aを閉鎖状態と開放状態とに切り換えるためのアクチュエータ102bを有しているため、前側遊技盤81よりも後方に突出した部位の体格が大きくなる。この場合に、上記のように後側遊技盤82が設けられていることにより、可変入賞装置102の設置を良好に行うことができる。
後側遊技盤82には、前側遊技盤81に設けられた作動口装置101との干渉をさけるために前後方向に貫通した開口部121が形成されている。すなわち、作動口装置101は、前側遊技盤81の背面構成を説明するための図8に示すように、前側遊技盤81から後方に突出させて設けられている。この場合に、両遊技盤81,82が相互に固定された状態では、この後方に突出した部位が開口部121内に入り、作動口装置101と後側遊技盤82とが干渉しないようになっている。なお、作動口装置101における後方に突出した部位には導出通路部101aが設けられており、当該導出通路部101aは後側遊技盤82を貫通している。そして、作動口装置101に入球した遊技球は導出通路部101aにより後側遊技盤82の後方に導出され、遊技球をパチンコ機10外部に排出するための排出通路内に入る。
後側遊技盤82の前面には、当該前面から前方に起立させて区画レール122が取り付けられている。後側遊技盤82の前面は区画レール122により区画され、その区画された内側領域に遊技領域123が形成されている。なお、遊技領域123は後側遊技盤82の前方に形成されていると言える。また、遊技領域123は前側遊技盤81の後方にあるため、前側遊技盤81の後方に形成されていると言える。
遊技領域123は、前側遊技盤81の前方に形成された遊技領域93と、前側遊技盤81を挟んで前後に並んでいる(以下、前側遊技盤81の前方に形成された遊技領域93を前側遊技領域93ともいい、後側遊技盤82の後方に形成された遊技領域123を後側遊技領域123ともいう)。なお、前側遊技領域93における後側遊技領域123と前後に並んだ領域は、上記境界Lよりも上側の全体の領域となっている。
後側遊技領域123は、第2分散部材としての棒状弾性体124が多数設置され、さらには入球部125が設置されて形成されている。また、これら以外にも、後側遊技領域123には、センターフレームユニット126が設置されているとともに、後側遊技盤82を前後に貫通させてアウト口127が形成されている。入球部125に入球することなく後側遊技領域123を流下し終えた遊技球は、アウト口127を介して後側遊技領域123から排出される。
後側遊技領域123に設置された棒状弾性体124、入球部125及びセンターフレームユニット126のうち、入球部125及びセンターフレームユニット126は後側遊技盤82に固定されている。一方、棒状弾性体124は前側遊技盤81に固定されているとともに、後側遊技盤82に形成された支持用穴部141に支持されている。
棒状弾性体124及び支持用穴部141について詳細に説明する。図9(a)は支持用穴部141の正面図、図9(b)は図9(a)のA―A線断面図、図9(c)は図9(a)のB―B線断面図である。なお、以下の説明では図7及び図8等も適宜参照する。また、図4の後側遊技盤82においては支持用穴部141を省略して示す。
棒状弾性体124は、ポリカーボネートやアクリル樹脂などといった無色透明の合成樹脂により形成されている。つまり、第2分散部材としての棒状弾性体124は第1分散部材としての釘94とは色彩及び材質が異なっており、両者は識別可能となっている。
棒状弾性体124は、図7に示すように、長手方向の一端部に向けて連続的に肉厚が厚くなるように形成された胴体部131を備えている。胴体部131は長さ方向に対して垂直方向の断面形状が長さ方向のいずれの位置においても円形状となっており、周面は曲面状となっている。また、胴体部131の薄肉側の端部と厚肉側の端部とをその長さ方向に投影させた場合に、薄肉側の端部は厚肉側の端部における周縁に偏倚した位置にある。胴体部131における厚肉側の端部には一対の固定用突起132,133が一体形成され、薄肉側の端部には支持用突起134が一体形成されている。
固定用突起132,133は、前側遊技盤81に形成された固定用穴部に圧入されている。これにより、前側遊技盤81から棒状弾性体124を取り外せないようになっている。支持用突起134はその長さ寸法が支持用穴部141の深さ寸法よりも短くなっており、当該支持用穴部141に挿入されている。但し、その長さ寸法は支持用穴部141の深さ寸法よりも若干短い程度となっている。
支持用穴部141は、図9(a)に示すように上部に向けて先細りするように略三角形状をなしている。支持用穴部141は、中央上部に向けて深さ寸法が大きくなるように形成されている。但し、最大深さ寸法の部位においても、支持用穴部141は後側遊技盤82を貫通していない。また、支持用穴部141の開口面積はいずれの深さ位置であっても、支持用突起134における長さ方向に対して垂直方向の断面積よりも大きくなっている。
支持用穴部141の底面142は、図9(b)に示すように、後方に向けて上り傾斜となるようにして形成されている。また、図9(c)に示すように、支持用穴部141の両側面143,144は、支持用穴部141の上部中央に向けて当該支持用穴部141が連続的に幅狭となるように、後方ほど内側に張り出させて形成されているとともに、支持用穴部141の後側においては上側ほど内側に張り出させて形成されている。
上記のように支持用穴部141が形成されていることにより、前側遊技盤81と後側遊技盤82との相互の固定に際して支持用穴部141に挿入された支持用突起134は、支持用穴部141の底面142及び両側面143,144により当該支持用穴部141の上部中央にガイドされる。この上部中央の位置が、パチンコ機10の設計段階で設定された基準位置である。この上部中央の位置において、支持用突起134は支持用穴部141の底面142により下方から支持された状態となる。また、側面143,144により左右から支持された状態となる。
ここで、既に説明したように、両遊技盤81,82の固定に際しては、それら両遊技盤81,82の相互の上下方向位置及び左右方向位置に若干の余裕がある。したがって、両遊技盤81,82を固定する際には、多数ある棒状弾性体124の全ての支持用突起134が支持用穴部141内に挿入されるように両遊技盤81,82の位置調整を行うことができる。そして、かかる位置調整さえ行えば、支持用突起134は支持用穴部141の底面142及び両側面143,144により当該支持用穴部141の上部中央にガイドされる。
前側遊技盤81に固定されるとともに後側遊技盤82に支持された棒状弾性体124は、その側面視で、上縁が後方に向けて下り傾斜となっている。そして、この下り傾斜の角度は、釘94の傾斜角度と略同一となっている。
後側遊技領域123に導入された遊技球は、多数の棒状弾性体124に当たることで任意の位置に分散されながら流下する。この場合、棒状弾性体124は、上記のとおり、前側遊技盤81に固定されており、さらに後側遊技盤82に支持されているため、遊技球が当たることによる負荷は前側遊技盤81及び後側遊技盤82にて受けられる。特に、棒状弾性体124は合成樹脂により形成されているため、金属製の釘94よりも剛性が低い。かかる事情において、上記のように棒状弾性体124への遊技球の負荷を前側遊技盤81及び後側遊技盤82の両方にて受けるようにすることで、棒状弾性体124による遊技球の分散が良好に行われる。
棒状弾性体124は、前側遊技領域93に設けられた釘94と前後に重ならないように、上下方向及び左右方向の設置位置が設定されている(上下方向については、図7参照)。これにより、パチンコ機10前方から視認した場合に、遊技球の分散が、釘94又は棒状弾性体124のいずれに当たったことによるものかを把握することができる。
入球部125は、前側遊技領域93に設けられた作動口装置101と同様に、所定数の賞品球を払い出す払出契機としての機能を有しているとともに、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選の抽選契機としての機能を有している。この点、作動口装置101を第1作動口と言うことができ、入球部125を第2作動口と言うことができる。入球部125は、後側遊技領域123の中央下部であってアウト口127の上方に設置されている。入球部125に入球した遊技球は、後側遊技盤82の後方に導出され、遊技球をパチンコ機10外部に排出するための排出通路内に入る。
センターフレームユニット126は、当該センターフレームユニット126の上部を構成する屋根フレーム151と、センターフレームユニット126の下部を構成するステージフレーム152とから構成されている。これら屋根フレーム151及びステージフレーム152は、ポリカーボネートやアクリル樹脂などといった無色透明の合成樹脂により形成されている。そして、これら各フレーム151,152が連結されることで、センターフレームユニット126は全体として枠状をなしている。
屋根フレーム151はその左右の縦枠部分が後方に開放された溝形状をなしており、後側遊技盤82に固定されることで後方への開放部分が塞がれ屋根通路が形成されている。屋根通路は、屋根フレーム151の左右上部に形成された開口を入口として上下方向に延びている。また、屋根フレーム151の縦枠部分の下端部は後方へ延出しており、後側遊技盤82に形成された貫通孔を貫通している。これら下端部はステージフレーム152に連結されており、これにより屋根通路がステージフレーム152に連通されている。
ステージフレーム152は後側遊技盤82に形成された開口を貫通させて設けられている。ステージフレーム152は、図4に示すように、前方に開放された前側ステージ部153と、後側遊技盤82の背面構成を説明するための図10に示すように、後側遊技盤82から後方に突出した後側ステージ部154とを有している。後側ステージ部154にはその左右両側にステージ通路が形成されている。このステージ通路は上記屋根通路に連通されている。また、前側ステージ部153には、ステージ通路を通過した遊技球が左右方向に転動するステージ155が形成されている。
ステージ155には、その左右方向の中央に山部が形成されており、その左右両側に谷部が形成されている。ステージフレーム152における山部の下方には誘導通路156が形成されており、山部の後部に誘導通路156への入口が形成されているとともに山部はその入口に向けて下り傾斜となっている。誘導通路156は前方に向けて下り傾斜となっており、誘導通路156に導入された遊技球は当該誘導通路156を通ってステージフレーム152の下方へ排出される。誘導通路156の出口は、入球部125の鉛直上方に位置しており、両者の間に棒状弾性体124などの障害となる部材は配設されていない。よって、誘導通路156を通過した遊技球は入球部125に入球し易くなっている。
ここで、センターフレームユニット126の屋根フレーム151は、後側遊技盤82から前方に張り出している。したがって、屋根フレーム151に区画された内側の領域に遊技球が入り込まないようになっている。この領域は、図柄表示装置160の表示画面における一部分である特定領域の前方に位置している。これにより、後側遊技領域123を流下する遊技球により特定領域における表示態様が遮られないようになっている。なお、図柄表示装置における図柄の可変表示は基本的に上記特定領域にて行われる。
また、前側遊技盤81には、図4に示すように、屋根フレーム151の前方位置であって、当該屋根フレーム151の形状に沿って複数の釘94aがアーチ状を形成するように設置されている。そして、この釘94aは隣接する釘94a間の距離が遊技球の直径未満となるように設置されている。つまり、前側遊技領域93には、上記特定領域の前方位置に、釘94aにより区画領域が形成されている(以下、この釘94aを区画釘94aともいう)。これにより、前側遊技領域93を流下する遊技球により特定領域における表示態様が遮られないようになっている。以上のように、後側遊技盤82に屋根フレーム151が設けられており、さらに前側遊技盤81に区画釘94aが設置されていることにより、図柄表示装置160の特定領域における表示態様が各遊技領域93,123を流下する遊技球により遮られないようになっている。なお、前側遊技盤81に対して、区画釘94aを設ける代わりに、フレーム状の区画体を設ける構成としてもよい。但し、この区画体は無色透明の材料により形成されていることが好ましい。
次に、上記各遊技領域93,123における遊技球の動きを説明する。
遊技球発射機構50から発射された遊技球は、内外レール部材91,92により前側遊技領域93の上部に導入され、釘94に当たることで分散されながら流下する。そのうち一部の遊技球は作動口装置101に入球する。この作動口装置101に入球した遊技球は、導出通路部101aにより後側遊技盤82の後方に導出されてから排出通路内に入る。また、前側遊技領域93を流下する遊技球のうち一部の遊技球は、可変入賞装置102や一般入賞口103に入球する。また、作動口装置101、可変入賞装置102及び一般入賞口103のいずれにも入球することなく前側遊技領域93を流下し終えた遊技球はアウト口107に入球する。可変入賞装置102、一般入賞口103及びアウト口107に入球した遊技球は、前側遊技盤81の後方から排出通路内に入る。
一方、前側遊技領域93を流下する遊技球がワープ通路111に入ることにより当該遊技球は後側遊技領域123に導入され、棒状弾性体124に当たることで分散されながら流下する。そのうち一部の遊技球は屋根フレーム151の屋根通路に入球し、その入球した遊技球はステージ155上を左右に転動した後に当該ステージ155から下方に排出される。この排出される遊技球の一部は入球部125に入球する。また、ステージ155へ導かれなかった遊技球であっても、入球部125に入球することがある。また、入球部125に入球することなく後側遊技領域123を流下し終えた遊技球はアウト口127に入球する。入球部125及びアウト口127に入球した遊技球は、後側遊技盤82の後方から排出通路内に入る。
ここで、前側遊技領域93に設けられた入球部101〜103のうち後側遊技領域123を前方に投影した領域に位置するのは作動口装置101のみであり、当該作動口装置101は前側遊技盤81だけでなく後側遊技盤82も貫通している。この場合に、ワープ通路111は作動口装置101よりも下方に配置されている。これにより、後側遊技領域123に導入された遊技球の導入位置は、作動口装置101における前側遊技盤81と後側遊技盤82との間に位置する部位もより下方となっており、上記のように作動口装置101が設けられた構成において後側遊技領域123を流下する遊技球が作動口装置101に邪魔されることはない。
以上説明した遊技盤ユニット80の後方には、上記のとおり図柄表示装置160が設置されている。図柄表示装置160は、液晶表示装置からなるが、プラズマ表示装置や有機EL表示装置などを用いてもよい。図柄表示装置160は、表示画面を有しており、当該表示画面の大きさは、後側遊技領域123よりも若干大きくなっている。そして、当該表示画面は後側遊技領域123と前後に並設されており、表示画面の前方領域に後側遊技領域123が全て含まれている。図柄表示装置160の表示画面における表示態様は、パチンコ機10前方から、透明パネル32、前側遊技盤81及び後側遊技盤82を通して視認可能となっている。
パチンコ機10には、本体枠12の背面側に、遊技を統括管理する主制御装置271、スピーカ20などを制御する音声ランプ制御装置272、図柄表示装置160を制御する表示制御装置278、遊技球の払い出しを制御する払出制御装置311、動作電源の供給や遊技球の発射を制御する電源及び発射制御装置313、払出制御装置311に制御されて遊技球の払出を実行する払出機構部352、及び中継端子板276や払出機構部接続基板381が設けられている。そこで、以下にこれらパチンコ機10の電気的構成について、図11のブロック図に基づいて説明する。図11では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置271に設けられた主制御基板271aには、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、当該CPU501により、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われる。
主制御基板271aのCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。主制御基板271aの入力側には、主制御装置271に設けられた電源監視基板271b、払出制御装置311に設けられた払出制御基板311a及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、電源監視基板271bには電源及び発射制御基板313aが接続されており、主制御基板271aには電源監視基板271bを介して電源が供給される。なお、上記以外にも、主制御基板271aの入力側には、入球部101〜103,125に設けられた遊技球の検出スイッチが接続されており、その検出スイッチからの検出結果に基づいて入球部101〜103,125に遊技球が入球したか否かがCPU501にて判断される。
一方、主制御基板271aの出力側には、電源監視基板271b、払出制御基板311aが接続されている。払出制御基板311aには、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。また、主制御基板271aの出力側には、中継端子板276が接続されている。中継端子板276を介して主制御基板271aから音声ランプ制御装置272に設けられた音声ランプ制御基板272aに対して各種コマンドなどが出力される。なお、第1特定ランプ部108に配設されたLEDランプのスイッチや第2特定ランプ部109に配設されたLEDランプのスイッチも接続されている。これにより、第1特定ランプ部108及び第2特定ランプ部109は、主制御基板271aにより直接的に制御されることとなる。
電源監視基板271bは、主制御基板271aと電源及び発射制御基板313aとを中継し、また電源及び発射制御基板313aから出力される最大電源である直流安定24ボルトの電源を監視する。
払出制御基板311aは、払出モータにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御基板311aのCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。払出制御基板311aの入力側には、主制御基板271a、電源及び発射制御基板313a、及び払出機構部接続基板381が接続されている。また、払出制御基板311aの出力側には、主制御基板271a及び払出機構部接続基板381が接続されている。かかる場合に、払出機構部接続基板381を介して払出装置358などを含む払出機構部352が接続されている。
ちなみに、入球部101〜103,125に遊技球が入球した際には、主制御基板271aから払出制御基板311aに賞球コマンドが出力され、払出制御基板311aでは当該賞球コマンドに含まれる情報に基づいて払出装置358を駆動制御し、遊技球の払い出しを実行させる。
電源及び発射制御基板313aは、電源部と発射制御部とを備えている。電源部は、二重線矢印で示す経路を通じて、主制御基板271aや払出制御基板311a等に対して各々に必要な動作電源を供給する。
発射制御部は、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従って発射ソレノイド52の発射制御を担うものであり、発射ソレノイド52は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。具体的には、発射制御部には遊技球発射ハンドル18に設けられた発射スイッチ331、タッチセンサ332及び止め打ちスイッチ333が接続されており、発射スイッチ331及びタッチセンサ332がオン、止め打ちスイッチ333がオフの状態となった場合に限って発射許可信号を主制御基板271a(電源監視基板271bを介して)に出力する。主制御基板271aは、当該発射許可信号の入力に基づいて所定周期の発射制御信号を発射制御部(電源監視基板271bを介して)に出力する。これにより、発射制御部は、発射制御信号の入力周期に従って発射ソレノイド52を駆動する。この場合に、遊技球発射ハンドル18にはハンドル操作量を判定するためのダイヤル可変抵抗器が設けられており、発射制御部はダイヤル可変抵抗器における抵抗値の変化に基づいて発射ソレノイド52による打ち出し速度を決定する。
音声ランプ制御基板272aは、表示制御装置278やスピーカ20などを制御するものである。音声ランプ制御基板272aは、CPU、ROM及びRAM等を備えており、CPUにはアドレスバス及びデータバスで構成されるバスラインを介して入出力ポートが接続されている。音声ランプ制御基板272aの入力側には中継端子板276に中継されて主制御基板271aが接続されており、主制御基板271aから出力される各種コマンドに基づいて、表示制御装置278やスピーカ20などを制御する。表示制御装置278は、音声ランプ制御基板272aから入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置160を制御する。
図柄表示装置160では、基本的に上記特定領域において図柄の可変表示が行われる。この場合、特定領域の周囲では背景画面などが表示されている。また、所定のリーチ演出時などに際しては、表示画面の全体でリーチ演出が表示される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
前側遊技領域93と後側遊技領域123とを前側遊技盤81を挟んで前後に並設し、それら各遊技領域93,123における遊技球の流下態様を、透明パネル32を通じてパチンコ機10前方から視認可能とした。これにより、遊技球の流下態様の多様化が図られる。当該構成において、前側遊技領域93には第1分散部材として金属製の釘94を設置するとともに、後側遊技領域123には第2分散部材として無色透明の合成樹脂により形成された棒状弾性体124を設置した。したがって、前側遊技領域93の分散部材と後側遊技領域123の分散部材とが識別可能となっている。これにより、前側遊技領域93と後側遊技領域123とが前後に並設された構成において、遊技者にとっては、遊技球がいずれの分散部材に当たって分散されているかを把握することで、当該遊技球がいずれの遊技領域93,123を流下しているかを把握することが可能となる。よって、各遊技領域93,123における遊技球の流下態様に注目させることができ、複数の遊技領域93,123を並設した効果が確実に発揮される。
また、本構成においては、前側遊技領域93の分散部材(釘94)と後側遊技領域123の分散部材(棒状弾性体124)とで弾性が異なるものとなり、各分散部材に遊技球が当たった場合の弾み方が異なるものとなる。これにより、前側遊技領域93と後側遊技領域123とが前後に並設された構成において、遊技者にとっては、遊技球が分散部材に当たった場合の弾み方を把握することで、当該遊技球がいずれの遊技領域93,123を流下しているかを把握することが可能となる。
棒状弾性体124は、前側遊技盤81に固定されているとともに、後側遊技盤82に対しては、両遊技盤81,82間の離脱に際してその離脱を阻止しない非固定状態で当接させて設置されている。これにより、棒状弾性体124に遊技球が当たった際には、その負荷は両遊技盤81,82にて受けられる。棒状弾性体124は釘94に比べ剛性が低いため、一端部が片持ち支持された構成では流下してくる遊技球の負荷が完全に受けられず、遊技球を分散する機能が好適に発揮されないおそれがある。これに対して、上記のように棒状弾性体124に遊技球が当たった際には、その負荷は両遊技盤81,82にて受けられる。よって、棒状弾性体124は遊技球が当たった際の負荷に対して確実に抗するため、遊技球を分散する機能が好適に発揮される。
また、上記のように棒状弾性体124を前側遊技盤81にのみ固定し、後側遊技盤82には固定しないようにしたことにより、前側遊技盤81と後側遊技盤82とを遊技盤ユニット80としてユニット化する際には、棒状弾性体124の固定は前側遊技盤81にのみ行うだけでよく、その作業性が良好なものとなる。
また、前側遊技盤81及び後側遊技盤82の両方に棒状弾性体124が固定された構成を想定すると、前側遊技盤81又は後側遊技盤82のメンテナンスなどに際して一方の遊技盤を他方の遊技盤から分離するためには、棒状弾性体124の固定を解除する必要が生じ、その作業は困難である。これに対して、前側遊技盤81にのみ固定されているので、前側遊技盤81又は後側遊技盤82のメンテナンスなどに際して棒状弾性体124の固定を解除する必要はなく、メンテナンスなどにおける作業性を向上させることができる。
後側遊技盤82には、棒状弾性体124の支持用突起134が挿入されるとともに、当該支持用突起134を支持する支持用穴部141を形成した。これにより、後側遊技盤82における棒状弾性体124の支持を確実なものとすることができる。
また、支持用穴部141の開口面積を、支持用突起134における長さ方向に対して垂直方向の断面積よりも大きくした。これにより、支持用突起134を支持用穴部141に挿入させる際の両者の位置合わせ作業を良好に行うことができる。この場合に、支持用穴部141には、支持用突起134に下方から当接する底面142が形成されている。これにより、支持用突起134は支持用穴部141により下方から支持され、棒状弾性体124に遊技球が上方から当たった際の負荷が確実に支持用穴部141(又は後側遊技盤82)にて受けられる。
また、支持用穴部141の底面142は支持用突起134の挿入方向に上り傾斜となっているとともに、支持用穴部141の左右側面143,144は上記挿入方向に幅狭となるように形成されている。これにより、支持用穴部141における支持用突起134の位置が、設計時における基準位置へと極力ガイドされ、支持用穴部141における支持用突起134の支持が良好に行われる。
ボルト83及びナット84により前側遊技盤81と後側遊技盤82とを固定し、両遊技盤81,82をユニット化して遊技盤ユニット80とした。これにより、パチンコ機10の製造時やメンテナンス時などにおいて両遊技盤81,82を設置する際の作業性の向上が図られる。この場合に、両遊技盤81,82に形成された貫通孔81a,82aの開口面積は、ボルト83の貫通部83aにおける長さ方向に対して垂直方向の断面積よりも若干大きくなっており、両遊技盤81,82の固定に際しては両遊技盤81,82の相互の上下方向位置及び左右方向位置に若干の余裕がある。かかる余裕がない構成を想定すると、パチンコ機10の製造段階において支持用穴部141の位置が僅かでもずれていると、当該支持用穴部141にて支持用突起134が受けられなくなる。この場合、棒状弾性体124の支持が良好に行われないだけでなく、その棒状弾性体124が障害となって前側遊技盤81と後側遊技盤82との固定が行えないおそれがある。これに対して、上記のとおり両遊技盤81,82の固定に際しては両遊技盤81,82の相互の上下方向位置及び左右方向位置に若干の余裕があるため、上記のような不都合が生じ難くなる。
また、このような固定に関する構成において、支持用穴部141の底面142及び側面143,144が上記のとおり形成されていることにより、支持用穴部141に支持用突起134を挿入させることで、当該支持用突起134は支持用穴部141における基準位置へと極力ガイドされ、支持状態は自ずと良好なものとなり得る。
釘94を前側遊技盤81の前面側に固定するとともに、棒状弾性体124を前側遊技盤81の後面側に固定した。これにより、パチンコ機10の製造段階や設計段階において、釘94と棒状弾性体124との相互の位置決めを良好に行うことができる。特に、前側遊技盤81には、前側遊技領域93から後側遊技領域123へ遊技球を導出するワープ通路形成体104が設置される。この場合に、釘94又は棒状弾性体124の少なくとも一方が前側遊技盤81に設置されていない構成を想定すると、前側遊技盤81の設置に際してその位置にずれが生じると、ワープ通路形成体104と前側遊技盤81に設置されていない側の分散部材とが干渉してしまうおそれがある。また、ワープ通路111の開口をその分散部材により塞いでしまうおそれがある。これに対して、上記のとおり前側遊技盤81に釘94と棒状弾性体124との両方が固定されていることにより、前側遊技盤81に対して、釘94、棒状弾性体124及びワープ通路形成体104が一体的なものとなっているため、上記のような不都合が生じることはない。
前側遊技領域93及び後側遊技領域123のいずれにも、遊技者への特典の付与に関わる入球部101〜103,125を設けた。これにより、遊技者にとっては、前側遊技領域93及び後側遊技領域123のいずれにおいても特典を得る機会が与えられている。前側遊技領域93又は後側遊技領域123のいずれか一方にのみ遊技者への特典の付与に関わる入球部が設けられた構成においては、遊技領域を複数並設したにも関わらず、遊技者の注目が入球部が設けられた側の遊技領域に偏ってしまうおそれがあり、この場合、遊技領域を並設した効果が十分に発揮されない。これに対して、本構成によれば、前側遊技領域93及び後側遊技領域123のいずれに対しても遊技者の注目度が高められ、遊技領域93,123を並設した効果が確実に発揮される。
前側遊技領域93に設けられた入球部101〜103を、後側遊技領域123における遊技球が流下する領域の前方領域に含まれない位置に設置した。これにより、入球部101〜103に入球した遊技球の排出通路により、後側遊技領域123における遊技球の流下が邪魔されてしまうことが防止される。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)遊技盤ユニットの変形例を、図12を用いて説明する。図12は遊技盤ユニット170の縦断面の構成を説明するための略図である。
図12に示すように、遊技盤ユニット170は、上記実施形態における遊技盤ユニット80と同様に、前側遊技盤171と後側遊技盤172とを備えている。そして、前側遊技盤171の前方に前側遊技領域が形成されているとともに、前側遊技盤171の後方に後側遊技領域が形成されている。但し、本遊技盤ユニット170では、前側遊技領域に上記実施形態における第2分散部材としての棒状弾性体124が設置されているとともに、後側遊技領域に上記実施形態における第1分散部材としての釘94が設置されている。この場合に、棒状弾性体124は透明パネル32に固定されているとともに、前側遊技盤171に支持されている。また、釘94は後側遊技盤172に固定されている。本構成であっても、遊技球の流下態様の多様化が図られる。さらには各遊技領域の分散部材が相互に識別可能となっているため、上記実施形態と同様に各遊技領域における遊技球の流下態様に注目させることができ、複数の遊技領域を並設した効果が確実に発揮される。なお、本構成では、前側遊技盤171は透明パネル32に固定され、後側遊技盤172は前側遊技盤171に固定されず、本体枠12に固定されている。
(2)上記(1)の構成において、棒状弾性体124を透明パネル32に固定するのではなく、前側遊技盤171に固定するようにしてもよい。また、透明パネル32と前側遊技盤171との間に無色透明の合成樹脂により形成された板を介在させ、当該板と前側遊技盤171とにより棒状弾性体124を支持する構成としてもよい。
(3)棒状弾性体の変形例を、図13を用いて説明する。図13は棒状弾性体181を説明するための略図である。
棒状弾性体181は、上記実施形態における棒状弾性体124とその形態が異なっている。詳細には、棒状弾性体181の胴体部182は、長手方向の一端部に向けて連続的に肉厚が厚くなっているのではなく、基本的に肉厚が同一の略円柱状となっている。但し、その両端は中央側に比べ肉厚となっている。そして、一方の端部に一対の固定用突起183,184が形成されている。棒状弾性体181は、前側遊技盤81に形成された固定用穴に固定用突起183,184を圧入することで固定されている。この場合に、棒状弾性体181は、パチンコ機10前方に向けて上り傾斜となるようにして固定されている。
棒状弾性体181は、上記実施形態と異なり、支持用突起を有しておらず、後側遊技盤82に支持されていない。但し、棒状弾性体181における後側遊技盤82側の端部185は、当該後側遊技盤82の表面から離間された位置にある。そして、この端部185の位置は、図13の二点鎖線で示すように、遊技球が棒状弾性体181に当たった際に、端部185が後側遊技盤82に当接する位置となっている。これにより、棒状弾性体181への遊技球が当たることによる負荷は、前側遊技盤81及び後側遊技盤82にて受けられる。本構成によれば、棒状弾性体181に支持用突起を形成することなく、さらに後側遊技盤82に支持用穴部を形成することなく、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらには、前側遊技盤81と後側遊技盤82との固定に際して、上記実施形態のような支持用突起と支持用穴部との位置合わせ作業が必要なくなるため、かかる固定作業の容易化が図られる。
ちなみに、棒状弾性体181の両端の厚肉部は、流下する遊技球が当たらないように形成されている。すなわち、図13に示すように、厚肉部は、その先端側に向けての傾斜が遊技球の曲率よりも大きくなるように形成されている。これにより、上記のように厚肉部を形成した構成において、棒状弾性体181において遊技球が当たる部位は厚肉部よりも中央側となり、棒状弾性体181における遊技球の分散の態様を、従来の釘における遊技球の分散の態様に似せることが可能となる。
(4)上記(3)の構成において、棒状弾性体181の上記端部185を当該棒状弾性体181の自然状態で後側遊技盤82の板面に当接させる構成としてもよい。この場合、図13において二点鎖線で示す状態が棒状弾性体181の自然状態となる。当該構成であっても、上記(3)における構成と同様の効果を得ることができる。
(5)上記実施形態では、第1分散部材を金属製の釘94とし、第2分散部材を棒状弾性体124とすることで、両分散部材を識別可能としたが、第1分散部材と第2分散部材とを共に金属製の釘としてもよい。但し、この場合、両分散部材が識別可能なように、一方の釘の周面や頭部に色彩を付してもよい。また、両方の釘の周面や頭部に色彩を付すとともに、その付す色彩を第1分散部材の釘と第2分散部材の釘とで異ならせてもよい。また、両分散部材が識別可能なように、一方の釘の周面や頭部に模様を付してもよい。また、両方の釘の周面や頭部に模様を付すとともに、その付す模様を第1分散部材の釘と第2分散部材の釘とで異ならせてもよい。
(6)さらには、第1分散部材と第2分散部材とを共に合成樹脂製の棒状弾性体としてもよい。但し、この場合、両分散部材が識別可能なように、一方の棒状弾性体を着色した合成樹脂により形成してもよい。また、両方の棒状弾性体を着色した合成樹脂により形成するとともに、その色彩を第1分散部材の棒状弾性体と第2分散部材の棒状弾性体とで異ならせてもよい。また、両方の棒状弾性体を同一色とする一方、それらの形状又は大きさを異ならせてもよい。また、両方の棒状弾性体に異なる模様を付してもよい。
上記(5)及び(6)の構成であっても、第1分散部材と第2分散部材とを相互に識別可能なものとすることができる。これにより、複数の遊技領域93,123が前後に並設された構成において、遊技者にとっては、遊技球がいずれの分散部材に当たって分散されているかを把握することで、当該遊技球がいずれの遊技領域93,123を流下しているかを把握することが可能となる。よって、各遊技領域93,123における遊技球の流下態様に注目させることができる。
(7)上記実施形態では、前側遊技盤81を無色透明な材料により形成したが、有色透明な材料により形成してもよい。但し、その透明性は、前側遊技盤81を通じて後側遊技領域123が視認可能な程度である必要がある。また、本構成においては、前側遊技領域93に設けられる第1分散部材と後側遊技領域123に設けられる第2分散部材とを、同一の形態としたとしても、両分散部材は識別可能となる。パチンコ機10前方から視認した場合、第2分散部材は前側遊技盤81の色彩が反映された状態で視認されるからである。
(8)上記実施形態では、遊技盤ユニット80は2つの遊技盤81,82を備える構成としたが、遊技盤を3個以上備える構成としてもよい。この場合、前後に並設される遊技領域の数が上記実施形態よりも多くなり、遊技球の流下態様のさらなる多様化が図られる。当該構成においては、複数の遊技領域における任意の一対の遊技領域に対して本発明を適用してもよく、全ての遊技領域に対して本発明を適用してもよい。
(9)上記実施形態では、前側遊技盤81のサイズを後側遊技盤82のサイズよりも大きくしたが、これに代えて、後側遊技盤82のサイズを前側遊技盤81のサイズよりも大きくしてもよい。また、前側遊技盤81及び後側遊技盤82の両サイズを同一又は略同一としてもよい。
(10)後側遊技盤82のサイズを上記実施形態よりも小さくしてもよい。この場合、前側遊技盤81を無色透明な材料により形成するのではなく、後側遊技盤82の前方領域に含まれる一部のみを無色透明な材料により形成し、他の部位を有色不透明な材料により形成してもよい。また、前側遊技盤81を無色透明な材料により形成しつつ、後側遊技盤82の前方領域に含まれる一部以外に対しては、板面に有色のシートを貼り付ける構成としてもよい。
(11)上記実施形態において、前側遊技領域93と後側遊技領域123とに、釘94及び棒状弾性体124以外に、両遊技領域93,123に共通の分散部材を設置してもよい。当該構成であっても、依然として前側遊技領域93には釘94が設置され、後側遊技領域123には棒状弾性体124が設置されているため、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。但し、本構成においては一部の分散部材が両遊技領域93,123で共通しているため、各遊技領域93,123の遊技球の流下態様を確実に把握させるという点では上記実施形態の方が好ましい。
(12)上記実施形態では両遊技領域93,123に、遊技者への特典の付与に関わる入球部を設置したが、これを変更してもよい。例えば、前側遊技領域93にのみ入球部を設置し、後側遊技領域123には入球部を設置しない構成としてもよく、後側遊技領域123にのみ入球部を設置し、前側遊技領域93には入球部を設置しない構成としてもよい。これらの構成であっても、遊技球の流下態様の多様化は図られるとともに、各遊技領域93,123の分散部材が相互に識別可能となっているため各遊技領域93,123における遊技球の流下態様に注目させることができる。
(13)上記実施形態では、少なくとも後側遊技領域123の全域と重なる程度の表示画面を有する図柄表示装置160を遊技盤ユニット80の後方に設置し、その表示態様を前側遊技盤81及び後側遊技盤82を通じてパチンコ機10前方から視認可能としたが、かかる図柄表示装置160の構成を変更してもよい。例えば、後側遊技盤82においてセンターフレームユニット126により区画された内側領域に開口部を設け、当該開口部が表示画面の周縁部分と前後に重なるように図柄表示装置160を設ける構成としてもよい。本構成の場合、後側遊技盤82を透明性を有する材料により形成する必要はない。
(14)上記実施形態では、第1,第2特定ランプ部108,109を設ける構成としたが、これらを設けずともよい。また、第1,第2特定ランプ部108,109を設ける構成においては、その配置位置は上記実施形態における位置に限定されることはなく任意である。
(15)上記実施形態では、主制御基板271aからのコマンドに基づいて音声ランプ制御基板272aが表示制御装置278を制御する構成としたが、これに代えて、主制御基板271aからのコマンドに基づいて表示制御装置278が音声ランプ制御基板272aを制御する構成としてもよい。また、表示制御装置278と音声ランプ制御基板272aとを別々に設けるのではなく、これら両基板の機能を一の基板に設けてもよい。この場合、かかる基板が主制御基板271aからのコマンドに基づいて、図柄表示装置160を制御することとなる。
(16)上記実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の他の遊技機にも適用できる。
10…遊技機としてのパチンコ機、18…操作手段としての遊技球発射ハンドル、32…窓パネル部としての透明パネル、50…遊技球発射機構、80…遊技盤ユニット、81…透明板部としての前側遊技盤、82…対向板部としての後側遊技盤、83…固定手段を構成するボルト、84…固定手段を構成するナット、91…内レール部材、92…外レール部材、93…前側遊技領域、94…釘、101…作動口装置、102…可変入賞装置、103…一般入賞口、111…ワープ通路、123…後側遊技領域、124…樹脂製分散部材としての棒状弾性体、125…入球部、134…支持用突起、141…支持用穴部、142…下側当接面としての底面、143,144…側面、170…遊技盤ユニット、171…透明板部としての前側遊技盤、172…後側遊技盤、181…樹脂製分散部材としての棒状弾性体、185…端部。