JP2005342427A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 遊技球が流下する遊技領域を複数積層させて遊技球の運動形態を複雑化させ、その遊技の興趣を飛躍的に高めることのできる遊技機を提供する。
【解決手段】 遊技機本体の前面に覆設された透明保護板14aに間隔を有して配設されその前側に遊技球が流下する前側遊技領域を形成してその一部又は全部が透明部材により形成された透明遊技盤14の後面に配設されその演出表示可能領域上に所定の画像を演出表示させる表示手段32と、透明遊技盤14の前側遊技領域F及び後側遊技領域Kの互いに重ならない位置に遊技球と干渉する前側遊技球干渉部と後側遊技球干渉部とを設けて、視認性の良好な遊技機10とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 遊技機本体の前面に覆設された透明保護板14aに間隔を有して配設されその前側に遊技球が流下する前側遊技領域を形成してその一部又は全部が透明部材により形成された透明遊技盤14の後面に配設されその演出表示可能領域上に所定の画像を演出表示させる表示手段32と、透明遊技盤14の前側遊技領域F及び後側遊技領域Kの互いに重ならない位置に遊技球と干渉する前側遊技球干渉部と後側遊技球干渉部とを設けて、視認性の良好な遊技機10とする。
【選択図】 図2
Description
本発明はその正面側から見て裏側の少なくとも一部が透視可能な遊技盤を備えたパチンコ機などの遊技機に関するものである。
従来の遊技機には、複数の釘が植設された透明な遊技盤を備える遊技機がある。例えば、特許文献1には遊技に必要な各種装置と共に電飾装置を配置した遊技盤を備えた弾球遊技機において、遊技盤は光透過性を有する合成樹脂で形成され、ランプなどの電飾装置を前記遊技盤の裏側に配置して、遊技盤に電飾のための開口部を設ける必要がなく、遊技面の設計上の制約を少なくできるようにしたものが開示されている。
特開平10−179854号公報
しかしながら、前記特許文献1に代表されるような従来の遊技機では、透明遊技盤の裏側には電飾部材が設けられているのみでありその遊技領域を広げるものでもなく、遊技球が遊技盤の表面側のみを流下するように構成されているため、遊技球の流下態様が単調であり、遊技の興趣の向上をあまり望めなかった。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、遊技球が流下する遊技領域を複数積層配置させて遊技球の運動形態を複雑化させ、その遊技の興趣を飛躍的に高めることのできる遊技機を提供することを目的とする。
(1)本発明の遊技機は、一部又は全部が透明部材により形成されて背後が透視可能な透明遊技盤の前面側に遊技球を上部側から下部側へ流下案内する前側遊技領域を設けるとともに前記透明遊技盤の後面側に後側遊技領域を設けた遊技機であって、前記透明遊技盤の前面側に設けられ前記遊技球の入賞を容易にする前側役物と、前記透明遊技盤の後面側に設けられた前記遊技球の入賞を容易にする後側役物とを備え、前記前側役物と前記後側役物とは互いに重ならない位置に設けられていることを特徴とする。
(2)本発明の遊技機は、前記(1)において、前記透明遊技盤を通して視認されるように当該透明遊技盤の背面側に配設され、前記透明遊技盤の一部又は全部に演出表示可能領域を形成する表示手段を備えることにも特徴を有している。
(3)本発明の遊技機は、前記(1)又は(2)(2)おいて、前記透明遊技盤の背面側に背面側遊技盤が設けられ、前記透明遊技盤と前記背面側遊技盤との間に前記後側遊技領域が形成されていることにも特徴を有する。
(4)本発明の遊技機は、前記(3)において、前記背面側遊技盤はその一部又は全部が透明材料で構成されその背面側が透視可能に形成されていることにも特徴を有する。
(5)本発明の遊技機は、前記(1)〜(4)(2)おいて、前記前側役物及び前記後側役物の動作状態をそれぞれ検知する検知センサと、当該検知センサによって検知された役物の種類に応じて前記表示手段に所定の演出表示を行わせる画像演出制御部と、を備えたことにも特徴を有している。
(2)本発明の遊技機は、前記(1)において、前記透明遊技盤を通して視認されるように当該透明遊技盤の背面側に配設され、前記透明遊技盤の一部又は全部に演出表示可能領域を形成する表示手段を備えることにも特徴を有している。
(3)本発明の遊技機は、前記(1)又は(2)(2)おいて、前記透明遊技盤の背面側に背面側遊技盤が設けられ、前記透明遊技盤と前記背面側遊技盤との間に前記後側遊技領域が形成されていることにも特徴を有する。
(4)本発明の遊技機は、前記(3)において、前記背面側遊技盤はその一部又は全部が透明材料で構成されその背面側が透視可能に形成されていることにも特徴を有する。
(5)本発明の遊技機は、前記(1)〜(4)(2)おいて、前記前側役物及び前記後側役物の動作状態をそれぞれ検知する検知センサと、当該検知センサによって検知された役物の種類に応じて前記表示手段に所定の演出表示を行わせる画像演出制御部と、を備えたことにも特徴を有している。
本発明の遊技機によれば、一部又は全部が透明部材により形成されて背後が透視可能な透明遊技盤の前面側に前側遊技領域を設けるとともに前記透明遊技盤の後面側に後側遊技領域を設けて、前記透明遊技盤の前面側に設けられた前側役物と、前記透明遊技盤の後面側に設けられた後側役物とを備え、前記前側役物と後側役物とは互いに重ならない位置に設けられて構成されているので、遊技球が流下する遊技領域を積層させ各遊技領域に遊技球を流下させることによって遊技球の運動形態を複雑化させるとともに、透明遊技盤の前側及び後側の互いに重ならない位置に役物を配置して流下する遊技球の動きを良好に視認することができ、その遊技の興趣を飛躍的に高めることができる。
本実施形態に係る遊技機は遊技球をその遊技盤に発射するパチンコ機や、パチスロ機などであって、遊技機本体の前面に覆設されたガラス板やアクリル板などの透明保護板に遊技球が流下可能な所定の間隔を有して配設されその前側に遊技球が流下する前側遊技領域を形成する合成樹脂などの透明部材からなる透明遊技盤と、前記透明遊技盤の前側遊技領域及び後側遊技領域の互いに重ならない位置に設けられ遊技球の入賞を容易にするための可動片などを備えた前側役物及び後側役物とを有する。これによって、遊技球が流下する遊技領域を積層させ各遊技領域に遊技球を流下させることができるので、遊技球の運動形態を複雑化させ、その遊技の興趣を飛躍的に高めることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、前記透明遊技盤を通して視認されるように当該透明遊技盤の背面側に配設され、前記透明遊技盤の一部又は全部に演出表示可能領域を形成するための液晶パネルなどの表示手段を備えるようにすることもでき、これによって、それぞれの遊技領域を流下する遊技球の動きに対応した演出画像を表示させることが可能となる。また、複数の遊技盤の背後に配置され前方から視認される表示手段を用いて、それぞれの遊技領域を流下する遊技球の動きに対応した演出画像を表示させることもでき、遊技における演出の多様性を拡大させることができる。
さらに、本実施形態に係る遊技機は、前記透明遊技盤の背面側に背面側遊技盤を設けて、前記透明遊技盤と前記背面側遊技盤との間に前記後側遊技領域を形成することもできるので、これによって、遊技盤におけるその積層構造の形成を容易にすることができる。また、表示手段を背面側遊技盤のさらに背面側に設けた場合には、後側遊技領域を流下する遊技球によって表示手段が磨耗したり損傷したりするのを防止して耐久性を高めることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、前記背面側遊技盤の一部又は全部を透明材料で構成してその背面側が透視可能に形成することができるので、背面側遊技盤の背後に表示手段を設けることによって、遊技者は表示手段の演出表示可能領域上に表示される画像を視認して、その演出を楽しむことができる。
さらに、本実施の形態の遊技機は、前記前側役物及び前記後側役物などの動作状態をそれぞれ検知する役物検知センサなどの検知センサと、当該検知センサによって検知されたことに基づいて前記表示手段に所定の演出表示を行わせる画像演出制御部とを備え、前記画像演出制御部は、前記表示手段における前記役物検知センサによって検知された役物の種類に応じて前記表示手段に所定の演出表示を行わせることもできる。これによって、遊技球と接触する前記前側役物及び前記後側役物などの遊技球干渉部の動作状態をそれぞれ検知する磁気センサや光学式センサなどの検知センサなどから取得される検知信号に基づいて動作状態にある前記役物などの遊技球干渉部に対応して前記表示手段の演出表示可能領域上に点滅表示やアニメ表示などの所定の演出表示を行わせ、前側遊技領域側又は後側遊技領域側のいずれかの遊技球干渉部が動作したのかを遊技者に分かりやすく表示して、前側遊技領域と後側遊技領域とで行き来する遊技球の動きに伴ってその演出表示を的確かつ効果的に行うことができる。
透明遊技盤及び背面側遊技盤は、その一部又は全部が無色透明のアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂又はポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂製の透明部材で構成され、その前側面と透明保護板との間に遊技球が流下する前側遊技領域を形成する。なお、背面側遊技盤はその背後に表示手段を設けない場合などは、透明とする必要はなく、不透明性の材料を適用することができる。透明遊技盤の表面側及び裏面側には流下する遊技球を散乱させるための障害釘や回転する風車状部材や入賞を容易にする役物、その他の入賞口、シャッタなどの遊技球干渉部が複数植設されている。なお、透明遊技盤の表面側と裏面側とを貫通して遊技球が通過する遊技球通過部を透明遊技盤の所定位置に必要に応じて複数又は単数設けることができる。
表示手段は、液晶パネルやCRT、プラズマディスプレイ、ELなどからなり、透明遊技盤の背後に遊技球を排出するための所定間隔を有して配置され、その演出表示可能領域内の所定位置にアニメなどの画像を演出表示させることできるとともに、その略中央位置などにパチンコ遊技機における可変表示ゲームなどを表示させることもできる。この表示手段の演出表示可能領域に表示された画像は、透明遊技盤及び、透明保護板を介して、遊技者に視認されるようになっている。なお、演出表示可能領域の画像は、遊技機の全体の動作を制御する制御部にロードされた遊技プログラムによって、所定のパターンが選択されて表示される。表示手段は、制御部を介して演出表示可能領域の所定位置に複数の表示領域を設定でき、各遊技盤上の遊技球可動域及び遊技球非可動域を含む背面全域をほぼカバーするように配置することができる。また、その大きさや形状などが異なったり、あるいは同形となったりする複数の液晶パネルを各透明遊技盤の背後の所定位置にその前面側から視認されるように配置して、各液晶パネルをそれぞれ個別の表示領域に対応させることもできる。なお、透明遊技盤を介して表示領域が視認できれば、透明遊技盤の一部に重合するように液晶パネルを設けるようにしてもよい。また、液晶パネルを備えなくてもよい。
遊技球干渉部(後側遊技球干渉部及び前側遊技球干渉部)は、遊技球の入球口を拡縮する可動片を備えこれによって遊技球の入賞を容易にするための役物や、始動口に付設した可動片、大入賞口を開閉するシャッタ、障害釘などが含まれ、透明遊技盤の表面側及び/又はその裏面側に植設されて、前側遊技領域及び後側遊技領域のそれぞれに配置される。特に、前記前側役物と後側役物とはこれらがその表裏側に配置される透明遊技盤を正面視したときに互いに重ならない位置に設けられ、それぞれの役物などに遊技球が入球する様子などを視認し易くしている。
検知センサは役物などの可動部材などの動作を検出するもので、例えばリミットスイッチ用いた機械接触式のものや、発光ダイオードなどを光源としてこれを受光素子で検知する光検知式、可動部材の磁気を検知する磁気検知式などのものを適用することができる。
画像演出制御部は、前側役物や後側役物などの前側及び後側遊技球干渉部の動作状態をそれぞれ前記検知センサを介して検知して、動作状態にある役物などの遊技球干渉部に対応する表示手段の演出表示可能領域上に所定の演出表示を行わせるものであって、遊技機の全体の動作を制御するコンピュータなどの制御部にその機能が担われている。このような役物検知センサなどの検知センサを備えた画像演出制御部によって、前側遊技領域側又は後側遊技領域側のいずれかの役物が動作したのかを遊技者に的確に報知させることができる。
実施の形態に係る遊技機は以上説明したように、前側遊技領域が形成される透明遊技盤と、互いに重ならないように配置された前側遊技球干渉部及び後側遊技球干渉部を有しており、積層された各遊技領域に遊技球を流下させることができるので、遊技球の運動形態を複雑化させるとともに流下する遊技球の視認性を良好にして、その遊技の興趣を飛躍的に高めることができる。さらに、その前側に後側遊技領域を形成してその演出表示可能領域上に所定の画像を演出表示させる表示手段を画像演出制御部を介して制御して、それぞれの遊技領域を流下して遊技球干渉部に接触する遊技球の動きに対応した強調演出画像を表示手段に表示させることもでき、遊技における演出の多様性を拡大させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいてより具体的に説明する。
(パチンコ遊技機の構成)
図1は本実施形態に係る遊技機の一例であるパチンコ遊技機の斜視図であり、図2は同パチンコ遊技機における透明遊技盤周りの分解斜視図であり、図3は同パチンコ遊技機の遊技盤構成を示す拡大断面図である。
(パチンコ遊技機の構成)
図1は本実施形態に係る遊技機の一例であるパチンコ遊技機の斜視図であり、図2は同パチンコ遊技機における透明遊技盤周りの分解斜視図であり、図3は同パチンコ遊技機の遊技盤構成を示す拡大断面図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、遊技場に設けられる図示しない遊技機設置基台(遊技島)に当該パチンコ遊技機10を固定するための外枠11と、同外枠11内に配設された本体枠12と、同本体枠12に着脱自在に取付けられた後述する透明遊技盤14及びその他図示しない各種部品と、前記本体枠12に一側が枢着されて開閉自在とした前枠16と、さらに前記透明遊技盤14を通して視認されるように当該透明遊技盤14の背面側に位置して前記本体枠12の裏側に着脱自在に取付けられた表示手段としての液晶表示装置32とを備えている。
図2及び図3に示すように遊技機10は、その前部に覆設される透明保護板14a、その一部又は全部が透明部材で形成された透明遊技盤14を有して構成される。この透明遊技盤14が、液晶表示装置32の演出表示可能領域Aを透視できるようにその前側に配置されている。透明保護板14aはガラス板などからなり、透明遊技盤14の前側に所定間隔を有して覆設されて、透明遊技盤14との間に遊技球が流下する前側遊技領域Fが形成される。また、透明遊技盤14と表示手段としての液晶表示装置32との間には後側遊技領域Kが形成されて、遊技球が流下されるようになっている。なお、透明遊技盤14上には遊技球が入球される可動片を有した入賞口などの役物14dや障害釘14eなどの前側遊技球干渉部及び後側遊技球干渉部が複数配列されるとともに、前側遊技領域F及び後側遊技領域Kを連結して遊技球を通過させるための遊技球通過部14fが透明遊技盤14上の所定箇所に形成されている。
なお、発射ハンドルを遊技者が操作して射出された遊技球は、前側遊技領域F又は後側遊技領域Kのいずれかに導入され、障害釘14eや役物14dなどの遊技球干渉部と干渉しながら流下する過程で遊技球通過部14fを通って各領域間を行き来できるようにしている。すなわち、本実施例においては、前側遊技領域Fに設けられた役物に遊技球が入賞すると、遊技球は役物の背後から後側遊技領域Kへ誘導され、後側遊技領域Kに設けられた役物に入賞すると前側遊技領域Fへ誘導されるようにしている。遊技球干渉部である役物14dにはその動きを検知するための図示しない磁気センサや、光センサなどの役物検知センサ(検知センサ)が設けられていて、この役物検知センサからの動作信号が制御部の画像演出制御部に送られ、動作中の役物14dの周囲などを効果的に発光、点滅させるなどの所定のパターンで演出表示される。その入球口を拡縮して可動する可動部材を有した役物14dは、その一部又は全部が透明部材で形成された透明遊技盤14の表裏面上に設けられ、これら役物14dの位置が透明遊技盤14の前後で重ならないように配置して、遊技者側からみて役物14dの動きがそれぞれ識別できるようにしている。
ここで、図4は本実施形態に係るパチンコ遊技機10の変容例を示す分解説明図であり、図5はその要部拡大断面図である。図示するように変容例の透明遊技盤14'はその前部に覆設された透明保護板14aと、その一部又は全部が透明部材で形成されて前側に配置される透明遊技盤14bと、その背面側に配置される背面側遊技盤14cとを備え、それぞれが遊技球が流下可能な所定間隔を有して順に配列される。この透明遊技盤14'が、液晶表示装置32の演出表示可能領域Aを透視できるようにその前側に配置されている。透明保護板14aはガラス板などからなり、透明遊技盤14bの前側に所定間隔を有して覆設されて、透明遊技盤14bとの間に遊技球が流下する前側遊技領域Fが形成される。また、透明遊技盤14bと背面側遊技盤14cとの間には後側遊技領域Kが形成されて、遊技球が流下されるようになっている。なお、各透明遊技盤14b、14c上には役物14dや障害釘14eが複数配列されるとともに、前側遊技領域F及び後側遊技領域Kを連結して遊技球を通過させるための遊技球通過部14fが透明遊技盤14b上の所定箇所に形成されている。役物14dは、その一部又は全部が透明部材で形成された透明遊技盤14bと背面側遊技盤14cの両盤面上に設けられ、これら役物14dの位置が透明遊技盤14bと背面側遊技盤14cとで重ならないように配置して、遊技者側からみて役物14dの動きがそれぞれ識別できるようにしている。なお、本実施例においては、後側遊技領域に設けられた役物に遊技球が入賞すると遊技球はそのまま鉛直方向へ落下して、再度後側遊技領域へ放出されるようにしているが、これらの形態のものに限定されるものではない。
以下の図6及び図7においては、透明遊技盤14b及び背面側遊技盤14cの2層構造の透明遊技盤14'を備えたパチンコ遊技機10を例としてその表示形態を説明する。なお、単層構造の透明遊技盤14を備えた本実施形態のパチンコ遊技機についても、その透明遊技盤14の裏面側における遊技球干渉部などの配置構成を変容例における背面側遊技盤14cの表裏を反転させたものとみなすことにより同様に説明することができる。
図6は本実施形態のパチンコ遊技機の表示状態を示す模式図であり、図6(a)〜(c)はそれぞれ透明遊技盤14bの盤面、背面側遊技盤14cの盤面、液晶表示装置32の演出表示可能領域Aの状態を示している。図6(a)及び図6(b)に示されるように各遊技盤上の遊技球干渉部はそれぞれ透明遊技盤14bと背面側遊技盤14cとで正面視したその位置が互いに重ならないように配置している。図6(c)は液晶表示装置32の演出表示可能領域Aを示しており、所定の演出画像が表示されている。なお、パチンコ遊技機10の制御部のメモリには各遊技盤上の遊技球干渉部や入賞口などの配置パターンが予め記憶されていて、役物検知センサからの信号に基づいて、所定位置の遊技球干渉部周囲などに所定の演出画像を表示可能にしている。
図7は透明保護板14a、透明遊技盤14b、背面側遊技盤14cを介してパチンコ遊技機10の前面側から透視される液晶表示装置32における演出表示可能領域Aの表示状態を示す模式図である。図7(a)〜(c)に示すように、前面側からは透明遊技盤14bの盤面上に配置された3個の前側遊技球干渉部a〜cと、背面側遊技盤14cの盤面上に配置された3個の後側遊技球干渉部d〜eが視認されている。なお、図6及び図7に示した各遊技球干渉部はその配置構成を模式的に示したものであって、図示するような風車状のものに限定されるものではなく、遊技球の入賞を容易にする役物や遊技球と接触してその運動方向を変化させるような風車状の物、その他の入賞口、シャッタなどを含む遊技球干渉部に対して以下に示すような演出方法を適用することができる。ここで、図7(b)は背面側遊技盤14cに配置された後側遊技球干渉部fに遊技球が接触して動作したのを役物検知センサで検知して、演出表示可能領域Aの該当位置の周囲を発光させている様子を示している。また、図7(c)は透明遊技盤14bに配置された前側遊技球干渉部aに遊技球が接触して動作したのを役物検知センサで検知して、演出表示可能領域Aの該当位置の周囲を後部透明遊技盤14cの場合とは異なる発光パターンや発光色などで表示させている様子を示している。
表示手段となる液晶表示装置32は、透明遊技盤14、14'の全部又は一部に背面側から重なるように配設されていればよい。本実施例においては、液晶表示装置32を透明遊技盤14、14'の略全体に重なるように配設している。すなわち、透明遊技盤14、14'上に形成される遊技球可動域15aと遊技球非可動域15bとに重なるように配設している。
このように、液晶表示装置32を、透明遊技盤14、14'の略全体に重なるように配設して透明遊技盤14、14'から透視可能とすることにより、透明遊技盤14、14'上の遊技球可動域15aと遊技球非可動域15bとを含むように演出表示可能領域Aが略矩形状の表示領域を有して形成されることになる。
そして、パチンコ遊技機10の動作を管理する制御部に従属する画像演出制御部を介して、遊技球と接触する前記前側遊技球干渉部及び前記後側遊技球干渉部の動作状態をそれぞれ検知する役物検知センサから取得される検知信号に基づいて動作状態にある遊技球干渉部の周囲に対応する演出表示可能領域A上に所定の演出表示を行わせる。
なお、この制御部によって演出表示可能領域A内の遊技球可動域15aに対応する略中央位置に中央表示領域Bを設定し、その周辺となる遊技球非可動域15bに対応する左下隅などに周辺表示領域を単数又は複数配置して、それぞれの領域内で識別情報を変動表示させたり、演出画像などを表示させたりできるようになっている。なお、周辺表示領域は、所定数、例えば遊技球可動域15aの周囲の遊技球非可動域15b上を例えば時計回りなどに移動させながら演出表示させることもできる。また、演出表示可能領域A上の各部分に表示される個別の表示可能領域は、それぞれの形状や配列、大きさなどの配置構成を遊技の形態に応じて任意に設定することができる。周辺表示領域の数としては、所定のラウンド数分、例えばトータルラウンド数の15に合わせた数となるように遊技球非可動域15b上に分割したり、あるいは演出表示可能領域A内の任意の区画された領域に分散させたりした状態で設定してもよい。
こうして、透明遊技盤14の中央に位置する中央表示領域B内に後述する可変表示ゲームにおける複数の識別情報群を可変表示させる。そして、この周辺表示領域に識別情報群の可変表示を移行させるとともに、この周辺表示領域に遊技毎のラウンド標識やその遊技情報を含む静止画像や動画像などを順次表示させるようにしてもよい。なお、可変表示ゲームに関する演出画像や背景画像は演出表示可能領域Aの任意の位置に表示することができる。この演出表示可能領域Aには、普通図柄ゲームにおける普通図柄についても各個別の表示領域の分割表示状態などに限定されることなく表示させることもできる。
前記本体枠12の上部にはスピーカ46R,46Lが取付けられるとともに、下部右側には発射ハンドル26が取付けられている。すなわち、本パチンコ遊技機10で遊技を行う遊技者は、前記発射ハンドル26等の操作ができるように当該パチンコ遊技機10の前方側に位置することとなり、前記透明遊技盤14と対向状態となる。また、発射ハンドル26の裏側には、ソレノイドなどからなる弾球装置を備える発射装置130(図8を参照)が設けられ、さらに、この発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられており、このタッチセンサが触接されたときに、発射ハンドル26が遊技者により握持されたと検知される。そして、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射装置130に電力が供給されて遊技球が透明遊技盤14に順次発射される。なお、発射ハンドル26に設けられるタッチセンサは、遊技者が発射ハンドル26を握持したと判別できるものであればよく、光学的に検知するものや、熱により検知するもの等、センサの種類を問わない。
なお、図1における21は前記本体枠12の前面下部に取付けられた受皿ユニットであり、上皿20及び下皿22が形成され、前記前枠16の下側に位置するように配設されている。前記上皿20に貯留された遊技球が発射装置130に供給されるようになっており、上皿20の容量を越えた遊技球が下皿22に供給されるようになっている。46'は前記スピーカ46R,46Lのカバーであり、前記前枠16の上部に形成されている。132は演出表示や報知などに用いられる各種ランプである。
透明遊技盤14は、アクリル樹脂を用いた透明部材により形成されて全体が透過性を有しており、その前面には円弧状のガイドレール30a,30bを設け、このガイドレール30a,30bに囲まれた内側を遊技球可動域15aとし、その外側部分に遊技球非可動域15bを設定している。前記発射ハンドル26の操作により発射された遊技球は、ガイドレール30aにより案内されて遊技球可動域15a内を流下する。また、透明遊技盤14上には、複数の障害釘14eを打ち込んでおり、遊技球が遊技球可動域15aを上部から下部へ流下する際の流下方向を複雑に変化させるようにしている。なお、障害釘を打ち込むような構成とせず、透明遊技盤14に樹脂製又は金属製の棒状体を透明遊技盤14の前方向に突設する構成としてもよい。なお、障害釘14eなどの付加的構成については図1及び図2では省略表示している。
また、透明遊技盤14には例えば、それぞれ図示しない遊技球が入球すると入賞となる複数の一般入賞口、前記可変表示ゲームが開始される契機となる特定入賞口としての始動口、及び可変表示ゲームで当選した際に実行されるラウンド遊技において所定時間開放可能とした大入賞口、さらには前記一般入賞口、可変表示ゲーム開始の契機となる始動口、大入賞口に入球しなかった遊技球が遊技球可動域15aへ排出されるアウト口などを配設することもできるようになっている。すなわち、本実施例においては、遊技盤と液晶表示装置との間に図示しない入賞通路を設け、この入賞通路は遊技盤の下方に設けられた受入口へ誘導されるようにしており、この受入口にて入賞球及びアウト球を回収するようにしている。
前記大入賞口には、開閉自在なシャッタが設けられており、前記ラウンド遊技においては、このシャッタが遊技球を受け入れやすい開放状態となる。また、この大入賞口内には、Vカウントセンサ102(図8参照)を有する、Vゾーンと呼ぶ特定領域(図示せず)と、カウントセンサ104(図8参照)を有する一般領域(図示せず)とが設けられており、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまで前記シャッタが開放状態に駆動される。つまり、開放状態において大入賞口への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、大入賞口を、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態にする。続いて、開放状態から閉鎖状態となったシャッタは、開放状態において大入賞口に受け入れられた遊技球がVカウントセンサ102を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、大入賞口が開放状態のときに受け入れられた遊技球が、大入賞口内に設けられたVゾーンを通過したことを条件に閉鎖状態となった後に再度開放状態にし、ラウンド遊技が継続可能となる。
さらに、透明遊技盤14には、必要に応じて入賞した遊技球の通路が設けられており、前記一般入賞口、始動口及び大入賞口に入球した遊技球は当該通路を通って回収される。なお、前記通路を通過する遊技球は、透明遊技盤14を通して遊技者から視認することが可能である。なお、液晶表示装置32は、透明遊技盤14から分離して本体枠12に取付けられているため、透明遊技盤14に液晶表示装置32の重量が掛からず、作業者がパチンコ遊技機10をメンテナンスするときなどに労力を軽減することができ、さらに透明遊技盤14の取替えなども自由に行うことができる。
パチンコ遊技機10は、透明遊技盤14と、この透明遊技盤14から透視可能に配設された液晶表示装置32により、透明遊技盤14の略全域が演出表示可能領域として形成されている。これによって、遊技球を発射して入賞による賞球の獲得を目指すパチンコ遊技を従来通りに楽しみながら、遊技に応じた多彩な演出表示を、透明遊技盤14の遊技球非可動域15bに対応するいたる個所で表示可能とし、遊技情報などを順次表示させる演出効果によって、遊技の興趣の向上を図ることができる。
また、従来では、液晶表示装置32のサイズを大きくすると、遊技球可動域15a及び遊技球非可動域15bのサイズが相対的に小さくなり、遊技球の挙動の変化が乏しくなってパチンコ遊技の興趣を削ぐおそれがあったが、本パチンコ遊技機10の構成により、各表示領域を拡大変動させて多様な演出を実行可能としながら演出表示可能領域Aも十分広く確保することができる。
(パチンコ遊技機の電気的構成)
図8は本実施形態に係るパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。図示するように、パチンコ遊技機10を制御して画像演出表示部としての機能を担う主制御回路60は、メインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
(パチンコ遊技機の電気的構成)
図8は本実施形態に係るパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。図示するように、パチンコ遊技機10を制御して画像演出表示部としての機能を担う主制御回路60は、メインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、前記表示領域制御手段をはじめ、後述する各種の手段として機能する。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブルなどの各種のテーブルが記憶されている。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する媒体としてメインROM68を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードしてメインRAM70等に記録されるものでもよい。さらに、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。また、本実施形態においてはメインCPU66、メインROM68及びメインRAM70を別々に設けたが、これらが一体となっているワンチップマイコンを使用してもよい。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。メインRAM70には、制御状態フラグ、特定領域通過フラグ、高確率フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタRc、大入賞口入賞カウンタVc、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、可変表示ゲーム、普通図柄ゲームにおける保留個数を示すデータ等が存在する出力に関する変数、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、変数等が位置付けられている。
制御状態フラグは、可変表示ゲームの制御状態を示すものである。特定領域通過フラグは、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断するためのものである。高確率フラグは、大当たり遊技状態に移行する確率を相対的に高めるか否かを示すものである。
大当り判定用乱数カウンタは、可変表示ゲームの大当りを判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、可変表示ゲームで大当りを判定した場合に、停止表示される大当たりに係る識別情報としての図柄(以下「特別図柄」という)を決定するためのものである。はずれ図柄決定用乱数カウンタは、大当りではない場合に停止表示する識別情報を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、識別情報の変動表示パターンを決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次"1"増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。
なお、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを"1"増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成してもよい。また、はずれではあるが、リーチとするか否かを判定するためのリーチ判定用カウンタなどを設けてもよい。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタを駆動させ、大入賞口を開放する時間を計測するためのものである。なお、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていてもよい。
大入賞口開放回数カウンタRcは、大当たり遊技状態における大入賞口の開放回数、すなわちラウンド遊技数(所謂ラウンド数)を示すものである。また、大入賞口入賞カウンタVcは、1ラウンド中に大入賞口に入賞し、Vカウントセンサ102又はカウントセンサ104を通過した遊技球の数を示すものである。さらには、可変表示ゲームにおける保留個数を示すデータは、始動口6へ遊技球が入賞したが、識別情報の変動表示が実行できないときに、当該変動表示を保留するが、その保留されている識別情報の変動回数を示すものである。さらには、普通図柄ゲームにおける保留個数を示すデータは、球通過検出ゲートに遊技球が通過したが、普通図柄の変動表示が実行できないときに、当該変動表示を保留するが、その保留されている普通図柄の変動回数を示すものである。また、メインRAM70には、特別図柄記憶領域、普通図柄記憶領域が位置付けられ、記憶されている。
特別図柄記憶領域は、可変表示ゲームにおける1回の可変表示に対応する大当り判定用乱数値、大当り図柄用乱数値、クリアデータ等のデータが記憶されており、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(4)がある。特別図柄記憶領域(0)には、今現在実行されている可変表示に対応するデータが記憶されている。また、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)には、現在実行されている可変表示が終了した後に実行される可変表示に対応するデータ(始動記憶情報)が記憶されている。つまり、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(4)の全てのデータがクリアデータである場合には、現在の可変表示が実行されず、可変表示を実行するための保留も行われていないこととなる。
また、現在の識別情報の可変表示が終了した場合には、特別図柄記憶領域(1)から特別図柄記憶領域(4)の各々のデータを、特別図柄記憶領域(0)から特別図柄記憶領域(3)にシフトし、特別図柄記憶領域(4)にクリアデータを記憶する。これによって、特別図柄記憶領域の更新が行われる。一方、普通図柄記憶領域に関しても、特別図柄記憶領域と同じように、普通図柄記憶領域(0)から普通図柄記憶領域(4)がある。また、特別図柄記憶領域と同じように、普通図柄記憶領域の更新制御が行われる。なお、本実施形態におけるメインRAM70は、始動記憶手段の一例に相当する。
なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。
なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。なお、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば図8に示すように、Vカウントセンサ102、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、通過球センサ114、役物検知センサ115、始動入賞球センサ116、普通電動役物ソレノイド118、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
ここで、前記Vカウントセンサ102は、大入賞口におけるVゾーン内に設けられている。このVカウントセンサ102は、大入賞口におけるVゾーンを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
カウントセンサ104は、大入賞口におけるVゾーンとは異なる一般入球ゾーンに設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口における一般入球ゾーンを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106は、一般入賞口5に設けられている。この一般入賞球センサ106は、各一般入賞口5を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114は、球通過検出ゲート55にそれぞれ設けられている。この通過球センサ114は、球通過検出ゲート55を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
役物検知センサ115は、役物14dの動作状態を検知するための磁気センサや光学センサ、機械可動式センサなどであり、役物14dの動作に応じてその動作信号を主制御回路60に送信して、画像演出制御部を介して液晶表示装置32の演出表示可能領域Aに演出画像を所定の演出パターンで表示させる。
始動入賞球センサ116は始動口6に設けられている。この始動入賞球センサ116は、始動口6に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド118は、リンク部材(図示せず)を介して前記始動口6に付設された可動片58に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、可動片58を開放状態又は閉鎖状態とする。
大入賞口ソレノイド120は、大入賞口を開閉するシャッタ40(図3を参照)に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口を開放状態又は閉鎖状態とする。
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40の内側に設けられている図示しないシーソーに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、遊技球が前記Vゾーンを通過しやすくなるように、又は前記一般入球ゾーンを通過しやすくなるように切り替えることとなる。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有するものである。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、賞球となる遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット150が接続されている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。
また、前記発射装置130には、上述した発射用ソレノイド(あるいは発射用モータ)、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。
さらには、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、各種ランプ132の制御等を行うものであり、演出表示可能領域Aにおける中央表示領域Bや周辺表示領域Cの位置を切り換えて制御する表示領域制御手段としても機能する。
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成してもよい。
副制御回路200は、表示手段に対する表示制御を行う表示領域制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46R,46Lから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、各種ランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されており、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。特に、サブCPU206は、液晶表示装置32に対する表示制御を行うとともに、表示領域制御手段をはじめ、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、演出表示に関する決定を行うための設定条件を規定した各種のテーブルデータも記憶されている。
プログラムROM208には、演出表示の進行に関する条件を規定する複数種類の演出パターンが記憶されている。この演出パターンで制御される副制御回路200による演出表示は、識別情報の変動表示及び停止表示を含む可変表示ゲームの進行に応じて実行される。本実施形態では、実行されたラウンド遊技毎にそのラウンド標識を表示させるように演出表示可能領域Aに表示させる画像をラウンド遊技の進行順序と相対的に関連させたり、ランダムに選択したりする各種の表示パターンを設定して実行するためのプログラムがプログラムROM208に記憶されており、このプログラムに従って所定の演出表示が実行される。また、各ラウンド遊技毎に演出表示可能領域Aの演出画像を変化させる演出パターンについても同様にプログラムROM208に記憶され、演出決定テーブルなどに沿って実行することもできる。
なお、本実施形態に係る副制御回路200において、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段としてプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。もちろん、記憶手段としてメインROM68を用いてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
さらに、本実施形態において、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60と、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200とを別々に構成したが、メインCPU66及びメインROM68を含む主制御回路60のみで構成してもよく、この場合には、上述したプログラムROM208に記憶されているプログラムをメインROM68に記憶させ、メインCPU66により実行されるように構成してもよい。もちろん、サブCPU206及びプログラムROM208を含む副制御回路200のみで構成するようにしてもよく、この場合には、上述したメインROM68に記憶されているプログラムをプログラムROM208に記憶させ、サブCPU206により実行されるように構成してもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられている。なお、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、表示制御手段としての画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路220から構成されている。上述したVDP212は、サブCPU206、画像データが記憶されている画像データROM216、画像データを画像信号に変換するD/Aコンバータ218、初期リセット回路220と接続されている。
このVDP212は、いわゆるスプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の回路を含み、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDP212は、液晶表示装置32に対する表示制御を行う。また、VDP212には、液晶表示装置32の演出表示可能領域Aに画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶表示装置32に分割設定された演出表示可能領域Aに画像が表示されることとなる。
画像データROM216には、識別情報を示す識別情報画像データ、背景画像データ、演出画像データ、普通図柄を示す普通図柄画像データ等の各種の画像データが別個に記憶されている。もちろん、関連画像を示す関連画像データも記憶されている。
また、VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROM216から、識別情報を示す識別情報画像データ、普通図柄を示す普通図柄画像データ、背景画像データ、演出画像データ等、各種の画像データを読み出し、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。
特に、本実施形態では、例えばラウンド遊技の進行順序などと1対1に相対的に関連させた演出表示可能領域Aにおける各表示領域の配置個所を規定するための演出表示領域振り分けテーブルを備えており、ラウンド遊技中においては、この演出表示領域振り分けテーブルを参照しながらサブCPU206から供給される画像表示命令に応じて所定位置にラウンド遊技におけるラウンド標識などの演出表示を行うようにしてもよい。
さらに、このVDP212は、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータ218に供給する。このD/Aコンバータ218は、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32の各表示領域に画像を表示させる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、各種の音声データを記憶する音声データROM234、音声信号を増幅するための増幅器236(以下、AMPと称する。)から構成されている。
この音源IC232は、サブCPU206、初期リセット回路220、音声データROM234、AMP236と接続されている。この音源IC232は、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。
サブCPU206は、演出パターンを選択し、音声データROM234に記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。その後、サブCPU206は、選択された音声データを音声データROM234から読み出し、音源IC232に供給する。音声データを受け取った音源IC232は、その音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMP236に供給する。AMP236は、音声信号を増幅させ、スピーカ46(46L及び46R)から音声を発生させる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路242、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROM244から構成されている。
本実施の形態のパチンコ遊技機10は以上説明したように、透明保護板14aとの間に前側遊技領域Fが形成される透明遊技盤14と、その前側に後側遊技領域Kを形成してその演出表示可能領域A上に所定の画像を演出表示させる表示手段としての液晶表示装置32と、重ならない位置に配置された前側役物、後側役物とを有しており、視認性が良好に確保され各遊技領域F、Kに遊技球を流下させることができるので、遊技球の運動形態を複雑化させ、その遊技の興趣を飛躍的に高めることができる。さらに、主制御回路60などを備えた制御部がその機能を担う画像演出制御部を介して、それぞれの遊技領域F、Kを流下して役物14dに接触する遊技球の動きに対応した演出画像を液晶表示装置32の演出表示可能領域A上に表示させることもでき、遊技における演出の多様性を拡大させることができる。
なお、本発明の実施形態は具体例を例示したに過ぎず、これによって本発明を限定するものではない。すなわち、透明遊技盤14や表示手段などの具体的構成や識別図柄などを含む画像は、適用される遊技機の形態に応じて適宜変更することができる。例えば、本実施の形態の変容例では各遊技盤上に配置される役物をそれぞれ、透明遊技盤14bと背面側遊技盤14c側に設けるようにしたが、後側遊技領域Kに配置する後側役物を透明遊技盤14bの背後に取り付けるようにしてもよい。また、本実施例では遊技球干渉部として始動口に付設された可動片、大入賞口を開閉するシャッタなどの役物を主として説明したが、障害釘や風車などその具体的なその形態やその配置、遊技球干渉部の作動時における演出パターンは以上説明した構成のものに限定されるものではない。
10 パチンコ遊技機(遊技機)
14、14' 透明遊技盤
14a 透明保護板
14b 透明遊技盤
14c 背面側遊技盤
14d 役物
14e 障害釘
14f 遊技球通過部
32 液晶表示装置(表示手段)
115 役物検知センサ(検知センサ)
a〜c 前側遊技球干渉部
d〜f 後側遊技球干渉部
A 演出表示可能領域
F 前側遊技領域
K 後側遊技領域
14、14' 透明遊技盤
14a 透明保護板
14b 透明遊技盤
14c 背面側遊技盤
14d 役物
14e 障害釘
14f 遊技球通過部
32 液晶表示装置(表示手段)
115 役物検知センサ(検知センサ)
a〜c 前側遊技球干渉部
d〜f 後側遊技球干渉部
A 演出表示可能領域
F 前側遊技領域
K 後側遊技領域
Claims (5)
- 一部又は全部が透明部材により形成されて背後が透視可能な透明遊技盤の前面側に遊技球を上部側から下部側へ流下案内する前側遊技領域を設けるとともに前記透明遊技盤の後面側に後側遊技領域を設けた遊技機であって、
前記透明遊技盤の前面側に設けられ前記遊技球の入賞を容易にする前側役物と、前記透明遊技盤の後面側に設けられた前記遊技球の入賞を容易にする後側役物とを備え、前記前側役物と後側役物とは互いに重ならない位置に設けられていることを特徴とする遊技機。 - 前記透明遊技盤を通して視認されるように当該透明遊技盤の背面側に配設され、前記透明遊技盤の一部又は全部に演出表示可能領域を形成する表示手段を備えることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 前記透明遊技盤の背面側に背面側遊技盤が設けられ、前記透明遊技盤と前記背面側遊技盤との間に前記後側遊技領域が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
- 前記背面側遊技盤はその一部又は全部が透明材料で構成されその背面側が透視可能に形成されていることを特徴とする請求項3記載の遊技機。
- 前記前側役物及び前記後側役物の動作状態をそれぞれ検知する検知センサと、当該検知センサによって検知された役物の種類に応じて前記表示手段に所定の演出表示を行わせる画像演出制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1〜4の内いずれか1項に記載の遊技機。
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