以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について図1から図15を用いて説明を行う。
図1から3に示すように、本実施形態の遊技機100は、矩形枠状に構成された機枠110を備え、機枠110の前面側には、該機枠110に対して前方向へ扉状に回動可能に矩形枠状の前面枠120が軸着されている。なお、矩形枠状の機枠110は、裏面側から見て左側の一辺が金属製とされ、その他の辺は木製となっている。これによって、裏面側から見て左側の一辺においては、強度を保ったまま厚みを薄くでき、後述するように大型の表示ユニット170を備える裏機構枠160の配設を可能としている。
前面枠120は、当該前面枠120に備えられる各種部材等の取付用のベースとなる前面枠本体130と、当該前面枠本体130に対して、その前面側に回動可能に軸支されたクリア部材保持枠140と、前面枠本体130の前面のクリア部材保持枠140の下側に取り付けられた発射操作ユニット150と、前面枠本体130の裏面側に回動可能に軸支され、表示ユニット170を備える裏機構枠160とを有する。
前面枠本体130は、矩形枠状の機枠110の前面側をちょうど覆うような概略矩形板状に構成されるとともに、その中央から上端部に渡る部分に後述する遊技盤1を嵌め込んで収容するための方形状の開口部131が形成されている。そして、前面枠本体130に収容された遊技盤1の前面が前面枠本体130の開口部131から前側に臨むようになっている。すなわち遊技盤1は、前面枠本体130に嵌め込まれることで前面枠120に取り付けられている。
また、前面枠本体130の遊技盤1が嵌め込まれた開口部131、すなわち、前面枠本体130の中央より少し下側から上端部にわたる部分には、前面枠本体130の前側を覆うクリア部材保持枠140が配置されており、遊技盤1の前面とクリア部材保持枠140に嵌め込まれたクリア部材としてのガラス板141との間で、遊技盤1の前面に設けられた遊技領域区画壁9に囲まれた部分が、遊技球が発射されて流下する第1遊技領域1aとされている。
また、クリア部材保持枠140の一方の側部(遊技機100の前面側から見て左側の側部)は、前面枠本体130の一方の側部に回動可能に軸支されて、扉状に開閉自在とされ、クリア部材保持枠140を開くことにより、遊技盤1の前面側の第1遊技領域1aの前側を開放可能となっている。クリア部材保持枠140には、前面枠本体130の開口部131をほぼ閉塞するように、該開口部131に嵌め込まれた遊技盤1との間に遊技球が流下可能な第1遊技領域1aとなる間隔を開けて二重のガラス板141が固定されている。そして、クリア部材保持枠140において、遊技機100の前側からガラス板141を介して遊技盤1の前面側の少なくとも第1遊技領域1aの部分が視認可能となっている。また、クリア部材保持枠140の前面であって、ガラス板141が固定されて第1遊技領域1aを視認可能とする部分の周囲には、枠装飾装置としてのランプやLED、音声を出力するスピーカなどが設けられている。
また、前面枠本体130に軸着されたクリア部材保持枠140の開放端側となる前面側から見て右側の端部の前面には、施錠装置の一部をなす鍵穴143が形成されている。この鍵穴143は、前面枠本体130の施錠装置の一部であるとともに、クリア部材保持枠140の施錠装置の一部でもあって、鍵穴143に鍵を入れて一方(例えば左回り)に回すと前面枠本体130の施錠が解除され、他方(例えば右回り)に回すとクリア部材保持枠140の施錠が解除されるようになっている。
また、前面枠本体130の前面側のクリア部材保持枠140の下側には、発射操作ユニット150が取り付けられている。発射操作ユニット150は、左右側部のうちの一側部となる左側部を前面枠本体130に軸着されて、左右方向に回動して開閉自在な開閉パネル151とその下の下部パネル152とからなる。開閉パネル151は、排出された遊技球を貯留するとともに、遊技球を発射する発射装置(図示略)に遊技球を送る上皿153を有している。この上皿153の周囲には、遊技者が操作可能な演出用ボタン155が設けられている。また、開閉パネル151の下側の下部パネル152には、上皿153に収容しきれない遊技球を収容する下皿154及び灰皿と、第1遊技領域1aに向けての遊技球の発射操作を行うとともに、該第1遊技領域1aに遊技球を発射する際の発射勢を調節するための操作ハンドル156、音声を出力するスピーカ157などが設けられている。
また、図3に示すように、前面枠本体130の裏面側であって、遊技盤1が嵌め込まれた開口部131の上端部から中央より少し下側にわたる部分には、前面枠本体130の裏面側を覆うように裏機構枠160が配置されている。裏機構枠160の前面の左端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機100の裏面側から見て右側の側部に回動可能に軸支されて扉状に開閉自在とされ、裏機構枠160を開くことにより、遊技盤1の裏面側の上部を開放可能となっている。なお、裏機構枠160と前面枠本体130の連結部分は着脱自在であって、前面枠本体130、裏機構枠160はそれぞれユニット単位で交換やメンテナンスが可能となっている。
また、前面枠本体130の裏面側であって遊技盤1が嵌め込まれた開口部131の下方には、排出装置190による賞球の排出、発射装置による遊技球の発射を制御する排出発射制御装置34、遊技機100内の各装置に電力を供給する電源回路としての電源供給装置37が取り付けられている。
その他、前面枠本体130には、各部材の取付位置に各部材を取り付けるための構造が設けられており、例えば、取り付けられた部材を囲むように補強用のリブが形成されていたり、ビス等による部材の取り付けのためのボス等が形成されている。
図2,3,5,6,7に示すように、裏機構枠160は、裏機構枠本体161と、画像を表示する画像表示装置としての表示ユニット170を案内するとともに前方向への移動を規制する移動規制部材162とを有し、表示ユニット170の他、表示ユニット170を制御する第1演出制御装置33が設けられている。また、賞球などを排出する球排出機構として、排出装置190と排出装置190に遊技球を供給する球貯留タンク192、整列案内流路193aを形成する整列案内流路形成部材193、誘導流路形成部材196、排出装置190から排出された遊技球を誘導する下部流路形成部材197が設けられている。
上述したように、裏機構枠160の前から見て左側の端部は、前面枠本体130の裏面であって遊技機100の裏面側から見て右側の側部に回動可能に軸支されており、前面枠本体130に形成されて遊技盤1が嵌め込まれる開口部131を裏面側から覆って遊技盤1の裏面に臨む状態から、後方に扉状に回動して遊技盤1の裏面側を開放する状態との間で回動可能となっている。すなわち、裏機構枠160に表示ユニット170が配設されることで、表示ユニット170は該裏機構枠160を介して前面枠120側に配設された状態で遊技盤1の後方位置に配設されることとなる。そして、裏機構枠本体161において遊技盤1と平行に配され、遊技盤1の裏面側を覆うように配される部分が後方壁161aとなる。
図3,6に示すように、裏機構枠本体161は所定の厚みを有し、この裏機構枠本体161の前後面に種々の機構体が取り付けられている。裏機構枠本体161の前面には、表示ユニット170を前側に付勢する付勢部材としての圧縮コイルばね182を収納する後側が閉鎖された筒状の付勢部材収納部181が形成されている。また、裏機構枠本体161の後方壁161aの背面には、第1演出制御装置配設部165や接続用凹部183、流路形成凹部184、排出装置配設凹部185などの前方に窪んで後方に開口した凹部が形成されており、裏機構枠本体161の前面の一部はこれら凹部の裏面によって形成されている。また、裏機構枠本体161の前面の周囲には、上下の一部を除いて前側に延出する周囲壁187が形成されており、裏機構枠本体161の前面側は全体が凹部となっている。
図2,5,6に示すように、裏機構枠160の前面側は、全体が前側に開口した凹部となっており、ここに表示ユニット170が収容されている。図6に示すように、裏機構枠本体161の前面であって上部には、左右の周囲壁187に隣接して、所定の左右幅を有する下側に開口した溝状の凹部169a,169aが形成されている。この所定の左右幅とは、後述する表示ユニット170の上部に形成された被案内部176の左右幅より若干広い幅であり、この部分が被案内部176を前後方向に案内する案内部169(図5に図示)の一部をなす。
また、上述した溝状の凹部169a,169aと上下に対向するように、裏機構枠本体161の前面であって下部には、左右の周囲壁187に隣接して、所定の左右幅を有する上側に開口した溝状の凹部169a,169aが形成されている。この溝状の凹部169a,169aの所定の左右幅は、後述する表示ユニット170の下部に形成された被案内部176の左右幅より若干広い幅であり、この部分も被案内部176を前後方向に案内する案内部169の一部をなす。
付勢部材収納部181は、表示ユニット170を前方向へ付勢する付勢部材としての圧縮コイルばね182を収容する部分である。この付勢部材収納部181は、圧縮コイルばね182の外径と略同じ内径を有する円筒形の凹部で、裏機構枠本体161の左右方向の中心に沿って上下に2つ設けられている。
また、この裏機構枠本体161の前側には、それぞれコ字状の移動規制部材162,162が左右の側面を前側に延長するように取り付けられている。裏機構枠160の前面側から見て左側に設けられた移動規制部材162には、上下に軸受け部162a,162aが形成されており、前面枠本体130の裏面側に設けられた上下方向に延在する回動軸(図示略)を軸受け部162a,162aに回動可能に嵌合することで、裏機構枠160が前面枠本体130に対して回動可能に軸支されるようになっている。また、裏機構枠160の前面側から見て右側に設けられた移動規制部材162には、上下にねじ穴162d,162dが形成されており、裏機構枠160を遊技盤1の裏面に配した状態(裏機構枠160を閉じた状態)で、ねじ穴162d,162dにねじを挿通し、前面枠本体130に形成された図示しないねじ止め部に螺合することで裏機構枠160が固定されるようになっている。
そして、後方壁161aおよび周囲壁187、移動規制部材162,162によって、所定の奥行きを有するとともに前面側(遊技盤1の裏面に臨む側)に開口した略矩形凹室形状の空間(少なくとも背面と左右側面とを囲まれた空間)が形成され、この空間が表示ユニット170を収納する表示ユニット収納部168となる。すなわち、移動規制部材162,162は裏機構枠本体161における後方壁161aの左右端部の各々に設けられ、周囲壁187とともに表示ユニット収納部168の側面部をなす。
このような移動規制部材162,162は、左右の周囲壁187,187から裏機構枠本体161の中央側へ向かう所定範囲と、裏機構枠本体161の前面側における左右端部の上下に形成された溝状の凹部169a,169a,…の前側を覆うように取り付けられる。そして、裏機構枠本体161の上下に形成された溝状の凹部169a,169a,…と対向するように配される部分には、裏機構枠本体161に形成された溝状の凹部169a,169a,…と同じ形状をした溝状の凹部(図示略)が形成されている。
そして、移動規制部材162,162を裏機構枠本体161に取り付けることによって、溝状の凹部が裏機構枠本体161の上下に形成された溝状の凹部169a,169a,…と連続する。これにより、上下にそれぞれ対向するように、移動規制部材162,162から裏機構枠本体161にかけて前後方向に沿って延在する溝状の凹部である案内部169が形成される。すなわち、裏機構枠本体161とその前側に配された移動規制部材162,162により形成される表示ユニット収納部168における上下の内側面の左右に、表示ユニット170の上下の側部にそれぞれ設けられるとともに前記上下の側部の左端部及び右端部の合わせて4カ所から外側(上側もしくは下側)に突出する後述の被案内部176,176,…を前後に移動自在に案内する概略溝状の案内部169,169,…が設けられることとなる。
また、この溝状の案内部169,169,…のうち、裏機構枠160の下側に形成された案内部169,169には、底面を形成する矩形板状のレール部材167が配されている。このレール部材167の表面は摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなり、案内部169の前後左右幅に等しい前後左右幅を有する。また、レール部材167は所定の厚みを有し、表示ユニット170の荷重がかかっても撓まない程度の強度を有する。
また、レール部材167の前後の端部には切欠き状の係合部167a,167aが形成されており、下側の案内部169,169を形成する裏機構枠本体161の溝状の凹部169a,169aにおける前後端部に形成された支持部に係合、支持されるようになっている。これにより、レール部材167は裏機構枠本体161と移動規制部材162とに掛け渡され、案内部169の底面をなすように水平に固定されるようになっている。このレール部材167によって、裏機構枠本体161と移動規制部材162によって形成される案内部169の底面に段差が生じることがなく、さらには、摩擦係数が低い材質からなることから、表示ユニット170を滑らかに移動させることが可能となる。
以上のように形成される表示ユニット収納部168には、画像表示面171が前側(開口した側)となるように表示ユニット170が配設されており、図2に示すように裏機構枠160を遊技盤1の裏面に臨むように配することで、遊技盤1の裏面側に表示ユニット170の画像表示面171が臨むようになっている。また、このとき、遊技盤1の裏面上部に配された役物装置25の一部が、この表示ユニット収納部168に収納されることとなる。すなわち、表示ユニット収納部168は、遊技盤1の後方の役物装置25を収納する役物装置配置空間188をなす。
表示ユニット170は、前面側が開口した矩形箱状(額縁状)に形成された金属製の表示ユニットケース174と、この矩形箱状の表示ユニットケース174に収容された液晶表示パネル175(液晶表示器、バックライトを含む)とを有する。そして、表示ユニットケース174の前面側から液晶表示パネル175の画像表示面171を有する前面が露出している。
表示ユニットケース174の上下の側部であって、左端部及び右端部の合わせて4ヶ所からは、側部に対して垂直に外側に突出する被案内部176,176,…が設けられている。この被案内部176は、摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる被案内部材172を、表示ユニットケース174の上下部(上下面の左右両端)に固定することで形成されている。また、表示ユニット170の下面に設けられた被案内部176,176は、その下部に滑動体として左右方向に沿った回転軸を有するローラを備えている。
そして、表示ユニット収納部168には、この被案内部176,176,…と対応する位置に前後に延在する溝状の案内部169,169,…が形成されており、表示ユニット170が表示ユニット収納部168内において前後動自在に配されることとなる。ここで、被案内部176,176,…は摩擦係数の低い材質からなり、案内部169,169,…との間の摩擦抵抗が軽減されるようになっている。また、表示ユニット170の下面に設けられた被案内部176,176は、その下部に滑動体として左右方向に沿った回転軸を有するローラを備えており、さらに、このローラが接する下側の案内部169,169の底面にはレール部材167が配設されている。よって、案内部169,169,…に対して摩擦係数が低い材質からなる被案内部176,176,…もしくは回転可能なローラが当接することとなり、さらに、ローラは平滑なレール部材167上を移動することから、被案内部と案内部169,169,…との間の摩擦抵抗が軽減され、表示ユニット170が表示ユニット収納部168内で円滑に前後移動可能となる。すなわち、表示ユニット収納部168は、表示ユニット170をスライド可能なスライド空間をなす。
表示ユニットケース174の裏面には、表示ユニットケース174に収納される液晶表示パネル175と、裏機構枠160の裏面側に配される第1演出制御装置33とを接続する配線を通すための、前後に貫通した図示しない配線用開口が形成されている。この配線用開口は、液晶表示パネル175の裏面側に設けられたコネクタ部の位置に対応して形成されており、液晶表示パネル175を表示ユニットケース174に収納すると、この配線用開口からコネクタ部が露出するようになっている。なお、この配線用開口が形成された位置は、表示ユニット170を表示ユニット収納部168に収納した際に、後方壁161aに形成された第1演出制御装置配設部165に対応する位置となっており、第1演出制御装置配設部165にもこれに対応して配線を挿通する配線用開口165aが形成されている。
また、表示ユニットケース174の裏面には、付勢部材としての圧縮コイルばね182を取り付けるための取付部(図示略)が形成されている。このガイド部が形成された位置は、表示ユニット170を裏機構枠160に配した際に、裏機構枠本体161に形成された付勢部材収納部181と対向する位置となっている。そして、図6に示すように、表示ユニット170と裏機構枠本体161の間に配される圧縮コイルばね182は、一端が裏機構枠本体161に形成された付勢部材収納部181に収納され、他端が表示ユニット170の後方に形成されたガイド部に接続するように配されている。
ここで、付勢部材収納部181,181、ガイド部は上下に並んで二つ設けられているが、本実施形態においては、圧縮コイルばね182を上側の付勢部材収納部181、ガイド部にのみ取り付けるようにしている。なお、圧縮コイルばね182を下側の付勢部材収納部181、ガイド部にのみ取り付けるようにしても良いし、上下両方の付勢部材収納部181,181、ガイド部に取り付けるようにしても良い。
液晶表示パネル175は、矩形板状であって表示ユニットケース174にちょうど収まる大きさとなっている。この液晶表示パネル175は、液晶表示器とバックライトなどから構成され、液晶表示器の画像表示面171が、前側に臨むように配されている。
液晶表示器の画像表示面171の面積は、前面枠本体130に形成された開口部131に嵌め込まれた遊技盤1の大部分を裏面側から覆うことができる面積となっており、後述する遊技盤裏面構成部材80に形成された、遊技盤本体1bを透して後方を視認可能な視認開口87(図4に図示)よりも広いものである。すなわち、画像表示面171の面積が、少なくとも遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広く、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87の大きさが変化してもそれに対応できるようになっている。このように、液晶表示器の画像表示面171が遊技盤1の裏面側を幅広く覆うようにすることで、遊技盤1を交換して遊技機100の遊技内容を変更する場合に、多種の遊技盤1に対応できるようになっている。
また、液晶表示器は、画像表示面171の面積が遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広いので、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87から露出する領域に所定の画像が表示されるように第1演出制御装置33によって制御されている。この画像表示領域を決定する遊技盤1の遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87の大きさや位置に関する初期情報や、変動表示ゲームの画像に関する情報は第2演出制御装置31の演出データ基板に記憶されているが、第2演出制御装置31は遊技盤1に取り付けられており、遊技盤1と一緒に第2演出制御装置31も交換される。よって、遊技盤1の交換に伴い、例えば、これまでの遊技盤に対応した画像表示領域から、新たな遊技盤1に対応した画像表示領域に変更できるようになっている。
また、表示ユニット収納部168の上下幅および左右幅は、表示ユニット170の上下幅および左右幅よりも大きくなっており、表示ユニット170の周囲に空間があいた状態とされる。これによって、表示ユニット170の前後方向への移動が容易になるとともに、表示ユニット170が表示ユニット収納部168内で僅かに傾斜した状態(遊技盤1の左右方向と非平行状態)になることも可能となる。なお、溝状の凹部となった案内部169,169,…内に被案内部176,176,…が収納された状態となっているので、表示ユニット170が非平行状態になっても被案内部176,176,…が案内部169,169,…から脱落することがない。
また、表示ユニット170は、圧縮コイルばね182により前方側に向かって付勢された状態となっており、裏機構枠160を開放した状態あるいは、遊技盤1を前面枠120から取り外した状態では、前後の移動範囲の最も前側の位置に配される。
なお、遊技盤1が装着されて裏機構枠160を閉じた状態においては、図8に示すように、遊技盤裏面構成部材80の裏面に設けられて後方に突出する押圧部83,83,…が、表示ユニット170の前後方向の移動範囲における最も前側の位置より後方に位置するようになっている。よって、押圧部83の後端部にある押圧部材83bが表示ユニット170の前面に密着し、表示ユニット170は遊技盤裏面構成部材80の裏面から押圧部83,83,…の突出幅の分だけ後方側へ隔離した位置に配されるようになっている。以上のような構成によって、液晶表示器を備えた表示ユニット170は、裏機構枠160に前後移動可能に保持されることとなる。
図3に示すように、裏機構枠160の後方壁161aの背面(裏面)には、前方に窪んで後方に開口した略矩形状の凹部である第1演出制御装置配設部165が形成され、ここに第1演出制御装置33が配設されている。この第1演出制御装置33はCPUなどを備えた演出制御基板を有し、画像表示装置をなす表示ユニット170における液晶表示器の表示を制御する表示制御装置をなすものである。
また、第1演出制御装置33の上下幅は、第1演出制御装置配設部165の上下幅よりも広く、第1演出制御装置配設部165に第1演出制御装置33を収容すると、第1演出制御装置33の下部が第1演出制御装置配設部165の下方に形成された開口部163に延出するようになっている。そして、図6に示すように、第1演出制御装置33の前面側であって開口部163に延出する部分からはコネクタ部33aが外側に露出している。
図4に示すように、遊技盤1の裏面には第2演出制御装置31が取り付けられており、この第2演出制御装置31の裏面にはコネクタ部(図示略)が外部に露出している。そして、この第2演出制御装置31のコネクタ部と第1演出制御装置33のコネクタ部33aは、互いに対向するように配され、第2演出制御装置31と第1演出制御装置33が直接接続できるようになっている。
また、図3に示すように、後方壁161aの背面であって、裏機構枠160の裏面側から見て、第1演出制御装置配設部165の右側には、第1演出制御装置33と他の装置等を接続する配線を収納する接続用凹部183が形成されている。この接続用凹部183の上半部はカバー部材166によって覆われ、下半部は遊技制御装置30によって覆われるようになっている。このように配線を接続用凹部183内に収納し、接続用凹部183の開口部分をカバー部材166および遊技制御装置30で覆って閉鎖することにより、配線が露出してばらけてしまうことを防止することができる。
裏機構枠本体161の上面には、遊技機100が設置される図示しない島設備に設けられた供給装置から供給される遊技球を一時貯留し、排出装置190に供給する球貯留タンク192が取り付けられるようになっている。
この球貯留タンク192の底面は、裏機構枠本体161の後方に向かって下るとともに、裏機構枠本体161の裏面側から見て左方向に下る傾斜を有しており、この傾斜下流側に位置する球貯留タンク192の底面には、球貯留タンク192内の遊技球を外部に排出する排出口192aが形成されている。
裏機構枠本体161の上部に配された球貯留タンク192の排出口192aは、図7に示すように、後方壁161aの背面に位置しており、この後方壁161aの背面には、球貯留タンク192の排出口192aに接続する遊技球流路を形成するための流路形成凹部184が形成されている。この流路形成凹部184は後方壁161aの背面であって、裏機構枠160の裏面側から見て上側および右側の端部に隣接した位置に形成されている。このうち上側の流路形成凹部184は右側に向かって下る傾斜を有する整列案内流路取付部194を有し、ここに整列案内流路形成部材193が取り付けられて整列案内流路193aが形成されている。
なお、整列案内流路193aは、一部が球貯留タンク192の後方に突出して配されるようになっている。すなわち、整列案内流路193aは球貯留タンク192の後方かつ下方に配設されている。これにより、球貯留タンク192の下方であって、整列案内流路193aの前方に形成される遊技盤裏面側の役物装置25を配置する役物装置配置空間188を広くすることができ、多彩な遊技盤1を配設可能となる。
また、図3に示すように、右側の流路形成凹部184は、その上下方向の略中央に流路形成凹部184に連通する排出装置配設凹部185が形成されており、ここに排出装置190が取り付けられるようになっている。この排出装置配設凹部185は、裏機構枠160の中央方向に延在するように形成され、その中央側の端部の一部が接続用凹部183に連通している。そして、この排出装置配設凹部185を境にして、右側の流路形成凹部184の上部には、誘導流路形成部材196が取り付けられ、整列案内流路193aに連通するとともに排出装置190に接続する誘導流路が形成されている。また、排出装置配設凹部185を境にして、右側の流路形成凹部184の下部には、下部流路形成部材197が取り付けられ、排出装置190から排出された遊技球を下方に流下案内する下部流路198が形成されている。さらに、誘導流路形成部材196から下部流路形成部材197へ連通するように球抜き流路199が形成されている。
排出装置190は、裏機構枠本体161の裏面側から見た右端部における上下方向の略中央に形成された排出装置配設凹部185に取り付けられている。この排出装置190は、上部に導出流路に接続する遊技球を受け入れる流入口を、下部に下部流路に接続する遊技球を排出する排出口を備えており、排出発射制御装置34が遊技制御装置30の制御の下で排出装置190を作動させることで、所定数の遊技球を下部流路198に排出するようになっている。
排出装置190の排出口に接続した下部流路は、裏機構枠160の裏面側から見た右端に沿って取り付けられた下部流路形成部材197によって形成されており、排出装置190から排出された遊技球を下方に誘導するようになっている。この下部流路は、上皿153に接続しており、排出装置190から排出された所定数の遊技球が、発射操作ユニット
150の前面に形成された上皿153に排出されるようになっている。なお、球貯留タンク192の排出口192aから排出装置190に至る流路内には、常に遊技球が待機している状態となっており、排出装置190によって流路内の遊技球が排出されることに伴って球貯留タンク192から流路に遊技球が流入するようになっている。
図1,4,8に示すように、前面枠本体130の開口部131に嵌め込まれる遊技盤1は、遊技盤本体1bと、遊技盤本体1bの裏面側に配される遊技盤裏面構成部材80とを備える。遊技盤本体1bは透明な合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやアクリル)からなり、前面には、遊技領域区画壁9で囲まれた第1遊技領域1aを有し、この第1遊技領域1a内に発射装置(図示略)から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。
遊技盤本体1bの前面側には、第1遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9を備える遊技領域区画部材8,8,…が取り付けられている。この遊技領域区画部材8,8,…は所定の厚みを有し、遊技盤本体1bの前面の四隅に配されて第1遊技領域1aを区画するものであって、遊技盤1の中心側に配される側面が第1遊技領域1aを区画する遊技領域区画壁9をなしている。また、遊技領域区画部材8,8,…は不透明な材質からなり、第1遊技領域1a以外から遊技機100の内部が見えないようになっている。
さらに、遊技盤本体1bの四隅に配された遊技領域区画部材8,8,…には、遊技盤1を前面枠本体130に形成された開口部に対して着脱可能とする係合凹部8b、固定凹部8cが形成されている。前面側から見て左側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた係合部材132,132が係合可能な係合凹部8bが形成され、遊技盤1の前面側から見て右側の上下にある遊技領域区画部材8,8には、前面枠本体130に設けられた固定部が係合可能な固定凹部8cが形成されている。そして、前面枠本体130に形成された開口部に対して、前面側から係合凹部8b,8bを係合部材132,132に係合させ、この係合部分を軸として他端部を後方に回動させて開口部に収容し、固定凹部8c,8cに固定部133,133を係合させることで遊技盤1が前面枠本体130に固定されるようになっている。
遊技盤1を構成する遊技盤本体1bの前面側に形成された第1遊技領域1a内には、遊技盤1の装飾や遊技球を流下案内する遊技装置として、入賞装置をなす始動入賞口10および普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、一般入賞口形成部材14,14に設けられた一般入賞口2,2が設けられている。さらに遊技装置として、障害部材をなす風車と呼ばれる打球方向変換部材11,11、多数の障害釘(図示略)、流下方向規制装置7が設けられている。また、この他に遊技装置として、普図始動ゲート6、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口5、ランプ・LEDなどの遊技盤装飾装置などが設けられている。また、遊技盤本体1bの裏面側には、遊技球が流下可能な後述する第2遊技領域20が設けられ、第1遊技領域1aには遊技装置として、この第2遊技領域20への導入口をなすワープ入口12,12、第2遊技領域20からの導出口13が設けられている。
普図始動ゲート6は遊技球が上下に通過可能なゲートであり、その内部には遊技球の通過を検出するゲートセンサ6a(図4に図示)が設けられている。そして、該ゲートセンサ6aで遊技球が検出されることに基づき普図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。また、普図変動表示ゲームは、遊技盤1の前面側に設けられた図示しない普図変動表示器にて表示されるようになっている。さらに、遊技盤1の前面側には、未処理となっている第1普図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する図示しない普図始動記憶表示器が設けられている。
始動入賞口10および普通変動入賞装置3は第1遊技領域1aの下部にあって、その内部には遊技球の流入を検出する始動口センサが設けられている。この始動入賞口10および普通変動入賞装置3は、特図始動入賞口であって、始動口センサで遊技球が検出されることに基づき特図変動表示ゲームの始動条件が成立するようになっている。この特図変動表示ゲームは、遊技盤1の前面側に設けられた図示しない特図変動表示器にて表示されるようになっている。また、遊技盤1の前面側には、未処理となっている特図変動表示ゲームの回数をLEDの点滅で表示する図示しない特図始動記憶表示器が設けられている。
普通変動入賞装置3は左右一対の開閉部材3a,3aを具備し、始動入賞口10の下部に配設され、この開閉部材3a,3aは、常時は遊技球が流入不能な閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)を保持しているが、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様(例えば、「7」)となった場合には、普図の当たりとなって、普通変動入賞装置3の開閉部材3a,3aが所定時間(例えば、0.5秒間)逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置3に遊技球が流入し易い状態(遊技者にとって有利な状態)に変化されるようになっている。これにより、特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
また、特図変動表示ゲームは、第1遊技領域1a内に設けられた特図変動表示器で実行されるが、ここで実行される特図変動表示ゲームに対応する表示ゲームが上述した表示ユニット170の画像表示面171に表示されるようになっている。この特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームの表示領域は、遊技盤本体1bの裏面側に配された表示領域区画壁64,89、役物装置25によって区画された領域であって、透明な材質からなる遊技盤本体1bを通して、その裏面側に配された表示ユニット170の画像表示面171を視認可能な領域となっている。なお、遊技機100に特図変動表示器を備えずに、表示ユニット170のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図変動表示器の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当たりとなって特別遊技状態(いわゆる、大当たり状態)となる。また、これに対応して画像表示面171における表示ゲームの表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字の何れか)となる。
特別変動入賞装置4は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉4aによって開閉される大入賞口を備えていて、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせる。なお、開閉扉4aは、ソレノイド(大入賞口SOL)により駆動される。また、大入賞口の内部(入賞領域)には、該大入賞口に入った遊技球を検出するための大入賞口用センサ(カウントセンサ)が配設されている。
一般入賞口形成部材14,14は、第1遊技領域1aの下部に位置する遊技領域区画壁9に沿って配されており、前面側には一般入賞口2,2が形成されている。また、この一般入賞口2,2には、一般入賞口2,2に入った遊技球を検出するための一般入賞口センサが配設されている。また、一般入賞口形成部材14,14は、遊技に関連した装飾が施されて一部が光を透過可能に構成されているとともにLEDなどを備えており、遊技盤1の装飾を行う遊技盤装飾装置の一部をなしている。
そして、遊技を開始することにより第1遊技領域1a内に打ち込まれた遊技球が、一般入賞口2,2、特図始動入賞口(始動入賞口10、普通変動入賞装置3)、大入賞口(特別変動入賞装置4)等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球としての遊技球が排出発射制御装置34(排出発射制御基板)の制御により排出装置190によって上皿153に排出される(払い出される)ようになっている。
また、流下方向規制装置7は、第1遊技領域1aとなる遊技盤本体1bの前面に突出するように取り付けられている。この流下方向規制装置7は透光性を有する材質からなる部材で、鎧部7aとその両端に接続した案内部7b,7bとから略コ字状に形成されていて、コ字状の開口部分が下側を向くように第1遊技領域1aの中央部に配され、第1遊技領域1aの中央部分を区画するようになっている。これによって、第1遊技領域1aに発射されて流下する遊技球が第1遊技領域1aの左右に振り分けられ、第1遊技領域1aの中央部分における画像表示面171の視認性が保たれるようになっている。
この流下方向規制装置7の鎧部7aは、第1遊技領域1aの中央部分に対して上側に配されて上方に突出するような円弧状をしており、その上面が中央から左右に下るような傾斜面とされている。このように上面が円弧状となっていることで、第1遊技領域1aの上方に発射され、流下する遊技球を傾斜に沿って左右に振り分けることができるようになっている。
また、鎧部7aの端部に連続した案内部7b,7bは、第1遊技領域1aの中央部分に対して左右に配されて下方に向かって延在するようになっている。この案内部7b,7bは、鎧部7aで左右に振り分けられた遊技球が中央部分へ戻らないように下方へ案内するものである。また、この案内部7b,7bの下端部にはワープ流路への入口となるワープ入口12,12が、流下方向規制装置7の外側(案内部7bと、対向する遊技領域区画壁9との間)を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されている。また、遊技盤本体1bにおけるワープ入口12,12が配される部分には、前後に貫通したワープ孔が形成され、ワープ入口12,12から流入した遊技球を、遊技盤本体1bの裏面側に形成された後述する第2遊技領域20へ誘導可能とされている。
また、第1遊技領域1aにおける始動入賞口10の上側には、後述する第2遊技領域20からの導出口13が形成されている。この導出口13は、遊技盤本体1bに形成された前後に貫通した導出孔に導出口形成部材23を取り付けることで構成されている。この導出口形成部材23は、遊技盤本体1bと略同じ厚みを有し、導出孔に嵌め込まれる部分に導出口13を形成する筒状の開口23aが形成されている。この筒状の開口23aの内周面における下側の面(導出口13の底面)は、後方に配される後述するステージ部材21の形状に合わせた曲面とされているとともに前側に傾斜するようにされており、ステージから前側に誘導された遊技球を第1遊技領域1aに誘導可能とされている。また、この曲面とされた遊技球が転動する下側の面の下方には、ステージの下方に前後方向に沿って延在するように形成された球誘導路22の下流側端部が形成されている。導出口形成部材の前端部に位置する球誘導路22の下流側端部は、始動入賞口10の直上に位置するようになっており、ここを流下した遊技球は高い確率で始動入賞口10に流入するようになっている。
図4,9に示すように、遊技盤1を構成する遊技盤本体1bの裏面側には、遊技盤裏面構成部材80が取り付けられている。この遊技盤裏面構成部材80は、上部カバー部材81、下部カバー部材82、側部カバー部材84とから遊技盤本体1bの周囲に沿う矩形状に形成され、不透明又は半透明とされた合成樹脂(例えば、ポリカーボネートやABS)からなる。この遊技盤裏面構成部材80の略中央部には、遊技盤本体1bに形成された第1遊技領域1aの大部分と重なるように略矩形状の視認開口87が形成されている。
上部カバー部材81は、遊技盤本体1bの裏面における上側部分を覆う板状の部材で、左右及び上側の周縁が遊技盤本体1bの上側部分における外周に沿うような形状をしている。また、下側の周縁は、遊技盤本体1bの前面側に形成された第1遊技領域1aの周縁をなす遊技領域区画壁9に略沿うように湾曲した形状とされている。
また、この上部カバー部材81が配される部分における遊技盤本体1bの裏面には役物装置25が取り付けられている。この役物装置25の詳細な構成については後述するが、この役物装置25はその大部分が、上部カバー部材81の下側の周縁よりも下側に配されるようになっていて、その前面は遊技盤1の前面側から遊技盤本体1bを透して視認可能となっており、この前面には、例えば機種名や装飾図柄などが描かれ、装飾が施された取付ベース41、装飾板42が配されている。
この役物装置25は、図15(a)に示すように、内部に装飾部材76と、この装飾部材76を駆動する駆動装置90が設けられており、遊技の進行に合わせて、図15(b)に示すように、装飾部材76を視認開口87に現出させることで、遊技の演出を行うものである。また、図4に示すように、この役物装置25は遊技盤装飾装置の一部をなすものであって、第1演出制御装置33が第2演出制御装置31を介して制御するようになっている。また、役物装置25は所定の前後幅を有し、遊技盤1と表示ユニット170の間の上部の隙間から遊技機100の内部が見えないようにする機能も有する。
下部カバー部材82は、遊技盤本体1bの裏面における下側部分を覆う板状の部材で、左右及び下側の周縁が遊技盤本体1bの下側部分における外周に沿うような形状をしている。また、上側の周縁は第1遊技領域1aに設けられた下部役物装置(普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、一般入賞口形成部材14,14)の後部を覆うことができるように、下部役物装置の配設部位における上縁部に沿う形状とされている。この下部カバー部材82の裏面側には、下部役物装置の後部を覆う下部覆い部材60が取り付けられるようになっている。すなわち、下部カバー部材82は下部覆い部材60の取り付けベースをなす。
下部覆い部材60はその前面側に、始動入賞口10、普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、一般入賞口2,2などに入賞した遊技球を流下させる入賞球流路を備える。この入賞球流路は、遊技機100の外部(島設備の回収樋)に連通する図示しない流路に接続するようになっている。また、この下部覆い部材60の裏面側から見て左側の端部は、上下方向に沿って延在する回動軸を備える連結部62が形成されており、第2演出制御装置31が左右方向に扉状に回動可能に軸支されるようになっている。
また、下部覆い部材60は透明な材質からなり、一部がレンズのように加工されていて、裏面側に配されたLED基板(図示略)に備えられたLEDからの光を下部役物装置に向けて誘導する機能も有する。さらに、下部覆い部材60の上部には着色されて半透明とされた板状の表示領域区画壁64が形成されており、表示領域を区画するとともに、遊技機100の内部が見えないようにしている。なお、表示領域区画壁64の形状は、下部覆い部材60の前面に配された部材に対応した形状(一部が曲面)とされている。また、表示領域区画壁64の下側には、LED基板63が表示領域区画壁64と平行になるように水平に配設されている。そして、このLED基板63の上面に配されたLEDにより表示領域区画壁64を下側から照らすことで、その光が半透明の表示領域区画壁64を介して遊技領域を装飾するようになっている。また、下部覆い部材60の裏面には、配線を中継するための中継基板65が備えられている。また、下部覆い部材60の裏面側には第2演出制御装置31が取り付けられ、該第2演出制御装置31の裏面側には遊技制御装置30が取り付けられている。
第2演出制御装置31は、画像データなどを記憶したROMを備える演出データ基板と、遊技盤装飾装置を駆動するための盤装飾ドライバを備えたドライバ基板を備え、遊技制御装置30の制御の下で演出の制御を行うものである。この第2演出制御装置31の裏面側には、第1演出制御装置33のコネクタ部33aと直接接続するためのコネクタ部(図示略)が露出している。また、第2演出制御装置31の裏面側には、左右方向に沿って延在する回動軸を備える一対の支持部31a,31aが形成されており、遊技制御装置30を上下方向に扉状に回動可能に軸支するようになっている。また、遊技を制御する遊技制御装置30を軸支する支持部31a,31aの近傍には、遊技制御装置30が第1演出制御装置33の裏面に沿って配された状態、すなわち遊技制御装置30が起立した状態を保持する保持部材(図示略)が設けられている。すなわち、第2演出制御装置31の裏面は遊技制御装置30を取り付けるための台座をなす。
すなわち、機種に依存する演出データ基板を備えた第2演出制御装置31、遊技制御装置30は遊技盤1に取り付けられ、複数の機種で共通使用可能な第1演出制御装置33、排出発射制御装置34、電源供給装置37は前面枠本体130もしくは裏機構枠160に取り付けられている。よって、遊技盤1を変更することにより機種に依存する装置(基板)のみが交換され、遊技機100の遊技内容を変更することが可能である。
側部カバー部材84は、遊技盤本体1bの左右それぞれの側端に沿って取り付けられており、上端部が上部カバー部材81の下端に接して連続するように配されるとともに、下端部が下部カバー部材82の上端部に接して連続するように配される。さらに、側部カバー部材84と一体に表示領域区画壁89を備える側壁部材88が取り付けられている。
側壁部材88は、表示領域を区画する表示領域区画壁89を備え、該表示領域区画壁89が遊技盤本体1bに対して上下方向に延在するとともに後方へ延出するような向きで配される。なお、左右の表示領域区画壁89は遊技盤本体1bに対して略垂直に配されるが、より詳細には、後方へ向かって間隔が狭くなるように若干斜めに配されるようになっている。
この表示領域区画壁89は、表示領域区画壁89を通して遊技機100の内部が透けて見えない程度の半透明とされており、表示領域区画壁89の外側を前方から隠蔽するように構成されている。また、表示領域区画壁89の遊技盤本体1bの側端側に配される面には波状の凹凸が形成されており、さらに、表示領域区画壁89の遊技盤本体1bの中央側に配される面には、不透明な装飾用のシールが貼付されるようになっており、表示領域区画壁89を透して遊技機100の内部が見えないようになっている。
以上のような構成を有する役物装置25、表示領域区画壁89,64によって、遊技盤本体1bの裏面側に前後方向に沿った筒状の空間が形成される。この表示領域区画壁89,64および役物装置25は、遊技盤1の後方に配される後述する表示ユニット170の画像表示面171に近接するように配され(当接はしない)、特図変動表示ゲームに対応した表示ゲームなどの表示領域を区画するようになっている。すなわち、表示ユニット170の画像表示面171のうち、表示領域区画壁89,64および役物装置25で囲まれた領域が遊技盤1の前面側から視認可能な表示領域(視認領域)となる。これによって、第1遊技領域1aの大部分に表示ユニット170の画像が表示されることとなる。また後述するように、この遊技盤本体1bの裏面側における表示領域区画壁89,64および役物装置25で囲まれた領域の一部が、遊技球が流下可能な第2遊技領域20とされている。
なお、画像表示面171の面積は、遊技盤裏面構成部材80に形成された視認開口87よりも広いので、視認開口87から露出する領域に所定の画像が表示されるように第1演出制御装置33によって制御されている。また、上述したように、表示領域区画壁89,64と役物装置25は、遊技機100の内部が見えないようにする機能も有しており、これらで囲まれた視認開口87の外周部分となる領域は遊技盤1の前面側からは見えないようになっている。
また、上部カバー部材81、下部カバー部材82の裏面には、遊技盤本体1bの左右端部に沿って配される周縁の近傍に後方へ突出する押圧部83,83,…が形成されている。この押圧部83,83,…は、図8に示すように、遊技盤1の裏面側に配される表示ユニット170の前面(表示ユニット170の外枠をなす表示ユニットケース174の前面)に、その後端部が当接するようになっている。表示ユニット170は、付勢部材としての圧縮コイルばね182によって前側に付勢されているので、押圧部83,83,…と表示ユニット170は密着した状態で保持されるようになっている。
また、押圧部83,83,…は上部カバー部材81の裏面、下部カバー部材82の裏面に形成された基部83aと、基部83aの後端部にねじによって取り付けられた摩擦係数が低い材質(例えば、ポリアセタール、金属)からなる押圧部材83bとを有している。さらに、上部カバー部材81、下部カバー部材82の裏面側から見て右側に位置する押圧部83,83の基部83aには、押圧部材83bに加え、上下方向に沿った軸を中心に回動可能なローラ83cが、外側に位置する角部に取り付け可能とされている。
表示ユニット170の前面に当接する押圧部83,83,…がこのような構成を有することで、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接し、押圧した状態で、容易に適切な位置に移動することができるようになっている。
また、押圧部83,83,…は、所定の前後幅を有しており、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接することで、図10(b)に示すように、遊技盤1と表示ユニット170は所定の間隔をおいて平行に配され、両者の間に空間部が形成されるようになっている。なお、押圧部83,83,…の前後幅は、上述した表示領域区画壁89,64、役物装置25の前後幅よりも若干広くされており、押圧部83,83,…が表示ユニット170の前面に当接することで、表示領域区画壁89,64、役物装置25が画像表示面171に近接した位置に配されるようになっている。
また、遊技盤1の裏面上部に配された役物装置25は、役物装置配置空間188をなす表示ユニット収納部168に収容される。この表示ユニット収納部168の上部においては、上方に球貯留タンク192が位置し、後方壁161aを挟んで後方に整列案内流路193aを形成する整列案内流路形成部材193が位置するようになっている。すなわち、役物装置25は、遊技盤1と整列案内流路193aとの間で、且つ球貯留タンク192の下方に配設されることとなる。
以上のことから、前面枠120の裏面側には、遊技球を排出する球排出機構が設けられ、球排出機構は遊技盤1の後方で且つ変動表示装置(表示ユニット170)の上方に配設され、遊技球を貯留する球貯留タンク192と、該球貯留タンク192の後方且つ下方に配設され、該球貯留タンク192から流下された遊技球を整列して案内する整列案内流路193aと、を備え、遊技盤1と整列案内流路193aとの間で且つ球貯留タンク192の下方に、役物装置25を配設したこととなる。
このように、遊技盤1に対して表示ユニット170が所定の間隔をおいて遊技機100の奥側に配されるので、表示ユニット170と遊技者との距離を確保でき、奥行き感を出すことができるとともに、大型の表示ユニット170を用いた場合でも、遊技者にとって見やすい構成とすることができる。また、遊技盤側から入り込む外光によって画像表示面171における表示が見にくくなることを防止できる。
また、遊技盤本体1bの裏面側における表示領域区画壁89,64および役物装置25で囲まれた領域内には、遊技装置としてのステージ部材21が配されている。このステージ部材21は透光性を有する材質からなる板状の部材であって、左右の端部は表示領域区画壁89に一部が支持されるとともに近接して配され、後端部は表示領域区画壁89の後
端部と等しい前後位置に配されている。すなわち、このステージ部材21によって、表示領域区画壁89,64および役物装置25によって形成された前後方向に沿った筒状の空間が上下に区画されるようになっている。そして、遊技盤1の裏面側に表示ユニット170が配されることで、表示ユニット170と表示領域区画壁89、ステージ部材21および役物装置25によって囲まれた空間である第2遊技領域20が遊技盤本体1bの裏面側に形成される。このように形成される第2遊技領域20へは、案内部7b,7bに形成されたワープ入口12,12に流入した遊技球が誘導されるようになっている。
遊技盤本体1bの裏面におけるワープ入口12,12と対応する位置には、遊技装置としての遊技球流路形成部材をなすワープ流路形成部材24,24が配されている。このワープ流路形成部材24,24は透光性を有する材質からなる部材で、ワープ入口12,12に流入してワープ孔を通って遊技盤本体1bの裏面に至った遊技球を、ステージ部材21の上面に形成されたステージ21a上に誘導するワープ流路が内部に形成されている。このワープ流路は、遊技球を一列で流下可能な筒状の流路であって、その入口となる上流側端部は遊技盤本体1bに形成されたワープ孔に接続しており、ここから遊技盤本体1bの裏面に沿って遊技盤本体1bの側端方向へ屈曲し、出口となる下流側端部はステージ21aの側端部の上方に近接した位置に配されるようになっている。これによって、第1遊技領域1aに開口したワープ入口12に流入した遊技球は、ワープ流路を通って第2遊技領域20におけるステージ部材21の上面に形成されたステージ21a上を遊技盤1の外側に向かって流下するように誘導されることとなる。このように、ワープ流路からステージの側端方向へ遊技球が排出されるので、ステージ21aの端から端まで有効に利用できるようになり、ステージ21a上に一度に多数の遊技球を転動させることが可能となる。
ステージ部材21は、左右両側が中央に向かって下る傾斜面となっているとともに、中央部が上向きに突出した略W字状に形成されている。そして、このステージ部材21の上面が、遊技球が転動するステージ21aとされ、遊技球が略W字状の傾斜に沿って左右に転動するようになっている。また、このステージ部材21の中央部は、遊技盤本体1bに形成された導出口13の後方に位置するように形成されており、ステージ21aは、導出口形成部材23によって形成された導出口13の底面に連続するようになっている。これによって、ステージ21a上を転動する遊技球は前側へ誘導され、導出口13から第1遊技領域1aへ導出されることとなる。
また、ステージ21aの左右方向の中央であって、遊技球が転動する面の下側には、遊技球が流下可能な流路である球誘導路22の後方部分が形成されている。この球誘導路22は、前後方向に沿って延在するように形成された遊技球が一個流下可能な内径を有する筒状の流路で、前側に向かって下るように傾斜している。この球誘導路22の上流側端部はステージ21aに開口しており、下流側端部は上述したように、導出口形成部材23の前端部に開口している。
次に、遊技盤本体1bの裏面上部に取り付けられた役物装置25の詳細な構成について図4,9から15を参照して説明する。この役物装置25は、前方に配される前面装飾部材40と、該前面装飾部材40の後方に取り付けられ、可動部材70と駆動源としてのモータ91を備える駆動装置90とを収納した収納ケース50とを備える。
図12,13,14に示すように、収納ケース50は、前側に前面装飾部材40が取り付けられる前面壁51と、該前面壁51の後面における外周に沿って、前面壁51に対して垂直に後方へ延出するように形成された側壁52と、該側壁52の後端部に、外周が側壁52に沿うように前面壁51と平行に配される後面壁53とを有する。また、側壁52は一部が途切れて内部空間である収納部54に連通する開口部55を形成しており、収納ケース50はこの開口部55が下側を向くように遊技盤本体1bに配されるようになって
いる。この収納ケース50の前面壁51の前面には、前面装飾部材40が取り付けられるようになっていて、前面壁51の前面には、前面装飾部材40を所定位置に配するための前方に突出する複数のボス51a,51a,…が形成されている。また、前面壁51には、前面装飾部材40をねじによって固定するための前後に貫通するねじ孔51b,51b,…が複数形成されている。
収納ケース50の内部空間である収納部54には、可動部材70と、該可動部材70を駆動する駆動源としてのモータ91と、可動部材70の動作状態を検出する検出センサ77が設けられている。そして、可動部材70は、前面壁51の後面から前後方向に沿って後方に延出した回動軸56に回動可能に軸支されるリンク部材71と、リンク部材71に取り付けられ、開口部55から下方に現出する装飾部材76、リンク部材71を付勢する付勢部材としての引張コイルばね78とを有する。
リンク部材71は、前面壁51に形成された回動軸56と回転可能に嵌合する軸受部72と、該軸受部72から延出する駆動受部73と装飾部材取付部74を有する。このうち軸受部72は、回動軸56の長さよりも若干短い前後幅を有する円筒形の部分で、中心部に前後方向に沿って延在する筒状の挿通空間72aを有し、この挿通空間72aの前後に軸受部材75,75(フランジ付きブッシュ)を取り付けた状態で回動軸56を挿通することで、リンク部材71が回動可能に軸支されるようになっている。
この軸受部72の側面における後方側部分には、挿通空間72aの延在方向に対して垂直に延出する駆動受部73が形成されている。この駆動受部73は、軸受部72の側面から挿通空間72aの延在方向に対して垂直に延出する延出部73aを有し、この延出部73aの先端には、延出部73aの延出方向に対して垂直に、すなわち挿通空間72aの延在方向に沿って前方へ延出する軸状の被押圧部73bが形成されている。この被押圧部73bは、後述するモータ91に接続した動力伝達部材94の押圧部94cに押圧される部分であって、その前端は軸受部72の前端と略等しい前後位置まで延出している。
また、軸受部72の側面における後方側部分であって、挿通空間72aを挟んで対向する位置には、挿通空間72aの延在方向に対して垂直に延出する装飾部材取付部74が形成されている。この装飾部材取付部74の先端部には、収納部54内に収納可能な大きさを有するバットの形状を模した装飾部材76が取り付けられている。
このような可動部材70は、図14(a)に示すように、前面壁51の後面に形成された回動軸56をリンク部材71の軸受部72の挿通空間72aに挿通し、回動軸56の先端に固定部材58(E形止め輪)を取り付けることで、リンク部材71が回動可能な状態で収納部54に取り付けられる。このとき、装飾部材76が取り付けられた装飾部材取付部74が役物装置25の裏面側から見て、回動軸56の左側に位置するような向きで取り付ける。このように回動可能に取り付けられた可動部材70の回動範囲は、図15(a)に示すように、装飾部材76が収納部54に収納されて前面側から視認不能な収納位置から、図15(b)に示すように、装飾部材76が下方の開口部55から現出し、前面側から視認可能となる現出位置までの範囲となっている。また、後面壁53の前面であって、駆動受部73の後方に位置する部分には、リブ状の規制部(図示略)が前方に突出するように形成されており、この規制部によって駆動受部73の移動範囲を規制することで可動部材70の回動範囲を規制するようになっている。
また、図14(b)に示すように、装飾部材取付部74の装飾部材76が取り付けられた先端部よりも軸受部72側の前面には、可動部材70の動作状態を検出センサ77で検出するためのセンサ検出部74aが形成されている。このセンサ検出部74aは、装飾部材取付部74の前面に対して垂直に前方に延出する板状をしており、回動軸56を中心とする円に沿って湾曲した円弧状に形成されている。
そして、可動部材70の動作状態を検出する検出センサ77は、図13に示すように、発光部77aと受光部77bとが対向して配された光センサで、受光部77bにおいて発光部77aからの光を検出することでON信号を出力するものであり、収納部54における前面壁51の後面に取り付けられている。この検出センサ77の詳細な取り付け位置は、図14(a)に示すように、収納部54における前面壁51の後面であって装飾部材76が収納位置にある際に、センサ検出部74aが発光部77aと受光部77bの間に配されるような位置に取り付けられている。
この検出センサ77においては、装飾部材76が収納位置にあるときは、装飾部材取付部74に形成されたセンサ検出部74aが検出センサ77の発光部77aと受光部77bとの間に挿入された状態となり、発光部77aからの光が遮られて受光部77bで検出不能な状態、すなわち検出センサ77がOFFとなる。また、図15(b)に示すように、装飾部材76が現出位置にあるときは、センサ検出部74aが検出センサ77の発光部77aと受光部77bの間から退避し、発光部77aからの光を受光部77bで検出可能な状態、すなわち検出センサ77がONとなる。これにより、検出センサ77を監視することで可動部材70の動作状態を検出することが可能となる。
また、装飾部材取付部74の装飾部材76が取り付けられた先端部よりも軸受部72側の上面には、付勢部材としての引張コイルばね78の一端を固定する付勢部材固定部74bが形成されている。この付勢部材固定部74bに一端が固定された引張コイルばね78の他端は、回動軸56よりも上側に位置する側壁52に形成された固定部52aに固定されるようになっている。これにより、回動軸56を中心に回動可能な可動部材70は、装飾部材76が収納部54に収納された収納位置に戻るように付勢されることとなる。
図14(a)に示すように、駆動装置90は駆動源としてのモータ91(ステッピングモータ)を備え、役物装置25の裏面側から見て可動部材70の左右方向に並んだ右側の位置に、モータ91の駆動軸92が役物装置25の左右方向に沿って可動部材70側に延出するような向きで配されている。すなわち、役物装置25の左右方向に沿った駆動軸92の延在方向は、前面壁51に役物装置25の前後方向に沿って形成された回動軸56の延在方向と直交するようになっている。
モータ91は、図13に示すように、モータ取付部材93に固定されていて、このモータ取付部材93を側壁52に固定することで収納部54内に固定されるようになっている。なお、このように所定位置に固定されたモータ取付部材93の後面は、図4に示すように、後面壁53に形成された開口53aにちょうど嵌り、両者の後面が面一になるようになっている。
図14(a)に示すように、モータ91の駆動軸92は、モータ取付部材93の一側面に形成された開口から突出しており、この駆動軸92には、動力伝達部材94が取り付けられている。この動力伝達部材94は、駆動軸92に固定される固定部94aと、該固定部94aの先端に位置し、駆動軸92の延在方向に対し垂直に側方へ延出する延出部94bと、該延出部94bの先端に形成され、延出部94bの延在方向に対して垂直に、駆動軸92の延出方向に沿って可動部材70側へ延出する押圧部94cからなるクランク状に形成された部材である。この動力伝達部材94の押圧部94cは、上述したように回動軸56に取り付けられたリンク部材71における、役物装置25の裏面側から見て回動軸56の右側に位置する駆動受部73の被押圧部73bの下側に位置するように配される。
このように可動部材70とモータ91を左右方向に並べるとともに、可動部材70の回動軸56の延在方向とモータ91の駆動軸92の延在方向が直交するように配置することで、役物装置25の前後幅を狭くでき、遊技盤1と表示ユニット170との間の狭い空間に効率よく役物装置25を配設できるようになる。
以上のことから、駆動源をモータ91により構成し、可動部材70とモータ91を左右方向に並べるとともに、可動部材70の回動軸56の延在方向とモータ91の駆動軸92の延在方向が直交するように配置したこととなる。
図12に示すように、この収納ケース50の前面に取り付けられる前面装飾部材40は、各種部材を取り付ける取付ベース41と、該取付ベース41の前面側に取り付けられる装飾板42を備える。また、前面装飾部材40は、取付ベース41の裏面側に、レンズ部材43,44や光拡散シート45、複数の発光源としてのLED46a,46a,…が配された発光基板としてのLED基板46を備える。
取付ベース41は板状の部材で、遊技盤本体1bの裏面と対向して配されるようになっており、この取付ベース41の左右の端部における一部には、遊技盤本体1bの裏面に固定するための固定部41a,41aが形成されている。この固定部41a,41aには、前後に貫通するねじ孔41b,41bが形成されている。また、固定部41a,41aの前面には、前方に突出する位置決め用のボス41cが形成されている。
また、取付ベース41には、レンズ部材43,44を取り付けるための前後に貫通した開口部であるレンズ取付部41d,41d,…が形成されている。このレンズ取付部41d,41d,…には、後方からレンズ部材43,44が嵌め込まれるようになっている。また、取付ベース41の前面側の上部には装飾板取付部41eが形成されており、ここに前面側に装飾が施された装飾板42がねじによって固定される。この装飾板42の上部は、図13に示すように、取付ベース41よりも上側に延出するようになっている。
レンズ部材43,44は、光を透過可能な材質からなり、図12に示すように、取付ベース41のレンズ取付部41d,41d,…にちょうど嵌る形状をした前方に突出する凸部43a,44aを有し、この凸部43a,44aがレンズ取付部に後方から嵌め込まれるようになっている。このレンズ部材43,44は、「球界王」の文字をかたどった凸部43aを有する中央レンズ部材43と、該中央レンズ部材43の左右に位置し、円柱状の凸部44a,44a,…を有する側部レンズ部材44,44とに分かれている。また、中央レンズ部材43の「界」の文字をかたどった凸部43aには、前面側に楕円形の中央部装飾部材取付部43bが形成され、ここに中央部装飾部材47が取り付けられるようになっている。そして、中央レンズ部材43には、前面に凸部43aを形成したことにより裏面側に形成された凹部に、光拡散シート45が配されている。なお、中央部装飾部材取付部43bが形成された部分は、中央部装飾部材47により前面側が覆われるために光拡散シート45は配されていない。
光拡散シート45は、中央レンズ部材43の後方に配されるLED46a,46a,…からの光を拡散させ、中央レンズ部材43の凸部43a全体が均一に発光するようにするものであって、凹部の底面となる部分にちょうど収まる形状とされている。なお、側部レンズ部材44,44には光拡散シート45は配されていないが、側部レンズ部材44,44の凸部44a,44a,…自体に光を拡散させる凹凸が形成されており、側部レンズ部材44,44の凸部44a,44a,…全体が均一に発光するようになっている。
LED基板46は、前面側に複数の発光源としてのLED46a,46a,…を備え、収納ケース50の前面壁51の前面に沿って配されて、レンズ部材43,44を後方から照らすことで光による装飾を行うものである。上述したように、収納ケース50の前面壁51の前面には、前方へ突出する複数のボス51a,51a,…が形成されており、LED基板46には、このボス51a,51a,…を挿通可能な挿通孔46b,46b…がボス51a,51a,…の位置に対応して形成されている。そして、LED基板46は、挿通孔46b,46b…にボス51a,51a,…を挿通するように配することで、収納ケース50の前面壁51の前面における所定位置に配されるようになっている。
また、このボス51a,51a,…は、LED基板46の前側に配される中央レンズ部材43の凹部の位置に対応して形成されているとともに、その前方への突出幅が凹部の底面に近接して配されるような幅とされている。これにより、ボス51a,51a,…の先端が凹部の底面に配された光拡散シート45を後方から押さえ、光拡散シート45が凹部の底面に密着した状態で配されるようになる。
なお、収納ケース50の前面壁51には、前面に配されるLED基板46に接続する配線を通すための前後に貫通した配線用開口51c,51cが形成されており、LED基板46に接続された配線は、配線用開口51c,51cを通って収納部54内に配される。また、収納ケース50の内部には、図15(a)に示すように、配線を保持する配線保持部57が形成されている。さらに、収納ケース50の側壁52であって、役物装置の裏面側から見た右側部には、収納部54内を通した配線を外部に導出するための配線用開口52bが形成されていて、LED基板46に接続した配線のほか、収納部54内に配された検出センサ77やモータ91の配線もこの配線用開口52bを通って外部に導出される。このように配線を役物装置25の内部に通すとともに、側方から導出するようにしたことで、確実に配線を隠すことができる。
また、図12に示すように、収納ケース50の前面壁51には、前後に貫通するねじ孔51b,51b,…が複数形成されており、このねじ孔51b,51b,…の位置に対応してLED基板46、レンズ部材43,44にもねじ孔が形成されている。そして、取付ベース41の裏面には、このねじ孔51b,51b,…と対応する位置にねじ止め部が形成されている。これにより、各部材を収納ケース50の前面壁51の前面側に配設した状態で、収納ケース50の前面壁51の後面側からねじを取付ベース41のねじ止め部に螺合することで、前面装飾部材40を収納ケース50の前面に固定することができる。このように、前面装飾部材40を収納ケース50の前面に固定することで、取付ベース41と収納ケース50の前面壁51との間に、レンズ部材43,44、LED基板46が挟み込まれた状態となる。なお、可動部材70や駆動装置90を収納した収納ケース50は、図11に示すように、前面側から見て取付ベース41及び装飾板42の後方に隠れるような大きさとなっている。
以上のことから、前面装飾部材40は、役物装置25を遊技盤裏面に取り付けるための取付ベース41として機能し、可動部材70と駆動源(モータ91)とを収納する収納ケース50を設け、取付ベース41と、収納ケース50の前面壁51との間に、レンズ部材43,44と複数の発光源(LED46a,46a,…)が設けられた発光基板(LED基板46)とを挟み込んで配設したこととなる。
以上のように構成される役物装置25は、図9,10(b)に示すように、前面装飾部材40の取付ベース41の前面が遊技盤本体1bの裏面と対向するように配し、取付ベース41に形成された固定部41a,41aにより遊技盤本体1bに固定するようになっている。遊技盤本体1bの裏面には、固定部41a,41aに形成されたねじ孔41b,41bおよび位置決め用のボス41cと対応する位置に、ねじ止め部1c,1c,…およびボス41cを受け入れる位置決め孔1d,1dが形成されており、これによって取付ベース41を遊技盤本体1bの所定位置に固定できるようになっている。なお、固定部41a,41aが形成された部分は、遊技領域区画部材8,8の裏側に位置する部分であって、遊技者からは見えない位置となっており、装飾性を損なわないようになっている。
このように取り付けられた役物装置25は、固定部41a,41aと装飾板42の上部が上部カバー部材81と遊技盤本体1bの間に配され、その他の大部分は、上部カバー部材81の下側の周縁よりも下側に配されるようになっている。そして、取付ベース41及び装飾板42の前面は遊技盤1の前面側から遊技盤本体1bを透して視認可能となっている。また、可動部材70や駆動装置90を収納した収納ケース50は、取付ベース41及び装飾板42の後方に隠れるような大きさとなっており、遊技者からは見えず、装飾性を損なうことがない。
この役物装置25は、第1演出制御装置33が第2演出制御装置31を介して制御するようになっており、遊技の進行に合わせて動作するようになっている。装飾部材76は、図15(a)に示すように、通常時は役物装置25の内部に収納された収納位置にあって、遊技者からは見えないように隠蔽されている。そして、例えば、変動表示ゲームにおけるリーチ予告やリーチ状態中の演出のような、遊技の進行に合わせて、駆動装置90のモータ91を駆動して可動部材70を動作させる。
このように、図15(a)に示す装飾部材76が収納位置にある状態で、押圧部94cが上方へ移動するようにモータ91を駆動すると、被押圧部73bが上方へ押し上げられてリンク部材71は回動軸56を中心に役物装置25の裏面側から見て反時計回り方向に回動し、図11,15(b)に示すように、装飾部材76が開口部55から下方に現出した現出位置に移動する。
役物装置25は視認開口87の上部を区画する区画部材としての機能も有しており、この役物装置25の下方から装飾部材76を現出させることにより、画像表示面171の前側に重なった状態で遊技者から視認可能となる。よって、画像表示面171において装飾部材76の現出と連動した表示を行うことで、より効果的な演出も可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、逆に、図11,15(b)に示すように、現出位置にある装飾部材76を収納部54に収納する際には、押圧部94cが下方へ移動するようにモータ91を駆動する。リンク部材71は、付勢部材としての引張コイルばね78により装飾部材取付部74が上方向へ移動するように付勢されているので、リンク部材71が回動軸56を中心に役物装置25の裏面側から見て時計回り方向に回動し、図15(a)に示すように、装飾部材76が収納部54に収納される収納位置に移動する。
以上のことから、前面枠120と、該前面枠120側に着脱可能であり、透明部材で形成された遊技盤本体1bに障害部材(流下方向規制装置7、打球方向変換部材11,11)及び入賞装置(始動入賞口10、普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、一般入賞口2,2)を設けた遊技盤1と、遊技盤本体1bの後方に所定間隔離して前面枠120に配置され、遊技に関わる変動表示ゲームを実行する変動表示装置(表示ユニット170)と、を備え、遊技盤1の前方から変動表示装置の表示領域(画像表示面171)を視認可能とした遊技機100において、遊技盤1と変動表示装置との間に役物装置25を配設し、役物装置25は、遊技盤前方から視認可能で前方に備えられる前面装飾部材40と、前面装飾部材40の後方に設けられた可動部材70と、前面装飾部材40の後方に設けられ可動部材70を駆動する駆動源(モータ91)と、を備え、変動表示ゲームの表示内容に応じて、可動部材70を前面装飾部材40で隠蔽された位置から遊技者に視認可能な位置に現出させるようにしたこととなる。
なお、上述の実施形態において遊技盤1は、前面枠120に対して前側から取り付ける構成としたが、遊技盤1を前面枠120に後側から取り付ける(或いはサイドからスライド挿入する)構成としても良い。この場合は、前面枠120に遊技盤1を装着した後に裏機構枠160を閉鎖することとなり、この際に表示ユニット170が後方へ押圧され、役物装置25が役物装置配置空間188に収容される。また、本実施形態のように遊技盤1を前側から取り付ける構成であっても、メンテナンス等の場合に裏機構枠160を開放した場合は、再び裏機構枠160を閉鎖する際に表示ユニット170が後方へ押圧され、役物装置25が役物装置配置空間188に収容される。
また、裏機構枠160を開閉可能としたが、遊技盤1を前側から取り付ける構成の場合は、開閉できない裏機構枠160であっても良い。また、裏機構枠160を別途設けずに、前面枠本体130の裏面側に表示ユニット170を前後動可能に配するようにしても良い。
また、役物装置25の設置箇所を遊技盤本体1bの裏面上部に設けるとしたが、これに限られるものではなく、遊技盤本体1bと表示ユニット170の間であればどこに設けても良く、遊技盤本体1bの裏面以外の場所に固定しても良い。また、装飾部材の種類や数、動作態様なども任意である。
以上のような遊技機100は、前面枠120と、該前面枠120側に着脱可能であり、透明部材で形成された遊技盤本体1bに障害部材(流下方向規制装置7、打球方向変換部材11,11)及び入賞装置(始動入賞口10、普通変動入賞装置3、特別変動入賞装置4、一般入賞口2,2)を設けた遊技盤1と、遊技盤本体1bの後方に所定間隔離して前面枠120に配置され、遊技に関わる変動表示ゲームを実行する変動表示装置(表示ユニット170)と、を備え、遊技盤1の前方から変動表示装置の表示領域(画像表示面171)を視認可能とした遊技機100であって、遊技盤1と変動表示装置との間に役物装置25を配設し、役物装置25は、遊技盤前方から視認可能で前方に備えられる前面装飾部材40と、前面装飾部材40の後方に設けられた可動部材70と、前面装飾部材40の後方に設けられ可動部材70を駆動する駆動源(モータ91)と、を備え、変動表示ゲームの表示内容に応じて、可動部材70を前面装飾部材40で隠蔽された位置から遊技者に視認可能な位置に現出させるようにしている。
したがって、遊技盤1と変動表示装置との間に配設した役物装置25は、遊技盤前方から視認可能で前方に備えられる前面装飾部材40を有し、前面装飾部材40の後方に可動部材70と駆動源とを備えるので、駆動源や配線を前面装飾部材40で隠すことができる。特に、遊技盤1が透明部材で形成されているので、単に役物装置25を取り付けただけでは、配線が遊技者から見えてしまうが、このような構成にすることで確実に配線を隠すことができ、役物装置25を配しても遊技機100の装飾性を損なうことがない。
さらに、役物装置25は、変動表示ゲームの表示内容に応じて、可動部材70を前面装飾部材40で隠蔽された位置から遊技者に視認可能な位置に現出させるようにしたので、遊技者に対する演出、報知を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、役物装置25が変動表示装置の前側に配されているので、変動表示装置の表示領域と重なるように可動部材70を現出させることもでき、演出効果を向上できる。
また、前面装飾部材40は、役物装置25を遊技盤裏面に取り付けるための取付ベース41として機能し、可動部材70と駆動源(モータ91)とを収納する収納ケース50を設け、取付ベース41と、収納ケース50の前面壁51との間に、レンズ部材43,44と複数の発光源(LED46a,46a,…)が設けられた発光基板(LED基板46)とを挟み込んで配設している。
したがって、前面装飾部材40は、役物装置25を遊技盤裏面に取り付けるための取付ベース41として機能するので、遊技盤1に直接役物装置25を取り付けることができ、狭い空間に役物装置25を配設できる。
また、可動部材70と駆動源とを収納する収納ケース50を設け、取付ベース41と、収納ケース50の前面壁51との間に、レンズ部材43,44と複数の発光源が設けられた発光基板とを挟み込んで配設したので、前面装飾部材40を発光により装飾するとともに、その後方に可動部材70および駆動源を隠蔽することにより装飾効果を高めることができる。
また、駆動源をモータ91により構成し、可動部材70とモータ91を左右方向に並べるとともに、可動部材70の回動軸56の延在方向とモータ91の駆動軸92の延在方向が直交するように配置している。
したがって、可動部材70とモータ91を左右方向に並べるとともに、可動部材70の回動軸56の延在方向とモータ91の駆動軸92の延在方向が直交するように配置したので、遊技盤1と変動表示装置(表示ユニット170)との間の狭い空間に効率よく役物装置25を配設できる。
また、前面枠120の裏面側には、遊技球を排出する球排出機構が設けられ、球排出機構は遊技盤1の後方で且つ変動表示装置(表示ユニット170)の上方に配設され、遊技球を貯留する球貯留タンク192と、該球貯留タンク192の後方且つ下方に配設され、該球貯留タンク192から流下された遊技球を整列して案内する整列案内流路193aと、を備え、遊技盤1と整列案内流路193aとの間で且つ球貯留タンク192の下方に、役物装置25を配設している。
したがって、前面枠120の裏面側に設けられた球排出機構は、遊技盤1の後方で且つ変動表示装置の上方に配設される球貯留タンク192と、該球貯留タンク192の後方且つ下方に配設され、該球貯留タンク192から流下された遊技球を整列して案内する整列案内流路193aとを備え、遊技盤1と整列案内流路193aとの間で且つ球貯留タンク192の下方に、役物装置25を配設するようにしたので役物装置25を配設する空間(役物装置配置空間188)を確保できる。すなわち、整列案内流路193aを球貯留タンク192の後方且つ下方に配設したので、球貯留タンク192の下方に十分な空間を確保できる。
なお、本発明の遊技機100は、遊技機100として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。