JP2008208345A - 硬質押出用塩化ビニル樹脂組成物及びその安定剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 Ca/Zn系安定剤で、押出し成型時においてビルドアップ現象やプレートアウト現象が少なく成形加工性に優れ、しかも鉛系安定剤と同程度に表面の艶があり外観の優れた成形体が得られる塩化ビニル樹脂組成物及び塩化ビニル樹脂用安定剤を提供する。
【解決手段】 塩化ビニル樹脂100質量部に対して、ヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩とを質量比率で1:9〜9:1で、かつ、ヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩との合計添加量が0.05〜2.0質量部に含む硬質押出用塩化ビニル樹脂組成物、及びヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩とが質量比率で1:9〜9:1に、ヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩とを含む硬質押出用塩化ビニル樹脂用安定剤からなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は低毒性で、押出し成型時のビルドアップ現象やプレートアウト現象が少なく、成形加工性に優れ、しかも鉛系安定剤と同程度に表面の艶があり外観の優れた成形体が得られる硬質押出用塩化ビニル樹脂組成物に関する。
塩化ビニル樹脂は、安価で、優れた長期物性と成形加工性を有しているため、押出機や射出成型機で種々の形状に成形され、可塑剤を配合する軟質成形品から可塑剤を配合しない硬質成形品まで広範な用途に使用されている。しかしながら、特に硬質製品を成形加工する場合、成形温度と塩化ビニル樹脂の分解温度が接近しているために良好な成形品が得られ難く各種安定剤や滑剤などを配合する必要がある。これら安定剤として近年、環境問題からCa/Zn系安定剤が開発されているが、安定剤が主原因で成形機内に固結物が付着(ビルドアップ、プレートアウト)すると共に、表面の艶が鉛系安定剤配合に比較して劣るなどの欠点が問題になっている。
そこで、従来、塩化ビニル樹脂の安定剤として、三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸鉛などの鉛系の安定剤が賞用されている。これらの安定剤は、塩化ビニル樹脂の安定化効果に優れ、特に、熱劣化に対する安定剤として有用であるが、反面、毒性が大きいという重大な問題がある。
このため、ヒドロキシステアリン酸やヒドロキシステアリン酸カルシウムを塩素化塩化ビニル樹脂用安定剤として成型加工性改善の目的で配合することが提案されている(特許文献1参照。)。また、ヒドロキシステアリン酸やヒドロキシステアリン酸カルシウムを有機錫系安定剤に配合することが成形加工性の改善と外観の改善の目的で配合することが提案されている(特許文献2。)。また、ヒドロキシステアリン酸やヒドロキシステアリン酸カルシウムをアクリル系共重合体に塩化ビニル樹脂をグラフと共重合して得られた塩化ビニル樹脂用に成型加工性及び表面性改善の目的で配合することが提案されている(特許文献3参照。)。しかし、未だその効果は不十分であった。
他方、十分な加工性を得るために滑剤を多量に配合すれば、塩化ビニル樹脂組成物を成形加工に用いる際に、ビルドアップやプレートアウトの問題が起こって、外観の優れた成形物が得られないという問題があった。
特開平05−331340号公報(特許請求の範囲) 特開平07−300545号公報(特許請求の範囲) 特開2000−169660号公報(特許請求の範囲)
本発明は、従来の塩化ビニル樹脂の安定剤における上述したような問題を解決するためになされたものであって、Ca/Zn系安定剤で、押出し成型時においてビルドアップ現象やプレートアウト現象が少なく成形加工性に優れ、しかも鉛系安定剤と同程度に表面の艶があり外観の優れた成形体が得られる硬質押出用塩化ビニル樹脂組成物及び硬質押出用塩化ビニル樹脂用安定剤を提供することを目的とする。
本発明者らはこれらの問題について鋭意検討した結果、以下の本発明を見出した。
本発明の第一観点は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、ヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩とを質量比率で1:9〜9:1で、かつ、ヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩との合計添加量が0.05〜2.0質量部に含む硬質押出用塩化ビニル樹脂組成物である。
この好ましい形態は、以下の通りである。
前記ヒドロキシ脂肪酸塩及び脂肪酸塩が、亜鉛塩及びカルシウム塩から選ばれる金属塩の少なくとも一種であること。
前記ヒドロキシ脂肪酸塩を形成するヒドロキシ脂肪酸が、12−ヒドロキシステアリン酸であること。
前記ヒドロキシ脂肪酸塩を形成するヒドロキシ脂肪酸が12−ヒドロキシステアリン酸であり、かつ、前記脂肪酸塩を形成する脂肪酸がステアリン酸であること。
また、本発明の第二観点は、ヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩とが質量比率で1:9〜9:1に、ヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩とを含む硬質押出用塩化ビニル樹脂用安定剤である。
この好ましい形態は、以下の通りである。
前記ヒドロキシ脂肪酸塩及び脂肪酸塩が、亜鉛塩及びカルシウム塩から選ばれる金属塩の少なくとも一種であること。
前記ヒドロキシ脂肪酸塩を形成するヒドロキシ脂肪酸が、12−ヒドロキシステアリン酸であること。
前記ヒドロキシ脂肪酸塩を形成するヒドロキシ脂肪酸が12−ヒドロキシステアリン酸であり、かつ、前記脂肪酸塩を形成する脂肪酸がステアリン酸であること。
本発明の硬質押出用塩化ビニル樹脂組成物及び硬質押出用塩化ビニル樹脂用安定剤を用いれば、押出し成形時のプレートアウトやビルドアップ現象を改善できる。これにより生産性の向上と艶の有る外観の良好な成形物を製造できる。
以下、本発明の硬質押出用塩化ビニル樹脂組成物及び硬質押出用塩化ビニル樹脂用安定剤について詳細に説明する。
本発明に使用されるヒドロキシ脂肪酸塩を構成するヒドロキシ脂肪酸とは脂肪酸の一部にヒドロキシル基を導入したもので、炭素数が8〜26、好ましくは12〜22の天然又は合成品であり、直鎖又は分岐鎖状で、飽和又は不飽和の脂肪酸の少なくとも1種以上からなる。例えば、12−ヒドロキシオレイン酸(リシノール酸)、12−ヒドロキシステアリン酸、水素添加ヒマシ油脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸の外に少量のステアリン酸及びパルミチン酸を含有する脂肪酸)、サビニン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、イソプール酸、2−ヒドロキシヘキサデカン酸、ヤラピノール酸、ユニペリン酸、アンブレットール酸、アリューリット酸、2−ヒドロキシオクタデカン酸、18−ヒドロキシオクタデカン酸、9,10−ジヒドロキシオクタデカン酸、カムロレン酸、フェロン酸、セレブロン酸、9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられ、これらの少なくとの1種が用いられる。特に、12−ヒドロキシステアリン酸などが好ましい。
本発明に使用される脂肪酸塩を構成する脂肪酸とは、炭素数が8〜26、好ましくは12〜22の天然又は合成品であり、直鎖又は分岐鎖状で、飽和又は不飽和の脂肪酸の少なくとも1種以上からなる。例えば、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ネオデカン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸及び類似酸並びに獣脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、桐油脂肪酸、大豆油脂肪酸及び綿実油脂肪酸などの天然に産出する上記の酸の混合物などが挙げられる。
本発明のヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩においては、ヒドロキシ脂肪酸塩を形成するヒドロキシ脂肪酸が12−ヒドロキシステアリン酸であり、かつ前記脂肪酸塩を形成する脂肪酸がステアリン酸であることが好ましい。
本発明のヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩との質量比率は1:9〜9:1であることが好ましい。これはヒドロキシ脂肪酸塩単独で配合した場合ヒドロキシ脂肪酸塩の融点が高いために、分散性が悪くなるためと考えられる。また、ヒドロキシ脂肪酸塩の比率が下がると本発明の効果が少なくなり好ましくない。
例えば、亜鉛塩を例に取ると、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛とステアリン酸亜鉛の混合物の融点は表1に示すように、両者を混合することで融点が下がることが確認される。また、これらの脂肪酸亜鉛の合計添加量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.05〜2.0質量部が好ましく、0.05質量部未満では本発明の効果が十分で無く、2.0質量部を超えると亜鉛の影響が大きくなり耐熱が悪くなり易く、また経済的では無いので好ましくない。
また、カルシウム塩を例に取ると、本発明のヒドロキシ脂肪酸カルシウムと脂肪酸カルシウムとの混合物の融点はヒドロキシ脂肪酸カルシウムの場合もヒドロキシ脂肪酸亜鉛と同様に、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムにステアリン酸カルシウムを混合することで表2に示すように融点降下が確認される。また、これら脂肪酸カルシウムの合計添加量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.05〜2.0質量部が好ましく、0.05質量部未満では本発明の効果が十分で無く、2.0質量部を超えるとカルシウムの影響が大きくなり着色が大きくなり好ましくない。
また、本発明のヒドロキシ脂肪酸塩及び脂肪酸塩に使用される金属塩としては、カルシウム(Ca)塩、亜鉛(Zn)塩、リチウム(Li)塩、ナトリウム塩(Na)塩、カリウム塩(K)、マグネシウム塩(Mg)、バリウム塩(Ba)、ストロンチウム(Sr)など挙げられる。これらの金属塩が少なくとも1種が用いられる。Ca/Zn系安定剤として、カルシウム塩、亜鉛塩などが好ましく、これらの金属塩が少なくとも1種が用いられる。
また、本発明に使用される塩化ビニル樹脂としては、懸濁重合法、塊状重合法及び乳化重合法などの周知の方法で製造される1)塩化ビニル単独重合体、2)塩化ビニルとエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドからなる群から選ばれるモノマーとの共重合体、3)ポリ塩化ビニリデン、ポリ臭化ビニル、塩素化ポリエチレン、エチレン/酢酸ピニル共重合体と塩化ビニルとのグラフト重合体、4)不飽和基を有するウレタン樹脂と塩化ビニルとのグラフト重合体などがあげられ、また、これらと他の熱可塑性樹脂との混合物であってもよい。
また、本発明の組成物及び安定剤には、ヒドロキシ脂肪酸塩及び脂肪酸塩以外にカルボン酸、有機リン酸類又はフェノール類の金属(Li,Na,K,Ca,Ba,Mg,Sr、Zn)塩を添加することができ、上記カルボン酸としては、例えば、安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、エチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、トルイル酸、サリチル酸、5−t−オクチルサリチル酸、ナフテン酸、グリシン、グルタミン酸などがあげられ、また、上記有機リン酸類としては、モノ又はジオクチルリン酸、モノ又はジドデシルリン酸、モノ又はジオクタデシルリン酸、モノ又はジ(ノニルフェニル)リン酸などがあげられ、また、上記フェノール類としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフエノールなどがあげられる。
上記カルボン酸、有機リン酸類又はフェノール類の金属塩の添加量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、好ましくは0.05〜10質量部である。
また、本発明の組成物及び安定剤には、更に、通常塩化ビニル樹脂用添加剤として用いられている各種の添加剤、例えば、ポリオール類、有機ホスファイト化合物及び/又はエポキシ化合物、可塑剤、無機系安定剤、充填剤などを添加することもできる。
上記ポリオール類としては、例えば、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのステアリン酸ハーフエステル、ビス(ジペンタエリスリトール)アジベート、グリセリン、ポリアルキレンオキサイド、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどがあげられる。
上記ポリオール類の添加量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、更に好ましくは0.05〜5質量部である。
また、上記有機ホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリスクレジルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリス(2-エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリ(トリデシル)ホスファイト、トリ(オレイル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリ(2,4ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、フエニルジ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、ジ(ノニルフェニル)アシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェニル・ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラフスファイト、テトラ(C12〜15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)(トリデシル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)(フルオロ)ホスファイトなどがあげられる。
上記有機ホスファイト化合物の添加量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜5質量部である。
また、上記エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油などのエポキシ化動植物油、エポキシ化ステアリン酸メチル、エポキシ化ステアリン酸ブチル、エポキシ化ステアリン酸2−エチルヘキシル、エポキシ化ステアリン酸ステアリル、エポキシ化ポリブタジエン、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポキシ化アマニ油脂肪酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物などがあげられる。
また、上記可塑剤としては、例えば、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレートなどのフタレート系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペートなどのアジペート系可塑剤、ホスフエート系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、塩素化パラフィン系可塑剤、トリオクチルトリメリテート、トリ(C7〜9混合アルキル)トリメリテートなどのトリメリテート系可塑剤、テトラオクチルピロメリテートなどのピロメリテート系可塑剤、ビフェニルテトラカルボキシレート系可塑剤などがあげられる。
また、上記無機系安定剤としては、例えば、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、非結晶性アルミノシリケート、ハイドロタルサイト、ゼオライト結晶構造を有するアルカリ及び/又はアルカリ土類のアルミノシリケート、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト、過塩素酸バリウムなどがあげられる。
また、上記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、ガラスビーズ、マイカ、ガラスフレーク、ウオラストナイト、チタン酸カリなどがあげられる。
その他、必要に応じて、本発明の組成物には、通常塩化ビニル樹脂に使用される添加剤、例えば、架橋剤、発泡剤、帯電防止剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤、β−ジケトン化合物類、酸化防止剤、光安定剤などを添加することもでき、Ca/Zn系安定剤で、押出し成型時においてビルドアップ現象やプレートアウト現象が少なく成形加工性に優れ、しかも鉛系安定剤と同程度に表面の艶があり外観の優れた成形体が得られる塩化ビニル樹脂組成物及び塩化ビニル樹脂用安定剤を提供する。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限を受けるものではない。
実施例1
表3及び表4に示した塩化ビニル樹脂組成物を塩化ビニル樹脂100質量部として5kgと各添加剤を20Lヘンシェルミキサーで100℃まで昇温しながら混合攪拌し冷却した後、試験用コンパウンドを得た。
塩化ビニル樹脂組成物の添加剤には、以下の原料を用いた。
塩化ビニル樹脂(TH−1000(商品名)、大洋塩ビ株式会社製)、炭酸カルシウム(ホワイトンSB(商品名)、白石カルシウム株式会社製)、アクリル系強化剤(メタブレン(登録商標)S−2001、三菱レイヨン株式会社製)、加工助剤(メタブレン(登録商標)P−501A、三菱レイヨン株式会社製)、滑剤(ハイワックス(登録商標)220MP、三井化学株式会社製)、酸化チタン(タイペーク(登録商標)CR−90、石原産業株式会社製)、安定剤(過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト:特開平2004−143450号公報の合成例2の記載に従って調製した。)、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛(NF−12ZN(商品名)、日産化学工業株式会社製)、ステアリン酸亜鉛(NF−SZ(商品名)、日産化学工業株式会社製)、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム(NF−12CA(商品名)、日産化学工業株式会社製)、ステアリン酸カルシウム(NF−SC(商品名)、日産化学工業株式会社製)。
この試験用コンパウンドを、次の条件で押出し試験を行った。
スクリュー:フルフラットタイプ、D=20mm、(L/D=22)、回転数=40rpm。
シリンダー温度:C1=130℃、C2=170℃、C3=190℃、D=200℃。
押出し量:15kg/10時間。
評価基準:ビルドアップについてはスクリュー先端に発生するビルドアップの量が多いものを×、少し認められたものを△、僅かに認められたものを○、全く認められなかったものを◎で目視評価した。プレートアウトについてはブレーカープレートに発生するプレートアウトの量が多いものを×、少し認められたものを△、僅かに認められたものを○、全く認められなかったものを◎で目視評価した。成形品の艶については、艶のあるものを◎、艶がややあるものを○、艶がないものを△、艶が全く無いものを×として4段階で目視評価した。
以上、本発明の塩化ビニル樹脂組成物を用いれば、押出し成形時のスクリューヘッドへのビルドアップやブレーカープレートなどへのプレートアウト現象を改善でき、且つ艶の有る成形品が得られる。これにより生産性の向上と外観の良好な成形物を製造できる。
本発明の塩化ビニル樹脂組成物及び塩化ビニル樹脂用安定剤を用いれば、低毒性で、押出し成形時のビルドアップ現象やプレートアウト現象が少なく、成型加工性に優れ、しかも鉛系安定剤と同程度に表面の艶があり外観の優れた成形体が得られる。

Claims (8)

  1. 塩化ビニル樹脂100質量部に対して、ヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩とを質量比率で1:9〜9:1で、かつ、ヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩との合計添加量が0.05〜2.0質量部に含む硬質押出用塩化ビニル樹脂組成物。
  2. 前記ヒドロキシ脂肪酸塩及び脂肪酸塩が、亜鉛塩及びカルシウム塩から選ばれる金属塩の少なくとも一種である請求項1に記載の硬質押出用塩化ビニル樹脂組成物。
  3. 前記ヒドロキシ脂肪酸塩を形成するヒドロキシ脂肪酸が、12−ヒドロキシステアリン酸である請求項1又は2に記載の硬質押出用塩化ビニル樹脂組成物。
  4. 前記ヒドロキシ脂肪酸塩を形成するヒドロキシ脂肪酸が12−ヒドロキシステアリン酸であり、かつ、前記脂肪酸塩を形成する脂肪酸がステアリン酸である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬質押出用塩化ビニル樹脂組成物。
  5. ヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩とが質量比率で1:9〜9:1に、ヒドロキシ脂肪酸塩と脂肪酸塩とを含む硬質押出用塩化ビニル樹脂用安定剤。
  6. 前記ヒドロキシ脂肪酸塩及び脂肪酸塩が、亜鉛塩及びカルシウム塩から選ばれる金属塩の少なくとも一種である請求項5に記載の硬質押出用塩化ビニル樹脂組用安定剤。
  7. 前記ヒドロキシ脂肪酸塩を形成するヒドロキシ脂肪酸が、12−ヒドロキシステアリン酸である請求項5又は6に記載の硬質押出用塩化ビニル樹脂用安定剤。
  8. 前記ヒドロキシ脂肪酸塩を形成するヒドロキシ脂肪酸が12−ヒドロキシステアリン酸であり、かつ、前記脂肪酸塩を形成する脂肪酸がステアリン酸である請求項5〜7のいずれか1項に記載の硬質押出用塩化ビニル樹脂用安定剤。
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