JPH0931281A - 硬質塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

硬質塩化ビニル樹脂組成物

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JPH0931281A
JPH0931281A JP18597095A JP18597095A JPH0931281A JP H0931281 A JPH0931281 A JP H0931281A JP 18597095 A JP18597095 A JP 18597095A JP 18597095 A JP18597095 A JP 18597095A JP H0931281 A JPH0931281 A JP H0931281A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着色性、熱安定性に優れた硬質塩化ビニル樹
脂組成物を提供すること。 【構成】 塩化ビニル樹脂100重量部に、亜鉛化合物
0.01〜5重量部、ハイドロタルサイト類0.01〜
10重量部、ポリビニルアルコール0.01〜5重量部
およびポリメチルメタクリレート0.05〜10重量部
を添加したことを特徴とする硬質塩化ビニル樹脂組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬質塩化ビニル樹
脂組成物、詳しくは、亜鉛化合物、ハイドロタルサイト
類、ポリビニルアルコールおよびポリメチルメタクリレ
ートを併用添加したことを特徴とする硬質塩化ビニル樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】塩化ビ
ニル樹脂組成物は、難燃性や耐薬品性に優れた樹脂であ
り、種々の用途に用いられている。しかし、塩化ビニル
樹脂は熱的に容易に分解して脱塩化水素を起こして機械
強度の低下や着色を起こし、商品性を損なう欠点を有し
ている。
【0003】上述の欠点を解決するために、種々の安定
剤が開発され、特に鉛化合物やカドミウム化合物とバリ
ウム化合物の混合物等が優れた安定化効果を持つことが
知られている。しかし、近年、安全性の観点から鉛化合
物やカドミウム化合物の使用が制限される傾向にあり、
安全性の高い亜鉛化合物とアルカリ土類金属の有機酸塩
やハイドロタルサイト、ゼオライト等の無機化合物の併
用による安定化に変更されつつある。
【0004】例えば、亜鉛化合物とハイドロタルサイト
類による塩化ビニル樹脂の安定化方法が、特開昭55−
80445号公報に提案されている。
【0005】しかし、上記の亜鉛化合物とハイドロタル
サイト類による安定化では、熱安定性、着色性など満足
のいく安定化効果は得られないため、特開昭57−14
7552号公報には、ペンタエリスリトールやトリメチ
ロールプロパンなどの多価アルコールの併用が提案され
ている。上記多価アルコールには、熱安定性改善効果は
認められるものの、塩化ビニル樹脂への相溶性に乏し
く、ブルームして外観を損ない、また充分な安定化効果
も得られていなかった。
【0006】また、特開昭61−174270号公報に
は、ポリビニルアルコールが併用可能な多価アルコール
の1種として記載され、特開平1−178543号公報
にはポリビニルアルコールを用いることでブルームを改
善することが提案されていが、安定化効果においては未
だ満足のいくものではなかった。
【0007】また、硬質塩化ビニル樹脂は、加工性や耐
衝撃性を改善する目的でポリメチルメタクリレート、メ
タクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体およびア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体などの
加工性改良剤が添加されたものであることは広く知られ
ている。
【0008】上記改良剤は、加工性の改善により、時と
して安定性をも向上することは知られているが、改良剤
と安定剤に相乗効果を期待させる知見は特になく、特定
の安定剤と特定の改良剤により優れた安定化効果が得ら
れることは、予測されなかった。
【0009】このように、塩化ビニル樹脂の安定化は未
だ満足のいくものではなく、特に、硬質塩化ビニル樹脂
は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して可塑剤を0〜
5重量部しか添加しないため、溶融粘度が高く、高温で
の加工が必要であり、加工時にかかるシェアも大きい。
そのため、高度の安定化が要求されており、優れた安定
化方法が望まれていた。
【0010】従って、本発明の目的は、着色性、熱安定
性に優れた硬質塩化ビニル樹脂組成物を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、ポリメチルメタクリレートにより改質さ
れた硬質塩化ビニル樹脂に、ハイドロタルサイト、亜鉛
化合物およびポリビニルアルコールを併用添加すること
により、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0012】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、塩化ビニル樹脂100重量部に、亜鉛化合物0.0
1〜5重量部、ハイドロタルサイト類0.01〜10重
量部、ポリビニルアルコール0.01〜5重量部および
ポリメチルメタクリレート0.05〜10重量部を添加
したことを特徴とする硬質塩化ビニル樹脂組成物を提供
することである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の硬質塩化ビニル樹
脂組成物について詳述する。本発明に用いられる塩化ビ
ニル樹脂としては、ポリ塩化ビニルの他、塩素化ポリ塩
化ビニル、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニ
ルーエチレン共重合体、塩化ビニループロピレン共重合
体、塩化ビニルーブタジエン共重合体、塩化ビニルース
チレン共重合体、塩化ビニルー塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニルーウレタン共重合体および塩化ビニルー
スチレンー無水マレイン酸三元共重合体などが挙げられ
る。
【0014】また、本発明に用いられる亜鉛化合物とし
ては、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛やオレイン酸
亜鉛等の亜鉛の脂肪族カルボン酸塩や、安息香酸亜鉛、
p−第三ブチル安息香酸亜鉛等の芳香族カルボン酸亜
鉛、アミノ酸亜鉛塩、リン酸エステル亜鉛塩のような有
機酸の亜鉛塩、酸化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機亜鉛塩など
が挙げられる。上記亜鉛化合物の添加量は、塩化ビニル
樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ま
しくは0.05〜3重量部である。上記添加量が0.0
1重量部未満では充分な安定化効果は得られず、5重量
部を超えると亜鉛バーニングにより熱安定性が不足す
る。
【0015】また、本発明に用いられるハイドロタルサ
イト類としては、下記一般式(I)で表される化合物が
好ましく用いられる。
【0016】 ZnX MgY Al2 (OH)2(X+Y)+4CO3 ・nH2 O (I) (式中、X、Yおよびnは、それぞれ0≦X≦2、4≦
X+Y≦6、0≦n≦20を満足する数を示す。)
【0017】上記ハイドロタルサイト類は、天然物でも
合成品でも良いが、不純物による樹脂の汚染が少ない合
成品が好ましい。該ハイドロタルサイト類の組成として
は、上記一般式(I)におけるマグネシウムの一部もし
くは全部を他のアルカリ土類金属で置換したものでもよ
く、炭酸アニオンの一部または全部を過塩素酸アニオン
等で置換したものでもよい。また、上記ハイドロタルサ
イト類は、脂肪酸等により表面処理されたものを用いる
こともできる。上記ハイドロタルサイト類の添加量は、
塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.01〜10
重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。上記添
加量が0.01重量部未満では安定化効果が認められ
ず、10重量部を超えると樹脂の色調や機械的強度を損
なう。
【0018】また、本発明に用いられるポリビニルアル
コールとしては、酢酸ビニルまたは酢酸ビニル−エチレ
ン共重合体の酢酸ビニル成分の30〜100%ケン化物
が挙げられる。上記酢酸ビニルのケン化により得られる
ポリビニルアルコールは、該ケン化後に公知の方法によ
り精製したものが好ましい。該精製が不十分なものは、
残存するアルカリ金属などにより得られる塩化ビニル樹
脂組成物を着色させるなどの好ましくない影響を与え
る。上記ポリビニルアルコールの添加量は、塩化ビニル
樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ま
しくは0.05〜3重量部である。上記添加量が0.0
1重量部未満では安定化効果が認められず、5重量部を
超えると樹脂の色調や機械的強度を損なう。
【0019】また、本発明に用いられるポリメチルメタ
クリレートとしては、特に限定されるものではなく、目
的とする硬質塩化ビニル樹脂組成物の物性により、重合
度においては50〜10000のものが用いられ、メチ
ルメタクリレートが重合体中の90重量%以上であれば
他の単量体との共重合体であってもよい。上記ポリメチ
ルメタクリレートの添加量は、塩化ビニル樹脂の改質効
果を示し、樹脂の特徴を損なわない範囲で用いられ、塩
化ビニル樹脂100重量部に対し、0.05〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部である。上記添加量が
0.05重量部未満では添加効果が認められず、10重
量部を超えると樹脂本来の物性を損なうことになる。
【0020】本発明の硬質塩化ビニル樹脂組成物は、通
常用いられる安定剤、フェノール系酸化防止剤、リン系
酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、防曇剤、帯電防
止剤、難燃剤、滑剤、改質剤、強化剤、顔料、発泡剤等
を併用することができる。また、本発明の硬質塩化ビニ
ル樹脂組成物には、その機械的特性を損なわない範囲で
あれば、他の樹脂を混合してもよく、また、塩化ビニル
樹脂100重量部に対して0〜5重量部の範囲であれば
可塑剤を添加してもよい。
【0021】上記安定剤としては、周知のものを用いる
ことができ、具体的には、カルシウム石鹸、バリウム石
鹸等のアルカリ土類金属の石鹸やアルミニウム石鹸、有
機リン酸金属塩等の有機金属塩、金属酸化物、金属水酸
化物、金属炭酸塩、ゼオライト等の無機複合金属塩等の
無機金属塩、塩素酸バリウム、過塩素酸バリウム、過塩
素酸ナトリウム等のハロゲン酸素酸塩、β−ジケトン、
多価アルコール、エポキシ化合物等の非金属安定剤が挙
げられる。
【0022】また、上記可塑剤としては、エステル系可
塑剤、エーテル系可塑剤、エポキシ系可塑剤やリン酸エ
ステル系可塑剤が挙げられる。
【0023】上記可塑剤としては、エステル系可塑剤と
して、フタル酸,トリメリット酸,ピロメリット酸,ア
ジピン酸,セバチン酸,アゼライン酸などの酸とn−プ
ロパノール,イソプロパノール,nーブタノール,イソ
ブタノール,tert−ブタノール,n−ペンタノー
ル,イソペンタノール,tert−ペンタノール,n−
ヘキサノール,イソヘキサノール,n−ヘプタノール,
イソヘプタノール,n−オクタノール,イソオクタノー
ル,2ーエチルヘキサノール,n−ノナノール,イソノ
ナノール,n−デカノール,イソデカノール,ラウリル
アルコール,ミリスチルアルコール,パルミチルアルコ
ール,ステアリルアルコールなどの直鎖および分岐のア
ルキルアルコール単独または混合物からなるエステルや
ブタンジオールとアジピン酸のエステルのようなポリエ
ステル可塑剤などがあげられる。
【0024】上記エポキシ系可塑剤としては、エポキシ
化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油、
エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル、オクチルエポキシス
テアレート、エポキシトリグリセライド、エポキシヘキ
サヒドロフタル酸ジイソデシルやエピクロルヒドリンと
ビスフェノールAの低分子量反応生成物樹脂のようなエ
ポキシ樹脂があげられる 。
【0025】上記リン酸エステル系可塑剤としては、ト
リクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェー
ト、モノブチルジキシレニルホスフェート、トリオクチ
ルホスフェートがあげられる。
【0026】また、上記フェノール系酸化防止剤として
は、通常用いられるもののいずれでもよく、例えば、
2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフ
ェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル
(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−
プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチ
レングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサ
メチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレ
ンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6
−第三ブチル−m−クレゾール) 、2,2’−メチレン
ビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,
2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェ
ノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−
第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコール
エステル、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三
ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−
第二ブチル−6−第三ブチルフェノール) 、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチ
ルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチ
ル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチ
ルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−
トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−
トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、
テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2
−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオ
キシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル) フェノー
ル、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第
三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ〔5. 5〕ウンデカン、トリエチレングリ
コールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。上
記フェノール系酸化防止剤の添加量は、塩化ビニル樹脂
100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量
部、更に好ましくは0.1〜3重量部である。
【0027】上記リン系酸化防止剤としては、通常用い
られるものはいずれでもよく、例えば、トリスノニルフ
ェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフ
ェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−
(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデ
シルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、
ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリ
ルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ (ノニルフ
ェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトー
ルジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−
メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシ
ル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テ
トラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス
(2−第三ブチル−5−メチルフェノール) ジホスファ
イト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)
ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三
ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,1
0−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナン
スレン−10−オキサイド、2,2’ーメチレンビス
(4ーメチルー6ー第三ブチルフェニル)−2−エチル
ヘキシルホスファイト等があげられ、その他、特開昭5
7−192460号公報に提案されている高分子量リン
化合物があげられる。上記リン系酸化防止剤の添加量
は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、好ましくは
0.001〜5重量部、更に好ましくは0.005〜3
重量部である。
【0028】上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オク
トキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などの2−
ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−
ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2
−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキ
シ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベン
ゾトリアゾリル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−
3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリ
アゾールのポリエチレングリコールエステルなどの2−
(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フ
ェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエー
ト、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−
3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートな
どのベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキ
ザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド
などの置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,
β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3
−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート
などのシアノアクリレート類などがあげられる。上記紫
外線吸収剤の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に
対して、好ましくは0.005〜10重量部、更に好ま
しくは0.01〜5重量部である。
【0029】上記光安定剤としては、例えば、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、
1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルス
テアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラテ
ス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(ト
リデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシ
レート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2
−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、
1,6−ビス(2,2,6,6−テトラエチル−4−ピ
ペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、
1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モ
ルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミ
ノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルア
ミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テ
トラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s
−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラ
アザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4
−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン
−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカ
ン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル
−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウン
デカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブ
チル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミ
ノ〕ウンデカンなどのヒンダードアミン化合物があげら
れる。上記光安定剤の添加量は、塩化ビニル樹脂100
重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量部、更
に好ましくは0.05〜3重量部である。
【0030】本発明の硬質塩化ビニル樹脂組成物の加工
方法としては、押し出し加工、カレンダー加工、ブロー
成形、プレス加工、粉体成形、射出成形等が挙げられ
る。
【0031】本発明の硬質塩化ビニル樹脂組成物は、床
材、天井材、壁材、窓枠、波板、雨樋などの建材、自動
車外装材、自動車内装材、パッキン、ガスケット、パイ
プ、玩具などの日用雑貨等の通常、硬質塩化ビニル樹脂
組成物が用いられる用途であればいずれの用途にも用い
ることができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例によ
って何ら制限を受けるものではない。
【0033】実施例1および比較例1〜7 以下に示す基本配合1の配合物に下記〔表1〕に示す種
類および量の安定剤を加えてヘンシェルミキサーでブレ
ンド後、180℃×20rpm×0.5mm×5分の条
件でロール混練して熱安定性試験用の硬質塩化ビニル樹
脂組成物としてのシートを得た。得られたシートについ
て下記熱安定性試験および着色性試験を行った。それら
の結果を下記〔表1〕に示す。
【0034】熱安定性試験:得られたシートを190℃
ギヤオーブン中での黒化までの時間を10分間隔で評
価。 着色性試験:得られたシートを180℃×5分×1mm
にプレスして得られたシートのハンター黄色度を測定し
て着色性を評価。
【0035】 基本配合1 塩化ビニル樹脂 100 重量部 MBS*1 5 〃 炭酸カルシウム 3 〃 二酸化チタン 6 〃 ステアリン酸亜鉛 1.2 〃 ステアリン酸カルシウム 1.0 〃 ジベンゾイルメタン 0.02 〃 ポリエチレンワックス 0.5 〃 グリセリン(モノ/ジ)ステアレート 0.4 〃 *1:鐘淵化学(株)製塩化ビニル樹脂用耐衝撃性改良剤:カネエースFM (メチルメタクリレート・ブタジエン・スチレン樹脂)
【0036】
【表1】
【0037】実施例2〜4および比較例8〜9 下記基本配合2の配合物に下記〔表2〕に示す種類およ
び量の安定剤を配合した場合について、実施例1と同様
にして試験を行い評価した。それらの結果を下記〔表
2〕に示す。
【0038】 基本配合2 塩化ビニル樹脂 100 重量部 炭酸カルシウム 3 〃 二酸化チタン 5 〃 MBS*1 5 〃 PMMA*2 0.5 〃 DHT−4A*3 0.8 〃 ステアリン酸亜鉛 0.5 〃 ビス(ジステアリルリン酸)亜鉛 0.5 〃 ステアリン酸カルシウム 0.7 〃 AO−50*5 0.3 〃 ステアロイルベンゾイルメタン 0.3 〃 ポリエチレンワックス 0.5 〃 グリセリン(モノ/ジ)ステアレート 0.4 〃 *5:旭電化工業(株)製フェノール系酸化防止剤:アデカスタブ AO−50 ステアリル−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ ロピオネート
【0039】
【表2】
【0040】実施例6〜8および比較例10〜12 下記基本配合3の配合物に下記〔表3〕に示す種類およ
び量の安定剤を配合した場合について、実施例1と同様
にして試験を行い評価した。それらの結果を下記〔表
3〕に示す。
【0041】 基本配合3 塩化ビニル樹脂 100 重量部 二酸化チタン 0.3 〃 DHT−4A*3 0.5 〃 ステアリン酸亜鉛 0.5 〃 ステアリン酸カルシウム 0.4 〃 AO−50*5 0.1 〃 ジベンゾイルメタン 0.1 〃 ポリエチレンワックス 0.5 〃 グリセリンジステアリン酸エステル 0.2 〃
【0042】
【表3】
【0043】以上の結果から、亜鉛化合物およびハイド
ロタルサイトで安定化された硬質塩化ビニル樹脂に、ポ
リビニルアルコールとポリメチルメタクリレートを併用
添加した場合(実施例1〜5)には、各々単独で添加し
た場合(比較例5,7〜9)に比較して顕著な安定化効
果が得られることは明らかである。
【0044】また、亜鉛化合物、ハイドロタルサイト類
およびポリビニルアルコールで安定化された硬質塩化ビ
ニル樹脂組成物に対して、耐衝撃改良剤のなかで、ポリ
メチルメタクリレートを用いた場合(実施例6〜8)に
は、安定化効果を示すが、MBS樹脂を用いた場合(比
較例12)には、安定化効果は認められない。ポリメチ
ルメタクリレートが耐衝撃改良剤のなかで特異的に安定
化効果を示していることは明らかである。
【0045】
【発明の効果】本発明の硬質塩化ビニル樹脂組成物は、
着色性、熱安定性に優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29:04 33:12)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル樹脂100重量部に、亜鉛化
    合物0.01〜5重量部、ハイドロタルサイト類0.0
    1〜10重量部、ポリビニルアルコール0.01〜5重
    量部およびポリメチルメタクリレート0.05〜10重
    量部を添加したことを特徴とする硬質塩化ビニル樹脂組
    成物。
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