JP3672372B2 - 塩化ビニル樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化ビニル樹脂組成物に関し、詳しくは、β−ジケトン化合物またはその金属塩および特定の二級カルボン酸金属塩を併用添加したことを特徴とする熱安定性、耐熱着色性および印刷性に優れ、プレートアウトの抑制された塩化ビニル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
塩化ビニル樹脂は、難燃性や耐薬品性に優れた樹脂であり、種々の用途に用いられている。しかし、塩化ビニル樹脂は熱的に容易に分解して脱塩化水素を起こして機械強度の低下や着色等の劣化を起こし、商品性を損なう欠点を有している。
【0003】
この劣化を抑制するために、種々の安定剤が開発され、特に鉛化合物やカドミウム化合物とバリウム化合物との混合物等が優れた安定化効果を持つことが知られている。しかし、近年、安全性の観点から鉛化合物やカドミウム化合物の使用が制限される傾向にあり、安全性の高い亜鉛化合物とアルカリ土類金属の有機酸塩の併用による安定化に変更されつつある。
【0004】
亜鉛化合物とアルカリ土類金属の有機酸塩による安定化には、従来からステアリン酸亜鉛、オレイン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪族カルボン酸の金属塩が用いられてきた。
【0005】
しかし、亜鉛化合物とアルカリ土類金属の有機酸塩による安定化では、亜鉛化合物を多量に用いると耐熱着色性は改善するものの熱安定性が低下し、アルカリ土類金属の有機酸塩を多量に用いると熱安定性は改善するものの耐熱着色性が低下することから、熱安定性と耐熱着色性を両立させることは困難であった。更に、これらの金属塩は塩化ビニル樹脂との相溶性に欠けるため加工時にプレートアウトして加工機を汚したり、成形後に経時でブルームし易く、配合量は制限されていた。
【0006】
これらの脂肪酸金属塩を構成する脂肪酸は、特公昭47−18417号公報に記載された如く通常は天然物由来の脂肪酸が用いられ、これらは主として直鎖の一級カルボン酸である。
【0007】
一方、特公昭45−20781号公報には、一級および二級カルボン酸の金属塩が抱えるブルームの問題を三級カルボン酸の金属塩を用いることで改善することが提案されている。三級カルボン酸はブルームを起こさず、その他の性能においては他の脂肪酸と同等の性能を示すものの、耐熱着色性においては満足のいくものではなかった。
【0008】
この熱安定性と耐熱着色性との両立をはかるため、β−ジケトン、多価アルコール、過塩素酸塩、酸化防止剤、金属(水)酸化物、ハイドロタルサイト等の種々の併用剤が提案されている。例えば、特開昭51−95447号公報には、金属石鹸にβ−ジケトン化合物を併用することで熱安定性を損なわずに耐熱着色性を改善することが提案されている。
【0009】
しかし、いずれの併用剤もブルームを生じたり、熱安定性を低下させるか耐熱着色性を低下させるため、充分満足のいくものではなかった。
【0010】
このように、塩化ビニル樹脂の安定化は未だ満足のいくものではなく、特に、硬質塩化ビニル樹脂、半硬質塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して可塑剤を0〜20重量部しか添加しないため、溶融粘度が高く、高温での加工が必要であり、加工時にかかるシェアも大きい。そのため、高度の安定化が要求されており、優れた安定化方法が望まれていた。
【0011】
従って、本発明の目的は、熱安定性、耐熱着色性および印刷性に優れ、プレートアウトの抑制された塩化ビニル樹脂組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、有機カルボン酸金属塩の有機カルボン酸として特定の二級カルボン酸を用い、β−ジケトン化合物と併用してなる塩化ビニル樹脂組成物が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0013】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、塩化ビニル樹脂100重量部に、β−ジケトン化合物またはその金属塩0.001〜5重量部および下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(I)で表される二級カルボン酸金属塩0.001〜10重量部を添加した塩化ビニル樹脂組成物を提供するものである。
【0014】
【化2】
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の塩化ビニル樹脂組成物について詳述する。
【0016】
本発明に用いられる塩化ビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニルの他、塩素化ポリ塩化ビニル、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルーエチレン共重合体、塩化ビニループロピレン共重合体、塩化ビニルーブタジエン共重合体、塩化ビニルースチレン共重合体、塩化ビニルー塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルーウレタン共重合体および塩化ビニルースチレンー無水マレイン酸三元共重合体等が挙げられる。
【0017】
本発明に用いられるβ−ジケトン化合物としては、ステアロイルベンゾイルメタン、ピバロイルベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン、カプロイルベンゾイルメタンのような脂肪族芳香族タイプとジベンゾイルメタンのような芳香族タイプ、デヒドロ酢酸のようなその他のタイプの何れでもよい。また、本発明に用いられるβ−ジケトン化合物の金属塩を構成する金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛が挙げられる。
【0018】
上記β−ジケトン化合物またはその金属塩の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜3重量部である。該添加量が0.001重量部未満であると耐熱着色性の改善効果が認められず、5重量部を超えても耐熱着色性は向上せずに熱安定性が低下する。
【0019】
本発明に用いられる上記一般式(I)で表される二級カルボン酸金属塩において、R1およびR2で示されるアルキル基としては、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソペンチル、ネオペンチル、第二ペンチル、第三ペンチル、イソヘキシル、第二ヘキシル、第三ヘキシル、イソヘプチル、第二ヘプチル、第三ヘプチル、1,3,3−トリメチルブチル、イソオクチル、第二オクチオル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、イソノニル、第二ノニル、第三ノニル、3,5,5−トリメチルヘプチル、イソデシル、第二デシル、第三デシル、イソウンデシル、第二ウンデシル、第三ウンデシル、イソドデシル、第二ドデシル、第三ドデシル等が挙げられる。特に分岐を有するアルキル基では、耐熱着色性に優れ、プレートアウトを抑制する。
【0020】
また、Mで示されるアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム等が挙げられる。
【0021】
上記一般式(I)で表される二級カルボン酸金属塩は、常温で液状かまたは低融点の化合物であり、液状ワンパック安定剤においても有用である。
【0022】
上記一般式(I)で表される二級カルボン酸金属塩の添加量は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部である。該添加量が0.001重量部未満であると安定化効果が得られず、10重量部を超えるとブルームして外観を損なう。
【0023】
本発明の塩化ビニル樹脂組成物には、通常用いられる安定剤、可塑剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、防曇剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、改質剤、強化剤、顔料、発泡剤等が併用されても良い。また、塩化ビニル樹脂の機械的特性を損なわない範囲であれば、他の樹脂を混合してもよい。
【0024】
本発明の塩化ビニル樹脂組成物に併用することができる上記安定剤としては、周知のものを用いることができ、具体的には、本発明に係る前記一般式(I)で表される二級カルボン酸金属塩以外の飽和脂肪族カルボン酸金属塩、不飽和脂肪族カルボン酸金属塩、芳香族カルボン酸金属塩等の他の有機カルボン酸金属石鹸(亜鉛石鹸、アルカリ土類金属の石鹸およびアルミニウム石鹸)、および有機リン酸金属塩等の有機金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩、ハイドロタルサイトやゼオライト等の無機複合金属塩等の無機金属塩、塩素酸バリウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム等のハロゲン酸素酸塩、多価アルコール、エポキシ化合物、βーアミノクロトネート類、尿素類、インドール類、ジヒドロピリジン類等の非金属安定剤が挙げられる。
【0025】
上記の他の有機カルボン酸金属石鹸を構成する有機カルボン酸としては、オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸等の飽和、不飽和の脂肪族カルボン酸、安息香酸、p−t−ブチル安息香酸等の芳香族カルボン酸が挙げられる。
【0026】
また、上記有機リン酸金属塩としては、モノステアリルリン酸エステル、ジステアリルリン酸エステル等のアルキルリン酸エステルやモノノニルフェニルリン酸エステル、ジノニルフェニルリン酸エステル等の芳香族リン酸エステルとアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛およびアルミニウムの塩やこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
また、上記ハイドロタルサイト類としては、下記一般式(II)で表される化合物が挙げられる。
【0028】
ZnX MgY AlZ (OH)2(X+Y)+3Z-2 CO3 ・nH2 O(II)
(式中、0≦X≦4、2≦Y≦6、2≦Z≦4、0≦n≦10を示す。)
【0029】
上記ハイドロタルサイト類は、天然物でも合成品でも良いが、不純物による樹脂の汚染が少ない合成品が好ましい。また、該ハイドロタルサイト類の組成としては、上記一般式(II)で表される化合物におけるマグネシウムの一部もしくは全部をアルカリ金属または他のアルカリ土類金属で置換したものでもよく、炭酸アニオンの一部または全部を過塩素酸アニオン等で置換したものでもよい。また、これらのハイドロタルサイト類は脂肪酸等により表面処理されたものを用いることもできる。
【0030】
また、上記多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシヌレート、マンニット、ソルビットおよびその部分エステル化合物が挙げられる。
【0031】
本発明の塩化ビニル樹脂組成物に併用することができる上記可塑剤としては、エステル系可塑剤、エーテル系可塑剤、エポキシ系可塑剤やリン酸エステル系可塑剤が挙げられる。
【0032】
ここで、上記エステル系可塑剤としては、フタル酸,トリメリット酸,ピロメリット酸,アジピン酸,セバチン酸,アゼライン酸等の酸とn−プロパノール,イソプロパノール,nーブタノール,イソブタノール,tert−ブタノール,n−ペンタノール,イソペンタノール,tert−ペンタノール,n−ヘキサノール,イソヘキサノール,n−ヘプタノール,イソヘプタノール,n−オクタノール,イソオクタノール,2ーエチルヘキサノール,n−ノナノール,イソノナノール,n−デカノール,イソデカノール,ラウリルアルコール,ミリスチルアルコール,パルミチルアルコール,ステアリルアルコール等の直鎖および分岐のアルキルアルコールとの単独または混合物からなるエステルや、ブタンジオールとアジピン酸とのエステルのようなポリエステル可塑剤等が挙げられる。
【0033】
また、上記エポキシ系可塑剤としては、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化アマニ油脂肪酸ブチル、オクチルエポキシステアレート、エポキシトリグリセライド、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシルやエピクロルヒドリンとビスフェノールAの低分子量反応生成物樹脂のようなエポキシ樹脂が挙げられる。
【0034】
また、上記リン酸エステル系可塑剤としては、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、モノブチルジキシレニルホスフェート、トリオクチルホスフェートが挙げられる。
【0035】
本発明の塩化ビニル樹脂組成物に併用することができる上記フェノール系酸化防止剤としては、通常用いられるもののいずれでもよく、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール) 、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェノール) 、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル) フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5. 5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。これらのフェノール系酸化防止剤は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部となるように併用される。
【0036】
また、上記リン系酸化防止剤としては、通常用いられるものはいずれでもよく、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジ (ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール) ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス〔3−(2,4,8,10−テトラ第三ブチルジベンジル)ホスフォシンオキシプロピル〕アミン、2,2−ビス(4−〔2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフォシンオキシ〕フェニルプロピル、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’ーメチレンビス(4ーメチルー6ー第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト等が挙げられ、その他、特開昭57−192460号公報に提案されている高分子量リン化合物が挙げられる。これらのリン系抗酸化剤は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量部、更に好ましくは0.005〜3重量部となるよう使用される。
【0037】
また、上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、好ましくは0.005〜10重量部、更に好ましくは0.01〜5重量部となるよう使用される。
【0038】
また、上記光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラテス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラエチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。これらの光安定剤は、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量部、更に好ましくは0.05〜3重量部となるように使用される。
【0039】
本発明の塩化ビニル樹脂組成物の加工方法としては、押し出し加工、カレンダー加工、ブロー成形、プレス加工、粉体成形、射出成形等が挙げられる。
【0040】
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、食品包装用ラップフィルム等の包装用資材、床材、天井材、壁材、窓枠、波板、雨樋等の建材、自動車外装材、自動車内装材、農業用資材、電線被覆材料、塗料、粘着テープ、ラベル用フィルム、シュリンク用フィルム、ホース、チューブ、パッキン、ガスケット、パイプ、レザー、玩具等の日用雑貨等の通常塩化ビニル樹脂組成物が用いられる用途であればいずれの用途にも用いることができる。
【0041】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例により何ら制限を受けるものではない。
【0042】
実施例1
以下に示す基本配合1によりヘンシェルミキサーでブレンド後、160℃×20rpm×0.5mm×5分の条件でロール混練してシートを得、得られたシートについて以下の試験を行った。それらの結果を下記〔表1〕に示す。
【0043】
熱安定性試験:得られたシートを190℃ギヤオーブン中での黒化までの時間を10分間隔で評価した。
【0044】
耐熱着色性試験:得られたシートを180℃×1mmで5分および20分プレスして得られたシートの着色度を目視により10段階評価した。1は着色なし、3は淡黄色、7は褐色、10は黒褐色とした。
【0045】
印刷性試験:得られたシートに朱色のインクを塗布後、40℃×95%RH×2週間後のインク塗布面にセロテープを貼り、碁盤目剥離試験により印刷性を評価した。剥離なしを1、半分程度が剥離したものを3、全体が剥離したものを5として5段階評価した。
【0046】
プレートアウト試験:プレスシート作成時のプレス板の表面を目視により5段階で評価した。1はプレートアウトなし、3は板の面積の30%程度のプレートアウト、5は全体にプレートアウトが認められるものとした。
【0047】
基本配合1(軟質塩化ビニル樹脂における評価の基本配合)
塩化ビニル樹脂〔Geon 103EP; 日本ゼオン(株)製〕 100 重量部
ジオクチルフタレート 40 〃
エポキシ化大豆油 2 〃
ステアリン酸カルシウム 0.5 〃
フェノール系酸化防止剤*1 0.1 〃
リン系酸化防止剤*2 0.3 〃
ジベンゾイルメタン (〔表1〕参照)〃
亜鉛石鹸(下記〔表1〕参照) (〔表1〕参照)〃
*1:アデカスタブAO−50(旭電化工業株式会社製)
ステアリル−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
*2:アデカスタブ1500(旭電化工業株式会社製)
テトラアルキル(C12〜15混合)ビスフェノールAジホスファイト
【0048】
【表1】
【0049】
実施例2
以下に示す基本配合2により、実施例1と同様にしてシートに加工し、同様の試験を行い、評価した。ただし、耐熱着色性は黄色度をハンター比色計で測定して評価した。それらの結果を下記〔表2〕に示す。
【0050】
基本配合2(半硬質塩化ビニル樹脂における評価の基本配合)
塩化ビニル樹脂〔Geon 103EP-8; 日本ゼオン(株)製〕 100 重量部
ジオクチルフタレート 5 〃
エポキシ化大豆油 5 〃
二酸化チタン 15 〃
オレイン酸亜鉛 0.5 〃
フェノール系酸化防止剤*1 0.1 〃
リン系酸化防止剤*2 0.3 〃
ステアロイルベンゾイルメタン 0.3 〃
バリウム石鹸(下記〔表2〕参照) (〔表2〕参照)〃
【0051】
【表2】
【0052】
実施例3
以下に示す基本配合3により、実施例2と同様にしてシートに加工し、同様の試験を行い、評価した。それらの結果を下記〔表3〕に示す。
【0053】
基本配合3(硬質塩化ビニル樹脂における評価の基本配合)
塩化ビニル樹脂〔TK-700; 日本ゼオン(株)製〕 100 重量部
二酸化チタン 0.3 〃
亜鉛石鹸(下記〔表3〕参照) (〔表3〕参照)〃
ステアリン酸カルシウム 0.2 〃
アデカスタブAO−50 0.1 〃
ジペンタエリスリトール 0.3 〃
DHT−4A*15 0.3 〃
ジベンゾイルメタン (〔表3〕参照)〃
ポリエチレンワックス 0.5 〃
グリセリンジステアリン酸エステル 0.2 〃
*15:協和化学(株)製ハイドロタルサイト Mg4.5Al2(OH)13CO3 ・3.5H2O
【0054】
【表3】
【0055】
以上の結果より、β−ジケトン化合物またはその金属塩および前記一般式(I)で表される二級カルボン酸金属塩を添加してなる本発明の塩化ビニル樹脂組成物(実施例 1-1〜1-3, 2-1〜2-2, 3-1,3-2)は、その他の塩化ビニル樹脂組成物(比較例 1-1〜1-6, 2-1〜2-6, 3-1〜3-5 )に比して、熱安定性を損なうことなく、耐熱着色性および印刷性に優れ、プレートアウトが抑制されたものであることが明らかである。
【0056】
【発明の効果】
本発明の塩化ビニル樹脂組成物は、熱安定性を損なうことなく、耐熱着色性、印刷性、プレートアウトを同時に高度に改善されたものである。

Claims (1)

  1. 塩化ビニル樹脂100重量部に、β−ジケトン化合物またはその金属塩0.001〜5重量部および下記〔化1〕の一般式(I)で表される二級カルボン酸金属塩0.001〜10重量部を添加した塩化ビニル樹脂組成物。
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