JP5248090B2 - 塩素含有樹脂用安定剤及び塩素含有樹脂組成物 - Google Patents
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しかし、ペンタエリスリトールは昇華性があり、加工機器を汚染したり塩化ビニル樹脂組成物製品に肌荒れが発生したりする等の現象が懸念されるため、ペンタエリスリトールの含有量は、上記ポリオール化合物の混合物の総量に対して、少なくとも10質量%以下に抑える必要があり、塩化ビニル樹脂組成物に対しては、ペンタエリスリトールの含有量を1質量%以下とすることが好ましい。
本発明の塩素含有樹脂用安定剤は、ペンタエリスリトール及びその縮合物からなるポリオール混合物であって、ペンタエリスリトールの縮合度をnで表すと、ポリオール混合物の総量に対し、n=1のペンタエリスリトールの含有量が0〜10質量%であり、且つn=1〜3のペンタエリスリトール及びその縮合物の合計の含有量が5〜30質量%であることを特徴とするものであり(但し、n=1〜3のペンタエリスリトール及びその縮合物とn≧4のペンタエリスリトールの縮合物との含有量の和は100質量%である。)、より好ましくは、n=1のペンタエリスリトールの含有量が0〜5質量%であり、且つn=1〜3のペンタエリスリトール及びその縮合物の合計の含有量が10〜30質量%である。また、n=1のペンタエリスリトールを全く含有しないことが最も好ましい。
n=1のペンタエリスリトールの含有量は10質量%より多いと、プレートアウトが発生する場合があるため好ましくない。
また、n=1〜3のペンタエリスリトール及びその縮合物の合計の含有量は30質量%より多いとプレートアウトが発生する場合があるため好ましくなく、5質量%より少ないと、塩素含有樹脂に対する熱安定化効果が不足する場合があるため好ましくない。
触媒の使用量は特に制限はないが、水溶性の酸触媒を用いる場合には、反応中の反応系内のpHが7未満、好ましくは5以下に維持できる量であればよい。また固体酸触媒を用いる場合には、通常、ペンタエリスリトールに対して0.1〜100質量%の使用量でよい。
これらのβ−ジケトン化合物の中でも、ジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、アセチルアセトン金属塩、又は、カルシウムアセチルアセトネートを使用すると着色の抑制された製品が得られるため好ましい。
前記有機酸金属塩の使用量は、前記塩素含有樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部、より好ましくは、0.05〜5質量部である。
’ニトロペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロテレフタルアミン等のニトロソ系発泡剤、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド、3,3’−ジスルホンヒドラジドフェニルスルホン、トルエンジスルホニルヒドラゾン、チオビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンエスルホニルアジド、トルエンスルホニルセミカルバジド、p,p’−ビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)エーテル等のヒドラジド系発泡剤、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビズ(スルホニルセミカルバジド)等のカルバジド系発泡剤、トリヒドラジノトリアジン、1,3−ビス(o−ビフェニルトリアジン)等のトリアジン系発泡剤等が挙げられる。
前記の各種添加剤の使用量は、本発明の塩素含有樹脂組成物の用途等に応じて適宜選択することができるが、好ましくは前記塩素含有樹脂100質量部に対して合計で100質量部以下とする。
各試料2mgを、0.5mlのシリル化剤(ジーエルサイエンス社製;TMSI−H)に加えた溶液を80℃に昇温して15分間保持した。溶液が透明になったのを確認してから室温まで放冷し、下記の条件で、ガスクロマトグラフィーを用いて面積比による定量を行った。これらの結果を表1に示す。
キャピラリーカラム:ULBON HR−1701(信和加工(株)製;φ:0.25mm×5m、液相:7%シアノプロピル、7%フェニルメチルシリコン)
カラム温度:100℃から15℃/minの昇温条件で360℃まで昇温し、360℃で20 min保持。
試料注入温度及び検出器温度:360℃
表1に記載の各ポリオール混合物の融点の測定は、融点測定装置((株)柳本製作所製;MP−J3型)に試料をセットし、昇温しながら目視で試料の融解挙動を観察することにより行なった。尚、融点は、融解挙動が始まった温度から完全に融解するまでの温度をその範囲とした。これらの結果を下記の表1に示す。
塩化ビニル樹脂(重合度700)100質量部に対し、ステアリン酸亜鉛1.0質量部、ステアリン酸カルシウム0.5質量部、ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製;マグセラー1)0.5質量部、ジベンゾイルメタン0.2質量部、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン0.2質量部、アクリル系高分子加工助剤(三菱レイヨン(株)製;P−551A)1.5質量部、滑剤(フタル酸ジステアレート)0.5質量部、酸化チタン0.4質量部、及び表1に記載のポリオール混合物0.5質量部を、ロッキングミルで混合して、塩素含有樹脂組成物を得た。
尚、表1に記載のポリオール混合物は、60メッシュの篩(目開き:250μm)をパスしたものを使用した。これらの塩素含有樹脂組成物について、下記の評価を実施した。
前記の得られた塩素含有樹脂組成物を、それぞれ190℃に加熱したロール加工機に投入し、3分間のロール混練を実施して、厚み0.6mmのシートを作成し、室温で冷却後、シートを裁断して幅10mm、長さ20mmの短冊状試験片を製作した。
そして、各短冊状試験片を190℃のギヤオーブンに入れ、15分ごとに取り出し、熱脆化して黒色化するまでの時間を求めた。これらの結果を下記の表2に示す。
前記の得られた塩素含有樹脂組成物を、それぞれ二軸押出機に投入し、押出温度180℃、スクリュー回転速度20rpmにて混練した樹脂をただちにロール加工機でシート状に成形し、幅4mm、厚み10mm、長さ80mmに型抜きして試験片を作成し、シャルピー衝撃値を評価した。これらの結果を下記の表2に示す。
前記の得られた塩素含有樹脂組成物を、それぞれ二軸押出機に投入し、押出温度180℃、スクリュー回転速度15rpmにて混練した樹脂をただちにロール加工機で、幅20mm、厚み4mmのシート状に成形し、該シート状の成形品の表面のGloss(60°)値を評価した。これらの結果を下記の表2に示す。
前記の得られた塩素含有樹脂組成物を、それぞれ二軸押出機に投入し、押出温度190℃、スクリュー回転速度15rpmにて混練した樹脂をただちにロール加工機で、幅50mm、厚み2mmのシート状に成形し、該シートを20cmの長さで切り取り、シート表面(片面)に発生したクレーター状のプレートアウトの個数をカウントした。これらの結果を下記の表2に示す。
塩化ビニル樹脂(重合度1000)100質量部に対し、ステアリン酸亜鉛1.0質量部、ステアリン酸カルシウム0.5質量部、ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製;アルカマイザー1)0.5質量部、ジベンゾイルメタン0.2質量部、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン0.2質量部、ジオクチルフタレート50質量部、エポキシ化大豆油2質量部及び表3に記載のポリオール混合物0.5質量部をロッキングミルで混合したものを、170℃に加熱したロール加工機に投入し、5分間のロール混練を実施して、厚み0.7mmのシートを作成し、室温で冷却後シートを適当に裁断して、該シートを二枚重ねて、180℃、30kg/cm2の荷重で5分間プレスした。プレス後のシートは1mm厚であった。このシートについて、下記の評価を実施した。
ヘイズ・ガードII〔(株)東洋精機製作所製〕にて、上記シートのHaze値を求めた。これらの結果を下記の表3に示す。
上記シートから引張試験の試験片を作成し、引張試験機((株)東洋精機製作所製;ストログラフAPII)にて、引張強度、引張破断強度及び伸び率を求めた。これらの結果を下記の表3に示す。
これに対して、前記表2より、ペンタエリスリトール及びその縮合物が特定の割合で配合されたポリオール混合物を使用した本発明の塩素含有樹脂組成物は、耐熱性、物性及び成形品の外観に優れることが確認できた(実施例2−1〜2−3)。
Claims (2)
- ペンタエリスリトール及びその縮合物からなるポリオール混合物であって、ペンタエリスリトールの縮合度をnで表すと、ポリオール混合物の総量に対して、n=1のペンタエリスリトールの含有量が0〜10質量%であり、且つn=1〜3のペンタエリスリトール及びその縮合物の合計の含有量が5〜30質量%であり、ポリオール混合物の融点が180℃以下であることを特徴とする塩素含有樹脂用安定剤。
- 塩素含有樹脂100質量部に対して、請求項1記載の塩素含有樹脂用安定剤を0.01〜10質量部配合してなることを特徴とする塩素含有樹脂組成物。
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