JP2008208100A - 免疫賦活剤及び免疫賦活食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】免疫賦活剤及び免疫賦活食品の有効成分として、発芽ライ麦及び/又はその加工物を含有させる。好ましくは芽の長さが1mm以上15mm以下、より好ましくは芽の長さが3mm以上10mm以下の発芽ライ麦及び/又はその加工物を含有させる。
【選択図】なし
Description
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、発芽ライ麦及び/又はその加工物を含有する免疫賦活剤及び免疫賦活食品、好ましくは芽の長さが1mm以上15mm以下、より好ましくは芽の長さが3mm以上10mm以下の発芽ライ麦及び/又はその加工物を含有する免疫賦活剤及び免疫賦活食品を提供することにより、上記目的を達成したものである。
発芽ライ麦は、その免疫賦活効果が発芽の程度に依存し、芽の長さが1mm以上15mm以下のもの、特に芽の長さが3mm以上10mm以下のものに、優れた免疫賦活効果が存する。
この方法の場合、発芽処理時間は、浸漬水の温度やインキュベーター中での保持温度によっても異なるが、通常、好ましくは24時間以上120時間以下、より好ましくは48時間以上96時間以下である。発芽処理時間が24時間未満であると、発芽の程度が不十分であり、優れた免疫賦活効果を得難い。浸漬水の温度は、好ましくは2〜40℃、より好ましくは4〜20℃であり、また、インキュベーター中での保持温度は、好ましくは2〜40℃、より好ましくは4〜25℃である。
発芽処理後、得られた発芽ライ麦は、そのまま免疫賦活剤及び免疫賦活食品の原料として使用することができるが、剤型や食品の種類及び形態などに合わせて、凍結乾燥、熱風乾燥、熱処理、粉砕処理、分級処理、加水混合処理などの加工処理を適宜施した加工物としてから使用することが好ましい。
また、発芽ライ麦は、免疫賦活効果の観点からは芽及び根を除去したものの方が好ましいが、芽及び根を除去しなくてもよく、また冷蔵保存や冷凍保存したものを使用することもできる。
ライ麦穀粒1kgを水洗して夾雑物を除去し、1%次亜塩素酸ナトリウム水溶液で滅菌した後、洗浄し、水5kgに4℃で12時間浸漬させ休眠打破を行った。その後、水切りし、20℃に保ったインキュベーター中で発芽させ、芽の長さが0.5mm(インキュベート時間:12時間)、1mm(インキュベート時間:24時間)、3mm(インキュベート時間:48時間)、5mm(インキュベート時間:72時間)、10mm(インキュベート時間:96時間)及び15mm(インキュベート時間:120時間)の発芽ライ麦をそれぞれ得た。
実施例1で得られた発芽の程度の異なる発芽ライ麦について、以下の試験方法により、IgA抗体の産生量を評価した。未発芽(芽の長さ0mm)のライ麦についても同様に評価した。その結果を図1に示した。
発芽ライ麦を凍結乾燥した後、粉砕し、100メッシュの篩(目開き150μm)を通過させた発芽ライ麦粉を試料として試験に供した。
BALB/cマウスから小腸を採取し、パイエル板細胞を回収した。このパイエル板を磨り潰し、セルストレイナーを通し細胞のみを回収した。この細胞を、ウシ胎児血清:FCS(Fetal Calf Serum)を5%添加した日本水産製RPMI培地10mlで2回洗浄し、最終的に5%FCS入りRPMI培地1mlに懸濁した。懸濁液中の細胞数を計測し、3×106cells/mlになるように、5%FCS入りRPMI培地で希釈し、各ウエル100μlずつ96穴プレートにまいた。
5%FCS入りRPMI培地で試料を20μg/mlになるように調製し、その内100μlを上記96穴プレートに加え、CO2 インキュベーターで7日間培養した。
対照区として5%FCS入りRPMI培地100μlのみを対照ウエルに加え、同様に処理した。
培養上清を回収し、ELISA法によりIgA抗体量を定量し、IgA抗体の産生量を調べ、対照区の値と比較した。
この結果から、発芽ライ麦にIgA抗体産生向上効果があり、免疫賦活効果が認められ、その効果は、発芽の程度に依存し、芽の長さが1mmから15mmで優れた効果を示し、特に3mmから10mmで効果が高いことが明らかになった。
発芽ライ麦と各種の発芽穀物(発芽大豆、発芽玄米、発芽キヌア、発芽アマランサス)との活性の比較を行った。比較試験は、下記の表1に示した製造元から入手した発芽ライ麦及び発芽穀物を凍結乾燥した後、粉砕し、100メッシュの篩(目開き150μm)を通過させた発芽穀物粉を濃度200μg/mlになるように5%FCS入りRPMI培地に懸濁したものを試料として、実施例2に記載した試験方法に供し、IgA抗体の産生量を調べ、対照区の値と比較することにより行った。この比較試験の結果を図2に示した。図2には、IgA抗体の産生量を、対照区に対する比(%)として示した。
実施例1で得られた発芽ライ麦粉(芽の長さ5mm) 10 g
微結晶セルロース 55 g
トウモロコシデンプン 25 g
乳糖 30 g
ポリビニルピロリドン 4 g
ステアリン酸マグネシウム 1 g
合計 125 g
上記成分を常法により顆粒化した後、ゼラチン硬カプセルに充填する。
実施例1で得られた発芽ライ麦粉(芽の長さ5mm) 50 g
微結晶セルロース 600 g
トウモロコシデンプン 300 g
ポリビニルピロリドン 50 g
合計 1000 g
実施例1で得られた発芽ライ麦粉、微結晶セルロース及びトウモロコシデンプンをポリビニルピロリドンと混合し、常法により散剤とする。
実施例1で得られた発芽ライ麦粉(芽の長さ5mm) 10 g
乳糖 130 g
トウモロコシデンプン 87 g
ポリビニルピロリドン 8 g
L−メントール 15 g
軽質無水ケイ酸 5 g
合計 255 g
上記の処方で、実施例1で得られた発芽ライ麦粉、乳糖、トウモロコシデンプン及びポリビニルピロリドン水溶液を混合し、造粒機にて攪拌下加熱造粒する。冷却後、粒度500μm以下に篩分けし、L−メントールを加えた後、無水ケイ酸を加え混合し、分包(1. 0g)して顆粒剤とする。
砂糖 50 g
水飴 33 g
クエン酸 2 g
香料 0. 2g
実施例1で得られた発芽ライ麦粉(芽の長さ5mm) 1. 5g
水 残
合計 100. 0g
砂糖、水飴及び水を鍋に入れて煮沸して溶解させ、煮沸温度が125℃に達した後、火から下ろし、香料、実施例1で得られた発芽ライ麦粉を添加する。撹拌しながら冷却板に流し込み、80℃まで冷却した後に、棒状にして適当な長さに切断して、一粒当たり3.33gのキャンディーを製造する。
小麦粉(強力粉)135g及び実施例1で得られた発芽ライ麦粉(芽の長さ5mm)15gとドライイースト2gを混ぜる。別に、砂糖20g、食塩3g、脱脂粉乳6gを温湯70gに溶かし、鶏卵1個を添加してよく混ぜる。これを小麦粉及び発芽ライ麦粉とドライイーストとの混合物に加え、手でよくこねた後、バター40gを加えてさらに手でよくこね、8個のロールパン生地を作る。次いで、発酵させた後、表面に溶き卵を塗り、オーブンにて180℃で約15分焼成し、ロールパンを製造する。このロールパンは、外観、味、食感とも通常品と遜色のないものであった。このロールパンは、1個当たり実施例1で得られた発芽ライ麦粉を約1.88g含有する。
水150gに食塩15gを分散させたものを、実施例1で得られた発芽ライ麦粉(芽の長さ5mm)15g及び小麦粉(中力粉)285gに良く混ぜた後、 こねて寝かす。この後、生地を延伸し、幅約5mmで切断してうどんを製造する。これを沸騰したお湯で約10分茹でたところ、外観、味、食感ともに良好であった。このうどんは、1食分当たり実施例1で得られた発芽ライ麦粉を約1.8g含有する。
実施例1で得られた発芽ライ麦粉(芽の長さ5mm)15gとオーガニック青汁(日清ファルマ社製)585gを良く混ぜ、この後、1食分当たり約3gのスティック包装の青汁を得る。
Claims (3)
- 発芽ライ麦及び/又はその加工物を含有する免疫賦活剤又は免疫賦活食品。
- 発芽ライ麦の芽の長さが1mm以上15mm以下である請求項1に記載の免疫賦活剤又は免疫賦活食品。
- 発芽ライ麦の芽の長さが3mm以上10mm以下である請求項1に記載の免疫賦活剤又は免疫賦活食品。
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JP2007048460A JP2008208100A (ja) | 2007-02-28 | 2007-02-28 | 免疫賦活剤及び免疫賦活食品 |
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