JP2008207128A - ポリマーワックスの剥離廃液処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】剥離剤が混入されたポリマーワックスの剥離廃液に酸を添加して(ステップS5)、該廃液内にポリマーのみのゲル状半固形化状のポリマー塊を析出すると共に、有害の剥離剤を塩に変化させ、ポリマー塊を抽出する(ステップS6)。ポリマーワックスが排除された廃液にアルカリ液を添加取り出して中和処理し(ステップS8)、吸収材を混合(ステップS9)した後真空乾燥させて(ステップS10)固形物を得て、この固形物と先に抽出したポリマーから固形燃料を取り出し、産業廃棄物の発生を排除して有価燃料を得る。
【選択図】図1
Description
この塗布された床剤としてのポリマーワックスは、塵埃の付着、機械的擦傷、磨耗等によって損耗し、その機能、美観が低下することから、通常、定期的に塗り替えがなされる。この塗り替えに当たっては、まず、すでに塗られているポリマーワックスを剥離することが必要であり、上述した定期的な塗り替えによって、多量のポリマーワックスの剥離廃液が発生する。
ドライ方式による場合、有害廃液が発生しないことから、一般に環境にやさしいという利点がある。
しかしながら、ドライ剥離を行うものにあっては、剥離に先立って塗布される剥離剤が高価格であるとか、機械的に剥離する機械の初期投資が大であるとか、比較的小面積に対する剥離には適さないなどの問題がある。また、この場合においても剥離によって生じた剥離廃物の廃棄処理が問題となる。また、消石灰の製造時において、剥離廃物を生石灰に混入させる提案もなされているが、この方法は、多量の生石灰を必要とするため一般的な処理法とはなっていない。
このような環境への影響を考慮して、凝集剤によって廃液中のポリマーをフロック析出し、これを濾過して液体分をできるだけ清浄化して排水するなどの方法の提案がなされている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
すなわち、この産業廃棄物の発生は、環境問題とともに、特に、昨今この廃棄委託処理に多大の費用が掛かり、このための施工者の負担が大きな問題となっている。
また、本発明は、ポリマーワックスの剥離廃液処理方法にあって、剥離廃液に添加する酸が有機酸であることを特徴とする。
また、本発明は、ポリマーワックスの剥離廃液処理方法にあって、剥離廃液に添加する酸が無機酸であることを特徴とする。
また、本発明は、ポリマーワックスの剥離廃液処理方法にあって、中和処理のアルカリ溶液を水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムの少なくとも1つとしたことを特徴とする。
また、本発明は、混合工程において投入する吸収材におがくずを用いることを特徴とする。
したがって、産業廃棄物の発生が回避され、環境にやさしいポリマーワックスの剥離廃液処理を実現することができる。
図1は、本発明によるポリマーワックスの剥離廃液処理方法の一実施形態例のフロー図である。
この実施の形態例では、例えば床面に塗布されたポリマーワックスの塗り替えにおいて、この床面に塗布されているポリマーワックスの剥離作業の開始から説明するが、本発明は、あくまでも剥離作業によって発生したポリマーワックスの剥離廃液に対しての処理方法である。
次に、アミン類を有する剥離剤によるワックス剥離及び床面洗浄を行う(ステップS2)。
これによってポリマーワックスや剥離剤を含む剥離廃液が発生する。
このポリマーワックスの剥離廃液を、運搬容器例えばいわゆるポリ容器に収容し(ステップS3)、廃液処理現場に運搬する(ステップS4)。
この酢酸や希硫酸の添加によって剥離廃液上層にワックス成分、すなわちポリマーのみのゲル状半固形化状のポリマー塊が分離析出される。このポリマー塊を剥離廃液から抽出する(ステップS6)。このようにしてポリマーと残部廃液とを分離する。
そして、このステップS7のポリマー洗浄によって生じた洗浄水と、ステップS6でポリマーが抽出されて得た上記残部廃液にアルカリ液を添加して中和処理を行う(ステップS8)。
この中和処理によって、廃液をほぼ中性ないしは弱酸性とする。
次に、吸収材が投入された廃液を、真空乾燥する(ステップS10)。そして、この乾燥によって生じた、廃液に含まれる固形物と吸収材との混合物を、先の洗浄されたポリマーと混合し(ステップS11)固形燃料を得る。
図1におけるステップS1の床面清掃は、掃除機等によって塵埃等を排除する工程である。
ステップS2におけるワックス剥離作業は、ステップS1において床面から塵埃等除去されて清浄化された床面にワックスを剥離する剥離剤を塗布する工程である。
この剥離剤は、アミン類を有する剥離剤、例えば2−アミノ−エタノール、2−アミノ−プロパノール等のアミン類15%〜25%、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル等のアルコール類及びエーテル類60%、及び残部水から形成されている。この剥離剤によってワックスを構成する例えば亜鉛架橋型のスチレンアクリルポリマーと、架橋金属の例えば亜鉛Znを遊離させて架橋強度を減少させて剥離を生じさせる。
この回収された剥離廃液は、上述のポリマーと剥離剤とを含む廃液であり、主成分として、架橋型アクリルスチレンポリマー、グリコールエーテル系溶剤及びその他の特殊溶剤、アミン類、界面活性剤、水、汚れ等を含んでいる。
この廃液は、例えば床面積70m2〜80m2に対するワックス剥離作業で、約20[l](リットル)を発生する。この廃液は例えばpH11〜pH12.5程度の強いアルカリ性を示している。
そして、図1のステップS5で説明したように、廃液処理現場において、剥離廃液を撹拌しつつ、酸、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸や、酢酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸から選ばれる少なくとも1種の酸を添加する。例えば、濃度が35[g/l]の酢酸を例えば0.7[l]添加する。このようにすると、廃液の上層に、ゲル状の半固形化状のポリマー塊が瞬時に析出される。これにより、剥離剤のアミンが化学反応によって塩、例えばアミンの酢酸塩と水とになる。
そして、ステップS6において、この廃液から塊状のポリマーが抽出される。ここで抽出されるポリマーは塊状であることから、この抽出はきわめて容易に行うことができる。
このポリマー塊の抽出によって、ポリマー(すなわちワックス成分)と残部の廃液とが分離される。
吸収材は、廃液内に含まれる水分やポリマーを吸収することができるものであり、さらに、可燃性のものを混合しやすい粒状や粉末状等の形状にして用いることができる。吸収材としては、例えば、おがくず、籾殻、蕎麦殻、椰子殻、紙、糸、毛等の繊維、果物、ワイン、酒、焼酎、大豆、おから、ビール、油、さとうだいこん、サトウキビ等食品の搾りかす、かつおや昆布のだしがら、こんにゃく飛粉、ナッツ類の殻、活性炭等を使用することができる。吸収剤として使用することが好ましいこれらのものは、通常、廃棄物として大量に処分されているものであるため、吸収剤に費やすコストを削減することができる。
吸収剤は、例えば、中和処理された廃液約25[l]に対して、吸収材約25[l]が加えられる。また、例えば吸収剤としておがくずを使用する場合には、廃液1[l]に対して、約138gのおがくずを使用する。
そして、ステップS9で吸収材が混合された廃液は、ステップS10で真空乾燥されて廃液から蒸発成分が分離され、廃液に含まれる固形物による残部廃液固形物と、吸収材との混合物が得られる。
ここで分離された廃液に含まれる蒸発成分は、コンデンサ等によって凝縮されることにより、再び液体(分離水)として回収することができる。
このステップS10の真空乾燥は、真空度が−0.1MPa程度で行われる。また、この乾燥処理では、混合物を真空下に置くことに加えて、80℃程度まで加温することよって、速やかに乾燥することができる。
また、この固形燃料は、切断することによって任意の小片形状のチップ、つまり燃焼しやすい形状にして利用することができる。
ステップS5において添加する酸に無機酸を用いる場合であっても、例えば、ステップS5において添加する酸に希硫酸を使用し、ステップS8において添加するアルカリ液に水酸化バリウムを使用して、中和処理を行う。そして、希硫酸と水酸化バリウムとを反応させて、水に対して難溶性を示す硫酸バリウムを塩として発生させることができる。この難溶性の塩を、フィルターによるろ過等で分離することによって、ラジカル分解後通常の爆気式の活性汚泥法等の浄化槽での処理が可能となる。
このため、通常の爆気式の活性汚泥法等の浄化槽によって、容易に排水のBODを下げることができ、河川に排出できる程度まで、排水を浄化することができる。
また、上述の廃液から分離される難溶性の塩においても、例えば硫酸バリウムであれば有価物として取引され、再利用することができるため産業廃棄物の発生を回避することができる。
なお、希硫酸と水酸化バリウムの組み合わせ以外でも、酸とアルカリの反応によって発生する塩が水に対して難溶性を示す、酸とアルカリの組み合わせであればよく、希硫酸と水酸化バリウムに限らず、任意の酸とアルカリを組み合わせて使用することができる。
そして、抽出されたポリマーは、固形燃料として用いることができる。さらに、このポリマーは、床剤の主成分であることから、きわめて多量に抽出される。このため、ポリマーから多量の固形燃料が生産されることにより、このポリマーによる産業廃棄物の発生を回避することができる。
図2は、本実施の形態の真空乾燥を実施する、真空乾燥装置の概略構成図である。
上述の加熱乾燥機には、一方の面の中心部を貫通して回転軸14が設けられている。この回転軸14は、図示しない駆動源と接続されて、正逆に回転可能な構造である。
そして、ゼットコンデンサ23は、駆動水入口23bから、吐出口23cに液体を流通させることにより、蒸気導入口23aに接続された配管43を通じて加熱乾燥機10の内部を、真空ポンプの働きにより減圧することができる構造となっている。
また、ゼットコンデンサ23に、蒸気導入口23aから導入された蒸気は、循環水によって冷却されて凝縮することにより、再び液体(分離水)として回収することができる。そして、ゼットコンデンサ23内で、分離水が循環水と混合しながら、吐出口23cから配管46を通り、循環水槽25に排出される。
また、ゼットコンデンサ23内で凝縮した分離水が循環水と共に循環水槽25に排出されるため、循環水槽25内の循環水には、廃液の蒸発成分が混合した状態で蓄えられることになる。
また、循環水槽25には、循環水が所定量を超えないように、オーバーフロー配管48が接続されている。
このように、循環水槽25は、給水配管47から冷水を給水することにより、また、オーバーフロー配管48から排出することにより、循環水槽25内の循環水の温度と水量を一定に保つことができる構造である。
加熱乾燥機10の平面図を図3Aに示す。また、図3AのA−A’線断面図を図3Bに示し、B−B’線断面図を図3Cに示す。
加熱乾燥機10のジャケット12と、内筒11との間には、外部から加熱水蒸気を供給することができ、内筒11内を加熱することができる構造になっている。
回転軸14には、内部が空洞で形成された撹拌翼19が接続されている。
撹拌翼19は、回転軸14の周囲に所定の間隔を空けて同心状に設けられたスリーブ19aにより構成され、この外周にアームパイプ19bが放射状に取り付けられている。アームパイプ19bの先端には、加熱乾燥機10の内壁面に臨む所定形状の羽根19cが設けられている。
そして、回転軸14が回転することによって、加熱乾燥機10に内部を撹拌翼19によって撹拌することができる。
また、回転軸14に供給された加熱水蒸気は、スリーブ19a及びアームパイプ19b内に導入される。このため、アームパイプ19bに接触した加熱乾燥機10の内容物を加熱することができる。
回転軸14には、供給された加熱水蒸気を排出するためのドレーン配管42がロータリージョイント18に接続され、回転軸14からスリーブ19a及びアームパイプ19b内に供給された加熱水蒸気を外部に排出できる構造となっている。
ホッパ15に接続された配管43は、加熱乾燥機10内を減圧するゼットコンデンサ23(図2参照)に接続されている。
加熱乾燥機10に投入される廃液及び吸収材の量は、乾燥機内の容積の約半分程度であることが好ましい。
このとき、ゼットコンデンサ23内に流入した蒸気は、駆動水入口23bから吐出口23cに流通している循環水によって冷却される。冷却された蒸気は凝縮して再び液体(分離水)となり、循環水と共に吐出口23cから排出される。そして、配管46を通じて循環水槽25で受け止められる。
また、加熱乾燥機内には、固形分と共に吸収材が残存する。
このようにして得た固形分及び吸収材は、図1のフロー図で説明したように、先にステップS6において抽出したポリマーと共に例えばステップS11を経て固形燃料とされる。
このとき、乾燥機内の温度と真空度を保持したまま、廃液を追加して投入し、上述の真空乾燥工程を繰り返すことにより連続的に廃液の真空乾燥を行うことができる。
これにより、上述した真空乾燥装置1つで、多量の廃液の乾燥を行うことができる。
この排水には、廃液に含まれる蒸発成分が含まれているため、例えば、産業廃棄物として国や、各都道府県の排水基準を満たさなければ河川等へ排出することができない。しかし、この排水を爆気式の浄化槽を用いて処理することにより、河川へ排出することができるまで浄化することが可能である。
ただし、上述の真空乾燥装置から排出される排水が、国や、各都道府県の排水基準を満たすものであれば、そのまま河川等へ排出することが可能である。
以下、上述の本発明の剥離廃液処理方法について、実施例を用いて説明する。
まず、ステップS1〜S4によって得られた剥離廃液10[l](pH10.39)に対して、濃度が36%(pH0.29)の希硫酸を750[ml]添加した。
そして、希硫酸を添加することによって、凝集したポリマー塊を抽出した。このとき1485[g]のポリマー塊が得られた。また、ポリマー抽出後の廃液として、pH1.93の廃液が8.5[l]得られた。
次に、抽出したポリマー塊を2[l]の水で洗浄した。そして、この洗浄に用いた水を、上記ポリマー抽出後の廃液に混合した。
次に、上記ポリマー抽出後の廃液に、300[g]の水酸化バリウムを溶解した12[l]の水酸化バリウム溶液(濃度4%、pH11.1)を添加した。そして、水酸化バリウムの添加によって発生する、水に難溶性の硫酸バリウムをろ過し、上記廃液から硫酸バリウムを分離した。
次に、上述の方法で排出された廃液22[l]に対し、吸収剤としておがくずを3036[g]を混合した。
次に、上述の真空乾燥装置を用いて吸収剤が混合された上記廃液の真空乾燥を、真空度−0.1[MPa]、温度80[℃]の条件で行った。なお、上述の真空乾燥装置にいて、循環水槽25内には、あらかじめ110[l]の循環水を蓄えておいた。
次に、真空乾燥によって得られた残部廃液固形物と吸収剤との混合物を、上述のポリマー塊と混合することによって、固形燃料を得た。
また、上記の方法において排出された、真空乾燥による分離水と循環水の混合物を、実施例1の排水として検査を行った。
まず、ステップS1〜S4によって得られた剥離廃液10[l](pH10.39)に対して、400[g]のリンゴ酸を溶解した濃度15%(pH2.07)のリンゴ酸水溶液4[l]を添加した。
そして、リンゴ酸を添加することによって、凝集したポリマー塊を抽出した。このとき1900[g]のポリマー塊が得られた。また、ポリマー抽出後の廃液として、pH3.6の廃液が12.25[l]得られた。
次に、抽出したポリマー塊を2[l]の水で洗浄した。そして、この洗浄に用いた水を、上記ポリマー抽出後の廃液に混合した。
次に、上記ポリマー抽出後の廃液14.25[l]に、炭酸水素ナトリウム(重曹)を254[g]添加した。
次に、上記廃液に、吸収剤としておがくずを1966[g]を混合した。
次に、上述の真空乾燥装置を用いて吸収剤が混合された上記廃液の真空乾燥を、真空度−0.1[MPa]、温度80[℃]の条件で行った。なお、上述の真空乾燥装置にいて、循環水槽25内には、あらかじめ110[l]の水を蓄えておいた。
次に、真空乾燥によって得られた残部廃液固形物と吸収剤との混合物を、上述のポリマー塊と混合することによって、固形燃料を得た。
また、上記の方法において排出された、真空乾燥による分離水と循環水の混合物を、実施例2の排水として検査を行った。
まず、ステップS1〜S4によって得られた剥離廃液10[l](pH10.39)に対して、濃度が36%(pH0.29)の希硫酸を750[ml]添加した。
そして、希硫酸を添加することによって、凝集したポリマー塊を抽出した。このとき1485[g]のポリマー塊が得られた。また、ポリマー抽出後の廃液として、pH1.93の廃液が8.5[l]得られた。
次に、抽出したポリマー塊を2[l]の水で洗浄した。そして、この洗浄に用いた水を、上記ポリマー抽出後の廃液に混合した。
次に、上記ポリマー抽出後の廃液に、300[g]の水酸化バリウムを溶解した12[l]の水酸化バリウム溶液(濃度4%、pH11.1)を添加した。そして、水酸化バリウムの添加によって生成する、水に難溶性の硫酸バリウムをろ過し、上記廃液から硫酸バリウムを分離した。
上述の方法によって得られた、上記廃液を比較例1の排水として検査を行った。
まず、ステップS1〜S4によって得られた剥離廃液10[l](pH10.39)に対して、400[g]のリンゴ酸を溶解した濃度15%(pH2.07)のリンゴ酸水溶液4[l]を添加した。
そして、リンゴ酸を添加することによって、凝集したポリマー塊を抽出した。このとき1900[g]のポリマー塊が得られた。また、ポリマー抽出後の廃液として、pH3.6の廃液が12.25[l]得られた。
次に、抽出したポリマー塊を2[l]の水で洗浄した。そして、この洗浄に用いた水を、上記ポリマー抽出後の廃液に混合した。
次に、上記ポリマー抽出後の廃液に、炭酸水素ナトリウム(重曹)を254[g]添加した。
上述の方法によって得られた、上記廃液を比較例2の排水として検査を行った。
この検査結果、及び、排水基準の例として群馬県の排水基準を表1に示す。なお、表1において、未満は定量下限値未満を示す。
また、比較例1の排水はBODが12000[mg/l]、CODが47000[mg/l]であり、比較例2の排水はBODが38000[mg/l]、CODが21000[mg/l]であった。
従って、吸収剤を用いて真空乾燥を行うことにより、排水のBOD及びCODを充分低くすることが可能である。
このため、真空乾燥の際に、おがくずのように重金属等を吸着可能な多孔質体を吸収剤として使用することにより、排水中の有害物質を吸着することができ、排出される有害物質量を低減することができる。
このように、ステップS5において添加する酸に無機酸を使用することにより、排水のBOD及びCODを低下させることができる。
このため、上述の実施例1,2において、真空乾燥の際のオーバーフローによって排出される排水は、BOD、CODがともに基準値よりも高いため、そのまま河川に排出することはできない。
このため、分離水を含む循環水をラジカル分解後通常の活性汚泥法を用いて爆気式の浄化槽で浄化処理することにより、河川に排出できるレベルまで、BOD、CODを低下させることができる。
特に、ゼットコンデンサ23によって加熱乾燥機10内を真空状態にするため、廃液に含まれる洗浄剤成分による発泡が起こりやすくなる。また、このように廃液が発泡することにより、加熱乾燥機10内において廃液が発泡して真空度が低下してしまう。
このため、廃液が発泡した場合には、所定の真空度が得られず、廃液の乾燥に時間がかかる。さらに、廃液が発泡することにより、加熱乾燥機10内で泡による体積が増加し、乾燥機内の圧力が低下しなくなるため、廃液の乾燥処理が停止してしまう。
また、発生した泡が配管43内に進入することにより、分離水と共に、廃液の泡に含まれる固形分が排出されてしまう。
このため、循環水槽25へ排出された循環水に、分離水と共にポリマー以外の主成分が含まれたまま排出されてしまう。このため、表1で比較例1,2に示したように、排水中のBOD、COD等が増加してしまうと考えられる。
従って、産業廃棄物の発生が回避され、環境にやさしいポリマーワックスの剥離廃液処理ができる。
Claims (6)
- 剥離剤が混入されたポリマーワックスの剥離廃液に酸を添加して前記廃液内にポリマーのみのゲル状半固形化状のポリマー塊を分離析出させる工程と、
前記ポリマー塊を前記剥離廃液から抽出する工程と、
前記ポリマー塊の抽出によってポリマーが除去された残部廃液にアルカリ溶液を添加する中和処理工程と、
前記中和処理された前記残部廃液に吸収材を投入する混合工程と、
前記吸収材が投入された前記残部廃液を真空乾燥して固形物を得る真空乾燥工程と、
前記固形物と前記半固形化状ポリマー塊とを混合して固形燃料を生成する工程とを有することを特徴とするポリマーワックスの剥離廃液処理方法。 - 前記ポリマーが、金属架橋型スチレンアクリルポリマーであり、
前記剥離剤がアミン類であって、前記ポリマーワックスの剥離が、前記金属を遊離させることによる架橋強度を減少させて剥離を生じさせる剥離剤であることを特徴とする請求項1に記載のポリマーワックスの剥離廃液処理方法。 - 前記剥離廃液に添加する酸が、有機酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマーワックスの剥離廃液処理方法。
- 前記剥離廃液に添加する酸が、無機酸であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマーワックスの剥離廃液処理方法。
- 前記中和処理のアルカリ溶液を水酸化ナトリウム、水酸化バリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウムの少なくとも1つとしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーワックスの剥離廃液処理方法。
- 前記混合工程において投入する前記吸収材におがくずを用いることを特徴とする請求項1〜4に記載のポリマーワックスの剥離廃液処理方法。
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